JP2010198775A - 車両用光源ユニット - Google Patents

Abstract

【課題】ＬＥＤ素子の加熱防止と、ＬＥＤ素子の回路基板への取付けコスト軽減に加え、回路基板からＬＥＤへの電力供給が確実に行われる、回路基板へのＬＥＤの取付構造を備えた車両用光源ユニットの提供。
【解決手段】一対の板状の給電用端子を一体化したＬＥＤ素子と、導電部材によって一体形成された可動部と支持部が前記一対の給電用端子を両面から挟持する一対の板ばね状の通電端子と、前記一対の通電端子を一体化する樹脂製ハウジングと、を備えたＬＥＤソケットと、を備え、前記ＬＥＤ素子は、前記給電用端子の両面から電力供給を受け、前記給電用端子を介して前記板ばね状の通電端子に着脱可能に支持されるようにＬＥＤ光源ユニットを構成した。
【選択図】図２

Description

本発明は、電源から光源であるＬＥＤ素子への通電が確実に行われ、ＬＥＤ素子が加熱による悪影響を受けず、回路基板へのＬＥＤ素子の安価な取り付け構造を有する車両用光源ユニットの技術である。

一般に、ＬＥＤを光源とする車両用標識灯等においては、複数のＬＥＤを半田付けやカシメによって金属基板上に搭載していた。しかし、ＬＥＤは、一般に加熱されることによって光束が低下する問題がある。従って、基板への半田付けは、ＬＥＤを加熱して光束に悪影響を与える点で問題があった。一方、半田付けやカシメによる取り付けは、専用の設備を必要とするため、取付コストが高くなる点で問題があった。しかし、現在のＬＥＤは、一灯当たりの光束が弱いため、複数のＬＥＤを半田付け等によって迅速に搭載する必要が有った。一方、今後ＬＥＤの光束が向上した場合には、光源に採用するＬＥＤが一灯で足りることが考えられる。従って、基板に対するＬＥＤの取付は、半田付け機やカシメ機を使わない安価な取付方法があれば便利である。

以下の特許文献１（特開２００４−１７２０３２号）には、ＬＥＤを成形基板に取り付ける構造が示されている。特許文献１の成形基板は、絶縁性樹脂材で形成される絶縁部の上面に導電性樹脂剤で形成される通電部が一体化されている。また、前記成形基板の絶縁部には、前記通電部の上に突出し、下向きの突起部を有する左右一対の係止片が一体成形されている。一方、特許文献１のＬＥＤは、発光部を有する本体部の両側に帯板状の接続端子が左右一対設けられ、前記接続端子には、前記突起部に係合させる孔が設けられている。

前記ＬＥＤは、導電性を持つ前記成形基板の通電部と絶縁性を持つ前記係止部の間に左右の接続端子を挿入し、前記掛止部の突起を接続端子の孔に係合させることによって、ＬＥＤを成形基板に固定させている。

特開２００４−１７２０３２号

特許文献１のＬＥＤの取付構造は、ＬＥＤを直接基板に半田付けしないため、半田付けによってＬＥＤが加熱される問題や専用設備の設置によってコストが高くなる問題を発生しない。しかし、特許文献１の取付構造においては、ＬＥＤの接続端子が導電部材からなる通電部と絶縁部材からなる掛止部の間に挟持されるため、成形基板から接続端子への電力供給は、導電部が接触する一方の面からのみ行われる。従って、特許文献１の取付構造は、取り付けの際に接続端子と通電部の接触が不十分になりやすく、電力が成形基板からＬＥＤへ供給されずに点灯不良を発生する点で問題がある。

前記課題を考慮して本願発明は、ＬＥＤ素子の加熱防止と、ＬＥＤ素子の回路基板への取付けコスト軽減に加え、回路基板からＬＥＤへの電力供給が確実に行われる、回路基板へのＬＥＤの取付構造を備えた車両用光源ユニットを提供するものである。

前記課題を解決するために請求項１の車両用光源ユニットは、一対の板状の給電用端子を一体化したＬＥＤ素子と、導電部材によって一体形成された可動部と支持部が前記一対の給電用端子を両面から挟持する一対の板ばね状の通電端子と、前記一対の通電端子を一体化した樹脂製ハウジングと、を備えたＬＥＤソケットと、を備えることにより、前記ＬＥＤ素子が前記給電用端子を介して前記板ばね状の通電端子に着脱可能に支持され、前記給電用端子の両面から電力供給を受けるようにした。

（作用）ＬＥＤ素子は、板ばねによってＬＥＤソケットに装着され、前記ＬＥＤソケットを介して回路基板に取り付けられるため、専用の設備により半田付けやカシメを行わなくてもＬＥＤ素子を回路基板へ取り付けることが出来る。

また、ＬＥＤ素子は、板状の給電用端子がその両面を導電部材で形成された板ばね状の通電端子によって挟持されることでＬＥＤソケットに支持されるため、通電端子と給電用端子が十分に接触する。

一方、請求項２は、請求項１記載の車両用光源ユニットにおいて、前記給電用端子が孔を備え、前記通電端子の支持部が前記給電用端子の装着時に前記孔に嵌合する突起と、前記装着時にその先端部が当接するストッパと、を備えるようにした。

（作用）ＬＥＤ素子は、給電用端子を板ばね状の通電端子に装着すると、通電端子の突起が給電用端子の孔と係合し、更に給電用端子の先端が支持部のストッパに当接することにより、通電端子の可動部と支持部との間に位置決めされる。ＬＥＤ素子は、前記孔と突起を係合させる際に給電用端子の先端が支持部のストッパに当接するため、前記孔が突起を乗り越えることなく確実に係合する。

請求項３は、請求項１または２に記載の車両用光源ユニットにおいて、前記通電端子の支持部が、その外側端部に前記給電用端子の両側をガイドする立壁を備えるようにした。

（作用）ＬＥＤ素子は、板ばね状の通電端子へ装着する際に給電用端子の両側端部が立壁に接触することにより、幅方向に位置決めされつつ回路基板に固定される。

請求項４は、請求項１から３のうちいずれかに記載の車両用光源ユニットにおいて、前記通電端子の支持部を前記可動部よりも長く形成した。

（作用）ＬＥＤ素子は、可動部よりも長い通電端子の支持部に給電用端子を載せた後、可動部に向けてスライドさせることによって装着出来る。

請求項５は、請求項１から４のうちいずれかに記載の車両用光源ユニットにおいて、前記ＬＥＤ素子が放熱用端子を備え、前記樹脂製ハウジングが金属製の放熱部材を備え、前記放熱用端子を前記放熱部材と熱伝達可能な状態で連結した。

（作用）ＬＥＤに発生した熱は、放熱用端子から金属製の放熱部材に伝達されて周囲に放熱されるため、光束値の高いＬＥＤを光源に採用しても点灯中にＬＥＤに熱がこもらることが無い。、

課題を解決するため、請求項１の車両用光源ユニットによれば、ＬＥＤを半田付けしないため、取り付け時にＬＥＤが加熱されることがなく、専用の取り付け機を用意することによるコストアップも無い。また、ＬＥＤ素子は、給電用素子が導電部材によって一体に形成された通電端子の可動部と支持部によって挟持されて確実な電力供給を受けるため、点灯不良が発生しない。

請求項２の車両用光源ユニットによれば、ＬＥＤ素子を通電端子に取付ける際にＬＥＤ素子側の孔と通電端子側の突起との嵌合に加え、通電素子側のストッパによって前後方向に位置決めされるため、ＬＥＤ素子がＬＥＤソケット上に精度よく取り付けられると共に容易かつ簡単に装脱着される。

請求項３の車両用光源ユニットによれば、ＬＥＤ素子を通電端子に取付ける際に立壁によって幅方向に位置決めされるため、ＬＥＤソケット上に更に精度よく取り付けられると共に容易かつ簡単に装脱着される。

請求項４の車両用光源ユニットによれば、ＬＥＤ素子をＬＥＤソケットに更に容易に取り付けることが出来る。

請求項５の車両用光源ユニットによれば、点灯中におけるＬＥＤの加熱が低減されるため、ＬＥＤの光束値の低下が防止される。

本発明の第一実施例に係る車両用光源ユニットの水平断面図である。 第一実施例の車両用光源ユニットのＬＥＤソケットの斜視図である。 ＬＥＤソケットの正面図である。 ＬＥＤソケットの平面図である。 ＬＥＤ素子の平面図である。 ＬＥＤソケットの底面図である。 は、図４のＩ−Ｉ断面図である。 は、車両用光源ユニットのＬＥＤソケットの第二実施例を表す正面図である。

次に、本発明の公的な実施形態を、以下の第一及び第二実施例に基づいて説明する。

図１〜図８は、本発明の実施例を示すもので、図１は、本発明の第一実施例に係る車両用光源ユニットの水平断面図、図２は、第一実施例の車両用光源ユニットのＬＥＤソケットの斜視図、図３は、ＬＥＤソケットの正面図、図４は、ＬＥＤソケットの平面図、図５は、ＬＥＤ素子の平面図、図６は、ＬＥＤソケットの底面図、図７は、図４のＩ−Ｉ断面図、図８は、ＬＥＤソケットの第二実施例を表す正面図である。

まず、図１から図７により、本発明の第一実施例を説明する。車両用光源ユニット１は、図１に示すようにランプボディ２０に固定された階段状の回路基板２と、基板２の前面２ａに対向して設けた前面カバー３と、基板の平面２ａにそれぞれ光源として取り付けられた複数のＬＥＤソケット４と、ＬＥＤソケット４の前面に配置された前面カバー３と、前面カバー３の前方に形成されたレンズステップ５を外部から遮蔽するアウターレンズ６によって構成されており、ＬＥＤソケット４は、導電ケーブル７によって図示しない電源に接続されて電力供給を受ける。

ＬＥＤソケット４は、図２，３に示すとおり、ＬＥＤ素子８、ＬＥＤ素子８を着脱自在に取り付ける一対の板ばね状の通電端子（９，１０）、一対の板ばね状の通電端子（９，１０）を一体化して回路基板２に取り付ける樹脂製ハウジング１１によって構成される。

ＬＥＤ素子８は、素子本体８ｃの両側に給電用端子（８ａ，８ｂ）を備える。一対の板ばね状の通電端子（９，１０）は、ＬＥＤ素子８の給電用端子（８ａ，８ｂ）を挟持する支持部（９ａ，１０ａ）と可動部（９ｂ、１０ｂ）、給電用端子（８ａ，８ｂ）の両端部を位置決めする立壁（９ｃ，１０ｃ）及び導電ケーブル７と接続する給電部（９ｄ、１０ｄ）を備える。

第一実施例の一対の板ばね状の通電端子（９，１０）は、それぞれ金属板等の導電部材を曲げ加工することによって各部を一体に形成すると共に、図３に示す前方から見て左右対称に形成する。立壁（９ｃ，１０ｃ）は、支持部（９ａ，１０ａ）の外側端部からそれぞれ略直角に屈曲させ、舌片形状の給電部（９ｄ、１０ｄ）は、支持部（９ａ，１０ａ）から前記立壁と逆方向かつ略直角に屈曲させる。舌片形状の可動部（９ｂ、１０ｂ）は、立壁（９ｃ，１０ｃ）と平行であり、かつ基端部で連結される。可動部（９ｂ、１０ｂ）は、前記立壁との連結部分において、支持部（９ａ，１０ａ）に向けて略直角に屈曲させる。可動部（９ｂ、１０ｂ）は、基端部近傍で支持部（９ａ，１０ａ）に向けて屈曲する第一屈曲部（９ｂ１、１０ｂ１）と、先端部近傍で第一屈曲部（９ｂ１、１０ｂ１）と逆向きに屈曲する第二屈曲部（９ｂ２、１０ｂ２）を備える。

第二屈曲部（９ｂ２、１０ｂ２）は、ＬＥＤ素子８の給電用端子（８ａ，８ｂ）の板圧よりも薄い隙間を保持しつつ支持部（９ａ，１０ａ）と対向して配置するか、または支持部（９ａ，１０ａ）に接触させる。可動部（９ｂ、１０ｂ）は、立壁（９ｃ，１０ｃ）を介して支持部（９ａ，１０ａ）との間に板ばねを構成し、第二屈曲部（９ｂ２、１０ｂ２）と支持部（９ａ，１０ａ）の間に挿入された給電用端子（８ａ，８ｂ）を挟持する。給電用端子（８ａ，８ｂ）は、支持部（８ａ，８ｂ）と可動部の第二屈曲部（９ｂ２、１０ｂ２）によってその両面から十分な給電を受ける。

また、ＬＥＤソケット４は、図３、図７に示すとおり、板ばね状の通電端子（９，１０）の給電部（９ｄ、１０ｄ）を樹脂製のハウジング１１の取付孔（１１ａ，１１ｂ）に貫通させ、板ばね状の通電端子（９，１０）とハウジング１１を一体化することによって形成する。板ばね状の通電端子（９，１０）は、給電部（９ｄ、１０ｄ）の外形よりも内形を若干小さく形成した取付孔（１１ａ，１１ｂ）に給電部（９ｄ、１０ｄ）を圧入すること固定するか、または支持部（９ａ，１０ａ）の裏面を図５に示すハウジング１１の表面１１ｃに接着すること等によって固定する。

一方、図５，６に示すとおり、ＬＥＤ素子８を板ばね状の通電端子（９，１０）に装着する際の位置決め用として、ＬＥＤ素子８の給電用端子（８ａ，８ｂ）には、孔（８ａ１，８ｂ１）を設け、板ばね状の通電端子（９，１０）の支持部（９ａ，１０ａ）には、孔（８ａ１，８ｂ１）に係合させる突起（９ａ１，１０ａ１）をプレス加工等によって設ける。

更に支持部（９ａ，１０ａ）には、孔（８ａ１，８ｂ１）を突起（９ａ１，１０ａ１）に係合させた状態において給電用端子（８ａ，８ｂ）の前方に位置するストッパ（９ａ２，１０ａ２）をプレス加工等によって設ける。給電用端子（８ａ，８ｂ）の孔（８ａ１，８ｂ１）は、突起（９ａ１，１０ａ１）を乗りこえようとすると、給電用端子（８ａ，８ｂ）の先端がストッパ（９ａ２，１０ａ２）と衝突するため、突起（９ａ１，１０ａ１）と確実に係合する。

また、図４と図５に示すとおり、立壁（９ｃ，１０ｃ）は、内壁の間隔Ｌ１がＬＥＤ素子８の幅Ｌ２と略同一になるように板ばね状の通電端子（９，１０）をハウジング１１に一体化する。ＬＥＤ素子８と通電端子（９，１０）の幅方向の位置決めは、給電用端子（８ａ、８ｂ）の両端が立壁（９ｃ，１０ｃ）の内壁によってガイドされることで確実になる。

また、図７に示すとおり、支持部（９ａ，１０ａ）は、長さＬ３を可動部（９ｂ、１０ｂ）の長さＬ４より長く形成する。ＬＥＤ素子８は、給電用端子（８ａ，８ｂ）を支持部（９ａ，１０ａ）の先端側、即ち図４の下端近傍に載せてから、基端部側の可動部（９ｂ、１０ｂ）に向けて上方にスライドさせることが出来るため、通電端子（９，１０）への装着が容易である。

ＬＥＤソケット４に対するＬＥＤ素子８の装着は、以下のように行う。まず、ＬＥＤ素子８は、給電用端子（８ａ、８ｂ）の両端を板ばね状の通電端子（９，１０）の立壁（９ｃ，１０ｃ）の内壁間に合わせ、支持部（９ａ，１０ａ）の先端側に配置する。次に、給電用端子（８ａ，８ｂ）を支持部（９ａ，１０ａ）と立壁（９ｃ，１０ｃ）に沿って基端部側へスライドさせ、可動部（９ｂ，１０ｂ）の第二屈曲部（９ｂ２、１０ｂ２）と支持部（９ａ，１０ａ）の間に挟持させる。ＬＥＤ素子８は、前記給電用素子の孔（８ａ１，８ｂ１）が前記支持部の突起（９ａ１，１０ａ１）に係合することにより、板ばね状の通電端子（９，１０）に固定される。一方、ＬＥＤ素子８は、孔（８ａ１，８ｂ１）と突起（９ａ１，１０ａ１）の係合位置を越えてスライドさせようとしても、給電用端子（８ａ，８ｂ）の先端が支持部のストッパ（９ａ２，１０ａ２，）に接触することによってそれ以上スライド出来ないため、孔（８ａ１，８ｂ１）と突起（９ａ１，１０ａ１）が確実に係合した状態で固定される。

尚、回路基板２に対するＬＥＤソケット４の取り付けは、図３に示す回路基板２の表面２ｄへハウジング１１の裏面１１ｄを接着し、またはネジ止め等によって固定することが考えられる。給電部（９ｄ、１０ｄ）は、回路基板２を貫通させ、導電ケーブル７に半田付け等によって接続する。尚、ＬＥＤ素子８は、給電部（９ｄ、１０ｄ）を導電ケーブル７と半田付けする際にＬＥＤソケット４から外しておくことが出来るため、導電ケーブルの接続加工時に加熱されることがない。尚、回路基板２に対するＬＥＤソケット４の取り付けは、ＬＥＤソケット４の受け側のターミナルを回路基板２に設け、ＬＥＤソケット４を前記ターミナルに装着する構造にすることで、ＬＥＤソケット４の着脱を容易にすることが出来る。

次に図８により、ＬＥＤソケットの第二実施例を説明する。図８のＬＥＤソケット１２は、樹脂製ハウジング１４に放熱部材１３が一体化され、ＬＥＤ素子８の素子本体８ｃから突出する放熱用端子１５が放熱部材１３に連結される以外第１実施例のＬＥＤソケット４と構成が共通する。

放熱部材１３は、樹脂製ハウジング１４よりも熱伝導率が高い金属等によって形成し、複数の放熱フィン１３ａを回路基板２の方向に突出させている。樹脂製ハウジング１４は、表裏に貫通する段差孔１４ａを備え、放熱部材１３は、段差孔１４ａの段差部（１４ｂ，１４ｃ）にネジ止め（１６、１７）によって固定する。尚、放熱部材１３は、ネジ止めの他、段差部（１４ｂ，１４ｃ）に接着等によって固定してもよい。複数の放熱フィン１３ａは、ハウジング１４を回路基板２に固定すると、回路基板２に接触しない状態で保持される。

一方、ハウジング１４に取付けられた放熱部材１３の上端１３ｂは、貫通する段差孔１４ａから上方に突出する。ＬＥＤ素子８の裏面には、放熱用端子１５が突出し、放熱部材１３の上端１３ｂと熱伝達可能な状態で連結される。尚、放熱用端子１５は、短絡しない構成により給電用端子（８ａ、８ｂ）に兼用させても良い。

第二実施例のＬＥＤソケット１２によれば、ＬＥＤ素子８で発生した熱は、大半が放熱部材１３に熱伝達され、複数の放熱フィン１３から大気中に放熱されるため、ＬＥＤ素子８が過剰に加熱されることがない。

１ 車両用光源ユニット
４ ＬＥＤソケット
８ ＬＥＤ素子
８ａ，８ｂ 一対の給電用素子
８ａ１，８ｂ２ 孔
９，１０ 板ばね状の通電端子
９ａ，１０ａ 支持部
９ａ１，１０ａ１ 突起
９ａ２，１０ａ２ ストッパ
９ｂ，１０ｂ 可動部
９ｃ，１０ｃ 立壁
１１，１４ 樹脂製ハウジング
１３ 放熱部材
１５ 放熱用端子
Ｌ３ 支持部の長さ
Ｌ４ 可動部の長さ

Claims (5)

1. 一対の板状の給電用端子を一体化したＬＥＤ素子と、
   導電部材によって一体形成された可動部と支持部が前記一対の給電用端子を両面から挟持する一対の板ばね状の通電端子と、前記一対の通電端子を一体化した樹脂製ハウジングと、を備えたＬＥＤソケットと、を備え、
   前記ＬＥＤ素子は、前記給電用端子を介して前記板ばね状の通電端子に着脱可能に支持され、前記給電用端子の両面から電力供給を受けることを特徴とする、車両用光源ユニット。
2. 前記給電用端子は、孔を備え
   前記通電端子の支持部は、前記給電用端子の装着時に前記孔に嵌合する突起と、前記装着時にその先端部が当接するストッパと、を備えたことを特徴とする請求項１記載の車両用光源ユニット。
3. 前記通電端子の支持部は、その外側端部に前記給電用端子の両側をガイドする立壁を備えたことを特徴とする、請求項１または２に記載の車両用光源ユニット。
4. 前記通電端子の支持部は、前記可動部よりも長く形成されたことを特徴とする請求項１から３のうちいずれかに記載の車両用光源ユニット。
5. 前記ＬＥＤ素子は、放熱用端子を備え、
   前記樹脂製ハウジングは、金属製の放熱部材を備え、
   前記放熱用端子が前記放熱部材と熱伝達可能な状態で連結されたことを特徴とする、請求項１から４のうちいずれかに記載の車両用光源ユニット。

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