JP2010229166A - 樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塊状重合による射出成形で形成される樹脂成形体に関し、詳しくは、携帯電話に付属するカメラ用レンズなど小型成形体に好適な樹脂成形体に関する。
【解決手段】 ルボルネン系モノマー中に三量体以上のシクロペンタジエンの多量体を少なくとも60〜100重量%含むノルボルネン系モノマーを、メタセシス錯体触媒の存在下に塊状重合して樹脂成形体を得る。この樹脂成形体は、光線透過率が高く、屈折率も高いことから、レンズとして好適である。
【選択図】 なし

Description

塊状重合による射出成形で形成される樹脂成形体に関し、詳しくは、携帯電話に付属するカメラ用レンズなど小型成形体に好適な樹脂成形体に関する。
反応射出成形は、成形型内で例えばノルボルネン系モノマーなどのモノマーを塊状重合することにより成形体を得る方法で、大型成形体を短時間に製造することのできる成形方法として知られている。樹脂に比べ、粘度の低いモノマーを成形型に流し込むことから、複雑な形状の成形体の製造にも適している。ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成形では、モノマーとして、シクロペンタジエンの二量体であるジシクロペンタジエンを主モノマーとし、シクロペンタジエンの三量体以上の多量体は架橋性モノマーとして、全モノマー中せいぜい50重量%以下の割合で用いられてきた(特許文献1〜4など)。
ところで、ノルボルネン系モノマーを開環重合し、次いで水素添加したノルボルネン系開環重合体水素添加物は、射出成形により、光学特性に優れたレンズを提供することは知られている(特許文献5〜8など)。射出成形は、樹脂を加熱により溶融し、金型内で再び固化させる方法である。小型成形体を射出成形などの金型成形に採用する場合、樹脂を十分に加熱し溶融させないと、小さな金型に樹脂がきちんと充填されない。ガラス転移温度が高い樹脂を用いると、樹脂の溶融温度を高くする必要があり、成形体の冷却に時間を要する。この生産性の側面から、射出成形で用いる樹脂のガラス転移温度は、せいぜい200℃程度が限界であった。
一方、小型レンズは様々な機器に搭載され、様々な環境下で使用されるため、より高い耐熱性が求められている。
ガラス転移温度の高いノルボルネン系付加樹脂を用いた樹脂成形体として、溶液キャスティング法によるフィルム状又はシート状成形体が知られている(特許文献9など)。特許文献9には、ノルボルネン系開環重合体の水素添加物であって高いガラス転移温度を有する重合体を得る具体的な手段は記載されておらず、また、溶液キャスティング法以外の方法で、フィルム状又はシート状成形体以外の成形体を成形することに成功していない。仮に、高いガラス転移温度のノルボルネン系重合体を溶融して、成形体を得ることは出来たとしても、その後の冷却に時間を要するため、工業生産性には著しく劣り、現実的ではない。
特開平5−069514号公報 特開平7−266434号公報 特開2007−009043号公報 特開2008−126417号公報 特開平4−023838号公報 特開平6−273701号公報 特開平7−252316号公報 特開2004−292842号公報 特開2006−328358号公報
かかる従来技術の下、ノルボルネン系樹脂からなる、耐熱性に優れた小型のレンズを生産性良く得るべく鋭意検討した結果、シクロペンタジエンの多量体の中でも三量体以上のものを多く用いて、メタセシス触媒存在下に塊状重合させると、樹脂の溶融工程が省略でき、成形体の冷却時間が短縮される(生産性が向上する)ばかりでなく、耐熱性と透明性に優れたノルボルネン系樹脂成形体が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、ノルボルネン系モノマーを、メタセシス錯体触媒の存在下に塊状重合して得られるノルボルネン系樹脂において、ノルボルネン系モノマー中に三量体以上のシクロペンタジエンの多量体を少なくとも60〜100重量%含むことを特徴とするノルボルネン系樹脂からなる樹脂成形体が提供される。
前記ノルボルネン系樹脂において、前記ノルボルネン系モノマー中の全シクロペンタジエンの多量体中、4量体のシクロペンタジエンの量が10〜100重量%であるのが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(以下、Tgということがある)は、260℃以上であるのが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂は、当該ノルボルネン系樹脂からなる3mm厚の板状成形体の450nmにおける光線透過率が70%以上であることが好ましい。
本発明の樹脂成形体は、塊状重合により得られる。塊状重合に用いるノルボルネン系モノマーは、シクロペンタジエンの多量体のうち、3量体以上のものを60〜100重量%、好ましくは65〜100重量%含有するものである。
また、ノルボルネン系モノマー中の全シクロペンタジエンの多量体中、4量体のシクロペンタジエンの量は、好ましくは10〜100重量%10〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。ノルボルネン系モノマー中の全シクロペンタジエンの多量体中、4量体以外の多量体として、3量体を含有するのが好ましく、多量体中の、3量体と4量体の合計が80〜100重量%であるのが好ましく、90〜100重量%であるのがより好ましく、95〜100重量%であるのが特に好ましい。
また、ノルボルネン系モノマー中の、二量体以上のシクロペンタジエンの多量体の割合は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。即ち、ノルボルネン系モノマーは、シクロペンタジエンの多量体からなるのが好ましい。
シクロペンタジエンの多量体には、二量体のジシクロペンタジエンもあるが、レンズを得るためには、ノルボルネン系モノマー中の、ジシクロペンタジエンの割合は、40重量%以下、好ましくは0〜35重量%、より好ましくは0〜30重量%である。
シクロペンタジエンの多量体以外のノルボルネン系モノマーとしては、入手が容易であり、反応性に優れ、得られる成形体の耐熱性に優れる点から、ノルボルネン、ノルボルナジエン等のノルボルネン化合物やテトラシクロドデセン等のテトラシクロドデセン化合物及びこれらの置換体が好適な例として挙げられる。置換体の置換基としては、メチル、エチル、プロピル及びブチルなどのアルキル基;ビニル等のアルケニル基;エチリデン等のアルキリデン基;フェニル、トリル及びナフチル等のアリール基;エステル基;エーテル基;シアノ基;及び、ハロゲン原子;などが挙げられる。これらのモノマーは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このほか、ノルボルネン系モノマーと開環共重合しうる、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、及びシクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、コモノマーとして用いてもよいが、その割合は、全モノマー中10重量%以下の範囲とするのが、得られるレンズの耐熱性の観点から好ましい。
本発明において、塊状重合は、メタセシス触媒存在下で進行する。メタセシス重合触媒は、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が結合してなる錯体である。遷移金属原子としては、第5、6および8族(長周期型周期表、以下同様)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、第5族の原子としては、たとえばタンタルが挙げられ、第6族の原子としては、たとえばモリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、たとえばルテニウムやオスミウムが挙げられる。
第6族タングステンやモリブデンを中心金属とするメタセシス重合触媒としては、六塩化タングステン等の金属ハロゲン原子;タングステン塩素酸化物等の金属オキシハロゲン化物;酸化タングステン等の金属酸化物;トリドデシルアンモニウムモリブデートやトリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート等の有機金属酸アンモニウム塩等を用いることができる。これらのなかでは、有機モリブデン酸アンモニウム塩が好ましい。
本発明では、メタセシス重合触媒として、第5、6および8族の金属原子を中心金属とする金属カルベン錯体を用いることも好ましい。金属カルベン錯体の中では、第8族のルテニウムやオスミウムのカルベン錯体が好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムやオスミウムのカルベン錯体は、塊状重合時の触媒の活性が優れているため、これらを触媒として用いることにより、ノルボルネン系樹脂成形体の生産性を向上させることができ、しかも、得られるノルボルネン系樹脂成形体の、未反応のノルボルネン系モノマーに由来する臭気を少なくすることができる。
ルテニウムカルベン錯体のなかでは、少なくとも2つのカルベン炭素がルテニウム金属原子に結合しており、該カルベン炭素のうち少なくとも一つにはヘテロ原子を含む基が結合しているルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。
メタセシス重合触媒の使用量は、反応に使用するモノマー1モルに対し、通常、0.01ミリモル以上、好ましくは0.1ミリモル以上、且つ、50ミリモル以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス重合触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時間が掛かるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化したり、触媒が析出したりし易くなり、均質に保存することが困難になる。
活性剤(共触媒)は、特に限定されず、その具体例として、周期表第11〜14族の金属の有機金属化合物を挙げることができる。その具体例としては、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド等の有機アルミニウム化合物;テトラブチル錫等の有機スズ化合物;ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;等が挙げられる。なお、ルテニウム触媒として、ルテニウムカルベン錯体を用いる場合には、活性剤を用いても用いなくてもよい。
活性剤の使用量は、特に限定されないが、通常、反応に使用するルテニウム触媒1モルに対して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、且つ、100モル以下、好ましくは10モル以下である。活性剤を用いなかったり活性剤の使用量が少なすぎたりすると、重合活性が低すぎて反応に時間が掛かるため生産効率が悪くなる。逆に、使用量が多すぎると、反応が激しすぎるので、型内に十分に充填される前に硬化することがある。
活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、樹脂成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合することにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めたりして用いてもよい。
また、活性調節剤を添加するのが好ましい。活性調節剤は、後述するようにルテニウム触媒のモノマー溶液と活性剤のモノマー溶液とを混合して金型に注入して重合が開始する際、注入途中で重合が開始するのを防ぐためのものである。
かかる活性調節剤としては、エーテル、エステル、ニトリル等のルイス塩基、アセチレン類及びα−オレフィン類が好適に使用される。具体的には、ルイス塩基としては、ブチルエーテル、安息香酸エチル、ジグライム等を例示することができる。また、アセチレン類としてはフェニルアセチレン等が、α−オレフィンとしてはビニルノルボルネン等を例示することができる。また、一方で共重合モノマーとして、極性基含有モノマーを用いる場合には、それ自体がルイス塩基であることがあり、調節剤としての作用を兼ね備えていることもある。調節剤は、活性化成分を含む溶液に添加するのが好ましい。また、活性調節剤としては、アルコール類も好適に用いることができる。
更に、モノマーの重合転化率を向上させるため、重合促進剤を添加することが好ましい。重合促進剤としては、塩素原子含有化合物が好ましく、中でも有機塩素化合物及び塩素化ケイ素化合物が好ましい。その具体例としては、2,4−ジクロロベンゾトリクロリド、ヘキサクロロ−p−キシレン、2,4−ジクロロ−トリクロロトルエン及び四塩化ケイ素等を挙げることができる。
上記活性調節剤及び重合促進剤の添加量は、特に限定されないが、ノルボルネン系モノマー重量の概ね10ppm〜10%である。
本発明において、樹脂成形体の特性の改良又は維持のために、配合液に各種添加剤を配合してもよい。かかる添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、軟質重合体、紫外線吸収剤、近紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、軟化剤、離型剤等を挙げることができる。
レンズなどの透明な樹脂成形体を得る場合には、成形体の変色を防止する観点から、酸化防止剤や光安定剤や紫外線吸収剤を配合するのが特に好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤外線吸収剤;ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−103,SIR−114,SIR−128,
充填剤としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベストなどの鉱物;ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの繊維;ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデンなどを例示できる。
帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコール、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
可塑剤としては、燐酸トリエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤、主骨格が主にC−C又はC=C構造である常温で液状の炭化水素ポリマーなどが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェートが特に好ましい。
これらの各種添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、ノルボルネン系モノマー100重量部に対して、それぞれ通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
各種添加剤は、触媒や活性剤のモノマー溶液に添加して用いる方法;別途モノマー溶液として調製し、反応射出成形時に触媒や活性剤のモノマー溶液と混合する方法;予め型内に充填しておく方法;等により添加される。添加方法は、添加剤の種類により適宜選定すればよい。
上述したノルボルネン系モノマー、ルテニウム触媒及び必要に応じて用いられる各種添加剤を含有してなる配合液を調製し、これを金型内へ導入することで、塊状重合反応を開始する。
配合剤の調製方法は、特に限定されず、これらの成分を任意の方法で混合すればよい。一般的には、ルテニウム触媒が活性剤(共触媒)を用いるか否かによって、以下の二方法を示すことができる。
即ち、ルテニウム触媒が活性剤を用いない場合には、ノルボルネン系モノマーを含有する反応原液(i)と、ルテニウム触媒を含有する反応原液(ii)とを混合すればよい。ここで、ルテニウム触媒を含有する反応原液(ii)は、ルテニウム触媒を少量の不活性溶媒に溶解又は分散して調製する。
一方、ルテニウム触媒が活性剤を用いる場合には、ノルボルネン系モノマーとルテニウム触媒とを含有する反応原液(以下、「A液」ということがある。)と、ノルボルネン系モノマーと活性剤とを含有する反応原液(以下、「B液」ということがある。)とを混合すればよい。このとき、ノルボルネン系モノマーのみからなる反応原液(以下、「C液」ということがある。)を併用してもよい。
必要に応じて用いられる各種添加剤は、上記のどの反応原液(「A液」、「B液」若しくは「C液」、又は、反応原液(i)若しくは反応原液(ii))に配合してもよいが、ノルボルネン系モノマーを含有する反応原液に配合して使用するのが好ましい。
充填材を使用する場合、充填材は、上記のどの反応原液(「A液」、「B液」若しくは「C液」、又は、反応原液(i)若しくは反応原液(ii))に配合してもよいが、ノルボルネン系モノマーを含有する反応原液に配合して使用するのが好ましい。
本発明においては、上記配合液を、型内で塊状重合させて、樹脂成形体を得る。
ノルボルネン系モノマー、ルテニウム触媒及びエラストマーを含有してなる配合液を金型内で塊状重合させるには、例えば、反応射出成形(RIM)装置として公知の衝突混合装置を用いることができる。
この衝突混合装置に、二種以上の反応原液(「A液」、「B液」及び「C液」、又は、反応原液(i)及び反応原液(ii))を、それぞれ別個に導入して、ミキシングヘッドで瞬間的に混合させ、得られる配合液を金型内に注入して、この金型内で塊状重合させることにより、樹脂成形体を得ることができる。
なお、衝突混合装置に代えて、ダイナミックミキサーやスタティックミキサー等の低圧注入機を使用することも可能である。
なお、供給前の反応原液の温度は、好ましくは10〜60℃であり、反応原液の粘度は、例えば30℃において、通常、5〜3,000mPa・s、好ましくは50〜1,000mPa・s程度である。
使用する金型にも特に限定はないが、通常、雄型と雌型とで形成される金型を用いる。
金型の材質は、特に限定されず、スチール、アルミニウム、亜鉛合金、ニッケル、銅、クロム等の金属及び樹脂を示すことができる。また、これらの金型は、鋳造、鍛造、溶射、電鋳等のいずれの方法で製造されたものでもよく、また、めっきされたものであってもよい。
型の構造は型に混合液及び被覆剤を注入する際の圧力を勘案して決めるとよい。また、金型の型締め圧力は、ゲージ圧で0.1〜9.8MPaである。
成形時間は、ノルボルネン系モノマー、ルテニウム触媒及び重合活性剤(共触媒)の種類、これらの組成比、金型温度等によって変化するので、一様ではないが、一般的には5秒〜6分、好ましくは10秒〜5分である。
雄型及び雌型を対とする金型で形成されるキャビティ内に反応原液を供給して塊状重合させる場合において、一般に一方の金型温度T1(℃)を、もう一方の金型温度T2(℃)より高く設定しておくことが好ましい。これにより、成形体における被覆膜が形成される面を、ヒケや気泡のない表面外観の美麗な面とすることができ、ひいては被覆膜の密着性向上に資することができる。
T1−T2は、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、上限は好ましくは60℃以下である。T1は、好ましくは110℃以下、より好ましくは95℃以下であり、下限は好ましくは50℃以上である。T2は、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下であり、下限は好ましくは30℃以上である。
金型温度を調整する方法としては、例えば、ヒータによる金型温度の調整;金型内部に埋設した配管中に循環させる、温調水、油等の熱媒体の温度調整;等が挙げられる。
塊状重合の終了後、金型を型開きして脱型することにより、本発明の樹脂成形体を得ることができる。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。本実施例中、「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。
(実施例1〜8、比較例1〜2)
表1に示した所定量(単位は重量部)のジシクロペンタジエン(DCP)及びシクロペンタジエンの3量体および4量体とからなるノルボルネン系モノマー200gに、0.01モル/リットル濃度のベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドのトルエン溶液を加えて10秒間撹拌した後、金型温度を80℃に設定した厚み3mmの平板成形用金型に流し込み、5分間保持した。その後、実施例6以外は、金型温度を275℃、実施例6は、340℃まで昇温し、30分保った後、ゆっくり冷却し、成形体を得た。なお、反応は全て大気中で行った。また、実施例1および8は、モノマーが入った容器、モノマー・触媒混合用容器および金型への移送ラインを70℃に保温し、実施例1および8以外は、40℃に保温し実施した。
<重合体の評価>
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた成形体から試験片を切り出し、以下の評価に供した。
・ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量分析計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、製品名「DSC6220」)を用いて、JIS K 6911に基づいて、室温から350℃に昇温するときの吸熱ピークから得た。
測定した。
・光線透過率
成形体の光線透過率(%)は、分光光度計(日本分光社製、製品名「V−570」)を用いて、波長450nm及び光路長3mmで測定した。
・屈折率
成形体の中央部を90°角に切り出し、自動屈折計(カルニュー光学工業社製、製品名「KPR−200」)を用いて、温度25℃で、波長587.6nmにおける屈折率nを測定した。
・はんだリフロー耐熱
はんだリフロー耐熱は、リフローシミュレーター(マルコム社製、製品名「SRS−2」)を用いて、成形体を2.5℃/秒で室温から昇温し、255℃まで到達させ10秒間保持、その後、5℃/秒で室温まで冷却し、変形の有無を確認し、以下の基準に基づき結果を表1に示した。
○:変形しない。
△:変形するが形状を維持する。
×:完全に溶融する。
Figure 2010229166
これらの結果から、
比較例1、2では、Tgが低いため、はんだリフロー耐熱性に劣っている。これに対し、三量体以上のシクロペンタジエンの多量体を少なくとも60〜100重量%含んだノルボルネン系樹脂からなる樹脂成形体を用いた実施例1〜8は形状を維持し、はんだ耐熱性を有していることが判る。
であることが判る。
また、本発明の樹脂成形体は、光線透過率が高く、屈折率も高いことから、レンズとして好適なことが判る。

Claims (4)

  1. ノルボルネン系モノマーを、メタセシス錯体触媒の存在下に塊状重合して得られるノルボルネン系樹脂において、ノルボルネン系モノマー中に三量体以上のシクロペンタジエンの多量体を少なくとも60〜100重量%含むことを特徴とするノルボルネン系樹脂からなる樹脂成形体。
  2. ノルボルネン系樹脂において、前記ノルボルネン系モノマー中の全シクロペンタジエンの多量体中、4量体のシクロペンタジエンの量が10〜100重量%である請求項1記載のノルボルネン系樹脂からなる樹脂成形体。
  3. ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度が260℃以上である請求項1、2に記載の樹脂成形体。
  4. ノルボルネン系樹脂が、当該ノルボルネン系樹脂からなる3mm厚の板状成形体の450nmにおける光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜3に記載の樹脂成形体。
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