JP2010235611A - 腫瘍の治療のための細胞治療方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腫瘍の表面上の腫瘍抗原の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−αを、黒色腫を伴う被験体に投与すること、および、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種することの段階を含んで成る、前記被験体の細胞治療方法、並びに前記細胞傷害性Tリンパ球を得る方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、腫瘍の治療のための細胞治療方法に関する。とりわけ、本発明は、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつエクスビボで生成された自己Tリンパ球を使用する黒色腫の治療レジメンに関する。
レジメンとして大部分は証明されないままである。CTLを免疫化するための適正なエピトープを同定するという問題のほかに、現在のアプローチは、複数の抗原に十分に標的を定めて癌を効果的に治療するために、APCへの十分な数の多様なエピトープの提示方法を提供しない。
天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(前記nnAPCは、ウイルス感染と関連する約15までの異なるペプチド分子を同時に提示することが可能であり、前記ペプチド分子はそれぞれが長さ約6ないし12アミノ酸であり);
被験体もしくは適するドナーからCD8+細胞を収集すること;
前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で刺激すること;
馴化成長培地(CGM)もしくはIL−2、IL−7よりなる群から選択されるサイトカインを含有する培地に該CD8+細胞を加えること(前記サイトカインは個別にもしくは組合せで使用することができ);
前記被験体もしくは適するドナーから収集された懸濁されない末梢血単球もしくはCD−8枯渇末梢血単球を、約1ないし50μg/mlの、該nnAPCが同時に提示することができるペプチドの1種と混合すること;
該末梢血単球懸濁物を、所望の末梢血単球を除く懸濁物中の全部の成分を無効にする(sterilize)のに必要な十分な線量のγ線放射で照射すること;
接着性末梢血単球を単離すること;
該接着性末梢血単球に、約1μg/mlないし50μg/mlの各ペプチドを添加すること;
CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で接着性末梢血単球と組合せること;および
被験体にCD8+懸濁物を導入すること
を含んで成る、被験体における前記ウイルス感染の治療方法に関する。
腫瘍の表面上の腫瘍抗原の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−α
を、黒色腫を伴う被験体に投与すること;および、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること
の段階を含んで成る、
前記被験体の治療方法にも関する。
a.天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(ここで前記nnAPCは、癌と関連する約15までの異なるペプチド分子、好ましくは約10の異なるペプチド分子を同時に提示することが可能であり、ここで各ペプチドは長さが約6ないし12アミノ酸、好ましくは長さが約8ないし10アミノ酸、かつ、約10nMないし100μMの濃度範囲にあり);
b.癌を伴う被験体もしくは適するドナーからCD8+細胞を収集すること;
c.前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で刺激すること;
d.前記CD8+細胞を、馴化成長培地(CGM)もしくはIL−2、IL−7、好ましくはIL−2もしくは組合せのIL−2およびIL−7のようなサイトカインを含有する培地に添加すること;
e.前記被験体もしくは適するドナーから収集された懸濁されない末梢血単球、あるいはCD−8枯渇末梢血単球を、約5ないし50μg/mlのペプチドと混合すること;
f.約3,000ないし7,000ラドの範囲、好ましくは約5,000ラドの線量のような、懸濁物中のこれらの細胞の増殖を予防するために必要な十分な線量のγ線放射で、前記末梢血単球懸濁物を照射すること、あるいは、末梢血単球懸濁物は、限定されるものでないがマイトマイシンCを挙げることができる細胞***抑制剤で処理してもよい;
g.接着性末梢血単球を単離すること;
h.前記接着性末梢血単球に、約5μg/mlないし50μg/mlの前記ペプチドのそれぞれを添加すること;
i.前記CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で前記接着性末梢血単球と組合せること;
j.場合によっては、CD8+細胞および末梢血単球の前記組合せられた懸濁物を約6ないし9日間刺激すること;
k.場合によっては、CD8+細胞および末梢血単球の前記懸濁物を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
l.場合によっては、適するCTL活性についてCD8+懸濁物をアッセイすること、ならびに、場合によってはCTLの純度、無菌性およびエンドトキシン含量についてアッセイすること;ならびに
m.前記被験体に前記CD8+懸濁物を接種すること
を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
a.天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(ここで前記nnAPCは、癌と関連する約15までの異なるペプチド分子、好ましくは約10のペプチドを同時に提示することが可能であり、ここで各ペプチドは長さが8ないし10アミノ酸であり);
b.癌を伴う被験体からCD8+細胞を収集すること;
c.前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で約6ないし9日間刺激すること;
d.前記CD8+細胞を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
e.前記被験体から収集された末梢血単球を、約10μg/mlの各ペプチドと混合すること;
f.約5,000ラドのγ線放射で、前記CD8枯渇末梢血単球懸濁物を照射すること;g.接着性末梢血単球を単離すること;
h.前記接着性末梢血単球に、約10μg/mlの前記エピトープを添加すること;
i.前記CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で前記接着性末梢血単球と組合せること;
j.CD8+細胞および末梢血単球の前記組合せられた懸濁物を約6ないし9日間刺激すること;
k.CD8+細胞および末梢血単球の前記懸濁物を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
l.適するCTLの活性、純度、無菌性およびエンドトキシン含量について前記CD8+懸濁物をアッセイすること;ならびに
m.前記被験体にCD8+懸濁物を接種すること
を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
a.天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(ここで前記nnAPCは、黒色腫と関連する約15までの異なるペプチド分子、好ましくは約10のペプチドを同時に提示することが可能であり、ここで各ペプチドは長さ8ないし10アミノ酸であり);
b.黒色腫を伴う被験体からCD8+細胞を収集すること;
c.前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で約6ないし9日間刺激すること;
d.前記CD8+細胞を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
e.前記被験体から収集された末梢血単球を、約20μg/mlの前記nnAPCが提示することができる各ペプチドと混合すること;
f.約5,000ラドのγ線放射で、前記CD8枯渇末梢血単球懸濁物を照射すること;g.接着性末梢血単球を単離すること;
h.前記接着性末梢血単球に、約10μg/mlの前記エピトープを添加すること;
i.前記CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で前記接着性末梢血単球と組合せること;
j.CD8+細胞および末梢血単球の前記組合せられた懸濁物を約6ないし9日間刺激すること;
k.CD8+細胞および末梢血単球の前記懸濁物を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
l.適するCTL活性、純度、無菌性およびエンドトキシン含量についてCD8+懸濁物をアッセイすること;ならびに
m.前記被験体にCD8+懸濁物を接種すること
を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
a.天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(前記nnAPCは前記疾患もしくは疾患状態と関連する約15までの異なるペプチド分子、好ましくは約10の異なるペプチド分子を同時に提示することが可能であり、各ペプチドは長さが約6ないし12アミノ酸、好ましくは長さが約8ないし10アミノ酸、かつ、約10nMないし
100μMの濃度範囲にあり);
b.CD8+細胞を前記被験体もしくは適するドナーから収集すること;
c.前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で刺激すること;
d.前記CD8+細胞を、IL−2、IL−7もしくはCGM、好ましくはIL−2、もしくは組合せのIL−2およびIL−7のようなサイトカインを含有する培地に添加すること;
e.前記被験体もしくは適するドナーから収集された懸濁されない末梢血単球、あるいはCD−8枯渇末梢血単球を、約5ないし50μg/mlのペプチドと混合すること;
f.前記末梢血単球懸濁物を、約3,000ないし7,000ラドの範囲、好ましくは約5,000ラドの線量のような、末梢血単球の刺激能力を維持しつつ増殖を予防するのに必要な十分な線量のγ線放射で照射すること;
g.接着性末梢血単球を単離すること;
h.前記接着性末梢血単球に、約5μg/mlないし50μg/mlの前記各ペプチドを添加すること;
i.前記CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で、前記接着性末梢血単球と組合せること;
j.場合によっては、CD8+細胞および末梢血単球の前記組合せられた懸濁物を、約6ないし9日間刺激すること;
k.場合によっては、CD8+細胞および末梢血単球の前記懸濁物を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激すること;
l.場合によっては、適するCTL活性についてCD8+懸濁物をアッセイすること、ならびに、場合によってはCTLの純度、無菌性およびエンドトキシン含量についてアッセイすること;ならびに
m.前記被験体にCD8+懸濁物を接種すること
を含んで成る方法によって治療される。
a.キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)卵から昆虫細胞系を調製すること;あるいは、ヒトMHCクラスI分子および共刺激接着分子を発現させるための昆虫細胞系を調製すること;
b.前記昆虫細胞を、昆虫細胞を成長させるのに適する培地、好ましくはシュナイダー[Schneider]TMドロソフィラ(Drosophila)培地中で成長させること;
c.pRmHa−1発現ベクターからpRmHa−3プラスミドを作成すること(前記pRmHa−3プラスミドは、メタロチオネインプロモーター、金属応答コンセンサス配列、およびキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)から単離されたポリアデニル酸化シグナルを担持するアルコール脱水素酵素遺伝子を包含し);
d.前記pRmHa−3プラスミドに、ヒトクラスI HLA A2.1、B7.1、B7.2、ICAM−1、β−2ミクログロブリンおよびLFA−3の相補DNAを挿入すること(A2.1はいずれかのヒトクラスI DNA配列で置換することができ);
e.前記昆虫細胞を、phshneoプラスミド、および相補DNAを含有する前記pRmHa−3プラスミドでトランスフェクトすること;ならびに
f.前記昆虫細胞をCuSO4と接触させて前記昆虫細胞中のトランスフェクトされた遺伝子の発現を誘導することによりnnAPCを創製すること
よりなる。
a)腫瘍の表面上の腫瘍抗原およびHLAクラスI分子の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−αを、癌を伴う被験体に投与すること;ならびに
b)癌関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
略語
APC 抗原提示細胞
CD8+ CD8+ T細胞
CTL 細胞傷害性Tリンパ球
E エフェクター
Fas CD95としてもまた知られる、T細胞上のエピトープ
ICAM 細胞間接着分子
IL インターロイキン
LAK リンホカイン活性化型キラー細胞
LFA リンパ球機能抗原
MHC 主要組織適合抗原複合体
nnAPC 天然に存在しない抗原提示細胞
NP 核タンパク質
PBMC 末梢血単核細胞
PBS リン酸緩衝生理的食塩水
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RPMI ロズウェル パーク メモリアル インスティテュート(Roswell Park Memorial Institute)
RWJPRI R.W.ジョンソン ファーマシューティカル リサーチ インスティテュート(The R.W.Johnson Pharmaceutical Research Institute)
T 標的
TCP T細胞抗原受容体
TIL 腫瘍浸潤リンパ球
以下は、多様なペプチドエピトープについて本明細で使用される略語の一覧である。個々のアミノ酸残基は、当業者により容易に知られかつ使用される一文字記号に従って同定される。
本明細書で使用されるところの「チロシナーゼ369−377」もしくは「チロシナーゼ369−377」という用語はアミノ酸配列YMNGTMSQV(配列番号1)を指す。この定義内に、配列YMNGTMSQV(配列番号1)のアミノ酸残基「N」を「D」に改変してYMDGTMSQV(配列番号2)のアミノ酸配列をもたらす翻訳後事象から生じる配列YMDGTMSQV(配列番号2)のペプチドもまた包含される(Skipperら,J.Exp.Med.(1996)183:527−534)。
用語および定義
本明細書で使用されるところの「養子免疫療法」という用語は、疾患もしくは疾患状態の治療のためのドナーもしくは自己のTリンパ球の投与を指し、ここで疾患もしくは疾患状態は、クラスI HLA分子と通常は関連する不十分な(insufficient)もしくは不十分な(inadequate)免疫応答をもたらす。養子免疫療法は、感染したもしくは形質転換された細胞の排除がCTLにより達成されることが立証されているいかなる疾患もしくは疾患状態にも適切な治療である。例えば、疾患もしくは疾患状態は、限定されるものでないが、黒色腫、前立腺、***、結腸直腸、胃、咽頚部、膵、子宮頚、卵巣、骨、白血病および肺癌のような癌および/もしくは腫瘍;B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスのようなウイルス感染症;結核、らいおよびリステリア症のような細菌感染症、ならびにマラリアのような寄生虫感染症を挙げることができる。
ng for Cancer by Detecting Messenger RNA
for a MAGE−XP Gene)」と題された1998年6月2日交付の米国特許第5,759,783号明細書;および「合成ペプチドエピトープを使用するヒトにおける抗腫瘍細胞傷害性Tリンパ球の誘導(Induction of Anti−Tumor Cytotoxic T Lymphocytes in Humans Using Synthetic Peptide Epitopes)」と題された1997年9月2日交付の米国特許第5,662,907号明細書に開示される。
対する40%の相同性をもつおよそ645aaの細胞外結合ドメイン(ECD)、高度に疎水性の膜貫通固定ドメイン(TMD)、およびEGFRに対する80%の相同性をもつおよそ580アミノ酸のカルボキシ末端細胞質ドメイン(CD)を有する。
インク(Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.)、コネチカット州リッジフィールドから入手可能なベロフォア(Berofor)α2インターフェロンのような組換えインターフェロンα−2c、インターフェロンα−n1、住友、日本から入手可能なスミフェロン(Sumiferon)のような天然のαインターフェロンの精製された混和物、もしくはグラクソ−ウェルカム リミテッド(Glaxo−Wellcome Ltd.)、英国ロンドンから入手可能なウェルフェロン(Wellferon)インターフェロンα−n1(INS)、または米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号明細書(とりわけその実施例7、8もしくは9)に記述されるもののようなコンセンサスαインターフェロン、ならびにアムジェン インク(Amgen,Inc.)、カリフォルニア州ニューベリーパークから入手可能な特定の生成物、またはインターフェロン サイエンシーズ(Interferon Sciences)により作成されかつアルフェロン(Alferon)の商標名でパーデュ フレデリック カンパニー(Purdue Frederick Co.)、コネチカット州ノーウォークから入手可能な天然のαインターフェロンのインターフェロンα−n3混合物を挙げることができる。インターフェロンα−2aもしくはα−2bの使用が好ましい。インターフェロンα−2bは、全部のインターフェロンのなかで、慢性C型肝炎感染を治療するために世界中で最も広範な承認を有するため、それが最も好ましい。インターフェロンα−2bの製造は米国特許第4,530,901号明細書に記述される。
であるかもしくはそれと関連する最低40種の癌遺伝子を同定した。癌遺伝子は、(癌遺伝子により発現されるタンパク質のような)それらの遺伝子産物の推定の機能もしくは位置に基づき、多様な群に分類されている。癌遺伝子は、正常な細胞生理学のある局面に不可欠であると考えられる。
を包含する他の型の疾患と闘うのに免疫系を利用することが可能であるはずである。しかしながら、わずかなインビトロ/エクスビボ手順が、CTLを特異的に活性化するのに利用可能であった。上に示された重要な黒色腫抗原の同定、および下述されるCTLの特異的インビトロ活性化方法は、今や、転移性黒色腫の養子免疫療法の概念の試験を可能にする。
Activation of Cytotoxic T−Cells Using Insect Cells Expressing Human Class I MHC
and β2−Microglobulin)」と題された1996年6月25日交付の米国特許第5,529,921号明細書、ならびに「MHC クラスI抗原およびβ2−ミクログロブリンをコードする遺伝子を発現しかつ空複合体を集成することが可能なショウジョウバエ細胞系、ならびに前記細胞系の作成方法(Drosophila Cell Lines Expressing Genes Encoding MHC Class I Antigens And β2−Microglobulin and Capable of Assembling Empty Complexes and Methods of Making Said Cell Lines)」と題された1994年5月24日交付の米国特許第5,314,813号明細書に教示される。とりわけ、米国特許第5,529,921号明細書は、第26段第56行ないし第28段第22行で、前駆細胞の培養物の多様な分離および/もしくは濃縮方法を開示する。
般に生命を脅かさないが、とは言え既に弱らされた状態にある患者で起こるとりわけ重症の反応は、生命を危うくする状況をもたらす可能性がある。別の考慮は、それ以外は有益な治療レジメンの患者の受容性およびコンプライアンスに対してこうした副反応が有する有害な影響である。サイトカインでのインビボ刺激に対する必要性を除去することは、患者の快適さを向上させる治療レジメンをもたらし、また、彼もしくは彼女の患者が従うことがよりありそうである有効な治療方法を臨床家に提供する。
インビトロのヒト研究
健康被験体からのヒトCTLを、チロシナーゼ、MART−1およびgp100に対してショウジョウバエ(Drosophila)細胞上に別個に添加して、インビトロで免疫化し、JY細胞に対する溶解について評価した(図4)。同一のペプチドを、多特異的な大量の(bulk)CD8調製物を生成させるために、単一のショウジョウバエ(Drosophila)APCに一緒に添加することができる。健康被験体からの黒色腫特異
的CTLを、完全な刺激/再刺激プロトコルを使用して誘導し、そして刺激で使用されたペプチドのそれぞれを添加されたJurkat細胞を溶解するそれらの能力について試験した(図5)。細胞系。図6は、2種の異なるインビトロ刺激プロトコル後のCTL活性を示す。複数のペプチドを個々のショウジョウバエ(Drosophila)細胞上に添加しかつ一次刺激前に混合した(combo mix)、もしくは複数のペプチドを混合しかつその後ショウジョウバエ(Drosophila)APC上に添加した(combo load)もの。図Aはペプチド添加された標的細胞上でのcombo mixプロトコルの結果を表す。図Bはペプチド添加された標的細胞上でのcombo loadプロトコルの結果を表す。図Cは双方のプロトコルから生成された黒色腫標的上での殺傷を表す。
導出においてショウジョウバエ(Drosophila)細胞ほど効率的でなかった。これは、免疫系中でDCにより演じられる支配的役割のため、とりわけ驚くべきことである。1ドナーでの比較試験を図9に示されるとおり実施した。特異的殺傷が、刺激物質としてハエ細胞を使用する場合に4種の異なるペプチドに対して生成された一方、未熟DCは無意味の特異的殺傷をもたらし、また、成熟DCは刺激に使用された4種のペプチドの1種のみに対する特異的殺傷をもたらした。
細胞傷害性リンパ球の調製
抗CD8抗体での陽性選択により白血球成分分取(leukapheresis)サンプルから単離されたCD8+細胞を、ヒトクラスI分子(HLA−A2.1)、B7.1、ICAM−1、LFA−3およびB7.2を発現するショウジョウバエ(Drosophila)細胞により提示される4種の異なる黒色腫関連ペプチドに対して刺激する。CD8+細胞を、IL−2およびIL−7の存在下にペプチドエピトープを添加された自己単球で2回再刺激する。CTLをOKT3およびIL−2とともに非特異的に拡張する。CTL活性をMalme 3M細胞に対して測定し、また、CD8+ T細胞の純度をフローサイトメトリーにより評価する。
臨床試験を、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつエクスビボ生成された自己の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を使用して、進行性転移性黒色腫患者で実施した。エクスビボ生成されたCTLの少なくとも単回の注入を、治療の周期あたりに患者に投与した。特定の時間および用量での患者へのIFN−αもしくはIL−2のいずれかの付随する投与が、抗原特異的CTLによる溶解に対する腫瘍細胞のプライミング、およびCTLのインビボ持続性に有益であったことが示された。
インターフェロンおよびCTLの併用療法
インターフェロン−α(IFNα)は、多様な悪性病変において、広範なスペクトルの免疫調節および抗増殖効果を有する。過去10年のいくつかの臨床試験が、IFNαが黒色腫において抗腫瘍活性を有するという明白な証拠を提供した(Legha,Cancer(1986)57:1675−1677)。単剤療法として使用される場合に、rIFN−α−2aおよびrIFNα−2bは、1から60超ヶ月までの範囲にわたる応答持続期間を伴い、15%(範囲、6%〜27%)の平均応答率を生じた。転移性黒色腫におけるいくつかの単剤IFN−α試験の要約を表2および3に列挙する。
obiology(1986)172:275−282;Bordenら,Mitchell,MS(編):Biological Approaches to Cancer
Treatment;Biomodulation.ニューヨーク州ニューヨーク、マグロウ−ヒル(McGraw−Hill),(1992)中pp440−476)を挙げることができる。IFN−αの免疫調節効果は、潜在的に、抗体およびリンパ球双方を包含する免疫系の、インビボで腫瘍を認識かつ攻撃する能力を向上させる可能性がある。
a)腫瘍の表面上の腫瘍抗原の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−αを、黒色腫を伴う被験体に投与すること;および
b)黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
の発現(抗原特異的T細胞による認識および溶解に対する2つの重要な要件)の双方をアップレギュレートするのに十分であるINF−αの量である。この有効量は当業者により決定することができる。実施例5(下)は、本治療方法で使用されるべきINF−αの有効量の決定におけるいくつかの考慮を記述する。好ましくは、INF−αにより引き起こされる副作用を低下させるために、INF−α−2aの有効量は約5〜20MU/m2/日であり、また、INF−α−2bの有効量は約5〜15MU/m2/日である。また好ましくは、有効量のINF−αは、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に接種する直前に、比較的短い時間の期間、例えば3ないし7日間のみ患者に投与する。好ましい一態様において、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に接種する前第5日から第1日まで連続して前記被験体に皮下投与されるインターフェロン−αの有効量は、約10MU/m2/日である。
a)天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(前記nnAPCは黒色腫と関連する約15までの異なるエピトープを同時に提示することが可能であり、各エピトープは長さ8ないし10アミノ酸のペプチドであり);
b)前記黒色腫と関連する約15までの異なるエピトープをnnAPCに添加すること;c)前記被験体からCD8+細胞を収集すること;
d)前記CD8+細胞を、エピトープを添加されたnnAPC細胞系で刺激して黒色腫に特異的なCD8+細胞を得ること;
e)黒色腫に特異的なCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する培地中で成長させること;
f)前記被験体から収集されたCD8枯渇末梢血単球を、前記nnAPCに添加された各エピトープと混合すること;
g)前記CD8枯渇末梢血単球を約γ線放射で照射すること;
h)接着性のCD8枯渇末梢血単球を単離すること;
i)前記接着性末梢血単球に、前記nnAPCに添加された各エピトープを添加すること;
j)黒色腫に特異的な前記CD8+細胞を、γ線照射されたエピトープ添加された接着性末梢血単球で再刺激すること;
k)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する培地中で成長させること;
l)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、OKT3抗体刺激により拡張すること:
m)拡張されたCD8+細胞を、適する細胞傷害性Tリンパ球の活性、純度、無菌性およびエンドトキシン含量についてアッセイすること
の段階を含んで成る方法により得られ;
ここで段階(j)は最低もう1回反復することができる。
インターフェロン、CTLおよびインターロイキン−2の併用療法
ヒト組換えインターロイキン−2は、多様な生物学的活性を表すことが示されている、組換えDNA技術により製造されるリンホカインである。インビトロで、それは、リンホカインの有糸***誘発を高め、リンパ球の細胞傷害性を高め、リンホカイン活性化およびナチュラル双方のキラー細胞のキラー活性を誘導することが示されており、そしてそれはインターフェロン−γ産生もまた誘導する。
a)腫瘍の表面上の腫瘍抗原の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−αを、黒色腫を伴う被験体に投与すること;
b)黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること;および
c)黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球のインビボの維持を高めることが可能である有効量のインターロイキン−2を前記被験体に投与すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
けるいくつかの考慮を記述する。好ましくは、IL−2により引き起こされる副作用を低下させるために、IL−2の有効量は約2〜10MIU/日である。また好ましくは、有効量のIL−2は、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に接種した直後に患者に投与する。より好ましい一態様において、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種した後第0日から第27日まで連続して被験体に皮下投与されるインターロイキン−2の有効量は、約3MIU/日である。
a)黒色腫を伴う被験体に、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を接種する前第5日から第1日まで連続して、10MU/m2/日のインターフェロン−α−2bを該被験体に皮下投与すること;
b)注入あたり約1〜10×109個の細胞の黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を該被験体に接種すること;および
c)黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種した後第0日から第28日まで連続して約3MIU/日のインターロイキン−2を該被験体に皮下投与すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法を提供する。
ショウジョウバエ(Drosophila)抗原提示細胞の製造
シュナイダー(Schneider)S2細胞系を、発表された手順に従ってキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(オレゴン(Oregon)−R)卵から調製し、そしてアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)に寄託した(CRL 10974)。S2細胞は、10%ウシ胎児血清を補充された商業的シュナイダー(Schneider)ドロソフィラ(Drosophila)培地中で成長させる。
トランスフェクションのための相補DNAを以下のとおり調製した:
HLA−A2.1およびβ−2ミクログロブリン:発表された配列由来のプライマーを使用するK562細胞からの逆転写PCR
B7.1:発表された配列由来のプライマーを使用するK562細胞からの逆転写PCRICAM−1:発表された配列由来のプライマーを使用するK562細胞からの逆転写PCR
B7.2:発表された配列由来のプライマーを使用するHL−60細胞(ATCC CCL−240)からの逆転写PCR
LFA−3:発表された配列由来のプライマーを使用するHL−60細胞(ATCC CCL−240)からの逆転写PCR
相補DNAは個別にpRmHa−3ベクターに挿入した。S2細胞を、リン酸カルシウム沈殿法を使用して、HLA−A2.1、B7.1およびICAM−1プラスミドDNA、ならびにphshneoプラスミドの混合物でトランスフェクトした。安定にトランスフェクトされた細胞を、ジェネチシンを含有するシュナイダー(Schneider)培地中で培養することにより選択した。使用24時間前に、トランスフェクトされた遺伝子の発現をCuSO4の添加により誘導した。発現のレベルは、抗HLA−A2.1、抗B7.1および抗ICAM−1抗体を使用するフローサイトメトリーにより評価した。30%以上の細胞によるHLA発現が、CD8+リンパ球の効率的なインビトロ活性化に必要である。
ヒトCD8+細胞の単離
CD8+細胞は、ダイナビーズ[Dynabeads]TM単離手順(ダイナル(Dynal))を使用する陽性選択により白血球成分分取サンプルから単離する。抗ヒトCD8マウスモノクローナル抗体(ヒトγグロブリン[ガンマガード(Gammagard)(R)]1ml中50μg)を、1%ヒト血清アルブミン(バクスター−ハイランド(Baxter−Hyland))および0.2%クエン酸ナトリウムを補充されたダルベッコのPBS中の洗浄された細胞に添加する。穏やかな混合を伴う4℃で45分間のインキュベーション後に、ヒツジ抗マウスIgGで被覆されたダイナル(Dynal)磁性ビーズ(ダイナビーズ[Dynabeads]TM)を含有する同一緩衝液中で、1:1のビーズ対細胞の比で洗浄かつ再懸濁する。細胞およびビーズを滅菌管に入れ、そして4℃で45分間穏やかに混合する。この時間の終了時に、抗体結合された細胞を、製造元の説明書(ダイナル(Dynal))に従ってMPC−1(R)分離装置を使用して磁気的に除去する。CD8細胞−ビーズ複合体の解離を、CD8ペプチド59−70(AAEGLDTQRFSG;配列番号12)の存在下37℃で45分間のインキュベーションにより達成する。遊離ビーズを磁気的に除去し、そしてCD8細胞を計数しかつフローサイトメトリーにより分析して純度を評価する。CD8+細胞の回収は典型的に80%より大きい。表4は、抗CD8抗体での陽性選択による正常ヒトPBMC調製物からの14の別個のCD8+調製物の細胞組成を要約する。
一次刺激
トランスフェクトされたショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞を、10%ウシ胎児血清およびCuSO4を補充されたシュナイダー(Schneider)培地(106個の細胞/ml)中、27℃で24時間インキュベートする。細胞を収集し、洗
浄し、そして100μg/mlのヒトチロシナーゼ366−377を含有する昆虫エクスプレス培地(Insect X−press medium)(バイオウイタッカー(BioWhittaker))に再懸濁する。27℃で3時間のインキュベーション後に、S2細胞を、10%自己血清を補充されたRPMI培地(ギブコ(Gibco))中1:10の比でCD8+細胞と混合する。細胞混合物を37℃で4日間インキュベートし、その間にショウジョウバエ(Drosophila)細胞が死に絶える。第5日に、IL−2(20U/ml)およびIL−7(30U/ml)を添加して、チロシナーゼ特異的CTL集団を選択的に拡張する。
再刺激
白血球成分分取の時点で得られた凍結自己CD8枯渇PBMCを融解し、洗浄し、そして10%自己血清(β2ミクログロブリンの供給源として)および20μg/mlのチロシナーゼ369−377を含有するRPMI培地中106個の細胞/mlで再懸濁する。γ線照射(5,000ラド)後に細胞を37℃で2時間インキュベートする。ダルベッコのPBSで洗浄することにより非接着細胞を除去する。10%自己血清および10μg/mlのチロシナーゼ369−377を含有するHepes緩衝RPMI培地中での90分間のインキュベーションにより、接着性単球にチロシナーゼエピトープを添加する。上清を除去し、そしてショウジョウバエ(Drosophila)活性化されたCD8+細胞懸濁物(10%自己血清を含むRPMI培地中3×106個の細胞/ml)を、1の接着性単球に対し10のCD8+細胞の比で加える。37℃で3ないし4日の培養後に、IL−2(20U/ml)およびIL−7(30U/ml)を、培地交換を伴い加え、チロシナーゼ特異的CTL集団を選択的に拡張する。
非特異的拡張
エフェクター細胞を、自己血清、抗CD3モノクローナル抗体(OKT(R)3)、IL−2およびγ線照射された自己PBMCを補充されたRPMI培地中でそれらを培養することにより、非特異的に増大させる。
活性および純度のアッセイ
CTLアッセイ
Malme 3M細胞を51Cr放出アッセイでの標的細胞として使用する。4%ウシ胎児血清、1%HEPES緩衝液および0.25%ゲンタマイシンを含有するRPMI培地中の5×106個のMalme 3M細胞を、0.1mCiの51Crで37℃で1時間標識する。細胞を4回洗浄し、かつ、10%ウシ胎児血清(ハイクローン(HyClone))を含むRPMI中105個の細胞/mlに希釈する。96穴マイクロタイタープレート中で、100μlのエフェクターCTLおよび100μlのペプチド添加された51Cr標識Malme 3M標的細胞を、100:1、20:1および4:1(エフェクター:標的)の比で組合せる。K562細胞を20:1(K562:Malme 3M)の比で加えて、ナチュラルキラー細胞のバックグラウンド溶解を低下させる。非特異的溶解は非腫瘍性HLA−A2.1線維芽細胞系Malme 3を使用して評価する。51Crの自発的放出および最大放出を測定するための対照を二重で(in duplicate)包含する。37℃で6時間のインキュベーション後に、プレートを遠心分離し、そして上清を計数して51Cr放出を測定する。
フローサイトメトリー。
黒色腫に対する細胞傷害性T細胞注入の試験
試験の目的
本実施例は、以下の因子:
1.インビトロ免疫感作後の再注入された自己CTLの安全性および忍容性;
2.制限希釈分析での全身循環の要因考慮(factoring)における注入されたCTLの動力学;
3.ラジオシントグラフィーによるCTLの全身の配置;
4.免疫組織学による生検された結節の細胞組成(CTL、TH、NK、B細胞);ならびに
5.2ヶ月にわたる測定可能な傷害の退縮および応答の持続期間
に従って評価されるところの黒色腫の治療における細胞傷害性T細胞注入の有効性を教示する。
患者集団
治療への適格性は、患者が測定可能もしくは別の方法で評価が可能であった組織学的に報告された切除不可能な悪性黒色腫、およびHLA−A2ハプロタイプを有することを必要とした。治療前評価は、MRIもしくはCTスキャンによる脳の放射線学的評価、胸部および腹部のCT走査、ならびに、とりわけ皮膚およびリンパ節の身体検査を包含した。治療された患者の総数は15(9例の男性および6例の女性)であった。年齢は、58歳の平均を伴う33から75歳までの範囲にわたった。転移性疾患の平均持続期間は1.5年であった。アネルギーの状態が存在したかどうかを決定するための治療前皮膚試験を15例中14例の患者で実施し、14例中5例の試験結果は評価された普遍的抗原の全7種について陰性であった。患者は、HLA−A2特異的モノクローナル抗体(BB7.2)を用いるFACS分析によりHLA−A2ハプロタイプについてスクリーニングした。サブタイプ分類(subtyping)はPCR分析により実施した。患者の1例を除く全部がHLA−A*0201であり、例外(患者08)はHLA−A*0205であった。エクスビボ生成された自己CTLでの治療
15例の患者を本臨床プロトコル下に治療した。全患者は、自己CTLの少なくとも単回注入を受領した。各患者に投与された周期の数および細胞の用量は図25に要約する。インビトロで生成された細胞の数は、アフェレーシス(aphaeresis)処置から単離されたPBMCの数、および各PBMC調製物中に存在するCD8+ T細胞の数のような患者関連の因子に依存した。インビトロで生成された細胞の全部をドナーに再注入したため、各患者に投与された用量は必然的に変動した。患者間の用量を正規化する試み
において、計算された「効力」得点を各用量について記録した。該値は、細胞の総数にペプチド添加された標的細胞で得られた溶解活性を掛けることにより得た。注入されたT細胞の用量は、4×107個の最少(患者08)から3.2×109個の最多(患者13)までの範囲にわたった。患者は各周期の終了時の彼らの臨床状態に基づいて第二、第三もしくは第四の治療周期に進入した。アフェレーシスサンプルから得られたPBMCの数は、付加的周期を受けている患者で、とりわけその後の周期の開始が以前のものの終了に近かった場合に、より小さい傾向があった。これは、前の周期の間に投与されたIFNα−2bによる持続性のリンパ球減少に帰される。単離された投薬を受けたことのないCD8+ T細胞の総数はPBMC調製物のそれぞれ中のその割合に依存した。CD8+ T細胞のパーセントは患者間で8%ないし31%の間で変動した。得られた拡張係数は最終的な細胞数にもまた寄与し、そして0.1から6.0倍の範囲にわたった。エクスビボでCTLを生成させるための手順は本明細および上の実施例1に教示される。
IFNα−2bに応答してのクラスIおよび黒色腫関連抗原のアップレギュレーション
インビボで黒色腫細胞を溶解する抗原特異的CTLの能力を高める試みにおいて、低用量IFNα−2bを、CTL注入前に連続して5日間、および追加の4週間に週3回投与した。サイトカインに対するインビボ応答の一測定方法は、連続的時間点で得られる生検を特異的抗体での陽性染色についての免疫組織化学的分析により評価することである。連続的生検を、クラスIおよび抗原発現の双方の評価のため、複数の皮膚傷害を伴う1例の患者(患者04)で得た。生検は、クラスIおよびMART−1発現がいずれの治療前も弱く陽性であったことを示した(生検A)。10MU/m2の皮下注入の5日後に、これら2種のマーカーの劇的な増大が示された(生検B)。チロシナーゼおよびgp100について、免疫組織化学的染色は治療前サンプルでそれぞれ陰性ないし弱く陽性であった(生検A)。最初の5日のIFNα投与および13回の追加治療後に、これらの後者の抗原の発現が、染色された組織サンプル中で増大した(生検C)。
エクスビボ生成されたCTLの抗原特異性
全患者からの生成されたCTLを、生検材料が系統を樹立するために利用可能であった場合に、ペプチド添加されたT2標的、HLA−A2黒色腫細胞系(Malme3M)および自己黒色腫系統に対して、解放(release)の日に評価した。細胞の各調製された用量をその細胞溶解活性について評価した。各ペプチド単独で、もしくは全4種のペプチドを同時にのいずれかで提示するペプチド添加されたT2細胞を使用して、各患者について生じられるCTL応答の特異性を決定した。内因性に発現された黒色腫関連抗原を担持する細胞を溶解する能力を、HLA−A2を合致された系統もしくは自己腫瘍系統で評価した。細胞溶解活性に加え、抗原特異性を、特異的ペプチド刺激に応答して作成される細胞内γインターフェロン産生の確立された検出方法で評価した。エクスビボプロトコルの終了時に生成されたCTLをこの方法により評価した。ペプチドのそれぞれに特異的な細胞の割合を個別に記録した。患者13からの各大量の(bulk)CD8培養物中の特異的細胞の総数を、T細胞のその集団中で検出されるペプチド特異性のそれぞれを加えることにより計算した。特異的細胞の総数の増大を、各連続する治療周期で検出することができた。
CTL治療後の腫瘍生検に浸潤するCD8およびCD4細胞の検出
治療の前、間および後の全患者からの生検サンプルが理想的であったであろう。しかしながら、実験条件は制限された数の患者のみからの生検サンプルを見込んだ。腫瘍組織は試験に参入した15例の患者の5例から得た。2例の患者(患者08および13)において、生検サンプルは、T細胞治療後それぞれ5および6週で入手可能であった。組織サンプルの検査は、浸潤するCD8およびCD4双方の細胞の存在を示した。腫瘍サンプルの1つは、追跡検査の時点(T細胞の第二の注入後4週間)までに大きさが増大した、頭皮の後頭部領域の皮膚傷害から採取した。該生検は、リンパ球でひどく浸潤された組織の壊死を示した。他の生検は股関節置換手術の間に取り出された大腿骨頭部からであった。患者08からの皮膚傷害は一般的クラスIおよび特異的HLA−A2マーカー双方について強く陽性(4+)であった。チロシナーゼおよびgp100は弱く陽性(それぞれ1+および2+)であった一方、MART−1はこの同一のサンプルで陰性であった。患者13
からの生検の領域もまた、より不均質な染色;HLA−A2.1分子の発現を欠く腫瘍細胞の明確な集団、およびMAAの1種もしくはそれ以上を伴い壊死性であった。しかしながら、無傷の組織領域は強いクラスI(4+)および黒色腫関連抗原の全部を示した。この後者のサンプルにおけるリンパ球浸潤は、腫瘍結節に深く浸潤するよりはむしろそれらを取り巻くようであった。しかしながら、腫瘍に直接関連した最高の割合の細胞はCD8細胞であった。これらの患者の双方からの治療前生検サンプルの欠如は、治療前の組織サンプル中の類似の型の浸潤する細胞の確認を予防した。
T細胞治療後のCTスキャンは客観的応答を確認する
CTスキャンは治療前スクリーニング基準および治療後追跡検査の一部であった。患者10は治療前スキャン(99年6月23日)の5週間後に8×108個のCTLの単回注入を受領した(99年7月27日)。注入1ヶ月後に胸部のCTスキャンを反復した場合(99年8月27日)に、肺傷害の大きさの劇的な減少が示された。同様に、患者14は、6.6×108個の細胞での第一の注入(99年10月5日)の3.5週間前に参入過程の一部として胸部CTスキャンを受けた(99年9月10日)。11.5×108個の細胞での第二の注入1ヶ月後の追跡CTスキャン(99年1月7日)は3個の別個の傷害の劇的な縮化を示した。患者13もまた前および後CTスキャンで測定されたような客観的応答を有した。傍気管腺症は周期I後に7.8cm2(試験前)から4.4cm2となり、そして周期II後に消失した。
アネルギー状態の存在はCTLを生成させるもしくは臨床応答を予防する能力を排除しなかった
本プロトコル下で治療された患者の大部分は以前の医学的介入を受領していた。治療前皮膚試験を実施して、一団の7種の普遍的抗原に対するアネルギー応答が、エクスビボでCTLを生成させるかもしくは報告された臨床応答を予防するかのいずれかの不能と相関したかどうかを決定した。エクスビボでCTLを生成させる能力は、患者の治療前皮膚試験の結果と相関しなかった。患者03および04(双方とも混合型応答体(mixed responder))は、第二の周期の開始前に反復皮膚試験を有し、そしてアネルギーのままであったことが注目されるべきである。
実施例3
***および卵巣腫瘍細胞を溶解することが可能なHER−2/neu特異的CTLの生成
われわれは、全部の形態の癌にこのアプローチを用いて標的を定めることができるかどうかを決定するために、他の腫瘍型にわれわれのCTL生成技術を適用することに興味をもった。HER−2/neuは、多くのヒトの癌、主として***、卵巣および結腸の腺癌において増幅かつ過剰発現されるEGFRに対する相同性をもつ癌原遺伝子である。それはしばしば攻撃的疾患と関連し、そして乏しい予後の指標となる可能性がある。それはこれらの型の癌の可能な標的としていくつかの臨床試験で研究されている。
弱いクラスI結合体が実際にそれらが天然のT細胞エピトープを表す場合に腫瘍細胞を認識する強力なCTLを一般に生成することを示唆しているため、弱いA2結合体を包含する傾向がある。われわれが標的を定める腫瘍関連タンパク質の大多数は自己抗原であり、そしてそれ自体、ウイルスペプチドとともにみられるクラスI分子に対する高親和性を有することを期待することができる。低ないし中程度の結合体は、一般に、腫瘍細胞を非常に効率的に溶解するCTLを生成させる。これは、ショウジョウバエ(Drosophila)細胞に対する低親和性結合体である(図3)がそれでもなおペプチド添加された標的細胞(T2)もしくはより重要には黒色腫細胞(Malme3M)双方を溶解することが可能な強力なCTLを慣例に生成させるエピトープを表す(図12)MART−1ペプチドで立証された。
抗ペプチドおよび抗腫瘍応答
完全なエクスビボプロトコルの完了後に、生成されたCTLを抗原特異性について評価した。CTLを生成させるために、第0日にショウジョウバエ(Drosophila)細胞に4種のHER−2ペプチドの組合せを添加した。4週のエクスビボ刺激プロトコルの終了時に、大量のCD8培養物を抗原特異性について評価した。免疫化ペプチドのそれぞれを添加されたT2細胞を標的細胞として使用した。図14に典型的な応答を描く。大量の培養物は4種のHER−2ペプチドのそれぞれに対する特異性を含有する。抗腫瘍応答を卵巣腫瘍細胞系(ATCC;HTB−77)で評価した。標的細胞系がHLA−A2.1拘束性でない場合、われわれは+/−アッセイ系を有するように細胞系をトランスフェクトした。HLA−A2.1をHTB−77系統にトランスフェクトした場合、CD8エフェクター細胞による高められた殺傷が示された(図15、図AないしD)。個々のペプチドを代表するHER−2特異的エフェクターを評価して、この腫瘍細胞系上でのペプチドエピトープのそれぞれの提示を確認した。
腫瘍細胞の溶解に必要とされるIFNγ処理
HTB−77/A2.1細胞系は、ペプチド特異的溶解を立証するためにIFNγでの前処理を必要とする。細胞を、51Cr放出アッセイの開始前24時間、500U/mlのIFNγ(25ng/mlの比活性)で処理した。図17で、IFNγの添加は、HLA−A2.1でトランスフェクトされた細胞系の高められた溶解をもたらした。HLA−A2.1およびHER−2双方の表面発現に対するこの用量のIFNγの影響を決定するために、FACS分析を実施して、誘導の24および48時間後双方のこれらの分子のレベルを測定した。図18、図AおよびBはFACS分析の結果を描く。図Aで、IFNγでの誘導後24および48時間に、HTB−77細胞の表面上でのHER−2分子の促進は存在しなかった。HLA−A2.1でトランスフェクトされた細胞では、HER−2もHLA−A2.1も、類似の処理プロトコル後に表面の発現レベルの増大を立証しなかった。示されたことは、mRNAレベルをマイクロアレイDNAチップ分析により評価した場合のTAP−1の発現、ならびにHLA−DMおよび−DR、カテプシンSおよびDならびにカスパーゼ5のレベルの増大であった(図19)。これは、IFNγの存在下でHTB−77/A2.1細胞の促進殺傷が存在する理由を説明するとみられる。この特定の分子のアップレギュレーションは、HER−2分子のより効率的なプロセシングをもたらして目的のペプチドのより良好な提示を可能にするとみられる。
ペプチド
合成ペプチドはペプチド合成機(ギルソン カンパニー インク(Gilson Company,Inc.))を使用して標準的なFmoc化学により作成した。全部のペプチドはC−8カラムでの逆相HPLCにより>95%純度まで精製した。純度および正体は、電子スプレーイオン化を用いる質量分析計を使用して確立した。黒色腫関連ペプチドは:ペプチド819はMART−1特異的であり(AAGIGILTV 配列番号6)、817および853は双方がgp100ペプチドであり(それぞれITDQVPFSV 配列番号4およびKTWGQYWQV 配列番号5)、チロシナーゼ特異的ペプチドは689および792であり、792は、ペプチド689により表される天然の配列(YMNGTMSQV 配列番号1)の翻訳後修飾されたバージョン(YMDGTMSQV 配列番号2)を表した、を包含した。ペプチド826(CLTSTVQLV 配列番号7)および835(KIFGSLAFL 配列番号8)は、p185タンパク質のそれぞれ細胞内および細胞外ドメインからのHER−2/neu配列を表した。Pec6020(ALALAALLVV 配列番号10)Pec6025(ALLVVDREV 配列番号11)は卵巣腫瘍系統で検出される粘液素タンパク質を表す重なり合う配列であった。C−レ
クチンもまた卵巣腫瘍細胞系で検出されるタンパク質であり、そしてその配列からのペプチド(C−レクチン8)はKMASRSMRL 配列番号9により表される。
インビトロ細胞傷害性アッセイ
標準的51Cr放出アッセイを実施して、T2細胞に添加された黒色腫関連ペプチドエピトープのCTLエフェクター細胞認識を測定した。収集された3×106個のT2細胞を、RPMI+10%FBS(培地)中で成長させた。0.1mCiの51Crを加え、そして水浴中37℃でインキュベートした。標識された細胞を10mlの4%洗浄液(RPMI+4%FBS)およびペレットに加え、追加の2回洗浄し、そして自発的対洗剤に溶解された細胞の放射活性を記録するために0.2×106個/mLの最終濃度に培地で再懸濁した。細胞に20μg/mLの適切なペプチド(1種もしくは複数)を30分間適用した。50μLを、10、2、0.4および0.08×106個/mLのCD8エフェクター細胞をそれぞれ含有する各96穴プレートに加え、これを37℃で6時間インキュベートし、回転しかつ上清について収集した。
フローサイトメトリーおよび四量体染色
細胞を、FACS緩衝液(PBS中1%BSA、0.02%NaN3)中4℃で30分間のインキュベーション、次いで同一緩衝液での洗浄により、FITCもしくはPE結合モノクローナル抗体で標識した。細胞を、データ獲得およびそれのセルクェスト(CellQuest)ソフトウェアを用いるFACScanフローサイトメーター(ベクトン ディッキンソン(Becton Dickinson))での分析前に0.5%ホルムアルデヒド中で固定した。非特異的染色は、精製された一次抗体を標識するのに使用された同一の二次抗体、もしくは一次抗体を直接標識した場合はアイソタイプを合致された対照を用いて測定した。四量体染色は、陰性対照として配列SLYVTVATL 配列番号43をもつHLA−A2.1特異的HIVgag四量体分子(ベックマン コールター(Beckman Coulter))を用いて実施した。HER−2特異的四量体は、配列CLTSTVQLV(826 配列番号7)、KIFGSLAFL(835 配列番号8)もしくはVMAGVGFSPYV(861 配列番号16)ペプチドを用いて作成した。PE標識四量体HLA−A2.1−ペプチド複合体を、フルオレセインイソチシアネート(FITC)標識抗ヒトCD8a(BD ファーマジン(BD PharMagin))モノクローナル抗体とともに使用して、エピトープ特異的CD8+ T細胞を、包装挿入物に記述されたとおり染色した。サンプルをベクトン ディッキンソン(Becton
Dickinson)FACScanでの二色フローサイトメトリーにより分析し、そしてゲートされた(gated)CD8+ T細胞を、四量体HLA−A2.1−ペプチド複合体での染色について検査した。
実施例4
本エクスビボ刺激プロトコルを用いる付加的な***および卵巣特異的CTLの生成
われわれは、多様な腫瘍起源の数種の腫瘍抗原の全部の既知のHLA−A2.1拘束性ペプチドエピトープに対するCTL応答を生成する能力を立証した。われわれの当初の研究は黒色腫に焦点を当て、ここで、われわれは、MART−1、gp100およびチロシナーゼの黒色腫関連タンパク質に特異的な4種の異なるペプチドエピトープに特異的なCTLで治療された患者における客観的臨床応答を立証することが可能であった[Richardsら,Amer.Soc.Clin.Oncol.,カリフォルニア州サンフランシスコ(2001年5月)]。
インターフェロンおよびインターロイキン−2と連結されたCTL注入を使用する悪性黒色腫の治療
試験の目的
本実施例は、以下の因子:
1.ヒトクラスIおよび共刺激分子でトランスフェクトされかつ黒色腫関連ペプチドエピトープを添加されたショウジョウバエ(Drosophila)細胞でのインビトロ免疫感作後に再注入される自己CTLの有効性を確立する;
2.処方された用量およびスケジュールでの、インターフェロン−α−2b(IFN−α)、インターロイキン−2(IL−2)、およびショウジョウバエ(Drosophila)細胞での免疫感作によりエクスビボで生成される自己CTLの投与の安全性および忍容性を確立する;
3.腫瘍浸潤T細胞が治療後に腫瘍生検中に存在するかどうかを決定する;
4.治療された患者の末梢血中の抗原特異的CD8細胞の存在および持続性を立証する;5.IFNα(10MU/m2)の5回の連続する連日の皮下注入が、インビボで黒色腫の表面上のクラスIおよび黒色腫関連抗原をアップレギュレートすることができることを確認する
に従って評価されるところの黒色腫の治療における細胞傷害性T細胞注入の有効性を教示する。
患者集団
治療への適格性は、患者が測定可能かつ評価に容易にかけられた、組織学的に報告された切除不能の悪性黒色腫を有することを必要とした。加えて、患者はHLA−A2ハプロタイプを有することを必要とされた。治療前評価は、MRIもしくはCTスキャンによる脳の放射線学的評価、胸部および腹部のCT走査、ならびにとりわけ皮膚およびリンパ節の身体検査を包含した。参入されるべき患者の総数は42である。21例の患者は対照のサイトカインのみのアームにあり、また、21例の患者はサイトカイン+T細胞治療のアームにある。31例の患者が今日までに参入した(17例は対照アームに参入し、そして14例がT細胞治療アームに参入した)。対照アームで進行する患者は、彼らが所望する場合はT細胞アームへの交差を提供する(11例の患者が交差した)。今日までに治療された患者の総数は31(16例の男性、15例の女性)である。年齢は、52歳の平均を伴い27から80歳までの範囲にわたった。患者を、HLA−A2特異的モノクローナル抗体(ATCC:BB7.2)を用いるFACS分析によりHLA−A2ハプロタイプについてスクリーニングした。サブタイプ分類をPCR分析により実施した。2例を除く全患者がHLA−A*0201陽性であった。他のHLA−A2サブタイプはHLA−A2*0202およびHAL−A2*0205であった。
薬物の投与
インターフェロン−α−2b(イントロン−A[Intron−A](R);組換えインターフェロンα−2b、シェリング コーポレーション(Schering Corporation)、ニュージャージー州ケニルワース)を、CTL注入前の連続する5日間、10MU/m2で患者に皮下に投与した。エクスビボでショウジョウバエ(Drosophila)細胞で活性化された自己リンパ球(1〜10×109個)を、INF−α投与後のその日に患者に注入した。インターロイキン−2(プロリューキン[PROLEUKIN](R);アルデスリューキン(Aldesleukin)、組換えIL−2、カイロン コーポレーション(Chiron COrporation)、カリフォルニア州エメリービル)を、CTL注入直後に連日3MIUで患者に皮下に投与し、そして別の連続する27日間継続した。
一次刺激
トランスフェクトされたショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞を、10%ウシ胎児血清および硫酸銅を補充されたシュナイダー(Schneider)培地中(106個の細胞/mL)、27〜28℃で24〜72時間インキュベートする。S2細胞を収集し、洗浄し、そして、0.1μg/mLの各ペプチド;ヒトチロシナーゼ369−377(配列番号1 YMNGTMSQVおよび配列番号2 YMDGTMSQV)、gp100 209−217(配列番号4 ITDQVPFSV)、gp100 154−162(配列番号5 KTWGQYWQV)およびMART−1 27−35(配列番号6 AAGIGILTV)、ならびに5μg/mLヒトβ2ミクログロブリンを含有する昆虫エクスプレス培地(Insect X−press medium)(バイオウイタッカー(BioWhittaker))に再懸濁する。室温(23〜25℃)で3〜4時間のインキュベーション後に、S2細胞を、5〜10%自己血清を補充されたロズウェル
パーク メモリアル インスティテュート(Roswell Park Memorial Institute)(RPMI)培地(合成培地、ギブコ(Gibco))中1:10の比でCD8+細胞と混合する。細胞混合物を37℃で4日間インキュベートし、その時間の間にショウジョウバエ(Drosophila)細胞が死に絶える。第4もしくは5日に、IL−2(20U/mL)およびIL−7(30U/mL)を、培地の交換を伴い加えて、黒色腫関連抗原(MRRT−1、gp100およびチロシナーゼ)に対する特異性をもつ細胞よりなる抗原特異的CTL集団を選択的に増大させる。
再刺激
白血球成分分取の時点で得られかつ将来の使用のため凍結された自己CD8枯渇PBMCSを融解し、洗浄し、そして、10%自己血清、5μg/mL組換えヒトβ2ミクログロブリン、ならびに5〜20μg/mL(添加されるべきペプチドの総数に依存する)の、上述された刺激で使用されたチロシナーゼ、gp100およびMART−1を含有するRPMI培地に106〜107個の細胞/mL(CD8単離段階の時点で収集されたCD8枯渇PBMCの数に依存する)で再懸濁する。γ線照射(5,000ラド)後に、細胞
を37℃で2時間インキュベートする。非接着細胞を、ダルベッコのPBSで洗浄することにより除去する。接着性単球に、1%HSA(自己血清の代わりに、血清中に存在するかもしれない潜在的プロテアーゼを導入する可能性を回避するため)中の5μg/mLヒトβ2ミクログロブリンおよび5〜10μg/mLの5種のペプチドエピトープのそれぞれを含有するレイボヴィッツ(Leibowitz)培地中での90分間のインキュベーションにより、上述された5種のペプチドエピトープを添加する。上清を除去し、そして、ショウジョウバエ(Drosophila)で活性化されたCD8細胞懸濁物(10%自己血清を含むRPMI培地中2.5×106個の細胞/mL)を、1の接着性単球に対し10のCD8細胞の比で加える。37℃で3ないし4日の培養の後に、IL−2(20U/mL)およびIL−7(30U/mL)を、培地の交換を伴い加えて、黒色腫特異的CTL集団を選択的に増大させる。合計で2回のこうした接着性細胞のペプチド特異的再刺激段階(一方は一次刺激後およそ1週間後、および第二のものはおよそ1週間後)が起こる。非特異的増大段階は、4週間のエクスビボプロトコルの開始時に起こる。
非特異的増大
2回の再刺激を受けたCD8+エフェクター細胞を、OKT3抗体で刺激された後にフィーダー細胞(照射された、CD8+選択されない細胞)とともに細胞培養袋中で増大させる。凍結されたCD8+選択されない細胞を融解し、洗浄し、そしてその後γ線照射する(3500ラド)。4:1(フィーダー:エフェクター)の比を、OKT3抗体で被覆されたT−225フラスコに入れる。OKT3刺激は、20U/mLのIL−2を補充された10%自己血清を含有する完全RPMI培地で実施する。2日後に、刺激されたT細胞を新鮮培地で希釈し、そして増大のために細胞培養袋に移す。新鮮培地およびIL−2をおよそ2日ごとに補充して、迅速に拡張するT細胞を養う。
エクスビボ刺激プロトコル後のCD8細胞の表現型分析
フローサイトメトリーにより測定されるところの表現型分析を、白血球成分分取サンプルからの単離の日、および細胞を患者に戻す注入のため解放した日に、精製されたCD8+細胞で実施した。統計学的分析を、同一のエクスビボ刺激プロトコルを受けた患者および正常ドナーからのサンプルを用いて実施した。統計学的有意差が、サンプルが患者由来であったか正常ドナー由来であったかに関係なく、投薬を受けたことのないCD8+サンプルと、エクスビボ刺激プロトコルの終了時に得られたCD8+エフェクター細胞との間で見出された。
IFN−α−2bの添加に応答してのクラスIおよび黒色腫関連抗原のアップレギュレーション
本明細書の実施例2に記述される臨床試験から、臨床プロトコルの第17〜21日に10MU/m2で皮下に投与されるIFN−α−2b(イントロン−A[Intron−A](R))の5日のクールが、抗原特異的T細胞による認識および溶解に対する2つの重
要な要件、HLA(クラスI)発現および黒色腫関連抗原発現の双方をアップレギュレートするのに十分であったことが示された。この知見は、分析に利用可能な複数の皮下の皮膚傷害を伴う単一の患者(04−MJ)から得られた連続生検で記録された。4サンプルを、(A)治療前;(B)IFNα治療(5連続投与)の開始後;(C)CTL注入1後および(D)注入2後と分類した。4種の生検サンプルからのHLA(HLA−A2.1)および黒色腫関連抗原(MART−1)の発現に関する免疫組織化学分析からの結果を表13に要約し、ここで、より大きな数字はより高レベルのそれぞれのタンパク質の発現を示す。該結果は、最初の連続する5日のIFN−α治療後にHLA(HLA−A2.1)および黒色腫関連抗原(MART−1)の発現の付加的な増大が存在しなかったことを示し、連続する5日を越えるインターフェロン−α2b治療は、至適レベルのHLA−A2.1およびMART−1発現に達するのに必要でなかったことを示した。
そして水中ですすいだ。スライドガラスを、4周期のアルコール(70〜95〜95〜100%)、次いで3周期のキシレンにより水和した。免疫組織化学的分析で使用された抗体は、ATCC(汎HLAクラスI、W6/32およびHLA−A2特異的、BB7.2)もしくはネオマーカー(NeoMarker)(MART−1、M2−7C10)からであった。
治療の反復周期での細胞数の増大
臨床試験CTL−03において、インビトロ培養周期の第6日に記録された細胞数が、CTL−02において治療の各周期で検出されたように減少したよりはむしろ増大したことが示された(図21)。図21Aは、CRL−02試験におけるエクスビボ生成されたCD8+細胞の典型的な成長曲線を表す。第6日の典型的な下落は非特異的細胞の死滅を反映した。患者15−RTについての治療の各周期からのCD8細胞は類似の成長曲線を有し、治療の各周期後に末梢血中に残存する記憶細胞が存在しなかったことを示唆した。これは試験CTL−03において真実でなかった。細胞数の典型的な下落は01−KN−1で示され、第一の周期の間に得られる細胞でみられる下落を反映する。しかしながら、細胞計数を周期2および3の開始時に得られた細胞で実施した場合(図21B;01−KN−2および01−KN−3)、成長曲線は記憶細胞の存在により典型的であった。これは、試験CTL−03において治療の第二および第三の周期からであった全患者サンプルで示された。この結果は、CTL注入の時点およびCTL注入27日後の患者へのIL−2の添加に帰することができる。
細胞計数 トリパンブルーの0.2%溶液を調製した。細胞の計数は血球計算板を使用して実施した。最低1個の完全な正方形(合計9.1平方mm)中の最低100個の生存可能(染色されない細胞)の数を記録した。生存細胞の数を記録し、そして完全な1mm正方形の数を計数した。細胞/正方形の数。細胞/mLを決定するための計算は:(細胞数/1mm正方形)(希釈計数)(1×104個)=細胞/mLである。
四量体分析はCTL注入後の抗原特異的T細胞の存在を確認する
試験CTL−03について、MART−1もしくはgp100黒色腫関連ペプチドのいずれかを含有する四量体分子が、抗原特異的T細胞の分析に商業的に入手可能であった(ベックマン コールター(Beckman Coulter);イムノミックス(Immunomics))。これらの四量体分子は試験CTL−02に利用可能でなかった。図22に示されるところの、試験CTL−03にて治療の第二の周期を受けた6例の患者で、6例中6例の患者が、第一の白血球成分分取サンプリングの時点から治療の第二の周期の開始(一般に2ヶ月の期間である)までにMART−1特異的T細胞のレベルの増大を有した。gp100四量体分子を使用して抗原特異的T細胞を評価した場合に、6例中5例の患者が、第二の白血球成分分取の時点で上昇されたgp100特異的T細胞を有した(図22)。白血球成分分取手順の開始は細胞治療周期の開始を示す。1例の患者(15−DC)において、合計で6周期のT細胞治療を実施した。各周期はおよそ2ヶ月だけ分かれていた一方、周期4と5との間の時間枠は、患者が休暇のために休みを取ることを欲したために5ヶ月であった。周期4の開始時のMART−1およびgp100に対する抗原特異的T細胞はそれぞれ0.26%および0.65%であった。CD8細胞を周期5の開始時に評価した場合、MART−1に対する抗原特異的細胞は0.29%、およびgp100に対して0.46%であった。これは、抗原特異的細胞が、サイトカインおよび細胞治療を一時中止した後でさえインビボで維持されていたことを示唆することができる。
を追加の30分間継続した。1〜2mLの洗浄緩衝液を使用して、インキュベーション期間の終了時にサンプルを洗浄した。細胞を低速(400×g)で10分間ペレットにし、そして上清を廃棄した。各細胞ペレットを、0.5mlの0.5%ホルムアルデヒド/PBS固定剤に再懸濁し、そして適切な設定のFACScan(ベクトン ディッキンソン(Becton Dickinson))フローサイトメーターで読取った。
細胞溶解活性、抗原特異性および細胞増殖を測定するのに使用された3種の異なるインビトロアッセイ間の相関
抗原特異的細胞も評価する四量体技術の到来に伴い、多くの刊行物が、黒色腫患者の末梢血中における有意な数の抗原特異的T細胞を報告した(Leeら、Nature Medicine(1999)5:677−685)。これらの抗原特異的細胞を単離しかつ抗原特異的様式で細胞を増大させる試みを行った場合に、大量の失敗が存在した。四量体染色は抗原特異的T細胞の存在を検出することを可能にする一方、CTL溶解アッセイのような付加的なアッセイは、該細胞がペプチド特異的標的を適正に殺すことができるかどうかを決定するのに有用である。細胞内インターフェロンγアッセイを使用して、細胞が抗原に応答して増殖することができるかどうかを決定することができる。これら3種のアッセイを、最終的なCD8+ T細胞生成物で行って(図23)、検出された抗原特異的T細胞の数が、インビボで腫瘍細胞を溶解が可能でありかつ抗原刺激に応答して増殖することができるT細胞の数を正確に反映することを確実にした。
一次刺激後(第6日)の細胞上清中で測定されるインターフェロンγは、T細胞治療の反復周期とともに増大する
IL−2がインビボでのT細胞の持続性に対する劇的な影響を有していたことの別の表示は、細胞上清中のIFNγ産生を測定することにより示された(図24)。治療周期のそれぞれでのショウジョウバエ(Drosophila)細胞での一次刺激の6日後に、細胞上清を収集し、そして抗原特異的刺激に応答してCD8+細胞により放出されるサイトカイン、インターフェロンγのレベルについて評価した。4例の患者の反復周期において、IFNγ産生のレベルは、この時間枠で各回のT細胞治療で増大したことが示された。IFNγレベルは全例で低いないし検出不可能であった。各付加的な回のT細胞治療で、より高レベルのIFNγが検出され、より多数の抗原特異的T細胞が、各白血球成分分取の時点で単離されたCD8+集団中に存在したことを示唆した。
腫瘍細胞に浸潤するT細胞の検出
CTL−03試験で3周期のサイトカインおよびT細胞治療を受けた1例の患者(04−AD)において、皮膚傷害の生検を第三の周期の終了6週間後に得た。クラスIならびに黒色腫関連抗原MART−1およびgp100の存在は、免疫組織化学的染色分析で存在した。浸潤するT細胞(CD3+)の存在もまた示された。腫瘍の陽性の免疫組織化学的染色は、クラスIおよび黒色腫関連抗原がIFNαの5日投与により維持かつ/もしくはアップレギュレートされたことを示唆する。黒色腫細胞上のこれらのマーカーの存在は、抗原特異的T細胞が抗原特異的様式で腫瘍細胞を溶解することを可能にする。T細胞注入6週間後の腫瘍塊内の浸潤するT細胞の存在は、T細胞が、実際にこれらのT細胞が注入されたT細胞のサブセット集団を表す場合にはインビボで持続していることを示唆する。
インビトロ細胞傷害性アッセイ 標準的51Cr放出アッセイを実施して、T2細胞上に添加された黒色腫関連ペプチドエピトープのCTLエフェクター細胞認識を決定した。3×106個のT2細胞(TAP欠損、HLA−A2.1陽性)をRPMI+10%PBS(培地)中で成長させかつ収集した。標的あたり100mLの51Crを添加し、そして水浴中37℃でインキュベートした。標識された細胞を、10mLの4%洗浄液(4%FBSを含むRPMI)の容積まで加え、そしてペレットにした。洗浄を追加の2回実施した。細胞を、0.2×106個/mLの最終濃度まで培地に再懸濁し、そして自発的対最大の(洗剤で溶解された)細胞の放射活性を記録した。細胞に、10〜20μg/mLの適切なペプチド(1種もしくは複数)を30分間適用した。50μL/それぞれ異なるエフェクター:標的比でCD8+エフェクター細胞を含有する96穴プレート。混合物を37℃で6時間インキュベートした。プレートを回転し、そして上清を収集する。放射活
性の上清をコブラ(Cobra)γ線計数器で計数した。特異的51Cr放出を、式(51Cr放出−自発的放出)/(最大放出−自発的放出)×100を使用して計算した。
生物学的応答調節剤(modifier)に関連する毒性
生物学的応答調節剤(例えばIFNαおよびIL−2)を用いる臨床研究の目的は、毒性を最小限のレベルに低下させつつ治療の利益を維持する至適条件を決定することである。とは言え、現在承認されている用量および投与スケジュールのIFN−α−2bは、黒色腫患者の生存を有意に延長させることができる。投与は重症の毒性もまた伴う可能性がある。高用量のIL−2は低用量の連続注入より有効であるようであるが、それでもなお高用量のIL−2はまたより毒性でもある。最も普遍的な副作用は流感様の症状である。最も重篤な副作用は、低血圧、毛細血管漏出症候群および低下された臓器灌流である。IL−2は、腎細胞癌および悪性黒色腫双方に臨床で使用されている。低用量皮下レジメンのIFN−α−2bおよびIL−2の組合せ剤は、他の臨床設定で記述されている(Pectasidesら,Oncology(1998)55:10−15;Pigaら,Cancer Immunol Immunotherapy(1997)44:348−351)。
られた。しかしながら、われわれのサイトカインレジメンは合計33日(IFNαで5日およびIL−2で28日)続き、所望の結果をこのより短い時間枠で達成することができる場合にそれをより魅力的にする。臨床試験CTL−02において、われわれは、連続する5日の投薬でわれわれの所望の効果に達することが可能であり、そして付加的な11の投与は必要とされなかった。試験CTL−03において、該試験に参入した31例の患者のなかで1例のみが、サイトカイン療法の単一周期を完了することを拒否した。全体に、該IL−2用量は、大部分の患者により良好に耐えられた。
所望の効果に達するために必要とされるサイトカインの量
フェーズI試験において、IL−2に加えて顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびIFN−α−2bを投与する組合せ免疫療法プロトコルにおけるIL−2の最小用量は、2〜4MIU/m2、皮下に3週間ごとに12日間であった。免疫活性化をモニターし、そしてリンパ球、活性化されたCD4+およびCD8+ T細胞、NK細胞、ならびに単球DR発現の有意の増大が見出された27。この試験でのIL−2の投与は、われわれが試験CTL−03で使用したものに類似であった(連続する4週間、連日皮下に投与される3MIU)が、しかしながら、われわれは、IL−2治療の開始時に有意の数の抗原特異的T細胞を患者に提供するという付加される利益を有する。
b.被験体もしくは適するドナーからCD8+細胞を収集すること;
c.前記CD8+細胞を前記nnAPC細胞系で刺激すること;
d.馴化成長培地(CGM)もしくはIL−2、IL−7よりなる群から選択されるサイトカインを含有する培地に前記CD8+細胞を加えること(前記サイトカインは個別にもしくは組合せで使用することができ);
e.前記被験体もしくは適するドナーから収集された懸濁されない末梢血単球もしくはCD−8枯渇末梢血単球を、約1ないし50μg/mlの、前記nnAPCが同時に提示することができる前記ペプチドの1種と混合すること;
f.前記末梢血単球懸濁物を、所望の末梢血単球を除く懸濁物中の全部の成分を無効にするのに必要な十分な線量のγ線放射で照射すること;
g.接着性末梢血単球を単離すること;
h.前記接着性末梢血単球に、約1μg/mlないし50μg/mlの前記各ペプチドを添加すること;
i.前記CD8+細胞を、1の末梢血単球に対し約10のCD8+細胞の比で、前記接着性末梢血単球と組合せること;および
j.前記被験体にCD8+懸濁物を接種すること
を含んで成る、前記被験体における前記ウイルス感染の治療方法。
b.黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ、有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法。
a)天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(前記nnAPCは前記黒色腫と関連する約15までの異なるエピトープを同時に提示することが可能であり、かつ、各エピトープは長さ8ないし10アミノ酸のペプチドであり);
b)前記黒色腫と関連する約15までの異なるエピトープをnnAPCに添加すること;c)前記被験体からCD8+細胞を収集すること;
d)前記CD8+細胞を、エピトープを添加されたnnAPC細胞系で刺激して黒色腫に特異的なCD8+細胞を得ること;
e)黒色腫に特異的なCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する培地中で成長させること;
f)前記被験体から収集されたCD8枯渇末梢血単球を、nnAPC添加に使用された各エピトープと混合すること;
g)前記CD8枯渇末梢血単球をγ線放射で照射すること;
h)接着性のCD8枯渇末梢血単球を単離すること;
i)前記接着性末梢血単球に、nnAPC添加に使用された各エピトープを添加すること;
j)黒色腫に特異的な前記CD8+細胞を、エピトープ添加された接着性末梢血単球で再刺激すること;
k)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する培地中で成長させること;ならびに
l)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、OKT3抗体刺激により増大させること
の段階を含んで成る方法により得られる、10.記載の方法。
b.注入あたり約1〜10×109個の細胞の、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に導入すること;および
c.導入段階後第0日から第28日まで連続して約3MIU/日のインターロイキン−2を被験体に皮下投与すること
の段階を含んで成る、14.記載の方法。
Claims (13)
- a.腫瘍の表面上の腫瘍抗原の発現を高めることが可能である有効量のインターフェロン−αを、黒色腫を伴う被験体に投与すること;および
b.黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ、有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種すること
の段階を含んで成る、前記被験体の治療方法。 - 黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球のインビボ維持を高めることが可能である有効量のインターロイキン−2を前記被験体に投与することの段階をさらに含んで成る、請求項1記載の方法。
- インターフェロン−αが、インターフェロン−α−2aもしくはインターフェロン−α−2bから選択される、請求項2記載の方法。
- インターフェロン−αの有効量が10MU/m2/日であり、かつ、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種する前第5日から第1日まで連続して該被験体に皮下投与される、請求項2記載の方法。
- 黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球の有効量が、注入あたり1〜10×109個の細胞である、請求項2記載の方法。
- 黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球が:
a)天然に存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製すること(前記nnAPCは前記黒色腫と関連する15までの異なるエピトープを同時に提示することが可能であり、かつ、各エピトープは長さ8ないし10アミノ酸のペプチドであり);
b)前記黒色腫と関連する15までの異なるエピトープをnnAPCに添加すること;
c)前記被験体からCD8+細胞を収集すること;
d)前記CD8+細胞を、エピトープを添加されたnnAPC細胞系で刺激して黒色腫に特異的なCD8+細胞を得ること;
e)黒色腫に特異的なCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する培地中で成長させること;
f)前記被験体から収集されたCD8枯渇末梢血単球を、nnAPC添加に使用された各エピトープと混合すること;
g)前記CD8枯渇末梢血単球をγ線放射で照射すること;
h)接着性のCD8枯渇末梢血単球を単離すること;
i)前記接着性末梢血単球に、nnAPC添加に使用された各エピトープを添加すること;
j)黒色腫に特異的な前記CD8+細胞を、エピトープ添加された接着性末梢血単球で再刺激すること;
k)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、IL−2およびIL−7を含有する地中で成長させること;ならびに
l)黒色腫に特異的な再刺激されたCD8+細胞を、OKT3抗体刺激により増大させること
の段階を含んで成る方法により得られる、請求項2記載の方法。 - 段階(j)を最低もう1回反復することができる、請求項6記載の方法。
- 前記天然に存在しない抗原提示細胞系が、チロシナーゼ、gp100およびMART−1由来のペプチドであるエピトープを添加される、請求項6記載の方法。
- 前記天然に存在しない抗原提示細胞系が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5および配列番号6のアミノ酸配列を含んで成るエピトープを添加される、請求項8記載の方法。
- インターロイキン−2の有効量が3MIU/日であり、かつ、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ有効量の自己の細胞傷害性Tリンパ球を前記被験体に接種した後第0日から第28日まで連続して被験体に皮下投与される、請求項6記載の方法。
- 該方法が2ヶ月の間隔で反復される、請求項6記載の方法。
- 該方法が、最低2周期の間反復され、かつ、各周期後に前記被験体における応答を評価することの段階をさらに含んで成る、請求項11記載の方法。
- a.黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に接種する前第5日から第1日まで連続して、前記被験体に10MU/m2/日のインターフェロン−α−2bを皮下投与すること;
b.注入あたり1〜10×109個の細胞の、黒色腫関連標的抗原に対する特異性をもつ自己の細胞傷害性Tリンパ球を被験体に導入すること;および
c.導入段階後第0日から第28日まで連続して3MIU/日のインターロイキン−2を被験体に皮下投与すること
の段階を含んで成る、請求項6記載の方法。
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