JP2010222446A - 着色微粒子分散体の製造方法、インクジェット用インクの製造方法、着色微粒子分散体、インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する重合工程と、前記重合工程後の分散体中に含まれる前記アニオン性界面活性剤の濃度が、前記アニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の1.0倍未満となるように前記アニオン性界面活性剤を除去する除去工程と、前記除去工程後の前記分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度が、前記ノニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の5.0倍以上200.0倍以下となるように前記ノニオン性界面活性剤を添加する添加工程とを有することを特徴とするミニエマルション重合を用いた着色微粒子分散体の製造方法。
【選択図】なし
Description
を有することを特徴とする着色微粒子分散体の製造方法である。
本発明の着色微粒子分散体の製造方法に含まれる重合工程、除去工程、添加工程を以下、詳細に説明する。尚、本発明において界面活性剤のCMCとは、当該界面活性剤のみを含む水溶液の臨界ミセル濃度である。
本発明の重合工程とは、色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する工程である。本発明におけるミニエマルション重合とは、分散体を乳化する際に超音波照射を行うことによって色材及び色材を含むエマルションを小径化し、その後乳化重合を行うものである。
本発明の除去工程とは、上記した重合工程後の分散体中のアニオン性界面活性剤をその濃度がCMCの1.0倍未満となるまで除去する工程である。分散体中のアニオン性界面活性剤の濃度がCMCの1.0倍未満となるまで除去することで、気泡の発生を低減したインクを得ることができる。インクの消泡をより効果的なものとするためにはアニオン性界面活性剤の濃度を分散体中でCMCの0.9倍以下とすることが好ましく、CMCの0.5倍以下とすることがより好ましい。
本発明の添加工程とは、除去工程後の分散体にノニオン性界面活性剤を加える工程であり、分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度がCMCの5.0倍以上200.0倍以下となるようにノニオン性界面活性剤を添加する工程である。
本発明の着色微粒子分散体の製造方法によって得られた着色微粒子分散体は、そのまま、ないし別途添加剤、水を加えることで、インクジェット用インクとして用いることができる。このとき、インクジェット用インク全質量に対し、水が20質量%以上95質量%以下となるように調製することが好ましい。
本発明に用いることができる色材としてはカーボンブラック、カラー顔料、油性染料等を挙げることができる。
本発明に用いることのできるカーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、ファーネスブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック製法の何れのカーボンブラック等が挙げられる。具体的には、カラーブラック(Color Black)FWシリーズ、スペシャルブラック(Special Black)シリーズ、ハイブラック(HIBLACK)シリーズ、プリンテックス(Printex 以上デグサ ジャパン製)が挙げられる。又、カーボンブラックは重合性モノマーあるいはハイドロホーブに対し親和性が高い表面を有することが好ましい。即ち、カルボニル、ラクトン、カルボン酸無水物、フェノール性水酸基、クロメン構造を表面に有したカーボンブラックであることが好ましい。又、アルキル基、フェニル基等の疎水性基を表面修飾したカーボンブラックであってもよい。
本発明に用いることのできるカラー顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料等の顔料が挙げられる。又、カラー顔料は重合性モノマーあるいはハイドロホーブに対し親和性が高い表面を有することが好ましい。
本発明に用いることのできる油溶性染料としては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン染料等を挙げることができる。例えば、油性染料としてカラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されているものであれば特に限定されない。又、本発明においてはカラーインデックスに記載のない新規の油性染料も用いることができる。
本発明に用いることのできる重合性モノマーとしては特に限定されないが、疎水性モノマーであることが好ましい。具体的には、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートアクリレート等の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
本発明に用いることのできる重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤であれば、特に限定されるものではない。水溶性の重合開始剤としては、具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過流酸塩、過酸化水素等の過酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシルベンゾエート、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾホルムアミド(和光純薬製 V−30)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−bビス(ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}(和光純薬製 VA−080)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}(和光純薬製 VA−085)、2,2’−アゾビス[2−メチルl−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬製 VA−086)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(和光純薬製 VA−044)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩(和光純薬製 VA−046B)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩(和光純薬製 VA−060)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬製 VA−061)、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩(和光純薬製 VA−067)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬製 V−50)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジ](和光純薬製 VA−57)等が挙げられる。
本発明に用いることのできるアニオン性界面活性剤としては、従来の乳化重合、ミニエマルション重合に用いることができるものであれば特に制限されない。アニオン性界面活性剤は、硫酸エステル型、リン酸エステル型、カルボン酸型、スルホン酸型等に大別することができるが、これらのいずれを用いても構わない。硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールNF−08 NF−0825 NF−13 NF−17)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールXJ−16 XJ-630S)、ポリオキシアルキレンイソデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールPS−06 PS−15)、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール 330T TM−07)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール227L 325L LA−10 LA−12 LA16)、ポリオキシエチレンレエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール325SM)、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール 08E 16E W−2320)が挙げられる。リン酸エステル型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA212C A215C)、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフAL AL12−H)、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA208F A208N)、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフM208F)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA208B A210B A219B)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフDB−01)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA210D)、アルキルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフDBS DOM)等が挙げられる。カルボン酸型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール ECL−30S ECL−45)、ラウリルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール LS)、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル塩(第一工業製薬 ネオハイテノール L−30S)、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール S−70)、高級脂肪酸塩(第一工業製薬 カリセッケン HY)、ナフテン酸塩等が挙げられる。スルホン酸型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(第一工業製薬 ネオゲンS−20F SC−F)、アルキルベンゼンスルホン酸(第一工業製薬 SAS−12F)、αオレフィンスルホン酸塩(第一工業製薬 ネオゲンAO−90)、フェノールスルホン酸(第一工業製薬 ネオゲンPSA−C)、ジオクチルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオコール SW SW−C P YSK)、ラウリル硫酸塩(モノゲン Y−100 Y−500T)、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、上記の他にホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、アシル化ペプチド、N−アシルメチルタウリン等を用いることができる。上記アニオン性界面活性剤の陽イオンとしてはH+、Na+、K+、Li+、NH4 +、エタノールアミン等の中から適宜選択することができる。
本発明の乳化工程においては、分散体にハイドロホーブを添加してもよい。本発明に用いることのできる好ましいハイドロホーブとしては、具体的には、ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン更にはオリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明の乳化工程においては、分散体にpH調整剤を添加しても良い。本発明に用いることのできるpH調整剤としては、具体的には、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、3−(N−モルフォリの)プロパンスルホン酸、メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸等を好適に用いることができる。又、pH調整剤は、特に制約無く用いることができるが、分散体のpHが5.5以上11.0以下となるように添加することが好ましい。
本発明の除去工程に用いる吸着剤としては、陰イオン交換樹脂を好適に使用することができる。陰イオン交換樹脂としては、具体的にはオルガノ社製アンバーライトIRA400J−Cl、IRA402BL Cl、IRA404J Cl、IRA410J Cl、IRA411 Cl、IRA458RF Cl、IRA478RF Cl、IRA900J Cl、IRA910CT Cl、IRA904 Cl、IRA958 Cl、IRA67、IRA96SB、XT6050RFが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、インクジェット用インクに好適とされるものであればいずれのものも用いることができるが、保存安定性の観点からHLBが15以上20以下であることが好ましい。HLBが15以上20以下のノニオン性界面活性剤としては、具体的には以下のものが挙げられる。モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TP−10V)、ポリオキシフィトステロール(日光ケミカルズ NIKKOL BPS−20)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−10)、モノラウリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ NIKKOL Decagln 1−L)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット(日光ケミカルズ NIKKOL GL−1)、モノステアリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ NIKKOL Decagln 1−50SV)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ NIKKOL HCO−80)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL MYS−25)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TI−10V)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TO−10V 10MV)、ポリオキシエチレンラノリン(日光ケミカルズ NIKKOL TW−30)、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TL−10)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BB−20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL CDS−6000P)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ NIKKOL HCO−100)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL PBC−34)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BO−15V)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−20)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL MYS−40MW MYS−40V)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BC−20 20V)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL B0−20V)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−40)、ポリオキシエチレンコレスタノール(日光ケミカルズ NIKKOL DHC−30)、ジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム(日光ケミカルズ NIKKOL DLP−10)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ BC−23 25)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(日光ケミカルズ BB−30)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ BO−50V)、ポリオキシエチレンフィトステロール(日光ケミカルズ BPS−30)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(日光ケミカルズ BS−20)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ MYS−45MV 45V 55MV 55V)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ BC−30)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(日光ケミカルズ BL−21 25)、セチルエーテル(日光ケミカルズ BC−40)等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクは、前述したように、着色微粒子分散体を調製することによって得ることができる。インクとして調製する際には、添加剤として界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、前記水溶性アニオン樹脂以外の水溶性樹脂等を用いることができる。
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、ドデシル硫酸ナトリウム5.1部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。混合物を超音波照射機(ブランソン製 S−150D デジタルソニファイアー)で20Hzの超音波を20分間照射して乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体1を得た。
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を4部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌し、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体2を得た。
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体3を得た。
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を17部混合した。マグネチックスターラーを用いて混合物を100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体4を得た。
分散体4を100部、ノニオン性界面活性剤を0.4部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体5を得た。
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を3部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体6を得た。
分散体6を100部、ノニオン性界面活性剤(日光ケミカルズ BC−30 ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル)を0.2部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体7を得た。
油性染料25.0部、メチルメタクリレート100部、ドデシル硫酸ナトリウム11.5部、アゾビスイソブチロニトリル1.9部、水500部を混合した。このとき油性染料としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GLを用いた。混合物を超音波照射機(ブランソン製 S−150D デジタルソニファイアー)で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体8を得た。
分散体8を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を20部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体9を得た。
分散体9を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−15 ポリオキシエチレン(15)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体10を得た。
分散体1を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体11を得た。
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を3.5部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌し、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過した。ろ過した分散体を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体12を得た。
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を0.004部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体13を得た。
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を4部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体14を得た。
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、 日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 1部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。混合物を超音波照射機で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体15を得た。
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、ドデシル硫酸ナトリウム5.1部、界面活性剤0.2部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。又、界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物を超音波照射機で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体16を得た。
[保存前の分散体の評価]
上記した分散体をそれぞれ下記の評価方法を用いて評価した。
上記した分散体1〜16について、粒度分析計(日機装製 マイクロトラックUPA−EX150)を用いて300nm以上の粗粒の比率(体積換算)測定した。測定値を元に以下の基準で評価を行った。評価結果を表3に示す。
○ 粗粒は0.01%未満だった
△ 0.01%〜0.1%の粗粒が発生した
× 0.1%よりも多くの粗粒が発生した。
上記した分散体1〜16について、協和界面科学製 Automatic Surface Tensiometer CBVP−Zを使用して表面張力を測定した。評価結果を表3に示す。
上記した分散体1〜16の平均粒径を、粒度分布測定機(日機装製 マイクロトラック UPA EX−150)を使用して、分散体中の着色微粒子のメジアン径であるD50の値を測定した。評価結果を表3に示す。
上記した分散体1〜16をそれぞれガラスショット瓶に入れて密栓し、60℃のオーブン中で4週間保存した。4週間保存後、各分散体の入ったガラスショット瓶をオーブンから取り出し、各物性を評価した。
4週間保存した後の分散体1〜16について、粒度分析計(日機装製 マイクロトラックUPA−EX150)を用いて300nm以上の粗粒の比率(体積換算)測定した。測定値を元に以下の基準で評価を行った。評価結果を表3に示す。
○ 粗粒は0.01%未満だった
△ 0.01%〜0.1%の粗粒が発生した
× 0.1%よりも多くの粗粒が発生した。
4週間保存した後の分散体1〜16の平均粒径を、粒度分布測定機(日機装製 マイクロトラック UPA EX−150)を使用して、分散体中の着色微粒子のメジアン径であるD50の値を測定した。測定値を元に保存前後の平均粒径の変化率を算出し、以下のような基準で評価を行った。平均粒径の変化率とは、(保存後の分散体の平均粒径/保存前の分散体の平均粒径)×100である。評価結果を表3に示す。
◎ ±10%未満
○ +10%以上20%未満
△ +20%以上30%未満
× +30%以上
<インク1の製造>
分散体1を45.44部、グリセリンを5部、2−ピロリドンを5部、ポリオキシエチレン(平均分子量1000)を5部加え、インク全量が100部となるように更に水39.6部を加えた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過してインク1を得た。
<インク2の製造>
分散体1を分散体2に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク2を得た。
<インク3の製造>
分散体1を分散体3に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク3を得た。
<インク4の製造>
分散体1を分散体4に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク4を得た。
<インク5の製造>
分散体1を分散体5に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク5を得た。
<インク6の製造>
分散体1を分散体6に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク6を得た。
<インク7の製造>
分散体1を分散体7に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク7を得た。
<インク8の製造>
分散体8を60.0部にグリセリンを5部、2−ピロリドンを5部、ポリオキシエチレン(平均分子量1000)を5部を加え、インク全量が100部となる様に更に水9.78部を加えることで、インク8を得た。
<インク9の製造>
分散体8を分散体9に変えた以外の操作はインク8の製造と同様に行い、インク9を得た。
<インク10の製造>
分散体8を分散体10に変えた以外の操作はインク8の製造と同様に行い、インク10を得た。
<インク11の製造>
分散体1を分散体11に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク11を得た。
<インク12の製造>
分散体1を分散体12に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク12を得た。
<インク13の製造>
分散体1を分散体13に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク13を得た。
<インク14の製造>
分散体1を分散体14に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク14を得た。
<インク15の製造>
分散体1を分散体15に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク15を得た。
<インク16の製造>
分散体1を分散体16に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク16を得た。
<吐出安定性>
上記したインク1〜16についてインクジェットプリンター(キヤノン製 PIXUS iP4200)を用い、きれいモードを選択して印刷用紙10枚に対しベタ連続印字を行った。印字後、512本のノズルを使用し、記録用紙にノズルチェックパターンを印字してインクジェットの不吐ノズル数を観察した。観察結果を下記の基準によって評価した。印刷用紙としてはインクジェット用コート紙(A4サイズのプロフェッショナルフォトペーパー PR−101 キヤノン(株)製)を用いた。結果を表4に示す。
○ 不吐ノズルが0本
△ 不吐ノズルが1〜3本
× 不吐ノズルが4本以上
Claims (5)
- ミニエマルション重合を用いた着色微粒子分散体の製造方法において、
色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する重合工程と、
前記重合工程後の分散体中に含まれる前記アニオン性界面活性剤の濃度が、前記アニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の1.0倍未満となるように前記アニオン性界面活性剤を除去する除去工程と、
前記除去工程後の前記分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度が、前記ノニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の5.0倍以上200.0倍以下となるように前記ノニオン性界面活性剤を添加する添加工程と
を有することを特徴とする着色微粒子分散体の製造方法。 - 前記重合工程における分散体中の、前記アニオン性界面活性剤の濃度がCMCの3.0倍以上30.0倍以下である請求項1に記載の着色微粒子分散体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の着色微粒子分散体の製造方法によって得られることを特徴とする着色微粒子分散体。
- 請求項3に記載の着色微粒子分散体の製造方法を用いることを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
- 請求項4に記載のインクジェット用インクの製造方法によって得られることを特徴とするインクジェット用インク。
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