JP2010227751A - 分級方法及び分級装置 - Google Patents

分級方法及び分級装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010227751A
JP2010227751A JP2009075661A JP2009075661A JP2010227751A JP 2010227751 A JP2010227751 A JP 2010227751A JP 2009075661 A JP2009075661 A JP 2009075661A JP 2009075661 A JP2009075661 A JP 2009075661A JP 2010227751 A JP2010227751 A JP 2010227751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
classification
path
particle dispersion
dispersion
particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009075661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4915426B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kojima
博 小島
Seiichi Takagi
高木  誠一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2009075661A priority Critical patent/JP4915426B2/ja
Priority to US12/552,678 priority patent/US8365922B2/en
Publication of JP2010227751A publication Critical patent/JP2010227751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4915426B2 publication Critical patent/JP4915426B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B03SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
    • B03BSEPARATING SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS
    • B03B5/00Washing granular, powdered or lumpy materials; Wet separating
    • B03B5/62Washing granular, powdered or lumpy materials; Wet separating by hydraulic classifiers, e.g. of launder, tank, spiral or helical chute concentrator type
    • B03B5/64Washing granular, powdered or lumpy materials; Wet separating by hydraulic classifiers, e.g. of launder, tank, spiral or helical chute concentrator type of the free settling type

Landscapes

  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Abstract

【課題】分級効率に優れた粒子の分級装置を提供する。
【解決手段】粒子分散液Aは、粒子の比重が分散媒の比重よりも大きい。粒子分散液Aは、粒子分散液導入口141から第1の分級路101に送液される。粒子分散液Aが分級路を送液される間に、粒子分散液A中の粒径の大きい粒子(粗大粒子ともいう)は沈降速度が速いため、第1の分級路101の底面(鉛直方向の下方面)151に到達する。一方、粒径が小さい粒子(微小粒子ともいう)は底面151に到達することもなく、そのまま分級路101の下流に設置された微小粒子分散液排出口121より放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、分級方法及び分級装置に関する。
微粒子を分級する方法としては、乾式法と湿式法がある。乾式法は流体と微粒子との比重差が大きくなるため、高精度のものがある。湿式法は液体と微粒子との比重差は小さくなるが、液体中で微粒子が容易に分散するため、微粉域に対して高い分級精度が得られる。分級装置は通常、回転部のローターと静止部のステーターからなり、遠心力と慣性力のバランスで分級する。また、乾式法では回転部を有しない「コアンダ効果」利用の分級器が商品化されている。一方、近年マイクロ領域で化学反応、単位操作などを行う方法が種々研究されており、不純物などが生じずに、効率よく微粒子の分級を行う方法・装置が検討されている。
例えば、特許文献1には、所望の粒子を、該所望の粒子を含有する試料ストリームから抽出するための、微細製造された抽出デバイスであって、 a.試料ストリーム入口と;b.抽出ストリーム入口と;c.該試料ストリーム入口及び該抽出ストリーム入口と流体的に連通しており、該抽出ストリーム入口からの抽出ストリームとの平行層流フローとして、該試料ストリーム入口から試料ストリームを受ける、50未満のアスペクト比(w/d)を有する抽出チャネルと;d.該抽出チャネルと流体的に連通しており、所望の粒子が抽出された後の該試料ストリームの少なくとも一部を有する副産物ストリームを受ける、副産物ストリーム出口と;e.該抽出チャネルと流体的に連通しており、該抽出ストリームの少なくとも一部及び該試料ストリームから抽出された所望の粒子を有する生産物ストリームを受ける、生産物ストリーム出口と;を有するデバイスが記載されている。
特許文献2には、微粒子分散液中の微粒子をマイクロ流路を用いて分級する微粒子の分級方法であって、微粒子分散液をマイクロ流路の導入部から回収部に層流で送液させ、前記微粒子分散液中での微粒子の沈降速度差により、微粒子を分級することを特徴とする微粒子の分級方法が記載され、特許文献3には、微粒子分散液中の微粒子をマイクロ流路を用いて分級する微粒子の分級方法であって、微粒子分散液を、マイクロ流路の導入部から層流で送液する送液工程、重力方向に印加した電界により、微粒子をマイクロ流路内上面に移動させる電界印加工程、及び、微粒子の沈降速度差により、微粒子を分級する分級工程をこの順で含むことを特徴とする微粒子の分級方法が記載されている。
特許文献4には、分級槽内を、底部に開口を有する隔壁で区切り、該隔壁の一方を一次分級槽とし、上記隔壁の他方を二次分級槽とし、上記一次分級槽の上部の上流端に、粉粒体を含む原料スラリと水平流の流量調整用の分級液とを混合させる合流管と、該合流管に接続し内部に流体均一化用の屈曲管路を形成したノズルを設け、上記一次分級槽の上部の下流端には流量制御弁付き水平流流出口を設け、上記ノズルと上記水平流流出口との間に上記ノズルと上記水平流流出口とを結ぶ高さより低い仕切り板で仕切られた複数の沈澱室を設け、上記二次分級槽には、一次分級槽との反対側の槽壁面全体に、一次分級槽の供給ノズルの上端と同じ高さの水平開口を設け、該水平開口の外側に、溢流液排出用の樋を設け、二次分級槽の下部の下流端に調整弁付き出口管を設け、その底部には複数のホッパーを設け、該各ホッパーの最下端には送入管の一端を接続し、該送入管の他端は流動層カラムに接続し、該流動層カラムの下端には多孔性板を介入した整流器を設け、該整流器の下端には分級液入口を設け、上記流動層カラムの上端には上記二次分級槽底部の各ホッパーより下流側に開口し、さらに各流動層カラムには複数の採取管を設けたことを特徴とする湿式分級装置が記載されている。
また、特許文献5には、重量による沈降を利用した湿式の分級装置であって、直立する筒状部の下端側開口縁から連続して逆円錐形状の鏡板部が形成されるとともに、この鏡板部の底部に処理液の流入口が設けられ、前記筒状部の上端側に流出口が設けられたことを特徴とする湿式分級装置が記載されている。
特表平11−508182号公報 特開2006−116520号公報 特開2006−144270号公報 特開平7−178347号公報 特開平8−332407号公報
本発明は、本構成を有していない場合に比して、分級効率に優れた分級装置を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は下記の<1>及び<7>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>、<8>及び<9>とともに以下に記載する。
<1> 2以上の分級路を有し、粒子分散液を送液する第1の分級路が複数の排出口を有し、第1の分級路に設けられた排出口は、粗大粒子分散液の排出口、及び、微小粒子分散液の排出口を含み、該粗大粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも大きく、該微小粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも小さく、該粗大粒子分散液の排出口は、該微小粒子分散液の排出口よりも分級路の上流に設けられており、該粗大粒子分散液の排出口から第2の分級路に送液する接続路を有することを特徴とする分級装置、
<2> 前記分級路の少なくとも1つが、鉛直方向に対して傾斜を有して設けられている、<1>に記載の分級装置、
<3> 前記第1の分級路が、前記粗大粒子分散液の排出口、前記微小粒子分散液の排出口、及び、稀薄液の排出口を有し、該稀薄液が含有する粒子濃度(wt%)が、微小粒子分散液の粒子濃度(wt%)より低い、<1>又は<2>に記載の分級装置、
<4> 前記分級路の少なくとも1つが、稀薄液を該分級路及び/又はその他の分級路に送液して還流させる還流路を有する、<3>に記載の分級装置、
<5> 前記分級路の少なくとも1つの流路下流の流路の断面積が、該分級路の流路上流の流路の断面積より大きい、<1>〜<4>いずれか1つに記載の分級装置、
<6> 輸送液の導入口を有しない、<1>〜<5>いずれか1つに記載の分級装置、
<7> 複数の分級路を有する分級装置の第1の分級路に粒子分散液を送液する工程と、粒子分散液中の粒子を、該第1の分級路を送液しながら分級する工程と、第1の分級路に設けられた複数の排出口から排出された排出液の少なくとも1つを、第2の分級路に送液する工程とを有し、第2の流路に送液される排出液が含有する粒子の平均粒径が、第1の分級路に送液された粒子分散液の含有する粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする分級方法、
<8> 前記第1の分級路から排出され、かつ、第1の分級路に送液した粒子分散液よりも粒子濃度の低い排出液を、少なくとも1つの分級路に送液して還流させる還流工程を有する、<7>に記載の分級方法、
<9> 粒子分散液を送液する工程が、粒子分散液を鉛直方向に対して傾斜を有する分級路に送液する工程である、<7>又は<8>に記載の分級方法。
<1>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、優れた分級効率を有する分級装置が提供される。
<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級効率が向上する。
<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級効率が向上する。
<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級能力が向上する。
<5>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級能力が向上する。
<6>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級能力が向上する。
<7>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、優れた分級効率を有する分級方法が提供される。
<8>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級能力が向上する。
<9>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より分級能力が向上する。
本実施形態の分級装置の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の分級装置の他の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の分級装置の他の一例を示す模式図である。 本実施形態の分級装置の他の一例を示す模式図である。 常温接合法による分級装置の作成工程を示す模式図である。 実施例1の粒子の回収率を示す図である。 実施例2の粒子の回収率を示す図である。 沈降距離と粒径との関係を示した図である。
本実施形態の分級装置は、2以上の分級路を有し、粒子分散液を送液する第1の分級路が複数の排出口を有し、第1の分級路に設けられた排出口は、粗大粒子分散液の排出口(以下、「粗大粒子分散液排出口」ともいう。)、及び、微小粒子分散液の排出口(以下、「微小粒子分散液排出口」ともいう。)を含み、該粗大粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも大きく、該微小粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも小さく、該粗大粒子分散液排出口は、該微小粒子分散液排出口よりも分級路の上流に設けられており、該粗大粒子分散液排出口から第2の分級路に送液する接続路を有することを特徴とする。
また、本実施形態の分級方法は、複数の分級路を有する分級装置の第1の分級路に粒子分散液を送液する工程と、粒子分散液中の粒子を、該第1の分級路を送液しながら分級する工程と、第1の分級路に設けられた複数の排出口から排出された排出液の少なくとも1つを、第2の分級路に送液する工程とを有し、第2の流路に送液される排出液が含有する粒子の平均粒径が、第1の分級路に送液された粒子分散液の含有する粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする。
本実施形態によれば、高濃度分散液を分級した場合であっても、分級効率に優れる。従って、分散液を希釈溶液とする必要がなく、さらに、後述するように輸送液を使用せずに分級を行うこともできる。
以下、本実施形態において、粒子を含有する分散液の分散媒を、単に分散媒ともいうこととする。
以下、図面を参照しながらさらに詳述する。なお、特に断りのない限り、以下の説明において、同一の符号は同一の対象を表す。また、数値範囲を示す「A〜B」の記載は、「A以上B以下」を表し、端点であるA及びBを含む数値範囲を表す。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の分級装置の一例を示す断面模式図である。
図1において、分級装置100は、4つの分級路101、102、103、104を有する。該分級路には、それぞれ、4つの粗大粒子分散液排出口111a〜d、112a〜d、113a〜d、114a〜dと、1つの微小粒子分散液排出口121、122、123、124が設けられている。
また、本実施形態の分級装置100は、第1の分級路101の粗大粒子分散液排出口111a〜dから第2の分級路102に送液する接続路131a〜dを有する。図1において、第2の分級路102の粗大粒子分散液排出口112a〜dから第3の分流路103に送液する接続路132a〜d、及び、第3の分級路103の粗大粒子分散液排出口113a〜dから第4の分級路104に送液する接続路133a〜dも設けられている。
また、第1の分級路101には、粒子分散液を導入する粒子分散液導入口141が設けられている。
本実施形態の分級装置は、2以上の分級路を有する。図1において、分級装置100は、4つの分級路101、102、103、104を有するが、本実施形態は、これに限定されず、2以上の分級路が設けられていればよい。高い分級効率を得るためには、2〜10の分級路を有することが好ましく、より好ましくは4〜7である。
複数の分級路を有することにより、多段で分級され、一段での分級に比して高い分級効率が得られる。一段では、十分に分級を行うことができない。すなわち、微小粒子分散液の排出口から排出される微小粒子分散液への粗大粒子の混入と、微小粒子の回収率の向上との両立を図ることができない。また、分級路の個数が7以下であると、粒子分散液の分散装置内の滞留時間が短く、処理能力が高いので好ましい。
なお、本実施形態において、「分級効率」とは、単位時間あたりの処理能力(分級能率)及び/又は所謂分級精度を意味する。ここで、分級精度とは、例えば不要な粗粉を除去する際には、回収した画分に、除去したい粗粉がどれだけ含まれているかを表すものであり、分級精度が高いほど、目的とする粒径以外の粒子の混入が少ない。
本実施形態において、分級路の少なくとも1つは、鉛直方向に対して傾斜を有して設けられていることが好ましい。すなわち、水平方向及び鉛直方向から角度を有していることが好ましく、分級路の傾斜角度は、0°より大きく、90°未満であることが好ましく、粒子が斜面に沿って落下するという観点から、15°以上であることが好ましい。また、十分な分級効率を得るという観点から、75°以下であることが好ましい。分級路の傾斜角度は、20°以上70°以下であることがより好ましく、30°以上60°以下であることがさらに好ましい。ここで、分級路の傾斜とは、分級路の重力方向に対する底面の上向きの傾斜をいい、例えば、水平な流路は傾斜が0°である。なお、分級路の上面の傾斜角度は、本実施形態では特に限定されない。また、複数の分級路の全てが、鉛直方向に対して傾斜を有して設けられていることが好ましい。
なお、図1において、分級路の傾斜角をθで表している。また、図1では、4つの分級路の全てが、傾斜角θを有している。
図1に示される分級装置の分級原理について説明する。
一般に粒子分散液の分散媒に対して、粒子の比重が大きい場合、粒子は粒径の2乗に比例した速度で沈降する。同種の粒子である場合、粒径の大きい粒子は速く沈降し、一方、粒径の小さな粒子は沈降しにくい。
本実施形態において、粒子分散液は、粒子の比重が分散媒の比重よりも大きい。
図1において、粒子分散液Aは、粒子分散液導入口141から第1の分級路101に送液される。本実施形態において、粒子分散液Aが分級路を送液される間に、粒子分散液A中の粒径の大きい粒子(粗大粒子ともいう)は沈降速度が速いため、第1の分級路101の底面(鉛直方向の下方面)151に到達する。一方、粒径が小さい粒子(微小粒子ともいう)は底面151に到達することもなく、そのまま分級路101の下流に設置された微小粒子分散液排出口121より放出される。
第1の分級路101の底面151に到達した粗大粒子は、重力に従って第1の分級路の底面151に沿って沈降し、いずれかの粗大粒子分散液排出口111a〜dから接続路131a〜dを介して第2の分級路102へ送液される。
ここで、分級路の流路長は、目的とする粒子の粒径、分散装置に導入する粒子分散液の分散媒の比重と粒子の比重との差、分級路の流路断面積など、各種のパラメータに応じて選択すればよく、特に限定されない。例えば、特定の粒径以上の粗大粒子除去を目的とする場合、粗大粒子分散液排出口と、微小粒子分散液排出口との距離を十分に設け、排出される微小粒子分散液に、粗大粒子の混入が生じないように設計される。第1の分級路に設けられた粗大粒子分散液排出口111a〜dから排出される粗大粒子分散液に微小粒子が混入していても、分級装置100は複数の分級路(101〜104)を有するため、混入した微小粒子は、第2の分級路102以降(102〜104)で微小粒子分散液として回収される。これにより、回収率に優れるとともに、粗大粒子の混入の少ない微小粒子分散液が回収される。
また、第2の分級路102を送液される間に、第1の分級路101における送液と同様に、粗大粒子は、第2の分級路を重力方向に沈降し、粗大粒子分散液排出口112a〜dに送液され、一方、微小粒子は微小粒子分散液排出口122に送液される。
図1に示す分級装置100では、粒子分散液Aは、分級装置100の下方に設けられた粒子分散液導入口141から送液されている。なお、粒子分散液Aの導入方法は特に限定されず、公知の方法から適宜選択することができるが、マイクロシリンジ、ロータリーポンプ、スクリューポンプ、遠心ポンプ、ピエゾポンプ等で圧入することが好ましい。
粒子分散液に含まれる粒子を沈降させる観点から、粒子分散液は、下方から上方へと送液することが好ましい。なお、粒子分散液を下方から上方へと送液するとは、粒子分散液が鉛直方向に送液される場合のみを意味するものではない。水平に送流される場合を送流ベクトルが0°、鉛直方向下方から上方に送流される場合を送流ベクトルが90°、鉛直方向の上方から下方に送流される場合を送流ベクトルが−90°とすると、送流ベクトルが、少なくとも0°より大きく、90°以下であることを意味する。前記送流ベクトルは、分級路底面の傾斜角と好ましい範囲が同じである。
本実施形態において、粗大粒子分散液排出口111a〜dは、微小粒子分散液排出口121よりも上流に設けられている。本実施形態において、粒子の沈降速度差を利用して分級を行うため、より沈降の速い粗大粒子を含む粗大粒子分散液の排出口(粗大粒子分散液排出口)111a〜dを上流に設け、より沈降の遅い微小粒子を含む微小粒子分散液の排出口(微小粒子分散液排出口)121を下流に設ける。
なお、全ての分級路において、粗大粒子分散液排出口は、微小粒子分散液排出口よりも上流に設けられていることが好ましい。具体的には、図1において、第1の分級路〜第4の分級路のいずれにおいても、粗大粒子分散液排出口(111a〜d、112a〜d、113a〜d、114a〜d)は、それぞれ、微小粒子分散液排出口(121、122、123、124)の上流に設けられている。
第1の分級路101に導入される粒子分散液Aの平均粒径(RA)と、粗大粒子分散液排出口111a〜dから排出される粗大粒子分散液Bの平均粒径(RB)と、微小粒子分散液排出口121から排出される微小粒子分散液Cの平均粒径(RC)とは、以下の関係式を満たす。
C<RA<RB
ここで、1つの分級路に複数の粗大粒子分散液排出口が設けられている場合、全ての粗大粒子分散液排出口から排出される粗大粒子分散液の全体として、上記関係を満たしている。また、1つの分級路に複数の微小粒子分散液排出口が設けられている場合も同様であり、全ての微小粒子分散液排出口から排出される微小粒子分散液の全体として、上記関係を満たしている。
本実施形態において、分級路の断面の円相当径(分級路の断面積を有する円の直径)は、10μm〜20cmであることが好ましく、100μm〜1cmであることがより好ましく、1mm〜5mmであることがさらに好ましい。
分級路断面の円相当径が上記範囲内であると、粒子分散液中の粒子の沈降距離が短く、流路壁まで沈降する時間が劇的に減少し効率が増大するので好ましい。また、流速が速い場合においても層流を維持でき、乱流による分級能力の低下を防ぐことが可能となる。さらに、層流下では分級路の壁面において、粒子の流速がほぼゼロとなり、分級効率が向上するので好ましい。
ここで、分級路の断面積をAとしたとき、円相当径aは以下の式で与えられる。
Figure 2010227751
具体的には、好適な流路サイズ(流路断面積、流路幅等)は、処理対象粒子が沈降し、底面に達するに要する時間によって決定される。
時間t(sec)で粒子を処理する場合、処理対象粒子の沈降速度をv(m/s)とすると、流路高さh(m)は、式(1)で表される。なお、円管を使用する場合には、この流路高さhが円の直径に対応する。
Figure 2010227751
粒子の沈降速度は低レイノルズ数の領域ではストークスの式より、以下の式(2)で表される。ここで、D(m)は、処理対象粒子の直径、ρp(g/cm3)は粒子密度、ρd(g/cm3)は分散媒体の密度、μ(g/cm・sec)は分散媒体の粘性係数である。
Figure 2010227751
ここで、処理時間を10秒としたいと仮定する。分散媒体を純水(ρd=1、μ=0.01)とし、粒子密度が1.2g/cm3(図中◆、アクリル程度)、1.5g/cm3(同■)、2g/cm3(同▲、シリカ程度)、4g/cm3(同×、アルミナ程度)である場合における粒径Dに対する高さ(沈降距離)hの関係を図8に示す。
このグラフより、例えばアクリル樹脂粒子で粒径が10μm程度のものを処理する場合には、沈降距離は0.1mm程度であるので(図8の点線矢印)、数十から数百μmの高さが必要となる。またアルミナのような重い粒子の場合は粒径が同じ10μmでも沈降距離は2mm程度となり(図8の一点鎖線矢印)、このオーダーの高さが必要となる。さらに、アクリル樹脂粒子で粒径が100μmと大きくなると、沈降距離は10mmとなり(図8の実線矢印)、mmからcmオーダーの高さが必要となる。
ここでは、10秒で処理すると仮定したが、100秒(分オーダー)で処理する場合には、沈降距離は一桁オーダーが上がり、円管の径も一桁大きくなる。通常の処理速度を考えた場合、この100秒というオーダーはほぼ限界であり、これ以上処理時間が掛かると現実的ではない。以上より、流路サイズは粒子の比重やサイズによって、数十μm〜数cmオーダーまで最適なサイズが存在する。また、流路サイズは、上記のパラメータに従って、好適な流路サイズを選択することが好ましい。
本実施形態において、分級路の断面形状は特に限定されないが、装置の作製が容易である観点から、円形及び矩形が好ましい。また、接続路及び後述する還流路の断面形状も特に限定されないが、装置の作製が容易である観点から、円形及び矩形が好ましい。
図1及び後述する図2において、第1の分級路〜第4の分級路及び接続路は、断面が円形(管状)である。
前記分級路は、分級路の上流から下流まで同一の断面積を有していてもよく、流路の上流又は下流において、流路断面積を大きく又は小さくしてもよく、特に限定されない。処理速度向上の観点から、上流よりも下流の流路断面積を大きくすることが好ましく、特に、後述するように稀薄液排出口を有する場合には、分級路下流の断面積が、該分級路の流路上流の流路断面積よりも大きいことが好ましい。詳細については後述する。
本実施形態において、分級路における流体(粒子分散液)の送液は、層流で行われる。
層流下では壁面付近の速度はほぼゼロであるので、底面に衝突した粒子は斜面に沿って重力により落下し、分級路に設置された排出口より排出される。
該分級路は、上述の通り、鉛直方向に対して傾斜を有して設けられていることが好ましい。換言すれば、本実施形態の分級装置は、分散液を鉛直方向に対して傾斜を有する分級路を通過させて分級する分級工程を有することが好ましい。
本実施形態において、分級路を送液される粒子分散液は、レイノルズ数が1,000以下で送液されることが好ましい。レイノルズ数は、1×10-5〜100であることがより好ましく、1×10-5〜10であることがさらに好ましい。
特に、レイノルズ数が2,300以下の場合、流路を送液される流体は、乱流支配ではなく、層流支配となる。
マイクロ流路は、マイクロスケールであるので、寸法(代表長さ)が小さく、流速が速くてもレイノルズ数は2,300以下である。従って、マイクロスケールの流路を有する分級装置は、通常の反応装置のような乱流支配ではなく層流支配の装置である。
ここで、レイノルズ数(Re)は、以下のようにして求められ、2,300以下のとき層流支配となる。
レイノルズ数(Re)は流速(u(m/s))と代表長さ(L(m))に比例する。
Figure 2010227751
ここで、νは流体の動粘性係数(m2/s)である。
代表長さ(L(m))は、流路が矩形断面の場合は以下の式で規定される。
Figure 2010227751
ここで、Sは断面積(m2)、lpは周長さ(m)である。
矩形流路断面の幅をx(m)、高さをh(m)とすると、以下の式(3)が成立する。
Figure 2010227751
流体の流量をa(m3/s)とすると、以下の式(4)が成立する。
Figure 2010227751
式(1)に、式(2)、式(3)及び式(4)を代入すると、以下の式(5)が導かれる。
Figure 2010227751
ここで、純水を一定の流速(例えば、10ml/h)で矩形流路に送液する場合を考える。なお、25℃における純水の動粘係数νは、0.893×10-72/sである。
流路高さhを一定とし、流路幅xを変数としたとき、レイノルズ数は、流路幅に対して反比例する。
このようにして、レイノルズ数が2,300以下となる流路を設計することができ、高さhが十分小さければ流路幅xが大きくなっても層流を維持できる。
本実施形態の好ましい態様についてさらに詳述する。
分散液から、所望の粒子径以下の粒子を回収する際、分散液が下部から上部へと、重力方向の逆向きに分級路を送流(以下「上昇流」と表現する場合がある。)される場合、上昇流の速度より終末速度が小さい粒子は上昇流に乗り、分級路上部へと送液される。一方、上昇流の速度より終末速度が大きい粒子は重力方向に沈降する。分級路の上部に放出路を設けることによって、所定の粒径以下の粒子を回収することができる。また、分級路の下部に放出路を設けることにより、所定の粒径以下の粒子を回収することができる。また、分級路に重力方向に対して傾斜を設けることで上昇流の速度を低下させることが可能となり、効率よく分級することが可能となる。
本実施形態の分級装置及び分級方法は、分散液中の粒子を分級路を用い、粒子の沈降速度差を利用して分級する粒子の分級装置及び分級方法である。本実施形態において、すべての分級路で層流にて送液することが必須であり、全ての流路で送流にて送液することが好ましい。
本実施形態においては、沈降により斜面に接した粒子は、分級路の底面が傾斜を有している場合、分級路の底面、すなわち傾斜した壁面に沿って沈降していく。前述のように、層流下において、壁面における流速はほぼゼロであるため、分級路における送液が層流支配で行われる場合、分級路の底面に接した粒子は、上昇流の影響をほとんど受けず、分散媒との比重差により、重力に従って沈降する。従って、従来の沈降分級装置に比して短い流路長で分級が可能であり、また、短時間で粒子を分級することができる。
粒子の比重が分散媒より重い場合、粒子は沈降し、その際の沈降速度は、粒子の比重或いは粒径によって異なる。本実施形態においては、この沈降速度差を利用して粒子を分級するものであり、粒径が異なる場合、沈降速度は粒径の2乗に比例し、粒径が大きい粒子ほど急速に沈降する。
なお、本実施形態において、沈降速度差以外にも、粒子の粒径に比例する外力を与えることで、この分級方法を適用できる粒子の幅が広がる。このような外力としては、電界や磁界が挙げられる。
<置換流体>
粒子が沈降する際、それまで粒子が存在した位置に流体が流れ込むため微視的な上昇流が発生する。この現象をボイコット効果と呼び、層流下でも粒子は撹拌され分級効率が低下する原因となる。このため、特に高濃度(5wt%以上)になると著しく分級効率は低下する。
これに対し、本実施形態の分級装置では、上昇流下で粒子を分離するためボイコット効果の影響を抑制し、分離を極めて効率的に行うことができる。
<粒子>
本実施形態において、分級する粒子の大きさは特に限定されないが、粒子の粒子径(直径又は最大粒径)は、0.1μm以上1,000μm以下であることが好ましい。本実施形態の分級装置及び分級方法は、粒子径が1μm以上100μm以下の粒子の分級により好適であり、粒子径が5μm以上20μm以下の粒子の分級にさらに好適である。
粒子の粒子径が1,000μm以下であると、流路の詰まりの発生を抑制することができるので好ましい。一方、粒子の粒子径が0.1μm以上であると、壁面への付着を生じにくいので好ましい。
分級する粒子の種類は特に限定されず、樹脂微粒子、無機微粒子、金属微粒子、セラミック微粒子、細胞(例えば、リンパ球、白血球、赤血球等)等、特に限定されない。また、生体試料(全血)や、これを適宜希釈したものを分散液として用いることもできる。
さらに、高分子微粒子、顔料のごとき有機物の結晶又は凝集体、無機物の結晶又は凝集体、金属酸化物、金属窒化物、金属窒化物等の金属化合物の微粒子及びトナー粒子等を分級することもできる。
また、粒子の形状は特に限定されず、球状、回転楕円状、不定形、針状等、いずれの形状であってもよい。これらの中でも、流路詰まりを生じにくいことから、球状及び/又は回転楕円状であることが好ましく、長軸長と短軸長との比(長軸長/短軸長)は、1以上50以下であることが好ましく、より好ましくは1以上20以下である。
前記高分子微粒子としては、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の微粒子が挙げられる。
また、前記金属あるいは金属化合物の微粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、あるいはその合金、TiO2、SnO2、Sb23、In23、ZnO、MgO、酸化鉄等の金属酸化物やこれらの化合物、窒化ケイ素などの金属窒化物などやそれらを組合せた微粒子が挙げられる。
これら微粒子の製法は多岐にわたるが、合成により媒体液体(分散媒)中で微粒子を作製し、そのまま微粒子の分級を行う場合が多い。塊状物を機械的に解砕して作製した微粒子を媒体液体中に分散し分級する場合もある。この場合は、媒体液体(分散媒)中で解砕することが多く、この場合はそのまま分級される。
一方、乾式で作製された粉体(微粒子)を分級する場合には、予め、媒体液体に分散しておく必要がある。媒体液体中に乾燥粉体を分散させる方法としては、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダイノーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボールミル、ロールミル等が挙げられるが、この際、分散によって1次粒子が粉砕されない条件で行うことが好ましい。
<分散媒>
粒子を含有する粒子分散液の分散媒としては、いずれの溶媒を使用することができ、特に限定されないが、分散液中の少なくとも1種の粒子よりも、比重の小さな溶媒を使用する。分散液中の全ての粒子よりも比重の小さな溶媒を使用することも好ましい。
粒子の比重から前記分散媒又は輸送液の比重を引いた差が、それぞれ0.01以上であることが好ましい。比重差は大きい方が、粒子の沈降速度が速いため好ましいが、20以下であることが好ましい。比重差は、0.05〜11であることがより好ましく、0.05〜4であることがさらに好ましい。粒子の比重から前記分散媒又は輸送液の比重を引いた差が0.01以上であると、粒子が沈降するので好ましい。一方、20以下であると、沈降速度が適切であり、詰まりを生じにくいので好ましい。
分散媒及び輸送液としては、上述のように、粒子の比重から分散媒の比重を引いた差が0.01〜20のものであれば好ましく用いることができ、例えば、水、あるいは水系媒体、有機溶剤系媒体などが挙げられる。
前記水としては、イオン交換水、蒸留水、電解イオン水などが挙げられる。また、前記有機溶剤系媒体としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン、キシレンなど、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本実施形態においては、好ましい分散媒は分級する粒子の種類によって異なる。粒子の種類別の好ましい分散媒としては、高分子粒子(一般的に比重が1.05〜1.6程度である。)と組み合わされる分散媒として、粒子を溶解させない水系、アルコール類、キシレンなどの有機溶媒、酸あるいはアルカリ水などが好ましく挙げられる。
また、金属あるいは金属化合物の粒子(一般的に比重が2〜10程度である。)と組み合わされる分散媒としては、金属などを酸化、還元などで侵さない水、アルコール類、キシレンなどの有機溶媒、あるいは油類が好ましく挙げられる。
本実施形態において、分級路は、輸送液導入口を有しないことが好ましい。ここで、輸送液とは、粒子を含まない溶媒であって、分級路に送液されるものを指す。
輸送液を使用することによって、分級路を送液される流体の量が増加する。これにより、単位時間あたりの処理量が低下するため、本実施形態において、輸送液を送液しないことが好ましい。
図1に示す分級装置100において、分級路101〜104の流路断面は円形であり、直径は5mmであり、分級路の長さは、150mmである。また、微小粒子分散液排出口及び粗大粒子分散液排出口の直径は1mmである。
なお、第1の実施形態において、分散液に含まれる粒子の比重、粒子径、分散媒の比重、分散液の送液速度等を適宜選択することによって、所望の粒子径の粒子を分級することができる。また、分級路の流路長は、長い方が分級能は高くなるが、流路長を大きくすると、分級装置に必要とされる体積が増加する。目的に応じて、適宜選択することが好ましい。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態の他の好ましい一例を示す断面模式図である。
図1に示す第1の実施形態とは、以下の3点で異なっている。
(1)分級路の下流において、流路の断面積が大きくなっている。
(2)分級路の下流に、微小粒子分散液排出口の他に、稀薄液の排出口を有する。
(3)前記稀薄液の排出口から、他の分級路に送液される還流路が設けられている。
図2に示す分級装置100において、第1の分級路101〜第4の分級路104には、図1と同様に粗大粒子分散液排出口(111a〜d、112a〜d、113a〜d、114a〜d)及び微小粒子分散液排出口(121、122、123、124)が設けられている。第1の分級路101〜第3の分級路103では、下流で流路の断面積が大きくなっている。
分級路が分散液の進行方向に対して、その断面が大きくなると、以下のような利点を有する。すなわち、分散液の送液速度が遅いと、分散液導入路及び/又は分級路に詰まりを生じる場合があるので、分散液の送液速度は詰まりを生じない速度とすることが求められる。一方、送液速度を速くしすぎると、粒子の終末速度を超えてしまい、粒子の十分な分級を行うことができない。
分散液の進行方向に対して、その断面積が大きくなると、下流に送液されるにつれて流速が遅くなる。従って、分散液の上流での送液速度を速くしても、十分な分級を行うことができ、詰まりを抑制しつつ、分級効率を向上させることが可能となる。
また、分級路の下流には、微小粒子分散液排出口121の他に、稀薄液の排出口(以下、「稀薄液排出口」と表現する。)161が設けられている。該稀薄液排出口は、分級路の上面(鉛直方向の上方)に設けられていることが好ましい。
該稀薄液排出口161から排出される稀薄液が含有する粒子濃度(wt%)が、微小粒子分散液排出口121から排出される微小粒子分散液の粒子濃度(wt%)より低いことが好ましい。稀薄液の含有する粒子濃度は、低い程好ましいが、還流路を送液して、第2の分級路に稀薄液を送液する観点から、稀薄液排出口の口径、設ける位置等は適宜選択すればよい。
図2において、第1の分級路101はさらに、稀薄液を第2の分級路102に送液する還流路171を有する。
本実施形態において、第1の分級路101から排出された稀薄液を第2の分級路102に送液する態様に限定されるものではなく、第1の分級路101から排出された稀薄液を第1の分級路101に送液してもよく、また、第3の分級路103又は第4の分級路104に送液してもよい。これらの中でも、分級路を送液する粒子分散液の粒子濃度を適正に保つ観点から、第1の分級路から排出された稀薄液は、第2の分級路に送液することが好ましい。同様に、第2の分級路102から排出された稀薄液は、還流路172を介して第3の分級路103に送液することが好ましく、第3の分級路103から排出された稀薄液は、還流路173を介して第4の分級路104に送液することが好ましい。
また、図2では、第4の分級路104には、稀薄液排出口及び稀薄液還流路を設けていないが、第4の分級路104から第1の分級路101に稀薄液を送液する還流路を設けることもできる。この場合には、分級装置全体としての単位時間あたりの処理量が低下するので、第1の分級路に送液する粒子分散液濃度を高くする等、単位時間あたりの処理能力を低下させないことが好ましい。
還流路を有する分級装置についてさらに詳述する。
本実施形態において、微小粒子分散液排出口121から排出される微小粒子分散液は、目的とする粒径以上の粒子(粗大粒子)の混入を防ぐために、十分下流に設けられていることが好ましく、この場合、微小粒子分散液排出口121からの排出量を考慮すると、第1の分級路101に送液された粒子分散液Aに比べて、第2の分級路102に送液される粗大粒子分散液の粒子濃度が高くなることがある。
分級路、接続路等を送液される粒子分散液の粒子濃度が高くなると、粒子間の相互作用が生じ、分級効率が低下する場合がある。また、分級路、接続路等の詰まりを生じる場合がある。従って、粒子分散液の粒子濃度が過度に高くならないようにすることが好ましく、本実施形態においては、稀薄液を還流路を介して第2の分級路に送液することにより、第2の分級路を送液される粒子分散液の粒子濃度が低くなり、結果として分級効率が向上するので好ましい。
(第3の実施形態)
図3は、本実施形態の好ましい分級装置の他の一例を示す模式図である。なお、図3(A)は、斜視図であり、図3(B)は、図3(A)のX−X’断面図を表す。
図3において、第1の分級路101の粗大粒子分散液排出口111は、断面円形の分級路101の鉛直方向底面側に、スリット状に設けられている。また、接続路131は、排出口111から第2の分級路102へ粗大粒子分散液を送液する。
図3のように、スリット状に粗大粒子分散液排出口を設けることにより、粗大粒子分散液の排出効率が向上し、第1の分級路101から第4の分級路104までの圧力差が小さくできるので好ましい。
図3において、分級路の流路長、流路断面積、スリットの幅、スリットの長さ等は、目的とする粒子サイズ、分散媒と粒子の比重差から決定する送液速度や、分散媒の粘度等により適宜選択すればよい。粒径1〜50μmのトナー粒子を水を分散媒として送液する場合、分級路の流路断面直径(図中L)と、スリットの幅(図中のM)の比(L:M)=5:1程度が好ましい。
(第4の実施形態)
図4は、本実施形態の好ましい分級装置の他の一例を示す模式図である。なお、図4(A)は、斜視図であり、図4(B)は、図4(A)のX−X’断面図を表す。
図4に示す分級装置100では、図3に示す分級装置100と、分級路101、102、103、104の断面形状が異なる以外、同様である。
図4において、分級路の断面形状は矩形、より詳細には正方形であり、角が下方を向くように配置されている。
図4のように、断面矩形とすることにより、より粗大粒子分散液排出口への粗大粒子の送液が容易となり、分級効率に優れるので好ましい。
(分級装置の製造方法)
次に、本実施形態の分級装置の製造方法について述べる。
本実施形態の分級装置は、固体基板上に微細加工技術により作製することもできる。
固体基板として使用される材料の例としては、金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス、セラミックス及びプラスチックなどが挙げられる。中でも、金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス及びセラミックスが、耐熱、耐圧、耐溶剤性及び光透過性の観点から好ましく、特に好ましくはガラスである。
流路を作製するための微細加工技術は、例えば、「マイクロリアクタ−新時代の合成技術−」(2003年、シーエムシー刊、監修:吉田潤一)、「微細加工技術 応用編−フォトニクス・エレクトロニクス・メカトロニクスへの応用−」(2003年、エヌ・ティー・エス刊、高分子学会 行事委員会編)等に記載されている。
代表的な方法を挙げれば、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU−8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法、Hot Emboss加工法、光造形法、レーザ加工法、イオンビーム加工法、及びダイアモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法などがある。これらの技術を単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。好ましい微細加工技術は、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU−8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、及び機械的マイクロ切削加工法である。
本実施形態に用いられる流路は、シリコンウエハ上にフォトレジストを用いて形成したパターンを鋳型とし、これに樹脂を流し込み固化させる(モールディング法)ことによっても作製することができる。モールディング法には、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はその誘導体に代表されるシリコン樹脂を使用することができる。
また、本実施形態において、分級装置を製造する際、接合技術を用いることができる。通常の接合技術は大きく固相接合と液相接合に分けられ、一般的に用いられている接合方法としては、固相接合として圧接や拡散接合、液相接合として溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等が代表的な接合方法として挙げられる。
さらに、接合に際しては高温加熱による材料の変質や変形による流路等の微小構造体の破壊を伴わない寸法精度を保った高度に精密な接合方法が望ましく、その技術としてはシリコン直接接合、陽極接合、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、HF水溶液を用いた接合、Au−Si共晶接合、ボイドフリー接合、拡散接合などが挙げられる。
本実施形態の分級装置は流路が三次元形状を有するため、パターン部材(薄膜パターン部材)を積層して形成することが好ましい。なお、パターン部材の厚さは5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
本実施形態の分級装置は、所定の二次元パターンが形成されたパターン部材が積層されて形成された分級装置であることが好ましく、パターン部材の面同士が直接接触して接合された状態で積層されていることがより好ましい。
分級装置の水平方向の各断面形状に対応した複数のパターン部材を積層して分級装置を形成することにより、簡便に分級装置を形成することができるので好ましい。
本実施形態の分級装置の好ましい製造方法としては、(i)第1の基板上に目的とする分級装置の各断面形状に対応した複数のパターン部材を形成する工程(ドナー基板作製工程)、及び、(ii)前記複数のパターン部材が形成された前記第1の基板と第2の基板との接合及び離間を繰り返すことにより前記第1の基板上の前記複数のパターン部材を前記第2の基板上に転写する工程(接合工程)、を含むことを特徴とする分級装置の製造方法が例示でき、例えば、特開2006−187684号公報に記載の製造方法を参照できる。
本実施形態の分級装置の製造方法についてさらに詳述する。
〔ドナー基板作製工程〕
本実施形態において、ドナー基板は電鋳法を用いて作製することが好ましい。ここで、ドナー基板とは、第1の基板上に目的とする分級装置の各断面形状に対応した複数のパターン部材が形成された基板である。第1の基板は、金属、セラミックス又はシリコンから形成されていることが好ましく、ステンレス等の金属が好適に使用できる。
まず、第1の基板を準備し、第1の基板上に厚膜フォトレジストを塗布し、作製する分級装置の各断面形状に対応したフォトマスクにより露光し、フォトレジストを現像して各断面形状のポジネガ反転したレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンを有する基板をめっき浴に浸漬し、フォトレジストに覆われていない金属基板の表面に例えばニッケルめっきを成長させる。パターン部材は電鋳法を用いて、銅又はニッケルにより形成されていることが好ましい。
次に、レジストパターンを除去することにより、第1の基板上に分級装置の各断面形状に対応したパターン部材を形成する。
〔接合工程〕
接合工程とは、複数のパターン部材が形成された前記第1の基板(ドナー基板)と第2の基板(ターゲット基板)との接合及び離間を繰り返すことにより前記ドナー基板上の前記複数のパターン部材を前記ターゲット基板上に転写する工程である。接合は、常温接合又は表面活性化接合により行われることが好ましい。
図5(a)から(f)は、第3の実施形態に好適に使用できる分級装置の製造方法の一実施態様を示す製造工程図である。
図5(a)に示すように、ドナー基板405には、第1の基板上である金属基板400に、目的とする分級装置の各断面形状に対応した複数のパターン部材(401)が形成されている。上記ドナー基板405を真空槽内の図示しない下部ステージ上に配置し、ターゲット基板410を真空層内の図示しない上部ステージ上に配置する。続いて、真空槽内を排気して高真空状態あるいは超高真空状態にする。次に、下部ステージを上部ステージに対して相対的に移動させてターゲット基板410の直下にドナー基板405の1層目のパターン部材401Aを位置させる。次に、ターゲット基板410の表面、及び1層目のパターン部材401Aの表面にアルゴン原子ビームを照射して清浄化する。
次に、図5(b)に示すように、上部ステージを下降させ、所定の荷重力(例えば、10kgf/cm2)でターゲット基板410とドナー基板405とを所定の時間(例えば、5分間)押圧し、ターゲット基板410と1層目のパターン部材401Aとを常温接合(表面活性化接合)する。本実施の形態では、パターン部材401A、401B・・・の順に積層する。
次に、図5(c)に示すように、上部ステージを上昇させて、ドナー基板405とターゲット基板410を離間させると、1層目のパターン部材401Aが金属基板(第1の基板)400から剥離し、ターゲット基板410側に転写される。これは、パターン部材401Aとターゲット基板410との密着力がパターン部材401Aと金属基板(第1の基板)400との密着力よりも大きいからである。
次に、図5(d)に示すように、下部ステージを移動させ、ターゲット基板410の直下にドナー基板405上の2層目のパターン部材401Bを位置させる。次に、ターゲット基板410側に転写された1層目のパターン部材401Aの表面(金属基板400に接触していた面)、及び2層目のパターン部材401Bの表面を前述したように清浄化する。
次に、図5(e)に示すように、上部ステージを下降させ、1層目のパターン部材401Aと2層目のパターン部材401Bを接合させ、図5(f)に示すように、上部ステージを上昇させると、2層目のパターン部材401Bが金属基板(第1の基板)400から剥離し、ターゲット基板410側に転写される。
他のパターン部材も同様に、ドナー基板405とターゲット基板410との位置決め、接合及び離間を繰り返すことにより、分級装置の各断面形状に対応した複数のパターン部材がターゲット基板上に転写される。ターゲット基板410上に転写された積層体を上部ステージから取り外し、ターゲット基板410を除去すると、分級装置が得られる。
上記の実施形態では、ドナー基板を電鋳法を用いて作製したが、半導体プロセスを用いて作製してもよい。例えば、Siウエハからなる基板を準備し、この基板上にポリイミドからなる離型層をスピンコーティング法により着膜し、この離型層の表面に分級装置の構成材料となるAl薄膜をスパッタ法により着膜し、Al薄膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、ドナー基板を作製することもできる。
以下に、実施例を用いて本実施形態についてさらに詳述するが、本実施形態は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例では、図1及び図2に示す分級装置を用いて、分級を行った。図1及び図2に示す分級装置において、分級路の全長は、それぞれ150mmとした。また、分級路は、直径5mmの断面円形の管状とした。粗大粒子分散液排出口は、直径1mmの円形とし、該粗大粒子分散液排出口からの接続路も、直径1mmの断面円形の管状とした。
分散液Aとしては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)真球粒子(積水化学工業(株)製、テクポリマー)の水分散液(15wt%)を使用し、送液速度40ml/hにて送液した。このときレイノルズ数は3となり、層流である。
3時間連続的に分級を行った。このときの分級結果を、図6及び図7に示す。なお、図6は、図1の分級装置を使用して分級を行った結果であり、図7は、図2の分級装置を使用して分級を行った結果である。
図6及び図7について説明する。
図1及び図2に示す分級装置において、微小粒子分散液排出口及び粗大粒子分散液排出口から排出される粒子分散液を、以下のようにして回収した。
・分散液(1):第1の分級路の微小粒子分散液排出口から排出される微小粒子分散液
・分散液(2):第2の分級路の微小粒子分散液排出口から排出される微小粒子分散液
・分散液(3):第3の分級路の微小粒子分散液排出口から排出される微小粒子分散液
・分散液(4):第4の分級路の微小粒子分散液排出口から排出される微小粒子分散液
・分散液(5):第4の分級路の粗大粒子分散液排出口から排出される粗大粒子分散液(全量)
図6及び図7に示す画分(1)(図中、◆で表示)は、第1段目における粒子の回収率を示している。すなわち、1段目の回収率は、それぞれの粒径において、以下の式で表される。
回収率(1段目)(%)=分散液(1)/(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3)+分散液(4)+分散液(5))
また、画分(2)(図中■で表示)は、第2段目における粒子の回収率を示している。2段目の回収率は、それぞれの粒径において、以下の式で表される。
回収率(2段目)(%)=(分散液(1)+分散液(2))/(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3)+分散液(4)+分散液(5))
同様にして、画分(3)(図中▼で表示)及び画分(4)(図中×で表示)は、それぞれ、第3段目及び第4段目における粒子の回収率を示している。3段目及び4段目の回収率は、それぞれの粒径において、以下の式で表される。
回収率(3段目)=(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3))/(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3)+分散液(4)+分散液(5))
回収率(4段目)=(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3)+分散液(4))/(分散液(1)+分散液(2)+分散液(3)+分散液(4)+分散液(5))
図6によれば、第1段目では、粒径5μm以下の粒子の回収率は40%強であるが、第2段目までを合計すると、回収率は60%強となり、第3段目までの合計では回収率は約95%となり、第4段目までの合計では、回収率はほぼ100%となった。
また、回収された微小粒子分散液には、粗大粒子(例えば、粒子15μm以上の粒子)の混入は認められず、良好な分級効率が得られることが示された。
なお、実施例1において、分散液(1)の粒子濃度は21.7wt%であり、分散液(2)の粒子濃度は14.3wt%となり、分散液(3)の粒子濃度は9.8wt%となり、分散液(4)の粒子濃度は6.9wt%となり、また、分散液(5)の粒子濃度は22.4wt%となった。
一方、還流路を有する図2に示す実施例2では、分散液(1)の粒子濃度は21.1wt%であり、分散液(2)の粒子濃度は13wt%であり、分散液(3)の粒子濃度は8.5wt%であり、分散液(4)の粒子濃度は5.9wt%、分散液(5)の粒子濃度は26.5wt%であった。
結果を以下の表に示す。
Figure 2010227751
また、図6及び図7を対比すると、還流路を設けていない実施例1の分級装置を使用した場合には、4段処理を行っても、5〜10μm程度の粒子の回収率が100%に至っておらず、また粒径に対する回収率の傾きの絶対値が小さくなっているが、還流路を設けた実施例2の分級装置を使用した場合には、5〜100μm程度の粒子の回収率が100%であり、粒径に対する回収率の傾きも垂直に近い。これは、上記のように、還流路を設けた場合には、分散液の粒子濃度の高くなることが抑制され、粒子間力による分級効率の低下が抑制されたためと考えられる。
実施例1の条件で装置を角度30°に設定したところ、分散液(1)の粒子濃度は31.5wt%であり、分散液(2)の粒子濃度は17.8wt%となり、分散液(3)の粒子濃度は10.3wt%となり、分散液(4)の粒子濃度は6.0wt%となり、また、分散液(5)の粒子濃度は9.4wt%となった。
平均粒径は、分散液(1)は9.8μm、分散液(2)は9.7μm、分散液(3)は9.9μm、分散液(4)は10.1μm、分散液(5)は10.5μmであり、粗粉の排出が低下することで、実施例1に比べて分級効率が悪化した。
100 分級装置
101 第1の分級路
102 第2の分級路
103 第3の分級路
104 第4の分級路
111a〜d 粗大粒子分散液排出口
112a〜d 粗大粒子分散液排出口
113a〜d 粗大粒子分散液排出口
114a〜d 粗大粒子分散液排出口
121、122、123、124 微小粒子分散液排出口
131a〜d 接続路
132a〜d 接続路
133a〜d 接続路
141 粒子分散液導入口
151、152、153、154 分級路の底面
161、162、163 稀薄液排出口
171、172、173 還流路
400 金属基板
401A 1層目のパターン部材
401B 2層目のパターン部材
405 ドナー基板
410 ターゲット基板
A 粒子分散液
B 粗大粒子分散液
C 微小粒子分散液

Claims (9)

  1. 2以上の分級路を有し、
    粒子分散液を送液する第1の分級路が複数の排出口を有し、
    第1の分級路に設けられた排出口は、粗大粒子分散液の排出口、及び、微小粒子分散液の排出口を含み、
    該粗大粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも大きく、
    該微小粒子分散液が含有する粒子の平均粒径は、第1の分級路に送液した粒子分散液が含有する粒子の平均粒径よりも小さく、
    該粗大粒子分散液の排出口は、該微小粒子分散液の排出口よりも分級路の上流に設けられており、
    該粗大粒子分散液の排出口から第2の分級路に送液する接続路を有することを特徴とする
    分級装置。
  2. 前記分級路の少なくとも1つが、鉛直方向に対して傾斜を有して設けられている、
    請求項1に記載の分級装置。
  3. 前記第1の分級路が、前記粗大粒子分散液の排出口、前記微小粒子分散液の排出口、及び、稀薄液の排出口を有し、
    該稀薄液が含有する粒子濃度(wt%)が、微小粒子分散液の粒子濃度(wt%)より低い、
    請求項1又は2に記載の分級装置。
  4. 前記分級路の少なくとも1つが、稀薄液を該分級路及び/又はその他の分級路に送液して還流させる還流路を有する、請求項3に記載の分級装置。
  5. 前記分級路の少なくとも1つの流路下流の流路の断面積が、該分級路の流路上流の流路の断面積より大きい、請求項1〜4いずれか1つに記載の分級装置。
  6. 輸送液の導入口を有しない、請求項1〜5いずれか1つに記載の分級装置。
  7. 複数の分級路を有する分級装置の第1の分級路に粒子分散液を送液する工程と、
    粒子分散液中の粒子を、該第1の分級路を送液しながら分級する工程と、
    第1の分級路に設けられた複数の排出口から排出された排出液の少なくとも1つを、第2の分級路に送液する工程とを有し、
    第2の流路に送液される排出液が含有する粒子の平均粒径が、第1の分級路に送液された粒子分散液の含有する粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする
    分級方法。
  8. 前記第1の分級路から排出され、かつ、第1の分級路に送液した粒子分散液よりも粒子濃度の低い排出液を、少なくとも1つの分級路に送液して還流させる還流工程を有する、請求項7に記載の分級方法。
  9. 粒子分散液を送液する工程が、粒子分散液を鉛直方向に対して傾斜を有する分級路に送液する工程である、請求項7又は8に記載の分級方法。
JP2009075661A 2009-03-26 2009-03-26 分級方法及び分級装置 Expired - Fee Related JP4915426B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009075661A JP4915426B2 (ja) 2009-03-26 2009-03-26 分級方法及び分級装置
US12/552,678 US8365922B2 (en) 2009-03-26 2009-09-02 Classifying method and classifying device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009075661A JP4915426B2 (ja) 2009-03-26 2009-03-26 分級方法及び分級装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010227751A true JP2010227751A (ja) 2010-10-14
JP4915426B2 JP4915426B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=42782806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009075661A Expired - Fee Related JP4915426B2 (ja) 2009-03-26 2009-03-26 分級方法及び分級装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8365922B2 (ja)
JP (1) JP4915426B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018130770A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 株式会社古賀 分級・回収装置及び加工液浄化システム
CN113275120A (zh) * 2021-05-11 2021-08-20 西安正唐矿业科技有限公司 一种矿物临界流速分选方法及其装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8631945B1 (en) * 2009-10-09 2014-01-21 James N. Cato Method for screening fine industrial minerals using a vibrating high speed screening unit

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4925557A (ja) * 1972-06-16 1974-03-07
JPS5462568A (en) * 1977-10-27 1979-05-19 Nippon Petrochemicals Co Ltd Classification method and apparatus for same
JPS551890A (en) * 1979-05-01 1980-01-09 Toyo Soda Mfg Co Ltd Precise classification
JPH01107439A (ja) * 1987-08-03 1989-04-25 Metallwerk Plansee Gmbh X線管用回転陽極及びその製造方法
JPH11156229A (ja) * 1997-11-20 1999-06-15 Nippon Micro Coating Kk 湿式粉体分級装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT303071B (de) * 1970-12-15 1972-11-10 Aspanger Kaolin Stein Verfahren und Vorrichtung zum wenigstens teilweisen Abscheiden in einer Flüssigkeit verteilter Feststoffkörner, Flüssigkeitströpfchen oder Gasbläschen von dieser Flüssigkeit mit Hilfe der Schwerkraft
JPS5929302B2 (ja) * 1976-07-05 1984-07-19 メタルゲゼルシヤフト・アクチエンゲゼルシヤフト 高抵抗ダスト集塵方法
JPH01107439U (ja) 1988-01-13 1989-07-20
JPH08208B2 (ja) 1993-12-24 1996-01-10 日本たばこ産業株式会社 湿式分級装置
JP3382752B2 (ja) 1995-06-07 2003-03-04 積水化学工業株式会社 湿式分級装置及び湿式分級方法
DE69628016T2 (de) 1995-06-16 2004-04-01 University Of Washington, Seattle Miniaturisierte differentielle extraktionsvorrichtung und verfahren
DE19815882A1 (de) * 1998-04-08 1999-10-14 Fuhr Guenther Verfahren und Vorrichtung zur Manipulierung von Mikropartikeln in Fluidströmungen
US7118676B2 (en) * 2003-09-04 2006-10-10 Arryx, Inc. Multiple laminar flow-based particle and cellular separation with laser steering
JP4462058B2 (ja) * 2004-09-22 2010-05-12 富士ゼロックス株式会社 微粒子の分級方法、及び微粒子の分級装置
JP2006187684A (ja) 2004-12-28 2006-07-20 Fuji Xerox Co Ltd マイクロ流体素子
JP4760330B2 (ja) 2005-11-25 2011-08-31 富士ゼロックス株式会社 微粒子の分級方法及び分級装置
US7963398B2 (en) * 2006-06-13 2011-06-21 University Of Kentucky Research Foundation Method for hydraulically separating carbon and classifying coal combustion ash
US7807454B2 (en) * 2006-10-18 2010-10-05 The Regents Of The University Of California Microfluidic magnetophoretic device and methods for using the same

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4925557A (ja) * 1972-06-16 1974-03-07
JPS5462568A (en) * 1977-10-27 1979-05-19 Nippon Petrochemicals Co Ltd Classification method and apparatus for same
JPS551890A (en) * 1979-05-01 1980-01-09 Toyo Soda Mfg Co Ltd Precise classification
JPH01107439A (ja) * 1987-08-03 1989-04-25 Metallwerk Plansee Gmbh X線管用回転陽極及びその製造方法
JPH11156229A (ja) * 1997-11-20 1999-06-15 Nippon Micro Coating Kk 湿式粉体分級装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018130770A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 株式会社古賀 分級・回収装置及び加工液浄化システム
CN113275120A (zh) * 2021-05-11 2021-08-20 西安正唐矿业科技有限公司 一种矿物临界流速分选方法及其装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20100243539A1 (en) 2010-09-30
US8365922B2 (en) 2013-02-05
JP4915426B2 (ja) 2012-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4462058B2 (ja) 微粒子の分級方法、及び微粒子の分級装置
US7770738B2 (en) Classifying device and method of classification
JP2010115624A (ja) マイクロ流路デバイス、分離装置、並びに、分離方法
JP5304501B2 (ja) 分級装置及び分級方法
JP2010201549A (ja) マイクロ流路デバイス、分離方法、及び、分離装置
JP5459471B2 (ja) 送液方法及び分級方法
JP5304506B2 (ja) 分級装置及び分級方法
JP4915426B2 (ja) 分級方法及び分級装置
Dincau et al. Capillary sorting of particles by dip coating
JP2009226296A (ja) 分級方法及び分級装置
JP4461900B2 (ja) 微粒子分散液の送液方法、及び微粒子分散液の送液装置
US7572375B2 (en) Method and device for treating fine particles
JP5636652B2 (ja) 分級装置及び分級方法
JP5316342B2 (ja) 送液装置、分級装置及び分級方法
JP5040876B2 (ja) 分離方法及び分離装置
JP4835047B2 (ja) 微粒子分散液の製造方法
JP4461941B2 (ja) 微粒子分散液の送液方法、及び微粒子分散液の送液装置
JPWO2010074051A1 (ja) 粒子分級装置、それを備えた分級システム及び粒子の分級方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees