JP2010251185A - 膜電極接合体の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の能力検査の信頼性を高める。
【解決手段】MEAの能力検査を行うに当たり、供給ガスの加湿状況を相対湿度40%以下という低加湿状況とする。こうした低加湿状況での能力検査により良品判定されたMEAを組み込んだ燃料電池では、低加湿状況下において発電能力を担保できる。燃料電池の発電運転の際には、MEAでのガス加湿状況は、電解質での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿程度にまで高められたガス加湿状況、例えば40%を超える相対湿度のガス加湿状況になる。供給ガスの加湿状況が高まればガス拡散抵抗は低くなるので、燃料電池は高い発電能力を発揮する。よって、低加湿状況での能力検査により良品判定されたMEAを組み込んだ燃料電池は、40%以下の相対湿度のガス加湿状況下より低いガス拡散抵抗となる高加湿状況下においても発電能力を担保できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体の検査方法に関する。
燃料電池は、アノードに供給された燃料ガス中の燃料、例えば水素と、カソードに供給された酸素含有ガス中の酸素との電気化学反応を進行させて発電する。この電気化学反応は、電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)にて進行し、MEAの電極面においてガスの供給が不均一となると、電気化学反応の進行状況が電極面で相違して電池性能が低下することがよく知られている。このため、MEAへのガス供給をガスの均一な供給をもたらすガス拡散供給とした上で、その拡散抵抗を低減する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2004−273366号公報
上記特許文献によれば、ガス拡散層の拡散抵抗低減によりMEAの電極面へのガス供給の均一化をもたらし、MEAを有する発電単位としての電池セル、延いては当該セルの積層体として構成される燃料電池の発電能力の向上を可能としている。通常、燃料電池の製造過程では、用いるMEAの能力検査、或いは電池セルもしくは燃料電池の形態での能力検査を行い、その能力検査においては、電解質膜での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿程度のガスをアノードおよびカソードに供給して、発電能力担保の確認がなされている。
燃料電池を取り巻く環境、例えば車載した燃料電池では走行地域や走行状況によりその環境は種々変化する等の理由により、燃料電池への供給ガスの加湿状況は一律とはならないのが現状である。このため、検査において発電能力担保が確認されたとしても、燃料電池に供給されるガスの加湿状況が電解質膜での電気化学反応の進行を図る上から望ましいガス加湿程度より低いと、電気化学反応の進行が緩慢となり発電能力の低下を来すと予想される。
本発明は、上記した課題を踏まえ、燃料電池の能力検査の信頼性を高めることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用:膜電極接合体の検査方法]
電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体の検査方法であって、
前記膜電極接合体のアノードとカソードに燃料ガスと酸素含有ガスを供給して能力検査を行うに当たり、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスとを40%以下の相対湿度に加湿調整して供給する
ことを要旨とする。
上記構成の膜電極接合体の検査方法では、その能力検査を、膜電極接合体のアノードとカソードに、40%以下の相対湿度に加湿調整した燃料ガスと酸素含有ガスとを供給した状況下で行う。40%以下の相対湿度のガス加湿は、電解質膜での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿程度より低い加湿状況であることから、こうした低加湿状況での能力検査により良品判定となれば、その良品の膜電極接合体を組み込んだ電池セル、延いては当該セルを積層した燃料電池では、低加湿状況下において発電能力を担保できることになる。
膜電極接合体においては、その電解質に触媒電極を経てガスが拡散供給され、触媒電極でのガス流路は触媒電極を構成するアイオノマーにて触媒電極形成の際に形成され、流路表面はアイオノマーの表面となる。つまり、触媒とその担持体に加えアイオノマーが存在した上でのガス流路を備えるという触媒電極としての性質から、触媒電極でのガス拡散抵抗は、供給されたガスに含まれる水分によるアイオノマー表面の濡れ程度やアイオノマーでの電荷授受の影響を受け、ガス加湿程度が40%の相対湿度を超える状況では低下する。このため、ガス加湿程度が40%の相対湿度を超える状況では、40%以下の相対湿度のガス加湿状況下より低いガス拡散抵抗のために電解質膜へのガス拡散性が高まり、電気化学反応は円滑に進行する。よって、40%以下の相対湿度という低加湿状況での能力検査により良品判定された膜電極接合体を組み込んだ電池セルを積層した燃料電池は、40%以下の相対湿度のガス加湿状況下より低いガス拡散抵抗となる高加湿状況下においても発電能力を担保できる。この結果、上記構成の膜電極接合体の検査方法によれば、能力検査の信頼性を高めることができる。
本発明の実施例としてのMEA検査手順を含むMEA製造手順を示す手順図である。 供給ガスの相対湿度と触媒電極におけるガス拡散抵抗との関係を示すグラフである。 ステップS140で能力良否判定を行ったMEAについての発電能力の差異を示す説明図である。 図1相当図であり検査特化のMEAの製造手順を検査手順を含んで示す手順図である。 図4の製造手順の内容を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の実施例としてのMEA検査手順を含むMEA製造手順を示す手順図である。
図示するように、アノードおよびカソードの触媒電極形成のための触媒インクを作製する(ステップS100)。本実施例では、固体高分子型燃料電池に用いるMEAを製造することから、電解質膜は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。この電解質膜の膜面に接合してアノード或いはカソードとなる触媒電極形成用の触媒インクは、白金を担持したカーボン粒子と、MEAを構成する電解質膜と同様のフッ素系高分子電解質とを含有している。白金を担持したカーボン粒子は、例えばカーボンブラックから成るカーボン粒子を、白金化合物の溶液(例えば、テトラアンミン白金塩溶液やジニトロジアンミン白金溶液や白金硝酸塩溶液、あるいは塩化白金酸溶液など)中に分散させて、含浸法や共沈法、あるいはイオン交換法によって作製する。このようにして作製した白金担持カーボン粒子を、水および有機溶剤からなる適当な溶媒中に分散させると共に、既述したフッ素系高分子電解質を含有する電解質溶液(例えば、ナフィオン溶液、アルドリッチ社製:ナフィオンは商品名)をさらに混合することで、触媒インクが得られる。この触媒インクにおける電解質溶液は、触媒電極におけるアイオノマーとなる。
本実施例では、後述するように低加湿状況下で能力検査を行うのであり、このことは、低加湿状況下での触媒電極におけるガス拡散抵抗の低減を図ることにも繋がる。図2は相対湿度と触媒電極におけるガス拡散抵抗との関係を示すグラフである。触媒電極におけるガス拡散抵抗は、アノード・カソードの両触媒電極を電解質膜膜面に形成したMEAに水素ガス・空気を供給して発電した場合の電流密度Iと次の関係にある。
触媒電極のガス拡散抵抗=(4F x Po2)/(10RT x I) …式1
この式1において、Fはファラデー定数、Po2は酸素分圧、Rは気体定数、Tは温度であり、電流密度Iは、MEAに多孔質流路を備えたガス拡散層を介してアノード・カソードに水素ガス・空気を供給して0.15Vの電圧を得る場合の電流値である。
図2から判るように、触媒電極のガス拡散抵抗は、図中黒塗りドットで示されるMEAと白抜きドットで表されるMEAの両MEAにおいて、ガスの相対湿度が低い場合に共に大きい。その反面、ガスの相対湿度が40%を超えると、両MEAのガス拡散抵抗は共に低下すると共に、ガス拡散抵抗の差は小さくなる。つまり、ガスの相対湿度が40%を超える加湿状況では、触媒電極のガス拡散抵抗を定める電流密度Iにおいて差が小さく、電流密度Iの差(ガス拡散抵抗の差)は、40%以下の相対湿度でガス供給を図る場合に顕著となる。ガス拡散抵抗が小さければ、電流密度Iが大きく高い発電能力を担保できることと同義であるので、図2に示すよう、低加湿状況下での触媒電極におけるガス拡散抵抗の低減をもたらすよう、触媒インクを作製することが望ましい。触媒電極のガス拡散抵抗の低減は、電流密度Iの増大の観点から見ると、触媒電極において電気化学反応に関与する触媒(白金)の凝集抑制と、カーボン粒子自体の凝集(1次凝集)の抑制や凝集カーボン粒子の成長(2次凝集)の抑制が有益である。また、触媒電極におけるガス流路は、溶媒の除去乾燥を経てアイオノマー表面で形成されるので、このガス流路のアイオノマーによる物理的な閉塞抑制の観点から、溶媒におけるアイオノマー(ナフィオン)の分散性向上が有益である。このため、ステップS100の触媒インクの作製に際しては、触媒凝集抑制のためにインク作製時の溶液温度制御を行ったり、アイオノマーの分散性向上のための攪拌促進、例えば遠心分離や剪断力による分散促進を行うこととした。
次に、上記触媒インクを所定の基材に塗布して、基材上にアノードあるいはカソードとなる触媒電極(触媒層)を成膜する(ステップS110)。触媒インクを塗布する基材としては、後述する加熱プレス時の温度における耐熱性を有すると共に、触媒層との間の剥離性が良好であれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る基材を用いることができる。触媒インクの基材上への塗布は、例えば、スプレー法や、スクリーン印刷、あるいは、ドクターブレード法や、インクジェット法により行なうこともできる。これらの方法を用いることで、触媒インクを所望の厚みに塗布して所望の厚みの触媒層とすることができる。
上記のように触媒インクを塗布した後は、塗布した触媒インクを乾燥させる(ステップS120)。この乾燥により、触媒インクに含まれる溶媒は気化するので、乾燥後の触媒層は、その内部に微細な細孔としてのガス流路を有する多孔質な触媒電極となる。この触媒層の乾燥に際しては、溶媒気化後の多孔質ガス流路の閉塞抑制が触媒電極のガス拡散抵抗の低減に寄与する。よって、ステップS120においては、触媒インクに用いる有機溶媒の性質に応じて乾燥温度を定めたり、乾燥のための昇温速度調整や真空乾燥の採用等することにより、触媒電極のガス拡散抵抗の低減を図ることとした。
その後、ステップS120で基材上に形成した触媒層(触媒電極)と、既に準備済みの既述した電解質膜とを重ね合わせて積層し、積層状態で加熱プレスすることで、電解質膜の膜両面に触媒電極を接合させたMEAを作製する(ステップS130)。このMEA化では、触媒電極が電解質膜の膜面に熱圧転写されることになり、プレス後において基材が剥離除去される。ステップS130でのMEA化では、触媒層乾燥を経て触媒層内部に形成済みの多孔質のガス流路をプレス圧で不用意に閉塞させないようプレス圧力を例えば3MPa程度に調整したり、アイオノマーの不用意なガラス転移を起こさないようプレス温度を例えば120℃程度に調整する。こうすれば、MEA化においても、触媒電極のガス拡散抵抗の低減に寄与できる。
MEA作製に続いては、能力検査を行う(ステップS140)。この能力検査は、作製したMEAの全てについて行う必要はなく、定期的或いは不定期に検査対象MEAを抽出して行えばよい。そして、抽出したMEAについて、その能力としての電流密度Iを次のようにして測定する。まず、検査MEAを評価治具に取り付ける。評価治具は、検査MEAの1cm2の検査領域について、その両側にガス拡散層とガス供給流路部材とを接合し、上記検査領域のMEAに水素ガスと空気含有ガスを供給する。アノードへは、水素ガスを所定の相対湿度に加湿調整した上で500ml/minの流量で供給し、カソードについては、酸素と窒素の混合ガス(酸素含有ガス)を2%の酸素濃度に調整した上で水素ガスと同様に加湿調整し、500ml/minの流量で供給する。評価治具は、ガス温度を80℃とし、アノード・カソードの背圧を共に50KPaGとして上記のガス供給を図りつつ、検査MEAを0.15Vの電圧で発電させた場合の電流密度Iを測定する。
既述したように、測定した電流密度Iは、式(1)により触媒電極のガス拡散抵抗に換算され、図2に示すように、この換算したガス拡散抵抗とガス供給の際の相対湿度との関係が得られる。つまり、上記の評価治具にて、図2に示す相対湿度(25%、40%、65%、80%および100%)となるよう水素ガス・空気含有ガスを上記流量等の条件で供給して電流密度Iを測定し、測定電流密度Iから換算したガス拡散抵抗を、加湿調整した相対湿度に対してプロットすると、図2が得られる。
既述したように、図2の示す意味は、触媒電極のガス拡散抵抗は、相対湿度の増加と共に低減し、低加湿状況である40%以下の相対湿度では、検査対象となったMEAごとのガス拡散抵抗の差異が顕著となる。その一方、40%を超える相対湿度の高加湿状況でのガス供給では、供給されたガスに含まれる水分によるアイオノマーの濡れにより、アイオノマーでの電荷授受の促進の影響を受け、電流密度Iの向上、とこれに伴うガス拡散抵抗の低下が起きる。このため、検査対象となったMEAごとのガス拡散抵抗は小さくなり、その差異も小さくなる。このため、本実施例のステップS140での能力検査は、アノード・カソードに供給するガスの加湿状況を相対湿度40%以下の低加湿状況として、検査MEAの能力検査(電流密度I測定)を行うこととした。この能力検査により、図中黒塗りドットで示されるMEAは、相対湿度40%以下の低加湿状況でのガス拡散抵抗が大きい(即ち、電流密度Iが小さい)ので、低能力のMEAと判定され、白抜きドットで表されるMEAは、相対湿度40%以下の低加湿状況でのガス拡散抵抗が小さい(即ち、電流密度Iが大きい)ので、能力良好のMEAと判定される。この能力の良否判定は、図2より、ガス加湿状況が40%の相対湿度であれば200〜220s/mのガス拡散抵抗値を判定基準に下され、25%の相対湿度であれば300〜320s/mのガス拡散抵抗値を判定基準に下さる。
ここで、上記した相対湿度40%以下の低加湿状況下での能力検査の妥当性について説明する。図3はステップS140で能力良否判定を行ったMEAについての発電能力の差異を示す説明図である。この図3は、能力低判定MEAと能力良好判定MEAの両MEAのそれぞれを電池セルとして構成して電極面全域にて発電を行うようにして、発電能力としての発電電圧を測定した。つまり、両MEAのアノード・カソードの両電極面にカーボンペーパやカーボンクロス等からなるガス拡散層を接合し、このガス拡散層にガス流路部材を接合して、アノード・カソードに、ガス流路部材からガス拡散層を経て水素ガス・空気含有ガスを供給する。発電電圧の測定に際しては、アノード・カソードへのガス供給を、80℃のガス温度、100KPaGの背圧、500ml/minの流量で行いつつ、この際のガス加湿状況を露点温度50℃の加湿状況としてややドライな状態でガス供給を行った。そして、上記の条件でガス供給を図りつつ、能力低判定MEAと能力良好判定MEAの両MEAについて、電流密度が1.0A/cm2の電流が得られる場合の電圧を測定する。この測定結果が図3に示されている。
図3から明らかなように、ステップS140において低加湿状況下での能力判定により能力良好判定とされたMEAは、能力低判定のMEAより高い発電能力を備える。この発電能力は、ドライな状態でのガス供給を測ったものである。しかしながら、発電セルの発電運転の際にMEAの電解質膜の湿潤化の観点から求められる加湿状況下のガス供給であれば、その際の発電能力は、触媒電極のガス拡散抵抗の低減により(図2参照)、ドライなガス供給時の発電能力と同等、もしくはこれより向上する。
本実施例では、図1のステップS140で行う低加湿状況での能力検査を経て、能力良好判定のMEAを出荷する(ステップS150)。出荷されたMEAは、電池セルに組み込まれ、燃料電池を構成する。
以上説明したように、本実施例によれば、作製したMEAを、相対湿度が40%以下という低加湿状況下での能力検査に処する(ステップS140)。この能力検査の際のガス加湿は、電解質膜での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿程度より低い加湿状況である。そして、こうした低加湿状況での能力検査により良品判定となれば、図3に示すように、その良品のMEAを組み込んだ電池セル、延いては当該セルを積層した燃料電池では、低加湿状況下において発電能力を担保できることになる。
その一方、燃料電池の発電運転の際には、MEAの電解質での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿程度にまで高められたガス加湿状況でアノード・カソードにガス供給がなされる。つまり、燃料電池の発電運転の際には、図2に示す相対湿度40%を超える60%程度かそれ以上の加湿状況でガス供給がなされるので、供給されたガスに含まれる水分によるアイオノマー表面の濡れ程度やアイオノマーでの電荷授受の影響を受けてガス拡散抵抗は低くなる。そして、低ガス拡散抵抗下でのガス供給となることから、MEAの電解質での電気化学反応の進行を図る上から望ましい加湿状況であることと相まって、燃料電池は高い発電能力を発揮する。このことは、40%以下の相対湿度という低加湿状況での能力検査により良品判定されたMEAを組み込んだ電池セルを積層した燃料電池は、40%以下の相対湿度のガス加湿状況下より低いガス拡散抵抗となる高加湿状況下においても発電能力を担保できることを意味する。この結果、本実施例の能力検査によれば、発電能力担保を保証する能力検査の信頼性を高めることができる。
図2に示すよう、本実施例の能力検査により能力良好とされたMEAでは、相対湿度40%以下の場合のガス拡散抵抗と40%を超える相対湿度の場合のガス拡散抵抗との差が、能力低判定されたMEAより小さい。従って、低加湿状況下でのガス供給を行う場合と高加湿状況下でのガス供給を行う場合のガス拡散抵抗との差が小さいMEAは、発電能力担保の上で望ましいMEAであると言える。
また、本実施例では、MEAの作製過程において、触媒電極形成のための触媒インクの作製に当たり、インク作製時の溶液温度制御や攪拌促進等を行って、触媒(白金)の凝集抑制や、カーボン粒子自体の凝集(1次凝集)の抑制、凝集カーボン粒子の成長(2次凝集)の抑制、乾燥形成後の触媒電極におけるガス流路の閉塞抑制を行うようにした。このため、低加湿状況下での触媒電極におけるガス拡散抵抗を図2において白抜き矢印で示すように低減でき、低加湿状況下での発電能力を確保できる。
また、触媒インクの乾燥に当たっても、触媒インクに用いる有機溶媒の性質に応じた乾燥温度制御や昇温速度調整延いては真空乾燥の採用等により、低加湿状況下での触媒電極のガス拡散抵抗の低減を図り、低加湿状況下での発電能力を確保できる。加えて、電解質膜の両膜面に触媒電極を加熱プレスしてMEA化するに当たり、加温プレスの際の圧力や温度制御により、触媒層(触媒電極)内部のガス流路を不用意に閉塞させないようにしたり、プレス圧力を例えば3MPa程度に調整したり、アイオノマーの不用意なガラス転移を起こさないので、低加湿状況下での触媒電極のガス拡散抵抗の低減を図り、低加湿状況下での発電能力を確保できる。
次に、図1に示したMEA製造手順をステップS140の能力検査を除いて実施しつつ、この製造手順を踏襲して検査用に特化したMEAを作製して能力検査を行う点について説明する。図4は図1相当図であり検査特化のMEAの製造手順を検査手順を含んで示す手順図、図5は図4の製造手順の内容を模式的に示す説明図である。
図4の製造手順では、図1のステップS100〜130を踏襲して、触媒インク作製、触媒インク塗布、触媒層乾燥およびMEA作製を実施する(ステップS200〜230)。この場合、ステップS210の触媒インク塗布では、図1における触媒インク塗布の際のインク塗布量の約20%程度まで少なくして、少量のインク塗布による検査用に特化した触媒層とする。このように触媒層形成のための触媒インク量が少なければ、触媒層はこれを構成する触媒量、その担持体であるカーボン量、アイオノマーの量も少なくなり、当然に触媒層の厚みも薄くなる。このため、ステップS210の触媒インク塗布を経た検査特化の触媒層では、図5に示すように、ガス拡散抵抗は低下する。
ステップS200の触媒インク作製とステップS220の触媒層乾燥は、燃料電池に採用するMEA製造の際のステップS100の触媒インク作製とステップS120の触媒層乾燥と同一条件で行われている。そして、触媒インク作製時の溶液温度制御や分散程度および触媒層乾燥の際の温度制御は、既述したように低加湿状況下での触媒電極におけるガス拡散抵抗の低減に寄与する。しかも、インク塗布量低減によりそもそもガス拡散抵抗が小さいことから、触媒インク作製時の溶液温度制御や分散程度および触媒層乾燥の際の温度制御は、ガス拡散抵抗の低減に大きく影響する。
このため、ステップS130と同様にして低加湿状況下で行うステップS230の能力検査において能力低判定された場合(ガス拡散抵抗大)には、触媒インク作製時の溶液温度制御や分散程度および触媒層乾燥の際の温度制御を、ガス拡散抵抗の低減をもたらすよう反映させる(ステップS250)。よって、図4に示すように、触媒インクの塗布量を少なくした検査用のMEAを製造した上で、この検査用MEAについて低加湿状況で能力検査を行うようにすれば、検査の信頼性を高めることに加え、製品としてのMEAの発電能力確保の上から好適である。
本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施可能である。例えば、図2に示したMEA製造手順では、触媒層を触媒インクの塗布・乾燥を経て基材上に形成したが、触媒インクを電解質膜の膜面に直接塗布した上で乾燥させて、触媒層を形成するようにすることもできる。この場合には、例えば、触媒インクのスプレー塗布を昇温環境下で行うようにすれば、触媒インクの溶媒蒸発がスプレー塗布と並行して進むので、溶媒蒸発に伴うガス流路の閉塞を抑制でき、触媒電極のガス拡散抵抗の低減に有益となる。

Claims (1)

  1. 電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体の検査方法であって、
    前記膜電極接合体のアノードとカソードに燃料ガスと酸素含有ガスを供給して能力検査を行うに当たり、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスとを40%以下の相対湿度に加湿調整して供給する
    膜電極接合体の検査方法。
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