JP2010242720A - 摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタ - Google Patents

摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタ Download PDF

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Abstract

【課題】シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】油の吐き出し側の面圧を高めるために油の吐き出し側21,22が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である第1シール部材5及び第2シール部材30が、油の吐き出し側21,22が互いに逆向きになるようにボディ1及びプランジャ2の摺動部分に配置されているので、シール構造の両端で互いに異なる流体(即ち、プランジャ2の外部のオイル及び高圧室11に封入されるオイル)が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタに関する。
従来より、封入油が外部に流出すること及び外部油が内部に流入することを防止することができる密封型ラッシュアジャスタが知られている(例えば、特許文献1参照)。この密封型ラッシュアジャスタは、ボディと、プランジャと、プランジャに装着される第1のシール部材と、ボディから露出しているプランジャの一部をシールすると共にボディの開口端部とプランジャとの間に形成される隙間を覆う第2のシール部材とを備えている。この密封型ラッシュアジャスタでは、第1のシール部材が装着されたプランジャ2がボディに嵌挿され、プランジャが上下に摺動する。
第1シール部材の摺動接触面の圧力分布とボディ及びプランジャの間の油膜の厚さとの関係は、流体潤滑逆理論によって、下記式(1)、(2)のようになる。
Figure 2010242720
ここで、hopは、プランジャの押し工程時の油膜の厚さを示し、hoMは、プランジャの引き工程時の油膜の厚さを示す。また、|dp/dx|maxPは、プランジャの押し工程時の油圧側の最大接触圧力勾配を示し、|dp/dx|maxMは、プランジャの引き工程時の油圧側の最大接触圧力勾配を示す。Uは、プランジャの速度(cm/s)を示し、μは油の粘度(pa・s)を示す。このように、油膜の厚さhop,hoMは、油の粘度、プランジャの速度、及び最大接触圧力勾配で決定される。
密封型ラッシュアジャスタの速度関係は、伸び上がり速度>縮み速度であり、プランジャの速度関係は、引き工程の速度>押し工程の速度である。封入油の粘度>外部油の粘度となるように封入油及び外部油は決定される。
従って、この密封型ラッシュアジャスタでは、プランジャの引き工程時の油膜の厚さ(hoM)がプランジャの押し工程時の油膜の厚さ(hop)よりも大きくなる(hoM>hop)。
特開2008−223489号公報
密封型ラッシュアジャスタでは、上記流体潤滑逆理論によって、油膜の厚さを制御し、封入油が外部に流出すること及び外部油が内部に流入することを防止している。しかしながら、エンジンが高速運転の場合、リフトロス(縮み量)は数10μmと僅かであり、第1のシール部材は微少変形しか生じない。このため、上記流体潤滑逆理論におけるプランジャの速度差を利用した油膜の厚さの制御が実行しがたく、封入油が外部に流出するおそれ及び外部油が内部に流入するおそれがある。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の摺動部のシール構造は、対向する2つの面からなる摺動部にて流体を封止する摺動部のシール構造であって、流体吐出側が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である2つのシール手段が、双方の流体吐出側が互いに逆向きになるように前記摺動部に配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる。尚、摺動部は、ボディ及びプランジャの摺動面並びにボディ及びプランジャの間の隙間で構成されている。
また、本発明のラッシュアジャスタは、ボディ及びプランジャが互いに摺動すると共に流体を封止する摺動部と、流体吐出側が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である2つのシール手段とを備え、当該2つのシール手段が、双方の流体吐出側が互いに逆向きになるように前記摺動部に配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、2つのシール手段によるシール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、2つのシール手段の間の隙間に互いに異なる流体が流入することを防ぎ、双方の流体が混ざることを防止できる。尚、摺動部は、ボディ及びプランジャの摺動面並びにボディ及びプランジャの間の隙間で構成されている。
好ましくは、前記2つのシール手段は、前記プランジャに装着されるリング状の第1シール手段及び前記ボディに装着されるリング状の第2シール手段で構成され、前記第1シール手段の外径が前記第2シール手段の内径よりも小さく、且つ前記プランジャの下方に配置される高圧室側に向けて前記ボディの内径及び前記プランジャの外径が線形的に増加するような段差が、前記第1シール手段と前記第2シール手段との間の前記ボディ上及び前記プランジャ上の位置に設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1シール手段の外径は、第2シール手段の内径よりも小さいので、プランジャが高圧室側からボディに嵌挿される場合に、第1シール手段及び第2シール手段が互いに接触せず、第1シール手段及び/又は第2シール手段の破損を回避できる。また、高圧室側に向けてボディの内径及びプランジャの外径が線形的に増加するような段差が第1シール手段と第2シール手段との間のボディ上及びプランジャ上の位置に設けられているので、第1シール手段及び第2シール手段が互いに接触せず、第1シール手段及び/又は第2シール手段の破損を回避できる。さらに、プランジャが上昇する際に、第1シール手段と第2シール手段との間の隙間からオイルを掻き出す作用が、当該段差を有していないラッシュアジャスタにおけるその作用よりも大きくなり、第1シール手段と第2シール手段との間の隙間の密封性を確保できる。
好ましくは、前記2つのシール手段は、前記プランジャに装着されるリング状の第1シール手段及び前記ボディに装着されるリング状の第2シール手段で構成され、前記第1シール手段の外径が前記第2シール手段の内径よりも小さく、且つ前記プランジャの下方に配置される高圧室側に向けて前記ボディの内径及び前記プランジャの外径が線形的に減少するような段差が、前記第1シール手段と前記第2シール手段との間の前記ボディ上及び前記プランジャ上の位置に設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1シール手段の外径は、第2シール手段の内径よりも小さいので、プランジャが高圧室側からボディに嵌挿される場合に、第1シール手段及び第2シール手段が互いに接触せず、第1シール手段及び/又は第2シール手段の破損を回避できる。また、高圧室側に向けてボディの内径及びプランジャの外径が線形的に減少するような段差が第1シール手段と第2シール手段との間のボディ上及びプランジャ上の位置に設けられているので、第1シール手段及び第2シール手段が互いに接触せず、第1シール手段及び/又は第2シール手段の破損を回避できる。
本発明によれば、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。 (A)〜(C)は従来のシール部材の断面形状を示す図である。 第1シール部材5及び第2シール部材30の断面形状を示す図である。 プランジャ2が上昇する際の第1シール部材5及び第2シール部材30の面圧分布を示す図である。 (A)は、図2(C)の従来のシール部材の面圧分布を示す図であり、(B)は、第1シール部材5の面圧分布を示す図である。 図2(C)の従来のシール部材又は第1シール部材5とプランジャ2とが接触する際の摩擦力と圧力との関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。 図8内の領域Aの部分拡大図である。 本発明の第4の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。
図1のラッシュアジャスタ100は、基本構成としてボディ1と、プランジャ2と、チェック弁3と、プランジャスプリング4と、第1シール部材5と、ボールプラグ6と、キャップリテーナ7と、第2シール部材30とを有している。
ボディ1は円筒状の部材で構成されており、ボディ1にはプランジャ2が中心軸線と平行な方向で摺動自在に嵌挿されている。ボディ1の先端部には、プランジャ2の突出を規制するためのキャップリテーナ7が配設されている。このキャップリテーナ7は、プランジャ2の抜け止めとして機能し、外部から侵入するオイル(流体)を封止する機能は有していない。プランジャ2は、略円柱状の部材で構成されており、その内部にはリザーバ室10が形成されている。なお、リザーバ室10は適宜の形状に形成されていてよい。プランジャ2の先端側にはオイル(流体)を注入するための注入孔2aが形成されており、さらにこの注入孔2aには注入したオイルや気体を密封するためのボールプラグ6が圧入されている。オイルは規定量注入されており、リザーバ室10の残りの空間には気体(例えば製造雰囲気から得た空気など)が存在する。密封するオイルとしては、例えばシリコンオイルが適用される。
プランジャ2の後端部には、高圧室11と連通する連通孔2bが形成されており、さらにこの連通孔2bにはチェック弁3が配設されている。プランジャ2の後端側には高圧室11が形成され、この高圧室11にはプランジャスプリング4が配設されている。チェック弁3は、プランジャスプリング4がプランジャ2をその先端側(図2の上方向)へ突出するように付勢する際に開いて、リザーバ室10から高圧室11へのオイルの移動のみを許容し、その逆方向のオイルの移動を遮断する。
また、プランジャ2には、摺動面12からリザーバ室10に通じるリサイクル孔2cが、リザーバ室10側の開口部2fが使用状態で常にオイルの油面Lよりも高圧室11側になるように形成されている。なお、本実施の形態に係るラッシュアジャスタ100は、鉛直方向に対して45度傾斜した状態で内燃機関(不図示)に取り付けられるため、図1では油面Lを45度傾斜した状態で示している。
リサイクル孔2cは、中心軸線に向かって中心軸線と直交するように形成されており、プランジャ2の摺動面12には、リサイクル孔2cと同じ高さ(摺動方向における位置)で一周に亘って溝部2dが形成されている。さらに、プランジャ2の先端側の摺動面12には溝部2eが一周に亘って形成されており、この溝部2eには外部からのオイルの進入を防止するための第1シール部材5が配設されている。第1シール部材5は、ボディ1とプランジャ2との間の隙間をリサイクル孔2cの位置よりもプランジャ2の先端に近い位置でシールしている。第1シール部材5には、例えばXシール(具体的には、断面がX文字状である複数のリップを有するオイルシール)を適用できるが、これに限られずその他のシール用部品など適宜のシール手段を適用してよい。尚、Xシールの具体例は、特公昭62−29605号公報に開示されている。
ボディ1の内周面には、一周に亘って溝部1aが形成されており、この溝部1aには外部からのオイルの流入を防止するための第2シール部材30が配設されている。第2シール部材30の材質としては、例えばゴムが適用されるが、これに限らず、適宜の材質が適用されてもよい。
本実施の形態に係るラッシュアジャスタ100では、プランジャ2を大気側からボディ1に嵌挿する。
図2(A)〜(C)は従来のシール部材の断面形状を示す図であり、図3は第1シール部材5及び第2シール部材30の断面形状を示す図である。
図2(A)〜(C)に示すように、従来のシール部材の断面形状は、円形、D字形、又は、プランジャの摺動面に接触する突起を有する矩形のいずれかで構成されており、各断面形状は、中心線Cに対して対称形である。これに対して、第1シール部材5及び第2シール部材30の断面形状は、図3に示すように、面圧を高める側(即ち、オイルの吐き出し側21,22)が部分的に肉盗みされた形状であり、中心線Cに対して非対称形である。また、図3に示すように、第1シール部材5の油の吐き出し側21及び第2シール部材30の油の吐き出し側22が互いに逆向きになるように第1シール部材5及び第2シール部材30が配置されている。
図4は、プランジャ2が上昇する際の第1シール部材5及び第2シール部材30の面圧分布を示す図である。
図3に示すような断面形状を有する第1シール部材5及び第2シール部材30では、図4に示すように、第1シール部材5及び第2シール部材30のオイルの吐き出し側21,22の面圧が高くなる。即ち、吐き出し側21,22の最大接触圧力勾配が上がる。これにより、オイルの吐き出し側22の油膜の厚さは薄くなり、プランジャ2が上昇する過程でオイル(即ち、プランジャ2の外部のオイル)をラッシュアジャスタ100の外部へ掻き出すことができる。また、オイルの吐き出し側21の油膜の厚さも薄くなり、プランジャ2が上昇する過程でオイル(即ち、高圧室11に封入されるオイル)をラッシュアジャスタ100の内部へ戻すことができる。結果として、第1シール部材5及び第2シール部材30の間の隙間にオイルが溜まることはない。
図5(A)は、図2(C)の従来のシール部材の面圧分布を示す図であり、図5(B)は、第1シール部材5の面圧分布を示す図である。
図5(A),(B)に示すように、図2(C)の従来のシール部材の面圧は、半楕円形状であるが、第1シール部材5の面圧は偏りを有する半徳利形状である。このため、第1シール部材5の面圧は図2(C)の従来のシール部材の面圧よりも、吐き出し側21の最大接触圧力勾配が上がる。
図6は、図2(C)の従来のシール部材又は第1シール部材5とプランジャ2とが接触する際の摩擦力と圧力との関係を示す図である。尚、第2シール部材30とプランジャ2とが接触する際の摩擦力と圧力の関係は、第1シール部材5とプランジャ2とが接触する際の摩擦力と圧力の関係と同一である。
図6に示すように、第1シール部材5とプランジャ2とが接触する際の摩擦力は、図2(C)の従来のシール部材とプランジャ2とが接触する際の摩擦力よりも7〜12%下がる。従って、図3に示すような断面形状を有する第1シール部材5及び第2シール部材30を利用したラッシュアジャスタ100は、図2(C)の従来のシール部材を利用したラッシュアジャスタよりも伸び上がり性に優れ、ゼロラッシュ機能が保たれ、動弁系の騒音を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、油の吐き出し側の面圧を高めるために油の吐き出し側21,22が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である第1シール部材5及び第2シール部材30が、油の吐き出し側21,22が互いに逆向きになるようにボディ1及びプランジャ2の摺動部分に配置されているので、シール構造の両端で互いに異なる流体(即ち、プランジャ2の外部のオイル及び高圧室11に封入されるオイル)が利用される場合に、双方の流体が混ざることを防止できる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態と比べてラッシュアジャスタの構造が異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。
図7のラッシュアジャスタ101は、図1のラッシュアジャスタ100と比べて、ボディ1の形状が異なる。尚、図7では、ラッシュアジャスタ101が最伸張状態である場合を示す。
ラッシュアジャスタ101の筐体は、ボディ1と蓋部8とで構成されている。図1のラッシュアジャスタ100では、プランジャ2を大気側からボディ1に嵌挿するが、ラッシュアジャスタ101では、プランジャ2を高圧室側からボディ1に嵌挿する。プランジャ2がボディ1に嵌挿された後、蓋部8がボディ1に圧入され、溶接により蓋部8及びボディ1が合体する。これにより、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触せずに、プランジャ2をボディ1に嵌挿することができ、第1シール部材5及び/又は第2シール部材30の破損を回避できる。
本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態と比べてラッシュアジャスタの構造が異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。
図8のラッシュアジャスタ102は、図1のラッシュアジャスタ100と比べて、第1シール部材5及び第2シール部材30並びに溝部2e及び溝部1aの配置関係、並びにボディ1及びプランジャ2の形状が異なる。尚、図8では、ラッシュアジャスタ102が最伸張状態である場合を示す。
ラッシュアジャスタ102の筐体は、ボディ1と蓋部8とで構成されている。図1のラッシュアジャスタ100では、プランジャ2を大気側からボディ1に嵌挿するが、ラッシュアジャスタ102では、プランジャ2を高圧室側からボディ1に嵌挿する。プランジャ2がボディ1に嵌挿された後、蓋部8がボディ1に圧入され、溶接により蓋部8及びボディ1が合体する。
第1シール部材5及び第2シール部材30はリング状に構成されている。また、図9に示すように、第1シール部材5及び第2シール部材30は油の吐き出し側21,22が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である。また、プランジャ2をボディ1に嵌挿する際に、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触しないように、第1シール部材5の外径は、第2シール部材30の内径よりも小さい。
第1シール部材5及び第2シール部材30並びに溝部2e及び溝部1aは、ラッシュアジャスタ102が最伸張状態又は最収縮状態である場合でも、互いに接触しないように配置されている。また、第1シール部材5及び溝部2eは、第2シール部材30及び溝部1aの位置よりも大気に近い位置(即ち大気側)に配置されており、この配置関係はラッシュアジャスタ100の作動中も維持される。
また、ボディ1及びプランジャ2には、高圧室側に向けてボディ1の内径及びプランジャ2の外径が増加するような段差1h及び2hが設けられている。段差1h及び2hは、高圧室側に向けてボディ1の内径及びプランジャ2の外径が線形的に(リニアに)増加するように構成されている。さらに、段差1h及び2hは、第1シール部材5及び第2シール部材30の間に形成されている。
ラッシュアジャスタ102では、プランジャ2が高圧室側から上昇する場合に、第1シール部材5及び第2シール部材30の間の隙間内の圧力が高まり、オイルを当該隙間から掻き出す作用が生じる。加えて、段差1h及び2hが設けられているので、プランジャ2をボディ1に嵌挿する際に、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触することはなく、プランジャ2をボディ1に嵌挿し易い効果がある。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、第1シール部材5の外径は、第2シール部材30の内径よりも小さく、且つ高圧室側に向けてボディ1の内径及びプランジャ2の外径が線形的に増加するような段差1h,2hが第1シール部材5と第2シール部材30との間のボディ1上及びプランジャ2上の位置に設けられているので、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触せず、第1シール部材5及び/又は第2シール部材30の破損を回避できる。さらに、プランジャ2が上昇する際に、第1シール部材5と第2シール部材30との間の隙間からオイルを掻き出す作用が、ラッシュアジャスタ100におけるその作用よりも大きくなり、第1シール部材5と第2シール部材30との間の隙間の密封性を確保できる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態と比べてラッシュアジャスタの構造が異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るラッシュアジャスタを模式的に示す図である。
図10のラッシュアジャスタ103は、図1のラッシュアジャスタと比べて、ボディ1及びプランジャ2の構造が異なる。尚、図10では、ラッシュアジャスタ103が最伸張状態である場合を示す。
ラッシュアジャスタ103では、プランジャ2をボディ1に嵌挿する際に、第1シール部材5及び第2シール部材30が互いに接触しないように、第1シール部材5が配置されているプランジャ2の下端(即ち高圧室11側)の外径をその上端の外径(即ち大気側)よりも小さくした段差構造とし、ボディ1の下端(即ち高圧室11側)の内径をその上端の内径(即ち大気側)よりも小さくした段差構造としている。この段差構造は、第1シール部材5及び第2シール部材30の間に形成されており、高圧室側に向けてボディ1の内径及びプランジャ2の外径が線形的に(リニアに)減少するように構成されている。
本実施の形態のラッシュアジャスタ103は、第3の実施の形態のラッシュアジャスタ102と異なり、プランジャ2の伸び上がり速度が縮み速度よりも大きいことを利用した流体潤滑逆理論に従った油膜コントロールを行う基本構成のもとで、上述した油の吐き出し側21,22が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である第1シール部材5及び第2シール部材30を備えている。尚、ラッシュアジャスタ103は、ラッシュアジャスタ100と同様に、ボディは一体構造になっている。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、第1シール部材5の外径は、第2シール部材30の内径よりも小さく、且つ高圧室側に向けてボディ1の内径及びプランジャ2の外径が線形的に減少するような段差が第1シール部材5と第2シール部材30との間のボディ1上及びプランジャ2上の位置に設けられているので、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触せず、第1シール部材5及び/又は第2シール部材30の破損を回避できる。
尚、第1〜第4の実施の形態では、ラッシュアジャスタが使用されたが、本発明はラッシュアジャスタに限定されるものではなく、2つシール部材を用いるシール構造の両側で異なる流体を使用する構成物に適用してもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
1 ボディ、2 プランジャ、3 チェック弁、4 プランジャスプリング、5 第1シール部材、6 ボールプラグ、7 キャップリテーナ、30 第2シール部材、100,101,102,103 ラッシュアジャスタ

Claims (4)

  1. 対向する2つの面からなる摺動部にて流体を封止する摺動部のシール構造であって、
    流体吐出側が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である2つのシール手段が、双方の流体吐出側が互いに逆向きになるように前記摺動部に配置されていることを特徴とする摺動部のシール構造。
  2. ボディ及びプランジャが互いに摺動すると共に流体を封止する摺動部と、
    流体吐出側が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である2つのシール手段とを備え、
    当該2つのシール手段が、双方の流体吐出側が互いに逆向きになるように前記摺動部に配置されていることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  3. 前記2つのシール手段は、前記プランジャに装着されるリング状の第1シール手段及び前記ボディに装着されるリング状の第2シール手段で構成され、
    前記第1シール手段の外径が前記第2シール手段の内径よりも小さく、且つ前記プランジャの下方に配置される高圧室側に向けて前記ボディの内径及び前記プランジャの外径が線形的に増加するような段差が、前記第1シール手段と前記第2シール手段との間の前記ボディ上及び前記プランジャ上の位置に設けられていることを特徴とする請求項2のラッシュアジャスタ。
  4. 前記2つのシール手段は、前記プランジャに装着されるリング状の第1シール手段及び前記ボディに装着されるリング状の第2シール手段で構成され、
    前記第1シール手段の外径が前記第2シール手段の内径よりも小さく、且つ前記プランジャの下方に配置される高圧室側に向けて前記ボディの内径及び前記プランジャの外径が線形的に減少するような段差が、前記第1シール手段と前記第2シール手段との間の前記ボディ上及び前記プランジャ上の位置に設けられていることを特徴とする請求項2のラッシュアジャスタ。
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