JP2010257743A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2010257743A JP2009106346A JP2009106346A JP2010257743A JP 2010257743 A JP2010257743 A JP 2010257743A JP 2009106346 A JP2009106346 A JP 2009106346A JP 2009106346 A JP2009106346 A JP 2009106346A JP 2010257743 A JP2010257743 A JP 2010257743A
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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池に投入される燃料ガスの流量を導出する流
量導出手段の異常を的確に検知し、燃料電池の適正な発電効率を維持するとともに安定し
た発電を維持する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に投入された燃料ガスのオフガ
スを酸化剤ガスで燃焼するバーナと、燃料電池システムの運転を制御する制御装置を備え
ている。制御装置は、バーナに供給される酸化剤ガスの流量の変動値に基づいて燃料ガス
の流量を導出する流量導出手段が異常であると検知する異常検知手段(ステップ204)
を有する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特
許文献1の図1に示されているように、燃料電池システムにおいては、燃料電池18と、
燃料電池18に投入された燃料ガスのオフガスを燃焼用空気(酸化剤ガス)で燃焼する燃
焼部12(バーナ)と、制御部26と、原燃料流量の増減を行う原燃料供給手段14と、
原燃料流量の検知を行う原燃料流量検知手段32と、燃焼空気流量の増減を行う燃焼空気
供給手段22とを備えている。
このような燃料電池システムにおいては、一般的に、制御部26は、燃料電池の発電量
が所望の発電量となるように原燃料流量を設定し、原燃料流量検知手段32で検知される
原燃料流量がその設定された原燃料流量となるように原燃料供給手段14を調整している
特開2006−73215号公報
上述した特許文献1に記載の燃料電池システムにおいては、原燃料流量検知手段32に
比較的大きい誤差などの異常が生じるおそれがある。検知値した値が実際の流量より少な
い場合には、所望の発電量に対して投入された原燃料が増加するため発電効率が低下する
。一方、検知した値が実際の流量より多い場合には、所望の発電量に対して投入された原
燃料が減少するため燃料電池の水素利用率が上昇し安定した発電状態を維持できなくなる
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムにおいて
、燃料電池に投入される燃料ガスの流量を導出する流量導出手段の異常を的確に検知し、
燃料電池の適正な発電効率を維持するとともに安定した発電を維持することを目的とする
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、燃料電池と、燃料
電池に投入された燃料ガスのオフガスを酸化剤ガスで燃焼するバーナと、を備えた燃料電
池システムにおいて、燃料電池システムの運転を制御する制御装置をさらに備え、制御装
置は、バーナに供給される酸化剤ガスの流量の変動値に基づいて燃料ガスの流量を導出す
る流量導出手段が異常であると検知する異常検知手段を有することである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、異常検知手段は、バー
ナに供給される酸化剤ガス流量のフィードバック量が所定値より大きい場合には、流量導
出手段が異常であると検知することである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、酸化剤ガス流量のフィ
ードバック量は、バーナの燃焼温度と燃焼温度の目標温度との温度偏差に基づいて導出さ
れることである。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、燃焼温度の目標温度は
、燃料電池に投入された燃料ガス流量の目標値に応じて設定されていることである。
また請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項4の何れか一項におい
て、異常検知手段は、酸化剤ガス流量のフィードバック量が所定値より大きい状態が所定
時間継続した場合に、流量導出手段が異常であると検知することである。
また請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5の何れか一項におい
て、制御装置は、異常検知手段が流量導出手段が異常であると検知した場合には、その旨
を警告する警告手段をさらに有することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、異常検知手段が、燃料電池に投
入された燃料ガスのオフガスを酸化剤ガスで燃焼するバーナに供給される酸化剤ガスの流
量の変動値に基づいて燃料ガスの流量を導出する流量導出手段が異常であると検知する。
これによれば、酸化剤ガスの流量値を利用することで、流量導出手段の異常を的確に検知
することができ、ひいては燃料電池の適正な発電効率を維持するとともに安定した発電を
維持することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、異常検知手
段は、バーナに供給される酸化剤ガス流量のフィードバック量が所定値より大きい場合に
は、流量導出手段が異常であると検知する。これにより、酸化剤ガス流量がフィードバッ
ク制御されている場合、酸化剤ガス流量のフィードバック量に基づいて流量導出手段の異
常検知を容易かつ的確に行うことができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項2において、酸化剤ガス
流量のフィードバック量は、バーナの燃焼温度と燃焼温度の目標温度との温度偏差に基づ
いて導出される。これにより、バーナ燃焼温度を目標温度となるように酸化剤ガス流量が
フィードバック制御されている場合、酸化剤ガス流量のフィードバック量に基づいて流量
導出手段の異常検知を容易かつ的確に行うことができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項3において、燃焼温度の
目標温度は、燃料電池に投入された燃料ガス流量の目標値に応じて設定されている。これ
により、燃料電池に投入されるべき燃料ガス流量に応じて流量導出手段の異常検知を的確
に行うことができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項2乃至請求項4の何れか
一項において、異常検知手段は、酸化剤ガス流量のフィードバック量が所定値より大きい
状態が所定時間継続した場合に、流量導出手段が異常であると検知する。これにより、流
量導出手段の異常を精度よく検知することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項1乃至請求項5の何れか
一項において、制御装置は、異常検知手段が流量導出手段が異常であると検知した場合に
は、その旨を警告する警告手段をさらに有する。これにより、使用者に流量導出手段の異
常を確実に警告することができる。
本発明による燃料電池システムの第1の実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示す燃料電池システムを示すブロック図である。 図2に示す制御装置で実行される制御プログラムの概要を示すフローチャートである。 図2に示す制御装置で実行される燃焼制御システムのブロック線図である。 燃焼制御において、燃料ガス流量変化に対する燃焼用空気流量の特性を示す図である。 図2に示す制御装置で実行される制御プログラム(燃料ガスの流量計の誤差検知、その旨の警告を行うためのプログラム)の概要を示すフローチャートである。 本発明による燃料電池システムの第2の実施形態の概要を示す概要図である。 図7に示す燃料電池(セルおよびセル接続体)の部分断面図である。
1)第1の実施形態
以下、本発明による燃料電池システムの第1の実施形態について説明する。図1は高分
子電解質型燃料電池を備えた燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池
システムは燃料電池10とこの燃料電池10に必要な水素ガスを含む改質ガス(燃料ガス
)を生成する改質装置20を備えている。
燃料電池10は、燃料極11と酸化剤極である空気極12と両極11,12間に介在さ
れた電解質13を備えており、燃料極11に供給された改質ガスおよび空気極12に供給
された酸化剤ガスである空気(カソードエア)を用いて発電するものである。電解質13
は高分子電解質であり、燃料電池10は高分子電解質型燃料電池である。なお、空気の代
わりに空気の酸素富化したガスを供給するようにしてもよい。
改質装置20は、改質用燃料を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを燃料電池10に
供給するものであり、改質部21、冷却部22、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシ
フト部という)23および一酸化炭素浄化部(以下、CO浄化部という)24、燃焼部2
7、および蒸発部28から構成されている。改質用燃料(燃料ガス)としては天然ガス、
LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり
、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
改質部21は、改質用燃料に改質水が混合された改質用原料である混合ガスから改質ガ
スを生成して導出するものである。この改質部21は有底円筒状に形成されており、環状
筒部内に軸線に沿って延在する環状の折り返し流路21aを備えている。
改質部21の折り返し流路21a内には、触媒21b(例えば、RuまたはNi系の触
媒)が充填されており、冷却部22から導入された改質用燃料と水蒸気供給管51から導
入された水蒸気との混合ガスが触媒21bによって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭
素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応に
て生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる
一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は冷却
部(熱交換部)22に導出されるようになっている。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応で
あり、一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
温度センサ21cは改質部21内の壁面付近(燃焼ガス流路26に接する壁の面付近)
に設けられており、改質部21の壁面温度を検出している。温度センサ21cは改質部2
1の温度を検出するものであるが、バーナ25からの燃焼ガスがあたる場所に設置されて
いるので、温度センサ21cが検出する温度は燃焼ガス(燃焼部)の温度をよく反映して
いる。なお、温度センサ21cの検出結果は、制御装置30に送信されるようになってい
る。
冷却部22は、改質部21から導出された改質ガスと、改質用燃料と改質水(水蒸気)
との混合ガスとの間で熱交換が行われる熱交換器(熱交換部)であって、高温である改質
ガスを低温である混合ガスによって降温してCOシフト部23に導出するとともに混合ガ
スを改質ガスによって昇温して改質部21に導出するようになっている。
具体的には、冷却部22には図示しない燃料供給源(例えば都市ガス管)に接続された
改質用燃料供給管41が接続されている。改質用燃料供給管41には、上流から順番に燃
料ポンプ42、流量計41a、脱硫器46および改質用燃料バルブ43が設けられている
。流量計41aは、改質用燃料供給管41を流通する改質用燃料(燃料ガス)の単位時間
当りの体積または質量を測定するためのものであり、その検出結果は制御装置30に送出
されるようになっている。流量計41aは、燃料ガスの流量を測定(導出)する流量導出
手段である。
燃料ポンプ42は改質用燃料を供給しその供給量を調整する改質用燃料供給手段である
。脱硫器46は燃料中の硫黄分(例えば、硫黄化合物)を低減するものである。改質用燃
料バルブ43は改質用燃料供給管41を開閉するものである。燃料供給源から供給される
燃料ガスのうち改質部21に供給されて改質されるものを改質用燃料といい、バーナ25
に供給されて燃焼されるものを燃焼用燃料という。
また、改質用燃料供給管41の脱硫器46と改質用燃料バルブ43との間にはバーナ2
5に接続された燃焼用空気供給管64に接続された燃焼用燃料供給管44が接続されてい
る。燃焼用燃料供給管44には燃焼用燃料バルブ45が設けられている。燃焼用燃料バル
ブ45は燃焼用燃料供給管44を開閉するものである。燃料ポンプ42が駆動され改質用
燃料バルブ43が閉じられ燃焼用燃料バルブ45が開かれている場合、バーナ25に燃焼
用燃料が供給され、また、燃料ポンプ42が駆動され改質用燃料バルブ43が開かれ燃焼
用燃料バルブ45が閉じられている場合、改質部21に改質用燃料が供給される。
さらに、改質用燃料供給管41の改質用燃料バルブ43と冷却部22との間には蒸発部
28に接続された水蒸気供給管51が接続されている。蒸発部28から供給された水蒸気
が改質用燃料に混合され、その混合ガスが冷却部22を通って改質部21に供給されてい
る。
COシフト部23は、改質部21から冷却部22を通って供給された改質ガス中の一酸
化炭素を低減するものすなわち一酸化炭素低減部である。COシフト部23は、内部に上
下方向に沿って延在する折り返し流路23aを備えている。折り返し流路23a内には触
媒23b(例えば、Cu−Zn系の触媒)が充填されている。COシフト部23において
は、冷却部22から導入された改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気は、触媒23bに
より反応して水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生
じている。この一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
また、COシフト部23内には、COシフト部23内の温度を測定する温度センサ23
cが設けられている。温度センサ23cの検出結果は制御装置30に送信されている。
CO浄化部24は、COシフト部23から供給された改質ガス中の一酸化炭素をさらに
低減して燃料電池10に供給するものでありすなわち一酸化炭素低減部である。CO浄化
部24は、円筒状に形成されて、蒸発部28の外周壁を覆って当接して設けられている。
CO浄化部24の内部には、触媒24a(例えば、RuまたはPt系の触媒)が充填され
ている。
また、CO浄化部24内には、CO浄化部24内の温度を測定する温度センサ24bが
設けられている。温度センサ24bの検出結果は制御装置30に送信されている。
このCO浄化部24の側壁面下部および側壁面上部には、COシフト部23に接続され
た接続管89および燃料電池10の燃料極11に接続された改質ガス供給管71がそれぞ
れ接続されている。接続管89には、酸化用空気供給管61が接続されている。これによ
り、CO浄化部24には、COシフト部23からの改質ガスと大気からの酸化用空気が導
入されるようになっている。なお、酸化用空気供給管61には、上流から順番に酸化用空
気ポンプ62および酸化用空気バルブ63が設けられている。酸化用空気ポンプ62は酸
化用空気を供給しその供給量を調整するものである。酸化用空気バルブ63は酸化用空気
供給管61を開閉するものである。
したがって、CO浄化部24内に導入された改質ガス中の一酸化炭素は、酸化用空気中
の酸素と反応(酸化)して二酸化炭素になる。この反応は発熱反応であり、触媒24aに
よって促進される。これにより、改質ガスは酸化反応によって一酸化炭素濃度がさらに低
減されて(10ppm以下)導出され、燃料電池10の燃料極11に供給されるようにな
っている。
燃料電池10の燃料極11の導入口には改質ガス供給管71を介してCO浄化部24が
接続されるとともに、燃料極11の導出口にはオフガス供給管72を介してバーナ25が
接続されている。バイパス管73は燃料電池10をバイパスして改質ガス供給管71およ
びオフガス供給管72を直結するものである。改質ガス供給管71にはバイパス管73と
の分岐点と燃料電池10との間に第1改質ガスバルブ74が設けられている。オフガス供
給管72にはバイパス管73との合流点と燃料電池10との間にオフガスバルブ75が設
けられている。バイパス管73には第2改質ガスバルブ76が設けられている。
起動運転中には、改質装置20から一酸化炭素濃度の高い改質ガスを燃料電池10に供
給するのを回避するため、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を閉じ第2
改質ガスバルブ76を開き、定常運転(発電運転)中には、改質装置20からの改質ガス
を燃料電池10に供給するため、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を開
き第2改質ガスバルブ76を閉じている。
また、燃料電池10の空気極12の導入口には、カソード用空気供給管67が接続され
るとともに、空気極12の導出口には、排気管82が接続されている。空気極12に空気
が供給され、オフガスが排気されるようになっている。なお、カソード用空気供給管67
には上流から順にカソード用空気ポンプ68およびカソード用空気バルブ69が設けられ
ている。カソード用空気ポンプ68はカソード用空気を供給しその供給量を調整するもの
である。カソード用空気バルブ69はカソード用空気供給管67を開閉するものである。
燃焼部27は、改質ガスが少なくとも供給されその改質ガスを酸化剤ガスで燃焼するバ
ーナ25と、バーナ25で発生した燃焼ガスが改質部21および蒸発部28を加熱しなが
ら流通する燃焼ガス流路26とを備えている。
バーナ25は、改質部21の内周壁内に下端部が挿入されて空間をおいて配置されてい
る。バーナ25は、第1および第2噴出器25a,25bを備えている。第1噴出器25
aは、予混合燃焼方式に適した噴出器であり、熱量の大きい可燃ガス(本実施形態では、
燃焼用燃料(天然ガス))の燃焼に適合したものである。第2噴出器25bは、拡散燃焼
方式に適した噴出器であり、予混合燃焼より熱量の小さい可燃ガス(本実施形態では、改
質ガス、アノードオフガス)の燃焼に適したものである。
第1噴出器25aには、燃焼用空気供給管64が接続されている。燃焼用空気供給管6
4には、燃焼用空気ポンプ(酸化剤ガス送出手段)65、流量計64aおよび燃焼用空気
バルブ66が設けられている。燃焼用空気ポンプ65は大気から酸化剤ガスである燃焼用
空気を吸い込みバーナ25に吐出(送出)するものであり、制御装置30の指令に応じて
バーナ25に供給する燃焼用空気供給量を調整するものである。流量計64aは、燃焼用
空気供給管64を流通する燃焼用空気の単位時間当りの体積または質量を測定するための
ものであり、その検出結果は制御装置30に送出されるようになっている。流量計64a
は、燃焼用空気ポンプ65の吐出側に設けられているので、燃焼用空気ポンプ65から送
出された燃焼用空気の送出量を検出する送出量検出手段である。燃焼用空気バルブ66は
、制御装置30の指令に応じて燃焼用空気供給管64を開閉するものである。
第1噴出器25aで燃焼用燃料が燃焼される場合には、その燃焼用燃料に予め燃焼用空
気が混合されるようになっている。なお、燃焼用空気は大気から供給されるようになって
いる。
第2噴出器25bには、燃料極11の導出口に一端が接続されているオフガス供給管7
2の他端が接続されている。第2噴出器25bには、燃料電池10からのアノードオフガ
ス、または燃料電池10を通らないで供給されるCO浄化部24からの改質ガスが供給さ
れるようになっている。第2噴出器25bで改質ガスまたはアノードオフガスが燃焼され
る場合には、第1噴出器25aから供給された燃焼用空気で燃焼されるようになっている
燃料電池システム(改質装置20)の起動運転開始から改質開始条件が成立するまでの
間であって、バーナ25で燃焼が行われる場合には、予混合燃焼が行われる。具体的には
、改質用燃料バルブ43が閉じられ燃焼用燃料バルブ45が開かれ燃料ポンプ42が駆動
されて、燃焼用燃料がバーナ25の第1噴出器25aに供給され燃焼される。改質開始条
件は、水蒸気がCOシフト部23まで到達し、かつ、改質部21の温度が所定温度(本実
施形態では300℃)以上であることである。
改質開始条件が成立した以降で起動運転が終了するまでは、拡散燃焼が行われる。具体
的には、改質用燃料バルブ43が開かれ燃焼用燃料バルブ45が閉じられ燃料ポンプ42
が駆動されるとともに、第2改質ガスバルブ76が開かれ第1改質ガスバルブ74および
オフガスバルブ75が閉じられて、CO浄化部24からの改質ガスがバーナ25の第2噴
出器25bに供給され燃焼される。
燃料電池10の定常運転時には、拡散燃焼が行われる。具体的には、改質用燃料バルブ
43が開かれ燃焼用燃料バルブ45が閉じられ燃料ポンプ42が駆動されるとともに、第
2改質ガスバルブ76が閉じられ第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75が開
かれて、燃料電池10から排出されるアノードオフガス(燃料極11にて未使用な水素を
含んだ改質ガス)がバーナ25の第2噴出器25bに供給されて燃焼される。
このように構成された燃焼部27は着火されると、供給されている燃焼用燃料、改質ガ
スまたはアノードオフガスが燃焼用空気によって燃焼されて高温の燃焼ガスが発生する。
この燃焼ガスは、改質部21を加熱して水蒸気改質反応に必要な熱を供給するとともに蒸
発部28を加熱して水蒸気を発生させるためのものである。燃焼ガスは、燃焼ガス流路2
6を流通し、排気管81を通って燃焼排ガスとして排気される。これにより、燃焼ガスは
改質部21および蒸発部28をこの順番で加熱する。燃焼ガス流路26は、改質部21の
内周壁に沿って当接して配設され、折り返されて改質部21の外周壁と断熱部29との間
に当接して配設され、折り返されて断熱部29と蒸発部28の間に当接して配設された流
路である。
なお、燃焼部27には、燃焼部27の温度T1を検出する温度センサ25cが設けられ
ている。温度センサ25cの検出結果は制御装置30に送信されている。具体的には、温
度センサ25cは、バーナ25または燃焼ガス流路26に設けられている。バーナ25に
設ける場合、火炎が直接当らない部位に設けるのが好ましい。燃焼ガス流路26に設ける
場合、バーナにできる限り近い部位が好ましい。さらに、バーナ25は、点火用電極(イ
グナイタ)25dを備えている。点火用電極25dは制御装置30の指令によって火花が
飛ぶように制御されている。バーナ25は、制御装置30の指令に応じて点火用電極25
dにより着火されるものである。
蒸発部28は、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成して冷却部22を介して改
質部21に供給するものである。蒸発部28は、円筒状に形成されて燃焼ガス流路26(
最外側の燃焼ガス流路)の外周壁を覆って当接して設けられている。
この蒸発部28の下部(例えば側壁面下部、底面)には改質水タンク(図示省略)に接
続された給水管52が接続されている。蒸発部28の上部(例えば側壁面上部)には水蒸
気供給管51が接続されている。改質水タンクから導入された改質水は、蒸発部28内を
流通する途中にて燃焼ガスからの熱およびCO浄化部24からの熱によって加熱されて、
水蒸気となって水蒸気供給管51および冷却部22を介して改質部21へ導出するように
なっている。なお、給水管52には、上流から順番に改質水ポンプ53および改質水バル
ブ54が設けられている。改質水ポンプ53は、蒸発部28に改質水を供給するとともに
その改質水供給量を調整するものである。改質水バルブ54は給水管52を開閉するもの
である。
また、蒸発部28には、蒸発部28内の温度を検出する温度センサ28aが設けられて
いる。温度センサ28aは蒸発部28内の下流部(出口側)に設けることが望ましい。温
度センサ28aは蒸発部28の液体の水が存在する部分よりも出口側に設ける必要がある
。具体的には、温度センサ28aは蒸発部28内の水面より上部の部分に設けられている
。温度センサ28aは、蒸発部28内の水面より上部に設けられた蒸発部出口や蒸発部出
口に近い水蒸気供給管51に設けるようにしてもよい。温度センサ28aの検出結果は制
御装置30に送信されている。
また、燃料電池システムは制御装置30を備えており、この制御装置30には、上述し
た温度センサ21c,23c,24b,25c,28a、流量計41a,64a、各ポン
プ42,53,62,65,68、各バルブ43,45,54,63,66,69,74
,75,76、および点火用電極25dが接続されている(図2参照)。制御装置30は
マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介し
てそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも
図示省略)を備えている。CPUは、温度センサ21c,23c,24b,25c,28
aからの温度、流量計41a,64aからの流量などに基づいて、各ポンプ42,53,
62,65,68、各バルブ43,45,54,63,66,69,74,75,76、
および点火用電極25dを制御することにより、燃料電池システムの運転を制御している
。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前
記プログラムを記憶するものである。
次に、上述した燃料電池システムの作動の概要について一例を挙げて図3にて説明する
。制御装置30は、図示しない主電源が投入されると、ステップ100にてプログラムを
起動しプログラムをステップ102に進める。制御装置30は、ステップ102において
、システムの運転を開始するか否かを判定する。制御装置30は、図示しないスタートス
イッチが押されて運転が開始される場合や、運転計画にしたがって運転が開始される場合
には、システムの起動指示があったとして、ステップ102で「YES」と判定し、改質
装置20の暖機(起動シーケンス)を開始する(ステップ104)。そうでなければ、ス
テップ102で「NO」の判定を繰り返し実行する。
起動シーケンスは、燃料電池システム、改質装置20の運転を開始させて起動運転(暖
機運転)を行う起動制御である。起動運転(暖機運転)は、改質装置20を暖機する運転
、すなわち改質部21、COシフト部23およびCO浄化部24の各触媒21b,23b
,24aを活性温度域まで暖機する運転であり、改質装置20から導出される改質ガス中
の一酸化炭素濃度を所定濃度以下まで低減してその改質ガスを燃料電池10に供給可能(
発電運転)になるまで行う運転である。
起動シーケンスは、バーナ25の着火から改質装置20の暖機完了までの処理が行われ
るようになっている。この起動シーケンスは、i)燃焼用燃料によってバーナ25を着火
・燃焼し、ii)燃焼部27が所定温度(300℃)に達したら改質水を投入し、iii)蒸
発部28で水蒸気が生成開始したら改質用燃料を投入して燃焼用燃料によるバーナ25の
燃焼を改質ガスによる燃焼に切り替え、iv)COシフト部23以降を暖機する。
制御装置30は、起動指示があると、ステップ104において、起動シーケンスを開始
する。すなわち、制御装置30は、燃焼用空気バルブ66を開いて燃焼用空気ポンプ65
を駆動して、燃焼用空気をバーナ25に供給する。そして、制御装置30は、バーナ25
の点火用電極25dに通電する。さらに、制御装置30は、燃焼用燃料バルブ45を開い
て(改質用燃料バルブ43を閉じ)燃料ポンプ42を駆動して、燃焼用燃料をバーナ25
に供給する。これにより、バーナ25が着火する。その後、制御装置30は、上述した起
動シーケンスのii)以降の処理を実行する。
制御装置30は、バーナ25が着火すると、ステップ106において、蒸発部28で水
蒸気の発生の有無を検知(判定)する。制御装置30は、蒸発部28の温度を検出しその
温度(蒸発部温度T2)が所定温度T2−a(例えば100℃)より大きければ水蒸気が
発生したことを検知し、そうでなければ検知しない。水蒸気が生成前は、蒸発部温度T2
は所定温度T2−a以下であるため、水蒸気は発生していないので、制御装置30は、ス
テップ106で「YES」と判定し、起動シーケンスを継続する(ステップ108)。
制御装置30は、ステップ108において、燃焼部27の温度T3が所定温度(例えば
300℃)に達したら改質水の投入を開始する。このとき、制御装置30は、改質水バル
ブ54を開いて改質水ポンプ53を駆動させる。さらに制御装置30は、第2改質ガスバ
ルブ76も開いて改質装置20(CO浄化部24)をバーナ25と連通させひいては大気
に連通させる。これにより、蒸発部28から改質部21に水蒸気が供給され始めると、そ
の水蒸気は、冷却部22、COシフト部23、CO浄化部24を通って、バイパス管73
を経由してバーナ25に供給され、燃焼ガス流路26および排気管81を通って外部に排
出される。
制御装置30は、改質水の投入開始後、蒸発部28での水蒸気発生を検知するまで(ス
テップ106で「YES」の判定を繰り返し)、燃焼用燃料によるバーナ25の燃焼を継
続し(断続的に継続する場合もある。)、改質水の投入を継続して、起動シーケンスを継
続する(ステップ108)。なお、改質水の投入開始はステップ108でなくステップ1
04で行うようにしてもよい。ステップ108においては、燃焼用燃料によるバーナ25
の燃焼、および改質水の投入を継続する。
バーナ25が着火されると、その燃焼ガスは燃焼ガス流路26を通過中に改質部21、
蒸発部28およびCO浄化部24を加熱している。したがって、蒸発部温度T2も上昇す
る。起動シーケンス継続中において、蒸発部温度T2が所定温度T2−aより大きくなれ
ば、制御装置30は、水蒸気が発生したことを検知し、プログラムをステップ110に進
める。すなわち制御装置30は、改質水の投入開始後、蒸発部28での水蒸気発生を検知
すると(ステップ106で「NO」と判定し)、プログラムをステップ110に進める。
制御装置30は、ステップ110において、バーナ25での燃焼を停止するとともに燃
焼部27を燃焼用空気でパージする(燃焼用空気パージモード)。具体的には、制御装置
30は、燃料ポンプ42の駆動を停止し燃焼用燃料バルブ45を閉じてバーナ25への燃
焼用燃料の供給を停止するとともに、燃焼用空気バルブ66を開いたままに維持し燃焼用
空気ポンプ65の駆動を継続してバーナ25への燃焼用空気の供給を継続する。本実施形
態の場合、燃焼用空気の供給量はそれまでの供給量(供給量A−0)より多い値(供給量
はA−1である)に設定してある。供給量を多くすることで、燃焼部27を効率的にパー
ジするとともに改質部21の熱を蒸発部28に効率よく移動させることができる。なお、
このときの改質水の供給量は供給量W−1に維持されている。また、改質部21はバーナ
25を通って大気に連通している(開放されている)。
制御装置30は、水蒸気発生を検知した時点から所定時間ΔTM−aが経過するまで前
述した燃焼用空気パージモードを継続する(ステップ112で「NO」の判定を繰り返す
。)。所定時間ΔTM−aは、蒸発部28で生成された水蒸気の最初(先端)の部分が、
少なくともバーナ25を通過するまでの時間に相当する値に設定されている。これによれ
ば、水蒸気の発生検知時点から所定時間ΔTM−aだけ経過すれば、生成された水蒸気が
、燃料電池システムの運転停止中に改質装置20内に存在する気体(本実施形態において
は、停止運転で封入されもしくはパージに使用された改質用燃料を主成分とする気体)、
すなわち蒸発部28内からバイパス管73の第2改質ガスバルブ76までに残存(残留)
する改質用燃料を主成分とする気体を、バーナ25から燃焼ガス流路26に排出しひいて
は外部に排出する。
なお、制御装置30は、ステップ112において、燃焼用空気パージモードが開始され
た時点すなわち蒸発部28での水蒸気発生を検知した時点からの経過時間ΔTMが所定時
間ΔTM−a以上であるか否かを判定する。
制御装置30は、水蒸気発生を検知した時点から所定時間ΔTM−aが経過すると(ス
テップ112で「YES」と判定する。)、燃焼用空気パージモードを終了し起動シーケ
ンスを再開しバーナ25の再着火を開始する(ステップ114)。具体的には、制御装置
30は、改質水の供給(供給量W−1)を継続し燃焼用空気の供給量をA−1からA−0
に減少させ、所定時間ΔTM−aが経過した時点から改質用燃料の投入を開始するととも
に点火用電極25dへの通電を開始する。
改質用燃料の改質部21への投入が開始されると、改質部21では上述した改質反応に
より改質ガスの生成が開始され、生成された改質ガスはバイパス管76経由でバーナ25
に供給される。なお、改質用燃料の投入開始から改質ガスが燃焼空間25dに流入するま
でには、改質用燃料が改質部21に流入するのに必要な時間と、改質部21で生成された
改質ガスがバーナ25の燃焼空間25dに流入するのに必要な時間との合計時間が少なく
ともかかる。したがって、バーナ25で再着火するのは、改質用燃料の投入開始時点から
前述した合計時間だけ少なくとも経過した時点である。
このように、改質用燃料の投入によって改質ガスの生成と、その改質ガスによるバーナ
25の再着火による燃焼とによって改質装置20、すなわち改質部21、COシフト部2
3、CO浄化部24の暖機が行われる。
制御装置30は、起動シーケンスの完了(暖機運転の完了)を、COシフト部23、C
O浄化部24の各温度(いずれかの温度でもよい。)に基づいて判断する。制御装置30
は、COシフト部23、CO浄化部24の各温度(いずれかの温度でもよい。)が所定温
度以上となれば、改質ガス中の一酸化炭素濃度が所定の濃度以下となったとして、起動シ
ーケンスが完了したと判定する。
制御装置30は、起動シーケンスが完了したと判定すると(ステップ116で「YES
」と判定する)、発電運転を開始する(ステップ118)。具体的には、制御装置30は
、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を開き第2改質ガスバルブ76を閉
じてCO浄化部24を燃料電池10の燃料極11の導入口に接続するとともに燃料極11
の導出口をバーナ25に接続する。発電運転中には、制御装置30は、最大出力以下の範
囲でユーザー負荷に追従するように発電を行うようになっている。発電量はユーザー負荷
の電力と同じ電力である。
発電運転中の燃料電池システムにおいて、図示しないストップスイッチが押されて運転
が停止される場合や、運転計画にしたがって運転が停止される場合には、システムの停止
指示があったとして、制御装置30は、ステップ120で「YES」と判定し、停止運転
を行う(ステップ122)。制御装置30は、燃料ポンプ42の駆動を停止し改質用燃料
の供給を停止し、改質用燃料バルブ43を閉じる。制御装置30は、改質水ポンプ53の
駆動を停止し改質水の供給を停止し、改質水バルブ54を閉じる。制御装置30は、酸化
用空気ポンプ62の駆動を停止し酸化用空気の供給を停止し、酸化用空気バルブ63を閉
じる。制御装置30は、燃焼用空気パージにて改質部21等の温度を所定温度に冷却後に
燃焼用空気ポンプ65の駆動を停止し燃焼用空気の供給を停止し、燃焼用空気バルブ66
を閉じる。そして、制御装置30は、第1改質ガスバルブ74、オフガスバルブ75、第
2改質ガスバルブ76を閉じる。これにより、燃料電池10の発電が停止される。
その後、改質装置20が降温して内部が負圧になったところで、改質用燃料バルブ43
を開いて燃料ポンプ42を駆動して、改質用燃料を改質装置20に供給する。これにより
、改質装置20内は改質用燃料で封入される。また、この封入の代わりに改質装置20を
改質用燃料でパージするようにしてもよい。何れの場合も燃料電池システムの停止中にお
いて改質装置20内は改質用燃料で満たされるので触媒などを酸化雰囲気状態から保護す
ることができる。
さらに、発電中におけるバーナ25における燃焼制御について図4を参照して説明する
。図4は、その燃焼制御システムを示すブロック線図である。バーナ25における燃焼制
御は、制御装置30が実行する制御である。制御装置30は、燃料ガス流量目標値演算部
31、燃焼エア流量基準値演算部32、燃焼空間温度目標値演算部33、フィードバック
制御部34を備えている。
燃料ガス流量目標値演算部31は、燃料電池10の発電量に対する燃料ガス流量目標値
(天然ガス流量目標値)を演算するものである。燃料ガス流量目標値演算部31は、発電
量と燃料ガス流量との関係を示すマップを記憶している。このマップは、発電量が大きく
なるにしたがって燃料ガス流量(目標値)が大きくなるようになっている。燃料ガス流量
目標値演算部31は、発電量を入力し、その発電量とマップとからその発電量に対する燃
料ガス流量目標値を演算する。
燃焼エア流量基準値演算部32は、燃料ガス流量目標値に対する燃焼エア流量基準値を
演算するものである。燃焼エアは燃焼用空気のことである。燃焼エア流量基準値演算部3
2は、燃料ガス流量と燃焼エアとの関係を示すマップを記憶している。このマップは、燃
料ガス流量が大きくなるにしたがって燃焼エア(基準値)が大きくなるようになっている
。燃焼エア流量基準値演算部32は、燃料ガス流量目標値演算部31から燃料ガス流量目
標値を入力し、その燃料ガス流量目標値とマップとからその燃料ガス流量目標値に対する
燃焼エア流量基準値を演算する。
燃焼空間温度目標値演算部33は、燃料ガス流量目標値に対する燃焼空間温度目標値を
演算するものである。燃焼空間温度はバーナ25の燃焼温度T1のことである。燃焼空間
温度目標値演算部33は、燃料ガス流量と燃焼空間温度との関係を示すマップを記憶して
いる。このマップは、本実施形態では、燃料ガス流量が大きくなるにしたがって燃焼空間
温度が小さくなるようになっている。なお、このマップは、バーナ25の形式(形状)、
温度センサ25cの位置に応じて決定されるものである。燃焼空間温度目標値演算部33
は、燃料ガス流量目標値演算部31から燃料ガス流量目標値を入力し、その燃料ガス流量
目標値とマップとからその燃料ガス流量目標値に対する燃焼空間温度目標値(T1目標値
)を演算する。
フィードバック制御部34は、燃料電池システムのバーナ25の燃焼温度T1の計測値
と燃焼温度T1の目標値とに基づいて燃焼用空気ポンプ65のフィードバック制御を行う
ものである。フィードバック制御部34は、減算器34a、PI演算器34b、加算器3
4cを備えている。
減算器34aは、燃焼温度T1の目標値を燃焼空間温度目標値演算部33から入力する
とともに、燃焼温度T1の計測値を温度センサ25cから入力し、燃焼温度T1の目標値
から測定値を減算してそれら入力した両温度の偏差e(=T1目標値−T1測定値)を算
出する。
PI演算器34bは、フィードバック制御を行う制御器である。PI演算器34bは、
減算器34aで算出した偏差eを入力し、その偏差eに基づいて燃焼用空気ポンプ65の
回転数(ポンプの吐出量(流量))すなわちフィードバック量(操作量)を算出する。こ
の場合、燃焼用空気ポンプ65がPWM制御されていれば、操作量はPWM制御のデュー
ティ比(Duty)で算出される。
本実施の形態では、PI演算器34bは、偏差eに基づいて比例および積分演算を行う
PI演算器である。PI演算器34bは、出力値を燃焼用空気ポンプ65のフィードバッ
ク操作量Duty_Aとして算出する。
なお、PI演算器34bでは、PI制御(比例動作器および積分動作器の機能のみ作用
する。)を行うようにしたが、PID制御(比例動作器、積分動作器、微分動作器の機能
が作用する。)を行うような演算器に代えてもよく、またP制御(比例動作器の機能のみ
作用する。)を行うような演算器に代えてもよい。いずれもフィードバック操作量を算出
するものである。
加算器34cは、PI演算器34bから入力したフィードバック操作量Duty_Aと
、燃焼エア流量基準値演算部32から入力した燃焼エア流量基準値Duty_Bとを加算
するものである。この加算値(=Duty_A+Duty_B)が燃焼用空気ポンプ65
の操作量(総操作量)Dutyである。この総操作量Dutyが燃焼エア流量の目標値で
ある。
この燃焼エア流量目標値が、加算器34cから燃焼用空気ポンプ65のドライバ(図示
省略)に送信されて、燃焼用空気ポンプ65の流量(吐出量)が燃焼エア流量目標値とな
るように制御される。また、燃料ガス流量目標値が、燃料ガス流量目標値演算部31から
燃料ポンプ42のドライバ(図示省略)に送信されて、燃料ポンプ42の流量(吐出量)
が燃料ガス流量目標値となるように制御される。なお、燃料電池システムは、いわゆるプ
ラントであり、アクチュエータ(燃焼用空気ポンプ65、燃料ポンプ42)と制御対象(
バーナ)とを含んでなる。
この燃焼制御によれば、燃焼エア流量目標値は、燃焼エア流量基準値と燃焼エアフィー
ドバック量の和で決定される。燃焼温度T1が燃焼温度目標値となるように制御される。
したがって、外乱(例えば、燃焼ガスの流量計41aの誤差、環境温度変化、改質水蒸発
量の変化など)によって燃焼温度T1が上昇した場合、燃焼用空気を増大させ燃焼温度T
1を低下させ、燃焼温度T1が低下した場合は燃焼用空気を減少させ燃焼温度T1を上昇
させる。
前述した燃焼制御において、燃料ガス流量変化に対する燃焼用空気流量の特性を図5参
照して説明する。すなわち、上述の燃焼制御(フィードバック制御)を行っている場合、
燃焼ガス流量(天然ガス流量:NL/min(ノーマルリットル/分))の変動に対して
燃焼エア流量が変化する。NL/minは標準状態での流量(リットル/分)を示す。
例えば、図5に示したとおり燃焼ガス流量が、ANL/minから0.1NL/min
増加した場合、投入熱量増加による燃焼温度T1の上昇を抑制するため、燃焼エアのフィ
ードバック制御により燃焼エア流量がBNL/minから4NL/min増加する。同様
に燃焼ガス流量がANL/minから0.1NL/min減少した場合は、燃焼エア流量
がBNL/minから4NL/min減少する。燃焼ガス流量ANL/minに対して設
定される燃焼エア流量はBNL/minである。
燃焼ガス流量が増加した場合、すなわち図5にて燃料ガス流量がA+0.1NL/mi
n以上となった場合、発電出力が同じで投入燃料のみが増加するため発電効率が低下する
。燃焼ガス流量が減少した場合、すなわち図5にて燃料ガス流量がA−0.1NL/mi
n以下となった場合、発電出力が同じで投入燃料のみが減少するため発電効率が上昇する
が、水素を生成するための燃料が減少するため燃料電池10の水素利用率が上昇し、最悪
燃料電池10が発電継続できなくなる。また、水素利用率が上昇するためオフガスの熱量
が低下し燃焼温度T1を目標値に保持できなくなるため、燃焼エア流量を大きく減少させ
空燃比が低下し理論空燃比1に近づき排ガスエミッションが悪化する。なお、燃料ガス流
量がA−0.1NL/minからA+0.1NL/minまでの範囲である場合には、発
電効率は良好であり、排ガスエミッションも良好である。
次に、前述した燃料ガス流量変化に対する燃焼用空気流量の特性を利用する流量計41
aの誤差検知について説明する。この特性によれば、発電量が一定である場合において、
燃料ガスの実際の流量が増大すると、燃焼用空気流量が増大し、燃料ガスの実際の流量が
減少すると、燃焼用空気流量が減少する。この特性はリニアな関係にある。すなわち、流
量計41aに誤差が発生した場合であって、実流量より指示値(測定値)が低い(小さい
)場合には、燃焼用空気流量が増大し、逆に、実流量より指示値(測定値)が高い(大き
い)場合には、燃焼用空気流量が減少する。
発電量がわかれば、その発電量に相当する燃料ガス流量目標値が決まり、その燃料ガス
流量目標値に相当する燃焼用空気流量基準値が決まるので、発電量に対する燃焼用空気流
量基準値は一義的に決定される。したがって、燃焼用空気流量の測定値(流量計64aの
測定値)が所定範囲内であれば、燃料ガスの流量計41aは正常であり、所定範囲外であ
れば、流量計41aは異常である。本実施の形態では、燃焼用空気流量の測定値(流量計
64aの測定値)がB−4からB+4までの範囲内であれば、燃料ガスの流量計41aは
正常であり、B−4からB+4までの範囲外であれば、流量計41aは異常である。
なお、所定範囲の上限は、燃料電池10の発電効率に基づいて設定され、所定範囲の下
限は、排ガスエミッションに基づいて設定されている。
具体的には、制御装置30は、図6に示すフローチャートに沿ってプログラムを実行す
ることで燃料ガスの流量計41aの異常(誤差)を検知する。制御装置30は、図示しな
い主電源が投入されると、図6に示すステップ200にてプログラムを起動し、ステップ
202の処理を実行する。制御装置30は、ステップ202において、燃料電池10が発
電を開始したか否かを判定する。なお、燃料電池10が発電中であるか否かを判定するよ
うにしてもよい。
制御装置30は、発電中において、燃焼エア流量の偏差を判定する。すなわち、燃焼エ
アフィードバック量が所定値(閾値)γを超えたか否かを判定する(ステップ204)。
制御装置30は、燃焼エアフィードバック量が所定値(閾値)γ以下であれば、ステップ
204の判定処理を繰り返し実行する。制御装置30は、燃焼エアフィードバック量が所
定値(閾値)γを越えると、ステップ204で「YES」と判定し、燃料ガスの流量計4
1aに誤差(異常)が発生したと検知する(異常検知手段)。なお、所定値γは、燃焼エ
ア流量基準値に対する偏差であるので、本実施形態では図5に示すように、4NL/mi
nである。
本実施の形態では、燃焼エアフィードバック量が所定値(閾値)γを越えるとすぐに誤
差が発生したと検知するのではなく、その越えた状態が所定時間(タイマTM1のアップ
時間に相当する)継続した時に限り、誤差が発生したと検知するようにしている。チャタ
リングなどによる誤検知を抑制するためである。タイマTM1は、例えば30分に設定さ
れている。
具体的には、制御装置30は、ステップ206でタイマTM1のカウントアップをスタ
ートさせる。制御装置30は、タイマTM1のカウントアップ中に燃焼エアフィードバッ
ク量が閾値γ以下になった場合は、ステップ208で「YES」と判定し、タイマTM1
をキャンセルし(ステップ210)、プログラムをステップ204に戻す。
制御装置30は、タイマTM1がアップした場合は、ステップ212で「YES」と判
定し、流量計41aに誤差が発生していると判断し、その旨を警告する(ステップ214
)。これにより、流量計41aの交換、校正を使用者に促すことができる。警告は、音声
メッセージ、画面メッセージ、ランプの点滅、点灯で行えばよい。ステップ214の警告
とともに、または代えて、流量計41aを自動的に校正するようにしてもよい。
なお、ステップ204,208の判定処理においては、燃焼エアフィードバック量の絶
対値と所定値(閾値)γを比較するようにしてもよい。また、ステップ204の所定値(
閾値)γとステップ208の所定値(閾値)γを異なる値にしてもよい。
上述した実施形態から明らかなように、異常検知手段(30、ステップ204)が、燃
料電池10に投入された燃料ガス(改質用燃料)のオフガス(アノードオフガス)を酸化
剤ガス(燃焼用空気)で燃焼するバーナ25に供給される酸化剤ガスの流量の変動値に基
づいて燃料ガスの流量を導出する流量導出手段(流量計41a)が異常であると検知する
。これによれば、酸化剤ガスの流量値を利用することで、流量導出手段の異常を的確に検
知することができ、ひいては燃料電池の適正な発電効率を維持するとともに安定した発電
を維持することができる。
また、異常検知手段(30、ステップ204)は、バーナ25に供給される酸化剤ガス
流量(燃焼用空気流量)のフィードバック量が所定値γより大きい場合には、流量導出手
段(流量計41a)が異常であると検知する。これにより、酸化剤ガス流量がフィードバ
ック制御されている場合、酸化剤ガス流量のフィードバック量に基づいて流量導出手段の
異常検知を容易かつ的確に行うことができる。
また、酸化剤ガス流量(燃焼用空気流量)のフィードバック量は、バーナ25の燃焼温
度T1と燃焼温度T1の目標温度との温度偏差eに基づいて導出される。これにより、バ
ーナ燃焼温度T1を目標温度となるように酸化剤ガス流量がフィードバック制御されてい
る場合、酸化剤ガス流量のフィードバック量に基づいて流量導出手段(流量計41a)の
異常検知を容易かつ的確に行うことができる。
また、燃焼温度T1の目標温度は、燃料電池10に投入された燃料ガス流量の目標値に
応じて設定されている。これにより、燃料電池10に投入されるべき燃料ガス流量(発電
量に相当する)に応じて流量導出手段(流量計41a)の異常検知を的確に行うことがで
きる。
また、異常検知手段(30、ステップ204)は、酸化剤ガス流量(燃焼用空気流量)
のフィードバック量が所定値(γ)より大きい状態が所定時間(タイマTM1)継続した
場合に、流量導出手段(流量計41a)が異常であると検知する。これにより、流量導出
手段の異常を精度よく検知することができる。
また、制御装置30は、異常検知手段(30、ステップ204)が流量導出手段(流量
計41a)が異常であると検知した場合には、その旨を警告する警告手段(ステップ21
4)をさらに有する。これにより、使用者に流量導出手段の異常を確実に警告することが
できる。
なお、上述した実施形態では、流量導出手段を流量計41aで構成するようにしたが、
流量導出手段を流量を推定する流量推定手段で構成するようにしてもよい。例えば、ポン
プの回転数と流体圧力から流量を推定する方法、流路にオリフィスを設置しオリフィス前
後の差圧から流量を推定する方法などがある。
2)第2の実施形態
次に、本発明による燃焼装置を適用した燃料電池システムの第2の実施形態について説
明する。図7は固体酸化物型燃料電池を備えた燃料電池システムの概要を示す概要図であ
る。なお、上述した第1の実施形態と同様な構成部材については同一符号を付してその説
明を省略する。
この燃料電池システムは、燃料電池モジュール100を備えている。燃料電池モジュー
ル100は、ケーシング101、蒸発部128、改質部121および燃料電池110を備
えている。
ケーシング101は、断熱性材料で箱状に形成されている。ケーシング101内には、
蒸発部128、改質部121および燃料電池110が配設されている。このとき、蒸発部
128、改質部121が燃料電池110の上方に位置するように配設されている。
蒸発部128は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて
水蒸気を生成するとともに、供給された改質用燃料を予熱するものである。蒸発部128
は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用燃料を混合して改質部121に供給
するものである。改質用燃料としては天然ガス、LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガ
ソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説
明する。
この蒸発部128には、一端(下端)が水タンク(図示省略)に接続された給水管52
の他端が接続されている。給水管52には、改質水ポンプ53が設けられている。改質水
ポンプ53は、蒸発部128に改質水を供給するとともにその改質水供給量を調整するも
のである。
また、蒸発部128には、燃料供給源(図示省略)からの改質用燃料(燃料ガス)が改
質用燃料供給管41を介して供給されている。改質用燃料供給管41には、上流から順番
に一対の原料バルブ(図示省略)、燃料ポンプ42、流量計41aおよび脱硫器46が設
けられている。原料バルブは改質用燃料供給管41を開閉する電磁開閉弁である。燃料ポ
ンプ42は、燃料供給源からの燃料供給量を調整するものである。流量計41aは、燃料
ガスの流量を検出するものである。脱硫器46は改質用燃料中の硫黄分(例えば、硫黄化
合物)を除去するものである。
改質部121は、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給
されることで、蒸発部128から供給された混合ガス(改質用燃料、水蒸気)から改質ガ
スを生成して導出するものである。改質部121内には、触媒(例えば、RuまたはNi
系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸
化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反
応にて生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわ
ゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は
燃料電池110の燃料極111に導出されるようになっている。改質ガスは、水素、一酸
化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)を含んでいる。なお、水
蒸気改質反応は吸熱反応であり、一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
燃料電池110は、燃料極111、空気極112(酸化剤極)、および両極111,1
12の間に介装された電解質113からなり断面楕円の柱状に形成された複数のセル11
0aが並設されて構成されている。
セル110aは、図8に示すように、断面が扁平状で全体的に見て楕円柱状の導電性支
持基板114を備えている。導電性支持基板114の内部には、適当な間隔で複数の燃料
ガス通路114aが軸長方向に貫通して形成されている。導電性支持基板114は、燃料
ガス通路114aを流れる燃料ガスを燃料極111まで透過させるためにガス透過性であ
ること、及びインターコネクタ115を介しての集電を行うために導電性であることが要
求される。この要求を満たすために、導電性支持基板114は、金属(例えば鉄族金属成
分)と希土類酸化物とからなる複合体で形成されている。
導電性支持基板114は、互いに対向する2つの平坦部と、両平坦部の両端の弧状部と
からなっている。一方の平坦部と両側の弧状部を覆うように燃料極111が層状に形成さ
れている。さらに、この燃料極111を覆うように、電解質113が積層されており、こ
の電解質113の上には、燃料極111と対向するように、空気極112が積層されてい
る。また、燃料極111及び電解質113が積層されていない他方の平坦部には、インタ
ーコネクタ115が形成されている。燃料極111及び電解質113は、インターコネク
タ115の両サイドにまで延びており、導電性支持基板114の表面が外部に露出しない
ように構成されている。
燃料極111は、多孔質の導電性セラミックス(例えば、ニッケル含有安定化ジルコニ
ア)で形成されている。空気極112は、多孔質の導電性セラミックス(例えば、ABO
3型ペロブスカイト酸化物)で形成されている。電解質113は、ガス不透過性と絶縁性
を有するセラミックス(例えば、希土類元素を固溶したジルコニア)で形成されている。
インターコネクタ115は、ガス透過性と導電性を有するセラミックス(例えば、ペロブ
スカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物))で形成されている。
隣り合う2つのセル110aは、空間を隔てて設けられ、セル接続体110bにより電
気的に接続されている。この空間は上下に貫通しており、カソード用空気(酸化剤ガス)
流路110cとして使用されている。セル接続体110bは、金属材で形成されている。
セル接続体110bは、セル110aの空気極112とセル110aのインターコネクタ
115とを接続するものである。
燃料電池110は、アノードマニホールド117上に設けられている。アノードマニホ
ールド117には、改質部121からの改質ガスが改質ガス供給管71を介して供給され
るようになっている。セル110aの各燃料ガス通路114aは、その下端(一端)がア
ノードマニホールド117の燃料導出口に接続されており、その燃料導出口から導出され
た改質ガスが下端から導入され上端から導出(噴出)されるようになっている。
また、燃料電池110の側部には、カソード用空気導入部116が設けられている。カ
ソード用空気導入部116には、カソード用空気供給管67が接続されており、カソード
用空気が供給されるようになっている。カソード用空気導入部116に供給されたカソー
ド用空気はカソード用空気流路110cの下端から導入され上端から導出(噴出)される
ようになっている。
なお、燃料電池110と蒸発部128(または改質部121)との間(燃焼空間)には
、セル110aから噴出されるアノードオフガスをカソード用空気流路110cから噴出
されるカソードオフガスで着火させるための着火手段125d(着火用ヒータ)が配設さ
れている。この着火手段125dは点火用電極25dと同様に制御装置30の指示によっ
てオン・オフされる。
これにより、セル110aから噴出されるアノードオフガスをカソード用空気流路11
0cから噴出されるカソードオフガスで燃焼させることができる。すなわち、燃料電池1
10をバーナ125として機能させることができる。
また、燃焼空間には、その空間の燃焼温度を検出する温度センサ125cが設けられて
いる。温度センサ125cは、温度センサ25eと同様に燃焼空間の温度を検出するもの
であり、検出結果は制御装置30に送出されるようになっている。
また、カソード用空気供給管67には、上述した流量計64aと同様な流量計67aが
設けられている。流量計67aは、カソード用空気供給管67を流通する燃焼用空気の単
位時間当りの体積または質量を測定するためのものであり、その検出結果は制御装置30
に送出されるようになっている。流量計67aは、カソード用空気ポンプ68の吐出側に
設けられているので、カソード用空気ポンプ68から送出されたカソード用空気の送出量
を検出する送出量検出手段である。なお、カソード用空気ポンプ68から送出されたカソ
ード用空気の送出量は、発電量を考慮して決定される。バーナ125に供給される酸化剤
ガスがカソードオフガスであるからである。
燃料電池110においては、燃料極111に供給された燃料と空気極112に供給され
た酸化剤ガスによって発電が行われる。すなわち、燃料極111では、下記化1および化
2に示す反応が生じ、空気極112では、下記化3に示す反応が生じている。すなわち、
空気極112で生成した酸化物イオン(O2-)が電解質113を透過し、燃料極111で
水素と反応することにより電気エネルギーを発生させている。したがって、燃料ガス通路
114aおよびカソード用空気流路110bからは、発電に使用されなかった改質ガスお
よび酸化剤ガス(空気:カソードオフガス)が導出する。
(化1)
2+O2-→H2O+2e-
(化2)
CO+O2-→CO2+2e-
(化3)
1/2O2+2e-→O2-
そして、燃料ガス通路114aから導出した、発電に使用されなかった改質ガスは、カ
ソード用空気流路110bから導出した、発電に使用されなかった酸化剤ガス(空気)で
、燃料電池110と蒸発部128(改質部121)の間の燃焼空間にて燃焼され、その燃
焼ガスによって蒸発部128および改質部121が加熱される。さらには、燃料電池モジ
ュール100内を動作温度に加熱している。その後、燃焼ガスは、燃料電池110とケー
シング101の間の空間(この空間が燃焼ガス流路126である。)を通り、排気管81
を通って燃料電池モジュール100の外に排気される。
このように構成した固体酸化物型燃料電池を備えた燃料電池システムのバーナ125の
燃焼作動においても、上述した高分子電解質型燃料電池を備えた燃料電池システムのバー
ナ25の燃焼と同様な制御が行われるので、同様な作用・効果を得ることができる。なお
、燃焼エアは、燃焼用空気に代えてカソード用空気になる。
また、バーナ125は、燃料電池110の燃料極111から直接導出されるアノードオ
フガスを、燃料電池111の酸化剤極112から直接導出されるカソードオフガス(燃焼
用酸化剤ガスとして利用する)で燃焼するように構成される。これにより、いわゆる固体
酸化物型燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、そのシステムに適合し、流量計4
1aの誤差(異常)を適切に検知することができる。
10,110…燃料電池、11,111…燃料極、12,112…空気極、20…改質
装置、21,121…改質部、22…冷却部(熱交換部)、23…一酸化炭素シフト反応
部(COシフト部)、24…一酸化炭素浄化部(CO浄化部)、25,125…バーナ、
25a…第1噴出器、25b…第2噴出器、25c,125c…温度センサ、25d,1
25d…点火用電極、26,126…燃焼ガス流路、27…燃焼部、28,128…蒸発
部、29…断熱部、30…制御装置、41…燃料供給管、41a…流量計(流量導出手段
)、42…燃料ポンプ、43…改質用燃料バルブ、44…燃焼用燃料供給管、45…燃焼
用燃料バルブ、46…脱硫器、51…水蒸気供給管、52…給水管、53…改質水ポンプ
、54…改質水バルブ、61…酸化用空気供給管、62…酸化用空気ポンプ、63…酸化
用空気バルブ、64…燃焼用空気供給管、64a…流量計、65…燃焼用空気ポンプ、6
6…燃焼用空気バルブ、67…カソード用空気供給管、68…カソード用空気ポンプ、6
9…カソード用空気バルブ、71…改質ガス供給管、72…オフガス供給管、73…バイ
パス管、74…第1改質ガスバルブ、75…オフガスバルブ、76…第2改質ガスバルブ
、81,82…排気管、89…接続管。100…燃料電池モジュール、101…ケーシン
グ、110a…セル、110b…セル接続体、110c…カソード用空気流路、114…
導電性支持基板、114a…燃料ガス通路、115…インターコネクタ、116…カソー
ド用空気導入部、117…アノードマニホールド。

Claims (6)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に投入された燃料ガスのオフガスを酸化剤ガスで燃焼するバーナと、を備
    えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池システムの運転を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記バーナに供給される酸化剤ガスの流量の変動値に基づいて前記燃
    料ガスの流量を導出する流量導出手段が異常であると検知する異常検知手段を有すること
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記異常検知手段は、前記バーナに供給される前記酸化剤ガス流量
    のフィードバック量が所定値より大きい場合には、前記流量導出手段が異常であると検知
    することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項2において、前記酸化剤ガス流量のフィードバック量は、前記バーナの燃焼温度
    と前記燃焼温度の目標温度との温度偏差に基づいて導出されることを特徴とする燃料電池
    システム。
  4. 請求項3において、前記燃焼温度の目標温度は、前記燃料電池に投入された燃料ガス流
    量の目標値に応じて設定されていることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか一項において、前記異常検知手段は、前記酸化剤ガス流
    量のフィードバック量が所定値より大きい状態が所定時間継続した場合に、前記流量導出
    手段が異常であると検知することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項において、前記制御装置は、前記異常検知手段が前
    記流量導出手段が異常であると検知した場合には、その旨を警告する警告手段をさらに有
    することを特徴とする燃料電池システム。
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