JP2010265406A - ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルムとその製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルムとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部ヘーズの極めて小さいポリエステル組成物およびそれを用いた内部ヘーズの極めて小さなポリエステルフィルムの提供。
【解決手段】特定のホスホネート化合物を、重合反応の失活剤として、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で15〜120mmol%の範囲で用いたポリエステル組成物であって、かつ平均粒径が0.05μm以上の外部添加粒子の含有量が0.1重量%未満であるポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はポリエステル組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、内部ヘーズの小さいシートやフィルムの成形に適したポリエステル組成物およびその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有し、磁気テープ、電気絶縁材料、コンデンサー、写真フィルムまたは包装材等などのフィルム用途に広く用いられている。特に近年は、各種光学用フィルムに多く用いられ、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルムやディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。
ところで、近年のフィルムへの要求はますます高度になり、特に内部ヘーズの低減が求められてきている。この内部ヘーズを低減するには、一つにはフィルムにしたときの取扱い性を高めるために加えている不活性粒子などを添加しないことが挙げられるが、それだけでは不十分で、さらに触媒の析出・凝集なども改良することが必要となってきている。
そのような観点から、特開2004−210873(特許文献1)では、2種類のリン化合物を用いることが提案されている。しかしながら、それでも内部ヘーズとしてはまだまだ不十分なものでしかなかった。
一方、内部ヘーズとは関係なく、特開2008−24746(特許文献2)では、フィルムの取扱い性を向上させるために含有させる外部添加粒子の凝集を抑制する点から、特定のリン化合物がよいことが提案されている。また、特開2007−182470(特許文献3)では、フィルムに難燃性を付与する観点から、前記特許文献2で提案されたリン化合物を使用することが提案されている。
特開2004−210873号公報 特開2008−24746号公報 特開2007−182470号公報
本発明の目的はかかる従来技術の問題点を解消し、内部ヘーズの極めて小さいポリエステル組成物およびそれを用いた内部ヘーズの極めて小さなポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリエステルの重合工程で、特許文献2および3で提案されているリン化合物を重合反応の失活剤として用いたとき、驚くべきことに内部ヘーズが低減できることを見出し、本発明に到達したものである。
かくして本発明によれば、下記構造式(I)
Figure 2010265406
(式中、RおよびRは、それぞれ炭素数2以上のアルキレン基であり、mおよびnは正の整数で、m+nは3〜10の範囲である。)で示されるホスホネート化合物を、重合反応の失活剤として、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で15〜120mmol%の範囲で用いたポリエステル組成物であって、かつ平均粒径が0.05μm以上の外部添加粒子の含有量が0.1重量%未満であるポリエステル組成物及びそれを用いたポリエステルフィルムが提供される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、外部添加粒子を添加していないこと、Sb化合物を、得られるポリエステル組成物の重量を基準として、Sb元素量で、80〜200ppmの範囲で含有していること、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであるこ戸の少なくともいずれか一つをさらに具備するポリエステル組成物およびそれを用いたポリエステルフィルムも提供される。
さらに、本発明によれば、平均粒径が0.05μm以上の外部添加粒子を、得られるポリエステル組成物の重量を基準として、0.1重量%以上の割合で添加することなく、ポリエステルの重合工程に失活剤として前記構造式(I)で示されるホスホネート化合物を、得られるポリエステルの全酸成分に対して、リン元素量で15〜120mmol%の範囲となるように添加するポリエステル組成物の製造方法も提供される。
本発明によれば、上記式(I)で示すホスホネート化合物を重合反応の失活剤として用い、かつ内部ヘーズを高める外部添加粒子を極力用いないことで、内部ヘーズのきわめて低いポリエステル組成物を製造できる。そのため、本発明のポリエステル組成物を用いてフィルムを製造すれば、極めて透明性の高いフィルムを製造することができ、その工業的価値は極めて高い。
本発明におけるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とエチレングリコール成分とからなるポリエステルが好ましく、特にフィルムなどへの製膜性を有することが好ましい。そのようなポリエステルの中でも、力学的特性の観点などから、全繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレンー2、6―ナフタレート単位からなるポリエステルが好ましい。もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば芳香族ポリエステルの全繰返し単位に対して、15モル%以下で、好ましくは10モル%以下で、他の第3成分を共重合した共重合体であっても良い。第3成分(共重合成分)としては、テレフタル酸(エチレンー2、6―ナフタレート単位の場合)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(エチレンテレフタレート単位の場合)、2,7−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコールが例示でき、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
本発明のポリエステル組成物は、前記構造式(I)で示されるホスホネート化合物を、重合反応に用いることが必要である。かかるホスホネート化合物は、重合反応の失活剤として使用されたものであり、重合反応の失活剤として特定の範囲で用いることで透明性を向上させることができる。
前記一般式(I)で表されるホスホネート化合物のRおよびRは炭素数2以上のアルキレン基であって、直鎖状であっても分岐状であってもよい。アルキレン基としては、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロレン基、t−ブチレン基、sec−ブチレン基等を例示することができる。また、シクロアルキレン基としては、炭素数3〜18、好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキレン基であり、具体的には、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等を例示することができる。なお、式中のRとRは、それぞれが同一の基であっても異なる基であってもよい。
前記一般式(I)において、mおよびnは正の整数であって互いに同一であっても異なっていてもよく、m+nの範囲は3〜10の範囲である。m+nが下限未満であると、ホスホネート化合物自体が加水分解しやすくなり、他方上限を超えるとホスホネート化合物自体が熱分解しやすくなる。好ましいm+nの範囲は4〜8であり、特に4〜7である。
前記一般式(I)で表されるホスホネート化合物の具体例としては、例えば下記の表1に召されるような化合物が挙げられる。
Figure 2010265406
この前記一般式(I)で表されるホスホネート化合物の添加量は、得られるポリエステルの全酸成分に対して、リン元素量で15〜120mmol%の範囲、好ましくは20〜60mmol%、特に好ましくは25〜50mmol%の範囲である。この添加量が下限未満の場合には、得られるポリエステル樹脂組成物の耐熱性が乏しくなり、他方上限を超えると、透明性が低下しやすくなる。なお、本発明において、前記したホスホネート化合物は、1種に限定されず、2種以上を併用してもかまわない。また、上記一般式(I)で示されるホスホネート化合物は、公知の方法により製造することができ、例えば、ヒドロキシメチルリン酸に所望のジオールをエステル化反応することで得ることができる。
このようなリン化合物が透明性を挙げる理由は不明ではあるが、本来、触媒や不純物として含まれる金属化合物とリン化合物とが結合してポリエステル樹脂中に異物として析出するものの、本発明で使用する特定のホスホネート化合物では、その異物がポリエステル樹脂中に溶解しやすくなるためと考えられる。そのため、重合反応の失活剤として用いるリン化合物は、全て前記一般式(I)のホスホネート化合物であることが好ましい。
本発明では、内部ヘーズを抑える観点から、フィルムの表面に凹凸をつけて滑り性を向上させるための外部添加粒子は、極力含有させないことが好ましい。そのような観点から、平均粒径が0.05μm以下の外部添加粒子の含有量は、得られるポリエステル組成物の重量を基準として、0.1重量%未満であることが必要である。好ましい外部添加粒子の含有量は、0.05重量%未満、さらに0.01重量%未満である。なお、本発明でいう外部添加粒子とは、フィルムの表面に凹凸をつけて滑り性を向上させるために外部から添加する粒子のことを意味する。一方このほかに粒子としては、触媒などを積極的に析出させて形成する内部析出粒子や原料などから持ち込まれる不溶性異物もあるが、これらも極力少ないことが好ましいことは自明のことである。
本発明のポリエステル組成物は、固有粘度(o−クロロフェノール溶媒を用いて温度35℃で測定)は、小さすぎると機械的特性が不十分になる場合があり、逆に大きすぎると成形が難しくなる場合があるので、0.40〜0.90dl/gの範囲にあることが好ましい。
なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤充填材など、公知の各種添加剤を含有していてもよい。
次に、もうひとつの本発明であるポリエステル組成物の製造方法について説明する。本発明のポリエステル組成物の製造方法は、エステル交換法もしくは直接エステル化法を経由し、それらで得られた低重合体を重縮合反応させる溶融重合法である。なお、これらの反応で用いる触媒としては、それ自体公知のものを使用できる。例えば、エステル交換触媒としては、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステル化触媒としては、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、また、重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタン、アルミニウム等の化合物が例示できる。特に重縮合触媒としては、アンチモン化合物が。得られるポリエステル組成物の耐熱性を向上させる上で好ましい。重縮合触媒として、アンチモン化合物を使用する場合は、ポリエステル組成物の重量を基準として、アンチモン元素量で80〜200ppmの範囲、さらに90〜180ppm、特に100〜160ppmの範囲であることが、透明性と耐熱性と高度に具備させる観点から好ましい。アンチモン化合物の添加量が下限未満の場合には、アンチモン化合物だけでは重合反応を十分に進行させることが難しくなり、他方上限を超える場合には、ポリエステル組成物中に触媒起因の異物が多くみられるようになり、内部ヘーズが高くなりやすい。
本発明では、前記一般式(I)で表されるホスホネート化合物を重合反応の失活剤として添加することが必要であり、その添加時期は、ポリエステルの重合工程中であれば特に制限されないが、ポリエステルのエステル交換反応もしくはエステル化反応後で、重縮合反応前に添加することが好ましい。
このようにして得られたポリエステル樹脂は、一旦ペレット状に成形した後に再度溶融して、あるいはペレット状に成形することなく連続して種々の成形品に成形することができる。また、必要に応じて、固相重合により所望の固有粘度になるまでさらに重合をしても良い。成形方法としては、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、発泡成形、紡糸成形、フィルム製膜などにより、板状、シート状、フィルム状、糸状等の任意の形状に成形することができ、特に内部ヘーズが極めて小さいことから、フィルムに好適に使用できる。得られた成形品は、工業機材、自動車・車両、電気・電子部品等の各種分野に使用することができる。
これらの成形で用いられる成形機は特に限定されず、例えば、通常の射出成形機や、いわゆる射出圧縮成形機、二軸スクリュー押出機、一軸スクリュー押出機、ベント付き二軸スクリュー押出機、ベント付き一軸スクリュー押出機などが好ましく用いられる。
さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物をポリエステルフィルムとする方法について、二軸延伸フィルムを例にとって、さらに説明する。
まず、本発明のポリエステル組成物(ペレット状の場合は、乾燥後)、例えば、溶融温度260℃〜310℃で押出機よりダイを経てフィルム状に押出し、冷却ドラム上に流延し冷却固化させて未延伸フィルムを作成する。この未延伸フィルムを縦方向に60〜140℃の温度で3〜8倍の倍率で延伸し、次いで横方向に70〜180℃の温度で3〜7倍の倍率で延伸して二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、必要に応じて縦方向および/または横方向の延伸を2段階以上に分割実施してもよい(縦多段延伸、縦−横−縦の3段延伸、縦−横−縦−横の4段延伸等)。また同時二軸延伸にて実施してもよい。二軸配向ポリエステルフィルムを製造する際の全延伸倍率は、面積延伸倍率として10〜35倍、更には12〜30倍が好ましい。また二軸配向ポリエステルフィルムは二軸延伸後、更に140〜250℃の温度で熱固定することが好ましく、特に180〜230℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。なお、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリエステル樹脂組成物や、機能剤などを添加しても良いし、その表面にそれ自体公知の機能層を設けても良い。
このようにして得られる本発明のポリエステルフィルムは、内部ヘーズが少なく、しかも耐熱性にも優れることから、各種透明性と耐熱性とが求められる用途に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本発明における各種特性は、以下の測定方法にしたがった。
(1)固有粘度
o−クロロフェノールを溶媒に用いて、35℃の雰囲気下で恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。
(2)内部ヘーズ
ポリエステル組成物のペレットを160℃で2時間乾燥した後、290℃でシート状に溶融押出し、次いで表面温度30℃の回転冷却ドラム上に密着固化させ未延伸フィルムを得る。この未延伸フィルムを120℃で縦方向に3.5倍、横方向に3.5倍に延伸し、180℃で熱固定し、厚み50μmの二軸延伸フィルムを作製する。
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムについてJIS K7361に準じ、ヘーズ測定器(日本電色工業社製の商品名「NDH―2000」)を用いて測定した。
二軸延伸ポリエステルフィルムの任意の3点について全光線透過率(%)と散乱光透過率(%)を求めた。これら3点の平均値をそれぞれ全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)とした。これらの数値から、へーズ(Td/Tt×100(%))を算出した。
(3)ポリマー中のリン含有量
ポリマーサンプルを加熱溶融して、円形ディスクを作成し、リガク製蛍光X線装置3270型を用いて測定し、定量を行った。
(4)アンチモン化合物の元素量の測定
ポリマーサンプルを加熱溶融して、円形ディスクを作成し、リガク製蛍光X線装置3270型を用いて測定し、定量を行った。
(5)粒子の平均粒径
レーザー散乱式粒度分布測定器(島津製作所製SALD2000)を用いて測定した積算粒度分布から、積算粒子数(体積換算)50%の粒子径を平均粒径とした。
(6)ポリマーの耐熱性評価
ポリマーサンプルを175℃で24時間熱処理した後の固有粘度を測定し、熱処理前の固有粘度との差(ΔIV)から、耐熱性を評価した。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチルエステル(DMT)100モルとエチレングリコール(EG)200モル、酢酸マンガン四水和物0.03モルとをエステル交換反応槽に仕込み、190℃まで昇温した。その後、240℃に昇温しながらメタノールを除去しエステル交換反応を終了した。
続いて、三酸化二アンチモン0.01モルとジオキシエチレントリオキシエチレンヒドロキシメチルホスホネート(CBW社製、商品名:Wofaplexx33、m+n=5、Mw:332)の10重量%エチレングリコール溶液を、ポリエステル組成物の重量を基準として0.038モル添加した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移行し、昇温しつつ重縮合反応槽内の圧力をゆっくりと減圧し、最終的に重縮合温度290℃、50Paの真空下で重縮合を行った。目標の攪拌動力となった時点でポリエステル組成物を取り出した。このポリエステル組成物の特性を表2に示す。
得られたチップを160℃で2時間乾燥した後、290℃でシート状に溶融押出し、次いで表面温度30℃の回転冷却ドラム上に密着固化させ未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを120℃で縦方向に3.5倍、横方向に3.5倍に延伸し、180℃で熱固定し、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例2〜6、比較例1〜3]
リン化合物(ホスホネート化合物)の種類・量を表2に示すとおり変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。なお実施例3では、三酸化二アンチモンの添加量を0.015モルに、実施例4では、三酸化二アンチモンの添加量を0.02モルに変更した以外では同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル組成物およびフィルムの特性を表2に示す。
[実施例7〜8]
テレフタル酸ジメチルエステル(DMT)の代わりにテレフタル酸(TA)を100モルとエチレングリコール(EG)200モルをエステル交換反応槽に仕込み、190℃まで昇温した。その後、240℃に昇温しながら水を除去しエステル化反応を終了した。エステル化反応以降については、リン化合物(ホスホネート化合物)の種類・量を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル組成物およびフィルムの特性を表2に示す。
[実施例9、比較例4]
テレフタル酸ジメチルエステル(DMT)100モルとエチレングリコール(EG)200モル、酢酸マンガン四水和物0.03モルとをエステル交換反応槽に仕込み、190℃まで昇温した。次いで10重量%エチレングリコールスラリーとしてアルコキシド法によって得られた平均粒径が0.1μmの真球状シリカ粒子を得られるポリエステルの重量を基準として、0.01重量%となるように添加した。その後、240℃に昇温しながらメタノールを除去しエステル交換反応を終了した。
エステル交換反応以降については、リン化合物(ホスホネート化合物)の種類・量を表2に示すとおり変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル組成物およびフィルムの特性を表2に示す。
[比較例5]
実施例9で用いた真球状シリカ粒子を得られるポリエステルの重量を基準として、0.08重量%添加する以外は、実施例6と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル組成物およびフィルムの特性を表2に示す。
Figure 2010265406
表2中のホスホネート化合物の種類にある、Aはジオキシエチレントリオキシエチレンヒドロキシメチルホスホネート、Bはモノオキシエチレンジオキシエチレンヒドロキシメチルホスホネート(下記式(II))、Cはトリエチルホスホノアセテートを意味する。
Figure 2010265406
本発明によれば、内部ヘーズのきわめて少ないポリエステル組成物を製造することができ、それをフィルムに用いた場合、極めて透明性の優れたフィルムとすることができる。そのため、高い透明性が求められる、例えば光学用途のベースフィルムなどに好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 下記構造式(I)で示されるホスホネート化合物を、重合反応の失活剤として、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で15〜120mmol%の範囲で用いたポリエステル組成物であって、かつ平均粒径が0.05μm以上の外部添加粒子の含有量が0.1重量%未満であることを特徴とするポリエステル組成物。
    Figure 2010265406
    (式中、RおよびRは、それぞれ炭素数2以上のアルキレン基であり、mおよびnは正の整数で、m+nは3〜10の範囲である。)
  2. 外部添加粒子を添加していない請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. Sb化合物を、得られるポリエステル組成物の重量を基準として、Sb元素量で、80〜200ppmの範囲で含有している請求項1記載のポリエステル組成物。
  4. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである請求項1記載のポリエステル組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル組成物からなるポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルの重合工程において、平均粒径が0.05μm以上の外部添加粒子を、得られるポリエステル組成物の重量を基準として、0.1重量%以上の割合で添加することなく、触媒の失活剤として前記構造式(I)で示されるホスホネート化合物を、得られるポリエステルの全酸成分に対して、リン元素量で15〜120mmol%の範囲となるように添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
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