JP2010218834A - 非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池の高容量化に必要不可欠な高容量負極材料を提供するため、真比重が黒鉛よりも大きな材料を開発するものであり、重量あたりの容量密度だけでなく、真密度が黒鉛よりも高い材料を開発することにより、非水電解質二次電池の高容量化に重要な体積あたりの容量密度が高い負極材料を提供することを目的としている。
【解決手段】負極活物質を有する作用極1と対極2と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、上記負極活物質には、層状構造を有するNaFeO(0.8≦x≦1.2)が含まれていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、リチウムイオン電池或いはポリマー電池等の非水電解質二次電池に係り、特に、高容量化を達成できる非水電解質二次電池及びその製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
ここで、上記移動情報端末は、動画再生機能、ゲーム機能といった機能の充実に伴って、更に消費電力が高まる傾向にあり、その駆動電源である非水電解質二次電池には長時間再生や出力改善等を目的として、更なる高容量化や高性能化が強く望まれるところである。加えて、非水電解質二次電池は上記用途のみならず、電動工具やアシスト自転車、更にはHEV等の用途への展開も期待されおり、このような新用途に対応するためにも更なる高容量化や高性能化が強く望まれるところである。
ここで、上記非水電解質二次電池の高容量化を図るためは、負極の高容量化が必須であり、負極材料として黒鉛が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開平05−028996号公報
しかし、黒鉛の容量は344mAh/gであり、非水電解質二次電池を高容量化するには、さらに大きな容量を有した負極材料の開発が求められている。
そこで本発明は、リチウムイオン電池の高容量化に必要不可欠な高容量負極材料を提供するため、真比重が黒鉛よりも大きな材料を開発するものであり、重量あたりの容量密度だけでなく、真密度が黒鉛よりも高い材料を開発することにより、非水電解質二次電池の高容量化に重要な体積あたりの容量密度が高い負極材料を提供することを目的としている。
負極活物質を有する負極と正極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、上記負極活物質には、層状構造を有するNaFeO(0.8≦x≦1.2)が含まれていることを特徴とする。
上記構成の如く、負極活物質として層状構造を有するNaFeOを用いた場合には、NaFeOのナトリウムを引き抜くことなく、その層間に可逆性よくリチウムイオンを挿入・脱離させ、鉄の3価と0価の変化を利用することができる。これにより、大きな充放電容量が得られると考えられる。
尚、NaFeOにおけるナトリウムは充放電には関与しないため、充放電中にナトリウムが負極活物質から脱離することはない。したがって、ナトリウム含有化合物を非水電解質二次電池の負極活物質として用いても、充放電時に問題が生じることはない。
ここで、負極活物質として黒鉛を用いた場合との比較において、本発明の作用効果を説明すると、NaFeOは黒鉛と比べて、単位質量あたりの負極活物質の放電容量密度が高く、しかも真密度も大きくなっている。したがって、NaFeOは黒鉛と比べて、下記(1)式で得られる単位体積あたりの負極活物質の放電容量密度が大きくなる。この結果、電池の小型化を図りつつ電池の放電容量を増大できることになる。
単位体積あたりの負極活物質の放電容量密度
=単位質量あたりの負極活物質の放電容量密度×真密度・・・(1)
尚、一般的に、上記NaFeO(ナトリウムフェライト)は層状の化合物として知られており、NaFeOを活物質として用いる提案がなされているが、従来の提案はNaFeOを正極活物質として用いるものであり、本発明の如く負極活物質として用いるものではないということを付言しておく。
例えば、特開平8−124600やJ.AM.CHEM.SOC.2008,V130,3554等に記載されているように、NaFeOのナトリウムをリチウムにイオン交換して、正極活物質として用いることが検討されている。しかし、これらの提案では、鉄の3価と4価の変化を利用してリチウムを挿入・脱離させたものであり、その充放電容量は約130mAh/gと小さい。また、特開2001−283852号公報に示すように、酸化バナジウムとNaFeOとを混合したもの正極活物質として用いることが検討されているが、当該明細書中にて、NaFeOを単独で正極活物質として用いた電極ではほとんど充放電しないことが報告されている。
以上のように、NaFeO(このナトリウムをリチウムにイオン交換したものを含む)を正極活物質として用いたのでは、非水電解質二次電池の充放電容量を格段に向上させることはできない。
上記負極活物質はNaFeO(0.8≦x≦1.2)のみから成ることが望ましい。
負極活物質として、NaFeOの他に黒鉛等が含まれていても良いが、本発明の効果を最大限に発揮させるには、上記構成とするのが望ましい。
上記xの値が1であることが望ましい。
また、上記NaFeO(0.8≦x≦1.2)のうち少なくとも一部がβ−NaFeO型構造を有することが望ましい。
α−NaFeOとβ−NaFeOはいずれも層状構造であるが、前者の空間群はR−3mであるのに対して後者の空間群はPna21であることから、両者の結晶構造は異なり、負極活物質がα−NaFeOのみであると可逆性よくリチウムの挿入脱離が行われず、放電容量密度が小さくなることがある。したがって、負極活物質にはβ−NaFeO型構造を有するものが含まれているのが好ましい。
ナトリウム源と鉄源とを混合して混合物を作製するステップと、上記混合物を500℃〜900℃の温度範囲で焼成することによりNaFeO(0.8≦x≦1.2)を作製するステップと、NaFeO(0.8≦x≦1.2)を含む負極活物質と、導電剤と、結着剤とを用いて負極を作製するステップと、上記負極と正極とをセパレータを介して配置した発電要素を、非水電解質とともに電池外装体内に配置するステップと、を有することを特徴とする。
このような製造方法により上述した非水電解質二次電池を作製することができる。
〔その他の事項〕
(負極に関する事項)
(1)上記負極活物質の作製時に用いるナトリウム源としては、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等から成る群から選択される少なくとも1つを用いれば良く、また、鉄源としては、上記三酸化二鉄(Fe)、四酸化三鉄(Fe)、オキシ水酸化鉄(FeOOH)等から成る群から選択される少なくとも1つを用いれば良い。更に、両者の焼成温度は500℃〜900℃であることが好ましい。
(2)導電剤としては、炭素質物、金属、半導体、金属炭化物、金属化合物等を用いることができ、これらの中でも、リチウムを吸蔵・放出する材料を導電剤として用いれば、負極の容量密度が増加するので、当該材料から成る導電剤を用いるのが特に好ましい。上記炭素質物の一例としては、人造黒鉛、天然黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等が挙げられ、上記金属の一例としては、スズ、ガリウム、アルミニウム等が挙げられる。更に、上記半導体の一例としてはシリコンが挙げられ、上記金属炭化物の一例としては、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ジルコニウム等の電気伝導性を有したものが挙げられる。
(3)結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブチレンラバー(SBR)、ポリアクリルニトリル(PAN)等を用いることができる。
(正極に関する事項)
(1)正極活物質には、リチウムを吸蔵、放出可能な材料を用いるのが好ましく、例えば、一般的にリチウムイオン電池の正極として知られているリチウム含有遷移金属酸化物やリチウム含有遷移金属リン酸化合物等を用いることが望ましい。上記リチウム含有遷移金属酸化物の一例としては、LiCoO、LiNiO、LiMn等が挙げられ、上記リチウム含有遷移金属リン酸化合物の一例としては、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO等が挙げられる。
(非水電解質に関する事項)
(1)本発明で用いる非水電解質の溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類等が挙げられる。上記環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが挙げられ、また、これらの水素の一部または全部をフッ素化されているものも用いることが可能で、このようなものとしては、トリフルオロプロピレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネートなどが例示される。上記鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが挙げられ、これらの水素の一部または全部をフッ素化されているものも用いることが可能である。上記エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。上記環状エーテル類としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテルなどが挙げられる。上記鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルなどが挙げられる。上記ニトリル類としては、アセトニトリル等、上記アミド類としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。そして、これらの中から選択される少なくとも1種を用いることができる。
(2)非水溶媒に加えるリチウム塩としては、従来の非水電解質二次電池において電解質として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(C2l+1SO)(C2m+1SO)(l、mは1以上の整数)、LiC(C2p+1SO)(CF2q+1SO)(C2r+1SO)(p、q、rは1以上の整数)、Li[B(C](ビス(オキサレート)ホウ酸リチウム(LiBOB))、Li[B(C)F]、Li[P(C)F]、Li[P(C]等が挙げられ、これらのリチウム塩は一種類で使用してもよく、また二種類以上組み合わせて使用してもよい。
(その他の電池の構成部材に関する事項)
(1)本発明に係わる非水電解質電池は、正極活物質、負極活物質、非水電解質の他にセパレータ、電池ケース、および活物質を保持すると共に集電を担う集電体などの電池構成部材を有して構成される。そして、上記した正極活物質、電解質以外の構成要素については特段の制限はなく、公知の種々の部材を選択的に使用すればよい。
本発明によれば、重量あたりの容量密度だけでなく、真密度が黒鉛よりも高い材料を用いることにより、負極における体積あたりの容量密度の向上を図り、これによって、非水電解質二次電池の高容量化を図ることができるといった優れた効果を奏する。
本発明を実施するための形態に係る試験セルの断面図である。 本発明セルA1に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 本発明セルA2に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 本発明セルA3に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 本発明セルA4に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 本発明セルA5に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 比較セルX2に用いた負極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 比較セルX3に用いた負極活物質のイオン交換前後におけるXRD測定結果を示すグラフである。 本発明セルA1における充放電特性を示すグラフである。 本発明セルA2における充放電特性を示すグラフである。 本発明セルA3における充放電特性を示すグラフである。 本発明セルA4における充放電特性を示すグラフである。 本発明セルA5における充放電特性を示すグラフである。 比較セルX1における充放電特性を示すグラフである。 比較セルX2における充放電特性を示すグラフである。 比較セルX3における充放電特性を示すグラフである。
以下、この発明に係る非水電解質二次電池を、図1に基づいて説明する。なお、この発明における非水電解質二次電池は、下記の形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
〔作用極の作製〕
先ず、NaCOとFeとを1:1のモル比で混合しペレットにしたものを900℃で12時間、大気中で焼成することにより、負極活物質であるNaFeOを合成した。次に、このNaFeOを70質量%と、導電剤である人造黒鉛を25質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を5質量%とを混合して負極活物質スラリーを作製した後、この負極活物質スラリーを厚さ10μmの銅箔上にドクターブレード法により塗布することにより、電極板を作製した。次いで、この電極板を2cm×2cmのサイズに切り取り、更に、105℃で2時間真空乾燥させることにより作用極(負極)1を作製した。
〔対極と参照極との作製〕
リチウム金属板を所定のサイズに切り取り、これにタブ付けすることにより、対極(正極)2と参照極4とを作製した。
〔非水電解質の調製〕
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の体積比で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの割合で溶解させることにより非水電解質を調製した。
〔試験セルの作製〕
不活性雰囲気下において、ラミネートフィルムから成る試験セル容器5内に、対極2、セパレータ3、作用極1、セパレータ3、及び参照極4を配置した後、試験セル容器5内に上記非水電解質を注液することにより、図1に示す試験セルを作製した。尚、リード6の一部が試験セル容器5から突出している。
(実施例1)
上記発明を実施するための形態と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、本発明セルA1と称する。
ここで、上記本発明セルA1に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図2に示す。図2から明らかなように、本発明セルA1に用いた負極活物質はβ−NaFeOと同一の角度にピークを有することから、当該負極活物質はβ−NaFeOであることがわかった。
(実施例2)
負極活物質を作製する際の焼成温度を700℃とした他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、本発明セルA2と称する。
ここで、上記本発明セルA2に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図3に示す。図3から明らかなように、本発明セルA2に用いた負極活物質はα−NaFeOとβ−NaFeOとのピークを共に含んでいるため、これらが混在したNaFeOであることがわかった。また、ピーク強度比〔α−NaFeOのメインピーク(約18°におけるピーク)とβ−NaFeOのメインピーク(約34°におけるピーク)〕を比較すると、β−NaFeOのメインピークの方が高いということから、本発明セルA2の負極活物質においては、α−NaFeOよりβ−NaFeOの割合が多いと考えられる。
(実施例3)
NaCOとFeとを3:2のモル比で混合しペレットにしたものを、700℃で12時間、大気中で焼成することにより負極活物質であるNaFeOを合成した他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、本発明セルA3と称する。
ここで、上記本発明セルA3に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図4に示す。図4から明らかなように、本発明セルA3に用いた負極活物質はα−NaFeOとβ−NaFeOとのピークを共に含んでいるため、これらが混在したNaFeOであることがわかった。また、ピーク強度比〔上記実施例2と同様〕を比較すると、上記本発明セルA2の負極活物質と比べてα−NaFeOのメインピークが相対的に高くなっているため、本発明セルA3の負極活物質においては、本発明セルA2の負極活物質と比べて、α−NaFeOの含まれる割合が多くなっていると考えられる。
(実施例4)
NaOHとFeOOHとを1:1のモル比で混合しペレットにしたものを350℃で20時間、大気中で焼成した後、再度、混練しペレットにしたものを500℃で20時間、大気中で焼成することにより負極活物質であるNaFeOを合成した他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、本発明セルA4と称する。
ここで、上記本発明セルA3に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図5に示す。図5から明らかなように、本発明セルA4に用いた負極活物質はα−NaFeOとβ−NaFeOとのピークを共に含んでいるため、これらが混在したNaFeOであることがわかった。また、ピーク強度比〔上記実施例2と同様〕を比較すると、α−NaFeOとβ−NaFeOとの割合は上記本発明セルA2と上記本発明セルA3との間にあると考えられる。
(実施例5)
FeOOHをFeに変えた他は、上記実施例4と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、本発明セルA5と称する。
ここで、上記本発明セルA5に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図6に示す。図6から明らかなように、本発明セルA5に用いた負極活物質はα−NaFeOと同一の角度にピークを有することから、当該負極活物質はα−NaFeOであることがわかった。
(比較例1)
比較例1においては、上記実施例1と同様にして合成したNaFeOを、正極活物質として用いた点が実施例1と大きく異なる。具体的なセルの製造は、以下のようにして行った。
〔作用極の作製〕
先ず、合成したNaFeOを70質量%、導電剤である人造黒鉛を25質量%、結着剤であるPVdFを5質量%となるように混合して正極活物質スラリーを作製した後、厚さ15μmのアルミ箔上にドクターブレード法により塗布することにより、電極板を作製した。次いで、この電極板を2cm×2cmのサイズに切り取り、更に、105℃で2時間真空乾燥させることにより作用極(正極)を作製した。
〔対極と参照極との作製〕
リチウム金属板を所定のサイズに切り取り、これにタブ付けすることにより、対極(負極)と参照極とを作製した。
〔非水電解質の調製〕
上記実施例1と同様にして非水電解質を調製した。
〔試験セルの作製〕
上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、比較セルX1と称する。
(比較例2)
LiCOとFeとを1:1のモル比で混合しペレットにしたものを900℃で12時間、大気中で焼成することにより負極活物質であるLiFeOを合成した他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、比較セルX2と称する。
ここで、上記比較セルX2に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図7に示す。図7から明らかなように、比較セルX2に用いた負極活物質はLiFeOと同一の角度にピークを有することから、当該負極活物質はLiFeOであることがわかった。
(比較例3)
実施例1と同じ結晶構造を有するLiFeOの合成し、これを負極活物質として用いる他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。具体的な負極活物質の合成は、先ず、実施例1の方法でNaFeOを合成した後、合成したNaFeO10gにLiNO:LiCl=88:12の割合で混合したものを50g加えて混合し、280℃で10時間保持することにより、ナトリウムをリチウムにイオン交換し、LiFeOを合成するというものである。
このようにして作製した試験セルを、以下、比較セルX3と称する。
ここで、上記比較セルX2に用いた負極活物質のXRD測定(線源はCuKα、測定範囲2θ=10°〜80°)を行なったので、そのXRDパターンを図8に示す。図8から明らかなように、イオン交換後のものはJ.AM.CHEM.SOC.2008,V130,3554のBruceらが報告しているように、各々のピークがシフトしていることが確認でき、結晶構造を保持したままナトリウムがリチウムにイオン交換されたものと考えられる。
(比較例4)
負極活物質として黒鉛を用いる他は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
このようにして作製した試験セルを、以下、比較セルX4と称する。
(実験)
上記本発明セルA1〜A5及び比較セルX1〜X3の充放電特性(充放電容量密度)を調べたので、それらの結果を、それぞれ図9〜図16及び表1に示す(図9は本発明セルA1、図10は本発明セルA2、図11は本発明セルA3、図12は本発明セルA4、図13は本発明セルA5、図14は比較セルX1、図15は比較セルX2、図16は比較セルX3のグラフである)。尚、上記充放電容量密度はセルの充放電容量を合剤(活物質+導電剤+結着剤)の重さで除したものとした。また、黒鉛を除いた活物質1gあたりの放電容量密度と真密度とを調べ、これらの値から前記(1)式を用いて、黒鉛を除いた活物質1cmあたりの放電容量密度を算出したので、それらの結果を、表1に併せて示す。
ここで、比較セルX1を除くセルの充放電条件は、0.125mA/cm(0.05It相当)の電流で充電電位0V(vsLi/Li)まで充電した後、0.125mA/cm(0.05It相当)の電流で放電電位2.0V(vsLi/Li)まで放電するという条件である。また、比較セルX1の充放電条件は、0.125mA/cm(0.1It相当)の電流で充電電位4.5V(vsLi/Li)まで充電した後、0.125mA/cm(0.1It相当)の電流で放電電位2.0V(vsLi/Li)まで放電するという条件である。尚、比較セルX1の充放電条件のみ異なるのは、比較セルX1を除くセルでは負極活物質の充放電容量密度を調べるのに対して、比較セルX1では正極活物質の充放電容量密度を調べるからである。
Figure 2010218834
図9〜図13及び表1から明らかなように、本発明セルA1〜A5では充電容量密度は768mAh/g〜896mAh/g、放電容量密度は348mAh/g〜553mAh/gであり、負極活物質が黒鉛から成る比較セルX4(放電容量密度は344mAh/g)よりも高い放電容量密度が得られた。一方、図14〜図16及び表1から明らかなように、比較セルX1〜X3では充電容量密度は10mAh/g〜761mAh/g、放電容量密度は8mAh/g〜186mAh/gであり、負極活物質が黒鉛から成る比較セルX4よりも低い放電容量密度となっていることが認められる。以上のことから、負極活物質には、層状構造を有するNaFeOが含まれていることが望ましいことがわかる。
ここで、比較セルX1で、わずかに充放電容量が得られたのは、充電時において導電剤として用いている黒鉛にアニオンがドープされたためであると考えられ、2V〜4.5V(vs.Li/Li)の電位範囲ではナトリウムはNaFeOから脱離していないと考えられる。このことから、本発明材料A1〜A5における充放電特性を考える上で、0V(vs.Li/Li)までの充電反応ではNaFeOにリチウムが挿入され、2V(vs.Li/Li)までの放電反応では充電で挿入されたリチウムだけが脱離し、ナトリウムは本発明の電池系においては活物質として働いていないと解するのが妥当である。
また、比較セルX2の放電容量密度が本発明セルA1〜A5と比べて、大幅に低くなっているのは、負極活物質としてのLiFeOが層状化合物でないため、リチウムが可逆性よく挿入脱離しなかったためであると考えられる。
更に、比較セルX3では負極活物質は層状構造を有しているが、ナトリウムがリチウムにイオン交換されているため、本発明セルA1〜A5と比べて、放電容量密度が大幅に低下することがわかった。このことから、ナトリウムは直接充放電には関与しないが、大きな放電容量密度を得るのに重要な元素であると考えられる。
加えて、本発明セルA5は本発明セルA1〜A4よりも放電容量密度が低下していることが認められる。これは、以下に示す理由によるものと考えられる。負極活物質であるα−NaFeOとβ−NaFeOとはいずれも層状構造であるが、空間群はR−3mとPna21とであり、それぞれ異なっている。したがって、両者の結晶構造が異なることに起因して、α−NaFeOのみを負極活物質として用いた本発明セルA5では、可逆性よくリチウムの挿入脱離が行われず、放電容量密度が低くなったものと考えられる。但し、本発明セルA2〜A4はα−NaFeOとβ−NaFeOとが混合したものであって、α−NaFeOとβ−NaFeOとの混合比率が異なっている。このように、両者の混合比率が異なるにも関わらず、本発明セルA2〜A4において放電容量密度に大きな差異は認められないことから、β−NaFeOがわずかでも含まれていると、α−NaFeOへのリチウムの挿入脱離が可逆性よく行われるようになっていると考えられる。
また、表1から明らかなように、本発明セルA1〜A5では、黒鉛を除いた活物質1gあたりの放電容量密度が369mAh/g、真密度が3.83g/cmであり、黒鉛(活物質1gあたりの放電容量密度が362mAh/g、真密度が2.25g/cm)より高くなっていることが認められる。このことから、本発明セルA1〜A5では、黒鉛を除いた活物質1cmあたりの放電容量密度が1412〜2533mAh/cmであり、黒鉛(活物質1cmあたりの放電容量密度が814mAh/cm)より高くなっている。
これに対し、比較セルX1、X2では、真密度は4.14g/cmであり、黒鉛より高くなっているが、黒鉛を除いた活物質1gあたりの放電容量密度が33〜137mAh/gであって黒鉛よりも大幅に低くなっていることが認められる。このことから、比較セルX1、X2では、黒鉛を除いた活物質1cmあたりの放電容量密度が136〜567mAh/cmであり、黒鉛より低くなっている。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源等に適用することができる。
1:作用極
2:対極
3:セパレータ
4:参照極
5:試験セル
6:リード

Claims (5)

  1. 負極活物質を有する負極と正極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
    上記負極活物質には、層状構造を有するNaFeO(0.8≦x≦1.2)が含まれていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記負極活物質は、NaFeO(0.8≦x≦1.2)のみから成る、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記xの値が1である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記NaFeO(0.8≦x≦1.2)のうち少なくとも一部がβ−NaFeO型構造を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. ナトリウム源と鉄源とを混合して、混合物を作製するステップと、
    上記混合物を500℃〜900℃の温度範囲で焼成することによりNaFeO(0.8≦x≦1.2)を作製するステップと、
    NaFeO(0.8≦x≦1.2)を含む負極活物質と、導電剤と、結着剤とを用いて負極を作製するステップと、
    上記負極と正極とをセパレータを介して配置した発電要素を、非水電解質とともに電池外装体内に配置するステップと、
    を有することを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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