JP2010203670A - 蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器 - Google Patents

蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器 Download PDF

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Abstract

【解決課題】冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供すること。
【解決手段】アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)とするとき、下記式(1):0.055≦t/D≦0.09(1)を満たし、該内面溝付伝熱管の内面溝の底部に、該内面溝の長手方向に、微細溝が形成されていること、を特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
【選択図】図6

Description

本発明は、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる冷凍機、空調機、給湯機等の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に関する。
地球温暖化ガスである冷媒ガスの排出抑制の観点から、熱交換器の冷媒として、フロン系冷媒に替わり、二酸化炭素冷媒に代表される自然冷媒の使用が検討されてきている。
このような二酸化炭素冷媒が使用される熱交換器のうち、蒸発器用の熱交換器としては、従来のフロン系の場合と同様、アルミニウムフィンと銅製伝熱管を組み付けたクロスフィンチューブ型熱交換器が主流であり、該銅製伝熱管としては、内面溝付伝熱管が使用されてきている。
例えば、特開2003−343942号公報(特許文献1)には、チューブ内を流れる二酸化炭素を蒸発させる蒸発器であって、前記チューブの通路断面形状は円形であり、かつ、前記チューブの内壁には、中心側に突出した複数個の突起部が設けられており、
数式1:0.5×d1.2682≦L≦2.09×d1.2682
前記チューブの通路長さ(L)と前記チューブの平均内径(d)とは、上記数式1に示される関係を有していることを特徴とする蒸発器が開示されている。
しかし、特許文献1に示す蒸発器では、内面溝付伝熱管が用いられているが、平滑管が用いられているものと比較して、管内熱伝達率は高いものの、単に、内面に溝加工を施しただけなので、管内熱伝達率は不十分であった。
内面溝付伝熱管の管内熱伝達率を改善するものとして、例えば、特開2006−162100号公報(特許文献2)には、高圧冷媒を用いるクロスフィンチューブ式熱交換器を構成する伝熱管にして、管内面に多数の溝が管周方向に又は管軸に対して所定のリード角をもって延びるように形成されているとともに、それら溝間には、所定高さの内面フィンが形成されてなる銅又は銅合金製の内面溝付伝熱管において、管外径D(mm)、前記溝の形成部位における管壁厚となる底肉厚をt(mm)、前記溝の溝深さをd(mm)、管軸に対して垂直な断面における溝1個あたりの断面積をA(mm)としたときに、t/Dが0.041以上0.146以下であり、且つd/Aが0.75以上1.5以下であると共に、Nを前記溝の溝条数、Diを前記溝の溝底をつないで形成される管内径に相当する最大内径としたときに、N/Diが8以上24以下となるように構成したことを特徴とする高圧冷媒用内面溝付伝熱管が開示されている。
また、特開2002−90086号公報(特許文献3)には、アルミニウムフィンに、内面溝付伝熱管を組み付けて、クロスフィンチューブ型熱交換器を製造する際に、管内面の内面フィンが変形することを抑制することができる内面溝付伝熱管として、管内面に多数の溝が管周方向に又は管軸に対して所定のリード角をもって延びるように形成されていると共に、それらの溝間に、所定高さの内面フィンが形成されてなる内面溝付伝熱管にして、管外径が4mm〜10mmとされ、且つ前記溝の溝深さが0.10mm〜0.30mmとされると共に、前記溝の形成部位における管壁厚となる底肉厚(t)が、次式:t≦0.1248×D0.32782(但し、Dは管外径を示す)を満足するように、構成されていることを特徴とする内面溝付伝熱管が開示されている。
特開2003−343942号公報(特許請求の範囲) 特開2006−162100号公報(特許請求の範囲) 特開2002−90086号公報(特許請求の範囲)
特許文献2の内面溝付伝熱管では、蒸発熱伝達特性が向上するものの、それでもなお、更なる蒸発熱伝達特性の向上が求められている。また、特許文献3の内面溝付伝熱管でも、同様に、更なる蒸発熱伝達特性の向上が求められている。
従って、本発明は、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、内面溝付伝熱管の内面溝の底部に、該内面溝の長手方向に、微細溝を形成させることにより、該微細溝により核沸騰が促進されるので、蒸発熱伝達特性に優れるクロスフィンチューブ型熱交換器が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)とするとき、下記式(1):
0.055≦t/D≦0.09 (1)
を満たし、
該内面溝付伝熱管の内面溝の底部に、該内面溝の長手方向に、微細溝が形成されていること、
を特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供するものである。
本発明によれば、冷媒として、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、蒸発熱伝達特性に優れる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を提供することができる。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の形態例の模式図である。 図1に示すクロスフィンチューブ型熱交換器に組み付けられている内面溝付伝熱管を、管軸方向に対して垂直な面で切ったときの断面図である。 図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。 図3中の符号14の方向から見た内面フィンの及び内面溝の一部分の図である。 図3に示す内面溝付伝熱管を斜視した図である。 図4及び図5中の符号13で示す部分の拡大図である。 図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。 図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。 実施例及び比較例で製造した評価用のクロスフィンチューブ型熱交換器を示す断面図である。 管内熱伝達率性能評価方法を示す図である。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)とするとき、下記式(1):
0.055≦t/D≦0.09 (1)
を満たし、
該内面溝付伝熱管の内面溝の底部に、該内面溝の長手方向に、微細溝が形成されている蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器である。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器について、図1〜図8を参照して説明する。図1は、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器の形態例の模式図であり、図2は、図1に示すクロスフィンチューブ型熱交換器に組み付けられている内面溝付伝熱管を、管軸方向に対して垂直な面で切ったときの断面図であり、図3は、図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図である。
図1中、蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器1は、アルミニウムフィン2と、内面溝付伝熱管3とを有する。該内面溝付伝熱管3は、ヘアピン加工部4で、ヘアピン加工されて、U字形状に加工されており、複数の該アルミニウムフィン2に挿通されて組み付けられている。そして、複数の該内面溝付伝熱管3が、該アルミニウムフィン2に挿通され、該内面溝付伝熱管3の該ヘアピン加工部4と反対側が、Uベンド管5により、1の該内面溝付伝熱管3の管端と、他の該内面溝付伝熱管3の管端が繋がれている。このことにより、該蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器1に、炭酸ガス冷媒6の流路が形成される。
図2に示すように、該内面溝付伝熱管3を管軸方向対して垂直な面で切った断面において、該内面溝付伝熱管3の管内面には、管周方向17に、多数の内面溝12が、管軸方向に対して、一定のらせん角θ(°)をもって、らせん状に形成されると共に、多数の内面フィン11が、らせん状に形成されている。管外径D(mm)とは、該内面溝付伝熱管3の外径を指す。なお、該内面溝付伝熱管3には、管周方向17に亘って該内面溝12及び該内面フィン11が形成されているが、作図の都合上、図2においては、該内面溝12及び該内面フィン11の一部を記載し、他の記載を省略した。
図3に示すように、該内面溝付伝熱管3の管内面には、該内面溝12及び該内面フィン11が加工されている。該内面フィン11の形状は、管の中心に向かって細くなっている略等脚台形である。
該内面溝12の底部29には、該内面溝12の長手方向に、微細溝が形成されている。該内面溝12の底部29に形成されている該微細溝について説明する。図4に、図3中の該内面溝12及び該内面フィン11を符号14側、つまり、該内面溝付伝熱管3の中心から管の内面を見た時の図を示す。また、図5に、図3中の該内面溝付伝熱管3を斜視した図を示す。図4及び図5中、点線で囲った部分(符号13)は、該内面溝12の底部29の一部であるが、この符号13で示される部分の拡大図を、図6に示す。なお、該内面溝12の長手方向18とは、管軸方向に対して、一定のらせん角θ(°)をもって、らせん状に該内面溝12が連続している方向である。
図6に示すように、該内面溝12の底部29には、微細溝15(15a、15b、15c)が形成されている。該微細溝15の形成方向は、該内面溝12の長手方向18である。ここで、本発明において、該内面溝の長手方向に該微細溝が形成されているとは、各微細溝15について、その全範囲に亘って、該内面溝12と、全く同一のらせん角をもって形成されているということ、つまり、内面溝12と、全く同一のらせん角をもって一直線に形成されているということではなく、例えば、該微細溝15bのように、蛇行して形成されていてもよい。つまり、本発明において、該内面溝の長手方向に該微細溝が形成されているとは、該微細溝15の形成方向を局部的に全範囲に亘って観察したときに、各観察点において、溝の形成方向が、該内面溝12の長手方向18に対して±30°以内であればよい。そして、該微細溝15の形成方向を局部的に全範囲に亘って観察したときに、各観察点において、溝の形成方向が、該内面溝12の長手方向18に対して±30°以内であれば、該冷媒の流れ方向に概ね沿うように、核沸騰促進作用を発揮する該微細溝が存在することになるので、該微細溝が冷媒の沸騰核として作用して、蒸発熱伝達特性が高くなる。
各微細溝15は、全範囲に亘って溝幅19が一定でなくてもよく、該微細溝15aのように、溝幅が変化していてもよい。また、該微細溝15cのように、溝幅19が非常に狭いものでも、1μm程度であれば、核沸騰促進作用を発揮できる。そして、該微細溝15の溝幅は、核沸騰促進効果を発揮できる程度であれば、特に制限されないが、核沸騰促進効果が高くなる点で、好ましくは1〜30μm、特に好ましくは3〜20μmである。なお、該微細溝の溝幅は、該微細溝の開口の幅として観察されるものである。
該微細溝15の長さ20は、特に制限されるものではなく、ある程度の長さを持っていることで、核沸騰の核となる可能性を高くする効果がある。
該微細溝15は、なだらかな凹みではなく、溝幅が狭く且つ溝幅に対して深さが深いものであり、核沸騰促進作用を発揮するものである。一方、なだらかな凹みは、核沸騰促進させる作用を十分には発揮しない。
図7及び図8に、図2に示す内面溝付伝熱管の断面のうちの内面フィンの一部分を拡大した図を示す。図7中、底肉厚t(mm)とは、該内面溝付伝熱管3の該内面溝12の最も深い部分23における該内面溝付伝熱管3の肉厚を指す。なお、以下、各内面溝12の最も深い部分23が円周上に重なるように引いた円、すなわち、該内面溝付伝熱管3の外周の円と同心円であり且つ半径が該底肉厚t分だけ小さい円を、底肉厚線25(図7中、符号25で示す一点鎖線)と呼ぶ。内面フィン高さh(mm)とは、該内面フィン11の頂点26の高さを指し、該底肉厚線25から管の中心に向かって突き出している部分の長さを指す。ここで、該内面フィン高さhは、該内面フィン11の幅方向の中央部の高さ、つまり、該内面フィン11の中心線の長さである。内面フィンピッチp(mm)とは、隣り合う該内面フィン11間における、該内面フィン11の中心線と該底肉厚線25とが交差する点間の直線距離を指す。フィン頂角α(°)は、該内面フィンの側面を延ばしたときの交差角を指す。内面フィン幅Wf(mm)は、該内面フィン高さhの半分の位置における、該内面フィン11の幅を指す。なお、該内面フィン11の先端の形状は、図3、図7及び図8では円弧であるが、これに限らず、先端が偏平となった形状や、先端が尖った三角形状であってもよい。
本発明に係る該内面溝付伝熱管において、t/Dは0.055〜0.09である。二酸化炭素を主成分とする冷媒は、その作動圧力が3.5〜16MPaと高いため、伝熱管の耐圧強度を向上させる必要があり、そのため、該底肉厚tを厚くする必要がある。該底肉厚tの厚さは、該管外径D及び伝熱管材質の引張強さσBにより、安全係数を考慮して適宜決定されるが、伝熱管材質として一般的に用いられるりん脱酸銅等の軟質材又は純銅に最大2質量%程度の添加成分を添加した低合金銅においては、t/Dは、0.055以上であることが必要である。一方、t/Dが0.09を超えると、単重が大きくなって、コストアップとなるとともに、熱伝達性が悪くなり、該内面フィン高さhを低くせざるを得なくなることから、十分な熱交換性能が得られなくなる。そのため、t/Dは0.09以下であることが必要である。なお、本発明において、t/Dの値は、管軸方向に垂直な断面における管周方向の全内面溝の該底肉厚tの平均値より算出される値である。また、該管外径Dは、4〜12.7mm、好ましくは7〜12.7mmである。
該微細溝が該内面溝の底部に形成されていることにより、以下のような作用効果がある。
伝熱管に内面溝を形成すると、平滑管と比較して液冷媒を薄膜化する効果がある。この内面溝付伝熱管をクロスフィンチューブ型熱交換器に組み付けて、二酸化炭素冷媒を伝熱管の内部に流通させて蒸発器として熱交換させる場合(液冷媒の蒸発により空気側から吸熱させる場合)、冷媒入口から冷媒出口にかけて、クォリティ(乾き度)が変化していき、冷媒出口に向かうに従って、クォリティが増加していく。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に係る該内面溝付伝熱管では、クォリティによって、核沸騰に寄与する部位が異なる。先ず、冷媒入口近くの液膜が厚い低クォリティ領域では、該内面溝自身(図2中の符号12の該内面溝)が、オープンキャビティーとして機能し、核沸騰を促進させる。このような核沸騰を促進させるオープンキャビティーとして機能する該内面溝の好ましい形態としては、Wgが0.07〜0.15mm、Wg/dが0.5〜0.8のものである(Wg及びdについては、後述する。)。
次いで、冷媒入口から冷媒出口に向かうに従って、クォリティは増加していくが、この増加に伴って液膜が薄くなってくると、該内面溝の底部に形成されている該微細溝も、核沸騰を促進するオープンキャビティーとして機能するようになってくる。このような領域では、該内面溝と該微細溝の両方が、核沸騰の促進に寄与する。
更に冷媒出口に向かうと、クォリティは更に増加し、液膜が非常に薄い状態となる。このような高クォリティ領域では、該内面溝の底部に形成されている該微細溝による核沸騰の促進効果が支配的になる。
このようなことから、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器においては、低クォリティ領域から高クォリティ領域の全域に亘って、核沸騰の促進作用が発揮され、蒸発熱伝達率を向上させる効果を奏する。
図8中、内面溝深さd(mm)とは、内面フィン頂点線27から、該内面溝12の最も深い部分23までの距離である。なお、該内面溝付伝熱管3の該内面フィン11の頂点26が円周上に重なるように引いた円、すなわち、該内面溝付伝熱管3の外周の円と同心円であり且つ半径が該底肉厚t及び該内面フィン高さhの合計分だけ小さい円を、該内面フィン頂点線27(図8中、符号27で示す一点鎖線)と呼ぶ。内面溝幅Wg(mm)は、該内面溝深さdの半分の位置における、該内面溝12の幅を指す。
本発明において、該内面溝の底部とは、該内面溝12の壁面のうち、図8中の符号29で示す部分(太線で示す部分)である。つまり、該内面溝12の最も深い部分23から、該内面溝深さdの5分の1の長さ分だけ上側の位置28までの、該内面溝12の壁面である。言い換えると、該内面溝12の最も深い部分23から、該内面溝深さdの5分の1の長さ分だけ、該内面溝付伝熱管3の中心寄りの位置(符号28で示す点線)までの、該内面溝12の壁面である。そして、該内面溝12の最も深い部分23から、該内面溝深さdの5分の1の長さ分だけ上側の位置28までの該内面溝12の壁面に、すなわち、該内面溝12の底部に、該微細溝15が形成されていることにより、核沸騰促進作用が発揮され、蒸発熱伝達特性が高くなる。
本発明では、個々の内面溝12の全てに、該微細溝15が形成されていることが好ましいが、該内面溝付伝熱管3に形成される該内面溝12のうちの少なくとも1つに、該微細溝15が形成されていれば、その部分が核沸騰促進作用を発揮するので、全く該微細溝15が形成されていない場合に比べれば、蒸発熱伝達特性が高くなる。また、該内面溝12の長手方向の全域に亘って、該微細溝15が形成されていることが好ましいが、該内面溝12の長手方向のうちの少なくとも一部に、該微細溝15が形成されていれば、その部分が核沸騰促進作用を発揮するので、全く該微細溝15が形成されていない場合に比べれば、蒸発熱伝達特性が高くなる。
hは0.10〜0.25mmであり、pは0.18〜0.45mmであり、Wfは0.05〜0.15mmであり、Wgは0.05〜0.15mmである。
αは、0<α≦30であり、好ましくは15≦α≦30である。αを上記範囲とすることにより、蒸発熱伝達特性が高くなる。本発明に係る該内面溝付伝熱管では、αが0°より大きいので、該内面フィン11は、上に行くほど内面フィンの幅が狭くなる形状を有している。なお、図7において、αが0°のときは、内面フィンの両側の側面同士は平行であり、0°より大きくなる(正の数)と、内面フィンの形状は、上に行くほど(管の中心に向かうほど)幅が狭くなる形状となる。
該内面溝付伝熱管3の該らせん角θは、5°以上、好ましくは10〜30°である。らせん角が大きくなる程、液冷媒を伝熱管の頂部に上げる効果が大きくなり、管内面全体として液膜が薄くなる。液膜が薄くなる程、蒸発熱伝熱は促進され、蒸発熱伝達性能が向上する。なお、該らせん角θとは、該内面溝の管軸に対する角度を指す。
該内面溝付伝熱管3の材質は、特に制限されるものではないが、加工性及び熱伝導性が共に良好な、純銅又は純銅に最大2%程度の添加成分を添加した低合金銅が好ましい。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に係る該アルミニウムフィンの材質は、特に制限されるものではないが、加工性及び熱伝導性が高い点で、JIS A 1050等の純アルミニウムが好ましい。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用として用いられる。本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器に用いられる該二酸化炭素を主成分とする冷媒は、二酸化炭素単独か、あるいは、冷凍機油を0〜15質量%含有する二酸化炭素冷媒である。
本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を製造する方法の一例にについて説明する。なお、以下の製造例は、例示であって、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器は、この方法によって製造されたものに限定されるものではない。
先ず、公知の転造加工方法により、連続する1本の原管の内側に、溝付きプラグを挿入し、該溝付きプラグと、該原管の外側に配置される円形ダイスとの間で、該原管を押圧することによって、該原管を縮径するとともに、管内面に溝を形成させ、次いで、空引き抽伸加工して、アルミニウムフィン組み付け前の内面溝付伝熱管(拡管前)を得る。
次いで、得られた該拡管前の内面溝付伝熱管を、該アルミニウムフィンに挿通し、該拡管前の内面溝付伝熱管を拡管及び固着して、本発明の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器を製造する。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1及び比較例1)
<拡管前の内面溝付伝熱管の作製>
りん脱酸銅製の原管を用いて、転造加工及び空引き抽伸加工にて、管外径が7mmの内面溝付伝熱管(拡管前)を作製した(実施例1)。また、りん脱酸銅製の原管を用いて、転造加工にて、管外径が7mmの内面溝付伝熱管(拡管前)を作製した(比較例1)。得られた内面溝付伝熱管(拡管前)の寸法緒元を表1に示す。
Figure 2010203670
<クロスフィンチューブ型熱交換器の製造>
上記で得た該拡管前の内面溝付伝熱管を、下記条件で機械拡管により拡管して、アルミニウムフィンに組み付け、図9に示す評価用のクロスフィンチューブ型熱交換器を製造した。緒元を表2に示す。
(拡管の条件)
外径φ6.09mmの拡管プラグを用いて機械拡管を行った。
Figure 2010203670
<拡管後の内面溝付伝熱管の抜管>
上記のようにして製造した評価用のクロスフィンチューブ型熱交換器から、拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)を抜管した。得られた拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)の寸法緒元を表3に示す。
<拡管後の内面溝付伝熱管の形態観察>
図9中の×位置の管をサンプリングした。観察箇所は、反Uベンド側の1枚目のフィンからの距離xが100mm、200mmの位置で、左右1つづつ、計4箇所である。
各観察箇所について、管周の90°間隔で、4つの位置の内面溝の底部を、走査型電子顕微鏡観察(SEM)で、表面観察した。よって、4位置×4箇所=16視野のSEM観察を行った。その結果を表3に示す。なお、各視野の大きさは125μm×90μmであった。

Figure 2010203670
1)視野中に、溝幅1μm以上で長さ20μm以上の微細溝が1個でも観察された場合、微細溝が観察されたとする。
2)16視野分の合計である。
<拡管後の内面溝付伝熱管の管内熱伝達率性能評価>
実施例1の評価用のクロスフィンチューブ型熱交換器より抜管した拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)から、次の(1)及び(2)の2種類の伝熱管片を選定して繋ぎ合せて評価した。また、比較例1の評価用のクロスフィンチューブ型熱交換器より抜管した拡管後の内面溝付伝熱管(拡管後)を、繋ぎ合せて、次の(3)として評価した。
(1)実施例1で拡管された内面溝付伝熱管のうち、管周の90°間隔の4つの位置のうち、3つの位置で微細溝が観察されたもの
(2)実施例1で拡管された内面溝付伝熱管のうち、管周の90°間隔の4つの位置のうち、1つの位置で微細溝が観察されたもの
(3)比較例1で拡管された内面溝付伝熱管、すなわち、管周の90°間隔の4つの位置のうち、いずれの位置にも微細溝が観察されなかったもの
次いで、図10に示すように、上記(1)〜(3)の各内面溝付伝熱管(拡管後)30を内管として、外管31の内側に挿通し、下記に示す条件に制御した二酸化炭素冷媒を拡管後の内面溝付伝熱管30内に流し、環状部32を流れる水と熱交換させ、水及び冷媒の出入口温度及び流量から熱伝達率を求めた。条件としては、伝熱管出口圧力4.07MPa、飽和温度:7.0℃、出口過熱度:3.0℃、入口乾き度0.1、質量冷媒速度:300又は500kg/m・sとした。その結果を表4に示す。
Figure 2010203670
1)内面溝付伝熱管(拡管後)の(3)の熱伝達率を100としたときの、各内面溝付伝熱管(拡管後)の熱伝達率
本発明によれば、熱交換性能に優れる蒸発器を製造することができる。
1 蒸発器用のクロスフィンチューブ型交換器
2 アルミニウムフィン
3 内面溝付伝熱管
4 ヘアピン加工部
5 Uベンド管
11 内面フィン
12 内面溝
15(15a、15b、15c) 微細溝
17 管周方向
18 内面溝の長手方向
19 幅
20 長さ
23 溝の最も深い部分
25 底肉厚線
26 内面フィンの頂点
27 内面フィン頂点線
29 内面溝の底部
30 抜管した該内面溝付伝熱管(拡管後)
31 外管
32 環状部
D 管外径
t 底肉厚
d 内面溝深さ
h 内面フィン高さ
p 内面フィンピッチ
Wf 内面フィン幅
Wg 内面溝幅
α 内面フィン頂角

Claims (2)

  1. アルミニウムフィンと、該アルミニウムフィンに組み付けられている内面溝付伝熱管とを有し、二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いる蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器であって、
    該内面溝付伝熱管の底肉厚をt(mm)、管外径をD(mm)とするとき、下記式(1):
    0.055≦t/D≦0.09 (1)
    を満たし、
    該内面溝付伝熱管の内面溝の底部に、該内面溝の長手方向に、微細溝が形成されていること、
    を特徴とする蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
  2. 前記微細溝の幅が、1〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器。
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