JP2010251543A - 樹脂モールドコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、部分放電の発生を抑制できて、特別高圧級の静止誘導機器に容易に適用することが可能な絶縁モールドコイルを提供する。
【解決手段】マグネットワイヤ5を巻回して環状に形成した単位コイル2が複数個軸方向に配列されて直列接続され、これらの複数個の単位コイル2を個別に囲うようにして高抵抗値を有する複数個の静電シールド層6が設けられ、これらの複数個の静電シールド層6全体をモールドする樹脂モールド層4が設けられ、前記単位コイル2の内側に位置する巻始め端5aの導体及び外側に位置する巻終り端5bの導体が該単位コイル2を囲う静電シールド層6の内周部6A及び外周部6Bに夫々電気的に接続されている(接続点8A及び8B)。
【選択図】図1
【解決手段】マグネットワイヤ5を巻回して環状に形成した単位コイル2が複数個軸方向に配列されて直列接続され、これらの複数個の単位コイル2を個別に囲うようにして高抵抗値を有する複数個の静電シールド層6が設けられ、これらの複数個の静電シールド層6全体をモールドする樹脂モールド層4が設けられ、前記単位コイル2の内側に位置する巻始め端5aの導体及び外側に位置する巻終り端5bの導体が該単位コイル2を囲う静電シールド層6の内周部6A及び外周部6Bに夫々電気的に接続されている(接続点8A及び8B)。
【選択図】図1
Description
本発明は変圧器、リアクトル等の静止誘導機器に用いる樹脂モールドコイルに関する。
変圧器、リアクトル等の静止誘導機器に用いるコイルとしては、コイル周囲を絶縁樹脂でモールドした構造の樹脂モールドコイルが広く用いられている。この樹脂モールドコイルは、マグネットワイヤを円環状に巻回した単位コイルを最初に製作し、次にそれらを複数個軸方向に積み重ねてモールド型内に固定し、最後に全体を熱硬化性樹脂でモールドして製作される。複数個の単位コイルの接続方法は用途により異なるが、高圧機器用のものでは一般に直列接続される。
この種の樹脂モールドコイルの場合には、マグネットワイヤを円環状に巻回してなる単位コイルとモールド層とを相互に充分に密着させることが困難であり、両者の界面に微小な空隙が残ることがある。しかも、単位コイルは、マグネットワイヤを密に巻回して形成されているので、マグネットワイヤ間の狭い隙間には樹脂は侵入しにくく、単位コイルの内部にも微小な空隙が残ることがある。そして、この樹脂モールドコイルでは、マグネットワイヤ相互間に電圧が加わり、大地(アース)とマグネットワイヤとの間にも電圧が加わるようになっており、印加電圧が大きくなったときには微小な空隙で部分放電が発生するので、マグネットワイヤ相互間に加わる電圧を抑制したり、モールド層及び構造物(アース電位をもつモールド変圧器の鉄心等を称する。)間の物理的な絶縁距離たる対アース距離を大きくとる等の対策が必要であった。
こうした問題を解決する従来技術として、例えば特許文献1には、注入樹脂の粘度を小さくして樹脂中に空隙が残ることを防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、樹脂モールド層の表面に導電性高分子からなる表面導電層を設けて耐クラック性や耐部分放電性を向上させる技術が開示されている。又、特許文献3には、変圧器に雷インパルスが侵入した場合に給電端子に近い単位コイルに最も高い電圧が加わることから、給電端子に近い単位コイルの内周側を覆う絶縁部の肉厚を他の単位コイルの内周側を覆う部分より厚くする技術が開示されている。
電力用の変圧器としては、1000kVA級のものが用いられるが、このような特別高圧級の変圧器に使用する樹脂モールドコイルとしては、上記のような対策だけでは不充分であり、部分放電の発生を防止するための更なる技術が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部分放電の発生を抑制できて、特別高圧級の静止誘導機器に容易に適用することが可能な絶縁モールドコイルを提供することにある。
本発明の樹脂モールドコイルは、マグネットワイヤを巻回して環状に形成した単位コイルを複数個軸方向に配列して直列接続してなるコイルと、前記複数個の単位コイルを個別に囲うように設けられ、高抵抗値を有する複数個の静電シールド層と、これらの複数個の静電シールド層全体をモールドする樹脂モールド層とを具備し、前記単位コイルの内側に位置するマグネットワイヤの導体及び外側に位置するマグネットワイヤの導体が該単位コイルを囲う静電シールド層の内周部及び外周部に電気的に接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、単位コイルの周囲に静電シールド層が設けられているので、静電シールド層の電位が内部の単位コイルに発生する電位の中間電位になって、静電シール層の内部の電界が小さくなる。従って、単位コイルの外周面および内周面に微小な空隙が残っていたり、或いは、単位コイルの内部に微小な空隙が残っていても、全ての空隙での電界が小さくなるので、電圧を高めても静電シールド層の内部で部分放電が発生することを抑制できる。又、単位コイルの内側に位置するマグネットワイヤの導体及び外側に位置するマグネットワイヤの導体が該単位コイルを囲う静電シールド層の内周部及び外周部に電気的に接続されているので、静電シールド層の電位を固定することができ、静電シールド層と単位コイル間の絶縁距離を小に設定できる。しかも、静電シールド層の外部のモールド層との間には微小な空隙が存在せず、静電シールド層の外部では部分放電の発生を危惧する必要がないので、物理的な絶縁距離を延ばすことなく静電シールド層と対アース間の電界を大きく設定できる。そして、静電シールド層は、高抵抗値を有するので、磁束が鎖交することにより発生する渦電流を抑制することができて、静電シールド層で発生する損失を抑制できる。即ち、電圧を高めてもコンパクトなままで部分放電の発生を抑制することができるので、特別高圧級の静止誘導機器に適用することが容易になる。
本発明の絶縁モールドコイルは、部分放電の発生を抑制できて、特別高圧級の静止誘導機器に容易に適用することが可能であるという効果を奏する。
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例につき、図1及び図2を参照して説明する。
図1において、樹脂モールドコイル1は、全体として略円筒状又は略角筒状に形成されており、その中心孔部が静止誘導機器たる変圧器の鉄心脚部或いはリアクトルの鉄心等に嵌合されて使用される。
以下、本発明の第1の実施例につき、図1及び図2を参照して説明する。
図1において、樹脂モールドコイル1は、全体として略円筒状又は略角筒状に形成されており、その中心孔部が静止誘導機器たる変圧器の鉄心脚部或いはリアクトルの鉄心等に嵌合されて使用される。
図1は、筒状の樹脂モールドコイル1の中心軸を含む断面の片側部分を示している。樹脂モールドコイル1は、環状をなす単位コイル2を複数個軸方向に配置して形成されたコイル3全体を、絶縁性樹脂でモールドしてモールド層4が形成されるように構成されている。単位コイル2は、例えば断面長円状の導体(銅線)5Aを絶縁物5Bで被覆してなるマグネットワイヤ5を環状に巻回して構成されている。
本実施例の樹脂モールドコイル1の特徴として、各単位コイル2の外周には、これを囲むようにして静電シールド層6が密着して形成されている。静電シールド層6は、高抵抗値(例えば10MΩ以上)を有するもので、導電性テープを巻回して形成されている。静電シールド層6は、導電性テープの代わりに、導電性塗料の塗布、金属の溶射により形成してもよい。表面に静電シールド層6が施された単位コイル2は、複数個が軸方向に所定の間隔をおいて配置されている。そして、これらの単位コイル2は、接続線たる渡り線(マグネットワイヤ5と同じ構成)7により直列接続されている。
更に、図2を参照して説明する。単位コイル2のうちの、最上段の単位コイル2Aにおいて、内側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻初め端5aの絶縁物5Baの当該単位コイル2Aを囲う静電シールド層6の内周部6Aに対応する部分は、剥離されて、その部分の導体5Aaが該内周部6Aの内面に電気的に接続されている(接続点を8Aで示す。)。更に、最上段の単位コイル2Aにおいて、外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bの絶縁物5Bbの当該単位コイル2Aを囲う静電シールド層6の外周部6Bに対応する部分は、剥離されて、その部分の導体5Abが該外周部6Bの内面に電気的に接続されている(接続点を8Bで示す。)。
又、単位コイル2のうちの、2段目の単位コイル2Bにおいて、外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bの絶縁物5Bbの当該単位コイル2Bを囲う静電シールド層6の外周部6Bに対応する部分は、剥離されて、その部分の導体5Abが該外周部6Bの内面に電気的に接続されている(接続点を8Bで示す。)。この場合、2段目の単位コイル2Bの巻終り端5bは、最上段の単位コイル2Aの巻終り端5bに接続線たる渡り線7により接続されている。従って、単位コイル2Aを囲う静電シールド層6の外周部6Bと単位コイル2Bを囲う静電シールド層6の外周部6Bとは、導体5Ab、渡り線7及び導体5Abを介して電気的に接続される。
2段目の単位コイル2Bの内側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻初め端5aの絶縁物5Baの当該単位コイル2を囲う静電シールド層6の内周部6Aに対応する部分は、剥離されて、その部分の導体5Aaが該内周部6Aの内面に電気的に接続されている(接続点を8Aで示す。)。この場合、2段目の単位コイル2Bの巻始め端5aは、3段目の単位コイルの巻始め端(何れも図示せず)に渡り線7により接続されている。従って、単位コイル2Bを囲う静電シールド層6の内周部6Aは、3段目の単位コイルを囲う静電シールド層の内周面(何れも図示せず)に渡り線7により電気的に接続されている。
以下、同様にして、奇数段目の単位コイルの巻終り端と偶数段目の単位コイルの巻き終り端及び偶数段目の単位コイルの巻始め端と奇数段目の単位コイルの巻始め端とは、渡り線7で接続されており、奇数段目の単位コイルの構成は、最上段の単位コイル2Aと同様であり、偶数段目の単位コイルの構成は、2段目の単位コイル2Bと同様である。
このように、単位コイル2の表面に静電シールド層6を設けた場合、単位コイル2を構成するマグネットワイヤ5と静電シールド層6との間にはコンデンサが形成される。単位コイル2のマグネットワイヤ5と静電シールド層6との間隔は狭く形成される。単位コイル2のマグネットワイヤ5と静電シールド層6との間隔が狭く、且つその間に浮遊コンデンサが存在すると、高抵抗値を有する導体である静電シールド層6の電位は各マグネットワイヤ5のターン数の電位の略平均値となる。
単位コイル2の周りにこのような各ターン数の平均電位をもつ静電シールド層6が存在すると、各マグネットワイヤ5のターンと静電シールド層6との間の電位差は、各単位コイル2の両端間の電位差の1/2以下の小さい値となる。従って、微小空隙が静電シールド層6の内側の単位コイル2内に存在したとしても、マグネットワイヤ5と静電シールド層6の間では放電は生じにくくなる。
又、こうしたマグネットワイヤ5の各ターンの平均電位をもつ静電シールド層6が単位コイル2の周囲に存在すると、同じ単位コイル2に属するマグネットワイヤ5のターン間の電位差も大きくなりにくい。その値は、静電シールド層6が存在しない場合に比べて小さくなる。従って、同じ単位コイル2に属するマグネットワイヤ5のターン間での放電も生じにくくなる。
静電シールド層6の外側部分については、静電シールド層6と大地(アース)との間に高い電位差が生じる。しかし、静電シールド層6の外側部分のモールド層4には、微小空隙はほとんど存在せず、且つ、静電シールド層6とは同電位である。このため、静電シールド層6が形成されていない場合と違って、静電シールド層6の外側部分における電界強度はどの部分も同じ程度となり、局所的に高い電界が発生するという現象は生じない。従って、静電シールド層6の外側部分では、部分放電はほとんど発生しない。
そして、単位コイル2の内側に位置するマグネットワイヤ5の巻始め端5aの導体5Aa及び外側に位置するマグネットワイヤ5の巻終り端5bの導体5Abが該単位コイル2を囲う静電シールド層6の内周部6A及び外周部6Bに電気的に接続されているので、静電シールド層6の電位を固定することができ、静電シールド層6と単位コイル2間の絶縁距離を小に設定できる。
更に、静電シールド層6は、高抵抗値(例えば10kΩ以上)を有するので、磁束が鎖交することにより発生する渦電流を抑制することができて、静電シールド層6で発生する損失を抑制できる。例えば、静電シールド層6で発生する損失は、
(1ターン分の発生電圧)2/(1ターン方向の静電シールド層の抵抗値)
となるため、例えば、1ターン分の発生電圧20(V)、1ターン方向の静電シールド層の抵抗値を30(kΩ)とすれば、単位コイルの発生電力は0.013(W)程度であり、電力用の1000kVA級の変圧器であれば、問題のない損失レベルである。
(1ターン分の発生電圧)2/(1ターン方向の静電シールド層の抵抗値)
となるため、例えば、1ターン分の発生電圧20(V)、1ターン方向の静電シールド層の抵抗値を30(kΩ)とすれば、単位コイルの発生電力は0.013(W)程度であり、電力用の1000kVA級の変圧器であれば、問題のない損失レベルである。
このような理由から、本実施例の樹脂モールドコイル1では、静電シールド層6を設けたことにより、局所的に高電界となる部分が生じない。従って、単位コイル2内に微小な空隙が存在したとしても部分放電の発生を抑制することができ、1000kVA級の変圧器など、特別高圧級の静止誘導機器に適用することが容易になる。
(第2の実施例)
図3は、本発明の第2の実施例であり、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
最上段の単位コイル2Aにおける外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bは、2段目の単位コイル2Bにおける外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bに、導体(銅線)から成る接続線たる渡り線9により接続され、その渡り線9は、静電シールド層6と同様の静電シールド層6Cにより覆われている。従って、単位コイル2A、2Bの巻終り端5b、5bは、渡り線9を介して当該単位コイル2A、2Bを囲う静電シールド層6、6の外周部6B、6Bに電気的に接続される(接続点を8D、8Dで示す。)。
図3は、本発明の第2の実施例であり、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
最上段の単位コイル2Aにおける外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bは、2段目の単位コイル2Bにおける外側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻終り端5bに、導体(銅線)から成る接続線たる渡り線9により接続され、その渡り線9は、静電シールド層6と同様の静電シールド層6Cにより覆われている。従って、単位コイル2A、2Bの巻終り端5b、5bは、渡り線9を介して当該単位コイル2A、2Bを囲う静電シールド層6、6の外周部6B、6Bに電気的に接続される(接続点を8D、8Dで示す。)。
単位コイル2Bの内側に位置するマグネットワイヤ5例えば巻始め端5aは、3段目の単位コイルのマグネットワイヤの巻始め端(何れも図示せず)に渡り線9を介して接続され、その渡り線9は、静電シールド層6Cにより覆われている。従って、単位コイル2Bの巻終り端5bは、渡り線9を介して当該単位コイル2Bを囲う静電シールド層6の外周部6Bに電気的に接続される(接続点を8Cで示す。)。
以下、同様にして、奇数段目の単位コイルの巻終り端と偶数段目の巻き終り端及び偶数段目の単位コイルの巻始め端と奇数段目の単位コイルの巻始め端とは、渡り線9で接続されており、奇数段目の単位コイルの構成は、最上段の単位コイル2Aと同様であり、偶数段目の単位コイルの構成は、2段目の単位コイル2Bと同様である。
この第2の実施例によれば、第1の実施例同様の効果が得られ、特に、渡り線9にも静電シールド層6Cが設けられているので、大地間の部分放電発生の抑制効果が一層よくなる。
この第2の実施例によれば、第1の実施例同様の効果が得られ、特に、渡り線9にも静電シールド層6Cが設けられているので、大地間の部分放電発生の抑制効果が一層よくなる。
(第3の実施例)
図4は、本発明の第3の実施例であり、上記第2の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
この第3の実施例において、単位コイル2は、シート状の導体(銅シート)10Aとシート状の絶縁物10Bとを重ね合わせてなるマグネットワイヤ10を捲回して形成されている。各単位コイル2は、静電シールド層6により囲われているが、この静電シールド層6と単位コイル2との間には絶縁樹脂が充填されて絶縁層11が形成されている。
図4は、本発明の第3の実施例であり、上記第2の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
この第3の実施例において、単位コイル2は、シート状の導体(銅シート)10Aとシート状の絶縁物10Bとを重ね合わせてなるマグネットワイヤ10を捲回して形成されている。各単位コイル2は、静電シールド層6により囲われているが、この静電シールド層6と単位コイル2との間には絶縁樹脂が充填されて絶縁層11が形成されている。
単位コイル2において、内側に位置するマグネットワイヤ10例えば巻始め端10aのシート状導体10Aa及び外側に位置するマグネットワイヤ10例えば巻終り端10bのシート状導体10Abは、当該単位コイル2Aを囲う静電シールド層6の内周部6Aの内面及び外周部6Bの内面に接触により接続されている(接続点を12A及び12Bで示す。)。
最上段の単位コイル2Aにおける巻終り端10bのシート状導体10Abは、2段目の単位コイル2Bにおける巻終り端10bのシート状導体10Abに、シート状導体(銅シート)からなる接続線たる渡り線13により接続され、その渡り線13は、静電シールド層6Cにより覆われている。2段目の単位コイル2Bの巻始め端10aのシート状導体10Aaは、3段目の単位コイルの巻始め端のシート状導体(何れも図示せず)に渡り線13を介して接続され、その渡り線13は、静電シールド層6Cにより覆われている。
以下、同様にして、奇数段目の単位コイルの巻終り端のシート状導体と偶数段目の巻き終り端のシート状導体及び偶数段目の単位コイルの巻始め端のシート状導体と奇数段目の単位コイルの巻始め端のシート状導体とは、渡り線13により接続されており、奇数段目の単位コイルの構成は、最上段の単位コイル2Aと同様であり、偶数段目の単位コイルの構成は、2段目の単位コイル2Bと同様である。
この第3の実施例によれば、単位コイル2の巻始め端10aのシート状導体10Aa及び巻終り端10bのシート状導体10Abを当該単位コイル2を囲うシールド層6の内周部6A及び外周部6B接続するようにしたので、高抵抗を有する静電シールド層6内は、高抵抗により電位分担し、マグネットワイヤ10はターン数で電位分担するようになり、従って、単位コイル2の各部でのマグネットワイヤ10とその近くの静電シールド層6の電位は略等しくなって、静電シールド層6とマグネットワイヤ10との絶縁はほとんど考慮する必要がなくなり、単位コイル2の大きさを最小にできる。
(第4の実施例)
図5は、本発明の第4の実施例であり、上記第3の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
この第4の実施例では、単位コイル2を高抵抗値(例えば10MΩ以上)を有する樹脂でモールドしてその単位コイル2を囲う静電シールド層14が形成されている。又、単位コイル2の巻始め端10aのシート状導体10Aa及び巻終り端10bのシート状導体10Abは、該単位コイル2を囲う静電シールド層14の内周部14Aの内面及び外周部14Bの内面に接触により接続されている(接続点を15A及び15Bで示す。)。そして、渡り線13は、静電シールド層14と同様の静電シールド層14Cにより覆われている。
図5は、本発明の第4の実施例であり、上記第3の実施例と同一部分には同一符号を付して示す。
この第4の実施例では、単位コイル2を高抵抗値(例えば10MΩ以上)を有する樹脂でモールドしてその単位コイル2を囲う静電シールド層14が形成されている。又、単位コイル2の巻始め端10aのシート状導体10Aa及び巻終り端10bのシート状導体10Abは、該単位コイル2を囲う静電シールド層14の内周部14Aの内面及び外周部14Bの内面に接触により接続されている(接続点を15A及び15Bで示す。)。そして、渡り線13は、静電シールド層14と同様の静電シールド層14Cにより覆われている。
この第4の実施例によっても、第3の実施例と同様の効果を奏することができ、特に、第3の実施例の絶物層11と静電シールド層6とが一体の静電シールド層14として構成されるので、構成が簡単になり、製作が容易になる。
尚、本発明は、上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施し得ることは勿論である。
尚、本発明は、上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施し得ることは勿論である。
図面中、1は樹脂モールドコイル、2(2A、2B)は単位コイル、3はコイル、4はモールド層、5はマグネットワイヤ、5Aは導体、5Bは絶縁物、5aは巻始め端(内側のマグネットワイヤ)、5bは巻終り端(外側のマグネットワイヤ)、5Aa及び5Abは導体、6及び6Cは静電シールド層、6Aは内周部、6Bは外周部、7は渡り線(接続線)、9は渡り線(接続線)、10はマグネットワイヤ、10Aは導体、10Bは絶縁物、10aは巻始め端(内側のマグネットワイヤ)、10bは巻終り端(外側のマグネットワイヤ)、10Aa及び10Abはシート状導体、13は渡り線(接続線)、14及び14Cは静電シールド層、14Aは内周部、14Bは外周部を示す。
Claims (7)
- マグネットワイヤを巻回して環状に形成した単位コイルを複数個軸方向に配列して直列接続してなるコイルと、
前記複数個の単位コイルを個別に囲うように設けられ、高抵抗値を有する複数個の静電シールド層と、
これらの複数個の静電シールド層全体をモールドする樹脂モールド層とを具備し、
前記単位コイルの内側に位置するマグネットワイヤの導体及び外側に位置するマグネットワイヤの導体が該単位コイルを囲う静電シールド層の内周部及び外周部に電気的に接続されていることを特徴とする樹脂モールドコイル。 - 単位コイルは、シート状の導体とシート状の絶縁物とからなるマグネットワイヤを巻回して形成され、
前記単位コイルの内側に位置するシート状導体及び外側に位置するシート状導体が該単位コイルを囲う静電シールド層の内周部の内面及び外周部の内面に接触されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールドコイル。 - 単位コイルと静電シールド層との間に絶縁樹脂が充填されていることを特徴とする請求項2記載の樹脂モールドコイル。
- 静電シールド層は、単位コイルをモールドする高抵抗値を有する樹脂で構成されていることを特徴とする請求項2記載の樹脂モールドコイル。
- 隣接する2つの単位コイルの静電シールド層は、両単位コイルの同電位側において接続線により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂モールドコイル。
- 隣接する2つの単位コイルの静電シールド層を電気的に接続する接続線は、両単位コイルを直列に接続する渡り線であることを特徴とする請求項5記載の樹脂モールドコイル。
- 渡り線は、導体から構成され、単位コイルを囲う静電シールド層と同様の静電シールド層で覆われていることを特徴とする請求項6記載の樹脂モールドコイル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012195412A (ja) * | 2011-03-16 | 2012-10-11 | Fuji Electric Co Ltd | 樹脂モールドコイル |
US10468178B2 (en) | 2016-08-19 | 2019-11-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Stationary induction apparatus |
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