JP2010222417A - 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010222417A
JP2010222417A JP2009068805A JP2009068805A JP2010222417A JP 2010222417 A JP2010222417 A JP 2010222417A JP 2009068805 A JP2009068805 A JP 2009068805A JP 2009068805 A JP2009068805 A JP 2009068805A JP 2010222417 A JP2010222417 A JP 2010222417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
dispersion
parts
pigment dispersion
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009068805A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Ota
等 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009068805A priority Critical patent/JP2010222417A/ja
Publication of JP2010222417A publication Critical patent/JP2010222417A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる水性インク組成物、及びこれに用いられる顔料分散液が求められている。
【解決手段】少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記顔料分散液は、前記自己分散型顔料と、顔料分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含んだ状態で加熱処理されていることを特徴とする、顔料分散液。及びこれを含んでなる水性インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散安定性(保存安定性)に優れた顔料分散液に関する。また、本発明は、該顔料分散液を含み、インクジェット記録方法に好適な水性インク組成物に関する。更に、本発明は、該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録物に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔(吐出)させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行なう記録方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷が担ってきた高精細な画像記録(印刷)の分野においてもインクジェット記録方法が用いられるようになってきている。そのため、インクジェット記録方法に用いられるインクに求められる特性の一つとして、画像に乱れが生じないように長期間安定してインク小滴を吐出できること等が挙げられる。
インクジェット記録方法に用いられるインクとしては、安全性が高いこと、安価で入手しやすいこと、取り扱いがしやすいこと等から水を主体とし、他に着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤等からなる水性インクが主流である。着色剤としては染料と顔料があるが、カラー色の彩度の高さ、利用できる材料の種類の豊富さ、主体とする水に対する安定性(溶解性)等の理由から、従来から水溶性染料が数多く使用され検討されている。しかし、この水溶性染料を用いたインク(以下、「染料インク」と記載する)で記録した記録物は、耐光性、耐ガス性及び耐水性等の諸特性(すなわち記録物の保存性)に劣ることがある。これに対して顔料は、水溶性染料に比べて耐光性、耐ガス性及び耐水性に優れているため、これを用いたインク(以下、「顔料インク」と記載する)の開発が近年急速に進められている。ここで、顔料は一般に水には不溶で、かつ水に馴染みにくい。従って、顔料を水性インクに利用するには、水に馴染みやすい形態にして水中に安定的に分散させて沈降等の不具合が発生しないようにする必要がある。顔料を水に馴染みやすい形態とする方法としては、顔料に界面活性剤や樹脂等の分散剤を適用する方法、顔料を水分散性樹脂で被覆して着色微粒子とする方法、顔料の表面に水性官能基を化学的・物理的に結合させて自己分散可能とする方法等が、従来から種々提案されている。さらに、これらを用いて水性顔料インクとする場合、先ほど述べた要求特性(吐出安定性等)を満足するため、インクに用いる添加剤(例えば水溶性有機溶剤、界面活性剤等)の種類、量、組み合わせ等の検討・提案が、従来から多数なされている。
例えば、特許第3509013号公報(特許文献1)には、特定構造のアセチレングリコール系界面活性剤とトリエチレングリコールモノブチルエーテルと2−ピロリドンと水溶性有機溶剤とを組み合わせた顔料インクが提案されており、このインクは吐出安定性と目詰まり信頼性が良好である旨が記載されている。また、特開2005−120181号公報(特許文献2)、特開2005−263967号公報(特許文献3)及び特開2005−263969号公報(特許文献4)には、シリコン系界面活性剤を含む顔料インクが提案されており、このインクは連続印字安定性に優れ滲みの少ない画像が得られる旨の記載がある。また、特開2006−316243号公報(特許文献5)には、フッ素系界面活性剤を含む顔料インクが提案されており、このインクは滲みが少なく吐出安定性が良好である旨の記載がある。
他方、顔料インク中の顔料粒子をより安定的に分散する手法として、顔料インクあるいはそれに用いる顔料分散液に処理を施して安定化させることも検討されている。例えば、特開2000−345093号公報(特許文献6)には、顔料と酸価が90以下のアルカリ可溶型樹脂分散剤と水とを含む顔料分散液あるいは顔料インクを加熱処理する手法が提案されており、このインクは物性の変化が少なく分散安定性に優れる旨の記載がある。また、特開2008−38007号公報(特許文献7)には、水系顔料分散液に対し50℃〜95℃の加熱温度にて1時間〜10時間処理を行なう滅菌処理の手法が提案されており、この水系顔料分散液は微生物による汚染を抑制して粒径・粘度・pH等の物性変化が少なく、またこれを用いたインクはインクジェット記録方式に適用した場合にヘッドノズルの目詰まりを防止する旨の記載がある。さらに、特許第3744424号公報(特許文献8)には、親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料の分散液の製造方法が提案されている。この顔料分散液の製造方法では、アセチレングリコール類等の湿潤剤を共存させた状態で分散処理を行なうことで、顔料粒子の微粒子化時に過大なせん断応力が掛かることが抑えられること、そのために多価金属イオン等の不純物の混入を少なくすることができ、顔料分散液の保存安定性・これを含むインク組成物の保存安定性が向上して、ヘッドノズルの目詰まりが抑制される旨の記載がある。
特許第3509013号公報 特開2005−120181号公報 特開2005−263967号公報 特開2005−263969号公報 特開2006−316243号公報 特開2000−345093号公報 特開2008−38007号公報 特許第3744424号公報
今般、インクジェット記録方式においてはさらなる高精細・高速な印刷が求められている。それに伴って、インクを吐出させるヘッドのノズルが高密度になって吐出されるインクの液滴量も少なくなっており、かつインクを吐出させる駆動周波数もより高くなる傾向にある。従って、用いられるインクには少ないインク液滴量で高い駆動周波数においてもまっすぐに飛翔する特性、即ち、より高い吐出安定性が求められてきている。しかし、本発明者が上述した従来技術で提案されているインクを用いて検討したところ、吐出安定性において未だ不充分な場合があることを見出した。具体的には、インク液滴が安定して吐出できずに画像が乱れてしまう等の現象が見られた。この現象は、特に高速印刷時(すなわち高駆動周波数領域)において多発した。
従って、本発明の目的は、インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる水性インク組成物、及びこれに用いられる顔料分散液を提供することにある。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1) 少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記顔料分散液は、前記自己分散型顔料と、顔料分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含んだ状態で加熱処理されていることを特徴とする、顔料分散液。
(2) 前記湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記一般式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体及びヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(1)に記載の顔料分散液。
Figure 2010222417
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
(3) 前記加熱処理の加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、上記(1)あるいは上記(2)のいずれかに記載の顔料分散液。
(4) 前記顔料分散液が、加熱処理される際に、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、上記(1)乃至上記(3)のいずれか一項に記載の顔料分散液。
(5) 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(4)に記載の顔料分散液。
(6) 前記親水性分散性付与基が、下記式で表わされる官能基またはその塩からなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする、上記(1)乃至上記(5)のいずれか一項に記載の顔料分散液。
Figure 2010222417
(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基または置換基を有していても良いナフチル基を表わす。)
(7) 上記(1)乃至上記(6)のいずれか一項に記載されている顔料分散液を含んでなることを特徴とする、水性インク組成物。
(8) 一価アルコール類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上の浸透剤を含んでなることを特徴とする、上記(7)に記載の水性インク組成物。
(9) 多価アルコール類、糖類、ラクタム類及び尿素類からなる群から選ばれる一種以上の保湿剤を含んでなることを特徴とする、上記(7)あるいは上記(8)のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
(10) さらにポリマーエマルジョンを含んでなることを特徴とする、上記(7)乃至上記(9)のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
(11) インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録方法であって、上記(7)乃至上記(10)のいずれか一項に記載の水性インク組成物を用いることを特徴とする、インクジェット記録方法。
(12) 上記(11)に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする、記録物。
また、本発明の顔料分散液は、下記の製造方法により得られることが好ましい。
(13) 水性インク組成物に用いられる顔料分散液の製造方法であって、
前記顔料分散液は、少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であり、
前記顔料分散液が、前記自己分散型顔料と、顔料分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含む状態で加熱処理される工程を含むことを特徴とする、顔料分散液の製造方法。
(14) 前記湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記一般式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体及びヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(13)に記載の顔料分散液の製造方法。
Figure 2010222417
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
(15) 前記加熱処理工程において、加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、上記(13)乃至上記(4)のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
(16) 前記顔料分散液が、加熱処理される際に、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、上記(13)乃至上記(15)のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
(17) 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種類以上であることを特徴とする、上記(16)に記載の顔料分散液の製造方法。
(18) 前記親水性分散性付与基が、下記式で表わされる官能基またはその塩からなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする、上記(13)乃至上記(17)のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
Figure 2010222417
(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基または置換基を有していても良いナフチル基を表わす。)
本発明による顔料分散液は分散安定性(保存安定性)に優れる。またこれを含む水性インク組成物は、高駆動周波数において連続的に吐出させてもその飛翔安定性、すなわち吐出安定性に優れ、高精細・高速なインクジェット記録方法に好適である。
本発明による顔料分散液は、少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記自己分散型顔料と、顔料分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含んだ状態で加熱処理がされていることを特徴とする。
また本発明の水性インク組成物は、上記の顔料分散液を含んでなる。以下に、本発明による顔料分散液の構成成分及び処理方法、さらに水性インク組成物の構成成分について説明する。
〔顔料分散液〕
本発明による顔料分散液は、着色剤として顔料を用いる。
(顔料)
顔料は水に不溶あるいは難溶で光やガス等にも退色しにくい性質があるため、これを用いたインク組成物で印刷した記録物は、耐水性、耐ガス性、耐光性等に優れ保存性が良好である。本発明に用いることのできる顔料は、公知の無機顔料、有機顔料及びカーボンブラックのいずれも用いることができる。この中で、発色が良好であること、比重が小さいために分散時に沈降しにくい観点から、特に、カーボンブラック、有機顔料が好ましい。
本発明において、好ましいカーボンブラックの具体例としては、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に好適なカーボンブラックの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるものでは無い。これらのカーボンブラックは単独あるいは二種類以上の混合物として用いてよい。
これらの顔料は顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
本発明で好ましい有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
本発明による顔料分散液に用いられる有機顔料の具体例としては下記のものが挙げられる。
シアン顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等;C.I.バットブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、及び60からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はシアン顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
マゼンタ顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、202、及び209、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はマゼンタ顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
イエロー顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、155、180、185、等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138及び180からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はイエロー顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
オレンジ顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36もしくは43またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はオレンジ顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
グリーン顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7もしくは36またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はグリーン顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
これら顔料を用い、以下に説明する表面処理を行なうことで、本発明の顔料分散液に含まれる自己分散型顔料の形態とする。
(自己分散型顔料)
本発明の顔料分散液に用いる自己分散型顔料は、親水性分散性付与基として官能基またはその塩を顔料粒子の表面に直接または多価の基を介して導入(化学結合)されることによって、分散剤なしに水に分散可能とされたものである。
本発明においては、一つの顔料粒子に導入される官能基は、単一種でも複数種であってもよい。導入される官能基の種類およびその程度は、インク中での分散安定性,色濃度およびインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
親水性分散性付与基として導入される官能基としては、下記式で表される官能基あるいはその塩からなる群から選ばれた一つ以上の官能基を挙げることができる。
Figure 2010222417
(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基または置換基を有していても良いナフチル基を表わす。)
親水性分散性付与基が多価の基を介して顔料に導入される場合、分散性付与基が結合する多価の基としては、炭素原子数が1〜12のアルキレン基,置換基を有していても良いフェニレン基、あるいは、置換基を有していても良いナフチレン基等を挙げることができる。
親水性の分散性付与基である上記官能基あるいはその塩を、顔料粒子の表面に直接あるいは多価の基を介して、導入させる表面処理手段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができる。
例えば、(a)市販の酸化カーボンブラックにオゾンや次亜塩素酸ソーダ溶液を作用し、カーボンブラックを更に酸化処理して、その表面をより親水化処理する手段(例えば、特開平7−258578号公報,特開平8−3498号公報,特開平10−120958号公報,特開平10−195331号公報,特開平10−237349号公報)、(b)カーボンブラックを3−アミノ−N−アルキル置換ピリジウムブロマイドで処理する手段(例えば、特開平10−195360号公報,特開平10−330665号公報)、(c)有機顔料が不溶あるいは難溶である溶剤中に有機顔料を分散させ、スルホン化剤により、顔料粒子表面にスルホン基を導入する手段(例えば、特開平8−283596号公報,特開平10−110110号公報,特開平10−110111号公報)、(d)三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤中に有機顔料を分散させ、三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の表面を処理し、スルホン基あるいはスルホンアミノ基を導入する手段(例えば、特開平10−110114号公報)、(e)アゾカップリング反応によりカーボンブラックに結合させたフェニレン基を介することで、水可溶化官能基とポリマーを顔料表面に導入する手段(例えば、特開2000−53902号公報)等が挙げられる。しかし、本発明で用いられる自己分散型顔料のための作製手段は、上記(a)〜(e)の手段に限定されるものではない。
また、本発明において、親水性分散性付与基として用いられる硫黄含有分散性付与基としては、硫黄原子を含有し、しかも、水中分散性を付与する官能基であれば特に限定されず、具体的には、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )を挙げることができる。
上記に示すような表面処理顔料に導入される親水性の分散性付与基は、少なくとも粒子表面上に存在すればよく、粒子内部に含まれていてもよい。
また、本発明の顔料分散液に含まれる自己分散型顔料は、高分子物質を顔料粒子の表面に、直接あるいは多価の基を介して、導入(化学結合)することができる。高分子物質の顔料表面への導入は、多価の基を介することにより、比較的容易に可能となる。この反応は、アシル化反応あるいはエステル基の求核置換反応等によって実現される。
このような高分子物質の具体例としては、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール、及び、これらの同属体(アルキル基の炭素数が1〜10のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールのモノアルキルエーテル類またはモノアリールエーテル類、メトキシポリエチレングリコールのアミン類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルのコポリマー等)を挙げることができる。これらの高分子物質は、少なくとも一つのアミン基、あるいは、ヒドロキシ基を末端に有することが望ましい。
上記に示す高分子物質を顔料表面に導入した顔料分散液、及び、それを含む水性インク組成物を使用した場合、高分子物質の立体障害による沈降特性の向上,印刷物において水性インク組成物の記録媒体への定着性の向上等の効果を得ることができる。
(湿潤剤)
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料と共に、湿潤剤を含んでなる。湿潤剤は自己分散型顔料への親和性に優れるものから選択されることが好ましい。そうすることにより、後述する加熱処理を経ることで、より自己分散型顔料の分散安定性が向上し、またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する。このような特性を持つ湿潤剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記一般式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体及びヒドロキシ環状アミン化合物が挙げられ、これらの群から選ばれる一種以上であることが好ましい。本発明では、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記一般式(I)で表されるグリセリンエーテル化合物が好ましく、アセチレングリコール系界面活性剤及び/またはアセチレンアルコール系界面活性剤が特に好ましい。
Figure 2010222417
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
以下に、これら湿潤剤について、詳細に説明する。
(A)アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアセチレングリコール系界面活性剤及び/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は、表面張力及び界面張力を適正に保つ能力に優れ、かつ起泡性が少ないか無いという特性を持つ。従って、これを含む水性インク組成物は表面張力及びヘッドノズル面等のインクと接触するプリンタ部材との界面張力が適正に保たれ、これをインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。また、水性インク組成物の記録媒体への浸透性も良好であるため、より高精細な画像が得られやすい特性を持つ。さらに、自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいアセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
これらアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤の顔料分散液への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いた水性インク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(B)シロキサン系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてシロキサン系界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいシロキサン系界面活性剤の具体例としては、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−303、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378(以上全て商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−96、KS−604、KF−6702、FA−630、KM−71、KM−75、KM−85、KM−89、KM−90、KM−98、KM−68−1F、KS−508、KS−530、KS−531、KS−537、KS−538、KF−6004、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上全て商品名、信越化学工業株式会社製)、SH200、FS1265、DK Q1−071、FS アンチフォーム92、DK Q1−1247、FS アンチフォーム1277、FS アンチフォーム013A、74 ANTIFOAM FLUID、71 ANTIFOAM FLUID、82 ANTIFOAM FLUID、1247 ANTIFOAM EMULSION、1266 ANTIFOAM EMULSION、1287 ANTIFOAM FLUID、SH5561、SM5512、19 ADDITIVE、29 ADDITIVE、32 ADDITIVE、52 ADDITIVE、54 ADDITIVE、57 ADDITIVE、67 ADDITIVE、8028 ADDITIVE、8029 ADDITIVE、8211 ADDITIVE、8503 ADDITIVE、8598 ADDITIVE、FZ−77、FZ−720、FZ−7001、FZ−7002、FZ−7006、FZ−7604、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2164、FZ−2166、FZ−2191、SF8410、SH8400、SH8700、SH3746、SH3771、SM8706EX、SM7036EX、SM7060EX、SH7024、BY22−737EX、FZ−460、FZ−4157、SM7037EX、SM490EX、BY22−744EX、FZ−4658、FZ−4640、FZ−4634、SM8709、SM8716EX、FZ−4602、BY22−840、SM7001EX、SM7002EX、SM8627EX、DY33−430M、BY22−882、BY22−736EX、BY22−749、BY22−826EX(以上全て商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
これらシロキサン系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いた水性インク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(C)フッ素系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてフッ素系界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいフッ素系界面活性剤の具体例としては、メガファックF−114、F−410、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−489、F−172D、F−178K、F−178RM、ESM−1、MCF−350SF、R−08、F−472SF、R−30、BL−20、R−61、R−90(以上全て商品名、DIC製)、FC−430、FC−4432(以上全て商品名、住友スリーエム製)、エフトップEF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−201、EF−204(以上全て商品名、株式会社ジェムコ製)、サーフロンS−111n、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(以上全て商品名、AGCセイケミカル株式会社製)、フタージェント100、100C、110、150、150CH、A−K、501、250、251、222F、208G(以上全て商品名、株式会社ネオス製)等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(D)ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノヤシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレントリミリスチン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンジステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。また、これらの範疇に当てはまる市販品をそのまま使用してもよい。
これらポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(E)アニオン系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアニオン系界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいアニオン系界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキレンジスルホン酸塩、ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム塩、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリアクリル酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、オレイン酸ナトリウム塩、オレイン酸カリウム塩、高級アルコール硫酸ナトリウム塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸カリウム塩、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム塩、半硬化牛脂脂肪酸カリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム塩等が挙げられる。また、これらの範疇に当てはまる市販品をそのまま使用してもよい。
これらアニオン系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(F)樹脂溶剤
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとして樹脂溶剤を含んでなることが好ましい。この樹脂溶剤は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましい樹脂溶剤の具体例としては、1−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、アリルアルコール、プロパギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール等のアルコール類、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチラール、アセタール、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、プロピレンオキシド、フラン、2−メチルフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、2−へプタノン、4−へプタノン、2,6−ジメチル−4−へプタノン、メシチルオキシド、ホロン、イソホロン等のケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、3−メトキシブチルアセタート、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、リン酸トリエチル、アセトニトリル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、蟻酸n−プロピル、蟻酸n−ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸n−アミル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル、アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、炭酸ジエチル、2−ブトキシエチルアセタート等のエステル類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ε−カプロラクタム、モルホリン、N−メチルモルホリン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン等の含窒素化合物類、スルホラン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン等の含硫黄化合物類が挙げられる。
これら樹脂溶剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(G)グリセリンエーテル化合物
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとして下記一般式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物を含んでなることが好ましい。
Figure 2010222417
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
このグリセリンエーテル化合物は自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
本発明において好ましいグリセリンエーテル化合物としては、上記式の構造を持つものであればどのようなものでも用いることができるが、その中でも特に、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール、モノオレイン、1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれていることが好ましい。この群から選ばれる化合物は、他のグリセリンエーテル化合物と比較して上述した特性に優れているため、本発明における顔料分散液及び水性インク組成物に特に好適に用いることができる。
これらグリセリンエーテル化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(H)アミド化合物
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアミド化合物を含んでなることが好ましい。このアミド化合物は鎖状もしくは環状の化合物であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
鎖状もしくは環状アミド化合物としては、ラクトアミド、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸プロピル、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオンアミド、ニコチンアミド、6−アミノニコチンアミド、N,N−ジエチルニコチンアミド、N−エチルニコチンアミド、N−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ヘプトラクタム、ピログルタミン酸、N−メチル−ε−カプロラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。
これらアミド化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(I)イミダゾール誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてイミダゾール誘導体を含んでなることが好ましい。このイミダゾール誘導体はイミダゾール環に水酸基やカルボキシル基やアルキル基等が結合した水溶性化合物であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなイミダゾール誘導体として具体的には、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシイミダゾール、4−ヒドロキシイミダゾール、5−ヒドロキシイミダゾール、ピリミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、ヒスタミン、ヒスチジン、イミダゾール酢酸、4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールアクリル酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、ピロカルピン等が挙げられる。
これらイミダゾール誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(J)アジン化合物
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアジン化合物を含んでなることが好ましい。このアジン化合物は窒素原子、酸素原子、硫黄原子のいずれかを二つ以上含みかつそのうちの一つ以上は窒素原子である六員環を有する化合物の総称であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなアジン化合物として具体的には、ピラジン、ピラジンアミド、ヘキサヒドロピラジン、3−エチル−2,6−ジメチルピラジン、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジンカルボニトリル、2,3−ピラジンジカルボニトリル、2,3−ピラジンカルボキシアミド、2,3−ピラジン無水二カルボン酸、ピラジンエタンチオール、トリアジン、シアヌル酸、シアヌル酸メチル、メラミン、トリチオシアヌル酸、ピリダジン、4−ピリダジンカルボン酸、シトシン、シトシン−5−カルボン酸等が挙げられる。
これらアジン化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(K)アゾール化合物
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアゾール化合物を含んでなることが好ましい。このアゾール化合物は窒素原子、酸素原子、硫黄原子のいずれかを二つ以上含みかつそのうちの一つ以上は窒素原子である複素五員環を有する化合物の総称であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなアゾール化合物として具体的には、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、ピラゾール、テトラゾール、オキサゾール、N1−(4,5−ジメチル−2−オキサゾリル)スルファニルアミド、チアゾール、2−アミノチアゾール、2−チアゾールカルボキシアルデヒド、5−チアゾールメタノール、1,2,3−チアジアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール−2−カルバミン酸、(2−ベンゾイミダゾリル)アセトニトリル、5−ベンゾイミダゾールカルボン酸、2−ベンゾイミダゾールエタノール、2−ベンゾイミダゾールプロピオン酸、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。
これらアゾール化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(L)アミジン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてアミジン誘導体を含んでなることが好ましい。このアミジン誘導体はカルボン酸のカルボニル基の=Oの部分が=NHで、−OHの部分が−NHでそれぞれ置換された構造を持つ化合物の総称であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなアミジン誘導体として具体的には、グアニジン、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、ニトログアニジン、スルファグアニジン、グアニジノ酢酸、グアニチジン、アミノグアニジン、カナバニン、アルギニノコハク酸、アルギニン、ビグアニド等が挙げられる。
これらアミジン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(M)ヒドロキシピリジン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてヒドロキシピリジン誘導体を含んでなることが好ましい。このヒドロキシピリジン誘導体は、ピリジン環に水酸基が直接あるいはメチレン鎖を介して結合した水溶性化合物であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなヒドロキシピリジン誘導体として具体的には、2−ピリジノール、3−ピリジノール、4−ピリジノール、3−メチル−2−ピリジノール、4−メチル−2−ピリジノール、6−メチル−2−ピリジノール、2−ピリジンメタノール、3−ピリジンメタノール、4−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、3−ピリジンエタノール、4−ピリジンエタノール、2−ピリジンプロパノール、3−ピリジンプロパノール、4−ピリジンプロパノール、α−メチル−2−ピリジンメタノール、2,3−ピリジンジオール等が挙げられる。
これらヒドロキシピリジン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(N)プリン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてプリン誘導体を含んでなることが好ましい。このプリン誘導体は、ピリミジン環とイミダゾール環が縮合した二環性複素環を骨格に持つ化合物の総称であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなプリン誘導体として具体的には、プリン、プリンリボシド、2−アミノ−6−メルカプトプリン、6−(メチルチオ)プリンリボシド、6−ベンジルアミノプリン、キサントシン、グアニン、2’−デオキシグアノシン、グアノシン、O−メチルグアニン、メチルグアニン、カフェイン、キサンチン、テオフィリン、テオブロミン、アデニン、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、N−ベンジル−9−(2−テトラヒドロピラニル)アデニン、アデノシン三リン酸等が挙げられる。
これらプリン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(O)ヒドロキシ環状アミン化合物
本発明の顔料分散液は、上述した自己分散型顔料とともに、湿潤剤の一つとしてヒドロキシ環状アミン化合物を含んでなることが好ましい。このヒドロキシ環状アミン化合物は、環状アミンに水酸基が直接、あるいはメチレン鎖を介して結合した水溶性化合物であり、これは自己分散型顔料への親和性に優れるため、後述する加熱処理を経ることでより自己分散型顔料の分散安定性が向上する。またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上するため、このインクをインクジェット記録方法に適用した場合吐出安定性に優れ好ましい。
このようなヒドロキシ環状アミン化合物として具体的には、4−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン、2−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン、N−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロール、ピロリノール、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、3−オキシピラゾール、5−オキシピラゾール等が好ましく、これらを単独、あるいは複数混合して用いることができる。
これらヒドロキシ環状アミン化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の顔料分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、自己分散型顔料粒子同士の静電反発力を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(水)
水は、本発明の顔料分散液及びこれを用いた水性インク組成物の中心となる媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いた水性インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
(その他の添加剤等)
本発明の顔料分散液の構成材料において、上述した自己分散型顔料、湿潤剤、水の他に、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤は、顔料分散液の表面張力・界面張力、粘度等を適正な範囲に調整できるものから選ばれる。
そのような作用を持つ水溶性有機溶剤としては、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類が挙げられ、これらからなる群から一種類以上選択されていることがより好ましい。
一価アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンタノール等の水可溶性のものが挙げられる。これら一価アルコール類の添加量は顔料分散液全量に対して10質量%以下の範囲が好ましい。
多価アルコール類の例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これら多価アルコール類の添加量は顔料分散液全量に対して20質量%以下の範囲が好ましい。
糖類の例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類及びこれらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。これら糖類の添加量は顔料分散液全量に対して20質量%以下の範囲が好ましい。
グリコールエーテル類の例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられる。これらグリコールエーテル類の添加量は、顔料分散液に対して15質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
1,2−アルキルジオール類の例としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2−アルキルジオールが好ましい。この中で、炭素数6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールはより好ましい。これら1,2−アルキルジオールの添加量は、顔料分散液全量に対して5質量%以下の範囲が好ましい。
上記の水溶性有機溶剤の他に、必要に応じて加える添加物としては、酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、中和剤等が挙げられる。酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレット等のビウレット類等、L−アスコルビン酸及びその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024等、あるいはランタニドの酸化物等が用いられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等の中から選ぶことができ、また市販品としてプロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等を用いることもできる。これら酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等は、顔料分散液全量に対して1質量%以下の範囲が好ましい。
中和剤は自己分散型顔料表面に存在する親水性分散性付与基を解離する為に必要に応じて添加するものであり、本発明に好適な中和剤として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア等の無機アミン類、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の有機アミン等が挙げられる。これら中和剤の添加量は、得られる顔料分散液の25℃におけるpHが6〜12の範囲に、好ましくは7〜10の範囲になるように適宜添加される。
(自己分散型顔料の分散方法)
本発明の顔料分散液を作成する際には、まず自己分散型顔料を水系媒体中に分散させてなる水系分散液を作成することが必要である。その水系分散液は、以上述べた自己分散型顔料と水を必須とし、必要に応じて本発明による湿潤剤と水溶性有機溶剤と中和剤等を用いて作成することができる。以下に水系分散液を作成する方法について説明する。
まずイオン交換水、蒸留水等に、自己分散型顔料を加え、さらに必要に応じて本発明による湿潤剤や水溶性有機溶剤や中和剤等を加えて、最終的に顔料添加量が0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%程度の濃度になるようにした上で分散処理を行なう。分散処理の際に使用できる装置としてはスターラー、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、スピードラインミル、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー等を挙げることができる。
ここでこの分散処理時に本発明による湿潤剤を共存させた場合、湿潤剤の効果で自己分散型顔料粒子が水媒体に馴染みやすく(湿潤しやすく)なり、かつ水系媒体中の顔料粒子同士の接触抵抗を大きくして分散効率を上げる効果が高くなる。このようにすると、分散処理における装置のせん断条件を緩やかにでき(すなわち装置による顔料分散液に与えるせん断応力を低くできる)、また分散処理に要する時間を短縮でき、分散液中への多価金属イオン等の不純物の混入を極力減らすことができるため好ましい。これら不純物が多くなると自己分散型顔料粒子間に働く静電反発力が弱まってしまい、顔料分散液及びこれを含む水性インク組成物の保存安定性が劣化する傾向にある。
(顔料分散液の加熱処理)
以上述べた自己分散型顔料、湿潤剤、水を用いて、必要に応じて水溶性有機溶剤や中和剤等を用いて、最終的に本発明による顔料分散液とするには、加熱処理が必要となる。この加熱処理を行なうことにより、これを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する。さらに、顔料分散液の分散安定性・保存安定性が向上し、かつこれを用いた水性インク組成物の分散安定性・保存安定性も同様に向上するという効果もある。
この加熱処理は、前述したように自己分散型顔料を含む水系分散液を予め調製し、前述の湿潤剤を所定量添加した後に行なってもよいし、または自己分散型顔料を水系媒体中に微粒子化する分散処理工程中に前述の湿潤剤を所定量添加した後に組み入れてもよい。
本発明の加熱処理における加熱温度は、好ましくは65℃〜100℃の範囲で、より好ましくは70℃〜90℃の範囲である。また加熱処理時間は、好ましくは30分〜100時間の範囲で、より好ましくは1時間〜50時間の範囲である。加熱温度及び加熱処理時間が上記の範囲であることにより、顔料分散液全体が効率的・有効的に加熱処理される。加熱温度が65℃より低い場合、及び加熱処理時間が30分より短い場合、加熱処理が有効的に行なわれない場合がある。逆に加熱温度が100℃より高い場合、または加熱処理時間が100時間より長い場合、顔料分散液中の自己分散型顔料同士の静電反発力が弱まり、反対に分散不安定化させてしまう場合がある。
本発明の加熱処理における形態としては、湿潤剤を含む顔料分散液を容器等に密封して容器ごと加熱する形態、撹拌機・還流冷却装置を備えた容器等に湿潤剤を含む顔料分散液を入れ撹拌しながら加熱する形態、ガラス・金属等の中空細管中に湿潤剤を含む顔料分散液を流動させその細管を加熱することで行なう形態等、種々の形態で行なうことができる。
本発明の顔料分散液は、以上述べた材料及び方法により調製することができ、これで得られる顔料分散液を用いた水性インク組成物は吐出安定性に優れる。その理由については未だ明確になっていないが、以下のように推定される。
インクジェット記録方法では、微小なノズル孔からインクを加圧あるいは加熱による発泡圧力で押し出すこと等により小滴を形成させて、インクを飛翔(吐出)させる。このインク小滴を吐出させる際には、インク小滴がヘッドノズル面及びインク母体からきれいに液滴状態になって離れることが必要となる。特に高速印刷する場合には、この押し出し−小滴形成−飛翔の繰り返し周期がより速く(つまり駆動周波数がより高くなる)なるため、この特性(吐出安定性)を向上させることがより重要となっている。この吐出安定性に大きく影響するものとしては、顔料インクの分散安定性・保存安定性、表面張力・界面張力(特には顔料インクとヘッドノズル面との界面張力)等の特性が挙げられ、これら特性が適正な範囲に入ることが重要である。上述したように、顔料インクでは、水に不溶あるいは難溶である顔料を水主体の水性媒体中に分散させてなる。もともと水に馴染みにくい顔料を水中に安定して分散させるためには、顔料粒子表面を水に馴染みやすくなるように、かつ顔料粒子同士が相互作用を生じて凝集等しないように、処理を行なうことが必要である。その方法の一つとして加熱処理が有効である旨が、従来技術の特開2000−345093号公報に示唆されている。しかし、本発明者がこの従来技術に記載されている材料・方法で検討したところ、分散安定性・保存安定性については若干の効果は認められたものの、吐出安定性においては不充分な場合があること、その理由としては使用している分散剤(アルカリ可溶型樹脂分散剤)を用いて顔料分散液を調製する方法が起因していることを発見した。特開2000−345093号公報では、酸価90以下のアルカリ可溶型樹脂分散剤と顔料とから少なくともなる顔料分散液を用いている。そして分散液の調製方法として、まず顔料を界面活性剤と共に水中で微粒子化して、そこへ中和剤(アルカリ剤)で完全中和して水溶化させた樹脂分散剤水溶液を加えて撹拌混合した後に加熱処理を行なう旨が記載されている。この調製方法では、顔料粒子に吸着せずに分散液中に溶解している樹脂分散剤が少なからず存在していることを、本発明者がこの調製方法を詳細に検討して見出した。この場合、これを用いたインク組成物の中にも溶解している樹脂分散剤が存在する。その結果、インク中に溶解している樹脂分散剤がプリンタ内部のインク流路中の部材、特にヘッドノズル面に吸着してインク−ヘッドノズル面間の界面張力を下げてしまい、インク小滴がきれいに離れない場合が発生することを、本発明者は見出した。そこで、そのようにならない顔料分散液を鋭意検討した結果、本発明のように、少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料を用いればよいこと、さらにこれと上述した特定量の湿潤剤とを共存させた上で加熱処理することにより吐出安定性効果が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明における、自己分散型顔料と湿潤剤からなる分散液を加熱処理することで、これを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する理由は未だ明らかではないが、以下のように推定される。
本発明に好適な湿潤剤は、その分子構造として疎水性部分と親水性部分とがバランスよく配置されている。その疎水性部分は自己分散型顔料表面に対して親和性が高いため、この部分が自己分散型顔料粒子表面に吸着して親水性部分を外(水系媒体方向)に向けた、いわゆる界面活性剤によるミセル構造に類似した形態となることが考えられる。この構造をとることで自己分散型顔料の水中での分散安定性が増すことが考えられ、加熱処理を施すことでその構造が強固となってさらにその分散安定性が向上し、ひいてはそれが吐出安定性向上に寄与していることが考えられる。また本発明に好適な湿潤剤は、インクジェット記録方法に用いるインク組成物の表面張力・界面張力を適正な範囲にする特性に優れている。このため、自己分散型顔料表面への湿潤剤の吸着状態が加熱処理によってより強固になることでその特性が格段に向上して、より自己分散型顔料粒子同士の相互作用が少なくなって凝集しにくくなることが考えられる。その結果インク組成物としての流動性が向上して、吐出安定性が向上するのではないかと推定している。
〔水性インク組成物〕
本発明の水性インク組成物は、上述した材料・方法にて調製された顔料分散液を含んでなる。このことにより、高駆動周波数において連続的に吐出させてもその飛翔安定性、すなわち吐出安定性に優れ、高精細・高速なインクジェット記録方法に好適なインクとなるが、さらにその特性を向上すること、インク組成物の乾燥性を向上すること、ヘッドノズルの目詰まりを防止すること等の目的で、種々の添加剤をさらに含むことが好ましい。
(浸透剤)
本発明による水性インク組成物は、浸透剤をさらに含んでなることが好ましい。浸透剤は、記録媒体へのインク浸透性を速めるための添加剤であり、所望のインク乾燥時間により適宜選択される。
浸透剤の一例としては、水性インク組成物の表面張力を適正な範囲にする作用を持つものとして、本発明の顔料分散液に用いることのできる水溶性有機溶剤として上述したグリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類、一価アルコール類から選択することが好ましい。これら浸透剤は、水性インク組成物全量に対して15質量%以下の範囲となるように添加されることが好ましい。
(保湿剤)
本発明による水性インク組成物は、さらに保湿剤を含んでなることが好ましい。保湿剤は水性インク組成物の乾燥を抑制するために添加するものであり、プリンタヘッドノズル先端の乾燥による水分蒸発を抑制して、水性インク組成物の凝集・固化を防止する作用を持つものである。
保湿剤は、水溶性で吸湿性の高い材料から選ばれるが、好ましくは本発明の顔料分散液に用いることのできる水溶性有機溶剤として上述した多価アルコール類、糖類が挙げられる。またその他に、2−ピロリドン等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等を用いることができる。さらに、上述の材料の能力を補助する目的で、水溶性の固体保湿剤を併用、添加することも可能である。詳しくは、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素誘導体等が挙げられる。これら保湿剤の添加量は、単独あるいは複数混合して、水性インク組成物全量に対して40質量%以下となるように添加されることが好ましい。これらの保湿剤は、他のインク添加剤と合わせてインク粘度が25℃で25cPs以下になる添加量で加えることができる。
(水不溶性ポリマー、ポリマーエマルジョン)
また、本発明の水性インク組成物は、水不溶性ポリマーを含んでなることが好ましい。この水不溶性ポリマーは、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとのブロック共重合体樹脂からなり、少なくとも塩生成基を持つモノマーを含有しているもので、中和後に25℃の水100gに対する溶解度が1g未満であるものをいう。
疎水性基を持つモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー類等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。
親水性基を持つモノマーとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコールモノメタクリレート等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。特に、ポリエチレングリコール(2〜30)モノメタクリレート、(ポリ)エチレングリコール(1〜15)・(ポリ)プロピレングリコール(1〜15)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(2〜30)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体)(1〜30)メタクリレート等の分岐鎖を構成するモノマー成分を用いると、印刷画像の光沢性が向上する傾向にあるため好ましい。
塩生成基を持つモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。
さらに、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、シリコーン系マクロモノマー等のマクロモノマーやその他のモノマーを併用することができる。
本発明の水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマーを共重合させることによって得られるが、特に溶液重合法が好ましく、重合の際には公知のラジカル重合開始剤や重合連鎖移動剤を添加してもよい。
本発明の水性インク組成物に用いることができる水不溶性ポリマーは、これを用いた水性インク組成物の粘度をインクジェット記録方法にて安定的に吐出できる範囲に合わせやすい点で、重量平均分子量が10,000〜150,000程度の範囲のものが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分析方法により測定できる。
以上述べた水不溶性ポリマーは、水に分散させた分散体として水性インク組成物に添加されてなることが好ましい。この水不溶性ポリマーからなる分散体をさらに含むことにより、記録物の耐擦性向上効果・光沢性向上効果・ブロンズ改善効果がより顕著となる。水不溶性ポリマーの分散体を調製する方法としては、上記に示したモノマーより合成された水不溶性ポリマーを有機溶剤に溶解して溶液とし、ここへ中和剤及び水を添加して分散処理を行なって水中油滴型の分散体を作成し、得られた分散体分散液から有機溶剤を除去することによって、水分散体分散液(以下、これを「ポリマーエマルジョン」と記載する)として得ることができる。ここで用いる中和剤は、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンのような揮発性アミン化合物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の揮発しにくい高沸点のアミン等の有機アミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア等が好ましく、得られるポリマーエマルジョンの25℃におけるpHが6〜10の範囲であることが好ましい。また、このポリマーエマルジョンにおける水不溶性ポリマーの分散体の平均粒子径は、体積平均粒子径として20nm〜200nmの範囲にあることが、分散安定性や記録物の耐擦性向上・光沢性向上・ブロンズ改善向上の観点から好ましい。
以上述べたポリマーエマルジョンは、種々の特性を満足するように合成して用いてもよいし、市販品を使用してもよい。市販品として具体的には、モビニール701、モビニール743、モビニール745、モビニール940、モビニール1930、モビニール664、モビニールDM5、モビニール700、モビニール792、モビニールDM772、モビニール865、モビニール870、モビニール928、モビニール1750T、モビニール1751、モビニール1760、モビニールLDM6316、モビニール7200、モビニール727、モビニール752、モビニール837、モビニール860、モビニール864、モビニール864M、モビニールDM60、モビニールDM765、モビニール937、モビニール1906、モビニールLDM6300、モビニール742N、モビニール749E、モビニール752、モビニール916、モビニール1700A、モビニール7210、モビニール747、モビニール6520、モビニール7502、モビニールLDM7010、モビニールVDM7410、モビニールDM772、モビニールDM774、モビニール947、モビニールLDM6481、モビニールLDM6880、モビニールDM758、モビニールDM765、モビニール650、モビニール760H、モビニール761HG、モビニール763、モビニール412、モビニール490、モビニールS−71、モビニール987、モビニール1410、モビニール630、モビニール620、モビニール730L、モビニール735、モビニール767、モビニール790、モビニール9000、モビニール880、モビニールDM60、モビニール8020、モビニール8030、モビニール8055、モビニール8201、モビニール787、モビニール710、モビニール718、モビニール776、モビニール952、モビニール963A、モビニールDM772、モビニール975A、モビニール3200、アプレタン760H、アプレタン2200、アプレタン2000、アプレタン3510、アプレタン3410(以上全て商品名、クラリアントジャパン株式会社製)、PCLシリーズ0619、PCLシリーズ0623A、PCLシリーズ0640、PCLシリーズ0693、PCLシリーズ0695、PCLシリーズ0696、PCLシリーズ0850、PCLシリーズ0890、SBシリーズ0561、SBシリーズ0589、SBシリーズ0602、SBシリーズ2108、SBシリーズ0533、SBシリーズ0545、SBシリーズ0548、SBシリーズ0568、SBシリーズ0569、SBシリーズ0573、SBシリーズ0597C、AEシリーズAE116、AEシリーズAE119、AEシリーズAE120、AEシリーズAE121、AEシリーズAE125、AEシリーズAE134、AEシリーズAE137、AEシリーズAE140、AEシリーズAE173、AEシリーズAE200、AEシリーズAE311、AEシリーズAE318、AEシリーズAE337、AEシリーズ343、AEシリーズ362、AEシリーズAE373B、AEシリーズAE379A、AEシリーズAE513A、AEシリーズAE517、AEシリーズAE604、AEシリーズAE610C、AEシリーズAE815、AEシリーズAE945、AEシリーズAE950、AEシリーズAE986A(以上全て商品名、JSR株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル1674、ジョンクリル711、ジョンクリル1695、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、PDX−7111B、HRC−1645、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537、ジョンクリル1535、PDX−7630A、ジョンクリル352、ジョンクリル352D、PDX−7145、ジョンクリル538J(以上全て商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
(その他添加剤等)
上記の他に、必要に応じて加える添加物としては、本発明の顔料分散液に用いることのできる添加剤として上述した酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、中和剤等を用いることができる。また、さらに界面活性剤等を添加することもできる。界面活性剤は、記録媒体へのインク浸透性をさらに速めるための添加剤であり、本発明の顔料分散液に用いる上述の湿潤剤として挙げたうちの界面活性剤類が好適に用いられる。
(水性インク組成物の物性値等)
本発明の水性インク組成物は、保存安定性(粒径変化、粘度変化等)・分散安定性を確保する観点、及びインクジェット記録装置において水性インク組成物の流路に用いられている場合のある金属部品の腐食防止の観点から、pHは中性またはアルカリ性に調整されていることが望ましい。より望ましくは、25℃における水性インク組成物のpHが7.0〜10.0の範囲である。この範囲を逸脱すると、保存安定性・分散安定性及び腐食の点で不具合が発生しやすい。
また、本発明の水性インク組成物は、インクジェット記録装置において吐出安定性を確保する観点から、粘度は25℃において25cPs以下が好ましい。より好ましくは15cPs以下である。
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクジェット記録方法は、上述の水性インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方式であればいかなる方法も使用することができる。その幾つかを説明すると、第一に静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式がある。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
また、本発明の記録物は、上記した水性インク組成物をインクジェット記録方法にて印刷して得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。なお、以下に示す「部」は、特に断りの無い限り「質量部」を意味する。
〔顔料分散液の調製〕
(実施例A1)顔料分散液A−1
着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部をスルホラン;250部中に混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイガージャパン社製)で、ビーズ充填率:70%及び回転数:5,000rpmの条件下で1時間整粒分散した。得られた顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら、120℃に加熱して、系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、150℃に温度制御した。次いで、三酸化硫黄25部を加えて6時間反応させ、反応終了後、過剰なスルホランで数回洗浄した後に水中に注ぎ濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した、自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール465(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A2)顔料分散液A−2
着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー128;20部をキノリン;500部とを混合し、アイガーモ−ターミルM250型(商品名、アイガージャパン社製)でビーズ充填率:70%及び回転数:5,000rpmの条件下で2時間整粒分散した。得られた顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱し、系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで反応剤としてスルホン化ピリジン錯体;20部を加えて4時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄してから水中に注ぎ、濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるサーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A3)顔料分散液A−3
着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;20部をキノリン;500部と混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイガージャパン社製)でビーズ充填率:70%及び回転数:5,000rpmの条件下で2時間整粒分散した。得られた顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで、反応剤としてスルホン化ピリジン錯体;20部を加えて4時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄してから水中に注ぎ、濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル株式会社製);5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A4)顔料分散液A−4
着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;15部をキノリン;450部と混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイガージャパン社製)でビーズ充填率:70%及び回転数5,000rpmの条件下で2時間整粒分散した。得られた顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで、スルホン化ピリジン錯体;20部を加えて8時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄した後水中に注ぎ、濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるオルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製);2部とサーフィノール104PG−50(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A5)顔料分散液A−5
着色剤としてカーボンブラックであるスペシャルブラック4(商品名、デグサ社製);25部をスルホラン;250部中に混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイガージャパン社製)で、ビーズ充填率:70%及び回転数:5,000rpmの条件下で1時間整粒分散した。得られた顔料ペーストと溶剤との混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、150℃に温度制御した。次いで三酸化硫黄;25部を加えて6時間反応させ、反応終了後過剰なスルホランで数回洗浄した後に水中に注ぎ、濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内にイオン交換水;400部、p−アミノ安息香酸エチル;5部、濃硝酸;3部を入れ、攪拌しながら5℃に保持した。ここへ上記の自己分散型カーボンブラック顔料を全量入れ、攪拌しながら水;50部、亜硝酸ナトリウム;2部からなる水溶液をゆっくりと添加した後さらに10時間攪拌混合した。その後、得られた混合液の水洗と濾過を繰り返すことで、さらにフェニル基を介してカルボン酸エチル基を導入した自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
別の撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:5,000);40部、ジアザビシクロウンデセン;0.5部、エタノール;200部を入れ、よく攪拌混合した後、ここへ上記の自己分散型カーボンブラック顔料の全量をゆっくりと添加して攪拌混合した。この混合物のpHを10に調整して24時間攪拌還流した後、得られた混合物をエタノールによる洗浄、濾過を繰り返すことにより、最終的にスルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料を得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A6)顔料分散液A−6
着色剤として有機顔料である、予め粉砕処理により微粒子化したC.I.ピグメントバイオレット19;20部を、キノリン;500部とビーカー内で混合し、マグネティックスターラーで充分攪拌混合した。得られた顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら、120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで反応剤としてスルホン化ピリジン錯体;20部を加えて8時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄してから水中に注ぎ、濾過することでスルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料を得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール485(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A7)顔料分散液A−7
着色剤として有機顔料である、予め粉砕処理により微粒子化したC.I.ピグメントレッド177;25部を、キノリン;480部とビーカー内で混合し、マグネティックスターラーで充分攪拌混合した。得られた顔料ペーストと溶剤との混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いでスルホン化ピリジン錯体;20部を加えて8時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄した後に水中に注ぎ濾過することで、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型レッド顔料のスラリーを得た。
撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内にイオン交換水;450部、p−アミノ安息香酸エチル;5部、濃硝酸;3部を入れ、攪拌しながら5℃に保持した。ここへ上記の自己分散型レッド顔料を全量入れ、攪拌しながら水;50部、亜硝酸ナトリウム;2部からなる水溶液をゆっくりと添加した後さらに10時間攪拌混合した。その後、得られた混合液の水洗と濾過を繰り返すことで、さらにフェニル基を介してカルボン酸エチル基を導入した自己分散型レッド顔料のスラリーを得た。
別の撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:2,000);35部、ジアザビシクロウンデセン;0.4部、エタノール;200部を入れ、よく攪拌混合した後、ここへ上記の自己分散型カーボンブラック顔料の全量をゆっくりと添加して攪拌混合した。この混合物のpHを10に調整して24時間攪拌還流した後、得られた混合物をエタノールによる洗浄、濾過を繰り返すことにより、最終的にスルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料を得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール465(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A8)顔料分散液A−8
着色剤としてカーボンブラックであるFW18(商品名、デグサ社製);35部をイオン交換水;1,000部中に混合して、ボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム;400部を加え、90℃〜100℃に加熱しながら10時間攪拌し、反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、カルボン酸基を直接顔料表面に導入した自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるサーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A9)顔料分散液A−9
着色剤としてカーボンブラックであるFW200(商品名、デグサ社製);20部をイオン交換水;200部中に混合して、ボールミルにて粉砕した。この粉砕原液にp−アミノベンゼンスルホン酸;7部と、硝酸;3部を加え、75℃に加熱しながら数時間攪拌し反応させた。ここへ20%亜硝酸ナトリウム水溶液を加え、さらに1時間攪拌し反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、フェニル基を介してカルボン酸基を導入した自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル株式会社製);5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A10)顔料分散液A−10
着色剤として有機顔料である、予め微粒子化処理したC.I.ピグメントグリーン;20部を、p−アミノベンゼンスルホン酸;5部と共に、撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れて混合し、70℃に加熱した。ここへ予めイオン交換水;80部に亜硝酸ナトリウム;2部を溶解させた水溶液;82部を急速に加えて、顔料スラリーとした。得られた顔料スラリーに塩化水素水溶液をpHが2となるまで加え、その後1時間攪拌混合して反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるオルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製);2部とサーフィノール104PG−50(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A11)顔料分散液A−11
着色剤として有機顔料である、予め微粒子化処理したC.I.ピグメントレッド149;50部を、p−アミノ安息香酸;6部と共に、撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れて混合した。この混合物に濃硝酸;1.5部、イオン交換水;200部を加えて攪拌混合し、5℃に保持した。ここへさらに予めイオン交換水;50部に亜硝酸ナトリウム;1.2部を溶解させた水溶液;51.2部を、ゆっくりと添加しながら攪拌混合した。水溶液を全て添加し終わった後、混合物を70℃に加熱しながら8時間攪拌混合して反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、顔料スラリーを得た。この顔料スラリー全量に、さらにp−アミノ安息香酸エチル;6部、濃硝酸;1.5部、亜硝酸ナトリウム;1.2部、イオン交換水;200部を加えて、混合物を70℃に加熱しながら8時間攪拌混合して反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、顔料表面にフェニル基を介してカルボン酸基及びカルボン酸エチル基を導入した自己分散型レッド顔料のスラリーを得た。
撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:2,000);40部、ジアザビシクロウンデセン;0.3部、エタノール;100部を入れ、よく攪拌混合した後、ここへ上記の自己分散型レッド顔料の全量をゆっくりと添加して攪拌混合した。この混合物のpHを10に調整して24時間攪拌還流した後、得られた混合物をエタノールによる洗浄、濾過を繰り返すことにより、最終的にフェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料を得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例A12)顔料分散液A−12
着色剤として有機顔料である、予め微粒子化処理したC.I.ピグメントオレンジ36;20部を、p−アミノ−N−エチルピリジニウムブロマイド;62部とイオン交換水;150部と共に、撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れて攪拌混合し、ここへ硝酸;32部を滴下し、滴下し終わってから75℃に加熱して5分間攪拌して反応させた。その後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて、さらに2時間攪拌して反応させた。反応終了後の混合物の水洗・濾過を数回繰り返すことにより、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料のスラリーを得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール485(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液A−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例A1)顔料分散液A−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例A1)顔料分散液A−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液A−13を作成した。
(比較例A2)顔料分散液A−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるサーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)を加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例A2)顔料分散液A−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液A−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例A3)顔料分散液A−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例A3)顔料分散液A−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液A−15を作成した。
(参考例A4)顔料分散液A−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例A4)顔料分散液A−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液A−16を作成した。
(参考例A5)顔料分散液A−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例A5)顔料分散液A−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液A−17を作成した。
(参考例A6)顔料分散液A−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例A6)顔料分散液A−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液A−18を得た。
(比較例A7)顔料分散液A−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるサーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)を0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例A8)顔料分散液A−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液A−19を作成した。
(比較例A8)顔料分散液A−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル株式会社製)を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例A9)顔料分散液A−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液A−20を作成した。
(比較例A9)顔料分散液A−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアセチルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液A−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Aの作成〕
(水不溶性ポリマーの合成)
撹拌機、還流冷却装置、窒素ガス導入管、滴下漏斗を備えた四つ口フラスコを用意し、四つ口フラスコ中に有機溶剤であるメチルエチルケトンを20部、重合連鎖移動剤である2−メルカプトエタノールを0.03部、下記の表1に示した各モノマーの混合物100部を入れ、窒素ガスで置換して液温を80℃に調整し、四つ口フラスコ中の溶液混合物を撹拌しながら、予め滴下漏斗に入れた重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部をメチルエチルケトン40部に溶解した溶液を徐々に滴下して加えた。そのまま液温を80℃に保持しつつ、撹拌混合しながら10時間重合させて、水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4の溶液を得た。得られた水不溶性ポリマー溶液を減圧乾燥して、本実施例における水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4の乾燥固化物を得た。本実施例にて得た水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4のモノマー構成は表1に示す通りである。なお、表中の数値は質量%を示す。
Figure 2010222417
(ポリマーエマルジョンの調製)
本発明におけるポリマーエマルジョンの調製は、前記(水不溶性ポリマーの合成)にて得られる水不溶性ポリマーを用いて行なうことができる(以下、水性インク組成物B〜Oでも使用した)。
(1)ポリマーエマルジョン1
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン1を作成した。
(2)ポリマーエマルジョン2
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー2の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン2を作成した。
(3)ポリマーエマルジョン3
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー3の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン3を作成した。
(4)ポリマーエマルジョン4
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー4の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン4を作成した。
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Aに示す組成にて、実施例A13〜A24、比較例A10、A11、A16〜A18、及び参考例A12〜A15の水性インク組成物Aを作成した。各水性インク組成物は、表2Aに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2A中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例B1)顔料分散液B−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるBYK−347(商品名、ビックケミー株式会社製);1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B2)顔料分散液B−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製);0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B3)顔料分散液B−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製);5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B4)顔料分散液B−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−351A(商品名、信越化学工業株式会社製);1部とKF−643(商品名、信越化学工業株式会社製);2部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B5)顔料分散液B−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−7002(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製);0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B6)顔料分散液B−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−354L(商品名、信越化学工業株式会社製);10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B7)顔料分散液B−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるBYK−347(商品名、ビックケミー株式会社製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B8)顔料分散液B−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製);0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B9)顔料分散液B−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製);5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B10)顔料分散液B−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−351A(商品名、信越化学工業株式会社製);1部とKF−643(商品名、信越化学工業株式会社製);2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B11)顔料分散液B−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−7002(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製);0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例B12)顔料分散液B−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の得られた自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−354L(商品名、信越化学工業株式会社製);10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液B−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例B1)顔料分散液B−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例B1)顔料分散液B−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液B−13を作成した。
(比較例B2)顔料分散液B−14
分散液の組成において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製)を加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例B2)顔料分散液B−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液B−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例B3)顔料分散液B−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例B3)顔料分散液B−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液B−15を作成した。
(参考例B4)顔料分散液B−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例B4)顔料分散液B−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液B−16を作成した。
(参考例B5)顔料分散液B−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例B5)顔料分散液B−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液B−17を作成した。
(参考例B6)顔料分散液B−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例B6)顔料分散液B−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液B−18を得た。
(比較例B7)顔料分散液B−19
分散液の組成において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製)を0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例B8)顔料分散液B−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液B−19を作成した。
(比較例B8)顔料分散液B−20
分散液の組成において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製)を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例B9)顔料分散液B−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液B−20を作成した。
(比較例B9)顔料分散液B−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、シロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液B−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Bの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Bに示す組成にて、実施例B13〜B24、比較例B10、B11、B16〜B18、及び参考例B12〜B15の水性インク組成物Bを作成した。各水性インク組成物は、表2Bに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2B中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例C1)顔料分散液C−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−105(商品名、株式会社ジェムコ製);1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C2)顔料分散液C−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C3)顔料分散液C−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−477(商品名、DIC株式会社製);5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C4)顔料分散液C−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェント150CH(商品名、株式会社ネオス製);1部とエフトップEF−122B(商品名、株式会社ジェムコ製);2部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C5)顔料分散液C−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C6)顔料分散液C−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122A(商品名、株式会社ジェムコ製);10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C7)顔料分散液C−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−105(商品名、株式会社ジェムコ製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C8)顔料分散液C−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C9)顔料分散液C−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−477(商品名、DIC株式会社製);5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C10)顔料分散液C−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェント150CH(商品名、株式会社ネオス製);1部とエフトップEF−122B(商品名、株式会社ジェムコ製);2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C11)顔料分散液C−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例C12)顔料分散液C−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122A(商品名、株式会社ジェムコ製);10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例C1)顔料分散液C−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例C1)顔料分散液C−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液C−13を作成した。
(比較例C2)顔料分散液C−14
分散液の組成において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製)を加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例C2)顔料分散液C−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液C−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例C3)顔料分散液C−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例C3)顔料分散液C−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液C−15を作成した。
(参考例C4)顔料分散液C−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例C4)顔料分散液C−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液C−16を作成した。
(参考例C5)顔料分散液C−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例C5)顔料分散液C−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液C−17を作成した。
(参考例C6)顔料分散液C−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例C6)顔料分散液C−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液C−18を得た。
(比較例C7)顔料分散液C−19
分散液の組成において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製)を0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例C8)顔料分散液C−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液C−19を作成した。
(比較例C8)顔料分散液C−20
分散液の組成において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−477(商品名、DIC株式会社製)を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例C9)顔料分散液C−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液C−20を作成した。
(比較例C9)顔料分散液C−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、フッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122B(商品名、株式会社ジェムコ製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液C−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Cの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Cに示す組成にて、実施例C13〜C24、比較例C10、C11、C16〜C18、および参考例C12〜C15の水性インク組成物Cを作成した。各水性インク組成物は、表2Cに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2C中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例D1)顔料分散液D−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール2308(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、日本乳化剤株式会社製);1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D2)顔料分散液D−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製);0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D3)顔料分散液D−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX DAPE−0207(商品名、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D4)顔料分散液D−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX OD−5(商品名、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);1部とレオドールTW−S120V(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、花王株式会社製);2部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D5)顔料分散液D−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX TPS−305(商品名、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、日本エマルジョン株式会社製);0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D6)顔料分散液D−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール747(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製);10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D7)顔料分散液D−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール2308(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、日本乳化剤株式会社製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D8)顔料分散液D−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製);0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D9)顔料分散液D−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX DAPE−0207(商品名、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D10)顔料分散液D−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX OD−5(商品名、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);1部とレオドールTW−S120V(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、花王株式会社製);2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D11)顔料分散液D−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX TPS−305(商品名、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、日本エマルジョン株式会社製);0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例D12)顔料分散液D−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール747(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製);10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液D−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例D1)顔料分散液D−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例D1)顔料分散液D−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液D−13を作成した。
(比較例D2)顔料分散液D−14
分散液の組成において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製)を加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例D2)顔料分散液D−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液D−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例D3)顔料分散液D−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例D3)顔料分散液D−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液D−15を作成した。
(参考例D4)顔料分散液D−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例D4)顔料分散液D−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液D−16を作成した。
(参考例D5)顔料分散液D−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例D5)顔料分散液D−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液D−17を作成した。
(参考例D6)顔料分散液D−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例D6)顔料分散液D−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液D−18を得た。
(比較例D7)顔料分散液D−19
分散液の組成において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製)を0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例D8)顔料分散液D−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液D−19を作成した。
(比較例D8)顔料分散液D−20
分散液の組成において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX DAPE−0207(商品名、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製)を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例D9)顔料分散液D−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液D−20を作成した。
(比較例D9)顔料分散液D−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアセチルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液D−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Dの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Dに示す組成にて、実施例D13〜D24、比較例D10、D11、D16〜D18、および参考例D12〜D15の水性インク組成物Dを作成した。各水性インク組成物は、表2Dに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2D中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例E1)顔料分散液E−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるディスロールSH(商品名、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、日本乳化剤株式会社製);1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E2)顔料分散液E−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール293(商品名、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、株式会社製);0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E3)顔料分散液E−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール707−SFC(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E4)顔料分散液E−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるネオペレックスG−65(商品名、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製);1部とアントックスEHD−PNA(商品名、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、日本乳化剤株式会社製);2部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E5)顔料分散液E−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール1525−SFC(商品名、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E6)顔料分散液E−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコールB13−SN(商品名、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E7)顔料分散液E−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるディスロールSH(商品名、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、日本乳化剤株式会社製);1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E8)顔料分散液E−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール293(商品名、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、株式会社製);0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E9)顔料分散液E−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール707−SFC(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E10)顔料分散液E−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるネオペレックスG−65(商品名、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製);1部とアントックスEHD−PNA(商品名、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、日本乳化剤株式会社製);2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E11)顔料分散液E−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール1525−SFC(商品名、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例E12)顔料分散液E−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコールB13−SN(商品名、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液E−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例E1)顔料分散液E−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例E1)顔料分散液E−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液E−13を作成した。
(比較例E2)顔料分散液E−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール293(商品名、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、株式会社製)を加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例E2)顔料分散液E−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液E−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例E3)顔料分散液E−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例E3)顔料分散液E−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液E−15を作成した。
(参考例E4)顔料分散液E−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例E4)顔料分散液E−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液E−16を作成した。
(参考例E5)顔料分散液E−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例E5)顔料分散液E−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液E−17を作成した。
(参考例E6)顔料分散液E−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例E6)顔料分散液E−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液E−18を得た。
(比較例E7)顔料分散液E−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール293(商品名、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、株式会社製)を0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例E8)顔料分散液E−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液E−19を作成した。
(比較例E8)顔料分散液E−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール707−SFC(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製)を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例E9)顔料分散液E−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液E−20を作成した。
(比較例E9)顔料分散液E−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アニオン系界面活性剤であるアントックスEHD−PNA(商品名、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、日本乳化剤株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液E−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Eの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Eに示す組成にて、実施例E13〜E24、比較例E10、E11、E16〜E18、及び参考例E12〜E15の水性インク組成物Eを作成した。各水性インク組成物は、表2Eに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2E中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例F1)顔料分散液F−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤として樹脂溶剤である酢酸エチル;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F2)顔料分散液F−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシド;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F3)顔料分散液F−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤として樹脂溶剤であるアセトニルアセトン;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F4)顔料分散液F−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤として樹脂溶剤であるスルホラン;2部と1−ニトロプロパン;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F5)顔料分散液F−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤として樹脂溶剤である2−エチルヘキシルアセタート;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F6)顔料分散液F−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤として樹脂溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミド;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F7)顔料分散液F−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤である酢酸エチル;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F8)顔料分散液F−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシド;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F9)顔料分散液F−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤であるアセトニルアセトン;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F10)顔料分散液F−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤であるスルホラン;2部と1−ニトロプロパン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F11)顔料分散液F−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤である2−エチルヘキシルアセタート;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例F12)顔料分散液F−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤として樹脂溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミド;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液F−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例F1)顔料分散液F−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例F1)顔料分散液F−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液F−13を作成した。
(比較例F2)顔料分散液F−14
分散液の組成において、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシドを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例F2)顔料分散液F−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液F−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例F3)顔料分散液F−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例F3)顔料分散液F−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液F−15を作成した。
(参考例F4)顔料分散液F−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例F4)顔料分散液F−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液F−16を作成した。
(参考例F5)顔料分散液F−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例F5)顔料分散液F−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液F−17を作成した。
(参考例F6)顔料分散液F−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例F6)顔料分散液F−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液F−18を得た。
(比較例F7)顔料分散液F−19
分散液の組成において、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシドを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例F8)顔料分散液F−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液F−19を作成した。
(比較例F8)顔料分散液F−20
分散液の組成において、湿潤剤として樹脂溶剤であるアセトニルアセトンを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例F9)顔料分散液F−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液F−20を作成した。
(比較例F9)顔料分散液F−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、樹脂溶剤であるアセトニルアセトン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液F−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Fの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Fに示す組成にて、実施例F13〜F24、比較例F10、F11、F16〜F18、及び参考例F12〜F15の水性インク組成物Fを作成した。各水性インク組成物は、表2Fに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2F中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例G1)顔料分散液G−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−メトキシ−1,2−プロパンジオール;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G2)顔料分散液G−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオール;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G3)顔料分散液G−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G4)顔料分散液G−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール;2部と3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G5)顔料分散液G−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G6)顔料分散液G−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G7)顔料分散液G−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−メトキシ−1,2−プロパンジオール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G8)顔料分散液G−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオール;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G9)顔料分散液G−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G10)顔料分散液G−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール;2部と3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G11)顔料分散液G−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例G12)顔料分散液G−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液G−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例G1)顔料分散液G−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例G1)顔料分散液G−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液G−13を作成した。
(比較例G2)顔料分散液G−14
分散液の組成において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオールを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例G2)顔料分散液G−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液G−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例G3)顔料分散液G−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例G3)顔料分散液G−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液G−15を作成した。
(参考例G4)顔料分散液G−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例G4)顔料分散液G−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液G−16を作成した。
(参考例G5)顔料分散液G−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例G5)顔料分散液G−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液G−17を作成した。
(参考例G6)顔料分散液G−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例G6)顔料分散液G−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液G−18を得た。
(比較例G7)顔料分散液G−19
分散液の組成において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオールを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例G8)顔料分散液G−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液G−19を作成した。
(比較例G8)顔料分散液G−20
分散液の組成において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物であるモノオレインを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例G9)顔料分散液G−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液G−20を作成した。
(比較例G9)顔料分散液G−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、グリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液G−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Gの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Gに示す組成にて、実施例G13〜G24、比較例G10、G11、G16〜G18、及び参考例G12〜G15の水性インク組成物Gを作成した。各水性インク組成物は、表2Gに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2G中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例H1)顔料分散液H−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアミド化合物であるラクトアミド;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H2)顔料分散液H−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチル;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H3)顔料分散液H−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアミド化合物であるニコチンアミド;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H4)顔料分散液H−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸エチル;2部とプロピオンアミド;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H5)顔料分散液H−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアミド化合物である5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H6)顔料分散液H−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアミド化合物である5−メチル−2−ピロリドン;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H7)顔料分散液H−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物であるラクトアミド;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H8)顔料分散液H−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチル;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H9)顔料分散液H−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物であるニコチンアミド;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H10)顔料分散液H−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸エチル;2部とプロピオンアミド;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H11)顔料分散液H−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物である5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例H12)顔料分散液H−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミド化合物である5−メチル−2−ピロリドン;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液H−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例H1)顔料分散液H−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例H1)顔料分散液H−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液H−13を作成した。
(比較例H2)顔料分散液H−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチルを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例H2)顔料分散液H−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液H−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例H3)顔料分散液H−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例H3)顔料分散液H−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液H−15を作成した。
(参考例H4)顔料分散液H−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例H4)顔料分散液H−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液H−16を作成した。
(参考例H5)顔料分散液H−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例H5)顔料分散液H−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液H−17を作成した。
(参考例H6)顔料分散液H−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例H6)顔料分散液H−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液H−18を得た。
(比較例H7)顔料分散液H−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチルを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例H8)顔料分散液H−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液H−19を作成した。
(比較例H8)顔料分散液H−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアミド化合物であるニコチンアミドを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例H9)顔料分散液H−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液H−20を作成した。
(比較例H9)顔料分散液H−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アミド化合物であるニコチンアミド;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液H−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Hの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Hに示す組成にて、実施例H13〜H24、比較例H10、H11、H16〜H18、および参考例H12〜H15の水性インク組成物Hを作成した。各水性インク組成物は、表2Hに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2H中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例I1)顔料分散液I−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−ヒドロキシイミダゾール;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I2)顔料分散液I−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾール;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I3)顔料分散液I−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾール;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I4)顔料分散液I−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるイミダゾール;2部と2−メチルイミダゾール;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I5)顔料分散液I−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるヒスタミン;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I6)顔料分散液I−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−エチルイミダゾール;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I7)顔料分散液I−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−ヒドロキシイミダゾール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I8)顔料分散液I−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾール;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I9)顔料分散液I−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾール;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I10)顔料分散液I−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるイミダゾール;2部と2−メチルイミダゾール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I11)顔料分散液I−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるヒスタミン;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例I12)顔料分散液I−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−エチルイミダゾール;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液I−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例I1)顔料分散液I−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例I1)顔料分散液I−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液I−13を作成した。
(比較例I2)顔料分散液I−14
分散液の組成において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾールを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例I2)顔料分散液I−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液I−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例I3)顔料分散液I−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例I3)顔料分散液I−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液I−15を作成した。
(参考例I4)顔料分散液I−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例I4)顔料分散液I−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液I−16を作成した。
(参考例I5)顔料分散液I−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例I5)顔料分散液I−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液I−17を作成した。
(参考例I6)顔料分散液I−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例I6)顔料分散液I−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液I−18を得た。
(比較例I7)顔料分散液I−19
分散液の組成において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾールを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例I8)顔料分散液I−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液I−19を作成した。
(比較例I8)顔料分散液I−20
分散液の組成において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾールを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例I9)顔料分散液I−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液I−20を作成した。
(比較例I9)顔料分散液I−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、イミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液I−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Iの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Iに示す組成にて、実施例I13〜I24、比較例I10、I11、I16〜I18、及び参考例I12〜I15の水性インク組成物Iを作成した。各水性インク組成物は、表2Iに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2I中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例J1)顔料分散液J−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアジン化合物であるピリダジン;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J2)顔料分散液J−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアジン化合物であるトリアジン;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J3)顔料分散液J−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J4)顔料分散液J−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアジン化合物であるピラジン−2,3−ジカルボン酸;2部とピラジン;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J5)顔料分散液J−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン−5−カルボン酸;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J6)顔料分散液J−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J7)顔料分散液J−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物であるピリダジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J8)顔料分散液J−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物であるトリアジン;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J9)顔料分散液J−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J10)顔料分散液J−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物であるピラジン−2,3−ジカルボン酸;2部とピラジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J11)顔料分散液J−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン−5−カルボン酸;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例J12)顔料分散液J−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液J−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例J1)顔料分散液J−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例J1)顔料分散液J−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液J−13を作成した。
(比較例J2)顔料分散液J−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアジン化合物であるトリアジンを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例J2)顔料分散液J−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液J−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例J3)顔料分散液J−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例J3)顔料分散液J−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液J−15を作成した。
(参考例J4)顔料分散液J−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例J4)顔料分散液J−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液J−16を作成した。
(参考例J5)顔料分散液J−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例J5)顔料分散液J−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液J−17を作成した。
(参考例J6)顔料分散液J−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例J6)顔料分散液J−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液J−18を得た。
(比較例J7)顔料分散液J−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアジン化合物であるトリアジンを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例J8)顔料分散液J−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液J−19を作成した。
(比較例J8)顔料分散液J−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸を11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例J9)顔料分散液J−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液J−20を作成した。
(比較例J9)顔料分散液J−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液J−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Jの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Jに示す組成にて、実施例J13〜J24、比較例J10、J11、J16〜J18、及び参考例J12〜J15の水性インク組成物Jを作成した。各水性インク組成物は、表2Jに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2J中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例K1)顔料分散液K−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアゾール化合物であるピラゾール;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K2)顔料分散液K−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアゾール化合物であるオキサゾール;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K3)顔料分散液K−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアゾール化合物であるテトラゾール;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K4)顔料分散液K−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアゾール化合物である1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール;2部と1,2,3−トリアゾール;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K5)顔料分散液K−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,3−チアジアゾール;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K6)顔料分散液K−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアゾール化合物であるチアゾール;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K7)顔料分散液K−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料を得た。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物であるピラゾール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K8)顔料分散液K−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物であるオキサゾール;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K9)顔料分散液K−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物であるテトラゾール;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K10)顔料分散液K−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物である1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール;2部と1,2,3−トリアゾール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K11)顔料分散液K−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,3−チアジアゾール;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例K12)顔料分散液K−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアゾール化合物であるチアゾール;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例K1)顔料分散液K−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例K1)顔料分散液K−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液K−13を作成した。
(比較例K2)顔料分散液K−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアゾール化合物であるオキサゾールを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例K2)顔料分散液K−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液K−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例K3)顔料分散液K−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例K3)顔料分散液K−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液K−15を作成した。
(参考例K4)顔料分散液K−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例K4)顔料分散液K−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液K−16を作成した。
(参考例K5)顔料分散液K−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例K5)顔料分散液K−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液K−17を作成した。
(参考例K6)顔料分散液K−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例K6)顔料分散液K−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液K−18を得た。
(比較例K7)顔料分散液K−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアゾール化合物であるオキサゾールを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例K8)顔料分散液K−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液K−19を作成した。
(比較例K8)顔料分散液K−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアゾール化合物であるテトラゾールを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例K9)顔料分散液K−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液K−20を作成した。
(比較例K9)顔料分散液K−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アゾール化合物であるテトラゾール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Kの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Kに示す組成にて、実施例K13〜K24、比較例K10、K11、K16〜K18、及び参考例K12〜K15の水性インク組成物Kを作成した。各水性インク組成物は、表2Kに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2K中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例L1)顔料分散液L−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるニトログアニジン;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L2)顔料分散液L−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L3)顔料分散液L−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるスルファグアニジン;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L4)顔料分散液L−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;2部とグアニジン;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L5)顔料分散液L−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるアミノグアニジン;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L6)顔料分散液L−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料を得た。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるグアニジノ酢酸;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L7)顔料分散液L−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるニトログアニジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L8)顔料分散液L−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーを得た。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L9)顔料分散液L−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるスルファグアニジン;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L10)顔料分散液L−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;2部とグアニジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L11)顔料分散液L−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるアミノグアニジン;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例L12)顔料分散液L−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記材料・方法で得られた自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるグアニジノ酢酸;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液L−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例L1)顔料分散液L−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例L1)顔料分散液L−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液L−13を作成した。
(比較例L2)顔料分散液L−14
分散液の組成において、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジンを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例L2)顔料分散液L−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液L−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例L3)顔料分散液L−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例L3)顔料分散液L−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液L−15を作成した。
(参考例L4)顔料分散液L−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例L4)顔料分散液L−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液L−16を作成した。
(参考例L5)顔料分散液L−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例L5)顔料分散液L−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液L−17を作成した。
(参考例L6)顔料分散液L−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例L6)顔料分散液L−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液L−18を得た。
(比較例L7)顔料分散液L−19
分散液の組成において、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジンを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例L8)顔料分散液L−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液L−19を作成した。
(比較例L8)顔料分散液L−20
分散液の組成において、湿潤剤としてアミジン誘導体であるスルファグアニジンを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例L9)顔料分散液L−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液L−20を作成した。
(比較例L9)顔料分散液L−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アミジン誘導体であるスルファグアニジン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液L−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Lの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Lに示す組成にて、実施例L13〜L24、比較例L10、L11、L16〜L18、及び参考例L12〜L15の水性インク組成物Lを作成した。各水性インク組成物は、表2Lに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2L中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例M1)顔料分散液M−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である6−メチル−2−ピリジノール;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M2)顔料分散液M−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノール;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M3)顔料分散液M−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノール;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M4)顔料分散液M−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジノール;2部と2−ピリジンメタノール;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M5)顔料分散液M−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−ピリジンプロパノール;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M6)顔料分散液M−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である4−ピリジンエタノール;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M7)顔料分散液M−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である6−メチル−2−ピリジノール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M8)顔料分散液M−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料を得た。
上記材料・方法で得られた自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノール;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M9)顔料分散液M−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノール;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M10)顔料分散液M−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジノール;2部と2−ピリジンメタノール;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M11)顔料分散液M−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−ピリジンプロパノール;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例M12)顔料分散液M−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である4−ピリジンエタノール;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例M1)顔料分散液M−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例M1)顔料分散液M−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液M−13を作成した。
(比較例M2)顔料分散液M−14
分散液の組成において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノールを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例M2)顔料分散液M−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液M−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例M3)顔料分散液M−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例M3)顔料分散液M−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液M−15を作成した。
(参考例M4)顔料分散液M−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例M4)顔料分散液M−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液M−16を作成した。
(参考例M5)顔料分散液M−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例M5)顔料分散液M−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液M−17を作成した。
(参考例M6)顔料分散液M−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例M6)顔料分散液M−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液M−18を得た。
(比較例M7)顔料分散液M−19
分散液の組成において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノールを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例M8)顔料分散液M−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液M−19を作成した。
(比較例M8)顔料分散液M−20
分散液の組成において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノールを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例M9)顔料分散液M−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液M−20を作成した。
(比較例M9)顔料分散液M−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液M−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Mの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Mに示す組成にて、実施例M13〜M24、比較例M10、M11、M16〜M18、及び参考例M12〜M15の水性インク組成物Mを作成した。各水性インク組成物は、表2Mに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2M中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例N1)顔料分散液N−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてプリン誘導体である2’−デオキシグアノシン;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N2)顔料分散液N−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリン;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N3)顔料分散液N−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてプリン誘導体であるメチルグアニン;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N4)顔料分散液N−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてプリン誘導体であるグアニン;2部とプリン;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N5)顔料分散液N−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてプリン誘導体であるテオフィリン;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N6)顔料分散液N−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてプリン誘導体であるキサンチン;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N7)顔料分散液N−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体である2’−デオキシグアノシン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N8)顔料分散液N−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリン;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N9)顔料分散液N−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料のスラリーをそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体であるメチルグアニン;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N10)顔料分散液N−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体であるグアニン;2部とプリン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N11)顔料分散液N−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料を得た。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体であるテオフィリン;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例N12)顔料分散液N−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてプリン誘導体であるキサンチン;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液N−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例N1)顔料分散液N−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例N1)顔料分散液N−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液N−13を作成した。
(比較例N2)顔料分散液N−14
分散液の組成において、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリンを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例N2)顔料分散液N−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液N−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例N3)顔料分散液N−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例N3)顔料分散液N−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液N−15を作成した。
(参考例N4)顔料分散液N−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例N4)顔料分散液N−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液N−16を作成した。
(参考例N5)顔料分散液N−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例N5)顔料分散液N−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液N−17を作成した。
(参考例N6)顔料分散液N−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例N6)顔料分散液N−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液N−18を得た。
(比較例N7)顔料分散液N−19
分散液の組成において、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリンを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例N8)顔料分散液N−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液N−19を作成した。
(比較例N8)顔料分散液N−20
分散液の組成において、湿潤剤としてプリン誘導体であるメチルグアニンを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例N9)顔料分散液N−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液N−20を作成した。
(比較例N9)顔料分散液N−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、プリン誘導体であるメチルグアニン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液N−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Nの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Nに示す組成にて、実施例N13〜N24、比較例N10、N11、N16〜N18、及び参考例N12〜N15の水性インク組成物Nを作成した。各水性インク組成物は、表2Nに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2N中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(実施例O1)顔料分散液O−1
本実施例では、着色剤として前記(実施例A1)顔料分散液A−1で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン;1部、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、イオン交換水;77部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−1(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O2)顔料分散液O−2
本実施例では、着色剤として前記(実施例A2)顔料分散液A−2で得られた自己分散型イエロー顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型イエロー顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジン;0.2部、イオン交換水;76.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型イエロー顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−2(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O3)顔料分散液O−3
本実施例では、着色剤として前記(実施例A3)顔料分散液A−3で得られた自己分散型マゼンタ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型マゼンタ顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン;5部、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、イオン交換水;74.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型マゼンタ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1.5時間であった。
得られた分散混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−3(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O4)顔料分散液O−4
本実施例では、着色剤として前記(実施例A4)顔料分散液A−4で得られた自己分散型シアン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型シアン顔料;20部を水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン;2部と4−ヒドロキシピペリジン;1部、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部と、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用、ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が90nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型シアン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−4(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O5)顔料分散液O−5
本実施例では、着色剤として前記(実施例A5)顔料分散液A−5で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるピロリノール;0.1部、中和剤であるモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤であるグリセリン;5部、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;72.8部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約1時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−5(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O6)顔料分散液O−6
本実施例では、着色剤として前記(実施例A6)顔料分散液A−6で得られた自己分散型バイオレット顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型バイオレット顔料;20部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピロール;10部、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部、マルチトール;2部、エタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基を顔料表面に直接導入した自己分散型バイオレット顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−6(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O7)顔料分散液O−7
本実施例では、着色剤として前記(実施例A7)顔料分散液A−7で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてトリエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部、イオン交換水;75部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、スルフィン酸基(SO )あるいはスルホン酸基(SO )等の硫黄含有分散性付与基、及びフェニル基を介してポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、80℃環境下にて2時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−7(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O8)顔料分散液O−8
本実施例では、着色剤として前記(実施例A8)顔料分散液A−8で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤としてトリイソプロパノールアミン;3部、水溶性有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル;5部、イオン交換水;71.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散して、カルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジン;0.2部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて10時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−8(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O9)顔料分散液O−9
本実施例では、着色剤として前記(実施例A9)顔料分散液A−9で得られた自己分散型カーボンブラック顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型カーボンブラック顔料;20部に、中和剤として水酸化ナトリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,3−ブタンジオール;3部、イオン交換水;71.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボキシル基を顔料表面に直接導入した自己分散型カーボンブラック顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン;5部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて1時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−9(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O10)顔料分散液O−10
本実施例では、着色剤として前記(実施例A10)顔料分散液A−10で得られた自己分散型グリーン顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型グリーン顔料;20部に、中和剤としてn−プロパノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;5部、イオン交換水;70部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してスルホン酸基を顔料表面に導入した自己分散型グリーン顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン;2部と4−ヒドロキシピペリジン;1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて50時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−10(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O11)顔料分散液O−11
本実施例では、着色剤として前記(実施例A11)顔料分散液A−11で得られた自己分散型レッド顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型レッド顔料;20部に、中和剤としてモノエタノールアミン;2部、水溶性有機溶剤としてグリセリン;5部と同じく1,5−ペンタンジオール;3部、防腐剤としてデニサイトCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部、イオン交換水;69.8部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の平均粒子径(二次粒子径)が95nmになるまで分散して、フェニル基を介してカルボン酸基とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した自己分散型レッド顔料の分散混合物を得た。分散時間は約3時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるピロリノール;0.1部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−11(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(実施例O12)顔料分散液O−12
本実施例では、着色剤として前記(実施例A12)顔料分散液A−12で得られた自己分散型オレンジ顔料をそのまま用いた。
上記の自己分散型オレンジ顔料;20部に、中和剤として水酸化カリウム;0.5部、水溶性有機溶剤として1,2−ヘキサンジオール;3部と同じくマルチトール;2部と同じくエタノール;1部、イオン交換水;63.5部を加え、ペイントシェーカー(ジルコニアビーズ使用;ビーズ充填率:60%、メディア径:1.7mm)を使用して顔料の重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散して、フェニル基を介してN−エチルピリジル基を顔料表面に導入した自己分散型オレンジ顔料の分散混合物を得た。分散時間は約2時間であった。
得られた分散液混合物に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピロール;10部を加えてよく攪拌混合し、これをポリプロピレン製容器に密封し、100℃環境下にて30分間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液O−12(顔料固形分濃度:20.0質量%)を得た。
(比較例O1)顔料分散液O−13
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例O1)顔料分散液O−1と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液O−13を作成した。
(比較例O2)顔料分散液O−14
分散液の組成において、湿潤剤として湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジンを加えず、イオン交換水を77部とした他は、前記(実施例O2)顔料分散液O−2と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本比較例による顔料分散液O−14を作成した。この比較例では、自己分散型イエロー顔料を重量平均粒子径(二次粒子径)が110nmになるまで分散する際に、約10時間の分散時間を要した。
(参考例O3)顔料分散液O−15
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例O3)顔料分散液O−3と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液O−15を作成した。
(参考例O4)顔料分散液O−16
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例O4)顔料分散液O−4と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液O−16を作成した。
(参考例O5)顔料分散液O−17
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例O5)顔料分散液O−5と同様の材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液O−17を作成した。
(参考例O6)顔料分散液O−18
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例O6)顔料分散液O−6と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分が20.0質量%である本参考例による顔料分散液O−18を得た。
(比較例O7)顔料分散液O−19
分散液の組成において、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジンを0.05部、イオン交換水を71.95部とした他は、前記(実施例O8)顔料分散液O−8と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液O−19を作成した。
(比較例O8)顔料分散液O−20
分散液の組成において、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリンを11部、イオン交換水を65.5部とした他は、前記(実施例O9)顔料分散液O−9と同様な材料・方法を用いて、顔料固形分濃度が20.0質量%である本比較例による顔料分散液O−20を作成した。
(比較例O9)顔料分散液O−21
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液O−21を作成した(顔料固形分濃度:20.0質量%)。
〔水性インク組成物Oの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Oに示す組成にて、実施例O13〜O24、比較例O10、O11、O16〜O18、及び参考例O12〜O15の水性インク組成物Oを作成した。各水性インク組成物は、表2Oに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2O中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
<顔料分散液、及び水性インク組成物の評価>
(1)保存安定性
実施例、比較例、および参考例の顔料分散液、並びに、実施例、比較例、および参考例の水性インク組成物を以下の(I)〜(III)の環境下に放置した。
(I)60℃で1ヶ月放置
(II)凍結した状態で1ヶ月放置
(III)60℃で2週間放置した後、凍結した状態で1週間放置
上記の3種の条件下で放置した後、顔料分散液及び水性インク組成物の粘度及び粒径について、作成直後と放置後との比較を行った。判定基準は以下の通りとした。
・粘度
AA:全ての放置条件下で変化幅が±3%未満
A:変化幅が±3%以上、±5%未満となる放置条件がある
B:変化幅が±5%以上、±10%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±10%以上、±15%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±15%以上となる放置条件がある
・粒径
AA:全ての放置条件下で変化幅が±5%未満
A:変化幅が±5%以上、±10%未満となる放置条件がある
B:変化幅が±10%以上、±20%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±20%以上、±30%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±30%以上となる放置条件がある
評価結果は、下記の表3A〜3Oに示される通りであった。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
(2)吐出安定性
実施例、比較例、および参考例の水性インク組成物をインクジェットプリンタPX−G5300(商品名、セイコーエプソン株式会社製)に搭載した。記録媒体としてA4版のフォトマット紙/顔料専用(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用い、20℃〜25℃で40%RH〜60%RHの環境下で、文字・塗り潰し・写真画像が混在する画像を連続的に1,000枚まで印刷した。印刷設定は、「用紙種類;普通紙、印刷品質;標準」とした。得られた印刷物について、印刷画像中の飛行曲がりや抜け等の不具合の有無を目視にて確認した。判定基準は以下の通りとした。
・飛行曲がり、抜け
AA:1,000枚まで連続印字しても、飛行曲がり・抜けが発生しない
A:500枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生しない
B:200枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生しない
C:200枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生したが10箇所未満である
D:200枚までの連続印刷時に、飛行曲がり・抜けが10箇所以上発生する
評価結果は、下記の表4A〜表4Oに示される通りであった。
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
Figure 2010222417
表3A〜表3O、及び表4A〜表4Oに示した結果からも明らかなように、実施例の顔料分散液は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)が良好であった。また、これらの顔料分散液を用いた実施例の水性インク組成物は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)が良好であり、インクジェットプリンタにおける吐出安定性も問題がなかった。
これに対して、比較例の顔料分散液は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)に欠けていた。またこの顔料分散液を用いた比較例の水性インク組成物は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)及びインクジェットプリンタにおける吐出安定性に欠けていた。
以上述べたように、本発明による顔料分散液は保存安定性に優れ、これを含む水性インク組成物は保存安定性及び吐出安定性に優れる。従って、本発明の顔料分散液を含む水性インク組成物は、インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる。

Claims (12)

  1. 少なくとも一つの親水性分散性付与基を直接及び/または多価の基を介して顔料表面に導入された自己分散型顔料と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
    前記顔料分散液は、前記自己分散型顔料と、顔料分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含んだ状態で加熱処理されていることを特徴とする、顔料分散液。
  2. 前記湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記一般式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、及びヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の顔料分散液。
    Figure 2010222417

    (式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
  3. 前記加熱処理の加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載の顔料分散液。
  4. 前記顔料分散液が、加熱処理される際に、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の顔料分散液。
  5. 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の顔料分散液。
  6. 前記親水性分散性付与基が、下記式で表わされる官能基またはその塩からなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の顔料分散液。
    Figure 2010222417

    (但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基または置換基を有していても良いナフチル基を表わす。)
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載されている顔料分散液を含んでなることを特徴とする、水性インク組成物。
  8. 一価アルコール類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上の浸透剤を含んでなることを特徴とする、請求項7に記載の水性インク組成物。
  9. 多価アルコール類、糖類、ラクタム類及び尿素類からなる群から選ばれる一種以上の保湿剤を含んでなることを特徴とする、請求項7あるいは請求項8のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  10. さらにポリマーエマルジョンを含んでなることを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  11. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録方法であって、請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の水性インク組成物を用いることを特徴とする、インクジェット記録方法。
  12. 請求項11に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする、記録物。
JP2009068805A 2009-03-19 2009-03-19 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物 Pending JP2010222417A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009068805A JP2010222417A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009068805A JP2010222417A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010222417A true JP2010222417A (ja) 2010-10-07

Family

ID=43039956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009068805A Pending JP2010222417A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010222417A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014103959A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 ゼブラ株式会社 水性インキ組成物及び水性ボールペン
EP2862907A1 (en) 2013-10-21 2015-04-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
EP2937390A1 (en) 2014-04-22 2015-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
US9238743B2 (en) 2013-12-26 2016-01-19 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
JP2016160391A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 液体組成物、顔料分散液およびインクジェット記録用水系インク組成物
JP2016160392A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 液体組成物、顔料分散液およびインクジェット記録用水系インク組成物
CN106554656A (zh) * 2015-09-30 2017-04-05 兄弟工业株式会社 喷墨记录用水性墨和墨盒
US9688865B2 (en) 2015-04-01 2017-06-27 Seiko Epson Corporation Liquid composition, pigment dispersion liquid, and aqueous ink composition for ink jet recording
JP2017115141A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 花王株式会社 顔料水分散体の製造方法
JP2017222767A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及び記録方法
EP3378907A1 (en) 2017-03-24 2018-09-26 Seiko Epson Corporation Water-based ink composition for ink jet recording and coloring material liquid
CN115215897A (zh) * 2022-07-28 2022-10-21 辽宁大学 一种基于嘌呤分子的高反应活性纳米碳材料分散剂及其制备方法

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014103959A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 ゼブラ株式会社 水性インキ組成物及び水性ボールペン
JP5918867B2 (ja) * 2012-12-27 2016-05-18 ゼブラ株式会社 水性インキ組成物及び水性ボールペン
US9624391B2 (en) 2012-12-27 2017-04-18 Zebra Co., Ltd. Water-based ink composition and water-based ballpoint pen
EP2862907A1 (en) 2013-10-21 2015-04-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
US9650523B2 (en) 2013-10-21 2017-05-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
US9238743B2 (en) 2013-12-26 2016-01-19 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
EP2937390A1 (en) 2014-04-22 2015-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
US9340696B2 (en) 2014-04-22 2016-05-17 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
JP2016160391A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 液体組成物、顔料分散液およびインクジェット記録用水系インク組成物
JP2016160392A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 液体組成物、顔料分散液およびインクジェット記録用水系インク組成物
US9708500B2 (en) 2015-03-04 2017-07-18 Seiko Epson Corporation Liquid composition, pigment dispersion liquid, and aqueous ink composition for ink jet recording
US9695330B2 (en) 2015-03-04 2017-07-04 Seiko Epson Corporation Liquid composition, pigment dispersion liquid, and aqueous ink composition for ink jet recording
US9688865B2 (en) 2015-04-01 2017-06-27 Seiko Epson Corporation Liquid composition, pigment dispersion liquid, and aqueous ink composition for ink jet recording
CN106554656A (zh) * 2015-09-30 2017-04-05 兄弟工业株式会社 喷墨记录用水性墨和墨盒
JP2017066314A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
JP2022033174A (ja) * 2015-12-18 2022-02-28 花王株式会社 顔料水分散体の製造方法
US20190309180A1 (en) 2015-12-18 2019-10-10 Kao Corporation Method for producing aqueous pigment dispersion
US10800937B2 (en) 2015-12-18 2020-10-13 Kao Corporation Method for producing aqueous pigment dispersion
JP2017115141A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 花王株式会社 顔料水分散体の製造方法
JP7239214B2 (ja) 2015-12-18 2023-03-14 花王株式会社 顔料水分散体の製造方法
JP2017222767A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及び記録方法
EP3378907A1 (en) 2017-03-24 2018-09-26 Seiko Epson Corporation Water-based ink composition for ink jet recording and coloring material liquid
CN108624142A (zh) * 2017-03-24 2018-10-09 精工爱普生株式会社 喷墨记录用水性油墨组合物以及色料液
US10858526B2 (en) 2017-03-24 2020-12-08 Seiko Epson Corporation Water-based ink composition for ink jet recording and coloring material liquid
CN115215897A (zh) * 2022-07-28 2022-10-21 辽宁大学 一种基于嘌呤分子的高反应活性纳米碳材料分散剂及其制备方法
CN115215897B (zh) * 2022-07-28 2024-04-12 辽宁大学 一种基于嘌呤分子的高反应活性纳米碳材料分散剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010222418A (ja) 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物
JP2010222417A (ja) 顔料分散液、該顔料分散液を含む水性インク組成物、並びに該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物
JP2009235387A (ja) 顔料分散液、顔料分散液の製造方法、顔料分散液を含む水性インク組成物、および、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法並びに記録物
US6599356B2 (en) Method for manufacturing pigment dispersed liquid, and pigment dispersed liquid, and ink for ink-jet printer recording using said pigment dispersed liquid
JP2006199888A (ja) 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2009167265A (ja) イエローインク組成物およびインクセット、これを用いた記録方法、記録物
JP2008230161A (ja) 画像形成方法及び記録物
JP2001254039A (ja) 発色性と定着性とに優れた画像を実現できるインク組成物
JP5540523B2 (ja) インクセットおよびこれを用いた記録方法
JP2006274023A (ja) 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2005154549A (ja) 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2017141388A (ja) インクジェット記録用インク
JP2006274024A (ja) 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2005008725A (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、それを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット記録装置
JP4764562B2 (ja) インク組成物
JP2002327144A (ja) 顔料分散液の製造方法と顔料分散液、及びこれを用いたインクジェット記録用インク
JP2008138183A (ja) インク、インクカートリッジ及びインク吐出装置
JPWO2004029165A1 (ja) 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに、記録物
JP2007277329A (ja) 水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物
JP4764563B2 (ja) インク組成物
JP2008231340A (ja) インクジェット記録用インク
JP4453307B2 (ja) インク組成物
US20220145111A1 (en) Inkjet overcoat composition
JP2006274030A (ja) 水系顔料インク及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2008213388A (ja) 画像形成方法及び記録物