JP2010253775A - 成形装置及び成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形装置から樹脂成形型を取り外すことなく、樹脂成形型の型面で離型層が摩耗・はく離した状態を、一定の膜厚を有する離型層が形成された状態にする。
【解決手段】下型1及び上型2の外側には下型1と上型2との間に進退自在にプラズマトーチ21が設けられ、高周波電源22と、Arガス源24に続くバブラーボトル23とが接続されている。下型1と上型2とを型締めし、キャビティ8に樹脂を注入し硬化させて成形品18を形成後、下型1と上型2とを型開きし、プラズマトーチ21を進入させる。バブラーボトル23内の水溶液をバブリングし、大気圧雰囲気下において、プラズマトーチ21から型面20にプラズマジェット25を吹き出しながらプラズマトーチ21を移動させることで、処理前の型面SBで離型層26が摩耗・はく離していた状態を処理後の型面SAでは均一の膜厚を有する離型層27が形成された状態にする。
【選択図】図2

Description

本発明は、良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有する機能層が設けられた成形型を備えた成形装置と、該成形装置を使用する成形方法とに関するものである。
従来、成形品との間における優れた離型性を有する成形型(プラスチック成形型、合成樹脂成形用型)として、フッ素含有化合物からなる離型層が型面に形成された次の成形型が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。第1の成形型は、フッ素系樹脂が金型のキャビティ表面に形成されている構成を有する。そして、フッ素系樹脂を型面に形成する方法には、スプレー法、ハケ塗り法、ディップ法及びスピンコート法が挙げられている。更に、最も均一な離型層を形成する方法としてスピンコート法が挙げられている(特許文献1の段落[0029]参照)。第2の成形型は、型面にスパッタリング法による弗化バリウム薄膜が形成されている構成を有する(特許文献2の特許請求の範囲参照)。
特開平4−353406号公報(第4頁、図1) 特開平1−166914号公報(第1頁)
しかしながら、上述した従来の技術によりフッ素系樹脂を型面に形成する方法には、次のような問題があった。まず、スプレー法、ハケ塗り法、及びディップ法を使用する場合には、成形型に設けられた微小な凹部にフッ素系樹脂が均一に塗布されないおそれがある。さらにこの方法では、作業者の個人差によってフッ素系樹脂が均一に塗布されないおそれもある。また、型面にフッ素系樹脂を塗布する工程を別途必要とするという問題も生じる。一方、ディップ法、スピンコート法、及びスパッタリング法を使用する場合には、樹脂成形装置から成形型を取り外す必要が生じるため、作業が煩雑になる。また、フッ素系樹脂を型面に形成する場合には、形成された膜の耐久性が低い(寿命が短い)という問題もある。
そこで、これらの問題を解決すべく、フィルムを型面に密着させる方式が行われている。このフィルムは、成形品が有する硬化樹脂に対する低密着性を有する材料から構成されており、離型フィルム(リリースフィルム)と呼ばれる。この方式によれば、成形品は型面から容易に離型される。しかし、この方式には、離型フィルムの材料コストが必要になること、離型フィルムは使い捨てなので環境に悪影響を与えること、及び、離型フィルムの供給・巻取機構が必要になって樹脂封止装置の構成が複雑になり装置コストが増大すること等の問題がある。また、離型フィルムを使用することによって、成形型の形状が成形品に転写される際の転写性が低下するという問題もある。
また、上述した従来の技術により、離型層をフッ素含有化合物にて形成する場合、次のような問題があった。フッ素含有化合物は耐熱性・耐薬品性・難燃性・撥水撥油性等優れた機能を発揮する一方で、中には自然界に放出された場合、人体や環境に悪影響を及ぼすとの懸念が持たれている物質が存在する。例えば、炭化水素にフッ素が結合した化合物は非常に安定な物質で、半導体の洗浄用等にも使用されてきたが、地上で放出された後、成層圏まで達し、オゾン層を破壊する原因となっている。さらに、フッ素の気体は有毒で、他の元素と反応を起こしやすい等、取り扱いが難しいという問題点を有している。
本発明は、人体や環境に悪影響を及ぼすことなく、良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有する機能層が設けられた成形型を備えた成形装置と、該成形装置を使用する成形方法を提供することを目的とするものである。
以下、「課題を解決するための手段」と「発明の効果」と「発明を実施するための最良の形態」との説明におけるかっこ内の符号は、説明における用語と図面に示された構成要素とを対比しやすくする目的で記載されたものである。また、これらの符号は、「図面に示された構成要素に限定して、説明における用語の意義を解釈すること」を意味するものではない。
上述の課題を解決するために、本発明に係る成形装置は、耐久性を有する素材からなる母材(BM)と、母材(BM)に設けられ成形品(18)に転写されるべき形状とを有する成形型(3)を備えた成形装置であって、成形型(3)の型面(20)に形成された機能層(27)を備えるとともに、機能層(27)は大気圧雰囲気下におけるプラズマ処理によって形成された有機シリコン含有層からなり、機能層(27)は良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、成形品(18)に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする。
また、本発明に係る成形装置は、上述の成形装置において、形状は流動性樹脂(16)が充填されるべき空間からなるキャビティ(8)の形状又はプレスされることによって成形品(18)に転写されるべき形状であることを特徴とする。
また、本発明に係る成形装置は、上述の成形装置において、型面(20)に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理機構(21)を備え、成形型(3)が型開きした状態において、プラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向して位置するように成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とが相対的に移動することを特徴とする。
また、本発明に係る成形装置は、上述の成形装置において、型面(20)を活性化する活性化機構(33)を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る成形方法は、耐久性を有する素材からなる母材(BM)と、母材(BM)に設けられ成形品(18)に転写されるべき形状とを有する成形型(3)を使用する成形方法であって、形状を構成するキャビティ(8)を流動性樹脂(16)によって充填された状態にする工程と、成形型(3)を型締めする工程と、流動性樹脂(16)を硬化させて硬化樹脂(17)を形成する工程と、成形型(3)を型開きする工程と、硬化樹脂(17)を有する成形品(18)を取り出す工程と、プラズマ処理機構(21)が成形型(3)の型面(20)に対向して位置するように成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程と、プラズマ処理機構(21)を使用してプラズマ(25)を発生させる工程と、プラズマ(25)を使用して型面(20)に対するプラズマ処理を行うことによって型面(20)に機能層(27)を形成する工程と、プラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向して位置しなくなるように成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程とを備えるとともに、プラズマ(25)を発生させる工程では大気圧雰囲気下においてプラズマ(25)を発生させ、機能層(27)は有機シリコン含有層からなり良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、成形品(18)に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする。
また、本発明に係る成形方法は、耐久性を有する素材からなる母材(BM)と、母材(BM)に設けられ成形品に転写されるべき形状とを有する成形型(3)を使用する成形方法であって、成形型(3)を型締めすることによって形状を成形品に転写する工程と、成形型(3)を型開きする工程と、成形品を取り出す工程と、プラズマ処理機構(21)が成形型(3)の型面(20)に対向して位置するように成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程と、プラズマ処理機構(21)を使用してプラズマ(25)を発生させる工程と、プラズマ(25)を使用して型面(20)に対するプラズマ処理を行うことによって型面(20)に機能層(27)を形成する工程と、プラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向して位置しなくなるように成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程とを備えるとともに、プラズマ(25)を発生させる工程では大気圧雰囲気下においてプラズマ(25)を発生させ、機能層(27)は有機シリコン含有層からなり良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする。
また、本発明に係る成形方法は、上述の成形装置において、機能層(27)を形成する工程ではプラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向する状態で成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させることを特徴とする。
また、本発明に係る成形方法は、上述の成形装置において、機能層(27)を形成する工程の前に型面(20)を活性化する工程を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る成形方法は、上述の成形装置において、成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程と、プラズマ(25)を発生させる工程と、機能層(27)を形成する工程とを少なくとも有する工程群を、成形品(18)に形状を転写する回数、又は型面(20)における付着物の付着状況に応じて実行することを特徴とする。
本発明によれば、成形型(3)の型面(20)に形成された機能層(27)は、大気圧雰囲気下におけるプラズマ処理によって形成された有機シリコン含有膜から構成される。これにより、第1に、有機シリコン含有膜からなる機能層(27)が良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、前記成形品(18)に対する低密着性のうち少なくとも1つを有するので、その成形品(18)と型面(20)との間の離型性が向上する。言い換えれば、型面(20)に機能層(27)からなる離型層(27)が形成される。第2に、大気圧雰囲気下におけるプラズマ処理によって機能層(27)が形成されるので、成形装置から成形型(3)を取り外すことなく型面(20)に離型層(27)が形成される。言い換えれば、大気圧雰囲気下におけるプラズマ処理によって、成形装置に成形型(3)を取り付けたままで型面(20)に離型層(27)を形成することができる。第3に、離型フィルムを使用することなく、成形品(18)と型面(20)との間の離型性が向上する。第4に、離型フィルムを使用しないことによって成形型(3)の形状が成形品(18)に直接転写されるので、特に成形型(3)の形状が微細である場合において成形品(18)の寸法精度が向上する。第5に、有機シリコン含有膜からなる機能層(27)が良撥水性を有する場合には、成形型(3)における防汚性が向上する。
また、本発明によれば、成形型(3)が型開きした状態において、プラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向して位置することができ、更に型面(20)に対向する状態で成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とが相対的に移動することができる。これらのことによって、成形型(3)の外側にプラズマ処理機構(21)を設け、そのプラズマ処理機構(21)と成形型(3)とを相対的に移動させてプラズマ処理を行うことができる。更に、プラズマ処理機構(21)が型面(20)に対向するようにしてプラズマ処理機構(21)と成形型(3)とを相対的に移動させて、型面(20)における必要な領域にプラズマ処理を行うことができる。
また、本発明によれば、型面(20)を活性化する活性化機構(33)を備え、型面(20)に機能層(27)を形成する工程の前に型面(20)を活性化する工程を備える。これにより、活性化された型面(20)に対してプラズマ処理を行うことができる。したがって、活性化された型面(20)の上に有機シリコン含有膜からなる機能層(27)をいっそう高密着にかつ均一な厚さに形成することができる。
また、本発明によれば、成形型(3)とプラズマ処理機構(21)とを相対的に移動させる工程と、プラズマ(25)を発生させる工程と、機能層(27)を形成する工程とを少なくとも有する工程群を、成形品(18)に形状を転写する回数、又は型面(20)における付着物の付着状況に応じて実行する。これにより、必要に応じた頻度又はタイミングによってプラズマ処理を行うことができるので、成形における効率が向上する。
下型(1)及び上型(2)の外側には下型(1)と上型(2)との間に進退自在にプラズマトーチ(21)が設けられ、プラズマトーチ(21)にはバブラーボトル(23)と高周波電源(22)とが接続されている。バブラーボトルの先にはアルゴンガス源(24)が接続されている。下型(1)と上型(2)とを型締めし、キャビティ(8)に流動性樹脂(16)を注入し硬化させて成形品(18)を形成し、下型(1)と上型(2)とを型開きし、下型(1)と上型(2)との間にプラズマトーチ(21)を進入させる。ガス源(24)からアルゴンガスがバブラーボトル(23)に供給され、バブラーボトル23内の水溶液をバブリングする。大気圧雰囲気下において、プラズマトーチ(21)から処理前の型面(SB)にプラズマジェット(25)を吹き出しながらプラズマトーチ(21)を移動させる。これにより、処理前の型面(SB)では離型層(26)が摩耗・はく離していた状態を、処理後の型面(SA)ではほぼ均一の膜厚を有する離型層(27)が形成された状態にすることができる。
本発明に係る成形装置の実施例1について、図1と図2とを参照して説明する。図1(1)〜(3)は、チップ状の電子部品を樹脂封止する際において型締めする工程と、流動性樹脂を充填する工程と、流動性樹脂を硬化させた後に型開きする工程とを、それぞれ示す断面図である。図2(1)は型開きされた状態で型面をプラズマ処理する工程を示し、図2(2)はプラズマ処理後の型面A部とプラズマ処理前の型面B部とを示す拡大断面図である。なお、以下の説明において使用するいずれの図についても、わかりやすくするために適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。また、各図においては、既出の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
図1に示された成形装置は、トランスファー成形によってLEDチップ(後述)を樹脂封止し、樹脂封止して形成された成形品からLEDパッケージを製造する際に使用される樹脂成形装置である。図1の成形装置は下型1と上型2とを有し、下型1と上型2とにはヒータ(図示なし)が設けられている。また、下型1と上型2とは併せて樹脂成形型3を構成する。下型1には円筒状の空間であるポット4が設けられ、ポット4には円柱状のプランジャ5が昇降自在に嵌装されている。ポット4におけるプランジャ5の上には、円柱状の固形樹脂材料であって熱硬化性樹脂からなる樹脂タブレット(図示なし)が配置される。
上型2においては、ポット4に対向する位置に下向きの皿状の空間であるカル6が設けられている。カル6には、樹脂タブレットが溶融して形成された流動性樹脂が流動する空間である樹脂流路7がつながっている。そして、樹脂流路7には、流動性樹脂が注入される空間であるキャビティ8がつながっている。キャビティ8には、LEDチップ(後述)にそれぞれ対応する複数の凹部9が形成されている。
また、下型1には基板用凹部10が設けられ、基板用凹部10にはプリント基板やセラミックス基板等からなる基板11が配置される。基板11は境界線12によって格子状の複数の領域13に分けられている。そして、複数の領域13のそれぞれには、LEDチップからなるチップ状の電子部品14が装着されている。電子部品14と基板11とがそれぞれ有する電極同士は、ワイヤ15によって電気的に接続されている。
図1に示された成形装置が成形品を形成する動作について、図1(1)〜(3)を参照して説明する。図1(1)〜(2)に示すように、下型1と上型2とが型締めした状態で、樹脂タブレット(図示なし)が加熱されることによって溶融して形成された流動性樹脂16を、プランジャ5によって押圧する。これにより、図1(1)に示されたカル6と樹脂流路7とを順次経由して、キャビティ8に流動性樹脂16を注入する。
図1(3)に示すように、熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂16を引き続き加熱することによって硬化させて、硬化樹脂17を形成する。ここまでの樹脂成形工程(樹脂封止工程)によって、基板11と電子部品14と硬化樹脂17とを含む成形品18が完成する。そして、下型1と上型2とを相対的に移動させて(例えば、上型2を上昇させて)、下型1と上型2とを型開きする。ここで、下型1と上型2との相対的な移動は、下型1と上型2との少なくとも一方の型面が回転軸を中心にして他方の型面に接近するような態様であってもよい。
完成された成形品18には、上型2の凹部9に対応して、各領域13における電子部品14に位置合わせされてレンズ部19が形成されている。なお、樹脂封止工程の次の工程において、成形品18を境界線12において切断(分断)して個片化することにより、LEDパッケージが完成する。
ここで、流動性樹脂16が接触する面である上型2の型面20には、本実施例に係るプラズマ処理機構(後述)によって、有機シリコン皮膜からなる機能層、すなわち離型層(図2(2)の離型層27を参照)が予め形成されている。そして、樹脂成形工程を繰り返して成形品18を製造していくと、型面20に形成された離型層は摩耗したりはく離したりして失われていく。離型層が摩耗・はく離すると、型面20においては、硬化樹脂17に含まれる成分からなる付着物(樹脂かす;図示なし)が堆積する。この付着物は型面における汚れとなって、硬化樹脂17と型面20との間における離型性を低下させる。付着物は、離型層が形成されていない型面20に対しても堆積して悪影響を及ぼす。
以下、本実施例に係る樹脂封止装置が有する構成のうち離型層を形成するための構成について、図2を参照して説明する。図2(1)に示されているように、下型1と上型2とが型開きした状態で下型1と上型2との間に進入できるようにして、プラズマ処理機構であるプラズマトーチ(プラズマヘッドともいう)21が設けられている。プラズマトーチ21は、下型1と上型2とが型締めした状態では、下型1と上型2との外側の初期位置まで後退して退避している。
プラズマトーチ21には、高周波電源22が電気的に接続されている。また、プラズマトーチ21には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)又はテトラエトキシシラン(TEOS)等の溶液が注入されているバブラーボトル23が、配管によって接続されている。バブラーボトル23の先にはガス源24が接続されている。ガス源24には、不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスが貯留されている。ガス源24に貯留するガスにはアルゴンガスの他、窒素ガス又は酸素ガスもしくはこれらの混合ガス等を用いてもよい。プラズマトーチ21は、駆動機構(図示なし)によって図のX方向とY方向とZ方向とにそれぞれ移動できるようにして構成されている。そして、制御部(図示なし)からの指示によって、ガス源24からアルゴンガスがバブラーボトル23に供給され、バブリングによりバブラーボトル23内の水溶液が気化する。これにより、シリコンを含むガスが生成され、プラズマトーチ21より、平面視して円形でありスポット状のプラズマジェット25が噴射される。なお、ガス源24からプラズマトーチ21までの間には、流量計、弁、ガス混合器等のプラズマ生成に必要な機器類(いずれも図示なし)が設けられている。
以下、図2(1)に示されたプラズマ処理機構の動作を説明する。まず、下型1と上型2とが型開きした後に、プラズマトーチ21は、初期位置から図の右方向に移動してキャビティ8の左端の下方に位置する。次に、プラズマトーチ21と型面20との距離が最適になるように、Z方向における位置合わせを行う。次に、プラズマトーチ21に高周波電圧と、バブリングにより生成されたシリコンを含むガスとを供給しながら、プラズマトーチ21を図の右方向に移動させる。これにより、プラズマトーチ21は、キャビティ8における処理前の型面SBにプラズマジェット25を吹き付けながら図の右方向に移動する。したがって、大気圧雰囲気下において処理前の型面SBがプラズマ処理されて、処理後の型面SAにおいては有機物シリコン層が形成される。なお、キャビティ8における型面20にとどまらず、樹脂流路7とカル6とにおける型面20に対してもプラズマジェット25を吹き付けることができる。
ここで、図2(2)を参照してプラズマ処理を説明する。図2(2)に示されているように、上型2は、耐久性を有する素材、例えば、工具鋼等の鋼系材料からなる母材(base material)BMと、その上に形成された機能層である離型層26、27とを有する。
まず、プラズマ処理前においては、図2(2)の「B部拡大」に示されているように、上型2の処理前の型面SBにおいて摩耗した離型層26が存在する状態になっている。あるいは、上型2の型面において処理前の型面SBが露出した状態になっている。
次に、プラズマトーチ21を使用して型面20に対するプラズマ処理を行う。これにより、図2(2)の「A部拡大」に示されているように、処理後の型面SAにおいて、有機シリコン含有層からなりほぼ均一の膜厚を有する離型層27が形成される。この離型層27は、分子層程度の膜厚で極薄の膜厚を有している。
ここで、有機シリコン含有層とは、シリコーンを含む層であってメチル基等の官能基が結合している層をいう。また、シリコーンとは有機ケイ素化合物の重合体の総称をいう。そして、プラズマ処理によって形成された有機シリコン含有層の表面は小さい表面自由エネルギーを有するので、有機シリコン含有層からなる離型層27は、樹脂成形型3において硬化する硬化樹脂17に対する低密着性を有する。このことにより、離型層27が形成された処理後の型面SAと硬化樹脂17との間の離型性が向上する。また、離型層27における汚れ等の付着が抑制される。このことは、型面20が防汚性を有することを意味する。
以上説明したように、本実施例によれば、離型性が低下した型面20(処理前の型面SB)に対してプラズマ処理を行うことによって、処理後の型面SAにおいてほぼ均一の膜厚を有する離型層27を形成することができる。したがって、プラズマ処理を行うことによって、成形品18と処理後の型面SAとの間の離型性を良好にすることができる。言い換えれば、プラズマ処理を行うことによって、成形品18と型面20との間の離型性を離型層27を形成した当初の離型性に回復させることができる。また、離型層27における汚れ等の付着が抑制されるので、成形品18の寸法精度と外観品位とが向上する。更に、離型フィルムを使用しないことによって樹脂成形型3の形状が成形品18に直接転写されるので、特に樹脂成形型3の形状が微細である場合において成形品18の寸法精度が向上する。
なお、本実施例の説明においては、下型1に成形品18が残されている状態で、上型2の型面20に対してプラズマ処理を行う例を説明した。これに限らず、下型1から成形品18を搬出した後に、上型2の型面20に対してプラズマ処理を行ってもよい。また、下型1から成形品18を搬出しながら、上型2の型面20に対してプラズマ処理を行うこともできる。
また、下型1から成形品18を搬出した後に、下型1の型面に対してプラズマ処理を行うこともできる。これにより、下型1の型面と成形品18の基板11との間の密着性を低減させること、及び、それらの間における静電気の発生を抑制することができる。また、下型1の型面における汚れ等の付着を抑制することができる。更に、下型1と上型2との双方の型面に対してプラズマ処理を行うこともできる。
本発明に係る成形装置の実施例2について、図3と図4とを参照して説明する。図3(1)〜(2)は、チップ状の電子部品を樹脂封止する際においてキャビティに流動性樹脂を充填する工程と、流動性樹脂を硬化させた後に型開きして型面の状態を評価する工程とを、それぞれ示す断面図である。図4(1)は型開きされた状態で型面を活性化処理及びプラズマ処理する工程を示し、図4(2)はプラズマ処理後の型面A部とプラズマ処理前の型面B部とを示す拡大断面図である。
図3(1)に示されているように、本実施例に係る成形装置においては圧縮成形が採用され、下型1にキャビティ8が設けられている。また、吸着、粘着、クランプ等の周知の方式によって、上型2の型面に基板11が固定される。この固定に関する構成要素については、図示を省略している。
本実施例に係る成形装置は、次のようにして動作する。まず、キャビティ8に流動性樹脂16を充填する。ここで、キャビティ8に流動性樹脂16を充填するには、キャビティ8に粉状、粒状、塊状、シート状等の固形樹脂材料を供給して加熱・溶融させてもよい。また、キャビティ8に常温で液状である樹脂(液状樹脂)をディスペンサによって吐出してもよい。
次に、キャビティ8に流動性樹脂16が充填された状態において、上型2を下降させて電子部品14とワイヤ15とを流動性樹脂16に浸漬させる。その後に、下型1と上型2とを型締めした状態で流動性樹脂16を硬化させて硬化樹脂17を形成し、成形品18を完成させる。
以下、本実施例に係る樹脂封止装置が有する構成のうち離型層を形成するための構成について、図3(2)と図4とを参照して説明する。本実施例に係る成形装置には、下型1と上型2とが型開きした状態で下型1と上型2との間に進入できるようにして、搬出機構28が設けられている。搬出機構28は、吸着管路29によって成形品18を吸着して搬出する。
また、図3(2)に示されているように、下型1と上型2とが型開きした状態で下型1と上型2との間に進入できるようにして、光学センサ30が設けられている。光学センサ30は、型面20における付着物の付着状況を光学的に検出・評価する。具体的には、光学センサ30は、型面20に対して照射光31を照射してその反射光32を検出して反射率を算出し、その反射率に基づいて型面20における付着物の付着状況を検出する。光学センサ30は、型面20における複数個所において反射率を算出し、その平均値又は極大(極小)値に基づいて付着物の付着状況を検出することができる。また、光学センサ30は、型面20において最も付着物が付着しやすい場所として予め特定されている1個所又は複数個所において、付着物の付着状況を検出してもよい。なお、光学センサ30としてはレーザ変位計等の変位計を使用して、付着物の厚さを検出してもよい。
また、図4(1)に示されているように、本実施例に係る成形装置には、下型1と上型2とが型開きした状態で下型1と上型2との間に進入できるようにして、紫外光照射機構33が設けられている。紫外光照射機構33の内部には、エキシマ紫外光等の紫外光UVを発生するランプ34(エキシマランプ等)が設けられている。紫外光照射機構33は、下型1の型面20に対してエキシマ紫外光等の紫外光UVを照射する。なお、型面20に対して紫外光UVを照射した後に、型面20において付着物の付着状況を検出することもできる。
なお、搬出機構28と光学センサ30と紫外光照射機構33とは、下型1と上型2とが型締めした状態においては、それぞれ下型1と上型2との外側の初期位置まで後退して退避している。また、光学センサ30と紫外光照射機構33とは、それぞれX方向とY方向とZ方向とに移動できるようにして構成されている。
以下、本実施例に係る樹脂封止装置の動作を、図3と図4とを参照しながら説明する。まず、図3(2)に示されているように、下型1と上型2とが型開きした状態で、搬出機構28が成形品18を搬出するとともに、下型1と上型2との間に光学センサ30が進入する。
次に、光学センサ30は、型面20における複数個所において反射率を算出し、その平均値(又は極小値)に基づいて付着物の付着状況を検出する。そして、平均値が基準値を下回った場合には、光学センサ30は付着物の付着状況が基準を超えた(基準を超えて付着物が付着した)と判断して、紫外光照射機構33とプラズマトーチ21とを動作させる信号を発する。なお、光学センサ30は、型面20において最も付着物が付着しやすい場所として予め特定されている場所において、付着物の付着状況を検出してもよい。
次に、図4(1)に示されているように、下型1と上型2とが型開きした状態で、下型1と上型2との間に紫外光照射機構33とプラズマトーチ21とが順次進入する。紫外光照射機構33は、下型1におけるキャビティ8の左端の上方まで移動して、下型1の型面20に対してエキシマ紫外光等の紫外光UVを照射しながら図の右方向に移動する。これにより、図4(2)の「B部拡大」に示されているように、処理前の型面SBが活性化されて処理前の型面SBにおける付着物が除去される。ここでいう「活性化」には、「表面に付着した付着物をその表面から除去すること」が含まれる。また、「付着物」には、既に形成された離型層27の残存物が含まれる。
次に、プラズマトーチ21を図の右方向に移動させてプラズマ処理を行う。このことによって、活性化された型面20である処理前の型面SBに対してプラズマ処理を行うことになる。その結果、図4(2)の「A部拡大」に示されているように、処理後の活性化された型面SAにおいて、有機シリコン含有層からなりいっそう均一の膜厚を有する離型層27が形成される。その後に、プラズマトーチ21は下型1の型面20の上方から初期位置まで移動する。なお、処理後の活性化された型面SAに形成された離型層27は、型面SAに対する良好な密着性を有する。
以上説明したように、本実施例によれば、離型性が低下した型面20(処理前の型面SB)を活性化した後に、その型面20に対してプラズマ処理を行う。このことによって、処理後の型面SAにおいていっそう均一の膜厚を有する離型層27を形成することができる。したがって、プラズマ処理を行うことによって、成形品18と処理後の型面SAとの間の離型性をいっそう良好にすることができる。
また、本実施例によれば、下型1の型面20の上方までプラズマトーチ21を移動させる工程と、プラズマジェット25を発生させる工程と、型面20の上に離型層27を形成する工程と、型面20の上方からプラズマトーチ21を移動させる工程とを少なくとも有する工程群を、型面20における付着物の付着状況に応じて実行する。これにより、必要に応じたタイミングによってプラズマ処理を行うことができる。したがって、樹脂成形における効率が向上する。
なお、上述した工程群を、硬化樹脂を形成する工程の回数(成形回数)に応じて実行することもできる。この場合には、付着物の付着状況が基準を超える成形回数を予め実験等によって定めておき、その所定の成形回数に到達した時点でプラズマ処理を行う。これにより、必要に応じた所定の頻度によってプラズマ処理を行うことができる。したがって、樹脂成形における効率が向上する。
また、付着物の付着状況を光学的に検出するには、撮像手段(CCDカメラ等)と画像処理とを組合せて使用することができる。具体的には、撮像手段によって得られた画像を2値化して、濃度が一定レベルを超えた領域の面積に基づいて付着物の付着状況を検出する方法を使用することができる。
また、本実施例の説明においては、上型2に固定された成形品18が搬出される工程と下型1の型面20の状態を光学的に検出・評価する工程とを並行して行い、その後に型面20を活性化する工程とプラズマ処理工程とを順次行った。これに限らず、検出・評価する工程と型面20を活性化する工程との少なくとも一方を省略してもよい。また、UV照射器33とプラズマトーチ21とを一体化して、型面20を活性化する工程とプラズマ処理工程とを1つの動作によって順次行うようにすることもできる。
また、紫外光照射機構33に代えて、プラズマ処理機構であるプラズマトーチ21と酸素ガスとを使用して大気圧プラズマを生成して、その大気圧プラズマによって型面20を活性化してもよい。これによれば、プラズマトーチ21を使用して、供給されるガスを切り替えることによって、型面20の活性化と型面20における離型層27の形成とを併せて行うことができる。型面20の活性化に使用されるガスは、酸素ガスの他に、アルゴンガス、又は、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスでもよい。
また、各実施例の説明においては、HMDSO又はTEOS等の溶液をアルゴンガス等の不活性ガスでバブリングすることによって、シリコンを含むガスを生成した。これに限らず、HMDSO又はTEOSの溶液をバンドヒータ又はウォーターバス等により加熱して気化させる方法、又はヘキサメチルジシロキサン又はテトラエトキシシラン等の溶液を噴霧器等で直接吹き付けて気化させることにより、シリコンを含むガスを生成することが可能である。また、HMDSO又はTEOS等を貯蔵する貯蔵手段(ガスボンベ等)を使用してもよい。
さらに、プラズマ源となるシリコンを含む気体にフッ素系ガスを混合させることで、フッ素の含有した有機シリコン皮膜を形成することも可能であり、より一層の高離型及び防汚性を図ることができる。
なお、ここまで説明した各実施例では、プラズマトーチ21は平面視して円形であってスポット状のプラズマジェット25を噴射することとした。これに限らず、複数のノズルを配置して一定の平面積を有するプラズマジェット25を噴射することとしてもよい。また、図2(1)と図4(1)とにおいてY方向に延びる形状を有する電極を使用すれば、そのY方向に延びるライン状のプラズマジェット25を噴射することができる。これらによって、単位時間にプラズマ処理できる面積が増大するので、プラズマ処理の効率が上昇する。
また、簡便な試作用、実験用等の成形装置においては、プラズマトーチ21を手動によって移動させてもよい。これにより、成形装置から樹脂成形型3を取り外すことなく型面20に離型層27を形成することが、低価格で可能になる。
また、成形品18を取り出す搬出機構28(図3(1)参照)とプラズマトーチ21とを一体化してもよい。この場合には、搬出機構28が次の搬送機構に対して成形品18を受け渡している間に、プラズマ処理を行うことができる。更に、樹脂成形型に基板11又は固形樹脂材料を供給する搬入機構(図示なし)とプラズマトーチ21とを一体化してもよい。
また、樹脂成形型3が型開きした状態において、プラズマ処理機構21が型面20の上方(又は下方)に位置するように樹脂成形型3を移動させてもよい。要は、プラズマ処理機構21が型面20に対向するようにして、樹脂成形型3とプラズマ処理機構21とが相対的に移動するように構成されていればよい。更に、成形装置から樹脂成形型3を取り出して、その樹脂成形型3の型面20に対してプラズマ処理を行うこともできる。この場合には、樹脂成形型3の温度が、高温(例えば、成形温度程度)、室温程度、又は、室温よりも低温のいずれであってもよい。
また、母材BMとしては、工具鋼等の鋼系材料、鋼系材料にHCrめっき加工等を施した材料の他に、シリコン(Si)、グラッシィカーボン(GC)、セラミックスのような非金属材料を使用することができる。更に、母材BMの表面にカーボン系の表面処理を施してもよい。例えば、母材BMの表面にDLC(Diamond Like Carbon)の膜を形成し、この母材BMに対してプラズマ処理を行うことによって、高離型性と高耐久性とを有する樹脂成形型3が得られる。なお、母材BMについては、導電体と絶縁体とのいずれをも使用することができる。
また、樹脂成形型3の型面20において流動性樹脂16が接触する部分の面積がプラズマジェット25の平面積よりも十分に小さい場合には、プラズマ処理機構をその部分の上方まで移動させて停止させ、その位置でプラズマ処理を行ってもよい。
また、プラズマ生成装置(図示なし)の電極を一方の電極とし、その一方の電極を樹脂成形型3の型面20(他方の電極に相当する)に対向させて、大気圧プラズマ処理を行ってもよい。このプラズマ生成方式はダイレクト方式と呼ばれる。これによれば、型面20の面積が大きい場合に、短時間に効率よくその型面20に離型層27を形成することができる。
また、両方向にプラズマジェット25を吹き付けるプラズマトーチ21を使用してもよい。これにより、下型1と上型2との双方の型面20に、同時に離型層27を形成することができる。
また、プラズマ処理の対象になる型面20には、少なくともキャビティ8における型面20が含まれていることが好ましい。また、トランスファー成形の場合においては、キャビティ8における型面20に加えて、流動性樹脂16が流動する樹脂流路7、カル6等における型面20に対してもプラズマ処理を行うことができる。
また、本発明を、トランスファー成形、圧縮成形に限らず、射出成形、加熱したシート状の熱可塑性樹脂に樹脂成形型の形状を転写する真空成形、圧空成形等の他の成形方式にも適用できる。更に、本発明を、熱可塑性樹脂を使用する成形方式にも適用できる。
また、本発明は、樹脂成形型を型締めすることによって形状を構成する凹凸を成形品に転写する工程、すなわち、樹脂や金属板等に成形型の形状を転写するインプリント成形やプレス成形にも適用可能である。加えて、本発明は、プレスすることによって加工対象物を所定の形状に打ち抜くプレス成形にも適用可能である。いずれの成形の場合においても、プラズマ処理によって型面に形成された機能層が、型面における汚れ等の付着の抑制と離型性の向上と成形品の寸法精度の向上とに寄与する。型面における汚れ等の付着の抑制は、その型面が防汚性を有することを意味する。また、プラズマ処理された型面は小さい摩擦係数を有するので、その型面と成形品との間における摺動性が向上する。
また、本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
図1(1)〜(3)は、実施例1においてチップ状の電子部品を樹脂封止する際において型締めする工程と、流動性樹脂を充填する工程と、流動性樹脂を硬化させた後に型開きする工程とを、それぞれ示す断面図である。 図2(1)は図1に引き続いて型開きされた状態で型面をプラズマ処理する工程を示し、図2(2)はプラズマ処理後の型面A部とプラズマ処理前の型面B部とを示す拡大断面図である。 図3(1)〜(2)は、実施例2においてチップ状の電子部品を樹脂封止する際においてキャビティに流動性樹脂を充填する工程と、流動性樹脂を硬化させた後に型開きして型面の状態を評価する工程とを、それぞれ示す断面図である。 図4(1)は図3に引き続いて型開きされた状態で型面を活性化処理及びプラズマ処理する工程を示し、図4(2)はプラズマ処理後の型面A部とプラズマ処理前の型面B部とを示す拡大断面図である。
1 下型
2 上型
3 樹脂成形型(成形型)
4 ポット
5 プランジャ
6 カル
7 樹脂流路
8 キャビティ
9 凹部
10 基板用凹部
11 基板
12 境界線
13 領域
14 電子部品
15 ワイヤ
16 流動性樹脂
17 硬化樹脂
18 成形品
19 レンズ部
20 型面
21 プラズマトーチ
22 高周波電源
23 バブラーボトル
24 ガス源
25 プラズマジェット(プラズマ)
26、27 離型層(機能層)
28 搬出機構
29 吸着管路
30 光学センサ
31 照射光
32 反射光
33 紫外光照射機構(活性化機構)
34 ランプ
BM 母材
SA 処理後の型面
SB 処理前の型面
UV 紫外光

Claims (9)

  1. 耐久性を有する素材からなる母材と、前記母材に設けられ成形品に転写されるべき形状とを有する成形型を備えた成形装置であって、
    前記成形型の型面に形成された機能層を備えるとともに、
    前記機能層は大気圧雰囲気下におけるプラズマ処理によって形成された有機シリコン含有層からなり、
    前記機能層は良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、前記成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする成形装置。
  2. 請求項1に記載の成形装置において、
    前記形状は流動性樹脂が充填されるべき空間からなるキャビティの形状又はプレスされることによって前記成形品に転写されるべき形状であることを特徴とする成形装置。
  3. 請求項1又は2に記載の成形装置において、
    前記型面に対して前記プラズマ処理を行うプラズマ処理機構を備え、
    前記成形型が型開きした状態において、前記プラズマ処理機構が前記型面に対向して位置するように前記成形型と前記プラズマ処理機構とが相対的に移動することを特徴とする成形装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の成形装置において、
    前記型面を活性化する活性化機構を備えたことを特徴とする成形装置。
  5. 耐久性を有する素材からなる母材と、前記母材に設けられ成形品に転写されるべき形状とを有する成形型を使用する成形方法であって、
    前記形状を構成するキャビティを流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、
    前記成形型を型締めする工程と、
    前記流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成する工程と、
    前記成形型を型開きする工程と、
    前記硬化樹脂を有する前記成形品を取り出す工程と、
    プラズマ処理機構が前記成形型の型面に対向して位置するように前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させる工程と、
    前記プラズマ処理機構を使用してプラズマを発生させる工程と、
    前記プラズマを使用して前記型面に対するプラズマ処理を行うことによって前記型面に機能層を形成する工程と、
    前記プラズマ処理機構が前記型面に対向して位置しなくなるように前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させる工程とを備えるとともに、
    前記プラズマを発生させる工程では大気圧雰囲気下において前記プラズマを発生させ、
    前記機能層は有機シリコン含有層からなり良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、前記成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする成形方法。
  6. 耐久性を有する素材からなる母材と、前記母材に設けられ成形品に転写されるべき形状とを有する成形型を使用する成形方法であって、
    前記成形型を型締めすることによって前記形状を前記成形品に転写する工程と、
    前記成形型を型開きする工程と、
    前記成形品を取り出す工程と、
    プラズマ処理機構が前記成形型の型面に対向して位置するように前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させる工程と、
    前記プラズマ処理機構を使用してプラズマを発生させる工程と、
    前記プラズマを使用して前記型面に対するプラズマ処理を行うことによって前記型面に機能層を形成する工程と、
    前記プラズマ処理機構が前記型面に対向して位置しなくなるように前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させる工程とを備えるとともに、
    前記プラズマを発生させる工程では大気圧雰囲気下において前記プラズマを発生させ、
    前記機能層は有機シリコン含有層からなり良摺動性、良撥水性、良親油性、又は、前記成形品に対する低密着性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする成形方法。
  7. 請求項5又は6に記載の成形方法において、
    前記機能層を形成する工程では前記プラズマ処理機構が前記型面に対向する状態で前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させることを特徴とする成形方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の成形方法において、
    前記機能層を形成する工程の前に前記型面を活性化する工程を備えたことを特徴とする成形方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の成形方法において、
    前記成形型と前記プラズマ処理機構とを相対的に移動させる工程と、前記プラズマを発生させる工程と、前記機能層を形成する工程とを少なくとも有する工程群を、前記成形品に前記形状を転写する回数、又は前記型面における付着物の付着状況に応じて実行することを特徴とする成形方法。
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