JP2010215414A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体の提供。
【解決手段】 ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の表面の顕微鏡観察による気孔径の平均をY(単位:μm)としたとき、式(X+0.07≦Y≦X+0.27)、及び式(0.15≦X≦0.35)を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
自動車排ガスの浄化に関しては、多くの技術が開発されているが、交通量の増大もあって、まだ十分な排ガス対策がとられているとは言い難い。日本国内においても、世界的にも自動車排ガス規制は、さらに強化されていく方向にある。その中でも、ディーゼル排ガス中のNOx規制については、非常に厳しくなってきている。従来は、エンジンの燃焼システムの制御によってNOx低減を図ってきたが、それだけでは対応しきれなくなってきた。このような課題に対応するディーゼルNOx浄化システムとして、アンモニアを還元剤として用いNOxを還元するNOx還元システム(SCRシステムと呼ばれている。)が提案されている。
このようなシステムに用いられる触媒担体として、ハニカム構造体が知られている。特許文献1に開示されているハニカム構造体は、γアルミナ、セリア、ジルコニア、ゼオライトなどと、無機繊維と無機バインダとを混合して、ハニカム形状に成形して焼成したハニカムユニットからなるハニカム構造体が開示されている。
特許文献2には、セルの貫通孔の相当直径が1.5〜5mm、セル壁の肉厚が0.3〜0.9mmであり、細孔容積に占める特定の細孔範囲の細孔容積が40%以上であるハニカム(型)触媒を用いて、ディーゼルエンジン排ガス中のNOxをアンモニアにより還元するNOx浄化方法が開示されている。このハニカム(型)触媒は、強度とNOx浄化性能が十分に発揮できるとされている。
国際公開第2005/063653号パンフレット 特許第2675321号公報
特許文献1に開示されているようなハニカム構造体において、主原料としてゼオライトを用いて成形、焼成してハニカムユニットを作製した場合、特にゼオライトを増加させるとハニカムユニットの強度が十分に保てなくなることがある。この為、このハニカムユニットから作製したハニカム構造体は、SCRシステムにおいて、自動車排ガス用のNOx浄化触媒としての機能を維持することができない場合があるという問題があった。
特許文献2に開示されているようなハニカム触媒においては、ハニカムのセル壁の厚さを0.3mm以上と厚めにして強度を保持している。しかし、セル壁を厚くすると、排ガスがセル壁の内部にまで十分に浸透し難くなり、排ガス浄化反応において、セル壁表面のみで反応が起こり、セル壁全体が有効に利用できない場合がある。このため、同じ自動車排ガスに対して、所望の浄化性能を得ようと思えば、有効に利用される触媒領域を増やすためはハニカム触媒を大きくする必要が生じてしまい、軽量化、小型化を要求される自動車排ガス用のNOx浄化触媒に使用するには課題があった。
本発明においては、上述の問題点に鑑み、自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体を提供することを目的としている。
本発明の課題を解決するための手段を以下に記す。
本発明は、ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の表面の顕微鏡観察による気孔径の平均をY(単位:μm)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
X+0.07≦Y≦X+0.27・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とするハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、270g/L以下であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記セル壁の気孔率は、25〜40%であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットの開口率が、50〜65%であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、又はゼオライトLのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、又はVのうち少なくともいずれかひとつでイオン交換されていることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットが、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、ムライト粒子、及びこれらの前駆体のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記無機バインダが、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトゾル、及びアタパルジャイトゾルのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットが、無機繊維含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、前記無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、及びホウ酸アルミニウム繊維のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
好ましい本発明は、複数の前記ハニカムユニットが、接着材を介して結合されていることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
本発明によれば、自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体を提供することができる。
本発明のハニカム構造体の斜視図であり、(a)は複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体であり、(b)は一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体である。 図1(a)のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの斜視図である。 実施例及び比較例におけるハニカムユニットのセル壁の厚さと気孔径の関係を表すグラフである。
本発明のハニカム構造体は、ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の表面の顕微鏡観察による気孔径の平均Y(単位:μm)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
X+0.07≦Y≦X+0.27・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とする。
本発明のハニカム構造体は、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状の焼成体であるハニカムユニットを、ひとつ又は複数備えている。本発明のハニカム構造体の一例を図1(a)の斜視図に示す。図1(a)に示したハニカム構造体1は、複数のハニカムユニット2が接着材5により結合されて配置されている。それぞれのハニカムユニット2は、セル3がハニカムユニットの長手方向に平行に配列されるように形成されている。なお、ハニカム構造体1の側面(セル3の貫通孔と平行な面)は、強度を保つためコーティング材層6で覆われていることが好ましい。ハニカム構造体1を構成するハニカムユニット2は、図2の斜視図に例示するうに、長手方向に伸びる複数のセル3を有し、セル3同士を区画するセル壁4がハニカムユニット2を構成している。
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が、230g/L以上であることが好ましく、270g/L以下であることがさらに好ましく、245〜270g/Lであることが特に好ましい。ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が、230g/L未満では、NOx浄化性能が低下する。また、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が270g/Lを超えると、ハニカムユニットの強度、ひいてはハニカム構造体の強度が保てなくなることがある。
本発明者らは、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライトの含有量と、ハニカムユニットのセル壁の厚さと、ハニカムユニットのセル壁表面の気孔径が、ハニカム構造体の基本単位であるハニカムユニットの強度と触媒性能に及ぼす影響を検討した。ハニカムユニットの強度の向上には、ゼオライトの含有量を低下させ、セル壁を緻密にし、厚くすればよいと考えられる。一方で、浄化性能の向上には、ゼオライトの含有量を増加する必要がある。また、小型、軽量なハニカムユニットとするためには、セル壁表面部だけでなく、セル壁全体を効率よく利用できるよう、セル壁を薄くしたり、セル壁に排ガスが侵入しやすいように気孔径を大きくしたりすることが求められる。本発明者らは、上述のパラメータの関係を定量的に検討し、下記のような条件式を満たすハニカム構造体が、ディーゼル排ガス中のNOx浄化用の車載用触媒として好適であるを見いだした。
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、セル壁の厚さをX(単位:mm)、セル壁の表面の顕微鏡観察による気孔径の平均をY(単位:μm)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
X+0.07≦Y≦X+0.27・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴としている。ハニカムユニットのセル壁表面の顕微鏡観察による気孔径の平均を平均気孔径という。
ハニカムユニットのセル壁表面平均気孔径Yは、定性的には、大きくすることで排ガスの侵入が容易となり触媒の利用効率を向上でき、小さくすることでハニカム構造体の強度向上に寄与できる。ハニカムユニットの強度及びNOx浄化率の定量的な検討の結果、上記の式(1)を満足する必要があることが分かった。ハニカムユニットのセル壁表面の平均気孔径Yが、式(1)における上限を超えると、NOx浄化率が低下する。これは、ハニカムユニットのセル壁表面の平均気孔径Yを大きくしすぎると、ハニカムユニットの強度維持の観点から気孔数を減らす必要があり、結果としてセル壁の内部に排ガスが浸透しにくくなり、NOx浄化率の低下をきたしていると考えられる。また、ハニカムユニットのセル壁表面の平均気孔径Yが、式(1)における下限未満でも、NOx浄化率が低下する。これは、ハニカムユニットのセル壁表面の平均気孔径Yが小さすぎると、排ガスが気孔中を十分に侵入していくことができないため、NOx浄化率の低下をきたしていると考えられる。
ハニカムユニットのセル壁表面の平均気孔径Yは、セル壁表面を反射型電子顕微鏡(SEM)、又は光学顕微鏡で観察し、一定領域(例えば、5mm角の正方形領域)の画像中の気孔を画像処理により電子情報として取り込み、平均気孔径を求めればよい。
ここで、気孔径を測定する気孔としては、直径0.05μm程度以上の所謂マクロ孔と呼ばれる気孔を対象としている。この為、顕微鏡の倍率は、500〜5000倍で観察すればよい。1000〜3000倍がより望ましく、特に2000倍の反射型電子顕微鏡(SEM)観察により平均気孔径Yを求めることがことが好ましい。
ハニカムユニットのセル壁の厚さXは、0.15mm〜0.35mmが好ましく、0.15mm〜0.27mmがさらに好ましい。セル壁の厚さXが0.15mm未満であると、ハニカムユニットの強度が保てなくなる恐れがある。また、セル壁の厚さXが0.35mmを超えると、セル壁の内部にまで排ガスが浸透し難くなる場合があり、NOx浄化が低下することがある。車載用ハニカム触媒として使用する場合に、浄化性能が下がった分だけ、ハニカム構造体を大きくする必要がある。
なお、ハニカムユニットのセル壁の厚さXが0.15mm〜0.35mmの範囲で比較的薄ければ、排ガスが浸透する距離が短くてよいので、平均気孔径Yが多少小さくてもよい。また、セル壁の厚さXが0.15mm〜0.35mmの範囲で比較的厚い場合は、ハニカムユニットの強度が保ちやすいので、平均気孔径Yを多少大きくしても気孔数を減らす必要がなく、結果としてNOx浄化性能を高くすることができる。すなわち、本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、図3に示す右上がりの平行四辺形に囲まれた領域内にあるときに、十分な強度と好適なNOx浄化性能が得られることが分かる。
以下に、具体的な本発明のハニカム構造体について説明する。
(ハニカムユニット)
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、図2に示すように、平行な貫通孔であるセル3を多数有した、所謂ハニカム構造をしている。ハニカムユニット中の個々のセル3の断面形状は、特に限定されるものではない。図2には、正方形のセル3の断面形状を有する例を示したが、セル3の断面形状を略三角形や略六角形、略円形、又は略四角形と略八角形の組合せなどとしてもよい。
ハニカムユニットのセル壁の気孔率は、25〜40%とすることが好ましい。上述のように平均気孔径Yがある程度大きくても、気孔の量が極端に少なければ、排ガスはセル壁の奥に浸透し難くなる。定量的な検討では、気孔率は25%未満になると、排ガスが十分セル壁の奥に浸透し難くなり、NOx浄化率が不十分になることがある。また、気孔率が40%を超えると、セル壁の強度が低下することがある。
ハニカムユニットのセルの長手方向(貫通孔に平行な方向)に垂直な断面(多数のセルが開口している面)における開口部の面積比率である開口率は、50〜65%とすることが好ましい。ハニカムユニットの開口率は、浄化用排ガスの圧力損失を大きくしないことから50%以上が好ましく、浄化作用を発揮するセル壁の量の確保の点から65%以下とすることが好ましい。
ハニカムユニットは、ゼオライトと、無機バインダとを含んでおり、さらにゼオライト以外の無機粒子や無機繊維を含んでいてもよい。
(ゼオライト)
本発明におけるハニカムユニット中のゼオライトは、ゼオライト粒子が無機バインダにより結合されている。ゼオライトとしては、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、及びゼオライトL等が挙げられる。これらのゼオライトは、1種類でも複数種類でも使用できる。
ゼオライトとしては、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることが好ましい。
また、上述のゼオライトをイオン交換した、イオン交換ゼオライトを含んでいることが好ましい。イオン交換ゼオライトは、あらかじめイオン交換されたゼオライトを使用してハニカムユニットを形成してもよく、ハニカムユニットを形成した後にゼオライトをイオン交換してもよい。イオン交換ゼオライトとしては、例えば、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、及びVのうち少なくとも1つの金属種でイオン交換されたゼオライトが好ましく用いられる。これらのイオン交換ゼオライトは、金属種を1種類でも複数種類でも使用してよい。
ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライトの含有量は、230〜270g/Lであることが好ましい。別の面から見れば、ハニカムユニット中におけるゼオライトの含有率(組成比率)が、60〜80質量%であることが好ましい。ゼオライトは、NOx浄化に寄与するので、ハニカムユニット中の含有量が多い方が好ましい。しかし、ゼオライト含有量のみを増加させると、他の構成物質(例えば無機繊維や無機バインダ)の含有量を減らさねばならず、ハニカムユニットの強度が低下する。また、ゼオライトの含有量を増やすために開口率を小さくしすぎれば、NOx浄化反応において排ガスの流通抵抗が大きくなりすぎることがある。
ゼオライトは、二次粒子を含み、ゼオライトの二次粒子の平均粒子径は、0.5〜10μmであることが好ましい。なお、二次粒子の平均粒子径は、ハニカムユニットとして焼成する前の、二次粒子を形成している粒子状の原料であるゼオライト粒子を用いて測定すればよい。
(無機バインダ)
ハニカムユニット中には、無機バインダ中の水分等が蒸散して固形分のみが残っているが、ハニカムユニット中の無機バインダと言うときは、この無機バインダ中の固形分のことを言う。原料段階の無機バインダとしては、例えば無機ゾルや粘土系バインダなどが挙げられる。このうち、無機ゾルとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、セピオライトゾル、アタパルジャイトゾル及び水ガラスなどが挙げられる。粘土系バインダとしては、例えば白土、カオリン、モンモリロナイト、複鎖構造型粘土(セピオライト、アタパルジャイト)などが挙げられる。これらの無機ゾルや粘土系バインダは、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ハニカムユニット中の無機バインダの量は、固形分として、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。無機バインダの固形分としての含有量が5〜30質量%の範囲を外れると、ハニカムユニット形成時の成型性が悪くなることがある。
(無機繊維)
本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニット中に無機繊維を含んでいてもよい。ハニカムユニットに含まれる無機繊維としては、特に限定されるものではないが、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維及びホウ酸アルミニウム繊維から選ばれる1種又は2種以上の無機繊維が挙げられる。これらの無機繊維は、原料段階でゼオライトや無機バインダと混合して、ハニカムユニットを成形、焼成すればよい。無機繊維は、ハニカムユニットの強度を向上に寄与する。なお、無機繊維としては、長繊維だけでなく、ウィスカのような短繊維であってもよい。
無機繊維は、大きなアスペクト比(繊維長/繊維径)をもつ無機材料であり、曲げ強度向上に特に有効である。無機繊維のアスペクト比は、2〜1000であることが好ましく、5〜800であることがより好ましく、10〜500であることが特に好ましい。無機繊維のアスペクト比が2未満では、ハニカムユニットの強度向上の寄与が小さく、1000を超えるとハニカムユニットの成型時に成型用金型に目詰まりなどを起こしやすくなり成型性が悪くなることがある。また、ハニカムユニットの押出成形などの成型時に無機繊維が折れ、長さにばらつきが生じハニカムユニットの強度が低下してしまうことがある。ここで、無機繊維のアスペクト比に分布があるときには、その平均値として表現している。
ハニカムユニットに含まれる無機繊維の含有量は、3〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。無機繊維の含有量が3質量%未満ではハニカムユニットの強度向上への寄与が小さく、50質量%を超えるとNOxの浄化作用に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体のNOx浄化性能が悪くなる。
(無機粒子)
本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニットはゼオライト粒子以外の無機粒子を含んでいてもよい。ゼオライト粒子以外の無機粒子は、ハニカムユニットの強度向上の機能を有している。本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、及びこれらの前駆体を挙げることができ、アルミナ又はジルコニアが望ましく、γアルミナやベーマイトが好適に用いられる。なお、これらのゼオライト粒子以外の無機粒子は、1種又は2種以上を含んでもよい。
本発明のハニカム構造体における無機粒子は、焼成前の原料無機粒子の段階では水酸基が存在しており、工業的に利用できる大多数の無機化合物粒子がそうであるように、本発明のハニカム構造体のハニカムユニットにおける焼成前の原料のゼオライト粒子以外の無機粒子にも、原料ゼオライト粒子にも水酸基が存在している。これらの水酸基は、ハニカムユニットとして焼成する際に脱水縮合反応を起こして、粒子間の結合を強化する作用を持っている。特に、アルミナ粒子をはじめとする原料無機粒子は、焼成時の脱水縮合反応により強固に結合する。
本発明のハニカム構造体のハニカムユニットにおいて、原料として使用するゼオライト粒子以外の無機粒子は二次粒子の平均粒子径がゼオライトの二次粒子の平均粒子径以下であることが好ましい。特に、ゼオライト粒子以外の無機粒子の平均粒子径は、ゼオライトの平均粒子径の1/10〜1/1であることが好ましい。このようにすると、平均粒径が小さな無機粒子の結合力によってハニカムユニットの強度が向上する。
ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子の含有量は、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子の含有量が3質量%未満では、強度向上の寄与が小さくなる。ハニカムユニットに含まれる無機粒子の含有量が30質量%を超えると、NOx浄化に寄与するゼオライトの含有量が相対的に少なくなるため、NOx浄化性能が悪くなる。
(触媒成分)
本発明のハニカム構造体のハニカムユニットのセル壁には、触媒成分をさらに担持してもよい。触媒成分としては、特に限定されるものではないが、貴金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などであってもよい。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、アルカリ金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウムなどから選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられ、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、バリウムなどの化合物が挙げられる。
(ハニカムユニットの製造)
上述した本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットの製造方法の一例について説明する。まず、上述したゼオライト及び無機バインダを主成分として含む原料ペーストを作製して、これを押出成形等によりハニカムユニット成形体とする。原料ペーストには、これらのほかに、上述の無機繊維、無機粒子、有機バインダ、造孔材、分散媒及び成形助剤などを適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂などから選ばれる1種又は2種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、原料全体の固形分の合計100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。造孔材としては、アクリル酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂粉末が使用できる。有機バインダや造孔材は、押出成形性やハニカムユニットの平均気孔径Yや気孔率の調整に重要であり、所望の平均気孔径Yや気孔率に対応して造孔材の大きさや量を調整するとよい。分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(トルエンなど)及びアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸及びポリアルコールなどを挙げることができる。
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合・混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによって所定のセル密度や開口率を有する形状に成形することが好ましい。
次に、得られたハニカムユニット成形体を乾燥する。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機及び凍結乾燥機などが挙げられる。乾燥した成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、400℃で2時間程度脱脂することが好ましい。更に、乾燥、脱脂されたハニカムユニット成形体は焼成される。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃で2時間程度が好ましく、600〜1000℃で2時間程度がより好ましい。焼成温度が600℃未満では焼結が進行せず、ハニカムユニットとしての強度が上がらないことがある。焼成温度が1200℃を超えると、ゼオライト結晶が崩壊したり、焼結が進行しすぎて、適度な気孔率を有する多孔質なハニカムユニットが作製できなることがある。
(ハニカム構造体)
本発明のハニカム構造体は、ハニカムユニットを、ひとつ又は複数備えている。複数のハニカムユニットを備えたハニカム構造体は、それぞれのハニカムユニット中のセルの貫通孔が同じ方向を向くように積み重ねて配置されている。本発明のハニカム構造体の例を図1(a),1(b)の斜視図に示す。図1(a)に示したハニカム構造体1は、複数のハニカムユニット2が接着材5により結合されて配置されている。それぞれのハニカムユニット2は、セル3が平行に配列されるように形成されている。図1(b)に示したハニカム構造体1は、1つのハニカムユニット2から構成されている例である。このように、ハニカム構造体1は、一つのハニカムユニット2から構成されていてもよいし、複数のハニカムユニット2から構成されていてもよい。なお、ハニカム構造体1の側面(セルの長手方向に平行な面。単に側面ともいう。以下同じ。)は、強度を保つためコーティング材層6で覆われていることが好ましい。
図1(a)、1(b)に示したハニカム構造体は、断面が円形をしているが、本発明のハニカム構造体において、断面が正方形や長方形や六角形や扇型などであってもよい。ハニカム構造体の断面は、使用形態に合わせて決定すればよいが、長手方向に対しては、同じ断面積とすることが好ましい。また、ハニカム構造体の外周は、切削加工されていてもよいし、されていなくてもよい。
(ハニカム構造体の製造)
第1に、図1(a)に示すような、複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法について説明する。上記のようにして得られたハニカムユニットの側面に、接着材を塗布して順次結合する。結合したハニカムユニットの接合体を乾燥し、固化させて、所定の大きさのハニカムユニット接合体を作製する。ハニカムユニット接合体の側面を切削加工して所望の形とする。
接着材としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機バインダに無機粒子を混ぜたものや、無機バインダに無機繊維を混ぜたものや、無機バインダに無機粒子及び無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらの接着材に有機バインダを加えたものとしてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種又は2種以上の有機バインダが挙げられる。
複数のハニカムユニットを接合させる接着材層の厚さは、0.5〜2.0mmが好ましい。接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜決めればよい。また、ハニカムユニットを接着材によって接合したハニカム接合体はハニカム構造体の形状にあわせて、適宜切削・研磨などをしてもよい。
ハニカム構造体の貫通孔が開口していない外周面(側面)にコーティング材を塗布して乾燥固化して、コーティング材層を形成する。こうすれば、ハニカム構造体の外周面を保護して強度を高めることができる。コーティング材は、特に限定されなく、接着材と同じ材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。また、コーティング材は、接着材と同じ配合比としてもよく、異なる配合比としてもよい。コーティング材層の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0mmであることが好ましい。コーティング材層は形成されていてもよく、形成されていなくてもよい。
複数のハニカムユニットを接着材によって接合した後に、加熱処理することが好ましい。コーティング材層を設けた場合は、接着材層及びコーティング材層を形成した後に、脱脂することが好ましい。脱脂により、接着材層やコーティング材層に有機バインダが含まれている場合などには、有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜決めてもよいが、おおよそ700℃で2時間程度が好ましい。
ハニカム構造体の一例として、貫通孔の長手方向に垂直な断面が正方形で直方体のハニカムユニット2を複数接合させ、外形を円柱状としたハニカム構造体1の概念図を図1(a)に示す。このハニカム構造体1は、接着材5により複数のハニカムユニット2を結合し、外周部を円柱状に切削したのちにコーティング材によってコーティング材層6を形成した。なお、例えば、断面が扇形の形状や断面が正方形の形状にハニカムユニット2を製作し、これらを接合して所定のハニカム構造体の形状になるようにして、切削・研磨工程を省略してもよい。
第2に、図1(b)に示すような、一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法について説明する。図1(b)のハニカム構造体は一つのハニカムユニットから構成されている以外は、図1(a)と同様に作製することができる。上述の複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法で説明したと同様にして、必要に応じてハニカムユニットの側面を切削・研磨等により円柱状に形成し、その外周部に上述と同じ接着材でコーティング材層を形成し、脱脂する。このようにして、図1(b)に示すような一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体が作製できる。
[実施例]
以下には、種々の条件で作製したハニカム構造体の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されることはない。
(実施例1)
(ハニカムユニットの作製)
Feゼオライト粒子(3質量%Feイオン交換β型ゼオライト、シリカ/アルミナ比40、比表面積110m/g、平均粒径2μm(平均粒径は二次粒子の平均粒径である。以下同じ))2250質量部、アルミナ繊維(平均繊維径6μm、平均繊維長100μm)980質量部、アルミナゾル(固体濃度20質量%)2600質量部、有機バインダとしてメチルセルロース410質量部、造孔材としてアクリル樹脂粉末(平均粒径0.75μm)200質量部を添加し混合した。さらに、可塑剤、界面活性剤及び潤滑剤を少量添加し、水を加えて粘度を調整しながら混合・混練して成形用混合組成物を得た。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形し生のハニカム成形体を得た。
得られた生のハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて十分乾燥させ、400℃で2時間脱脂した。その後、700℃で2時間保持して焼成を行い、角柱状(断面35mm×35mm×長さ150mm)、壁厚が0.15mm、セル密度が160個/cm、平均気孔径0.25μm、ハニカムユニットの見かけの単位体積当て理のゼオライト含有量250g/L、気孔率35%、開口率60%、セル形状が四角形(正方形)のハニカムユニットを作製した。なお、Feイオン交換型ゼオライトは、ゼオライト粒子を硝酸鉄アンモニウム溶液に含浸させFeイオン交換を行ったものを用いた。イオン交換量は、ICPS−8100(島津製作所製)を用いてIPC発光分析により求めた。
ハニカムユニットのセルの厚さ(セル壁厚X)は、測長顕微鏡を用いて測定を行い、サンプル数10の平均を求めた。ハニカムユニットのセル壁の顕微鏡観察によるセル壁表面の気孔径の平均(平均気孔径Y)は、ハニカムユニットのセル壁表面部分を5mm角に切り出して、透明樹脂で埋めて、研磨を行い、測定用サンプルとした。この測定用サンプルのSEM観察(2000倍)を行い、SEM観察像をパソコンに取り込み2値化処理を行い、2値化像から平均気孔径を求めた。
表1には、このハニカムユニット作製に使用した造孔材の粒径、及びハニカムユニットの壁厚X、セル密度、平均気孔径Y、式(1)におけるY値の上限、下限等を示した。
Figure 2010215414
(ハニカム構造体の作製)
作製したハニカムユニットの側面に、接着材をペーストとして接着材層の厚さが1mmとなるように塗布して、120℃で乾燥固化を行い、ハニカムユニットを4段、4列に接合したほぼ直方体のハニカム接合体を作製した。接着材ペーストは、アルミナ粒子(平均粒径2μm)29質量%、アルミナ繊維(平均繊維径6μm、平均繊維長100μm)7質量%、アルミナゾル(固体濃度20質量%)34質量%、カルボキシメチルセルロース5質量%及び水25質量%を混合して作製した。作製したハニカム接合体の側壁を、円柱状になるようにダイヤモンドカッターを用いて切削し、円柱状になった側壁部分の外表面に上述の接着材ペーストを0.5mm厚となるようにコーティング材(接着材とおなじもの)をペーストとして塗布し、図1(a)に示すハニカム構造体と同じ形状の円柱状ハニカム接合体を作製した。この円柱状ハニカム接合体を、120℃で乾燥固化した後、700℃で2hr保持して接着材層及びコーティング材の脱脂を行い、円柱状(直径144mm×長さ150mm)のハニカム構造体を作製した。
(実施例2〜8、比較例1〜7)
造孔材の粒径、並びに押出成型機の成形金型(ダイ)の形状を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8、比較例1〜7のハニカムユニット及びハニカム構造体を作製した。表1に、それぞれ実施例2〜8、比較例1〜7で作製したハニカムユニットの壁厚、セル密度、平均気孔径、式(1)におけるY値の上限、下限を示した。
(ハニカム構造体のNOx浄化率評価)
実施例1〜8、比較例1〜7において作製したハニカム構造体のNOx浄化率を測定した。
実施例、及び比較例の各ハニカムユニットから直径30mm、長さ50mmの円柱状ハニカムを削り出して、評価用サンプルとした。得られた評価用サンプルを700℃で48時間加熱して模擬的にエージングをした後、300℃に維持して、表2に示すような組成の自動車排ガスの模擬ガスを300℃に加熱して、SV(Space Verocity、空間速度)35000hr−1で導入し、評価用サンプル前後の模擬ガス中のNO成分の減少率(%)をNOx浄化率(%)とした。実施例1〜8、比較例1〜7における評価用サンプルのNOx浄化率(%)の測定結果を表1に示した。
Figure 2010215414
表1に示す結果から判るように、実施例1〜8に示すハニカムユニットの評価用サンプルのNOx浄化率は、85%以上と高いのに対し、比較例1〜7に示すハニカムユニットの評価用サンプルのNOx浄化率は、80%未満と低くなっていた。なお、実施例1〜8、比較例1〜7におけるセル壁の厚さXとハニカムユニットの平均気孔径Yとの関係を図3のグラフに示した。図3のグラフにおいて、横軸はハニカムユニットのセル壁の厚さX(mm)、縦軸はハニカムユニットの平均気孔径Y(μm)を示しており、実施例を○、比較例を△で示し、○及び△の番号はそれぞれ
実施例、比較例の番号を示している。実施例1〜8は、本発明の条件式(1)及び(2)の中の領域にあり、比較例1〜7は外の領域にあることが分かる。
このように、実施例1〜8に示すハニカムユニットは、自動車排ガス浄化用に適していることが判る。
本発明のハニカム構造体は、NOx浄化率が高いので、小型軽量化を必要とする自動車排ガス浄化用の触媒として使用することができる。特に、ゼオライトを用いたSCRシステム(例えば、アンモニアを用いたディーゼル排ガス浄化システム)用のNOx還元触媒として好適である。
1:ハニカム構造体
2:ハニカムユニット
3:セル
4:セル壁
5:接着材
6:コーティング材層

Claims (12)

  1. ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、
    前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の表面の顕微鏡観察による気孔径の平均をY(単位:μm)としたとき、
    下記の式(1)及び式(2)
    X+0.07≦Y≦X+0.27・・・式(1)
    0.15≦X≦0.35・・・式(2)
    を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、270g/L以下であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セル壁の気孔率は、25〜40%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカムユニットの開口率は、50〜65%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、又はゼオライトLのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  6. 前記ゼオライトは、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  7. 前記ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、又はVのうち少なくともいずれかひとつでイオン交換されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  8. 前記ハニカムユニットは、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、ムライト粒子、及びこれらの前駆体のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  9. 前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトゾル、及びアタパルジャイトゾルのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  10. 前記ハニカムユニットは、無機繊維含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  11. 前記無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、及びホウ酸アルミニウム繊維のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項10に記載のハニカム構造体。
  12. 複数の前記ハニカムユニットが、接着材を介して結合されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
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