JP2010222446A - 着色微粒子分散体の製造方法、インクジェット用インクの製造方法、着色微粒子分散体、インクジェット用インク - Google Patents

着色微粒子分散体の製造方法、インクジェット用インクの製造方法、着色微粒子分散体、インクジェット用インク Download PDF

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Abstract

【課題】高い表面張力と、高い保存安定性とを満足した着色微粒子分散体の製造方法の提供。
【解決手段】色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する重合工程と、前記重合工程後の分散体中に含まれる前記アニオン性界面活性剤の濃度が、前記アニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の1.0倍未満となるように前記アニオン性界面活性剤を除去する除去工程と、前記除去工程後の前記分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度が、前記ノニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の5.0倍以上200.0倍以下となるように前記ノニオン性界面活性剤を添加する添加工程とを有することを特徴とするミニエマルション重合を用いた着色微粒子分散体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は着色微粒子分散体の製造方法、インクジェット用インクの製造方法、着色微粒子分散体、インクジェット用インクに関する。
インクジェット用インクには、光沢性、耐擦過性、カールの抑制、ブリードの抑制といった、様々な特性が求められており、近年ではそれらを満足すべく多岐に渡るインクジェット用インクの製造方法が提案されている。中でも乳化重合によって色材と樹脂とを含む着色微粒子分散体を得る方法は、インクジェット用インクの代表的な製造方法の1つとして挙げることができる。
乳化重合は色材とモノマーとを含む分散液を乳化し、乳化した分散液に含まれるモノマーを重合することで、着色微粒子分散体を得る方法である。近年では乳化する際に超音波照射を行い、その後重合を行う、いわゆるミニエマルション重合に関する検討が行われている。特許文献1には、油性染料を重合可能なモノマーに溶解し、パイプラインミキサーで0.5μm以下のプレエマルションを調合した後重合を行うことで、ミニエマルション微粒子を得る方法が記載されている。
又、油性染料の代わりに顔料を用いる技術も提案されており、特許文献2には、ミニエマルション重合を行うことで、顔料がポリマーで被覆されたマイクロカプセル化顔料を得る方法が記載されている。
特許第3839894号公報 特開2005−97518号公報
乳化重合(ミニエマルション重合も含む)を行う際には色材が分散体中に安定して存在する(乳化する)ことが求められており、従来より分散体を乳化するために界面活性剤が用いられてきた。又、乳化するために界面活性剤は、分散体中にCMC(臨界ミセル濃度)以上加えられてきた。
しかしながらミニエマルション重合において好ましく用いられている、アニオン性界面活性剤等のイオン性の界面活性剤は得られるインクに気泡が生じやすく、インクジェット記録に用いた場合、吐出の信頼性が低下しやすかった。又、非イオン性の界面活性剤を用いると、乳化する際に必要な界面活性剤の量がアニオン性界面活性剤に比べて多くなる傾向にあるため、着色微粒子分散体の表面張力が必要以上に低くなる傾向にあった。加えてノニオン性界面活性剤は重合後に所望の量を精度よく除去することが困難であるため、着色微粒子分散体およびインクの設計を精度よく行うことも困難であった。
本発明は上記課題を解決し、且つ、高い表面張力と高い保存安定性とを満足した着色微粒子分散体および着色微粒子分散体の製造方法を提供することを目的とする。又本発明は吐出時に泡が発生しにくい(吐出安定性が高い)インクジェット用インクおよびインクジェット用インクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ミニエマルション重合を用いた着色微粒子分散体の製造方法において、色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する重合工程と、前記重合工程後の分散体中に含まれる前記アニオン性界面活性剤の濃度が、前記アニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の1.0倍未満となるように前記アニオン性界面活性剤を除去する除去工程と、前記除去工程後の前記分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度が、前記ノニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の5.0倍以上200.0倍以下となるように前記ノニオン性界面活性剤を添加する添加工程と
を有することを特徴とする着色微粒子分散体の製造方法である。
本発明を用いることにより、高い表面張力と、高い保存安定性とを満足した着色微粒子分散体、該着色微粒子分散体の製造方法を提供することができる。又、吐出時に泡が発生しにくい(吐出安定性が高い)インクジェット用インク、該インクジェット用インクの製造方法を提供することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明者等は、高い表面張力と高い保存安定性とを有する着色微粒子分散体を得るために、ミニエマルション重合を行う際にアニオン性界面活性剤を用い、重合後の分散体からアニオン性界面活性剤を除去することを検討した。
本発明者等はイオン交換樹脂を用いることで、アニオン性界面活性剤の除去量を容易に制御できることを見いだした。これはイオン交換樹脂がイオン性の官能基を持つ化合物を吸着することに優れており、イオン交換樹脂の使用量によって界面活性剤の除去量を容易に、精度良く制御することができるためであると推測している。
ところが、ミニエマルション重合を行う際に油溶性の重合開始剤を用い、重合後にイオン交換樹脂を用いて界面活性剤を除去したところ、分散体中に残存するアニオン性界面活性剤量が少ない場合には、色材と樹脂とを含む着色微粒子が不安定化し、凝集、沈殿を起こしてしまった。又、分散体中に残存するアニオン性界面活性剤量が多い場合には、油溶性の重合開始剤であっても着色微粒子は不安定化しないものの、インクジェット用インクとして用いた際の気泡が著しかった。
そこで本発明者等は、アニオン性界面活性剤の除去量が多くても着色微粒子が安定して存在することができるような製造方法を模索した。その結果以下の方法によって解決することを見いだした。具体的には、水溶性の重合開始剤を用いてミニエマルション重合を行い、アニオン性界面活性剤除去後にノニオン性界面活性剤を添加することが有効であることを見いだした。上記操作を含む着色微粒子分散体の製造方法を用いることで、高い表面張力と、高い保存安定性とを満たした着色微粒子分散体を得ることができる。更に、上記操作によって得られた着色微粒子分散体を調製することで、吐出時の泡形成が低減され、画像形成能に優れたインクを得ることができる。
本発明が上記した効果を発現した理由は、下記の通りであると推測している。ミニエマルション重合時に水溶性の重合開始剤を用いることで、表面が親水的な分散体を得ることができ、色材と樹脂とを含む着色微粒子の分散安定性が向上する。そのため、アニオン性界面活性剤を除去した後もしばらくは安定して存在することができる。そこに、ノニオン性の界面活性剤を加えることで分散体の安定性が更に向上するため、長期保存においても高い安定性を有する。ノニオン性界面活性剤の添加量は乳化することを念頭におく必要がないため、インク設計においても制約が少ない。
尚、下記の検討も本発明の推定メカニズムを支持しているといえる。油溶性の重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を用いて製造した分散体は、アニオン性界面活性剤を除去すると速やかに凝集、沈殿した。又、その後ノニオン性の界面活性剤を加えても、分散性が向上することは無かった。別の検討として、重合開始剤としてイオン性基を有する重合開始剤を用い、重合反応後にアニオン性界面活性剤を除去して得られた分散体を長期間放置したところ、凝集、沈殿が見られた。更に別の検討としてイオン性基を有する重合開始剤を用い、重合反応後にアニオン性界面活性剤を除去して得られた分散体に、別のアニオン性界面活性剤を添加し、インクとして調製したものをインクジェット方式で吐出したところ、泡の発生が見られた。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[着色微粒子分散体の製造方法]
本発明の着色微粒子分散体の製造方法に含まれる重合工程、除去工程、添加工程を以下、詳細に説明する。尚、本発明において界面活性剤のCMCとは、当該界面活性剤のみを含む水溶液の臨界ミセル濃度である。
<重合工程>
本発明の重合工程とは、色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する工程である。本発明におけるミニエマルション重合とは、分散体を乳化する際に超音波照射を行うことによって色材及び色材を含むエマルションを小径化し、その後乳化重合を行うものである。
分散体を乳化する方法としては特に限定されないが、下記に示す方法を挙げることができる。色材に染料を用いる場合には、水、染料、重合性モノマー、アニオン性界面活性剤色材をすべて加えた分散体に超音波照射を行って分散体を乳化することが好ましい。又、色材に顔料を用いる場合には、顔料、アニオン性界面活性剤、水を含む分散体を超音波照射したものと、重合性モノマー、アニオン性界面活性剤、水を含む分散体を超音波照射したものとを作成した後、それぞれを混合することが好ましい。又、超音波照射を行う際には20kHz以上850kHz以下の周波数の超音波を用いることが好ましい。又、分散体への超音波照射は1分以上、60分以下行うことが好ましい。
重合工程においてアニオン性界面活性剤は、ミニエマルション重合が進行する程度の量加えればよい。具体的には、アニオン性界面活性剤は分散体中でCMCの3.0倍以上30.0倍以下の濃度となるように添加することが好ましく、CMCの5.0倍以上15.0倍以下の濃度となるように添加することがより好ましい。アニオン性界面活性剤の添加量を上記好ましい範囲とすることで、重合時に粒径のより小さい着色微粒子を得ることができる。
本発明の乳化重合の反応温度としては40度以上100度以下が好ましく、反応時間としては1時間以上、50時間以下であることが好ましい。
本発明の重合工程によって、粒径がより小さく、シャープな粒度分布を持つ着色微粒子を含む分散体得ることができる。本発明の着色微粒子は、平均粒径が50nm以上100nm以下であれば好ましく、60nm以上90nm以下であればより好ましい。着色微粒子の平均粒径は、日機装製「Microtrack UPA EX−150」等の粒度分析計を用いて、着色微粒子のメジアン径であるD50の値を測定することで得られる。
<除去工程>
本発明の除去工程とは、上記した重合工程後の分散体中のアニオン性界面活性剤をその濃度がCMCの1.0倍未満となるまで除去する工程である。分散体中のアニオン性界面活性剤の濃度がCMCの1.0倍未満となるまで除去することで、気泡の発生を低減したインクを得ることができる。インクの消泡をより効果的なものとするためにはアニオン性界面活性剤の濃度を分散体中でCMCの0.9倍以下とすることが好ましく、CMCの0.5倍以下とすることがより好ましい。
分散体中のアニオン性界面活性剤を除去する方法としては、具体的には、分散体中のアニオン性界面活性剤を吸着剤に吸着させる方法が挙げられる。吸着剤としてはイオン交換樹脂であることが好ましい。イオン交換樹脂を用いることで、分散体中に存在するアニオン性界面活性剤の除去量の制御を精度良く、容易に行うことができる。
イオン交換樹脂によるアニオン性界面活性剤の除去方法としては、具体的には、分散体に直接添加する方法、イオン交換樹脂を充填したカラムに分散体を通液する方法が挙げられる。特に直接添加する方法を用いる場合、分散体に使用したアニオン性界面活性剤のイオン当量に対して1.0イオン交換当量以上5.0イオン交換当量以下のイオン交換樹脂を添加することが好ましく、5分間以上300分間以下の攪拌を行うことが好ましい。
除去工程において分散体中のアニオン性界面活性剤の濃度がCMCの1.0倍未満になったか否かは、除去工程後の分散体中のアニオン性界面活性剤の濃度が、アニオン性界面活性剤のみを含む水溶液の臨界ミセル濃度以下であるか否かで判別することができる。又、除去工程後の分散体の表面張力が、アニオン性界面活性剤のみを含む水溶液の臨界表面張力よりも大きくなったか否かで判別することもできる。
水溶液中又は分散体中に含まれるアニオン性界面活性剤の量は、JIS K3362−1998の合成洗剤試験法によって定量することができる。
<添加工程>
本発明の添加工程とは、除去工程後の分散体にノニオン性界面活性剤を加える工程であり、分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度がCMCの5.0倍以上200.0倍以下となるようにノニオン性界面活性剤を添加する工程である。
本発明の添加工程において、ノニオン性界面活性剤は分散体の保存安定性の観点から分散体中にCMCの5.0倍以上100.0倍以下の濃度となるように添加することが好ましい。又、CMCの10.0倍以上50.0倍以下の濃度となるように添加することがより好ましい。
<インクジェット用インクの製造方法>
本発明の着色微粒子分散体の製造方法によって得られた着色微粒子分散体は、そのまま、ないし別途添加剤、水を加えることで、インクジェット用インクとして用いることができる。このとき、インクジェット用インク全質量に対し、水が20質量%以上95質量%以下となるように調製することが好ましい。
以下、各工程に用いることのできる化合物について、詳細に説明する。
[色材]
本発明に用いることができる色材としてはカーボンブラック、カラー顔料、油性染料等を挙げることができる。
(カーボンブラック)
本発明に用いることのできるカーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、ファーネスブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック製法の何れのカーボンブラック等が挙げられる。具体的には、カラーブラック(Color Black)FWシリーズ、スペシャルブラック(Special Black)シリーズ、ハイブラック(HIBLACK)シリーズ、プリンテックス(Printex 以上デグサ ジャパン製)が挙げられる。又、カーボンブラックは重合性モノマーあるいはハイドロホーブに対し親和性が高い表面を有することが好ましい。即ち、カルボニル、ラクトン、カルボン酸無水物、フェノール性水酸基、クロメン構造を表面に有したカーボンブラックであることが好ましい。又、アルキル基、フェニル基等の疎水性基を表面修飾したカーボンブラックであってもよい。
(カラー顔料)
本発明に用いることのできるカラー顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料等の顔料が挙げられる。又、カラー顔料は重合性モノマーあるいはハイドロホーブに対し親和性が高い表面を有することが好ましい。
(油性染料)
本発明に用いることのできる油溶性染料としては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン染料等を挙げることができる。例えば、油性染料としてカラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されているものであれば特に限定されない。又、本発明においてはカラーインデックスに記載のない新規の油性染料も用いることができる。
具体的には、ブラックの油性染料としてはDystar社のSolvent BLACK 5、CI Solvent BLACK 7等が挙げられる。又、シアン染料としてはC.I.ソルベントブルー33,38,42,45,53,65,67,70,104,114,115,135等が挙げられる。マゼンタ染料としてはC.I.ソルベントレッド25,31,86,92,97,118,132,160,186,187,219等が挙げられる。イエロー染料としてはC.I.ソルベントイエロー1,49,62,74,79,82,83,89,90,120,121,151,153,154等が挙げられる。
本発明の着色微粒子分散体に対する色材の含有量としては、着色微粒子分散体全質量に対し0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。又、色材の含有量は1質量%以上6質量%以下であればより好ましい。
[重合性モノマー]
本発明に用いることのできる重合性モノマーとしては特に限定されないが、疎水性モノマーであることが好ましい。具体的には、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートアクリレート等の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
又アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルイミダゾール、エチレン、マレイン酸誘導体、メチル(メタ)アクリル酸等の重合性モノマーであってもよい。
本発明の重合性モノマーを重合して得られる樹脂に求められる特性としては、例えば、重合速度、重合転換率、ガラス転移温度、色材との親和性等が挙げられる。従ってこれらの特性を調整するために、2種類以上の重合成モノマーを用いて重合を行ってもよい。
本発明の乳化工程において、重合性モノマーは着色部粒子分散体を調製して得られるインクの保存安定性、発色性、画像濃度の向上の観点から分散体全質量に対して5質量%以上50質量%以下添加することが好ましい。又、10質量%以上30質量%以下添加することがより好ましい。又、重合性モノマーを重合することによって得られる樹脂の含有量は、着色微粒子分散体全質量に対し1質量%以上30質量%以下が好ましい。又、着色微粒子分散体全質量に対し3質量%以上20質量%以下であればより好ましい。
[重合開始剤]
本発明に用いることのできる重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤であれば、特に限定されるものではない。水溶性の重合開始剤としては、具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過流酸塩、過酸化水素等の過酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシルベンゾエート、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾホルムアミド(和光純薬製 V−30)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−bビス(ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}(和光純薬製 VA−080)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}(和光純薬製 VA−085)、2,2’−アゾビス[2−メチルl−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬製 VA−086)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(和光純薬製 VA−044)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩(和光純薬製 VA−046B)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩(和光純薬製 VA−060)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬製 VA−061)、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩(和光純薬製 VA−067)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬製 V−50)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジ](和光純薬製 VA−57)等が挙げられる。
上述した水溶性の重合開始剤の中でも、過硫酸塩を用いることが好ましい。過流酸塩1モルは水中で加熱することでアニオン性基とラジカルとを有する中間体を2モル生成する。重合は中間体のラジカルを有する部位と、モノマーとが接触することで進行するため、過流酸塩を用いた場合には少量で重合反応を開始することができる。又、中間体のアニオン性基部分は、重合反応終了後に着色微粒子の表面に吸着するため、着色微粒子の表面に効率的に電荷を生成することができる。着色微粒子の表面が電荷を有することで、分散体中の界面活性剤量が少ない場合にも、安定して顔料を分散することができる。
本発明の乳化工程において、重合開始剤は重合性モノマー全質量に対し0.01質量%以上10質量%以下添加することが好ましく、0.03質量%以上3質量%以下添加することがより好ましい。
[アニオン性界面活性剤]
本発明に用いることのできるアニオン性界面活性剤としては、従来の乳化重合、ミニエマルション重合に用いることができるものであれば特に制限されない。アニオン性界面活性剤は、硫酸エステル型、リン酸エステル型、カルボン酸型、スルホン酸型等に大別することができるが、これらのいずれを用いても構わない。硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールNF−08 NF−0825 NF−13 NF−17)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールXJ−16 XJ-630S)、ポリオキシアルキレンイソデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノールPS−06 PS−15)、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール 330T TM−07)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール227L 325L LA−10 LA−12 LA16)、ポリオキシエチレンレエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール325SM)、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸塩(第一工業製薬 ハイテノール 08E 16E W−2320)が挙げられる。リン酸エステル型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA212C A215C)、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフAL AL12−H)、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA208F A208N)、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフM208F)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA208B A210B A219B)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフDB−01)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬 プライサーフA210D)、アルキルリン酸エステル塩(第一工業製薬 プライサーフDBS DOM)等が挙げられる。カルボン酸型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール ECL−30S ECL−45)、ラウリルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール LS)、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル塩(第一工業製薬 ネオハイテノール L−30S)、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオハイテノール S−70)、高級脂肪酸塩(第一工業製薬 カリセッケン HY)、ナフテン酸塩等が挙げられる。スルホン酸型のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(第一工業製薬 ネオゲンS−20F SC−F)、アルキルベンゼンスルホン酸(第一工業製薬 SAS−12F)、αオレフィンスルホン酸塩(第一工業製薬 ネオゲンAO−90)、フェノールスルホン酸(第一工業製薬 ネオゲンPSA−C)、ジオクチルスルホコハク酸塩(第一工業製薬 ネオコール SW SW−C P YSK)、ラウリル硫酸塩(モノゲン Y−100 Y−500T)、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、上記の他にホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、アシル化ペプチド、N−アシルメチルタウリン等を用いることができる。上記アニオン性界面活性剤の陽イオンとしてはH、Na、K、Li、NH 、エタノールアミン等の中から適宜選択することができる。
[ハイドロホーブ]
本発明の乳化工程においては、分散体にハイドロホーブを添加してもよい。本発明に用いることのできる好ましいハイドロホーブとしては、具体的には、ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン更にはオリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
乳化工程において分散体に加えるハイドロホーブの量としては、分散体全質量に対し0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であればより好ましい。
[pH調整剤]
本発明の乳化工程においては、分散体にpH調整剤を添加しても良い。本発明に用いることのできるpH調整剤としては、具体的には、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、3−(N−モルフォリの)プロパンスルホン酸、メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸等を好適に用いることができる。又、pH調整剤は、特に制約無く用いることができるが、分散体のpHが5.5以上11.0以下となるように添加することが好ましい。
[吸着剤]
本発明の除去工程に用いる吸着剤としては、陰イオン交換樹脂を好適に使用することができる。陰イオン交換樹脂としては、具体的にはオルガノ社製アンバーライトIRA400J−Cl、IRA402BL Cl、IRA404J Cl、IRA410J Cl、IRA411 Cl、IRA458RF Cl、IRA478RF Cl、IRA900J Cl、IRA910CT Cl、IRA904 Cl、IRA958 Cl、IRA67、IRA96SB、XT6050RFが挙げられる。
[ノニオン性界面活性剤]
ノニオン性界面活性剤としては、インクジェット用インクに好適とされるものであればいずれのものも用いることができるが、保存安定性の観点からHLBが15以上20以下であることが好ましい。HLBが15以上20以下のノニオン性界面活性剤としては、具体的には以下のものが挙げられる。モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TP−10V)、ポリオキシフィトステロール(日光ケミカルズ NIKKOL BPS−20)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−10)、モノラウリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ NIKKOL Decagln 1−L)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット(日光ケミカルズ NIKKOL GL−1)、モノステアリン酸デカグリセリル(日光ケミカルズ NIKKOL Decagln 1−50SV)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ NIKKOL HCO−80)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL MYS−25)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TI−10V)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TO−10V 10MV)、ポリオキシエチレンラノリン(日光ケミカルズ NIKKOL TW−30)、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ NIKKOL TL−10)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BB−20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL CDS−6000P)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ NIKKOL HCO−100)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL PBC−34)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BO−15V)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−20)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ NIKKOL MYS−40MW MYS−40V)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL BC−20 20V)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ NIKKOL B0−20V)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール(日光ケミカルズ NIKKOL BWA−40)、ポリオキシエチレンコレスタノール(日光ケミカルズ NIKKOL DHC−30)、ジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム(日光ケミカルズ NIKKOL DLP−10)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ BC−23 25)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(日光ケミカルズ BB−30)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日光ケミカルズ BO−50V)、ポリオキシエチレンフィトステロール(日光ケミカルズ BPS−30)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(日光ケミカルズ BS−20)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ MYS−45MV 45V 55MV 55V)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ BC−30)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(日光ケミカルズ BL−21 25)、セチルエーテル(日光ケミカルズ BC−40)等が挙げられる。
[添加剤]
本発明のインクジェット用インクは、前述したように、着色微粒子分散体を調製することによって得ることができる。インクとして調製する際には、添加剤として界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、前記水溶性アニオン樹脂以外の水溶性樹脂等を用いることができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
まず、本発明の実施例および比較例の分散体について説明する。
<分散体1の製造>
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、ドデシル硫酸ナトリウム5.1部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。混合物を超音波照射機(ブランソン製 S−150D デジタルソニファイアー)で20Hzの超音波を20分間照射して乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体1を得た。
<分散体2の製造>
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を4部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌し、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体2を得た。
<分散体3の製造>
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体3を得た。
<分散体4の製造>
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を17部混合した。マグネチックスターラーを用いて混合物を100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体4を得た。
<分散体5の製造>
分散体4を100部、ノニオン性界面活性剤を0.4部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体5を得た。
<分散体6の製造>
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を3部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体6を得た。
<分散体7の製造>
分散体6を100部、ノニオン性界面活性剤(日光ケミカルズ BC−30 ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル)を0.2部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体7を得た。
<分散体8の製造>
油性染料25.0部、メチルメタクリレート100部、ドデシル硫酸ナトリウム11.5部、アゾビスイソブチロニトリル1.9部、水500部を混合した。このとき油性染料としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GLを用いた。混合物を超音波照射機(ブランソン製 S−150D デジタルソニファイアー)で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体8を得た。
<分散体9の製造>
分散体8を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を20部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体9を得た。
<分散体10の製造>
分散体9を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−15 ポリオキシエチレン(15)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体10を得た。
<分散体11の製造>
分散体1を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体11を得た。
<分散体12の製造>
分散体1を150部、純水で湿潤処理した陰イオン交換樹脂(オルガノ製 IRA400J Cl)を3.5部混合した。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで15分間攪拌し、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過した。ろ過した分散体を100部、ノニオン性界面活性剤を0.2部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体12を得た。
<分散体13の製造>
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を0.004部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体13を得た。
<分散体14の製造>
分散体2を100部、ノニオン性界面活性剤を4部混合した。このときノニオン性界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過して分散体14を得た。
<分散体15の製造>
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、 日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 1部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。混合物を超音波照射機で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体15を得た。
<分散体16の製造>
油性染料49.3部、スチレン100部、炭酸水素ナトリウム0.1部、ドデシル硫酸ナトリウム5.1部、界面活性剤0.2部、過硫酸カリウム0.4部、水597部を混合した。このとき、油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Orasol Blue GL43.3部とOrasol Blue GN6部とを用いた。又、界面活性剤としては日光ケミカルズ製 BC−20 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いた。混合物を超音波照射機で20Hzの超音波を照射することで20分間乳化した後、窒素雰囲気下で70℃、8時間重合反応を行うことで、分散体16を得た。
分散体製造の際に用いた、各界面活性剤の臨界ミセル濃度と、界面活性剤を臨界ミセル濃度以上含む水溶液の表面張力を表1に示す。上記操作によって得られた分散体1〜16を、下記の表2に示すように実施例1及び2、比較例1〜14とし、それぞれの特徴も併せて示す。
(表2の各工程において「○」は本発明の工程を満たすものを指し、「なし」とはその工程を行っていないことを指し、「−」とは工程の一部を満たさないものを指す)
[保存前の分散体の評価]
上記した分散体をそれぞれ下記の評価方法を用いて評価した。
<粗粒の割合>
上記した分散体1〜16について、粒度分析計(日機装製 マイクロトラックUPA−EX150)を用いて300nm以上の粗粒の比率(体積換算)測定した。測定値を元に以下の基準で評価を行った。評価結果を表3に示す。
○ 粗粒は0.01%未満だった
△ 0.01%〜0.1%の粗粒が発生した
× 0.1%よりも多くの粗粒が発生した。
<表面張力>
上記した分散体1〜16について、協和界面科学製 Automatic Surface Tensiometer CBVP−Zを使用して表面張力を測定した。評価結果を表3に示す。
<分散体の平均粒径>
上記した分散体1〜16の平均粒径を、粒度分布測定機(日機装製 マイクロトラック UPA EX−150)を使用して、分散体中の着色微粒子のメジアン径であるD50の値を測定した。評価結果を表3に示す。
[保存後の分散体の評価]
上記した分散体1〜16をそれぞれガラスショット瓶に入れて密栓し、60℃のオーブン中で4週間保存した。4週間保存後、各分散体の入ったガラスショット瓶をオーブンから取り出し、各物性を評価した。
<粗粒の割合>
4週間保存した後の分散体1〜16について、粒度分析計(日機装製 マイクロトラックUPA−EX150)を用いて300nm以上の粗粒の比率(体積換算)測定した。測定値を元に以下の基準で評価を行った。評価結果を表3に示す。
○ 粗粒は0.01%未満だった
△ 0.01%〜0.1%の粗粒が発生した
× 0.1%よりも多くの粗粒が発生した。
<平均粒径の変化率(保存安定性)>
4週間保存した後の分散体1〜16の平均粒径を、粒度分布測定機(日機装製 マイクロトラック UPA EX−150)を使用して、分散体中の着色微粒子のメジアン径であるD50の値を測定した。測定値を元に保存前後の平均粒径の変化率を算出し、以下のような基準で評価を行った。平均粒径の変化率とは、(保存後の分散体の平均粒径/保存前の分散体の平均粒径)×100である。評価結果を表3に示す。
◎ ±10%未満
○ +10%以上20%未満
△ +20%以上30%未満
× +30%以上
次に本発明の実施例および比較例のインクについて説明する。
<インク1の製造>
分散体1を45.44部、グリセリンを5部、2−ピロリドンを5部、ポリオキシエチレン(平均分子量1000)を5部加え、インク全量が100部となるように更に水39.6部を加えた。混合物をマグネチックスターラーにより100rpmで1日攪拌した後、ザルトリウス製 ミニザルト17594K 孔径5.0μmでろ過してインク1を得た。
<インク2の製造>
分散体1を分散体2に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク2を得た。
<インク3の製造>
分散体1を分散体3に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク3を得た。
<インク4の製造>
分散体1を分散体4に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク4を得た。
<インク5の製造>
分散体1を分散体5に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク5を得た。
<インク6の製造>
分散体1を分散体6に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク6を得た。
<インク7の製造>
分散体1を分散体7に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク7を得た。
<インク8の製造>
分散体8を60.0部にグリセリンを5部、2−ピロリドンを5部、ポリオキシエチレン(平均分子量1000)を5部を加え、インク全量が100部となる様に更に水9.78部を加えることで、インク8を得た。
<インク9の製造>
分散体8を分散体9に変えた以外の操作はインク8の製造と同様に行い、インク9を得た。
<インク10の製造>
分散体8を分散体10に変えた以外の操作はインク8の製造と同様に行い、インク10を得た。
<インク11の製造>
分散体1を分散体11に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク11を得た。
<インク12の製造>
分散体1を分散体12に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク12を得た。
<インク13の製造>
分散体1を分散体13に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク13を得た。
<インク14の製造>
分散体1を分散体14に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク14を得た。
<インク15の製造>
分散体1を分散体15に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク15を得た。
<インク16の製造>
分散体1を分散体16に変えた以外はインク1の製造と同様にして、インク16を得た。
上記操作によって得られたインク1〜16を、下記の表4に示すように実施例3及び4、比較例15〜28とした。
[インクの評価]
<吐出安定性>
上記したインク1〜16についてインクジェットプリンター(キヤノン製 PIXUS iP4200)を用い、きれいモードを選択して印刷用紙10枚に対しベタ連続印字を行った。印字後、512本のノズルを使用し、記録用紙にノズルチェックパターンを印字してインクジェットの不吐ノズル数を観察した。観察結果を下記の基準によって評価した。印刷用紙としてはインクジェット用コート紙(A4サイズのプロフェッショナルフォトペーパー PR−101 キヤノン(株)製)を用いた。結果を表4に示す。
○ 不吐ノズルが0本
△ 不吐ノズルが1〜3本
× 不吐ノズルが4本以上

Claims (5)

  1. ミニエマルション重合を用いた着色微粒子分散体の製造方法において、
    色材とアニオン性界面活性剤と水溶性の重合開始剤と重合性モノマーとを含む分散体を用いてミニエマルション重合する重合工程と、
    前記重合工程後の分散体中に含まれる前記アニオン性界面活性剤の濃度が、前記アニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の1.0倍未満となるように前記アニオン性界面活性剤を除去する除去工程と、
    前記除去工程後の前記分散体中のノニオン性界面活性剤の濃度が、前記ノニオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度の5.0倍以上200.0倍以下となるように前記ノニオン性界面活性剤を添加する添加工程と
    を有することを特徴とする着色微粒子分散体の製造方法。
  2. 前記重合工程における分散体中の、前記アニオン性界面活性剤の濃度がCMCの3.0倍以上30.0倍以下である請求項1に記載の着色微粒子分散体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の着色微粒子分散体の製造方法によって得られることを特徴とする着色微粒子分散体。
  4. 請求項3に記載の着色微粒子分散体の製造方法を用いることを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
  5. 請求項4に記載のインクジェット用インクの製造方法によって得られることを特徴とするインクジェット用インク。
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