JP2010242946A - 伝動ベルト - Google Patents

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拓郎 森野
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Abstract

【課題】板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントの凹部に2本のリングを嵌め込んで環状に結束することにより構成する伝動ベルトにおいて、リングとエレメントとの耐久性が増し、組み付けが容易にできる伝動ベルトを提供する。
【解決手段】前記2本のリングRを、いずれも、前記2本のリングRの径方向の中心部分から前記リングRの内周側もしくは外周側ほど幅が狭くなるように、もしくは、前記リングRの径方向の中心部分から内周側および外周側に向けて幅が狭くなるように形成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントを無端環状のリングに組み付けて環状に結束することにより構成する伝動ベルトに関するものである。
一般に、複数の回転部材同士の間で動力の伝達を行う場合に用いる変速機として、変速比を段階的に変化させることができる有段変速機と、変速比を連続してすなわち無段階に変化させることができる無段変速機とがあり、後者の無段変速機としてはベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機などが知られている。このうち、ベルト式無段変速機は、駆動側プーリおよび従動側プーリの2組のプーリと、それらのプーリに巻き掛けられる伝動ベルトとを使用して変速比を無段階に変化させる変速機である。そのようなベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトとして、例えば、エレメントあるいはブロックなどと称される多数の板片をその板厚方向に互いに重ね合わせて環状に配列するとともに、それらの板片をリングあるいはバンドあるいはキャリアなどと称される環状の帯状体で環状に結束することにより、無端環状に形成されたベルトが知られている。
そのようなベルトが、駆動側および従動側の2組のプーリに巻き掛けられた状態で駆動側プーリが駆動されると、エレメントには、エレメントと駆動側プーリとの接触部分の摩擦力、および、駆動側プーリのトルクに応じて駆動側プーリからエレメントに対して加えられるエレメントの積層方向、すなわちエレメントの厚さ方向の圧縮力が作用する。そして、駆動側プーリに接触しているエレメントに伝達された圧縮力は、プーリに巻き掛けられていないエレメントを経由して、従動側プーリに接触しているエレメントに伝達される。この従動側プーリに接触しているエレメントに圧縮力が伝達されると、そのエレメントと従動側プーリとの接触部分の摩擦力、および伝達された圧縮力に応じて従動側プーリを回転させようとするトルクが発生する。このようにして、駆動側プーリと従動側プーリとの間で、ベルトを介して動力伝達が行われる。
上記のようなベルトの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている高負荷伝動ベルトは、センターベルトと耐側圧を補強するブロックとからなる伝動ベルトであって、具体的には、上端に係止部(抜け止め部)を有している2本のベルト側部およびそれらを下端で連結する連結部材により形成されたブロック(エレメント)と、そのエレメントの両係止部の間に開口している嵌合溝(凹部)に左右の抜け止め部によってエレメントから外れないように嵌め込まれている2本の無端キャリア(リング)とによって構成されている。また、そのエレメントの厚さ方向の一方の面に嵌合用凸部と他方の面にその凸部と適合する嵌合用凹部が設けられており、互いに隣接するエレメント同士がその嵌合用凸部と嵌合用凹部とを嵌り合わせることにより、エレメントがベルト走行中であっても整列するように構成されている。さらに互いに隣接するエレメント同士がその嵌合用凸部と嵌合用凹部とを嵌り合わせることにより、2本のリングを捻らせて組み付ける作業を容易にする。
特開2008−051322号公報
上記の特許文献1に記載されている伝動ベルトは、左右のベルト側部にリングとエレメントとを係止する抜け止め部がエレメント両端に形成されていて、それら左右のベルト側部の間に形成された凹部に2本のリングを嵌め込み、それら2本のリングが抜け止め部で係止されるように組み付けることにより、伝動ベルトを構成するようになっている。また図6に示すように、この2本のリングR2はリング周方向に対して垂直な断面が長方形状つまり四隅に直角を有する形状で構成され、またエレメントE2の嵌合溝100と左右の抜け止め部101,102とからなる内面は平面同士を直角に繋げた形状をしている。
この特許文献1に記載されている伝動ベルトのように、エレメントの凹部に2本のリングを組み付けて伝動ベルトを構成する場合、2列のリングを部分的に互いに重ね合わせた状態にする必要があるが、その場合には、例えば図7に示すように組み付ける際にリングR3の四隅が互いに干渉したり、エレメントE3の凹部103に設けられた突起部104と干渉する、すなわちエッジ当たりが発生し、組み付けの妨げになってしまう可能性がある。
また、エレメントE3の凹部103のコーナー部分に対して、リングR3のエッジ当りが発生すると、エレメントE3で発生する応力が高くなり、エレメントE3の耐久性が低下する要因となってしまう可能性がある。この対策として、例えば図8に示すように、2列のリングR4の内周面のエッジ105,106とエレメントE4とが接触する部位に隅逃げ部107,108を設けることが考えられる。しかしながらその場合は、隅逃げ部107,108が設けられた部分の強度・剛性が低下してしまう虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、2本のリングとそれら2本のリングを並列して収容する凹部が形成されたエレメントとを組み付けて伝動ベルトを構成する際に、各リング同士の対向するエッジ当たりを防止して伝動ベルトの組み付け性および耐久性を向上させることができる伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、2本のリングを収容する凹部が形成された多数のエレメントを環状に配列し、その環状に配列された多数のエレメント列における前記凹部に前記2本のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルトにおいて、前記2本のリングは、いずれも、前記2本のリングの径方向の中心部分から前記リングの内周側もしくは外周側ほど幅が狭くなるように、もしくは、前記リングの径方向の中心部分から内周側および外周側に向けて幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
また、請求項2の発明は、2本のリングを収容する凹部が形成されるとともにその凹部における左右の内壁面の開口端側に前記2本のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された多数のエレメントを前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記左右の抜け止め部の内周側に前記2本のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルトにおいて、前記2本のリングは、いずれも、前記2本のリングの径方向の中心部分から前記リングの内周側もしくは外周側ほど幅が狭くなるように、もしくは、前記リングの径方向の中心部分から内周側および外周側に向けて幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
さらに、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記凹部は、前記各内壁面と前記各抜け止め部の内周面および/または、前記2本のリングの内周面と対向する面とが、曲面により繋がるように形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
したがって、請求項1および2の発明によれば、2本のリングが径方向の中心層からその内周方向へ向けて、かつ/またはその外周方向へ向けて、リング幅が狭くなるように前記2本のリングが形成されていることにより、前記2本のリングからエレメントの凹部が受ける応力もしくはエレメントの凹部から前記2本のリングが受ける応力を軽減できる。また、これにより前記2本のリングとエレメントとの耐久性が向上する。
また、請求項3の発明によれば、前記エレメントに設けられた凹部は前記2本のリングの内周面と対向する面と前記2本のリングの側面と対向する面および/または前記2本のリングの側面と対向する面と前記2本のリングの外周面と対向する面が曲面により繋がっていることにより、エレメントの凹部および抜け止め部から前記2本のリングが受ける応力を軽減できる。これにより前記2本のリングの耐久性が向上する。また前記2本のリングからエレメントの凹部および抜け止め部が受ける応力を軽減できる。これにより前記エレメントの耐久性が向上する。
この発明で対象とする伝動ベルトの構成を示す模式図であって、その伝動ベルトの正面図である。 この発明で対象とする伝動ベルトの構成を示す模式図であって、その伝動ベルトを構成するエレメントの一部側断面図である。 この発明で対象とする伝動ベルトを構成するリングを重ね合わせた状態と並列させた状態とを説明するための模式図である。 この発明で対象とする伝動ベルトの他の構成例を示す模式図であって、その伝動ベルトの正面図である。 この発明で対象とする他の構成例の伝動ベルトを構成するリングを重ね合わせた状態と並列させた状態とを説明するための模式図である。 従来技術による伝動ベルトの構成の一例を示す模式図であって、その伝動ベルトの正面図である。 従来技術による伝動ベルトを構成するリングを重ね合わせた状態と並列させた状態とを説明するための模式図である。 従来技術の課題の対処の一例を説明するための伝動ベルトの構成を示す模式図であり、かつその伝動ベルトの正面図である。
(伝動ベルトの構成例)
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。初めに、この発明で対象とする伝動ベルトの構成を、図1ないし図3に基づいて説明する。図1ないし図3において、伝動ベルトBは、ベルト式無段変速機の駆動側(入力軸)プーリと従動側(出力軸)プーリとに巻き掛けられて、それらのプーリの間で動力を伝達するベルトの例を示している。そしてこの伝動ベルトBは、無端環状のリングRと、板状に成形された多数のエレメントEとから構成されている。
エレメントEは、例えば金属製の板片状の部材からなり、その幅方向(図1のx軸方向)における左右の側面1,2が、テーパ状の傾斜した面として形成された本体(基体)部3を有し、そのテーパ状に傾斜した両側面1,2が、ベルト式無段変速機の駆動側プーリあるいは従動側プーリであるプーリ4のベルト巻き掛け溝(V形溝)4aに摩擦接触してトルクを伝達するようになっている。
本体部3の幅方向(図1のx軸方向)における左右の両端部分に、本体部3の一部であって、エレメントEの上下方向(図1,図2のy軸方向)での上方に延びた左右の柱部5,6がそれぞれ形成されている。したがって、本体部3の図1,図2での上側のエッジ部分である上端面3aと、両柱部5,6の本体部3の幅方向における中央を向いた左右の内壁面5a,6aとによって、エレメントEの上側(図1での上側)すなわち伝動ベルトBの外周側に開口した凹部7が形成されている。
凹部7は、互いに密着して環状に配列されたエレメントEを環状に結束するための無端環状のリングRを、挿入して収容するための部分であり、したがって上端面3aが、リングRの内周面を接触させて載せるサドル面3aとなっている。
凹部7の左右の内壁面5a,6aの開口端(凹部7における伝動ベルトBの外周側の端部)部分、すなわち左右の柱部5,6の上端部分には、それぞれ、左右の先端面8a,9aがそれぞれ凹部7の幅方向(図1のx軸方向)における中央に向かって延びた左右の抜け止め部8,9が形成されている。そのため、図3に示すように凹部7の開口幅が、凹部7の開口端側では、対向する両先端面8a,9aの間の距離Wによって規定されている。そして、凹部7の底面7a(すなわちサドル面(上端面)3a)側では、両先端面8a,9a間の距離(開口幅)Wよりも広い開口幅Wとなっている。
また、凹部7の底面7aから柱部5,6の内壁面5a,6aは、それぞれ凹部7内の一点を通る直線を中心軸として円弧面を成す曲面により繋がっている。つまり、凹部7の底面7aから柱部5,6の内壁面5a,6aにかけて、内角隅が丸くなるように面取り(フィレット)されて曲面部5b,6bが設けられている。さらに、抜け止め部8,9は、凹部7の底面7aと対向する抜け止め部内壁面8b,9bを有する。そして、柱部5,6の内壁面5a,6aからこの抜け止め部内壁面8b、9bは、それぞれ凹部7内の一点を通る直線を中心軸として円弧面を成す曲面により繋がっている。つまり、柱部5,6の内壁面5a,6aからこの抜け止め部内壁面8b,9bにかけてフィレットされて曲面部5c,6cが設けられている。
また、エレメントEは、環状に配列された状態で上記のような2列に分割されたリングRによって結束されることにより伝動ベルトBを構成し、その状態で駆動側および従動側のそれぞれのプーリ4に巻き掛けられる。したがってプーリ4に巻き掛けられた状態では、各エレメントEが、プーリ4の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるため、各エレメントEの図1,図2での下側(環状に配列した状態での中心側)の部分が薄肉に形成されている。
具体的には、本体部3の一方の面(例えば図2における左側の面)における所定の位置から下側の部分、この構成例ではサドル面3aから下側の部分が削り落とされた状態で薄肉化されている。したがって、各エレメントEが環状に配列されて扇形に拡がって接触する状態になると、その板厚の変化する境界部分で隣り合う他のエレメントEと接触する。言い換えると、上記のように板厚の変化する境界部分が、各エレメントEがリングRと共に伝動ベルトBを構成してプーリ4に巻き掛けられた状態でプーリ4の中心に対して扇状に拡がる際に支点となる。すなわち、この境界部分のエッジがいわゆるロッキングエッジ12となっている。
なお、図2では、エレメントEのロッキングエッジ12よりも上側(環状に配列した状態での外周側)の厚肉部分に対して、ロッキングエッジ12よりも下側の部分がテーパ状に薄肉化された形状の構成例を示しているが、ロッキングエッジ12よりも下側の部分をロッキングエッジ12から下側の先端へ向けて階段状に薄肉化した形状に構成することもできる。
また、エレメントEの本体部3の幅方向における中央部分には、各エレメントEの相対的な位置を決めるためのボス部10とホール部11とが形成されている。具体的には、本体部3の一方の面側(図2の例では、ロッキングエッジ12のある面側)に凸となる円錐台形のボス部10が形成されている。そして、このボス部10とは反対側の面に、隣接するエレメントEにおけるボス部10を緩く嵌合(遊嵌)させる有底円筒状のホール部11が形成されている。
したがって、エレメントEが板厚方向に積層して配列された際に、隣接するエレメントEのそれぞれのボス部10とホール部11とが嵌合することによって、その状態におけるエレメントE同士の図1での左右方向および上下方向の相対位置を決めることができる。例えば、このエレメントEが用いられて構成された伝動ベルトBがプーリに巻き掛けられて運転される場合に、伝動ベルトBのがたつきを防止して伝動ベルトBを安定して走行させることができる。
ここで、このエレメントEと共に伝動ベルトBを構成するリングRは、例えば金属製の環状の帯状体を径方向に複数枚積層させて形成した、いわゆる積層リングであって、エレメントEにおける凹部7の内部で、2列に並列される2本の分割リング13と分割リング14とによって構成されている。これら各分割リング13,14は、例えば形状・寸法、材質、強度が等しい2本の金属製の積層リングにより形成されている。
また、各分割リング13,14はその厚さ方向(図1のy軸方向)のリングRの外周側に向けて幅が狭くなるように前記金属製の環状の帯状体を径方向に複数枚積層させて形成されている。さらに、各分割リング13,14はその厚さ方向(図1のy軸方向)のリングRの内周側に向けて幅が狭くなるように前記金属製の環状の帯状体を径方向に複数枚積層させて形成されている。つまり各分割リング13,14の径方向の側面部は、エレメントEの内壁面5a,6aと曲面部5b,6bと曲面部5c,6cとが成す面に沿った所定の隙間(クリアランス)を設けて分割リング側面13a,13bおよび分割リング側面14a,14bを構成している。そして、リングRの幅寸法(図3のx軸方向の寸法)D、すなわち各分割リング13,14が並列した状態での合計の幅寸法Dが、エレメントEの凹部7の開口幅Wよりも長く、開口幅Wよりも短い範囲内の値となるように各部の形状・寸法が設定されて形成されている。
したがって、エレメントEの凹部7の内部にリングRが収容された状態では、左右の抜け止め部8,9がリングRを係止することにより、エレメントEの凹部7からのリングRの離脱が防止される。具体的には、凹部7内に収容されたリングRが凹部7から離脱しようとすると、リングRの外周面13a,14aと凹部7に形成された抜け止め部8,9の内壁面8b,9bとがそれぞれ当接し、凹部7からのリングRの離脱が阻止される。また、リングRの径方向の側面部は、エレメントEの内壁面5a,6aと曲面部5b,6bと曲面部5c,6cとが成す面に沿った所定の隙間(クリアランス)を設けて分割リング側面13a,13bおよび分割リング側面14a,14bを構成している。
このクリアランスは、リングRを形成する金属製の環状の帯状体の中心層から伝動ベルトB(もしくはリングRの径方向)の外周側かつ内周側に向けて大きくなっている。これによりリングRの最内層リングと柱部6の接触、およびリングRの最外層リングと柱部6の接触が低減される。また、エレメントEの凹部7が曲面5b,5cおよび曲面6b,6cを有することとリングRが径方向の中心層から内周側かつ外周側に向けて幅が狭くなっていることによりエレメントEの凹部7とリングRとの接触面が広くなることから、エレメントEの内壁面5a,6aと曲面部5b,6bと曲面部5c,6cとが各分割リング13,14の径方向の側面部から受ける応力が分散される。さらにこれにより各分割リング13,14同士の接触も低減される。これらのことから、リングRおよびエレメントEの耐久性を向上できる。
そして、上記のように構成されたエレメントEと、2列に分割されたリングRとを組み付けることにより、伝動ベルトBが構成される。すなわち、環状に配列された状態の多数のエレメントEの凹部7に、具体的には凹部7の両抜け止め部8,9の内周側に、2列のリングRを嵌め込むことによりエレメントEとリングRとが組み付けられて、無端環状の伝動ベルトBが構成される。
なお、図4および図5に伝動ベルトBの他の構成例が示してある。この図4、図5に示す伝動ベルトB1は、特徴的な部位を除けば、図1から図3に示した伝動ベルトBとほぼ同じ形状をしているため、構成が同じ部位に関しては図中に同符号を付して、説明を省略する。以下、この伝動ベルトB1の特徴的な部位に関してのみ説明をする。この伝動ベルトB1はエレメントE1とリングR1とにより構成されている。そしてエレメントE1は、エレメントEが凹部7に曲面部5b,6bと曲面部5c,6cとを有する形状であったのに対して、凹部7がその底面7aと柱部5の内壁面5aと抜け止め部8,9との3つの平面同士がほぼ直角に連結されている構成となっている。一方、リングR1は、前述のリングRが径方向の中心層から内周側かつ外周側に向けて幅が狭くなっている構成であったのに対して、リングR1は径方向の外周側から内周側に向けて幅が狭くなっている。また図示していないが、リングR1は径方向の内周側から外周側に向けて幅が狭くなっている構成であってもよい。
(伝動ベルトの組み付け例)
この発明による伝動ベルトBの組み付け例を、図面に基づいて説明する。図3に示すように、この発明における伝動ベルトBは、2本のリングRをその幅方向に並列させた並列状態のリングRの幅(すなわち、分割リング13の幅と分割リング14の幅との合計)Dが、エレメントEの凹部7の開口幅Wよりも広くかつ開口幅Wよりも狭くなるように、各分割リング13,14の形状・寸法等が設定されている。そして、2本のリングRをその径方向に互いに重ね合わせた重ね合わせ状態にすることにより、リングRの幅を開口幅Wよりも狭くすることができるように、各分割リング13,14の形状・寸法等が設定されている。
すなわち、エレメントEの凹部7における開口幅WがリングRの幅Dよりも狭く、かつ開口幅WがリングRの幅Lよりも広くなるように、エレメントEおよびリングRが構成されていて、また、リングRの重ね合わせ状態の部分では、リングRの幅がエレメントEの開口幅Wよりも狭くなるように構成されている。そのため、リングRの周長方向における一部分を重ね合わせ状態にすることにより、その重ね合わせ状態の部分を左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9aの間、すなわち開口幅Wの部分を通過させて、2列のリングRを凹部7に嵌め込むことができるようになっている。
このようにして2本のリングRの各端面13b,14bが互いに離隔された後、それら2本のリングの各端面13b,14bが互いに離隔した状態のままで、2本のリングRの周長方向における一部分が重ね合わせ状態にされる。その後、リングRの重ね合わせ状態の部分が、エレメントEの凹部7における左右の抜け止め部8,9の内周側に嵌め込まれる。
そして、リングRの重ね合わせ状態の部分が、左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9aの間を通過させられて凹部7に、具体的には凹部7における左右の抜け止め部8,9の内周側に嵌め込まれた後に、凹部7に嵌め込まれたリングRの重ね合わせ状態の部分が並列状態に戻される。凹部7に嵌め込まれたリングRが並列状態に戻されることによって、凹部7内でリングRが両抜け止め部8,9で係止されて凹部7からのリングRの離脱が防止される。言い換えると、リングRが凹部7に嵌め込まれて係合される。すなわち、エレメントEとリングRとが組み付けられる。
上記のように、2本の分割リング13,14の重なる個所における各端面が互いに離隔され、その状態でリングRの周長方向における所定の一部分が重ね合わせ状態にされた後に、エレメントEとリングRとが組み付けられる作業が、リングRの周長方向に順次移動させられながら繰り返し実行される。そして、所望する全てのエレメントEの凹部7にリングRが嵌め込まれると、リングRの重ね合わせ状態が解消される。すなわちリングRの全体が並列状態にされる。その結果、全てのエレメントEの凹部7に、2本の分割リング13,14が並列されたリングRが係合されて、すなわち、全てのエレメントEとリングRとが組み付けられて、伝動ベルトBの組み付けが完了する。
以上のように、この発明による伝動ベルトBの組み付け方法によれば、2本の分割リング13,14とそれら2本の分割リング13,14を並列して収容する凹部7が形成されたエレメントEとを組み付ける場合、先ず初めに、2本の分割リング13,14の周長方向の一部分を径方向に互いに重ね合わせる際に2本の分割リング13,14の並列状態の部分と重ね合わせ状態にされる部分との境界になる重なり起点個所における2本の分割リング13,14同士の幅方向に対向する側の端面13b,14bが離隔した状態にされる。その後、それらの端面13b,14bが離隔した状態で、2本の分割リング13,14の一部分が重ね合わせ状態にされる。このようにリングRが重ね合わせ状態にされることにより、その部分のリングRの幅が短くなり、エレメントEの左右の抜け止め部8,9によって凹部7の開口幅が狭くなっている部分を通過させて抜け止め部8,9の内周側に2本のリングRを嵌め込むことができる。
上記の一連の組み付け作業を行う際に、2本の分割リング13,14はその厚さ方向(図5のy軸方向)の中心層から内周側かつ外周側に向けて幅が狭くなるように構成されていることにより、その2本の分割リング13,14同士の端面13b,14bを並列状態の部分から重ね合わせ状態にする作業を容易に行うことができる。すなわちリングRの幅方向での2本の分割リングそれぞれの可動範囲が広いことから、2本の分割リング13,14の一方をずらす作業が容易に行える。言い換えれば、リングRの重ね合わせ状態の部分では、分割リング13と分割リング14とが互いの側面部分で対面する際、各分割リング13,14が径方向の中心層から内周側かつ外周側に向けて、幅が狭くなるように形成されていることから、図4に示すように重ね合わせ時に、分割リング13,14の互いに対面させた側面部分の接触が低減できる。このため組み付けが容易に行える。
そして、2本のリングRを重ね合わせ状態にする場合に、初めに重なり起点個所における2本のリングR同士の幅方向に対向する側の各端面13b,14bが離隔した状態にされることにより、2本のリングRを互いに重ね合わせる際に重なり起点個所で2本のリングRの端面13b,14b同士が擦れ合って、あるいはエッジ当たりが発生して各端面13b,14bが損傷を受けてしまうことを防止することができ、その結果、伝動ベルトBの耐久性の低下を回避することができる。なお上記の組み付け例は、図4、図5に示した他の構成例である伝動ベルトB1の組み付けにも適用できる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわち、上述した具体例では、この発明で対象とする伝動ベルトが、ベルト式無段変速機に使用されている例を示しているが、この発明で対象とする伝動ベルトは、ベルト式無段変速機に限らず、ベルトとプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置の伝動ベルトにも適用することができる。
また、この発明で対象とする伝動ベルトを構成するエレメントEおよびE1は、分割リング13,14および15,16を収容する開口部である凹部7が、伝動ベルトBおよびB1の外周側に開口する構成となっているが、この発明で対象とする伝動ベルトを構成する分割リング13,14および15,16は、エレメントのリングを収容する開口部がエレメントの両側面に設けられた形状のものにも組み付けることができる。それにより分割リングがエレメントの開口部に当接する際に線接触の状態から面接触の状態になることから、分割リングおよびエレメントの耐久性、ひいては伝動ベルトの耐久性が向上する。
R,R1…リング、 7…凹部、 E,E1…エレメント、 B,B1…伝動ベルト、 8,9…抜け止め部。

Claims (3)

  1. 2本のリングを収容する凹部が形成された多数のエレメントを環状に配列し、その環状に配列された多数のエレメント列における前記凹部に前記2本のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルトにおいて、
    前記2本のリングは、いずれも、前記2本のリングの径方向の中心部分から前記リングの内周側もしくは外周側ほど幅が狭くなるように、もしくは、前記リングの径方向の中心部分から内周側および外周側に向けて幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 2本のリングを収容する凹部が形成されるとともにその凹部における左右の内壁面の開口端側に前記2本のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された多数のエレメントを前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記左右の抜け止め部の内周側に前記2本のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルトにおいて、
    前記2本のリングは、いずれも、前記2本のリングの径方向の中心部分から前記リングの内周側もしくは外周側ほど幅が狭くなるように、もしくは、前記リングの径方向の中心部分から内周側および外周側に向けて幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  3. 前記凹部は、前記各内壁面と前記各抜け止め部の内周面および/または、前記2本のリングの内周面と対向する面とが、曲面により繋がるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の伝動ベルト。
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