JP2010263401A - ハンズフリー通話装置、及び該装置の音声補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発音者の音声から発音者の音量特徴及び音質特徴を予め抽出するサンプリング部(44)と、抽出した音量特徴及び音質特徴から発音者に応じた補正条件を予め設定する一方、抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声とを比較して当該通話者を特定し、補正条件に基づいて当該通話者の補正音声を出力する補正部(48)とを具備する。
【選択図】図3
Description
また、当該通話装置は、発音者の例えば耳にそのフックを引掛ける構造の他、車両内の適宜位置に設置する構造がある。
しかしながら、上述した従来の技術では、発音者の音声の特徴を得られ難いとの問題がある。発音者の音声を単に増幅するのみでは、この音声の大小の波形が総て最大値まで大きくなって抑揚がなくなるからである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、発音者の音声の特徴を得て、発音者を特定可能なハンズフリー通話装置、及び該装置の音声補正方法を提供することである。
そして、この補正部は、実際の通話時にて、抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声とを比較しているため、通話者を確実に特定可能になる。さらに、当該補正部は、上述の予め設定した補正条件に基づき、この通話者の補正音声を出力しているので、外部、つまり、通話の相手側には、上記通話者の特徴を引き出した音声が伝わることになる。この結果、ハンズフリー通話装置の信頼性が大幅に向上する。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、音質特徴に対する補正条件を、例えば男性と女性との如く主帯域周波数の高低によって分類すれば、発音者に適したノイズ抑制を行える。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、フィルタによって主帯域外をカットすれば主帯域のみが残るため、通話の相手側には、上記通話者の音質特徴をより一層引き出した音声が伝わる。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、記憶部が発音者の音声を格納すれば発音者の確認が容易になるし、また、格納数が有限であるので、補正部は、有限の抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声との比較で済み、当該通話者の特定精度向上に寄与する。
第5の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、記憶部が抽出した音量特徴及び音質特徴を有限で格納すれば、補正部は、有限の抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声との比較で済むことから、この点も当該通話者の特定精度向上に寄与する。
そして、実際の通話時には、抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声とが比較されており、通話者を確実に特定可能になる。さらに、上述の予め設定した補正条件に基づき、この通話者の補正音声が出力されるため、通話の相手側には、上記通話者の特徴を引き出した音声を伝わることができる。
図1は車両1の車室であり、同図の右手前側に運転者のシート4が示されている。この運転席の左側には助手席が設けられる。インストルメントパネル2はシート4から視て各座席の前方に配置され、フロントガラス6は同じくシート4から視てパネル2の前方に設けられ、各座席からは車両1の進行方向を見渡すことができる。
モニター18は、運転席と助手席との間であって当該パネル2の正面に設置されている。このモニター18は、ナビゲーション装置の起動に伴い、地図や操作メニュー等を表示可能である。
ここで、本実施例では、ハンズフリー通話装置24がコンソール20のうち、スロット22よりもシート4側の適宜位置に設けられている。
具体的には、本実施例の通話装置24は、近距離用の無線回線を介して発音者所有の携帯電話機26に接続可能に構成されている。なお、この無線回線に替えてケーブルで接続されていても良い。
これに対し、車室の発音者の音声は、マイク40に拾われてマイク用A/D42から信号処理部34に入力される。この信号処理部34では、車室の環境ノイズの抑制処理や、スピーカ38からマイク40に回り込んだエコー成分の除去処理も行われており、当該処理結果を通信部32に向けて出力すると、変調された信号がアンテナ30から送信される。
詳しくは、この制御部44は、車室の発音者の音声から当該発音者の音声特徴を予め抽出可能に構成されており、図示しないホストCPUからのモード信号に応じて、信号処理部34に入力された発音者の音声の例えば声紋から当該発音者の音量特徴及び音質特徴を抽出する。
本実施例の補正部48は、発音者の音声の伝達方向で視て信号処理部34の下流側に配置され、この抽出された音量特徴や音質特徴に応じた補正条件を予め設定可能に構成されている。なお、上記記憶部46は、この補正条件も格納可能である。
詳しくは、本実施例では、補正部48が、予め抽出された発音者の音量特徴及び音質特徴と、実際に相手側との通話を行う通話者の音声とを比較して当該通話者を特定している。
なお、上述した制御部44は、発音者の他、その後の通話者の音声特徴をも抽出し、そして、補正部48が、予め抽出された発音者の音量特徴及び音質特徴と、この通話者の音声特徴とを比較して当該通話者を特定しても良い。
同図のステップS401では、携帯電話機26を例えば鞄に収納した発音者が車両1に乗車し、通話装置24が、車両1のエンジンスタート前、例えば車両1のイグニッションキーのオン作動に伴って起動する。
このステップS404では、このホストCPUが制御部44に録音モードの信号を出力する。
同時に、補正部48は、この抽出した音量特徴及び音質特徴から発音者に応じた音量補正条件並びに音質補正条件を設定する。
また、音質補正条件は、発音者に適したノイズ抑制を行うためのものである。より詳しくは、一般にノイズは、図5に斜線で示されるように、低めの周波数域に存在している。
そこで、本実施例の補正部48は、発音者の音声の主帯域周波数に応じて音質補正条件を設定しており、主帯域周波数を残し、この帯域外をカットするフィルタを用いている。
一方、例えば、発音者が女性であって場合には、上記男性に比してノイズのカット量を増やしている。これは、同図(b)に示されるように、主帯域周波数が高い場合には、ノイズ分を単にカットしても当該女性の特徴は表出され得るからである。
このステップS406では、携帯電話機26と車両1の外部とが公衆回線を介して通話状態に至ったか否かを判別し、通話状態に至るまで通話装置24は待機状態になる。
続いて、ステップS403では、この通話者が登録されているか否かを判別し、当該通話者が車両1に既に登録されていた場合には、ホストCPUが制御部44に通常モードの信号を出力してステップS407に進む。
そして、補正部48は、予め抽出された発音者の音量特徴及び音質特徴と、その後の通話者の音声とを比較して当該通話者を特定してステップS408に進む。
より詳しくは、当該通話者の音量を上述した音量補正条件に応じて補正しており、この通話者が小声の発音者であった場合には増幅量を大きくするし、大声の発音者であった場合には聴き取り易くなるように増幅量を絞る。
次いで、ステップS409では、通信部32が補正部48からの信号を変調してアンテナ30に向けて出力し、一連のルーチンを抜ける。
そして、この補正部48は、実際の通話時にて、抽出した音量特徴及び音質特徴と車両1の通話者の音声とを比較しているため、通話者を確実に特定可能になる。さらに、当該補正部48は、上述の予め設定した補正条件に基づき、この通話者の補正音声を通信部32に出力しているので、外部、つまり、通話の相手側には、上記通話者の特徴を引き出した音声が伝わることになる。
さらに、フィルタによって主帯域外をカットすれば主帯域のみが残るため、通話の相手側には、上記通話者の音質特徴をより一層引き出した音声が伝わる。
さらにまた、音量補正条件は音声の音量に応じて設定され、例えば、小声の場合には増幅量を大きくするし、大声の場合には聴き取り易くなるように絞ると、発音者に適した音量に調整可能になる。
さらに、記憶部46が抽出した音量特徴及び音質特徴を有限で格納すれば、補正部48は、有限の抽出した音量特徴及び音質特徴とその後の通話者の音声との比較で済むことから、この点も当該通話者の特定精度向上に寄与する。
例えば、上記実施例では、制御部44と補正部46とが別個に設けられているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、これら制御部と補正部とは同一回路に設けられていても良い。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、発音者の音声の特徴を得て、発音者を特定できるとの効果を奏する。
24 ハンズフリー通話装置
44 制御部(サンプリング部)
46 記憶部
48 補正部
Claims (6)
- 発音者の音声から該発音者の音量特徴及び音質特徴を予め抽出するサンプリング部と、
前記抽出した音量特徴及び音質特徴から該発音者に応じた補正条件を予め設定する一方、前記抽出した音量特徴及び音質特徴と通話者の音声とを比較して当該通話者を特定し、前記補正条件に基づいて当該通話者の補正音声を出力する補正部と
を具備することを特徴とするハンズフリー通話装置。 - 請求項1に記載のハンズフリー通話装置であって、
前記音質特徴に対する補正条件は、前記発音者の音声の主帯域周波数に応じて設定されることを特徴とするハンズフリー通話装置。 - 請求項2に記載のハンズフリー通話装置であって、
前記補正部は、前記主帯域外をカットするフィルタを有することを特徴とするハンズフリー通話装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のハンズフリー通話装置であって、
前記発音者の音声を有限数格納する記憶部をさらに具備することを特徴とするハンズフリー通話装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のハンズフリー通話装置であって、
前記抽出した音量特徴及び音質特徴を有限数格納する記憶部をさらに具備することを特徴とするハンズフリー通話装置。 - 車両に関するノイズの生じていない環境下にて、発音者の音声から該発音者の音量特徴及び音質特徴を抽出するステップと、
前記抽出した音量特徴及び音質特徴から該発音者に応じた補正条件を設定するステップと、
通話時に、前記抽出した音量特徴及び音質特徴と該車両内における通話者の音声とを比較して当該通話者を特定するステップと、
前記補正条件に基づいて当該通話者の補正音声を出力するステップと
から構成されるハンズフリー通話装置の音声補正方法。
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