JP2010261074A - 高温耐久性に優れたボス材用フェライト系ステンレス鋼線 - Google Patents

高温耐久性に優れたボス材用フェライト系ステンレス鋼線 Download PDF

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Abstract


【課題】従来フェライト系ステンレス鋼線において達成困難であった冷間鍛造加工性、焼付き防止性能、塩化物イオンに対する耐食性、特に溶接部の耐粒界腐食性を有するボス材用フェライト系ステンレス鋼線を提供する。
【解決の手段】冷間鍛造加工性、焼付き防止に関しては、Cr、Nb及びMoの含有量とNb析出量を特定量確保することを規定し、また、溶接部の耐粒界腐食性に関しては、溶接時にCr炭化物が粒界に析出して粒界に沿ったCr欠乏層が形成されないように、Ti、Nbを適量添加するが、更に(Ti+Nb)/(C+N)≧10 を満足する範囲とすることによって、溶接部の粒界腐食の発生を抑制できるボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高温における耐久性に優れた円筒形部材(ボス材)用ステンレス鋼線に関するものである。ここで耐久性とは、焼付き防止性能、軟化抵抗、耐高温酸化性、耐食性(特に耐粒界腐食性)を意味するものである。
自動車の排ガス規制や熱効率向上のため、排気系部品にガス測定や温度測定用のセンサー取付け用の円筒形部材(以下、ボス材という)が多く使用される。ボス材の代表的な形状を図1に示す。
このボス材には耐熱性や耐食性が要求されることからステンレス鋼が使用される。
ボス材は、鋼線を冷間鍛造にて成形し、更に各種センサー取付け用に冷間にて雌ねじ加工して製造された後、プロジェクション溶接、隅肉溶接等によりエギゾーストパイプなどの本体に取り付けられる。
従来 ボス材として十分な特性を有する材料として、Niを多く含有するオーステナイト系ステンレス鋼が耐熱性、耐食性の観点から選択されていた。
しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は熱膨張率が大きく高温での伸びが大きいことや自動車部品に対するさらなる経済性追及のため、Niを低減したフェライト系ステンレス鋼のボス材への適用が求められた。ステンレス鋼のボス材としては焼付きが起きないこと、使用環境にて十分な耐食性を有すること、冷間鍛造性に優れること、等が必要であり、そのためには、以下の課題を解決する必要があった。
焼付きとは、「それまで安定した状態にあった摩擦面で潤滑膜の破れなどにより摩擦が大きくなり、面間に巨視的な凝着を生じ、すべらなくなる現象」(金属材料技術研究所編、図解 金属材料技術用語辞典−第2版−2000年1月30日、日刊工業新聞社発行、p.453)のことであるが、ボス材は、その使用環境が高温であることから、長時間使用後にボスのねじ部に取り付けたセンサー部品とボスの焼付きが生じ、かじりついて取れなくなる不具合があった。
また、フェライト系ステンレス鋼の溶接部には、粒界にクロム炭化物が生成しその近傍にクロム欠乏層が生成しやすく、海塩粒子や凍結防止剤等の塩分が付着する環境に晒された場合では、溶接部にクロム欠乏層を起点とした粒界腐食が発生しボス材が脱落する虞があった。
本発明は、経済性を重視したボス材用として優れた特性を有するフェライト系ステンレス鋼線を提案するものである。
従来技術として特許文献1には、Cr18.0-20%、Ni10.0-11.5%含有の酸素センサーボスが記載されている。しかしながら、特許文献1にはオーステナイト系ステンレス鋼が開示されているのみであり、フェライト系ステンレス鋼については開示されていない。
特開平7-83045号公報
自動車部品製造のさらなる経済性を追及するためにはNiを低減したフェライト系ステンレス鋼のボス材への適用が求められていた。そのためには、以下の3つの課題を解決する必要があった。
ボス部品に加工するための冷間鍛造性を確保すること。
ボス材の使用環境は高温であり、ボス材のねじ部に取り付けた部品が長時間使用後にねじ部で焼付き、かじりついて取れなくなる不具合があり、それを防止するために焼付き防止性能を確保すること。
また、海水や凍結防止剤などが付着する塩化物イオンによる腐食性環境では、ボス材基底部と本体との溶接部に粒界腐食が発生しボス材が脱落する虞があり、それを防止するために溶接部の耐粒界腐食性を確保すること。
そこで、従来フェライト系ステンレス鋼線において達成困難であった冷間鍛造加工性、焼付き防止性能、塩化物イオンに対する耐食性、特に溶接部の耐粒界腐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線を提示することを課題とする。
発明者等は、上記のそれぞれの特性に対し、合金成分の役割や合金指標を見出し、これらを満足する合金成分にて製造すればボス材として好適なフェライト系ステンレス鋼線を得ることができることを見出した。
冷間鍛造加工性については、合金成分を規定することにより、焼付き防止性能や耐粒界腐食性にも関連して、十分な特性が得られることを見出した。
焼付き防止性能に関しては、種々の実験を重ねた結果、使用中にねじ部の軟化により焼付きが生じることから、ねじ部を軟化させないことが必要であり、そのためには、鋼材(ねじ部)の軟化抵抗や高温酸化性を確保する必要があることを知見し、そのためにCr、Nb及びMoの含有量とNb析出量を特定量確保することを規定した。
また、溶接部の耐粒界腐食性に関しては、溶接時にCr炭化物が粒界に析出して粒界に沿ったCr欠乏層が形成されないように、Ti、Nbを適量添加するが、更に鋼線の成分において(Ti+Nb)/(C+N)≧10 を満足する範囲とすることによって、溶接部における粒界腐食の発生を抑制できることを見出した。具体的な解決手段は、下記のとおりである。
(1)質量%で、
C :0.001%以上0.02%以下、
Si:0.1%以上1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.03%以下、
Cr:15.0%以上21.0%以下、
N:0.025%以下、を含有し、更に、
Nb:0.30以上0.80%以下、
Ti:0.5%以下、の1種以上を含有し、
残部は鉄および不可避的不純物からなり、
Cr+3Nb≧17、および、(Nb+Ti)/(C+N)≧10を満足し、
鋼中の全Nb含有量の50%〜80%が析出物として存在していることを特徴とするボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
(2)質量%で、更に、
Cu:0.20%以上1.0%以下、
Ni:0.20%以上1.0%以下、の1種以上を含有することを特徴とする(1)に記載のボス用フェライト系ステンレス鋼線。
(3)質量%で、更に
Mo:0.3%以上2.5%以下を含有し、
Cr+3(Mo+Nb)≧17を満足することを特徴とする(1)または(2)に記載のボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
(4)ビッカース硬さ(Hv1)が140以上280以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
本発明によれば、高温耐久性に優れたボス材用ステンレス鋼線を得ることができる。この鋼線を用いたボス材は、ねじ部に取り付けた部品が焼付くことがなく、また粒界腐食に起因する脱落なども防止できるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
ボス形状の例を示す図である。 鋼中Cr量とNb量の発明範囲を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。まず、本発明において、ステンレス鋼線の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。
<C:0.001%以上0.02%以下>
Cは、マトリックスのフェライト組織の強度を高め、更に、オーステナイト相および炭化物の生成元素である。オーステナイト相は、溶接後においてマルテンサイト組織を生じて強度を向上させ、また微細炭化物も強度の向上に寄与し、鋼線としての高温強度を確保する。しかしながら、 0.02%超ではCr炭化物の粒界への析出によりその回りにCr欠乏層が生成するようになる。腐食環境では、粒界に沿ったCr欠乏層が溶解するので、いわゆる粒界腐食が発生する。従って、C量を 0.02%以下の範囲に限定した。さらに粒界腐食を防止するには、C量は0.015%以下の範囲にすることが望ましい。
また、0.001%未満では鋼線のオーステナイト相や微細炭化物の生成量が少なすぎて強度が不足するため、0.001%以上含有させる。
<Si:0.1%以上1.0%以下>
Siは、脱酸剤として、またSiOの酸化皮膜を形成して酸化の進行を抑制するので耐高温酸化性に有用な元素であるが、含有量が 1.0%超になると硬くなり機械的性質が劣化する。従って、Si量は 1.0%以下とした。
また、0.1%未満では脱酸効果が得られないため0.1%以上含有させる。
<Mn:1.0%以下>
MnもCと同様マトリックスのフェライト組織の強度を高め、更に、オーステナイト相生成元素であるが、オーステナイトMn含有量が 1.0%を超えると鋼中に残存する介在物が多くなり耐食性が劣化する。従って、Mn量は1.0%以下の範囲とした。
また、含有量が0.1%より少ないと鋼線の強度が低く、また、溶接後も強度不足となる。したがって0.1%以上含有することが望ましい。
<P:0.04%以下>
Pは、靱性等の機械的性質を劣化させるのみならず、耐食性に対しても有害な元素であり、特にP含有量が0.04%超になるとその悪影響が顕著になるので、P量は0.04%以下とした。
<S:0.03%以下>
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、初期発銹の起点となる。またSは、結晶粒界に偏析して粒界脆化を促進する有害元素でもあるので、極力低減することが好ましい。特にS含有量が0.03%を超えるとその悪影響が顕著になるので、S量は0.03%以下とした。
<Cr:15.0%以上21.0%以下>
Crは、本発明における耐食性発現成分として重要な元素である。本発明で対象にするボス材用鋼線は、高温耐久性及び耐食性に必要なCr量として、少なくとも15.0%が必要である。これは、15.0%未満になると強固な不動態皮膜や高温酸化皮膜が生成され難くなるためである。一方、Cr濃度が21.0%超になると、耐食性は良くなるものの、フェライト相の生成量が多くなって溶接部の靱性不足となることやコストアップに繋がる。従って、固溶Cr濃度は15.0%以上21.0%以下とした。
<Nb:0.30%以上0.80%以下>
Nbは、本発明における高温強度、耐高温酸化性、耐粒界腐食性発現成分として重要な元素である。固溶したNbは強度を高め、高温強度の劣化を防止する。また、炭窒化物として析出したNbは再結晶の抑制に寄与し再結晶温度を高くするため軟化抵抗を増加させる。
Nbは、炭窒化物を形成するので、Cr炭化物の生成を抑制し、その結果Cr欠乏層の生成を抑制するので粒界腐食を防止することができる。
Nbは、耐食性を向上させる有用な元素であるが、含有量が 0.80%超になると冷間鍛造性や耐高温酸化性が劣化する。従って、0.80%以下とした。
また、0.30%未満では耐食性向上効果が得られ難いため下限を0.30%とした。
<Ti:0.50%以下>
Tiは、Nbと同様、炭化物や窒化物を形成するので、Cr炭化物の生成を抑制し、その結果Cr欠乏層の生成を抑制するので粒界腐食を防止することができる。
Tiは、耐食性を向上させる有用な元素であるが、含有量が 0.50%超になると冷間鍛造性や耐高温酸化性が劣化する。とくにTiは多く含むと酸化皮膜が緻密でなくなるため高温酸化が進行しやすくなる。従って、0.50%以下とした。酸化皮膜の緻密さを増すためにはNbも添加する。
また、Ti含有量の下限は特に定めないが、Tiの効果を発現させるためには、0.10%以上添加することが望ましい。
<Cu:0.20%以上1.0%以下>
Cuは、耐食性および強度を向上させる有用な元素であるが、含有量が 1.0%超になると靭性が劣化するばかりか冷間鍛造性が劣化する。従って、1.0%以下とした。
また、0.2%未満では耐食性向上効果が得られ難いため好ましくは下限を0.2%とした。
<Ni:0.20%以上1.0%以下>
Niは、Cuと同様に耐食性および強度を向上させる有効な元素であるが、含有量が1.0%超になると冷間鍛造性が劣化する。従って、1.0%以下とした。
また、0.2%未満では耐食性および強度向上効果が得られ難いため下限を0.2%とした。
<N:0.025%以下>
Nは、マトリックスのフェライト組織の強度を高め、更に、オーステナイト相および窒化物の生成元素であり強度を高めるが、耐食性、冷間鍛造性を劣化させるため上限を0.025%とした。また、0.001%未満では鋼線の窒化物の生成が少なく強度向上の効果が得られないため0.001%以上が望ましい範囲である。
<Mo:0.3%以上2.5%以下>
Moは、高温強度を高め、フェライト生成元素であり、0.3%より少ないと耐食性および高温強度向上(焼き付き防止)効果が発現されない。一方2.5%を超えるとσ相が析出しやすく脆化し、冷間鍛造性が劣化するので0.3〜2.5%とする。
なお、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
Alについては特に規定しないが、Alは脱酸剤として有用な元素である。含有量が0.05mass%超になると靭性が劣化するため、0.05mass%以下が好ましい。また、0.001%未満では脱酸効果が得られ難いため下限を0.001%とすることが好ましい。
次に、Cr+3Nb≧17、Cr+3(Mo+Nb)≧17とした理由について説明する。
成分を変えたφ8mmのフェライト系ステンレス鋼円柱試料を80%圧縮加工し(ねじ山加工量に相当)その後700℃に保持して硬さ(Hv1)の時間変化を測定した。その結果、Cr+3Nb≧17を満足すれば硬さHv=250以上確保でき、軟化が十分に抑制できることが判明した。以上より、Cr+3Nb≧17 とした。
Moが添加された場合においても同様の試験結果にもとづき、Cr+3(Mo+Nb)≧17とした。
また、(Nb+Ti)/(C+N)≧10 とした理由について説明する。
フェライト系ステンレス鋼は溶接時にCr炭窒化物が粒界に沿って形成され、その回りには耐食性が劣化したCr欠乏層が存在し、急冷を行ってもCr欠乏層の形成を抑制することは難しい。そのためTi、Nbを添加し、Ti、Nb炭窒化物を優先的に析出させることでCr炭化物析出を抑制しCr欠乏層の形成を抑制する。溶接部の粒界腐食感受性を検出する試験方法として、JIS G 0575の硫酸濃度を変えた硫酸・硫酸銅腐食試験を実施した。試験条件は、沸騰させた溶液中(硫酸濃度:0.5%、硫酸銅:5%)に試験片を銅片に接触させながら16h連続浸漬した。
試験後、試験片の断面を切出し、光学顕微鏡で溶着金属部の粒界腐食状況を観察した。
硫酸・硫酸銅腐食試験における粒界腐食発生有無と溶着金属成分の関係を調査した結果、(Nb+Ti)/(C+N)≧10であれば粒界腐食の発生が抑制されることが判明した。
以上より(Ti+Nb)/(C+N)≧10 とした。
また、 鋼中の全Nb含有量の 50%〜80%が析出物として存在していることと規定した理由について説明する。Nbは、(a)加工性向上のための組織の微細化(b)軟化抵抗(c)耐高温酸化性を確保するための重要な元素である。ボス材は、その材料としての線材から逐次加工されて製造されるが、その代表的な製造プロセスは以下の通りである。
1)ビレット−2)線材圧延−3)焼鈍−4)伸線−5)焼鈍−6)スキンパス伸線−7)冷間鍛造−8)転造(ねじ)−9)溶接−10)部品として使用。
このプロセスの中でそれぞれ高温となる工程の温度と時間の条件において、Nbは炭窒素化合物としての析出と合金中への固溶を繰返すが、6)スキンパス伸線後におけるNb析出量を全Nb含有量の50〜80%とすれば、組織微細化により冷間鍛造加工性が向上し、さらに9)の溶接後の組織の微細化が達成され、ボス材として使用した場合の軟化抵抗、耐高温酸化性を確保できることが判明した。50%未満では冷間鍛造中に割れが発生しやすくなり,また、溶接後の組織の微細化が達成されない。80%超では固溶Nb量が少なくなり使用中の高温強度が低下し軟化抵抗が小さくなって焼付きが発生する。したがってNbの析出量を上記のごとく規定した。
ここで、Nb析出量の測定方法(mass%)について示す。表層を#500番研磨紙にて研磨した3gの伸線材を非水溶液中(3mass%マレイン酸+1mass%テトラメチルアンモニウムクロイド+残部メタノール)で電解(100mV定電圧)してマトリックスを溶解し、0.2μm穴径のフィルターでろ過して、炭窒化物を抽出した。その後、析出物を酸中にて完全に溶解してイオン化し、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)にてNbの抽出残渣量を測定した(その量をA%とする)。鋼中の全Nb含有量は、スパーク放電発光分光分析装置(Quantvac)により測定した(その量をB%とする)。以上より A/B×100(%)をNbの析出割合とした。
Nb析出量は以下のように制御する。ビレット加熱時にNb量の90%以上を固溶させ、4)伸線後に試料を切出しNb析出量を調査する。そのNb析出量に応じて5)焼鈍における加熱温度と保持時間を制御し、6)スキンパス伸線後におけるNb析出量を全Nb含有量の50〜80%に制御する。
また、ボス材用ステンレス鋼線を、ビッカース硬さ(Hv1)が140以上280以下であることに限定した理由について説明する。ビッカース硬さ(Hv1)は以下のように測定した。スキンパス伸線後の鋼線の1断面において、その円形断面の中心から表面まで引いた線の中間点において硬さを測定し、その線を90°回転させた位置で計4個所測定し、その平均値を断面のビッカース硬さとした。硬さと焼付きの関係を調べた結果、硬さが140以上あれば軟化が抑制され焼付きが防止できることが判明した。また、硬さが280を超えると冷間鍛造性が低下する。以上より、ボス材用ステンレス鋼線を、ビッカース硬さ(Hv1)が140以上280以下であることに限定した。
1)ビレット−2)線材圧延−3)焼鈍−4)伸線−5)焼鈍−6)酸洗−7)スキンパス伸線の工程で線材コイルを製造した。4)伸線後にNb析出量を調査し5)焼鈍(Nb析出量に応じ900〜950℃×1〜3h、水冷等)を実施した。7)スキンパス伸線後にNb析出量を測定した(表1に記載)。また,スキンパス伸線後サンプルを切出し、冷間鍛造後に雌ねじ加工を施してボス形状とし、ステンレス鋼板にプロジェクション溶接を施した。サンプル雌ねじ部に雄ねじを取付け、大気中で700℃において6時間保持した。
その後、雄ねじを取外し焼付きの有無を調査した。さらに、そのサンプルについて硫酸・硫酸銅腐食試験を施し、溶接部に垂直な断面を光学顕微鏡にて100〜500倍にて観察し、プロジェクション溶接部における粒界腐食の有無を調査した。
表1に本発明のボス材用ステンレス鋼線の化学成分とボス材の評価結果を示す。
Figure 2010261074
No.1〜No.20は、いずれも焼付きは無く粒界腐食も検出されなかった。
一方、No.21は、Cr量が15.0%を下回っており、さらにCr+3Nbが17を下回っておりかつCr+3(Mo+Nb)も17を下回っており、焼付きが生じた。
No.22は、Cr量が21.0%を超えており、溶接部の靭性が不足したため評価を行わなかった。
No.23は、Nb量が0.30%を下回っており、耐食性が劣化した。
No.24は、C量が0.02%を超えており、耐食性が劣化した。
No.25は、最終焼鈍条件が適切でなくNb析出量が全Nb量の50%を下回っており、冷間鍛造中に割れが生じたため評価を行わなかった。
以上の実施例から明らかなように、本発明により高温における耐久性に優れた円筒形部材(ボス材)用フェライト系ステンレス鋼線の提供が可能であり、経済性の点で極めて有用である。
1 ボス主体
2 本体(エキゾーストパイプ等)への溶接部分
3 センサー取付け用の雌ねじ加工部位

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.001%以上0.02%以下、
    Si:0.1%以上1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.03%以下、
    Cr:15.0%以上21.0%以下、
    N:0.025%以下、を含有し、更に、
    Nb:0.30以上0.80%以下、
    Ti:0.5%以下、の1種以上を含有し、
    残部は鉄および不可避的不純物からなり、
    Cr+3Nb≧17、および、(Nb+Ti)/(C+N)≧10を満足し、
    鋼中の全Nb含有量の50%〜80%が析出物として存在していることを特徴とするボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
  2. 質量%で、更に、
    Cu:0.20%以上1.0%以下、
    Ni:0.20%以上1.0%以下、の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のボス用フェライト系ステンレス鋼線。
  3. 質量%で、更に
    Mo:0.3%以上2.5%以下を含有し、
    Cr+3(Mo+Nb)≧17を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
  4. ビッカース硬さ(Hv1)が140以上280以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボス材用フェライト系ステンレス鋼線。
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