JP2010264384A - アオコの除去方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】湖沼やダム湖などの水面に広く浮遊しているアオコを効率良く収集して低層に送り込み不活性化した後、低層の富酸素水域で好気性微生物により分解することができるアオコ処理システム。
【解決手段】予め、高濃度酸素水供給装置や気液溶解装置で低層水域を富酸素状態とし、水面上に設置されたアオコ収集器で収集されたアオコと表層水を、アオコ収集器とパイプで繋がれ富酸素水域直上近辺に設けられたアオコ拡散器に送り込み、水平方向に吐出させる。その時点で、アオコは温度差・水圧差により集合体を解体し、ガス胞が破壊され不活性化される。不活性化したアオコ(残骸)は、時間の経過と共に富酸素水域中に沈降、沈積し、そこで活発に活動している好気性微生物によって分解される。分解によって発生するリンは鉄イオンなどと凝集沈殿し、窒素は低層における酸化・還元雰囲気の中で脱窒する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水流が生じにくく溶存酸素濃度が低い湖沼の底層水域において、好気性微生物の活動を活発化させ、富栄養化により表層に浮遊したアオコを除去する方法に関する。
近年、富栄養化した湖沼やダム湖では、初夏から盛夏にかけてアオコが異常増殖して、水の表面が緑色の膜で覆われるようになってきている。アオコが発生すると、景観を損ない、腐敗による悪臭の発生、酸欠による魚のへい死、浄水場におけるろ過障害などが生じる。また、アオコが発生している水を塩素殺菌しようとすると、トリハロメタンの前駆物質が生成されてしまうといった、別の弊害も招来してしまう。
また、アオコ類の中には、ミクロキスティスなど有毒性の種が存在することが知られており、上水道の水源地となっているダム湖では特に深刻な問題となっている。
この他、アオコの発生が一因となって貧酸素状態が進むと、還元作用により底泥から有害金属類が溶出しやすくなり、別の水質悪化も招来してしまう。
アオコ対策としては、日光遮断、水温制御、pH調整、曝気等による水質環境の保全、また、葦等の植栽、生態系の管理、流入水の管理、下水道の整備等が挙げられる。また、アオコを直接回収、取り除く方法も試みられている。
例えば、特許文献1(特開平6−182324号公報「湖沼、池等のアオコ処理方法」)や特許文献2(特開2007−98342号公報「アオコ回収装置」)には、湖沼からアオコを含んだ表層水を回収装置に導入し、アオコを凝集沈殿除去する方法が開示されている。
また、特許文献3(特開平11−70382号公報「アオコ除去装置」)には、アオコを含んだ表層水に薬品を加えてアオコをフロック状にし、微細な気泡に付着させて浮上させて除去する方法が開示されている。
また、湖水強制循環(エア−レション)によるアオコ対策も考案されており、特許文献4(特開2006−835号公報「水浄化システムおよび水流発生撹拌混合機」)には、アオコを含んだ表層水と底層水とを混合して、アオコの不活性化と底層の貧酸素状態を改善する水流撹拌発生装置を用いる方法が開示されている。特許文献5(特開2006−181565号公報「水浄化システム及び水流発生撹拌混合機」)には、ポンプの吸込口を湖沼等の水面から水深ほぼ1メートルに設置して、アオコを表層水と共にポンプで吸い込み、水深10メートル以深の低層に放出し、アオコに水圧差ショックと水温差ショックを与えてアオコを不活性化(死滅)させる方法が開示されている。
このほか、特許文献6(特開平8−33888号公報「アオコ処理方法およびアオコ処理装置」)や特許文献7(特開2005−152848号公報「電気化学的手法によるアオコ回収システム」)には、超音波処理や電気化学的手法によるアオコ処理方法が、特許文献8(特開2005−138029号公報「湖沼等閉鎖水域に発生・生存するアオコの殺藻・成長抑制方法及びアオコの殺藻・成長抑制装置」)には、オゾンや紫外線処理などでアオコを成長抑制ないし死滅させる方法が、特許文献9(特開2006−14625号公報「浮遊性藍藻類収集装置及び浮遊性藍藻類処理システム」)には、収集したアオコを含む表層水を加圧ポンプで加圧して、アオコのガス胞破壊、群体破砕処理する方法が、それぞれ提案されている。
この他、筏やフロ−トの上に各種のアオコ除去装置を設置して、表層水とアオコを一緒に汲み上げて、アオコをろ過しこれを除去する方法などが知られている。
しかしながら、一般的に、アオコが浮遊している水面は非常に広範囲であるため、特許文献1や2、又は特許文献3に開示するようなアオコを凝集沈殿、または浮揚させて収集し、ろ過等によりアオコを取り除く方法では、大規模な処理装置が必要であり、効率的にも経済的にも問題があり、また分離されたアオコの廃棄処分にも多くの課題がある。そのため、大きな湖沼やダム湖で実用化されている例はないという現実がある。
また、同様に、例えば特許文献4に開示するような水流撹拌発生方式や湖水の上下層撹拌方式などでアオコを収集、処理するには相当数の装置を設置する必要があるという問題点があった。また、多くのアオコ除去方式は湖面に吹く強風や、豪雨による水流変化などの影響が大きいため、実面積の大きな湖沼やダム湖に不向きであるという問題点もある。
また、特許文献5の様に、アオコを表層水と共にポンプで吸込み、水深10メートル以深の低層に放出し、アオコに水圧差ショックと水温差ショックを与えてアオコを不活性化させる方法では、不活性化したアオコは湖底に沈降するものの、そのままヘドロ化し、底層の水質をさらに悪化させるという問題点があった。このとき、底泥から鉄・マンガンといったアオコ増殖の促進物質と考えられている金属類やリンなどの富栄養源が溶出し、かえってアオコの繁殖を促進してしまうという問題点があった。
その他、湖面上に設置した大型噴水装置で湖面を遮光する方法や底泥の浚渫などの方法が実施されているが、大きな効果は挙げていない。
特開平06−182324号公報 特開2007−98342号公報 特開平11−70382号公報 特開2006−835号公報 特開2006−181565号公報 特開平8−33888号公報 特開2005−152848号公報 特開2005−138029号公報 特開2006−14625号公報
すなわち、解決しようとする問題点は、アオコを死滅させた上、これを底層で分解するとともに貧酸素状態を改善し、アオコの増殖サイクルを断ち切って湖沼を改質する点である。
請求項1に記載のアオコの除去方法は、底層が貧酸素化し表層にはアオコが発生した湖沼の改質方法であって、当該湖沼の水に酸素を高濃度に溶存させ、これを底層域に連続的に供給して底層域を所定の酸素濃度以上となるように維持しつつ、アオコと共に表層水を取水し前記底層域へ所定の流量で略水平に吐出することを最も主要な特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、アオコを水圧変化や水温変化といった環境変化により不活性化させ、これを、好気性微生物が活動する底層域に滞留させることにより連続的に分解する。なお、湖沼とはダム湖を含み、水が停留している部分の河川や港湾なども含むものとする。また、湖沼の水とは、場所は底層でも表層でもここでは特に限定されない。
なお、アオコが発生する湖沼は、水面1m以深で溶存酸素濃度が2mg/l以下である場合が多く、アオコのない水面部分や流れのある河川では、溶存酸素濃度が8mg/l程度であるので、所定の酸素濃度とは、8mg/l以上、好ましくは10mg/l以上をいう。高濃度とは、この酸素濃度を維持する濃度をいい、例えば15mg/l以上をいう。なお、25℃で水に溶解する飽和酸素量は8.11mg/lである。また、流量と溶存酸素濃度と供給量は相対的であって、適宜湖沼の状況に応じて設定されるものである。
また、請求項2に記載のアオコの除去方法は、請求項1に記載のアオコの除去方法において、酸素を高濃度に溶存させる水を、アオコを含んだ前記表層水とすることを主要な特徴とする。
すなわち、請求項2に係る発明は、高濃度酸素溶存水の供給手段と、表層水の供給手段とをまとめることが可能となるので、本発明の実施に使用する装置ないしシステム構成を簡素化できる。
また、請求項3に記載のアオコの除去方法は、請求項1または2に記載のアオコの除去方法において、はじめに噴流により酸素を水に高濃度に溶存させ、つぎに気泡を高濃度酸素溶存水から分離する機構を備えた装置により、連続的に高濃度酸素溶存水を供給することを主要な特徴とする。
すなわち、請求項3に係る発明は、噴流によってもアオコを不活性化可能となると共に、気泡を除いて意図しない水流(たとえば上昇流)が生じないようにして安定的に底層域に酸素水を送出可能となり、ムラなく分解を促進させることが可能となる。このような構成をもつものとして、たとえば、特許第3849986号「気液溶解装置」の技術を用いることができる。
また、請求項4に記載のアオコの除去方法は、請求項1、2または3に記載のアオコの除去方法において、取水から吐出までの間に2.5kg/cm以上の水圧となる工程を経ること主要な特徴とする。
すなわち、請求項4に係る発明は、アオコを圧力変化により確実に死滅させることができ、分解を促進させる。なお、水圧表記はゲージ圧とする。吐出口を単に水深25mより深い位置としても良いし、水深と噴流により2.5kg/cm以上の水圧を確保する態様であってもよい。
本発明によれば、アオコを死滅させた上、これを底層で分解するとともに貧酸素状態を改善し、アオコの増殖サイクルを断ち切って湖沼を改質することが可能となる。より詳細には、本発明(請求項1)によれば、アオコを水圧変化や水温変化といった環境変化により不活性化させ、これを、好気性微生物を活性化させた底層域に滞留させることにより連続的に分解することができる。また、本発明(請求項2)によれば、本発明の実施に使用する装置ないしシステム構成を簡素化可能となる。また、本発明(請求項3)によれば、噴流によってもアオコを不活性化可能となると共に、気泡を除いて意図しない水流(たとえば上昇流)が生じないようにして安定的に底層域に酸素水を送出し、ムラなく分解を促進させることが可能となる。また、本発明(請求項4)によれば、アオコを圧力変化により確実に死滅させることができ、分解を促進させる。
本発明の実施に用いるシステムを湖沼に適用した様子を示した概念図である。 本発明の実施に用いるシステムのうち酸素供給装置の構成例を示した図である。 ダムにおける溶存酸素分布を実測値に基づき概念的に示した模式図である。 図3と同じダムについて貧酸素状態を改善した後の溶存酸素分布を実測値に基づき概念的に示した模式図である。 本発明の実施前後のダムの底泥の様子を示した写真である。 異なるシステム構成例を示した図である。
以下、本実施の形態を図面を用いながら説明する。図1は、本発明の実施に用いるシステムを湖沼に適用した様子を示した概念図である。
アオコは、栄養、光、水温の条件が整えば急速に増殖し、特に、アオコの養分となる窒素やリンを多く含む生活排水が湖沼に流入して富栄養化すると大量発生する。そして、一旦アオコが発生すると、その死骸が湖底に積み重なってヘドロとなり、そのヘドロから再度リンが溶出してアオコの養分となるという悪循環が生じる。
本願発明者は鋭意検討の結果、実面積および実体積の大きな湖沼で、簡便なシステムを導入して簡便な方法により実効性の高いアオコの除去方法ないし湖沼の改質方法を発明するに至った。図1に示したように、本方法を実現するシステムは、主として、表層水収集装置1と酸素水供給装置2とから構成される。
表層水収集装置1は、アオコを含んだ表層水を吸い込み、送水ホース11を介して、この水を酸素水供給装置2へ送る。表層水収集装置1には、木くずや木の葉が混入せず、アオコは取り込むようなフィルタを適宜備えているものとする。なお、表層水収集装置1は、湖沼のうちアオコが浮遊している場所のほぼ中心部に配置させるが、図示しないブイとアンカーによりこの位置に停留させるものとする。
酸素水供給装置2は、アオコを含んだ表層水と空気(または酸素)とを噴流により混合し、溶存酸素濃度を高めつつアオコを水圧により死滅させる。更に、気液分離をおこない、液体(死滅したアオコと高濃度酸素溶存水の混合液)を水平に緩やかに吐出する。水平に緩やかに吐出する理由は、水流によってでなく、水層密度差を利用した拡散によって底層の貧酸素状態を改善するためである。水平吐出により、位置によるムラ無く底層の溶存酸素濃度を高めることが可能となる。
表層水に溶存させる酸素は、送水ホース11に併設した導気ホース(図示せず)から取り込み、気液分離した後の空気は、排気ホース(図示せず)により水面に排気する。なお、仕様の態様により、排気を適宜還流して再使用するようにしても良い。
酸素水供給装置2の構成例として図2に示したものを採用することができる。図示したように、酸素水供給装置2は、気液溶解室21と、それを内包する気液分離室22とにより構成される。気液溶解室21では、空気とアオコを含んだ表層水とをノズル211によってドーム状の天板部分212へ付勢して噴出する。ドーム形状により気液が噴流となり気泡が微細化し効率的に酸素が水に溶存していく。このとき、アオコの塊も細かく分離される。これにより、アオコの表面積が大きくなり、底層へ吐出した後に好気性微生物により効率的に分解が進行する。
気液分離室22では、気液溶解室21の下部に設けられた逃がし孔213から、高濃度酸素溶解水と水に溶けなかった気泡とが流入してくるので、上部にこの気泡を集積して排気する排気口221を、下部にアオコを伴った高濃度酸素溶存水を供給する供給口222を設けている。排気口221には排気ホースが接続され、供給口222には水平に配した吐出口が接続されている。なお、吐出口は大きくして可能な限り緩やかな水流となるようにする。
酸素水供給装置2は、表層水収集装置1の直下25mの底層に配置する。図示は省略するが、酸素水供給装置は、上部にブイをつけ、アンカーを湖底に配置することにより、その姿勢を維持する。また、付勢に必要なポンプ等も適宜備える。なお、25mの位置は、水圧によりアオコのガス胞を破壊するための深さであるが、気液溶解室21の配置位置における水圧と噴流による水圧との合計が2.5kg/m(ゲージ圧)となるのであれば水深25mよりも浅く配置しても良い。
表層水収集装置1と酸素水供給装置2とを駆動することにより、次のようにアオコが除去され湖沼が改質される。まず、酸素水供給装置2を駆動すると、湖沼の水に酸素が高濃度に溶存し底層域に連続的に供給される。これにより、好気性微生物が活性化する。なお、このときの水は適宜取り込むものとする。
図3は、ダムにおける溶存酸素分布を実測値に基づき概念的に示した模式図である。通常、アオコが発生していると底層域は酸素濃度が実質的に0となる。酸素水供給装置2を駆動して酸素濃度が安定すると、底層の酸素濃度は10mg/l程度となる。図4は、図3と同じダムについて貧酸素状態を改善した後の溶存酸素分布を実測値に基づき概念的に示した模式図である。図では酸素水供給装置のみを示したが、これにより、表層部と同等以上の酸素濃度とすることが可能となる。
底層域の酸素濃度が安定した後に、表層水収集装置1を駆動する。これにより、アオコと共に表層水が酸素水供給装置2へ供給され、もともとの水圧と噴流により付勢された圧力によりアオコが死滅し、かつ、アオコの塊が細分化する。このとき、アオコのガス胞も破壊される。駆動によりアオコを含んだ高濃度酸素水を底層域へ所定の流量で水平に吐出させる。これにより、酸素水とアオコを供給しながら好気性微生物の活性を維持し、アオコの分解を進めることが可能となる。なお温度差および光量減によってもアオコは死滅する。
アオコは、太陽光を直接浴びているので、吐出位置の水温より温度がやや高い場合がある。よって吐出後アオコはゆっくりと上昇する場合があるが、周囲の水温に近づくに従って、(ガス胞が除去され水よりも大きな比重となっているため)ゆっくりと沈降を開始する。そして好気性微生物の活性の高い底層に再到達し、分解される。なお、分解によって生じるリンは水中の鉄イオンと結合・沈殿し、湖底に堆積するため、栄養源の連鎖を断ち切ることが可能となる。また、分解によって生じた窒素分も低層の酸化・還元雰囲気の変化によって脱窒される。
なお、表層水の吸い込み量は、溶存酸素濃度と吐出量と湖沼の状況に応じて適宜設定することができる。これに関連して、酸素水供給装置2へ供給する水は、底層の酸素濃度とアオコの分解速度との調整をとるため、表層水収集装置1とは別系統で設けていても良い。
次に本方法の具体例を説明する。
実施場所 県営Sダム
ダムの規模 常時満水位 EL127.0 メ−トル
有効貯水量 640万 立方メ−トル
水位 EL115.0メ−トル
水量 50万 立方メ−トル
実験開始年月 2006年4月
酸素水供給装置 水中型気液溶解装(WEPシステム:松江土建株式会社製)
酸素水供給の能力 120立方メ−トル/毎時 1台
装置の設置場所 湖底上部 0.5メ−トル 〜 18メ−トル(上下移動)
Sダムにおいて、装置の駆動前の低層水域の溶存酸素濃度は図3と同様に底層は貧酸素状態であり溶存酸素濃度は2mg/l以下であった。装置駆動開始27日後の溶存酸素濃度は図4に示したのと同様に、底層の溶存酸素濃度はほぼ10mg/lとなっていた。
この状態で、湖底に堆積していた黒色の有機質底泥(アオコの死骸)は酸化され、赤みを呈するようになっていた。図5に、白黒ではあるが汚泥の写真を示した(左図:駆動前、右図:駆動後)。また装置駆動前後で、底面から5mmの高さの底泥部分の酸化還元電位を測定したところ、−60mvから+40mvと改善されていた。これらから、底層では酸素が十分に溶存し、好気性微生物によって有機物が分解されていることが裏付けられた。
なお、Sダムで採取したアオコ(主にミクロキスティス、アナベナ)と湖水とを圧力容器(10ml)の中に入れ、容器内の水圧を2kg/cm〜3kg/cm(水深20〜30m相当)にして、30分間放置した。その後、アオコを容器から取り出して観察した。結果を表1に示す。表に示したように、2.5kg/cm(25m相当)以上の圧力をかけた場合に、アオコが水中沈降し、ガス胞が破壊されていることが確認できた。すなわち、本方法により、アオコを死滅および沈降させることが可能であることを実験室でも確認できた。なお、アオコは、互いにくっつきあって小塊ないし膜状となっていてもアオコの集合体は極微細化されていることも確認できた。なお、取水から吐出までは30分までかからないので、水深25mであっても一部はガス胞が破壊されない可能性もある。しかしながら、この場合、ガス胞が破壊されないものは再度水面に上昇しやがて取水されるのでいずれ除去されることとなる。
なお、本発明を実施するに際し、システム構成は、図1に示した構成に限定されない。図6は、異なるシステム構成例を示した図である。図示したように、酸素水供給装置2を表層水供給装置1と分離してもよい。ただし、表層水供給装置1の送水ホースは水深25mより深く配し、水平方向にアオコを含んだ表層水を排出するようにする。この構成によれば、単位時間あたりの酸素水の供給量を向上できるので、除去速度を向上させることができる。
上水道水源として使用されているダム湖においては、アオコによる悪臭が防止され、浄水場での水質浄化経費が削減でき、安全な飲料水の供給が可能となる。また、観光地として親しまれている湖沼、ダム湖においては、短時間でアオコが除去できるので景観保全に役立つ。また、湖沼、ダム湖の下層水が好気的環境を維持され、かつアオコの発生が防止できれば、ヒメマスやニジマスなどの放流が可能になり、レクリエーションの場も提供すると共に、漁業資源としても期待でき、新たな産業の創出に繋がる可能性がある。
1 表層水収集装置
2 酸素水供給装置
11 送水ホース
21 気液溶解室
22 気液分離室
211 ノズル
212 天板部分
213 逃がし孔
221 排気口
222 供給口

Claims (4)

  1. 底層が貧酸素化し表層にはアオコが発生した湖沼の改質方法であって、
    当該湖沼の水に酸素を高濃度に溶存させ、これを底層域に連続的に供給して底層域を所定の酸素濃度以上となるように維持しつつ、
    アオコと共に表層水を取水し前記底層域へ所定の流量で略水平に吐出することを特徴とする、アオコの除去方法。
  2. 酸素を高濃度に溶存させる水を、アオコを含んだ前記表層水とすることを特徴とする請求項1に記載のアオコの除去方法。
  3. はじめに噴流により酸素を水に高濃度に溶存させ、つぎに気泡を高濃度酸素溶存水から分離する機構を備えた装置により、連続的に高濃度酸素溶存水を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のアオコの除去方法。
  4. 取水から吐出までの間に2.5kg/cm以上の水圧となる工程を経ることを特徴とする請求項請求項1、2または3に記載のアオコの除去方法。

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