JP2010204546A - 光学素子、光路制御部材及びバックライトユニット並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性を向上させると同時に、表示画質を低下させる反り挙動を制御できる光学素子及び光路制御部材及びこれらを用いたバックライトユニット並びに表示装置を提供する。
【解決手段】光透過性の基材層4と、基材層4の一方の面に形成された複数の単位レンズ3aを有するレンズ部3と、基材層4の一方の面と反対の面の各単位レンズ3aの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部1が設けられ、各単位レンズ3aの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部2が設けられてなる光学素子10であって、レンズ部3の面を光射出面31とし、この光射出面31の周縁部に難燃性材料を添加した反発弾性部材6を設けてなるものである。
【選択図】図1
【解決手段】光透過性の基材層4と、基材層4の一方の面に形成された複数の単位レンズ3aを有するレンズ部3と、基材層4の一方の面と反対の面の各単位レンズ3aの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部1が設けられ、各単位レンズ3aの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部2が設けられてなる光学素子10であって、レンズ部3の面を光射出面31とし、この光射出面31の周縁部に難燃性材料を添加した反発弾性部材6を設けてなるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示素子及びこれを用いた光路制御部材及び光路制御部材を使用したバックライトユニット並びに表示装置に関する。
液晶パネルを利用した液晶表示装置は、携帯電話や個人用携帯情報端末、パーソナルコンピュータ用ディスプレイの画像表示手段だけでなく、家電製品としてのテレビにも幅広く普及してきている。さらには、これまでのカソード・レイ・チューブ(CRT)テレビでは困難であった大型面対応の情報家電の画像表示装置として一般家庭にも普及し、液晶表示装置の利点をより活用させるために、大型化だけでなく、高輝度化、薄型・軽量化に向けた開発も非常に早いスピードで進められてきている。
このような液晶表示装置では、装置内部に光源を内蔵していることが多く、画像を表示するために必要な明るさを得るために、液晶パネルの背面側に光源を含めたバックライトユニットを配置している。このバックライトユニットに採用されている光源としては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」があり、特に直下型方式は導光板の利用が困難な大型の液晶ディスプレイなどの表示装置に用いられている。
直下型方式の液晶表示装置としては、図7に示す装置が一般的に用いられている。これにおいては、表裏両面を偏光板41、42で挟んだ液晶パネル43から構成される液晶パネル部位40が上部に位置して配設され、この液晶パネル部位40の下面側である光入射面側には、冷陰極管等からなる複数の光源30から射出される光を、光学シート44及び拡散板45で集光拡散させて、液晶パネル43の表示エリアに集光させている。さらには、光源30からの光を効率よく照明光として利用するために、光源30の背面には、光反射板32が配置されている。
高反射率の光反射板32は、白色顔料である酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した材料を、所定のパターン、例えばドットパターンにて印刷後、乾燥させて形成したものであり、光を射出面側へ導く役割を担った高輝度化を図るための工夫である。
しかしながら、図7に例示する液晶表示装置においては、視野角の制御が拡散フィルム50の拡散性にのみ委ねられていることから、その制御が難しく、その結果、液晶表示画面の正面方向の中心部は明るく、その周辺部に行くほど暗くなるという問題があった。これが、光の利用効率低下の要因となり、液晶画面を横から見たときの輝度低下を招いていた。
これを解決する方法として、集光機能を有する構造体の裏面(光入射面)側に光反射部位と光透過部位を備えた光学素子を設けるようにしている。
この光学素子は、集光機能を有する構造体、すなわち光透過性の基材と、この基材の一方の面に複数の単位レンズを一定のピッチで配列形成してなるレンズ部とを備え、基材の一方の面と反対の面に、各単位レンズの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部が設けられ、前記各単位レンズの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部が設けられている。
このような光学素子をバックライトユニットの光路制御部材として用いる場合は、拡散板を経由して入ってくる照明光源からの光に対し、光透過層に入る光をレンズ部を通して外部へ射出させ、それ以外の光を光反射部で光源側に戻す役割を果たしている。光反射部で戻された光は、光源側の光反射板32などで再度反射され、再び照明光源として光透明層を通ってレンズ部に入射され、単位レンズから外部へと射出される。
このようにして、光反射層によって課題となっていた横方向に射出される利用できなかった光を抑制し、照明光源からの光を無駄なく効率良く再利用することが可能となる。この光学素子を示す特許文献としては、特許文献1に例示されているものがある。
この光学素子は、集光機能を有する構造体、すなわち光透過性の基材と、この基材の一方の面に複数の単位レンズを一定のピッチで配列形成してなるレンズ部とを備え、基材の一方の面と反対の面に、各単位レンズの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部が設けられ、前記各単位レンズの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部が設けられている。
このような光学素子をバックライトユニットの光路制御部材として用いる場合は、拡散板を経由して入ってくる照明光源からの光に対し、光透過層に入る光をレンズ部を通して外部へ射出させ、それ以外の光を光反射部で光源側に戻す役割を果たしている。光反射部で戻された光は、光源側の光反射板32などで再度反射され、再び照明光源として光透明層を通ってレンズ部に入射され、単位レンズから外部へと射出される。
このようにして、光反射層によって課題となっていた横方向に射出される利用できなかった光を抑制し、照明光源からの光を無駄なく効率良く再利用することが可能となる。この光学素子を示す特許文献としては、特許文献1に例示されているものがある。
一方、近年の経済産業省による消費生活用製品安全法の改定を始めとして、消費者により安全な製品を提供することが求められてきていることから、上記特許文献1に例示されている光学素子を含む、消費生活用の製品を構成する部材、部品にも同様なより高い安全性を持たせることが望まれてきている。この求められている安全性の一つ大きな枠として、火災に対する防止対策がある。ディスプレイを始めとする消費生活用製品は一般家庭内で使用されるため、総じて製品およびその構成部材や部品は火災を引き起こさないためにも燃え難いことが要求されている。
液晶ディスプレイ等の表示装置に用いられている光学素子には高い透明性を求められるため、その材質は高分子材料であることが多い。しかし、市場で広く用いられている高分子材料は一般的に可燃性であることから、光学素子の火災防止策は必須なものであり、これまでにも様々な対策が検討されてきている。
一般的な光学素子の火災予防策としては、ハロゲン化化合物、有機リン系化合物、無機化合物に代表される発火を遅らせること、火炎の広がりを抑制させる物質として知られている難燃剤を加えることが考えられる。
しかしながら、これらの難燃剤を加えた場合、難燃剤自身が光学素子内を透過する光を拡散反射させて光の透過を妨げる要因となり、高い透明性を損なう可能性が考えられる。また、難燃剤を添加させることで、これまでの光学素子特性や機能を損なうことも起こり得る。さらには、添加した難燃剤が表層に染み出すこともありうることから、有害性のある難燃剤を使用することはできなくなる。
一般的な光学素子の火災予防策としては、ハロゲン化化合物、有機リン系化合物、無機化合物に代表される発火を遅らせること、火炎の広がりを抑制させる物質として知られている難燃剤を加えることが考えられる。
しかしながら、これらの難燃剤を加えた場合、難燃剤自身が光学素子内を透過する光を拡散反射させて光の透過を妨げる要因となり、高い透明性を損なう可能性が考えられる。また、難燃剤を添加させることで、これまでの光学素子特性や機能を損なうことも起こり得る。さらには、添加した難燃剤が表層に染み出すこともありうることから、有害性のある難燃剤を使用することはできなくなる。
さらには、液晶ディスプレイ市場において、薄型化が大きな流れとなりつつあり、これにより光源及び熱源であるバックライトと液晶パネル間の距離が近くなる構造が採用されている。バックライトからの明るさを画像面内で均一化させる拡散板及び視野角を制御する光学フィルム基材は、バックライトと液晶パネルの間に設置されることから、熱源ともなるバックライトとの距離がより近くなるために、高い熱安定性及びディスプレイ筐体内部の反り挙動の安定性が求められてきている。
特に、液晶ディスプレイに組込まれた拡散板と一体化された光路制御部材においては、その反り挙動は光路制御部材が筐体に固定される仕様、特に筐体と光路制御部材間の上下左右のクリアランス(隙間)に大きく影響を受けることが多い。
点灯時におけるディスプレイ内部の温度上昇に伴い、光学素子及び拡散板はそれぞれの熱膨張及び熱収縮に代表される熱特性に起因した挙動を示す結果、その挙動差(ミスマッチ)による反りや歪みが発生する。ここで生じる反りはその方向により、液晶パネルに接触して押し上げることで画質を低下させる、またはバックライト光源に接触してその特性を劣化させることを誘発する可能性がある。この光路制御部材の反り挙動は、光路制御部材が筐体に固定されている状態で、ある一定の自由度を与えた場合、熱特性に起因する挙動が緩和されて、結果的に全体の反り量を低減させることが可能となる。
点灯時におけるディスプレイ内部の温度上昇に伴い、光学素子及び拡散板はそれぞれの熱膨張及び熱収縮に代表される熱特性に起因した挙動を示す結果、その挙動差(ミスマッチ)による反りや歪みが発生する。ここで生じる反りはその方向により、液晶パネルに接触して押し上げることで画質を低下させる、またはバックライト光源に接触してその特性を劣化させることを誘発する可能性がある。この光路制御部材の反り挙動は、光路制御部材が筐体に固定されている状態で、ある一定の自由度を与えた場合、熱特性に起因する挙動が緩和されて、結果的に全体の反り量を低減させることが可能となる。
しかしながら、拡散板及び光学素子を筐体に固定する仕様は、ディスプレイのサイズ及び厚み、さらには機能性に適合させることを優先としており、さらには、筐体のデザイン等の影響を受けるために、必ずしも拡散板及び光学素子に適合した固定仕様となっていないという問題を抱えていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、難燃性を向上させると同時に、表示画質を低下させる反り挙動を制御できる光学素子及びこれを用いた光路制御部材並びに光路制御部材を用いたバックライトユニット及び表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、光透過性の基材層と、前記基材層の一方の面に形成された複数の単位レンズを有するレンズ部と、前記基材層の一方の面と反対の面の前記各単位レンズの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部が設けられ、前記各単位レンズの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部が設けられてなる光学素子において、前記レンズ部の面を光射出面とし、当該光射出面の周縁部に難燃性材料を添加した反発弾性部材を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の光学素子において、前記反発弾性部材の反発弾性率が5%以上50%以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の光学素子において、前記反発弾性部材は天然ゴムまたは合成ゴムを主成分とする弾性高分子材料であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2記載の光学素子において、前記反発弾性部材は発泡高分子材料を主成分とする材料であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または2記載の光学素子において、前記反発弾性部材は微細多孔構造を内部に有する材料を主成分とする材料であることを特徴とする。
請求項6の発明は、光路制御部材であって、請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学素子と、前記光学素子の光射出面と反対の面である光入射面に設けられた光拡散板とを備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6記載の光路制御部材において、前記光拡散板は前記光学素子の光入射面に接着層もしくは粘着層を介して接着されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6または7記載の光路制御部材において、前記接着で積層状態にある前記光拡散板の側面と前記光学素子の側面及び前記光拡散板の光入射面の周縁部に前記レンズ部の前記反発弾性部材と同一材質で構成される反発弾性部材を設けたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6または7記載の光路制御部材において、前記光拡散板の前記光学素子と反対の面に積層状態に設けられ入射光を屈折させて前記光拡散板へ射出する屈折層と、前記屈折層の前記光拡散板と反対の面である光入射面に形成された複数の単位レンズを有するレンズ部とを更に備えることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9記載の光路制御部材において、前記積層状態にある前記光拡散板の側面と前記光学素子の側面と前記屈折層の側面及び前記屈折層と反対側の面である前記レンズ部の光射出面の周縁部に前記反発弾性部材と同一材質で構成される反発弾性部材を設けたことを特徴とする。
請求項11の発明は、バックライトユニットであって、光源と、請求項6乃至10の何れか1項に記載の光路制御部材を少なくとも備えることを特徴とする。
請求項12の発明は、表示装置であって、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、前記画像表示素子の背面に、請求項11記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする。
本発明の光学素子及びこれを用いた光路制御部材並びに光路制御部材を用いたバックライトユニット及び表示装置によれば、光学素子及び光路制御部材は、難燃性材料が添加された反発弾性部材を介してディスプレイ筐体などのフレームに支持されるため、難燃性が向上し、光学素子や光路制御部材の燃焼及び延焼を抑えると同時にディスプレイ筐体内部の反り挙動を吸収して制御することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、図1から図6は、本実施の形態による光学素子及び光路制御部材の構成およびその利用形態を示す断面概略図の一例であり、各部位の縮尺または比率は実際とは一致しない。また、本発明は、これに限定されるものでもない。
(実施の形態1)
本実施の形態における光学素子10は、図1に示すように、入射された光を射出する際に当該光の射出方向、射出範囲、輝度分布の何れか1つを少なくとも制御するもので、シート状の光透過性の基材層3と、この基材層3の一方の面に半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する複数の単位レンズ3aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部4を備える。複数の単位レンズ3aは、基材層3の一方の面と反対の面から入射される光を集光して射出するものである。
なお、単位レンズ3aは半円柱状のシリンドリカルレンズ構造のものに限定されず、半球状の凸型マイクロレンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものなどであってもよい。
本実施の形態における光学素子10は、図1に示すように、入射された光を射出する際に当該光の射出方向、射出範囲、輝度分布の何れか1つを少なくとも制御するもので、シート状の光透過性の基材層3と、この基材層3の一方の面に半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する複数の単位レンズ3aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部4を備える。複数の単位レンズ3aは、基材層3の一方の面と反対の面から入射される光を集光して射出するものである。
なお、単位レンズ3aは半円柱状のシリンドリカルレンズ構造のものに限定されず、半球状の凸型マイクロレンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものなどであってもよい。
基材層3の一方の面と反対の面の各単位レンズ3aの集光部分、すなわち各単位レンズ3aの光軸V1を含む中央部に対応する箇所にはストライプ状の光透過用の開口部(特許請求の範囲に記載した)1が感材層5を介して並列に設けられ、さらに、上記反対の面の各単位レンズ3aの非集光部分、すなわち各単位レンズ3aの光軸V1から外れた各単位レンズ3aの端部に対応する鉛直軸V2の箇所にはストライプ状の光反射層2が感材層5を介して並列に設けられている。
開口部1は、図示省略した光源からの光Lを透過させてレンズ部3に入射するものであり、また、光反射層2は光Lを光源側(図1の矢印X方向)に反射させるものである。この光反射層2は難燃性材料を含んで構成されている。
また、単位レンズ3aが形成されているレンズ部3の面を光射出面31とし、この光射出面31の周縁部には、該周縁部が全域に亘り覆われるように難燃性材料を添加した反発弾性部材6が設けられている。
開口部1は、図示省略した光源からの光Lを透過させてレンズ部3に入射するものであり、また、光反射層2は光Lを光源側(図1の矢印X方向)に反射させるものである。この光反射層2は難燃性材料を含んで構成されている。
また、単位レンズ3aが形成されているレンズ部3の面を光射出面31とし、この光射出面31の周縁部には、該周縁部が全域に亘り覆われるように難燃性材料を添加した反発弾性部材6が設けられている。
なお、開口部1及び光反射部2は単位レンズ3aの構造に対応してストライブ状に形成されているが、これに限らず、要は単位レンズ3aの集光部分に光透過用の開口部1が形成され、単位レンズ3aの非集光部分に光反射部2が形成された構造のものであればよい。
また、レンズ部3は、光源からの光を開口部1と基材層4、感材層5を介して外部に集光射出させる機能を有する形状であり、その単位レンズ3aが図1に示すようなストライプ状のシリンドリカルレンズに代表される形状に規則性があるもの、またはマイクロレンズに代表されるレンズ径や配置が異なるものが一例として挙げられる。なお、この集光形状は半円柱状に限定されるものではない。
また、レンズ部3は、光源からの光を開口部1と基材層4、感材層5を介して外部に集光射出させる機能を有する形状であり、その単位レンズ3aが図1に示すようなストライプ状のシリンドリカルレンズに代表される形状に規則性があるもの、またはマイクロレンズに代表されるレンズ径や配置が異なるものが一例として挙げられる。なお、この集光形状は半円柱状に限定されるものではない。
上記レンズ3部は、光を透過する加工可能な材料からなり、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、シクロオレフィンポリマー系樹脂等を用いて、押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成することができる。また、紫外線(UV)や放射線硬化型の樹脂を用いて成形することも可能である。なお、UVや放射線で硬化する材料を含む樹脂を複数混ぜて用いることでも良い。
基材層4は、レンズ部3を作製する際の基材を担い、製造上基材層4上に上述した工法でレンズ部3を形成する。基材層4に用いられる材料は、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂のような透明性の高い樹脂を一例として挙げることができる。また、この基材層4は、レンズ部3と同じ材料でも良く、また、レンズ部3の成形加工時に両面同時に製造加工することで、レンズ部3と基材層4を一括して得ることもできる。
光反射層2を構成する材料としては、光を反射する白色顔料や金属粉末を挙げることができる。その一例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカおよびシリコーン等が挙げられる。これらの白色顔料、金属粉末は、単独で使用しても、あるいは複数種類を混ぜて使用しても良く、蒸着法により形成しても良い。
また、光反射層2を構成するバインダー材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは、ポリエステルアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系のオリゴマー又はアクリレート系等からなる光硬化性樹脂などの透明樹脂が一例として挙げられる。
本実施の形態における反発弾性部材6は、ディスプレイ表示画面領域外に形成されるものであり、その幅は用いられるディスプレイの筐体枠仕様に合わせることを基本としているが、光学素子10のサイズに適した幅、及び材料の粘度、形成する表示装置の性能や精度を考慮すると、幅は2mm以上で表示部位に影響を及ぼさない幅までが望ましい。
なお、反発弾性部材6は、レンズ部3の光射出面31の周縁部全域に形成されても良く、断続的または特定の周縁部位にのみ形成されることでも良い。
なお、反発弾性部材6は、レンズ部3の光射出面31の周縁部全域に形成されても良く、断続的または特定の周縁部位にのみ形成されることでも良い。
レンズ部3の光射出面31の周縁部に形成される反発弾性部材6の厚みも、そのサイズに適した反りによる応力を緩和できる厚みが必要となるため、望ましくは1mm以上、20mm以下の厚みが良い。
これら反発弾性部材6を構成する材料としては、筐体に固定された光学素子10の反り挙動に追随して応力を吸収し、応力が低減すればそれに追随して元の形状に速やかに復元することで反りを制御することを目的としているため、その反りを吸収することが可能な弾性を表す反発弾性率が50%以下の低い特性を有する材料が望ましく、さらには、材質厚さが10mmにおいて、80℃の環境下に置かれても反発弾性率が5〜25%を示す材料であることがより好ましい。
これら反発弾性部材6を構成する材料としては、筐体に固定された光学素子10の反り挙動に追随して応力を吸収し、応力が低減すればそれに追随して元の形状に速やかに復元することで反りを制御することを目的としているため、その反りを吸収することが可能な弾性を表す反発弾性率が50%以下の低い特性を有する材料が望ましく、さらには、材質厚さが10mmにおいて、80℃の環境下に置かれても反発弾性率が5〜25%を示す材料であることがより好ましい。
なお、反発弾性部材6の反発弾性率が50%を超える場合は、光学素子10の反り挙動により生じる応力を十分に吸収するには反発力が高過ぎるために、光学素子10の反りや歪み等の挙動を緩和させることが困難になる。また、反発弾性部材6の反発弾性率が5%を下回る場合においても、光学素子10の反り挙動により生じる応力を十分に吸収するには反発力が低過ぎるために、光学素子10の反りや歪み等の挙動を抑制することが困難となる。このため、反発弾性率が上記の範囲外である場合は、光学素子10の反りや歪み等の挙動を制御することが難しくなり、画質の低下を引き起こすことが考えられることから好ましくない。
ここで示した反発弾性部材6の反発弾性率は、材料に物体が衝突する際に材料自体が吸収する衝突エネルギーを示す一つの指標であり、その評価方法としては、プラスチック材を評価する反発弾性試験(JIS K 6400−3)、またはゴム材を評価するリュプケ式反発弾性試験(JIS K 6255)が挙げられる。この反発弾性率が低い材料としては、天然ゴムやアクリルゴム、ブタジエンゴム、エポキシゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、シリコーンゴム等に代表される合成ゴム等から1種類または複数選択して得られる弾性高分子材料を用いることができる。さらには、−40℃から100℃の温度範囲内で低い反発弾性を示し、それ自体が燃え難い材料であることが特に望ましい。
その他の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系、ポロスチレン、ポリアクリル酸エステルに代表されるビニルポリマー系、ポリエステル、ポリウレタンに代表される縮合系の高分子材料、シリコーン系高分子材料、天然系高分子材料、無機系材料等の内部に微細孔構造を持たせた緩衝材としても利用されている多孔質材料を用いることもできる。
反発弾性部材6に難燃性を付与するには、難燃性材料を添加することで可能となる。その難燃性材料としては、ハロゲン化されたベンゼン類、ビフェニル類、フェノール類に代表されるハロゲン化有機芳香族化合物、またはハロゲン化有機脂肪族化合物、ハロゲン化されたエステル化合物やアミド化合物、ハロゲン化されたイミド化合物が挙げられる。
また、トリフェニルホスフェイトやホスファゼンに代表される有機リン系化合物、メラミンホスフェイト、メラミンシアヌレイト等に代表されるメラミン系化合物をあげることができる。その他に、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩、酸化アンチモン、等に代表される無機化合物からも選択することができる。これらに代表される難燃性材料は、単独で使用してもよく、複数を混ぜ合わせて使用しても良い。
また、トリフェニルホスフェイトやホスファゼンに代表される有機リン系化合物、メラミンホスフェイト、メラミンシアヌレイト等に代表されるメラミン系化合物をあげることができる。その他に、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩、酸化アンチモン、等に代表される無機化合物からも選択することができる。これらに代表される難燃性材料は、単独で使用してもよく、複数を混ぜ合わせて使用しても良い。
上記に示した反発弾性部材6は、難燃性を付与した弾性高分子材料をレンズ部3の光射出面31の周縁部に定量塗布することで形成可能であり、その塗布幅や塗布厚みを制御できるディスペンサ装置、あるいはスクリーン版によりパターン及び厚みを制御できるスクリーン印刷法等を用いて塗布することできる。
さらに反発弾性部材6は、弾性を示す材料を用いて所定の厚みと幅に加工されたシート材を接着材または粘着材等を介して、レンズ部3の光射出面31の周縁部に貼り合わせることで形成することもできる。
上記シートを構成する材料としては、上述した天然ゴム、または合成ゴム、多孔質材料、あるいはポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、ウレタンフォームに代表される発泡樹脂等から1種類または複数選択することができる。これら低反発弾性を示すシート材は、使用する光学素子及び光路制御部材それぞれに適した反発弾性と厚みを有するものを選ぶことで、筐体に組込まれた光学素子及び光路制御部材の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
なお、反発弾性部材6は、レンズ部3の光射出面31の周縁部に形成されても良く、断続的または特定の周縁部位にのみ形成されることでも良い。
上記シートを構成する材料としては、上述した天然ゴム、または合成ゴム、多孔質材料、あるいはポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、ウレタンフォームに代表される発泡樹脂等から1種類または複数選択することができる。これら低反発弾性を示すシート材は、使用する光学素子及び光路制御部材それぞれに適した反発弾性と厚みを有するものを選ぶことで、筐体に組込まれた光学素子及び光路制御部材の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
なお、反発弾性部材6は、レンズ部3の光射出面31の周縁部に形成されても良く、断続的または特定の周縁部位にのみ形成されることでも良い。
上述した弾性を示すシート材は、主成分である低反発弾性を示す材料自体が難燃性を示すことが望ましく、より難燃性を高めるに難燃性材料を添加しても良い。添加される難燃性材料としては、前述したハロゲン化化合物、有機リン系化合物、メラミン系化合物、及び無機化合物から選択することが出来る。貼り合わせる接着材または粘着材に難燃性を付与させることで、より反発弾性部材6の難燃性を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る光路制御部材の実施の形態について図2を参照して説明する。
この実施の形態における光路制御部材20は、図1に示した光学素子10を、粘着層または接着層7を介して、光を拡散する機能を有する光拡散板8に貼り合せて一体化することで得ることができる。
すなわち、光拡散板8は、光学素子10の光射出面31と反対の面である光入射面20aに粘着層または接着層7を介して接着されている。
ここで、粘着または接着層7は、光反射層2とのみ貼りついた構造となり、感材層5と粘着層または接着層7の間には開口部1が形成される。このような開口部1は、例えば、空気や窒素等の気体が存在する。
次に、本発明に係る光路制御部材の実施の形態について図2を参照して説明する。
この実施の形態における光路制御部材20は、図1に示した光学素子10を、粘着層または接着層7を介して、光を拡散する機能を有する光拡散板8に貼り合せて一体化することで得ることができる。
すなわち、光拡散板8は、光学素子10の光射出面31と反対の面である光入射面20aに粘着層または接着層7を介して接着されている。
ここで、粘着または接着層7は、光反射層2とのみ貼りついた構造となり、感材層5と粘着層または接着層7の間には開口部1が形成される。このような開口部1は、例えば、空気や窒素等の気体が存在する。
本発明に係る光学素子10と拡散板8を貼り合わせる場合、全面であっても良く、また少なくとも部分的な接合でも良い。また、貼りあわせる方法としては、ロールラミネーターあるいはプレス機のような装置を用いることができる。また、貼り合わせる工程においては、光学素子10、粘着層または接着層7、または拡散板8などに触れるロール部位は、ゴム製、または金属製でも良く、これらを上下別々に組み合わせて貼り合せても良い。
また、粘着層または接着層7に用いられる材料は、光を透過させるために透明性に優れた材料が好ましく、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着材または接着材が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、拡散板8と光学素子10が剥離またはずれてしまう可能性がある。また、開口部1を確保するために、粘着層または接着層7の中に透明な微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。また、粘着層または接着層7は、透明な樹脂層を含む多層構造でも良く、単層で用いても良い。
光路制御部材20における反発弾性部材6は、粘着層または接着層7を介して光拡散板8に光学素子10を貼り合わせた後に、これまで示してきた弾性を有する材料並びに難燃性材料、及び形成方法を用いて形成することができる。これにより、難燃性を向上させると同時に、ディスプレイ筐体に組込まれた光路制御部材20の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
(実施の形態3)
次に、本発明に係る光路制御部材の他の実施の形態について図3を参照して説明する。
この実施の形態3に示す光路制御部材20においては、図3に示すように、レンズ部3の光射出面31の周縁部に反発弾性部材6を上述した仕様により形成するとともに、粘着層または接着層7の接着で積層状態にある光拡散板8と光学素子10の側面及び光拡散板8の光入射面20aの周縁部の全域にレンズ部3の反発弾性部材6と同一材質で構成される反発弾性部材6を上述した仕様により形成する。
次に、本発明に係る光路制御部材の他の実施の形態について図3を参照して説明する。
この実施の形態3に示す光路制御部材20においては、図3に示すように、レンズ部3の光射出面31の周縁部に反発弾性部材6を上述した仕様により形成するとともに、粘着層または接着層7の接着で積層状態にある光拡散板8と光学素子10の側面及び光拡散板8の光入射面20aの周縁部の全域にレンズ部3の反発弾性部材6と同一材質で構成される反発弾性部材6を上述した仕様により形成する。
これにより、ディスプレイ筐体に組込まれた光路制御部材20が示す反り挙動の殆どを吸収して制御することが可能となる。反発弾性部材6の反発弾性率と表面、裏面、側面のそれぞれの厚みを適合させることにより、光路制御部材20の反り方向を制御させることを始め、より光路制御部材全体の反り挙動の制御を向上させることが可能となり、難燃性を向上させたことにより延焼を抑制することもできる。さらには、反発弾性部材6を形成することで、レンズ部3の周縁部位の剥れ、あるいは光学素子10と拡散板8間の剥れを抑制することも可能となる。
(実施の形態4)
次に、本発明に係る光路制御部材の更に他の実施の形態について図4を参照して説明する。
この実施の形態4に示す光路制御部材23は、図4に示すように、光拡散板8の光学素子10と反対の面に積層状態に設けられた、入射光を屈折させて光拡散板8へ射出する屈折層22と、屈折層22の光拡散板8と反対の面である光入射面22aに半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する複数の単位レンズ21aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部21とを備える。
なお、単位レンズ21aは半円柱状のシリンドリカルレンズ構造のものに限定されず、半球状の凸型マイクロレンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものなどであってもよい。
次に、本発明に係る光路制御部材の更に他の実施の形態について図4を参照して説明する。
この実施の形態4に示す光路制御部材23は、図4に示すように、光拡散板8の光学素子10と反対の面に積層状態に設けられた、入射光を屈折させて光拡散板8へ射出する屈折層22と、屈折層22の光拡散板8と反対の面である光入射面22aに半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する複数の単位レンズ21aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部21とを備える。
なお、単位レンズ21aは半円柱状のシリンドリカルレンズ構造のものに限定されず、半球状の凸型マイクロレンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものなどであってもよい。
このように構成された光路制御部材23においては、図4に示すように、レンズ部3の光射出面31の周縁部に反発弾性部材6を上述した仕様により形成するとともに、積層状態にある光学素子10の側面、粘着層または接着層7の接着で積層状態にある光拡散板8の側面と光学素子10の側面及び光拡散板8の光入射面20aの周縁部の全域にレンズ部3の反発弾性部材6と同一材質で構成される反発弾性部材6を上述した仕様により形成する。
これにより、光路制御部材23自体の反りを低減させると同時に、ディスプレイ筐体に組込まれた光路制御部材20の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
これにより、光路制御部材23自体の反りを低減させると同時に、ディスプレイ筐体に組込まれた光路制御部材20の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
(実施の形態5)
上述した光学素子10及び光路制御部材20は、液晶表示装置のバックライトユニット、有機または無機電界発光表示装置、プラズマディスプレイ等のディスプレイの視野角コントロールフィルムや、コントラスト向上フィルム、太陽電池用の光制御フィルム、投射スクリーンなどに応用することができる。この実施の形態5では、本発明の光学素子及び光路制御部材を用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置について図5を参照して説明する。
この実施の形態5に示す液晶表示装置は、図5に示すように、液晶パネル部位(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)40と、この液晶パネル部位40の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット50を備える。
バックライトユニット50は、光路制御部材20及び光路制御部材20の光入射側に配置された直下型の光源30を備える。また、光路制御部材20は、上記図3に示す場合と同様に構成されているので、その構成説明は省略する。
また、液晶パネル部位40は、光路制御部材20を構成する光学素子10のレンズ部3と対向する側に配置されるもので、この液晶パネル43の表面と裏面には、液晶パネル43が表裏両面から挟持されるように偏光板42と41が設けられている。このようにして、液晶ディスプレイ、すなわち液晶表示装置が構成される。
上述した光学素子10及び光路制御部材20は、液晶表示装置のバックライトユニット、有機または無機電界発光表示装置、プラズマディスプレイ等のディスプレイの視野角コントロールフィルムや、コントラスト向上フィルム、太陽電池用の光制御フィルム、投射スクリーンなどに応用することができる。この実施の形態5では、本発明の光学素子及び光路制御部材を用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置について図5を参照して説明する。
この実施の形態5に示す液晶表示装置は、図5に示すように、液晶パネル部位(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)40と、この液晶パネル部位40の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット50を備える。
バックライトユニット50は、光路制御部材20及び光路制御部材20の光入射側に配置された直下型の光源30を備える。また、光路制御部材20は、上記図3に示す場合と同様に構成されているので、その構成説明は省略する。
また、液晶パネル部位40は、光路制御部材20を構成する光学素子10のレンズ部3と対向する側に配置されるもので、この液晶パネル43の表面と裏面には、液晶パネル43が表裏両面から挟持されるように偏光板42と41が設けられている。このようにして、液晶ディスプレイ、すなわち液晶表示装置が構成される。
図5に示した液晶表示装置のバックライトユニット50に使用される光源30は、光路制御部材20の光拡散板8と平行な方向に配列した冷陰極管(CCFT)等の複数のランプ30aを含むランプハウス31と、ランプ30aからの光を光拡散板8に向けて反射させる光反射板32を含んで構成されている。そして、光反射板32の上端には液晶表示装置の筐体(フレーム)33が一体に連接され、この筐体33は、反発弾性部材6を介して光路制御部材20を支持する支持部33aを備える。さらに、筐体33で支持された光路制御部材20の上方には、液晶パネル部位40が配設されている。
次に、反発弾性部材6の効果について図6を参照して説明する。
図6において、矢印Aは光路制御部材20と装置筐体33及び光拡散板8の温度による水平方向の伸縮応力を示し、矢印Bは光学素子10と拡散板8の熱膨張特性の差が起因の反り応力(液晶パネルの方向)を示し、矢印Cは反り応力(ランプハウスの方向)を示している。
先ず、樹脂から成る光拡散板8は、装置点灯時に光源30からの発熱により熱せられた場合、室温時に比較して自身の膨張係数に見合った量だけ膨張する。この際、装置筐体33と光路制御部材20の間に十分なクリアランス(隙間)が無い場合、光拡散板8の伸びを吸収できないために、この伸びを緩和させるために光拡散板8自体が上側または下側に反りを生じさせる。この反り量は、光拡散板8の材料及びサイズによって異なるため、使用する光拡散板8の材料とサイズに適したクリアランスが必要となり、装置筐体33の仕様を全て統一することが困難となる。
しかしながら、これまで説明してきた本発明の弾性を有する最適な仕様の反発弾性部材6を光路制御部材20の側面に予め設けることで、光拡散板8の熱による水平方向の伸びを吸収して反りを制御することが可能となる。これは光拡散板8の材料およびサイズに起因する熱による伸びに適した反発弾性と厚みを反発弾性部材6に持たせることで容易に実現でき、装置筐体の仕様に依存しない利点を有している。
図6において、矢印Aは光路制御部材20と装置筐体33及び光拡散板8の温度による水平方向の伸縮応力を示し、矢印Bは光学素子10と拡散板8の熱膨張特性の差が起因の反り応力(液晶パネルの方向)を示し、矢印Cは反り応力(ランプハウスの方向)を示している。
先ず、樹脂から成る光拡散板8は、装置点灯時に光源30からの発熱により熱せられた場合、室温時に比較して自身の膨張係数に見合った量だけ膨張する。この際、装置筐体33と光路制御部材20の間に十分なクリアランス(隙間)が無い場合、光拡散板8の伸びを吸収できないために、この伸びを緩和させるために光拡散板8自体が上側または下側に反りを生じさせる。この反り量は、光拡散板8の材料及びサイズによって異なるため、使用する光拡散板8の材料とサイズに適したクリアランスが必要となり、装置筐体33の仕様を全て統一することが困難となる。
しかしながら、これまで説明してきた本発明の弾性を有する最適な仕様の反発弾性部材6を光路制御部材20の側面に予め設けることで、光拡散板8の熱による水平方向の伸びを吸収して反りを制御することが可能となる。これは光拡散板8の材料およびサイズに起因する熱による伸びに適した反発弾性と厚みを反発弾性部材6に持たせることで容易に実現でき、装置筐体の仕様に依存しない利点を有している。
さらには、光学素子10と光拡散板8の熱膨張特性の差が起因で生じる反り応力BとCにおいても、その材料特性およびサイズに適した反発弾性と厚みを反発弾性部材6に持たせることで応力を吸収することができ、結果的に光路制御部材20の反り挙動を吸収して制御することが可能となる。
上記の効果に加えて、反発弾性部材6には難燃性を付与させていることから、延焼を抑制する効果も同時に果たしている。
上記の効果に加えて、反発弾性部材6には難燃性を付与させていることから、延焼を抑制する効果も同時に果たしている。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構造設計変更等も含まれる。
本発明は、バックライトからの光を妨げない光学素子の周縁部位に、光学素子及び光路制御部材に適した反発弾性や厚み等の仕様を有し、かつ難燃性を付与した反発弾性部材を設けることにより、光学素子の光学性能を損なうことなく燃焼及び延焼を抑制することで安全性を高めると同時に、ディスプレイ筐体内部の反り挙動を吸収して制御することが可能となる光学素子または光路制御部材を提供することを目的としている。
1……開口部、2……光反射層、3……レンズ部、3a……単位レンズ、4……基材層、5……感材層、6…………反発弾性部材、7……粘着層または接着層、8……光拡散板、10……光学素子、20……光路制御部材、21……レンズ部、21a……単位レンズ、22……屈折層、23……光路制御部材、30……光源、31……ランプハウス、32……光反射板、33……筐体(フレーム)、40……液晶パネル部位、41,42……偏向板、43……液晶パネル、44……光学シート、55……拡散板、50……バックライトユニット。
Claims (12)
- 光透過性の基材層と、
前記基材層の一方の面に形成された複数の単位レンズを有するレンズ部と、
前記基材層の一方の面と反対の面の前記各単位レンズの光軸を含む中央部に対応する箇所に光透過用の開口部が設けられ、前記各単位レンズの光軸を含む中央部を除く箇所に光反射部が設けられてなる光学素子において、
前記レンズ部の面を光射出面とし、当該光射出面の周縁部に難燃性材料を添加した反発弾性部材を設けた、
ことを特徴とする光学素子。 - 前記反発弾性部材の反発弾性率が5%以上50%以下であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記反発弾性部材は天然ゴムまたは合成ゴムを主成分とする弾性高分子材料であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
- 前記反発弾性部材は発泡高分子材料を主成分とする材料であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
- 前記反発弾性部材は微細多孔構造を内部に有する材料を主成分とする材料であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学素子と、前記光学素子の光射出面と反対の面である光入射面に設けられた光拡散板とを備えることを特徴とする光路制御部材。
- 前記光拡散板は前記光学素子の光入射面に接着層もしくは粘着層を介して接着されていることを特徴とする請求項6記載の光路制御部材。
- 前記接着で積層状態にある前記光拡散板の側面と前記光学素子の側面及び前記光拡散板の光入射面の周縁部に前記レンズ部の前記反発弾性部材と同一材質で構成される反発弾性部材を設けたことを特徴とする請求項6または7記載の光路制御部材。
- 前記光拡散板の前記光学素子と反対の面に積層状態に設けられ入射光を屈折させて前記光拡散板へ射出する屈折層と、前記屈折層の前記光拡散板と反対の面である光入射面に形成された複数の単位レンズを有するレンズ部とを更に備えることを特徴とする請求項6または7記載の光路制御部材。
- 前記積層状態にある前記光拡散板の側面と前記光学素子の側面と前記屈折層の側面及び前記屈折層と反対側の面である前記レンズ部の光射出面の周縁部に前記レンズ部の前記反発弾性部材と同一材質で構成される反発弾性部材を設けたことを特徴とする請求項9記載の光路制御部材。
- 光源と、
請求項6乃至10の何れか1項に記載の光路制御部材を少なくとも備えることを特徴とするバックライトユニット。 - 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項11記載のバックライトユニットを備える、
ことを特徴とする表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009052112A JP2010204546A (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | 光学素子、光路制御部材及びバックライトユニット並びに表示装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018051855A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | シャープ株式会社 | 光学部材、照明装置及び表示装置 |
-
2009
- 2009-03-05 JP JP2009052112A patent/JP2010204546A/ja active Pending
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WO2018051855A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | シャープ株式会社 | 光学部材、照明装置及び表示装置 |
CN109661538A (zh) * | 2016-09-13 | 2019-04-19 | 夏普株式会社 | 光学部件、照明装置及显示装置 |
US20190212489A1 (en) * | 2016-09-13 | 2019-07-11 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical member, lighting device, and display device |
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