JP2010241977A - ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物及びその添加剤 - Google Patents

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豊治 松原
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Abstract

【課題】炭酸カルシウム等の無機系フィラーが配合された系において、低シェア粘度と高シェア粘度のどちらの条件においても少ない添加量で減粘効果が大きく、かつ粘度の経時変化を少なくする。
【解決手段】特定の構造を有するリン酸エステルを含有するポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物用添加剤。リン酸エステルは、アリールリン酸エステル(ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステルも含む)であって、アリール基がベンジル基、1−フェニルエチル基、クミル基から選ばれる。部分エステルである場合はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤、及びそれを含有し、減粘効果が大きく、かつ粘度の経時変化が少ないポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物に関する。
ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は、塩化ビニル等のモノマーを乳化重合やミクロ懸濁重合して得られた樹脂ラテックスを噴霧乾燥した樹脂粉体と、フタル酸ジオクチル(DOP)やフタル酸ジイソノニル(DINP)等の可塑剤、希釈剤、炭酸カルシウム等の無機系フィラー、顔料、難燃剤、安定剤等を混練してゾルを調製することで得られるものである。そして、ペーストコーティングやディッピングといった方法により加工することで、最終的なポリ塩化ビニル系樹脂製品となる。
かかるポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物においては、コスト低減、強度の向上のために炭酸カルシウム等の無機系フィラーを多量に配合することがある。しかしながら、無機系フィラーを多量に含んだポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は高粘度となり、加工時に十分な作業性、加工性が得られないといった問題が生じる。
高粘度のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物の粘度を下げるために、減粘剤としてアルキルベンゼン、ミネラルスピリット、パラフィンなどの炭化水素系化合物、高級アルコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどを用いることが知られている。また、下記特許文献1には、特定の炭素数を持つ脂肪酸エステル又はポリアルキレングリコールアルキルエーテルと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボキシレートとを併用した減粘剤が、下記特許文献2には、飽和脂肪族モノカルボン酸と分岐鎖脂肪族モノアルコールとのエステルと融点0℃以下の炭化水素を併用した減粘剤が、下記特許文献3には、エチレングリコールモノアルキルエーテル脂肪酸エステルからなる減粘剤が、それぞれ開示されている。
しかしながら、これらの減粘剤を用いた場合、低シェアでは減粘効果は見られるが、高シェアでは十分な減粘効果が見られず、また粘度の経時安定性が不十分である。あるいはまた、低シェア及び高シェアでの減粘効果が認められるものでも、その効果が未だ不十分であって、十分な性能を得るためには減粘剤の添加量が多くなり、コストアップに繋がるといった問題点が残されている。
特開2001−335696号公報 特開2004−323624号公報 特開2007−031664号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、炭酸カルシウム等の無機系フィラーが配合された系において、低シェア粘度と高シェア粘度のどちらの条件においても少ない添加量で減粘効果が大きく、かつ粘度の経時変化が少ないポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤、及びそれを含有する低粘性のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤は、下記一般式(1)で表されるリン酸エステルを含有するものである。また、本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は、該ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤とポリ塩化ビニル系樹脂を含有するものである。
Figure 2010241977
本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤であると、特に炭酸カルシウム等のフィラーが配合された系において、汎用のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤に比べて、高シェア粘度及び低シェア粘度の双方の減粘効果に優れ、かつ粘度の経時変化を少なくすることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。以下の説明において、特に限定しない限り「部」は重量部をあらわす。
[ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤]
本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤は、上記一般式(1)で表される化合物を含有する。この一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、上記Xがフェニル基であるフェニルフェニルリン酸エステル(ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテルリン酸エステルも含む。)、上記Xがベンジル基であるベンジルフェニルリン酸エステル(ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテルリン酸エステルも含む。)、上記Xが1−フェニルエチル基であるスチレン化フェニルリン酸エステル(ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステルも含む。)、上記Xがクミル基であるクミルフェニルリン酸エステル(ポリオキシアルキレンクミルフェニルエーテルリン酸エステルも含む。)、及びこれらの塩が挙げられる。これらはそれぞれ単独でも、2種以上混合して用いることもできる。
上記Xで表されるフェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基及びクミル基は、リン原子に酸素原子又はオキシアルキレン基を介して結合されたフェニル基に対し、通常、そのオルト位及び/又はパラ位に付加結合される。この付加数には通常、分布があり、従って、上記lで表されるXの付加数は平均値で1〜3である。減粘効果の面からより好ましくは、lの平均値が1.5以上であり、特に好ましくは2以上である。
上記Rを含むオキシアルキレン基は、オキシエチレン、オキシプロピレン又はオキシブチレンを表し、これらは繰り返し単位毎に同一でも異なってもよい。また、異なる場合、それらはランダム付加でも、ブロック付加でもよい。上記mで表されるオキシアルキレン基の繰り返し単位数(付加モル数)は、平均値で0〜30である。mが30を超えると、減粘効果が低下する。m=0であること、即ち、リン酸エステルはオキシアルキレン基を持たないものであってもよい。mは、減粘効果の面から0〜15であることがより好ましい。
上記Mは、水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属の金属原子、又はアンモニウムを表し、Mが金属原子又はアンモニウムであることでリン酸エステル塩となる。金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられる。アンモニウムとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアンモニウムが挙げられる。Mは、リン酸エステルの1分子中に2つ存在する場合、それらは互いに同一でも異なるものでもよく、上記記載のものを2種類以上混合して用いることもできる。
上記nは、リン酸エステルの置換数を表し、よって前記リン酸エステルはモノエステルでもジエステルでもよい。上記置換数nには通常、分布があり、上記一般式(1)では、平均値で1〜2である。nは、減粘効果の面から1.5以下であることがより好ましい。
本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤は、上記一般式(1)で表されるリン酸エステルに、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般式(1)で表される化合物を得る際の未反応物や、一般的に用いられているアルキルベンゼンやミネラルスピリット、パラフィンなどの炭化水素系化合物、陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の減粘剤を含有していても良い。
[ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物]
本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂と、上記ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤とを含有するものである。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂は、ポリ塩化ビニル、又は塩化ビニルモノマーを主体とするこれと共重合可能なモノマーとの共重合体であり、特には、重合度が約600〜約4000の範囲内にあるポリ塩化ビニル又は塩化ビニル系共重合体が好ましい。塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸,(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。重合度は、JIS K7252−1に基づき数平均分子量を測定し、モノマー分子量と数平均分子量に基づき算出される値である。
ポリ塩化ビニル系樹脂を得る方法としては、乳化重合、ミクロ懸濁重合等が挙げられ、これらにより得られた重合体の水分散体を乾燥することにより、ポリ塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物中におけるポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤の含有量は、上記リン酸エステルの含有量として、減粘効果、経済性及び最終製品の性能面の観点より、ポリ塩化ビニル系樹脂100部に対して、0.5〜10部が好ましく、さらに好ましくは1〜5部である。
本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物中には、充填剤として、無機系フィラーを配合することができる。無機系フィラーとしては、一般的に炭酸カルシウムが挙げられるが、他にもタルク、シリカ、クレー、珪酸カルシウム、アルミナ、硫酸バリウム等を用いてもよい。無機系フィラーの添加量は、減粘効果や最終製品の性能面から、ポリ塩化ビニル系樹脂100部に対し、10〜400部の添加が好ましい。
また、本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物には、可塑剤を配合することができる。可塑剤としては、汎用可塑剤であるDOP(ジオクチルフタレート)やDINP(ジイソノニルフタレート)をはじめとするフタル酸エステル系の他、トリメリット酸エステル系、アジピン酸エステル系、アゼライン酸エステル系、セバチン酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系、脂肪酸エステル系、ピロメリット酸エステル系可塑剤などが挙げられる。可塑剤の配合量は、最終製品の性能面から、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、10部〜150部が好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物には、上記成分以外に、従来公知の減粘剤を用いてもよい。従来公知の減粘剤としては、例えば、アルキルベンゼン、ミネラルスピリット、パラフィンなどの炭化水素系化合物、高級アルコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。そして、上記従来公知の減粘剤の配合量は、本発明の減粘剤効果が阻害されない範囲内であれば特に限定するものではない。本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物には、また、安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、着色剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂に充填剤、可塑剤、減粘剤、添加剤等を添加し、通常用いられるリボンブレンダー、スーパーミキサー、ディスパー、ディゾルバーなどで攪拌することにより得られる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂としてZEST PQ83(重合度700、新第一塩ビ(株)製)、可塑剤としてDINP(サンソサイザーDINP、新日本理化(株)製)、炭酸カルシウム(NCC−110、日東粉化(株)製)、酸化チタン(タイペークWHITE、R−680、石原産業(株)製)、Ba/Zn系安定剤(アデカタブFL−44、アデカ(株)製)、発泡剤(ビニホールAC#1C、永和化成工業(株)製)、およびポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤(減粘剤)を表1の配合比にて配合し、撹拌機にて5分間、1000rpmで撹拌を行った後、減圧下で脱泡して調製した。
Figure 2010241977
実施例及び比較例に用いたポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物用添加剤(減粘剤)は、下記表2(実施例)及び表3(比較例)の通りであり、これを下記表4のようにそれぞれ単独又は組み合わせて同表に記載の配合量にて添加した。
Figure 2010241977
Figure 2010241977
実施例及び比較例の各減粘剤は下記の方法により調製した。
[減粘剤A]
オートクレーブにフェニルフェノール(フェニル基平均付加数1.0)を171部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド44部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン59部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水5.4部を添加して2時間反応を行った。80℃を維持しながら、モノエタノールアミン49部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Aを得た。
[減粘剤B]
オートクレーブにベンジルフェノール(ベンジル基平均付加数1.2)を203部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、プロピレンオキサイド174部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン50部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、25%アンモニア水34部を添加し、2時間撹拌して減粘剤Bを得た。
[減粘剤C]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数1.0)を199部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド132部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン54部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水3.6部を添加して2時間反応を行い減粘剤Cを得た。
[減粘剤D]
オートクレーブにクミルフェノール(クミル基平均付加数1.0)を213部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド220部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応行った。80℃を維持しながら水酸化ナトリウム16部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Dを得た。
[減粘剤E]
オートクレーブにフェニルフェノール(フェニル基平均付加数2.1)を256部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、プロピレンオキサイド116部を導入し、反応温度を維持しながら1時間熟成した。続いて、エチレンオキサイド132部を導入、1時間熟成し、70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン64部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水7.2部を添加して2時間反応を行い減粘剤Eを得た。
[減粘剤F]
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にベンジルフェノール(ベンジル基平均付加数1.9)を267部に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応を行い減粘剤Fを得た。
[減粘剤G]
オートクレーブにベンジルフェノール(ベンジル基平均付加数2.0)を276部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド220部とプロピレンオキサイド290部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン59部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水5.4部を添加して2時間反応を行い減粘剤Gを得た。
[減粘剤H]
オートクレーブにベンジルフェノール(ベンジル基平均付加数2.2)を294部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド880部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン54部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、水酸化カリウム21部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Hを得た。
[減粘剤I]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数2.0)を304部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、プロピレンオキサイド174部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン59部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水5.4部を添加して2時間反応を行い減粘剤Iを得た。
[減粘剤J]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数2.1)を315部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド308部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン50部を仕込み80℃で3時間反応を行い減粘剤Jを得た。
[減粘剤K]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数2.2)を325部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド308部とプロピレンオキサイド464部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン54部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、モノエタノールアミン43部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Kを得た。
[減粘剤L]
オートクレーブにクミルフェノール(クミル基平均付加数2.1)を344部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド440部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン71部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水9部を添加して2時間反応を行い減粘剤Lを得た。
[減粘剤M]
オートクレーブにベンジルフェノール(ベンジル基平均付加数3.0)を367部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド440部とプロピレンオキサイド870部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン64部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水7.2部を添加して2時間反応を行った。80℃を維持しながら、ジエタノールアミン95部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Mを得た。
[減粘剤N]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数2.9)を399部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド220部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン54部を仕込み80℃で3時間反応、続いて水3.6部を添加して2時間反応を行い減粘剤Nを得た。
[減粘剤O]
オートクレーブに1−フェニルエチルフェノール(1−フェニルエチル基平均付加数3.0)を451部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド1320部を導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン50部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、トリエタノールアミン89部を添加し、1時間撹拌して減粘剤Oを得た。
[比較減粘剤P]
オートクレーブにラウリルアルコールを186部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド132部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、モノエタノールアミン49部を添加し、1時間撹拌して比較減粘剤Pを得た。
[比較減粘剤Q]
オートクレーブにオレイルアルコールを268部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、プロピレンオキサイド290部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。次に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応を行い比較減粘剤Qを得た。
[比較減粘剤R]
オートクレーブにノニルフェノールを220部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド220部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。次に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応を行い比較減粘剤Rを得た。
[比較減粘剤S]
オートクレーブにノニルフェノールを220部と、触媒として水酸化カリウムを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ100℃で減圧脱水を行った。130℃に昇温した後、エチレンオキサイド220部を導入した。導入終了後、反応温度を維持しながら1時間熟成した。70℃になるまで冷却した後、乳酸にて中和した。
次に、五酸化二リン47部を仕込み80℃で3時間反応を行った。80℃を維持しながら、25%アンモニア水34部を添加し、2時間撹拌して比較減粘剤Sを得た。
[比較減粘剤T]
撹拌機を備えた容器にオレイン酸メチルエステル(エキセパールM−OL、花王(株)製)100部とオレイン酸2−エチルヘキシルエステル(エキセパールEH−OL、花王(株)製)100部を加え混合して比較減粘剤Tを得た。
[比較減粘剤U]
撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器にオレイン酸メチルエステル285部とエチレングリコールモノブチルエーテル118部、触媒としてパラトルエンスルホン酸を仕込んだ後、窒素を導入しながら130℃で6時間反応を行った。70℃まで冷却後、水酸化カリウムで中和を行いオレイン酸エチレングリコールモノブチルエーテルエステルを得た。これにオレイン酸2−エチルヘキシルエステル386部を加え混合して比較減粘剤Uを得た。
得られたポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物について、下記方法で粘度及び分散状態を評価した。結果を表4に示す。
[ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物の粘度]
ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物を25℃の恒温室に放置して2時間放置後、および3日間放置後に粘度を測定した。粘度測定はブルックフィールドB型粘度計で、No.4ローターを用い、6rpm(低シェア)及び60rpm(高シェア)で粘度を測定した。なお、高シェアでは10000mPa・s以上の粘度は測定不能であるため、その場合は、「10000<」と表示した。
また、6rpmにおける、2時間後と3日後の粘度の変化率を下記式にて算出し、結果を表4に記載した。
変化率(%)=(3日後の粘度)×100/(2時間後の粘度)
[発泡セルの分散状態]
ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物を成形枠(幅15cm、長さ15cm)に厚さ0.5mmとなるように流し込み、200℃、5分間加熱してシートを作成。シート表面を肉眼で観察し発泡セルの分散状態を、
◎:発泡セルが均一に分散
○:極僅かに分散不良
△:一部が分散不良
×:分散不良
の4段階で評価した。
Figure 2010241977
表4から分かるように、本発明品に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤(減粘剤)を添加したポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物であると、炭酸カルシウム等のフィラーが多量に配合された系でありながら、汎用の減粘剤に比べ、半分以下の添加量でも、高シェア粘度及び低シェア粘度の双方において減粘効果が大きく、かつ粘度の経時変化が少なかった。しかも、成形後の発泡セルの分散状態についても良好であった。
本発明に係るポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物用添加剤は、ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物に配合することで、その高シェア及び低シェアの粘度を大きく低減させ、また粘度の経時変化を少なくすることができるので、壁紙、玩具、床材、手袋、シーリング材などの各種用途に用いられる塩化ビニル系ペースト樹脂に好適に用いられる。

Claims (2)

  1. 下記の一般式(1)で表されるリン酸エステルを含有することを特徴とするポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤。
    Figure 2010241977
  2. ポリ塩化ビニル系樹脂及び請求項1に記載のポリ塩化ビニル系ペースト樹脂用添加剤を含有することを特徴とするポリ塩化ビニル系ペースト樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104045822A (zh) * 2013-03-15 2014-09-17 赢创工业集团股份有限公司 磷酸酯、及其制备和用途
US10696767B2 (en) 2016-02-09 2020-06-30 Tosoh Corporation Vinyl chloride-vinyl acetate copolymer particles and automobile underbody coating agent

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