JP2010260262A - 樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法 - Google Patents

樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも1つが樹脂基材である基材同士の間に樹脂発泡体を配置してなる積層部材において、基材1,2間のクリアランスにバラツキがある場合であっても、バラツキに容易に対応してそこを樹脂発泡体で充填できるようにする。
【解決手段】予め発泡させてなる樹脂発泡体層11と、そこに積層した発泡剤を含有する未発泡樹脂層12との積層構造体10を樹脂基材1,2の間に配置する。その後で、樹脂基材1,2の変形以下の温度で未発泡樹脂層10を加熱して未発泡樹脂層を発泡させて後発泡層13とし、基材1,2間を樹脂発泡体層11と後発泡層13とで充填する。好ましくは、樹脂発泡体層11には、シート状に発泡硬化したマスチック接着剤が用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法に関し、特に、少なくとも1つが樹脂基材である基材同士の間に樹脂発泡体を配置してなる積層部材を製造するのに好適な製造方法に関する。
車両の外板部(フード、ドア、ルーフ等)のように、所要の強度とともにある程度の緩衝性も必要とされる部材は、一般に、2枚の金属薄板の間に緩衝材として樹脂発泡体を配置した構成が取られている。樹脂発泡体を間に配置することにより、部材の軽量化も図られる。また、そのような積層部材の製造に当たっては、特許文献1に記載のように、金属板に、硬化剤および発泡剤を含有してなる接着シートを貼り付け、金属板に電着塗装を施し、電着塗膜を加熱焼き付ける際に、その焼き付け時の熱を利用して、前記接着シートを発泡硬化させる技術が採用されている。そのような用途に用いられる接着シートの一例として、特許文献2に記載されるようなマスチック接着剤が知られており、この種のマスチック接着剤を用いることにより、積層部材の張り剛性を向上させることができる。
また、接着面間にクリアランス変動を有する一対の熱可塑性樹脂部材を接着性のある熱可塑性材料の樹脂発泡体により一体に接着することで、クッション性のある積層部材を得ることが特許文献3に記載されている。
特開昭61−41537号公報 特開2000−96026号公報 特開2001−162709号公報
前記した樹脂発泡体を間に配置した積層部材を製造するのに従来用いられているマスチック接着剤は、2枚の金属薄板の間で使用することを前提に開発されたものであり、金属薄板に塗布した電着塗膜の焼き付け時の温度である約170℃程度の温度で発泡硬化するものが多い。近年、車両の一層の軽量化による燃費向上等の目的から、2層構造の外板における双方あるいはいずれか一方を樹脂基板に使用とする動きがあり、不飽和ポリエステル樹脂を素材とするSMC,ポリプロピレン系樹脂、あるいはポリアミド系樹脂などが、外板用の樹脂基材として用いられるようになってきている。
しかし、樹脂材料は金属板と比較して耐熱性が劣っており、170℃程度の温度である電着焼き付け炉内を通すと、樹脂基材に変形が生じる恐れがある。そのために、外板部として樹脂基材が用いられる場合、発泡温度が170℃程度である従来のマスチック接着剤を用いて、電着焼き付けと同時にマスチック接着剤を発泡硬化させるという製造方法を採用することができず、解決すべき課題となっている。
マスチック接着剤を予めシート状に発泡硬化させたものを、接着剤や粘着材で樹脂基材に止め付けることが考えられるが、2枚の基材間のクリアランスの変化に一致するように、マスチック接着剤を予め発泡硬化させることは困難であり、できるとしても、2枚の外板間のクリアランスの大きさや形状に応じた成形マスチック材を何種類も準備する必要があり、有効な解決策とはならない。最もクリアランスの広い部位の厚みに、予め発泡硬化させた成形マスチック材の高さを合わせることも考えられるが、クリアランスの狭い部位ではマスチック材をつぶすのに高い圧力が必要となり、外板を構成する樹脂基材の組み付けがきわめて困難となり、場合によっては、所望の外観形状が得られないことも起こり得る。
特許文献3に記載のように、一対の熱可塑性樹脂部材を接着性のある熱可塑性材料の樹脂発泡体により一体に接着する技術が知られているが、通常、車両の外板部において、樹脂基材が用いられる場合、前記のように、2枚の基材間のクリアランスのバラツキが多岐にわたるために、全クリアランス部を1種の発泡性材料で所望の緩衝性を有するように充填することは困難であり、様々な発泡倍率を有し、かつ樹脂基材を構成する樹脂材料の変形温度よりも低い温度で発泡剤が発泡する発泡性材料を準備する必要性が生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも1つが樹脂基材である基材同士の間に樹脂発泡体を配置してなる積層部材において、基材間のクリアランスにバラツキがある場合であっても、バラツキに容易に対応してそこを樹脂発泡体で充填できるようにした、積層部材の製造方法を開示することを課題とする。
本発明は、少なくとも1つが樹脂基材である基材同士の間に樹脂発泡体を配置してなる積層部材の製造方法であって、予め発泡させてなる樹脂発泡体層と前記樹脂発泡体層の少なくとも片面に積層した発泡剤を含有する未発泡樹脂層との積層構造体を基材同士の間に配置する工程と、前記未発泡樹脂層を加熱して未発泡樹脂層を発泡させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明による製造方法では、予め発泡させてなる樹脂発泡体層と前記樹脂発泡体層の少なくとも片面に積層した発泡剤を含有する未発泡樹脂層との積層構造体を基材同士の間に配置する。そこにおいて、予め発泡させてなる樹脂発泡体層は、2枚の基材間のクリアランスにおいて、ほぼ等しい厚さとして把握できる領域を充填する。したがって、樹脂発泡体層は所定厚みの発泡シートであってよく、製造は容易である。限定されないが、好ましくは、樹脂発泡体層は従来のシート状のマスチック接着剤である。それにより、製造後の積層部材に大きな張り剛性を付与することができる。未発泡樹脂層は、2枚の基材間のクリアランスにおける、前記等しい厚さとして把握できる領域の一方側あるいは両側に形成される基材裏面側の凹凸部を充填する。
前記樹脂発泡体層と未発泡樹脂層との積層構造体を2枚の基材間に配置するときに、積層構造体は実質的に樹脂発泡体層とほぼ同じ厚さであり、2枚の基材の間に配置した後、2枚の基材を一体に組み付けるのに支障は生じない。組み付け後、少なくとも未発泡樹脂層を加熱して未発泡樹脂層を発泡硬化させる。発泡により未発泡樹脂層は膨張して、前記した基材裏面側の凹凸部に充満する。そのために、積層構造体が配置される場所での2枚の基材間のクリアランスにバラツキがあっても、一種類の厚みの積層構造体を用いることで、クリアランスのすべてを発泡材によって充填することができる。それにより、発泡成形後の積層部材には、全体にわたり所望の剛性と緩衝性が付与される。
本発明による製造方法において、前記未発泡樹脂層に含まれる発泡剤として、発泡温度が前記樹脂基材が変形する温度以下である発泡剤を用いることが好ましい。これにより、樹脂基材に変形を生じさせることなく、所要の発泡処理を行うことができる。樹脂基材の変形する温度は、樹脂の種類にもよるが、通常は120℃程度以下である。したがって、発泡剤は、120℃程度以下の温度で発泡するものが好ましく、そのような発泡剤の例として含水ケイ酸ソーダが挙げられる。
また、本発明の製造方法では、170℃程度の発泡温度を必要とするマスチック接着剤を用いる場合であっても、すでにシート状に発泡硬化したマスチック接着剤を用いるようにしており、発泡成形時の温度に170℃という高い温度を必要としない。したがって、樹脂基材に必要な塗膜を形成するに際して、塗料として、焼き付け温度が樹脂基材が変形しない温度以下(例えば、90〜120℃程度)のものを用いることにより、前記未発泡樹脂層の加熱を、前記樹脂基材に塗布した塗料の焼き付け時の熱によって行うことができる。それにより、処理の簡素化が図られる。
本発明において、樹脂発泡体層を形成する樹脂材料に特に制限はなく、PVC,ウレタン、合成ゴムなどの発泡体が好適に用いられる。これら材料の1種類の発泡体でもよく、それらを混合したものの発泡体であってもよい。樹脂発泡体層の弾性率に特に限定はないが、本発明による積層部材が車両の外板部(フード、ドア、ルーフ等)である場合には、100〜400kPaの範囲であることが望ましい。
未発泡樹脂層を形成する樹脂材料にも特に制限はないが、樹脂発泡体層と同様、PVC,ウレタン、合成ゴムなどである弾性成分であってよい。これら材料の1種類でもよく、それらを混合したものでもよい。好ましくは、樹脂発泡体層と未発泡樹脂層の樹脂材料には同じものが用いられる。それにより、層間の一体性が向上する。未発泡樹脂層に含まれる発泡剤は前記したが、発泡剤は前記樹脂成分(弾性成分)に対して0.1〜1重量%で添加されるのが好ましく、発泡倍率が2〜4倍の後発泡樹脂層が得られる。発泡剤が0.1重量%以下では、未発泡樹脂層の十分な発泡が得られず、クリアランスのバラツキが発泡材によって所望に充填されない場合が起こる。発泡剤が1重量%を超えると、発泡倍率が大きくなりすぎ、外板表面の剛性が不足して、外力によって変形しやすくなる恐れがある。
なお、本発明による、樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法において、対向する2枚の基材は、双方が樹脂基材であってもよく、一方のみが樹脂基材であってもよい。いずれの場合も、樹脂基材の樹脂材料は特に制限はいないが、成形性等の理由から、熱可塑性樹脂であることは望ましく、不飽和ポリエステル樹脂を素材とするSMC,ポリプロピレン系樹脂、あるいはポリアミド系樹脂などが例として挙げられる。一方が樹脂基材の場合、他方は金属板や適宜の無機質板であってもよい。
さらに、未発泡樹脂層は樹脂発泡体層の双方の面に積層されてもよく、一方の面にのみ積層されてもよい。製造される積層部材の使用目的等に応じて、いずれかが選択される。一方のみが樹脂基材である場合、前記未発泡樹脂層は該樹脂基材に面する側における樹脂発泡体層の面に少なくとも積層される。いずれの場合も、未発泡樹脂層は樹脂発泡体層の表面に塗布することによって形成することができる。
また、前記積層構造体は、基材の全面にわたるようにして配置してもよく、基材の適所に部分的に配置してもよい。積層構造体を基材に配置するに際しては、基材と積層構造体との間に適宜の粘着剤を配置し、未発泡樹脂層の発泡が終了するまで、積層構造体の自由移動を阻止しておくことが好ましい。未発泡樹脂層に適宜の粘着剤を添加しておき、発砲後に接着性を持つようにしておくこともできる。
本発明の製造方法によれば、少なくとも1つが樹脂基材である2つの基材の間に、バラツキのあるクリアランスが形成されて積層部材であっても、そのクリアランスのバラツキに容易に対応してそこを樹脂発泡体で充填した積層部材を得ることができる。
本発明による樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法の一例を示す図。 本発明による樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法の他の例を示す図。 本発明による樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法のさらに他の例を示す図。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示す例において、本発明による積層構造体10は、樹脂基材1,2の間に配置される。いずれか一方が金属板などの他の材料からなる基材であってもよい。樹脂基材2の表面には、塗膜3が形成される。図1(a)に示すように、積層構造体10は、予め発泡させてなる樹脂発泡体層11と、その両面に塗布後に乾燥して形成された、発泡剤を含有する未発泡樹脂層12,12からなる。積層構造体10の厚さは、2枚の樹脂基材1,2の間のクリアランスよりも、距離pだけ小さい。積層構造体10の両面には、好ましくはアクリル系もしくはゴム系からなる粘着剤を含む粘着テープ4,4が貼着されており、該粘着テープ4によって、積層構造体10の下面は下方の樹脂基材1に定着されている。
前記積層構造体10において、樹脂発泡体層11は、例えばマスチック接着剤を170℃程度の温度でシート状に発泡硬化させたものである。未発泡樹脂層12は、例えばニトリルゴムを溶剤で溶かし、その中に発泡剤を適量(0.1〜1重量%程度)添加したものであり、発泡剤の例としては、含水ケイ酸ソーダ(例えば、メタケイ酸ナトリウム五水和物 NaSiO・5HO)が挙げられる。含水ケイ酸ソーダは、90℃〜120℃程度の温度において含水ケイ酸ソーダ中の水分が抜けることで発泡し、中空のガラス球状体を作る。
図1(a)に示すように、樹脂基材1,2の間に積層構造体10を配置した後、樹脂基材2の表面に塗膜3を形成する。塗膜3の塗料には、樹脂基材1,2が変形する温度以下の温度で焼成する種類の塗料が用いられる。図1(a)に示す状態で、塗膜3の焼成を行う。焼成は、樹脂基材1,2が熱により変形する温度以下の温度で行う。焼成時の熱により未発泡樹脂層12,12は発泡して、弾性を備えた後発泡層13,13を形成する。その体積の膨張により、積層構造体10の厚さは厚いものとなり、図1(b)に示すように、その上面は、粘着テープ4を介して、上位の樹脂基材2の裏面に密着する。
上記のように、樹脂基材1,2の間のクリアランスの多くの部分は、予め発泡させてなる樹脂発泡体層11が充填されており、前記した距離pの部分が、未発泡樹脂層12,12が例えば発泡倍率2〜4倍程度で発泡することにより埋められる。そして、図1に示す例では、2枚の樹脂基材1,2の間のクリアランスにはバラツキがなく、距離pである均一な隙間となっているが、2枚の樹脂基材1,2の間のクリアランスにバラツキがあっても、未発泡樹脂層12,12の発泡時の挙動によって、すべての隙間を発泡材で充填することができる。
図2(a)に示す例では、積層構造体10aが、予め発泡させてなる樹脂発泡体層11と、その一方の面にのみ形成した発泡剤を含有する未発泡樹脂層12とで構成されている点で、図1に示したものと相違する。前記した距離(隙間)pが小さい場合には、この形態の積層構造体10aを用いても、図2(b)に示すように、隙間pを未発泡樹脂層12の発泡により埋めることが可能である。
未発泡樹脂層12の発泡倍率を大きくすることにより、より大きな隙間pを未発泡樹脂層12の発泡により埋めることができる。しかし、発泡倍率が大きくなると、発泡層の密度が小さくなり、変形しやすくなる。自動車の外板部のように、緩衝性は必要であるがある程度の剛性も必要とされる部材の場合には、いたずらに発泡倍率を高くすると、未発泡樹脂層12の発泡によって形成された発泡材の変形により、樹脂基材1,2に変形が生じやすくなり好ましくない。したがって、前記のように、未発泡樹脂層12,12は発泡倍率2〜4倍程度で発泡させることが好適であり、そのことを考慮して、積層構造体10、積層構造体10aのいずれかを選択する。または、場所、場所でのクリアランスの幅の違いによってそのいずれかを選択的に配置するようにする。
図3の例は、積層部材が自動車のドアの場合の部分図であり、一方の基材はインナ1aであり、他方の基材は外板2aである。そして、外板2aの表面には塗膜3が形成される。外板2aは全体として中央が膨らんだ凸面形状であり、インナ1aは平板である。インナ1aの適所、図示の例では左右端と中央部との前記積層構造体10が配置されており、その上に外板2aを積層するとともに、外板2aの側縁2bを折り曲げて、インナ1aと一体化している。図3(a)に示すように、一体化した状態で、インナ1aの両側に位置する積層構造体10、10は外板2aの裏面にほぼ接した状態であり、中央に位置する積層構造体10と外板2の裏面との間には、距離paの隙間が形成されている。
図3(a)に示す状態の積層体に対して、外板2aの表面に形成した塗膜3の焼成を行う。そのときの熱により、積層構造体10の未発泡樹脂層12は発泡による膨張をしようとする。しかし、インナ1aの両側に位置する積層構造体10、10は外板2aによって抑えられているので、大きく発泡することはできない。しかし、中央に位置する積層構造体10は所要に発泡して、発泡材により外板2aの裏面との間の隙間(距離)paを充填する。このようにして、所要の強度と緩衝性を備えた自動車のドアを得ることができる。もちろん、インナ1aの全面にわたって積層構造体10を配置して、同様に発泡処理を行うようにしてもよい。また、塗膜焼成時の熱によってではなく、適宜の加熱手段によって積層構造体10の未発泡樹脂層12に熱を与えることで、発泡処理を行うこともできる。その際に、加熱用熱盤でインナ1aと外板2aを挟んだ状態として、未発泡樹脂層12を加熱するようにしてもよい。
実施例と比較例により本発明を説明する。
[実施例]
市販のマスチック接着剤(イイダ産業製#586)を電着焼成炉の条件と同様に170℃×20分で板厚2mmのシート状に発泡硬化させた。その後、ニトリルゴムを溶剤(トルエン)で溶かし、その中にメタケイ酸ナトリウム0.2重量%添加し混合した発泡剤を含有する未発泡樹脂液を、前記シート状のマスチック接着剤の片面に厚み1mmで均一に塗布し乾燥させることで、積層構造体とした。その積層構造体の両面に0.4mm厚のアクリルフォーム両面テープを貼り合わせて、試験片を得た。
その試験片を用いて、下記により、硬さ、ゴム物性、接着性、クリアランス充填性を試験した。その結果を表1に示した。
(試験項目)
1.硬さ
試験片を50mm角に切り出し、重ね合わせて高さを12mm以上とし硬さ試験器(ASTM D412 Die Aタイプ)にて硬さを測定した。
2.ゴム物性
試験片をダンベル形状(JIS K 6251 2号形ダンベル)に打ち抜き、この試験片の平行部分の最低厚さを測定した後、その中央に距離20mmの標線を記入した。これをインストロン型引張試験機に取り付け、引張速度50mm/minにて引っ張り、引張強さ、弾性率、伸び率を測定した。
3.接着性
試験片を25mm×25mmのサイズにカットし、一方面に100×25×2.0(厚さ)mmの電着Al板を貼り付け、さらに反対面に向きを逆にして同じ電着Al板を貼り付けて、剪断接着試験片を作成した。その試験片を室温にて24時間放置後、下記の条件で劣化させた後、剪断接着力(引張速度:50mm/min)を測定した。
(1)常態時、
(2)熱劣化後(120℃×20日)
(3)温水劣化後(40℃温水浸漬×20日)
(4)湿熱劣化後(50℃・95%RH×20日)
4.クリアランス充填性
試験片を25mm×25mmのサイズにカットし、100×25×2.0(厚さ)mmの電着Al板の中央部に貼り付けた。その上に、スペーサを用いて、クリアランスが3mmとなるようにして同じ形状の電着Al板を設置し、端部をクリップで固定した。それをオーブン加熱炉で90℃×20分加熱し、クリアランスが未発泡樹脂の発泡により充填されているかどうか確認した。
[比較例1]
市販のマスチック接着剤(イイダ産業製#586)を電着焼成炉の条件と同様に170℃×20分で板厚2mmのシート状に発泡硬化させた。その積層構造体の両面に0.4mm厚のアクリルフォーム両面テープを貼り合わせて、試験片を得た。その試験片を用いて、実施例1と同様にして、硬さ、ゴム物性、接着性、クリアランス充填性を試験した。その結果を表1に示した。
[比較例2]
シート状の厚さ3mmのEPDM発泡体の両面に0.4mm厚のアクリルフォーム両面テープを貼り合わせて、試験片を得た。その試験片を用いて、実施例1と同様にして、硬さ、ゴム物性、接着性、クリアランス充填性を試験した。その結果を表1に示した。
Figure 2010260262
表1において、硬さ、ゴム物性、接着性における判断基準の値は、市販のマスチック接着剤を用いて金属板同士を接着したときにマスチック接着剤に求められる標準値であり、この値を超えていれば、実用に供することのできるものであり、合格品(○)とした。また、クリアランス充填性は、隙間がない場合は合格品(○)、隙間がある場合は不合格品(×)とした。
[評価]
本発明品である実施例品(上記で説明した予め発泡させてなる樹脂発泡体層と前記樹脂発泡体層の少なくとも片面に積層した発泡剤を含有する未発泡樹脂層との積層構造体)は、硬さ、ゴム物性、接着性の測定項目において合格であり、積層部材を構成する基材同士の間に配置する樹脂発泡体として、比較例1に示される市販のマスチック接着剤と同等の物性値を保持できることが示される。そして、市販のマスチック接着剤と同等の物性値を保持しながら、クリアランス充填性を満足することができるので、本発明品である実施例品を用いて、本発明による製造方法に従って製造した積層部材は、実用上、高い有効性を示すことがわかる。
EPDM発泡体を用いた比較例2は、マスチック接着剤(比較例2)と比較してゴム物性および接着性で劣っており、当然に、クリアランス充填性も満たすことができない。
1,2…樹脂基材、
3…塗膜、
10、10a…積層構造体、
11…予め発泡させてなる樹脂発泡体層、
12…発泡剤を含有する未発泡樹脂層、
4…粘着剤を含む粘着テープ、
13…弾性を備えた後発泡層。

Claims (4)

  1. 少なくとも1つが樹脂基材である基材同士の間に樹脂発泡体を配置してなる積層部材の製造方法であって、
    予め発泡させてなる樹脂発泡体層と前記樹脂発泡体層の少なくとも片面に積層した発泡剤を含有する未発泡樹脂層との積層構造体を基材同士の間に配置する工程と、
    前記未発泡樹脂層を加熱して未発泡樹脂層を発泡させる工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法。
  2. 前記未発泡樹脂層に含まれる発泡剤として、その発泡温度が前記樹脂基材が変形する温度以下である発泡剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法。
  3. 前記未発泡樹脂層の加熱を、前記樹脂基材に塗布した塗料の焼き付け時の熱によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法。
  4. 予め発泡させてなる樹脂発泡体層として、シート状に発泡硬化したマスチック接着剤を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂発泡体を間に配置した積層部材の製造方法。
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