JP2010241941A - 水系速乾塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
作業時に臭気を発生せず、環境に優しく、産業廃棄物を有効活用でき、さらに、水系塗料の欠点である速乾性に優れる水系速乾塗料組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明は、水分散性ポリエステルを保護コロイドとし、エチレン性不飽和単量体組成物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン、貝殻焼成物及び乳化剤を含有することを特徴とする水系速乾塗料組成物に関する。貝殻焼成物はホタテ殻焼成物であることが好ましい。ホタテ殻焼成物は、樹脂エマルジョンに対して1質量%〜50質量%使用することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水系速乾塗料組成物に関する。
近年、自然や人間環境への負担低減の面から、溶剤系塗料の水系化が強く望まれている。しかし、通常、水系塗料は溶剤系塗料に比べ、速乾性に劣るという大きな欠点があるため、使用上の制約が多い。そこで、使用用途にあった様々な改良手段が提案されている。例えば、路面表示用塗料、フロアーポリッシュ、印刷インキ等の用途において、揮発性塩基を用い、pHが変化することによるアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとのイオンコンプレックスを利用したものが数多く提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。これらの速乾システムは揮発性塩基が必須であり、作業時の臭気が強く、さらに、塗布した塗料表面からゲル化が進行するため、厚膜塗布した場合、塗料表層のみが膜形成し、塗料中間層のゲル化が大幅に遅延する問題がある。上記問題を解決すべく、路面に塗布した塗料上に、水と反応し発熱する無機物を散布する方法が提案されており(例えば、特許文献4を参照)、また、水に不溶でアルカリ水溶液に可溶である金属化合物水溶液を塗布した塗料上に散布する方法が提案されている(例えば、特許文献5を参照)。しかし、これらは塗膜表面を完全に覆う必要があり、さらに、散布する作業工程が増すため、作業性に難がある。ところで、有害化学物質の吸着除去や抗菌性などの機能を持たせることを目的として、ホタテなどの貝殻粉末を含有させた塗料が提案されている(例えば、特許文献6〜10を参照)。
特開2002−309158 特開2004−168998 特開2001−329182 特開2004−244467 特開2008−7745 特開平8−12906 特開2001−9978 特開2003−73626 特開2009−13376 再表2004−089092
従って、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、作業時に臭気を発生せず、環境に優しく、産業廃棄物を有効活用でき、さらに、水系塗料の欠点である速乾性に優れる水系速乾塗料組成物を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、水分散性ポリエステルを保護コロイドとし、エチレン性不飽和単量体組成物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン、貝殻焼成物及び乳化剤を用いることで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水分散性ポリエステルを保護コロイドとし、エチレン性不飽和単量体組成物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン、貝殻焼成物及び乳化剤を含有することを特徴とする水系速乾塗料組成物である。
本発明において、貝殻焼成物はホタテ殻焼成物であることが好ましい。
ホタテ殻焼成物は、樹脂エマルジョンに対して1質量%〜50質量%使用することが好ましい。
乳化剤はノニオン性乳化剤であることが好ましい。
ノニオン性乳化剤は、貝殻焼成物に対して10質量%〜40質量%使用することが好ましい。
水分散性ポリエステルは、エチレン性不飽和単量体組成物に対して5質量%〜70質量%使用することが好ましい。
本発明によれば、環境に優しく、産業廃棄物を有効活用でき、さらに、水系塗料の欠点である速乾性に優れる水系速乾塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による水系速乾塗料組成物は、水分散性ポリエステルを保護コロイドとし、エチレン性不飽和単量体組成物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョンを含有するものである。水分散性ポリエステルの量としては、エチレン性不飽和単量体組成物に対して5質量%〜70質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましい。水分散性ポリエステルが5質量%未満の場合、樹脂エマルジョンの安定性に難があり、70質量%を超えると、皮膜の耐水性が低下する場合がある。
本発明における樹脂エマルジョンは、水分散性ポリエステルの存在下で、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合することで得られる。本発明において使用するエチレン性不飽和単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものであればよく、例えば、直鎖状、分岐状または環状のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、酢酸ビニルやアルカン酸ビニルに代表されるビニルエステル類、モノオレフィン類(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、共役ジオレフィン類(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、α,β−不飽和モノあるいはジカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等)、アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクロレインやダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体は、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ラジカル重合の容易さや耐久性の観点から、メチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、エチレンが好ましい。
また、必要に応じて、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和化合物、ビニルトリエトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物、多官能ビニル化合物(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等)等の架橋性モノマーを共重合体に導入してもよい。
水分散性ポリエステルは、多塩基酸とポリオールとを重合した重合体を中和することで得られる公知のものである。ここで、水分散性ポリエステルとは、ポリエステルの分子内に疎水性の部分(疎水性部分)と親水性の部分(親水性部分)を持つもので、水中において疎水性部分の周りを親水性部分が取り囲む形で粒子となり、安定に分散するものをいう。水分散性ポリエステルを用いることで、水性塗料組成物の速乾性が向上する理由としては、貝殻焼成物に含まれるカルシウム成分と、水分散性ポリエステルが有する官能基(カルボキシル基やスルホン酸基等)によるキレート効果であると推測される。
多塩基酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸又はこれらのエステル化物(ジメチルエステル等)などであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオール成分として代表的なものを挙げれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールなどであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも多塩基成分がテレフタル酸もしくはイソフタル酸であり、ポリオール成分がエチレングリコール、プロピレングリコールあるいは1,6−ヘキサンジオールである水分散性ポリエステルが水分散安定性の点で好ましい。
また、ポリエステルの水分散性をさらに向上させるために、カルボキシル基やスルホン酸基等の親水性基を有する重合成分を共重合させてもよい。
これらの具体例として、カルボキシル基をポリエステル分子内に導入するためには、例えば、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、トリメシン酸又はこれらのエステル化物(メチルエステル等)等を重合成分の一部に用い、得られた重合体をアミノ化合物、アンモニア、アルカリ金属塩等で中和すればよい。なかでも、水分散性の点で、(無水)トリメリット酸が好ましい。
また、スルホン酸基をポリエステル分子内に導入するには、例えば、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸又はこれらのエステル化物(ジメチルエステル等)などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩を重合成分の一部に用いればよい。なかでも、水分散性の点で、5−スルホイソフタル酸1,3−ジメチルが好ましい。
本発明で用いる水分散性ポリエステルとしては、市販のものをそのまま使用してもよく、例えば、プラスコートZ−561、Z−730およびRZ−142(互応化学工業株式会社製)、ペスレジンA−110、A−210およびA−620(高松油脂株式会社製)、バイロナール(登録商標)MD−1200、MD−1220、MD−1250、MD−1335、MD−1400、MD−1480およびMD−1500(東洋紡績株式会社製)等が挙げられる。
先に述べたように、本発明における樹脂エマルジョンは、水分散性ポリエステルの存在下で、エチレン性不飽和単量体組成物をラジカル重合することで得られる。重合反応は、常圧反応器もしくは耐圧反応器を用い、バッチ式、半連続式、連続式のいずれかの方法で行われる。反応温度は通常10℃から100℃で行われるが、30℃から90℃が一般的である。反応時間は、特に制限されることはなく、各成分の配合量及び反応温度などに応じて適宜調整すればよい。ラジカル重合する際、保護コロイドである水分散性ポリエステルがエマルジョン粒子の安定性に寄与するが、必要に応じてアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、反応性乳化剤を使用してもよい。乳化剤の種類や使用量は、水分散性ポリエステルの使用量や重合する単量体組成をはじめとした種々条件によって適宜調節すればよい。
このようなラジカル重合に使用する乳化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン性乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステルなどのアニオン性乳化剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、得られる水系塗料組成物の耐水性を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を使用してもよい。
ラジカル重合に際して使用される重合開始剤としては公知慣用のものであればよく、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。また、必要に応じてこれらの重合開始剤をナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、アスコルビン酸類、亜硫酸塩類、酒石酸又はその塩類などと組合わせてレドックス重合としてもよい。また、必要に応じて、アルコール類、メルカプタン類を連鎖移動剤として使用してもよい。
本発明の水系速乾塗料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂成分、イソシアネート系およびエポキシ系架橋剤、粘性改良剤、着色剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、成膜助剤等の各種添加剤および炭酸カルシウム、酸化チタン、珪砂、セメント、着色骨材、遮熱顔料、中空バルーン等の無機物を混和して使用することも可能である。
本発明による水系速乾塗料組成物は、貝殻焼成物を含有するものである。貝殻焼成物にはホタテ、カキ、ホッキ貝などの焼成物が知られているが、多量に産業廃棄物として発生するため入手が容易で、速乾性に優れ、さらに抗菌・防カビ性を付与することが可能であるという点において、ホタテ殻焼成物が好ましく用いられる。ホタテ殻焼成物は酸化カルシウムと炭酸カルシウムの複合体が主成分であるが、多孔質性や抗菌・防カビ効果を有することから、合成された酸化カルシウムや炭酸カルシウムと性質が異なる。ホタテ殻焼成殻としては、市販のものが使用でき、例えば、シェルフィル(日本天然素材株式会社製)が挙げられる。その一般性状としては、pH10.0以上、Ca含有量が50%以上で大半がカルシウムの焼成物となっている。また、粒径としては、5〜30μmと一般的な炭酸カルシウムなどに比べかなり大きいものとなっている。
ホタテ殻焼成物の量としては、樹脂エマルジョンに対して1質量%〜50質量%であることが好ましく、4質量%〜30質量%がより好ましい。ホタテ殻焼成物が1質量%未満の場合、樹脂エマルジョンとの相互作用が弱く十分な速乾性が得られず、50質量%を超えると、樹脂エマルジョンの安定性を著しく低下させるため、乳化剤を添加してもゲル化時間を容易に調整することが困難な場合がある。
本発明による水系速乾塗料組成物の乾燥性は、乳化剤の添加量によって調整する。乳化剤にはノニオン性及びアニオン性の乳化剤が挙げられるが、中でも樹脂エマルジョンに対する安定性付与の点でノニオン性乳化剤が好ましい。
添加するノニオン性乳化剤は、公知のものでよく、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、さらにはHLBが13〜19のものが好ましい。HLBが13より低くなると、乳化剤の水分散性が悪く、19より高くなると、塗膜の耐水性低下が懸念される。ノニオン性乳化剤の添加量は、ホタテ殻焼成物に対して10質量%〜40質量%であることが好ましく、15質量%〜35質量%がより好ましい。10質量%未満の場合、乾燥性が早過ぎて作業性に支障をきたす場合があり、40質量%を超えると乾燥遅延効果が大きすぎて十分な乾燥性を得られにくい。
添加するアニオン性乳化剤は、公知のものでよく、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステルなどを適宜用いることができる。
また、本発明の水系速乾性塗料組成物の不揮発分は、30%から80%の範囲で使用することが好ましい。30%より低いと、速乾性が遅くなり、80%より高いと、塗料組成物のポットライフが短くなり、また高粘度となるため作業性に支障をきたす場合がある。
本発明による水系速乾塗料組成物の使用用途としては、施工時に直接降雨の影響を受けやすい屋上防水保護や歩道及び公園内の園路といった屋外施設のカラー塗装が挙げられる。つまり、降水確率の高い日で施工や天候の不安定な梅雨時期などには、事前に水性樹脂エマルジョンへ貝殻焼成物を添加することにより乾燥時間が自由にコントロール出来る点が大きなメリットと言える。また、施工方法としては、ローラー刷毛、金鏝、スプレー等、汎用的な施工道具にて施工でき、その使用量としては塗材単体では0.1〜0.3kg/m、乾燥珪砂等の骨材を添加した場合でも1.0〜2.0kg/mといった薄層被覆である。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例および比較例で作製した水性樹脂エマルジョンの物性および評価方法は以下のようにした。
(不揮発分)
直径5cmのアルミ皿に樹脂約1gを秤量し、105℃で1時間乾燥させ、残分を秤量することで算出した。
(粘度)
ブルックフィールド型回転粘度計を用いて、液温23℃、回転数60rpm、No.2ローターにて測定した。
(最低成膜温度、MFT)
JIS K 6828に準じて測定した。
(乾燥時間)
表2及び表3に記載の配合にて作製した塗料組成物を、スレート板の上に約1kg/m塗布し、23℃×65%RH下で放置し、塗料表面に水を流しても、塗料が流出しなくなる時間を乾燥時間とした。
(合成例1)
撹拌装置、温度計および還流冷却器を備えた四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエステル樹脂としてプラスコートZ−730(不揮発分25質量%)138質量部、プラスコートZ−561(不揮発分25質量%)207質量部、イオン交換水33質量部を仕込み、80℃に昇温した。スチレン150質量部、メチルメタクリレート115質量部、2−エチルヘキシルアクリレート81質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、アニオン性乳化剤(第一工業製薬株式会社製ハイテノール08E)3質量部、イオン交換水110質量部をホモミキサーにて予め混合乳化した。反応器に過硫酸カリウム0.4質量部を投入し、同時にエチレン性不飽和単量体乳化物も滴下を開始し、3時間で滴下した。あわせて過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水46質量部で溶解したものを3時間かけて滴下した。なお、反応中の内温は80℃に保った。乳化物および重合開始剤の滴下終了後、80℃で1時間反応し、その後室温に冷却した。成膜助剤として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール モノイソブチレート(チッソ株式会社製CS−12)99質量部を添加し、水性樹脂エマルジョンを得た。得られた水性樹脂エマルジョンAの性状は、不揮発分50.0質量%、粘度300mPa・s、pH7.2、MFT0℃だった。
(合成例2)
撹拌装置、温度計を備えた耐圧容器に、水分散性ポリエステルとしてZ−561(不揮発分25質量%)300質量部、イオン交換水250質量部を仕込み、耐圧容器内を窒素ガスで置換し容器内を80℃に昇温した。エチレンで4.0MPaまで加圧した後、酢酸ビニル350質量部を5時間かけて滴下した。同時に過硫酸カリウム2.5質量部を水に溶解して添加した。この間、反応容器内の温度は80℃に保ち、さらに反応液中の酢酸ビニル濃度が0.5質量%以下になるまで攪拌を継続した後、未反応のエチレンガスを除去し、25℃まで冷却した。得られた水性樹脂エマルジョンBの性状は、不揮発分47.0質量%、粘度80mPa・s、pH3.8、MFT0℃だった。該共重合体100質量部に対し、エチレンに由来する構造単位は18質量部、酢酸ビニルに由来する構造単位は82質量部であった。
Figure 2010241941
(実施例1)
合成例1で得られた水性樹脂エマルジョンA100質量部、ノニオン性乳化剤としてHLB18.5のポリオキシエチレンアルキルエーテル25質量%水溶液7質量部を混合し、攪拌しながらホタテ殻焼成物(日本天然素材株式会社製シェルフィル、粒径5μm)10質量部を添加し、水系塗料組成物を得た。乾燥時間は20分だった。
(実施例2)
合成例2で得られた水性樹脂エマルジョンB100質量部、ノニオン性乳化剤としてHLB18.5のポリオキシエチレンアルキルエーテル25質量%水溶液8質量部を混合し、攪拌しながらホタテ殻焼成物(日本天然素材株式会社製シェルフィル、粒径5μm)10質量部を添加し、水系塗料組成物を得た。乾燥時間は40分だった。
(実施例3)
合成例1で得られた水性樹脂エマルジョンA100質量部、ノニオン性乳化剤としてHLB18.5のポリオキシエチレンアルキルエーテル25質量%水溶液4質量部を混合し、攪拌しながらホタテ殻焼成物(日本天然素材株式会社製シェルフィル、粒径5μm)4質量部を添加し、水系塗料組成物を得た。乾燥時間は25分だった。
(実施例4)
合成例1で得られた水性樹脂エマルジョンA100質量部、ノニオン性乳化剤としてHLB18.5のポリオキシエチレンアルキルエーテル25質量%水溶液5質量部を混合し、攪拌しながらホタテ殻焼成物(日本天然素材株式会社製シェルフィル、粒径5μm)4質量部を添加し、水系塗料組成物を得た。乾燥時間は50分だった。
(比較例1)
合成例1で得られた水性樹脂エマルジョンA100質量部を攪拌しながらホタテ殻焼成物(日本天然素材株式会社製シェルフィル、粒径5μm)10質量部を添加したところ、攪拌開始から3分で塗料組成物がゲル化した。
(比較例2)
合成例1で得られた水性樹脂エマルジョンAのみを塗布した場合、乾燥時間は300分以上だった。
(比較例3)
実施例1において、水性樹脂エマルジョンAの代わりにスチレン−アクリル酸エステル共重合エマルジョン(昭和高分子製ポリゾールAP−4750、不揮発分46%、MFT0℃)を用い、ノニオン性乳化剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして水系塗料組成物を得た。乾燥時間は180分だった。
(比較例4)
実施例2において、水性樹脂エマルジョンBの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(昭和高分子製ポリゾールP−3N、不揮発分50%、MFT2℃)を用い、ノニオン性乳化剤を用いなかった以外は、実施例2と同様にして水系塗料組成物を得た。乾燥時間は170分だった。
Figure 2010241941
Figure 2010241941
表2に示したように、実施例1〜4で得られた水系塗料組成物は、乾燥時間が20分〜50分と速乾性及び作業性に優れていた。これに対し表3に示した比較例1〜4で得られた水系塗料組成物は、塗布する前にゲル化するか、又は乾燥時間が長く、速乾性と作業性がともに優れた加工品は得られなかった。

Claims (6)

  1. 水分散性ポリエステルを保護コロイドとし、エチレン性不飽和単量体組成物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン、貝殻焼成物及び乳化剤を含有することを特徴とする水系速乾塗料組成物。
  2. 貝殻焼成物がホタテ殻焼成物であることを特徴とする請求項1記載の水系速乾塗料組成物。
  3. ホタテ殻焼成物を樹脂エマルジョンに対して1質量%〜50質量%使用することを特徴とする請求項2記載の水系速乾塗料組成物。
  4. 乳化剤がノニオン性乳化剤であることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の水系速乾塗料組成物。
  5. ノニオン性乳化剤を貝殻焼成物に対して10質量%〜40質量%使用することを特徴とする請求項4記載の水系速乾塗料組成物。
  6. 水分散性ポリエステルをエチレン性不飽和単量体組成物に対して5質量%〜70質量%使用することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載の水系速乾塗料組成物。
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