JP2010219413A - 光電変換装置の製造方法および電子機器の製造方法 - Google Patents

光電変換装置の製造方法および電子機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特性の良好な光電変換装置の製造方法を提供する。特に、光電変換層の成膜中にエアロゾルとして量子ドットを導入することにより、特性の良好な光電変換装置を製造する。
【解決手段】本発明に係る光電変換装置の製造方法は、光電変換層を有する光電変換装置の製造方法であって、前記光電変換層の形成工程が、第1材料の化学気相成長雰囲気中に、第2材料のナノ粒子を導入しつつ成膜する工程を含み、前記光電変換層は、前記第1材料の堆積膜中に前記ナノ粒子を分散状態で含有させた堆積層として形成される。かかる方法によれば、第1材料の化学気相成長雰囲気中に、第2材料のナノ粒子を含有させた、いわゆるエアゾルを導入しつつ成膜することにより、良質な光電変換層を形成することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、光電変換装置の製造方法、特に、ナノ粒子を用いた光電変換装置の製造方法等に関する。
省エネルギーかつ省資源でクリーンなエネルギー源として太陽電池(光電変換装置)の開発が盛んに行われている。太陽電池は、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接電力に変換する電力機器である。その構成には、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、多接合構造太陽電池など多種の構造体が検討されている。その中でも、理論的には60%以上の変換効率を可能にする次世代の太陽電池として量子ドット(ナノ粒子)を用いた太陽電池が注目を浴びている。
例えば、下記特許文献1には、誘電体材料薄層を配して隔てられた複数の結晶質半導体材料量子ドットを有する太陽電池が開示されている。
またナノ粒子の形成方法としては、各種方法が知られている。例えば金属塩の溶液に還元剤を添加してコロイド溶液とする湿式法、不活性ガス雰囲気中で蒸発した金属を凝集させるガス中蒸発法(下記特許文献2)、などがある。
特表2007−535806号公報 特開平3−34211号公報
本発明者は、上記量子ドットを用いた太陽電池の研究・開発に従事している。例えば、量子ドットを分散させた液体半導体材料を用いることにより、低コストで高性能の太陽電池を製造することを検討している。
しかしながら、液体半導体材料を用いた場合、液体半導体材料を溶解させる溶媒や量子ドットを分散させる分散媒の選択や調整が難しく、また、場合によっては、これらの溶媒や分散媒の成分が不純物となり膜特性を低下させる恐れもある。
そこで、本発明に係る具体的態様は、特性の良好な光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。特に、光電変換層の成膜中にエアロゾル状のナノ粒子を導入して量子ドットとすることにより、特性の良好な光電変換装置を製造することを目的とする。
本発明に係る光電変換装置の製造方法は、光電変換層を有する光電変換装置の製造方法であって、前記光電変換層の形成工程が、第1材料の化学気相成長雰囲気中に、第2材料のナノ粒子を導入しつつ成膜する工程を含み、前記光電変換層は、前記第1材料の堆積膜中に前記ナノ粒子を分散状態で含有させた堆積層として形成される。
かかる方法によれば、第1材料の化学気相成長雰囲気中に、第2材料のナノ粒子を含有させた、いわゆるエアロゾルを導入しつつ成膜することにより、良質な光電変換層を形成することができる。エアロゾルとは分散媒としての気体の中にナノ粒子などの微粒子(液状であるか固体であるかを問わない)が多数浮かんだ物質や状態のことである。
前記第2材料は、前記第1材料よりバンドギャップが小さい半導体よりなる。このように、第1材料と第2材料のバンドギャップの差により量子井戸が形成され、光電変換効率を向上させることができる。
例えば、前記第1材料はアモルファスシリコン層または多結晶シリコン層を形成可能な材料であり、前記堆積層は、前記アモルファスシリコン層または前記多結晶シリコン層に前記ナノ粒子を含有したものである。例えば、前記第2材料は、ゲルマニウムである。このように、第1材料としてアモルファスシリコン膜又は多結晶シリコン膜を用い、また、第2材料として、ゲルマニウムを用いてもよい。
上記光電変換装置の製造方法は、更に、第1導電型半導体層の形成工程と、前記第1導電型半導体層の逆導電型である第2導電型半導体層の形成工程と、を含み、前記第1導電型半導体層は基板上に形成され、前記光電変換層は前記第1導電型半導体層上に形成され、前記第2導電型半導体層は前記光電変換層上に形成される。このように、いわゆるpin型の光電変換装置を製造してもよい。
前記雰囲気は、不活性ガス雰囲気である。また、前記雰囲気は、1×10-2Torr以上10Torr未満である。このようにナノ粒子が生成可能であって、かつ、化学気相成長可能な条件下で成膜を行うことで、膜性能を向上させることができる。
前記雰囲気は、200℃以下である。例えば、プラズマ下における化学気相成長においては、200℃以下の低温処理が可能であり、不所望な副反応を防止することが可能となり、膜性能を向上させることができる。
本発明に係る電子機器の製造方法は、上記光電変換装置の製造方法を有する。
かかる方法によれば、電子機器の特性を向上させることができる。また、かかる電子機器の生産性を向上させることができる。
量子ドット型の光電変換装置(光電変換素子、太陽電池)の構成を示す断面図である。 量子ドット型の光電変換装置(光電変換素子、太陽電池)の構成を示す断面図である。 バルクの場合のエネルギーバンド図である。 量子ドットの場合の複数エキシトン生成効果を説明するためのエネルギーバンド図である。 超格子構造を模式的に示した断面斜視図である。 ミニバンドが形成された場合のエネルギーバンド図である ミニバンドが形成された場合のエネルギーバンド図である。 ミニバンドが形成されない場合のエネルギーバンド図である。 本実施の形態の光電変換装置の製造工程を示す断面図である。 本実施の形態の光電変換装置の製造工程で用いられる装置の概略図である。 本実施の形態の光電変換装置の製造工程で用いられる装置の他の構成を示す概略図である。 太陽電池(光電変換装置)を適用した電卓を示す平面図である。 太陽電池(光電変換装置)を適用した携帯電話機を示す斜視図である。 電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<実施の形態>
[光電変換装置の構成]
まず、本発明者らが検討している量子ドット型の光電変換装置の基本的構造について説明する。図1および図2は、本実施の形態の量子ドット型の光電変換装置(光電変換素子、太陽電池)の構成を示す断面図である。
図1に示す光電変換装置は、いわゆるpin構造の装置であり、p層、i層およびn層が順次積層された構成を有する。具体的には、図示するように、基板1上に、透明電極3、p型(第1導電型)のアモルファスシリコン層5、i型のアモルファスシリコン層7、n型(第2導電型)のアモルファスシリコン層9および上部電極11が順次積層されている。i型のアモルファスシリコン層7中には、シリコンよりなる量子ドット(QD、ナノ粒子)dが分散状態で含有されている。
ここで、「量子ドット(ナノ粒子)」とは、半導体(化合物半導体を含む)で作られた微小な結晶粒子を意味し、数百から数万個の原子が集まったものである。特に、本明細書においては、粒径が1nm以上20nm以下のものを「量子ドット」と言い、また、結晶としては、単結晶の他、多結晶状態のものも含むものとする。
図2に示す光電変換装置においては、i型のアモルファスシリコン層7が、複数の薄膜(7A、7B)よりなり、量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン薄膜7Aと量子ドットdを含有しないi型のアモルファスシリコン薄膜7Bとが繰り返し積層されている。
このように、上記量子ドット型の光電変換装置においては、i型のアモルファスシリコン層7中に量子ドットdを含有させているため、光電変換効率の向上を図ることができる。光電変換効率の向上が図られる理由については、(1)量子サイズ効果、(2)複数エキシトン生成効果および(3)ミニバンド形成効果に起因するものと考えられる。以下、図3〜図8を参照しながらこれらについて詳細に説明する。図3および図4は、バルクの場合および量子ドットの場合の複数エキシトン生成効果を説明するためのエネルギーバンド図である。図5は、超格子構造を模式的に示した断面斜視図であり、図6及び図7は、ミニバンドが形成された場合のエネルギーバンド図であり、図8は、ミニバンドが形成されない場合のエネルギーバンド図である。なお、バンド図において黒丸は電子(e)を白丸はホール(h)を示すものとする。
(1)量子サイズ効果
光電変換においては、光のエネルギーを吸収した電子(キャリア)が、バンドギャップEgを越えて価電子帯と伝導帯の間を遷移し、電気エネルギー(電力)として取り出される。一般的に、半導体ナノ粒子では粒径が小さくなると、バンドギャップが大きくなることが知られている(特許文献1参照)。これを量子サイズ効果と呼び、、これにより、例えば、太陽光スペクトルにおいてエネルギーの大きな紫外光領域、可視光領域や赤外光領域などの特定の波長(例えば、400nm〜800nm)にあわせてバンドギャップを調整することができる。その結果、光を効率良く電気エネルギーに変換することができる。また、バンドギャップの異なる光電変換部を積層することにより、可視光領域や赤外光領域などに限らず太陽光スペクトルの各種波長の光を効率良く電気エネルギーに変換することができる。
(2)複数エキシトン生成効果(MEG:Multiple Exciton Generation)
図3に示すように、バルクの半導体においては、キャリア(電子)は、光エネルギー(E=hν=hc/λ、h:プランク定数、ν:振動数、c:光の速さ、λ:波長)を受け、価電子帯に遷移し、電気エネルギーとして取り出される。ここで、バンドギャップEgより光エネルギーhνが大きい場合(hν>Eg)、キャリアは価電子帯の上部まで遷移するものの、Egを超えた余分なエネルギーは速やかに格子系に熱として移動して、より安定的な価電子帯の下部まで移動する。つまり、Egを超えたエネルギーは熱として失われる。したがって、1つの光子によって1つのキャリアしか生成できない。なお、励起された電子に対しホールは残存するため、これらの対をエキシトン(exciton、励起子)という。
これに対し、図4に示すように、量子ドットdを用いた場合、量子ドットdのバンドギャップEgとその周囲を取り囲む層(コア-シェル構造の量子ドットdの場合、シェルsが対応する)のバンドギャップEgsとの差(Egs>Eg)により量子井戸が形成される。この量子井戸により電子の移動方向が三次元的に制限される。また、この量子井戸中に形成される電子軌道は連続的ではない。そのため、バンドギャップEgより光エネルギーhνが大きい場合(hν>Eg)に、上位の軌道まで励起された電子が、バンドギャップの上端まで落ちる際に、格子系にエネルギーを熱として与えて緩和する過程が非常に遅くなる。その結果、同じ量子井戸中の別の電子との相互作用が相対的に強くなり、バンドギャップの上端まで落ちる際に別の電子にエネルギーを与える確率が強くなる。この時、当該光エネルギーhνがバンドギャップの2倍より大きい場合(hν>2Eg)には、更なる電子がバンドギャップを超えてエキシトンを生成することができるようになる。よって、1つの光子から複数のキャリア(例えば、電子)を生成することができる。したがって、これらを電流として取り出すことにより光電変換効率を向上させることができる。
(3)ミニバンド形成効果
例えば、図5に示すように、量子ドットdを薄膜を介して3次元的に規則正しく配置させる(3次元的な周期性を持たせる)ことにより、量子ドット(量子井戸)間で相互作用が生じ、ミニバンドが形成される。即ち、図6に示すように、トンネル効果により量子井戸間にミニバンドが生じ、励起されたキャリアを、ミニバンドを通じて高速に外部に取り出すことができる。よって、キャリアの再結合による損失を低減でき、光電変換効率を向上させることができる。また、図7に示すように、前述の複数エキシトン生成効果により生じた遷移電子や、ミニバンド間における遷移電子などもミニバンドを介して効率良く取り出すことができる。なお、図7に示すように、電子のみならず、下側の量子井戸中に残存するホールも取り出すことができる。このように、量子ドットに3次元的な周期性を持たせた構造を超格子(SL:supper lattice)又は多重量子井戸(MQW:Multi-Quantum Well)構造という。
これに対し、量子ドットdを3次元的にランダムに分散させた場合(例えば、図1参照)は、図8に示すように、量子井戸間のトンネル効果が起こりにくい箇所が存在する。この場合、量子井戸間にミニバンドは形成されない。但し、この場合も、図示すように、励起された電子は、熱励起などにより量子井戸を超え、量子井戸の外へ抜けることができる。よって、超格子でない場合であっても、確率は低くなるものの量子井戸の外に電子を取り出すことができる。また、図6に示すように、量子ドットdが縦横および上下に規則正しく並んだ構造は理想的ではあるが、量子ドットdをこのように配列させることは容易ではない。よって、図2では、各膜(7A)においては、平面的にランダムに量子ドットdを配列させ、量子ドットdを含まない膜(7B)と交互に配置させることにより、配列の周期性を持たせている。かかる構成によっても、ミニバンドの形成率を向上させ、光電変換効率を向上させることができる。また、図2においては、膜7A中において、量子ドットdを1原子ずつ配列させているが、当該膜中の原子配列において、上下方向に原子が2個又は3個程度配列していてもよい。要は、薄膜(7A、7B)を交互に積層させることにより、配列の周期性を持たせることが重要である。
以上(1)〜(3)を通じて詳細に説明したように、量子ドットdを含有させることで光電変換効率の向上を図ることができる。
[光電変換装置の製造方法]
次いで、図9および図10を参照しながら説明した上記光電変換装置の製造方法について説明する。図9は、本実施の形態の光電変換装置の製造工程を示す断面図である。図10は、本実施の形態の光電変換装置の製造工程で用いられる装置の概略図である。
図9(A)に示すように、基板1として例えば、石英ガラス基板を準備し、基板1上に例えば、フッ素を添加した酸化錫(FTO:F-doped Tin Oxide)膜を堆積させることにより透明電極3を形成する。
なお、基板1としては、例えば、光透過性の石英ガラス基板の他、ソーダガラス基板などの他のガラス基板、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)などの樹脂を用いた樹脂基板やセラミックス基板などを用いてもよい。
また、透明電極3としては、例えば、FTOの他、インジウムをドープした酸化錫(ITO)、酸化インジウム(InO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などの他の導電性の金属酸化物を用いてもよい。このような透明電極を用いることにより、基板1の裏面側(図中下側)からの光の透過性を向上させることができる。
次いで、透明電極3上に、p型のアモルファスシリコン層5を熱CVD(Chemical Vapor Deposit、化学気相成長、化学的蒸着)法で形成する。例えば、SiH4ガスを原料ガスとして、ホウ素などのp型不純物ガスを導入しながら、アモルファスシリコン膜を成膜する。この熱CVDにおいては、熱によって分解されたSi原子が、化学吸着によりにより基板(透明電極3)1上に堆積することにより成膜がなされる。この際、ホウ素などの不純物原子が取り込まれ、p型となる。また、p型不純物ガスを導入せず、真性のアモルファスシリコン膜を形成した後、p型不純物をイオン打ち込み法により注入してもよい。
次いで、図9(B)に示すように、アモルファスシリコンのプラズマCVD成膜雰囲気下において、量子ドット原料であるゲルマニウム(Ge)のナノ粒子と不活性ガスからなるエアロゾルを導入する。このエアロゾルは、分散媒としての不活性ガス(キャリアガス)中にGe等よりなるナノ粒子が多数浮遊した状態であり、例えば次のようにして生成される。なお、図10において、浮遊状態のナノ粒子をdaで示す。図10の粒子生成室27にはヘリウムガスが導入されると同時に、成膜室21に接続された減圧ポンプを通じて排気されており、所定の圧力(例えば2Torr、266.6Pa)になるように制御されている。粒子生成室27において、量子ドットdの原料であるGeがコイル29により誘導加熱され、気化し(蒸気となり)、周囲の蒸発した原子同士や周囲のキャリアガスとの衝突を繰り返し、数ナノメートルの粒径まで成長する。これらのナノ粒子daは、キャリアガス(Heガス)中に浮遊した状態(エアロゾル)になる。またキャリアガスの流れに従って、エアロゾルは成膜室21に設けられたシャワーヘッド25に導入される。
一方、図10に示す装置の成膜室21内に設けられたステージ23上には、基板1が載置される。この装置においては、アモルファスシリコンの原料ガス(ここではSiH4をH2で10%程度に希釈したガス)と前述のナノ粒子daを含有したエアロゾルを100sccm程度の流量でシャワーヘッド25を介して成膜室21内に導入する。成膜室21は接続された減圧ポンプで例えば1Torr(133.3Pa)となるように制御されている。また、ステージ23とシャワーヘッド25とが平行平板電極を構成し、これらの間に高周波(例えば、13.5MHz)を印加することで、プラズマPが生じる。また、基板1は、ステージ23に内蔵のヒーターにより約200℃に加熱されている。このようにすると、通常のCVDと同様に原料ガスは、プラズマにより分解されて基板1上に堆積することによりアモルファスシリコン膜の成膜が行われる。その際に同時に存在するGeのナノ粒子daはプラズマで分解されることはないが、表面が活性化されて反応しやすくなり、アモルファスシリコン膜中にGeの量子ドットdとして取り込まれる。これにより、量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン層7が形成される(図9(B))。この後、アモルファスシリコン層7に、レーザー処理し、多結晶化してもよい。例えば、308nmのXeClエキシマレーザーを、100〜500mJ/cm2程度のパルスで照射し、多結晶化する。
次いで、図9(C)に示すように、量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン層7上に、n型のアモルファスシリコン層9を形成する。例えば、上記p型不純物ガスをn型不純物ガスに代え、熱CVD法により成膜する。次いで、n型のアモルファスシリコン層9上に上部電極11としてAl(アルミニウム)膜を形成する。例えば、n型のアモルファスシリコン層9上に、Alをスパッタリング法により堆積し、必要に応じてパターニングすることにより上部電極11を形成する。以上の工程により、本実施の形態の光電変換装置が形成される。
このように、本実施の形態においては、量子ドットdの周囲を取り囲む層(以降、この層を「マトリクス層」という)材料の化学気相成長雰囲気中に、量子ドット材料のナノ粒子daを含むエアロゾルを導入しつつ成膜したので、不純物を低減した特性の良好な膜を形成することができる。
次いで、図2に示す、i型のアモルファスシリコン層7が、複数の薄膜(7A、7B)で構成される場合の製造工程について説明する。
この場合、上記と同様に、基板1上に透明電極3およびp型のアモルファスシリコン層5を形成した後、上記と同様に、原料ガス(シランガス)とナノ粒子daを含むエアロゾルが混合した雰囲気中で、量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン薄膜7Aを形成する。次いで、粒子生成室27における粒子の生成を停止し、ナノ粒子daの供給を停止する。これにより、量子ドットdを含まないi型のアモルファスシリコン薄膜7Aを形成する。この後、これら薄膜7A、7Bの堆積、即ち、ナノ粒子daの供給および停止を繰り返し、シリコンよりなる量子ドットdを含有する薄膜7Aとシリコンよりなる量子ドットdを含有しない薄膜7Bとが交互に積層されたi型のアモルファスシリコン層7を形成する(図2参照)。
なお、図2においては、模式的に、薄膜7Aにおいて量子ドットd1個が平面的にランダムに配置される様子を示しているが、これに限られず、薄膜7Aにおいて原子が上下方向に複数個積層する程度の膜厚としてもよい。即ち、前述のとおり、薄膜を交互に積層させることにより、量子ドットdの配列の周期性を持たせ、ミニバンドの形成箇所を増加させることが重要である。
なお、上記工程においては、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンを形成したが、他の半導体をマトリクス層としてもよい。
また、図10においては、いわゆるプラズマCVDを例に説明したが、プラズマに変えて、熱や光で原料ガスの反応(分解)を促進させる熱CVDや光CVD法などを用いてもよい。図11は、本実施の形態の光電変換装置の製造工程で用いられる装置の他の構成を示す概略図である。なお、図10と対応する箇所には、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
かかる装置を用い、例えば、基板温度450℃程度で成膜する。例えば、粒子生成室27は、約0.5Torr、成膜室21は、約0.2Torr程度に調整されている。これにより、量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン層7が形成される。この後、700℃で1時間程度の熱処理によりi型のアモルファスシリコン層7を多結晶化してもよい。
ここで、1×10-2Torr以上10Torr未満の雰囲気下においては、エアロゾル中にナノ粒子daを浮遊、導入させることが可能であるとともに、図10を参照しながら説明したプラズマを生成できるため、成膜条件として好適である。特に、プラズマにより反応促進させる場合、200℃以下の低温での成膜が可能となり、熱による不所望な副反応を防止することが可能となる。よって、膜性能を向上させることができる。
また、上記工程においては、原料ガスとして、SiH4を用いたが、Si26など、他のシリコン化合物ガスを用いてもよい。
また、上記工程においては、量子ドットとしてGeを用いたが、他の半導体を用いてもよい。また、量子ドットとしては、化合物半導体、例えば、PbS、CdTeなどを用いてもよい。
<電子機器>
上記光電変換装置は、各種電子機器に組み込むことができる。適用できる電子機器に制限はないがその一例について説明する。
図12は、本発明の太陽電池(光電変換装置)を適用した電卓を示す平面図、図13は、本発明の太陽電池(光電変換装置)を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
図12に示す電卓100は、本体部101と、本体部101の上面(前面)に設けられた表示部102、複数の操作ボタン103および光電変換素子設置部104とを備えている。
図12に示す構成では、光電変換素子設置部104には、光電変換素子1が5つ直列に接続されて配置されている。この光電変換素子1として上記光電変換装置を組み込むことができる。
図13に示す携帯電話機200は、本体部201と、本体部201の前面に設けられた表示部202、複数の操作ボタン203、受話口204、送話口205および光電変換素子設置部206とを備えている。
図13に示す構成では、光電変換素子設置部206が、表示部202の周囲を囲むようにして設けられ、光電変換素子1が複数、直列に接続されて配置されている。この光電変換素子1として上記光電変換装置を組み込むことができる。
なお、本発明の電子機器としては、図12に示す電卓、図13に示す携帯電話機の他、例えば、光センサー、光スイッチ、電子手帳、電子辞書、腕時計、クロック等に適用することもできる。
図14は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。この腕時計1100は、表示部1101を備え、例えば、この表示部1101の外周に、上記光電変換装置を組み込むことができる。
また、上記光電変換装置は、低コスト化、量産化に適し、家庭用又は業務用の太陽光発電システムに用いても好適である。
なお、上記実施の形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施の形態の記載に限定されるものではない。
1…基板、3…透明電極、5…p型のアモルファスシリコン層、7…i型のアモルファスシリコン層、7A…量子ドットdを含有するi型のアモルファスシリコン薄膜、7B…量子ドットdを含有しないi型のアモルファスシリコン薄膜、9…n型のアモルファスシリコン層、11…上部電極、21…成膜室、23…ステージ、25…シャワーヘッド、27…粒子生成室、29…ヒーター、100…電卓、101…本体部、102…表示部、103…操作ボタン、104…光電変換素子設置部、200…携帯電話機、201…本体部、202…表示部、203…操作ボタン、204…受話口、205…送話口、206…光電変換素子設置部、1100…腕時計、1101…表示部、d…量子ドット、da…ナノ粒子、P…プラズマ

Claims (9)

  1. 光電変換層を有する光電変換装置の製造方法であって、
    前記光電変換層の形成工程が、
    第1材料の化学気相成長雰囲気中に、第2材料のナノ粒子を導入しつつ成膜する工程を含み、
    前記光電変換層は、前記第1材料の堆積膜中に前記ナノ粒子を分散状態で含有させた堆積層として形成される光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第2材料は、前記第1材料よりバンドギャップが小さい半導体よりなる請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第1材料はアモルファスシリコン層または多結晶シリコン層を形成可能な材料であり、
    前記堆積層は、前記アモルファスシリコン層または前記多結晶シリコン層に前記ナノ粒子を含有したものである請求項2記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第2材料は、ゲルマニウムである請求項2又は3記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 更に、第1導電型半導体層の形成工程と、前記第1導電型半導体層の逆導電型である第2導電型半導体層の形成工程と、を含み、
    前記第1導電型半導体層は基板上に形成され、
    前記光電変換層は前記第1導電型半導体層上に形成され、
    前記第2導電型半導体層は前記光電変換層上に形成される、
    請求項1乃至4のいずれか一項記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記化学気相成長雰囲気は、不活性ガス雰囲気である請求項1乃至5のいずれか一項記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記化学気相成長雰囲気は、1×10-2Torr以上10Torr未満である請求項1乃至6のいずれか一項記載の光電変換装置の製造方法。
  8. 前記化学気相成長雰囲気は、200℃以下である請求項1乃至7のいずれか一項記載の光電変換装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項記載の光電変換装置の製造方法を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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