JP2010197905A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精細化されたプラズマディスプレイパネルであっても、ノイズを増加させることなく画像表示品質を向上させる。
【解決手段】画像を表示する表示領域を有し、表示領域は走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する複数の放電セルにより構成されたプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、維持期間においてサブフィールド毎に設定された輝度重みに所定の輝度倍率を乗算した数の維持パルスを表示電極対に交互に印加し、入力画像信号の信号レベルが所定値以上である領域の表示領域に対する割合(高輝度領域比率)を検出し、高輝度領域比率があらかじめ定められた閾値未満のときには、高輝度領域比率がその閾値以上のときに比べて、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みを大きくして1フィールド期間における輝度重みの総和を大きくする。
【選択図】図7

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成するとともに、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(励起粒子)を発生させる。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加(以下、この動作を「走査」とも記す)するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加する(以下、これらの動作を総称して「書込み」とも記す)。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を発生させ、選択的に壁電荷を形成する。
続く維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に放電を起こし、その放電セルを発光させる。これにより画像表示を行う。
また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた駆動方法が開示されている。
具体的には、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては直前の維持期間で維持放電を行った放電セルにのみ初期化放電を発生させる選択初期化動作を行う。このように駆動することによって、画像の表示に関係のない発光に依存して変化する黒表示領域の輝度(以下、「黒輝度」と略記する)は全セル初期化動作における微弱発光だけとなり、コントラストの高い画像表示が可能となる(例えば、特許文献1参照)。
このようなパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置では、その消費電力を削減するため、様々な消費電力削減技術が提案されている。
消費電力を削減する技術の一つとして、パネルが容量性の負荷であることに着目し、インダクタを構成要素に含む共振回路によってそのインダクタとパネルの負荷容量とをLC共振させ、パネルの負荷容量に蓄えられた電力を電力回収用のコンデンサに回収し、回収した電力をパネルの駆動に再利用する、いわゆる電力回収回路が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
この技術では、例えば、維持期間における走査電極および維持電極への維持パルス電圧の印加にパネルから回収した電力を再利用し、維持期間に消費される電力を削減することで、消費電力の削減を実現することができる。
一方、消費電力の削減と同様に、画像を見やすく表示することも重要であり、画像を明るく表示して見やすくする技術について様々な提案がなされている。
画像を明るく表示する技術の一つとして、維持期間における維持パルスのパルス数を制御する技術が開示されている。パネルにおいては、維持期間において1回の放電によって生じる1回の発光の明るさ(発光輝度)はほぼ同じであるが、その発光期間が短いため、1フィールド期間における発光の回数が多い表示セルほど明るく発光しているように見える。そして、この技術では、この原理を利用し、例えば、1フィールドを第1サブフィールドから第8サブフィールド(以下、第1サブフィールドを第1SF、第2サブフィールドを第2SFというように略記する)の8つのサブフィールドで構成し、第1SFの維持パルス数を1、第2SFの維持パルス数を2、以下第3SFから第8SFまでの維持パルス数をそれぞれ4、8、16、32、64、128としたときに、第1SFから第8SFまでの維持パルス数をそれぞれ2倍の2、4、8、16、32、64、128、256にした2倍モード、第1SFから第8SFまでの維持パルス数をそれぞれ3倍にした3倍モード、同様に4倍にした4倍モードと、サブフィールドの維持パルス数を1倍から2倍、3倍、4倍と変化させる(以下、この維持パルス数の倍率のことを輝度倍率と略記する)ことによって維持期間における発光の回数を制御して画面の明るさを調整する。この技術を用いれば、画像信号の平均輝度レベル(APL:Average Picture Level)を検出し、検出されたAPLにもとづいて輝度倍率を切り替え、APLが低い場合に輝度倍率を上げることで、暗い画像をより明るく表示することが可能となる(例えば、特許文献3参照)。
また、維持期間における維持パルスのパルス数を整数倍のみならず小数点以下の数値の倍数についても行えるようにし、明るさの変化をより滑らかにした技術も開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−242224号公報 特公平7−109542号公報 特開平8−286636号公報 特開平11−231833号公報
近年、パネルの大画面化、高精細化にともない、プラズマディスプレイ装置におけるさらなる表示品質の向上が望まれている。
一方、パネルの高精細化は、走査しなければならない走査電極数を増加させるため、一回の書込み期間に要する時間を増大させ、サブフィールドの長さを増大させる。例えば、サブフィールドの長さが増大し、1フィールド期間を構成するサブフィールド数の上限が抑えられると、画像の表示に用いることができる階調が制限されて階調が荒くなり、ノイズを増加させる恐れがある。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、高精細化されたパネルであっても、ノイズを増加させることなく画像表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明は、画像を表示する表示領域を有し、前記表示領域は走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する複数の放電セルにより構成されたプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、前記維持期間においてサブフィールド毎に設定された輝度重みに所定の輝度倍率を乗算した数の維持パルスを前記表示電極対に交互に印加し、入力画像信号の信号レベルが所定値以上である領域の前記表示領域に対する割合を検出し、検出された前記割合があらかじめ定められた閾値未満のときには、前記割合が前記閾値以上のときに比べて、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みを大きくして1フィールド期間における輝度重みの総和を大きくすることを特徴とする。
本発明によれば、高精細化されたパネルであっても、ノイズを増加させることなく画像表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。保護層26は酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料から形成されている。
背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、本発明の一実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、隣り合う3つの放電セル(R、G、Bの各色に発光する蛍光体層35が設けられた3つの放電セル)により1つの画素が構成され、m×n個の放電セルが形成された領域がパネル10の表示領域となる。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
各サブフィールドにおいて、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子を発生させるという働きを持つ。このときの初期化動作には、全ての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルだけで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。
書込み期間では、後に続く維持期間において発光させるべき放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに比例した数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。このときの比例定数が「輝度倍率」である。
本実施の形態では、1フィールド期間を9個のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第9SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、4、7、13、24、41、64、100)の輝度重みを持つものとする。そして、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第9SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。
なお、上述した各サブフィールドの輝度重みの値は、本実施の形態における一実施例を示したものに過ぎない。本実施の形態では、画像信号の平均輝度レベル(以下、「APL」と略記する)を検出し、検出したAPLにもとづき輝度重みの値を変更する構成としている。この詳細については後述する。
図3は、本発明の一実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。図3には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)の第1サブフィールド(第1SF)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(以下、「選択初期化サブフィールド」と呼称する)の第2サブフィールド(第2SF)とを示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極の中から画像データにもとづき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜データ電極Dm、維持電極SU1〜維持電極SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。なお、本実施の形態では、この上りランプ波形電圧を約1.3V/μsecの勾配にして発生させている。
この上りランプ波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上部および維持電極SU1〜維持電極SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmには0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。この間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
なお、図3の第2SFの初期化期間に示したように、初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnに放電開始電圧以下となる電圧(例えば、0(V))から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下りランプ波形電圧を印加する。これにより前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められる。また直前の維持放電によってデータ電極Dk(k=1〜m)上部に十分な正の壁電圧が蓄積されている放電セルでは、この壁電圧の過剰な部分が放電され書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように前半部を省略した初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルのみに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては順次走査パルス電圧を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmに対しては発光させるべき放電セルに対応するデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加して、各放電セルに選択的に書込み放電を発生させる。
書込み期間では、まず維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vcを印加する。そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、1行目に発光させるべき放電セルにおいて、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生するとともに、維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電が発生する。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜データ電極Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、走査電極SC1〜走査電極SCnに、ベース電位となる0(V)から電圧Versに向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「消去ランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。例えば、消去ランプ波形電圧は約10V/μsecの勾配で上昇する。これにより、微弱な放電を持続して発生させ、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧の一部または全部を消去している。
続くサブフィールドの動作は、維持期間の維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、本実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成について説明する。図4は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45および各回路に必要な電力を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号sigを放電セルにおけるサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データであるサブフィールドデータに変換する。
タイミング発生回路45は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vにもとづき各回路の動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路へ供給する。
走査電極駆動回路43は、初期化期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する初期化波形電圧を発生するための初期化波形発生回路、維持期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路、複数の走査ICを備え書込み期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する走査パルス電圧を発生するための走査パルス発生回路を有する。そして、タイミング信号にもとづいて各走査電極SC1〜走査電極SCnをそれぞれ駆動する。
データ電極駆動回路42は、画像信号処理回路41から出力されるサブフィールドデータおよびタイミング信号に基づいて各データ電極D1〜データ電極Dmを駆動する。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路および電圧Ve1、電圧Ve2を発生するための回路を備え、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜維持電極SUnを駆動する。
図5は、本発明の一実施の形態における画像信号処理回路41の回路ブロック図である。なお、図5には、本実施の形態における輝度倍率の制御および輝度重みの制御に関係する回路ブロックを示し、それ以外の回路ブロックは省略している。
画像信号処理回路41は、A/D変換回路60と、ガンマ補正回路61と、APL検出回路62と、誤差拡散回路63と、乗算回路64と、サブフィールドデータ作成回路65と、メモリ66と、信号レベル領域検出回路67と、輝度倍率設定回路68とを有する。
A/D変換回路60は、一般に知られているA/D変換(Analog Digital 変換)を行い、画像信号処理回路41に入力されるアナログの画像信号を、例えば10bitのデジタルの画像信号に変換する。
ガンマ補正回路61は、A/D変換回路60から出力されるデジタルの画像信号に、テレビジョン信号の処理において一般に行われているガンマ補正を施す。ガンマ補正では、画像信号にガンマカーブと呼ばれる階調値に応じて変化する補正値を乗算する処理を行う。このとき、デジタルの画像信号はガンマ補正による乗算処理により、補正前の画像信号(例えば、10bitのデータ)よりも大きいデジタルデータ(例えば、16bitのデータ)に拡張されてガンマ補正回路61から出力される。
APL検出回路62は、画像信号のうちの輝度信号を1フィールド期間にわたって累積加算するといった一般に知られた算出方法により、画像信号の平均的な明るさ(APL)を検出し、例えば0%から100%までの数値に正規化して出力する。
信号レベル領域検出回路67は、画像信号のうちの輝度信号を1フィールド期間にわたって1画素毎に検出し、あらかじめ定められた輝度信号の範囲内にある画素の数を累積加算し、例えば0%から100%までの数値に正規化した割合として出力する。本実施の形態では、輝度信号があらかじめ定められた値以上である画素の数を累積加算するようにしている。すなわち、信号レベル領域検出回路67は、信号レベルが所定値以上を有する領域である高輝度領域(信号レベルが高い領域)の割合(パネル10の表示領域に対する高輝度領域の割合、面積比率)を出力するもので、表示領域全体が高輝度領域になる場合には100%を出力する。ここで、信号レベル領域検出回路67が出力する高輝度領域の割合を「高輝度領域比率」とする。
誤差拡散回路63は、画像信号の階調値と表示用の階調値との間に差があるときに、その差を周囲の画素に拡散させることで、表示される階調値を画像信号の階調値に近づけるといった、一般に知られた誤差拡散処理を行う。なお、誤差拡散回路63では、ガンマ補正回路61から出力される画像信号(例えば、16bitのデータ)を、階調数(表示に用いる階調値の数)を制限した画像信号(例えば、9bitのデータ)に変換して出力する。
メモリ66には、1フィールド期間における各サブフィールドの輝度重みの組み合わせが異なる複数のサブフィールド情報(以下、「サブフィールド構成」と呼称する)とサブフィールド構成に応じた複数のコーディングデータとがあらかじめ記憶されている。コーディングデータとは、どの階調値を画像表示に用いるか、その階調値を表示するために点灯させるサブフィールドと非点灯のサブフィールドとをどう組み合わせるかをあらかじめ定めたデータである。すなわち、1つのサブフィールド構成の下には、そのサブフィールド構成に基づきあらかじめ定められた複数のコーディングデータがあり、そのような複数のコーディングデータが、各サブフィールド構成にそれぞれ設定されてメモリ66に記憶されている。そして、メモリ66は、サブフィールドデータ作成回路65からの制御によりサブフィールドデータ作成回路65へ内部データを出力する。
なお、本実施の形態においては、メモリ66に記憶された複数のサブフィールド構成の中には、1フィールド期間における輝度重みの総和が異なるサブフィールド構成が含まれている。
サブフィールドデータ作成回路65は、信号レベル領域検出回路67において検出される高輝度領域比率に応じて1つのサブフィールド構成を選択し、そのサブフィールド構成の下に作成された複数のコーディングデータの中から、画像信号の階調値に応じたコーディングデータを選択してメモリ66から読み出す。このようにして読み出したデータを、サブフィールドデータとしてデータ電極駆動回路42に出力する。また、選択されたサブフィールド構成における各サブフィールドの輝度重み情報をタイミング発生回路45に出力する。
なお、本実施の形態では、上述したように、複数のサブフィールド構成の中に、1フィールド期間における輝度重みの総和が異なるサブフィールド構成を含む。そのため、画像信号を、輝度重みの総和に応じたデジタルデータに変更しなければならない。そこで、乗算回路64では、サブフィールドデータ作成回路65で選択されるサブフィールド構成の輝度重みの総和にもとづき、画像信号の階調数を変更する処理を行う。例えば、サブフィールドデータ作成回路65で選択されるサブフィールド構成の輝度重みの総和が256になるときには、乗算回路64は、誤差拡散回路63から出力される画像信号(例えば9bit、512階調のデジタルデータ)を256階調のデジタルデータに変更し、輝度重みの総和が322になるときには誤差拡散回路63から出力される画像信号を322階調のデジタルデータに変更する。
そして、輝度倍率設定回路68は、APL検出回路62において検出されるAPLに応じて輝度倍率を設定し、タイミング発生回路45に出力する。なお、本実施の形態では、信号レベル領域検出回路67において検出される高輝度領域にもとづき、サブフィールド構成(ここでは、各サブフィールドの輝度重み)を変更するため、輝度倍率をサブフィールド構成に合わせた値に変更しなければならない。そこで輝度倍率設定回路68では、サブフィールドデータ作成回路65で選択されるサブフィールド構成の輝度重みの総和にもとづき、画像信号の輝度倍率を変更する処理を行う。
そして、データ電極駆動回路42では、サブフィールドデータ作成回路65から出力されるサブフィールドデータに基づき書込み動作を行い、タイミング発生回路45では、サブフィールドデータ作成回路65から出力される輝度重み情報および輝度倍率設定回路68から出力される輝度倍率にもとづき各サブフィールドの維持期間における維持パルスの発生数を制御する。
次に、本実施の形態におけるAPL検出回路62において検出されるAPLと、信号レベル領域検出回路67において検出される高輝度領域比率と、サブフィールドデータ作成回路65において選択されるサブフィールド構成および輝度倍率設定回路68において設定される輝度倍率の関係について説明する。まず、1フィールド期間において発生させる維持パルスの総数とAPLとの関係について説明する。なお、以下の説明において用いるAPLは、APL検出回路62において検出されるAPLであるものとする。
図6は、本発明の一実施の形態におけるAPLと1フィールド期間に発生させる維持パルスの総数および消費電力との関係の一例を示す特性図である。なお、図6(a)は、本実施の形態におけるAPLと1フィールド期間において発生させる維持パルスの総数との関係の一例を示す特性図であり、横軸はAPL検出回路62において検出されるAPLを表し、縦軸は1フィールド期間において発生させる維持パルスの総数(以下、単に「維持パルスの総数」と記す)を表す。また、図6(b)は、本実施の形態におけるAPLと消費電力との関係の一例を示す特性図であり、横軸はAPL検出回路62において検出されるAPLを表し、縦軸はプラズマディスプレイ装置1における消費電力を表す。
本実施の形態では、図6(a)に示すように、APLが24%未満の画像を表示するときには維持パルスの総数が約918になるように、APLが100%の画像を表示するときには維持パルスの総数が239になるように、また、APL24%以上の画像を表示するときには、APL24%からAPL100%まで、維持パルスの総数が918から239へと徐々に少なくなるように、APLに応じてサブフィールド構成および輝度倍率を変更している。このとき、本実施の形態では、APL24%からAPL100%までは、図6(b)に示すように消費電力が一定となるように維持パルスの総数を制御している。なお、本実施の形態では、このときの変更を120段階に分けて行っている。
このように、表示する画像のAPLが低いときに維持パルスの総数を大きくしているのは、APLが低いときに発生させる維持パルスの総数を大きくすることで、暗い画像をより明るく表示することが可能となるからである。APLが低い画像では、全体的に輝度値が低くなったり、また、全体的に輝度値が低い中に一部輝度値の高い領域が存在するような画像であることが多いため、輝度を上げることで暗い部分と明るい部分との輝度差をさらに大きくすることができ、よりダイナミックな迫力のある画像を表示することが可能となる。
一方、APLが高い画像は全体的に輝度値の高い画像となるため、仮に維持パルスの総数を大きくして輝度を上げても全体的に明るくなるだけで画像のダイナミックさはそれほど大きくは変わらない。さらに、APLが高い画像で輝度をさらに上げるとその分消費電力が増大するといった問題も生じる。そこで、表示する画像のAPLが高いときには維持パルスの総数を少なくし、消費電力の低減を優先した駆動を行う。
このように、APLに応じて維持パルスの総数を変化させる構成とすることで、消費電力を抑えつつ、ダイナミックで迫力のある画像を表示することが可能となる。
ここで、パネル10が高精細化され、走査しなければならない走査電極の数が増加すると、一回の書込み期間に要する時間が増大し、サブフィールドの長さが増大することがある。サブフィールドの長さが増大し、1フィールド期間を構成するサブフィールドの数が制限されると、画像の表示に用いることができる階調値が制限され、表示画像のノイズを増加させる恐れがある。例えば、1フィールド期間を9つのサブフィールドで構成しなければならないような場合には、1フィールド期間を12のサブフィールドで構成したときと比べて、表示画像のノイズが増加する恐れがある。
一方、本発明者は、高輝度領域が大きい画像では、輝度重みの総和に対する輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みの割合を抑えることで、階調値の高い領域において階調値の変化が荒くなるのを抑え、ノイズを低減できることを確認した。また、高輝度領域が小さい画像では、輝度重みの総和に対する輝度重みの小さいサブフィールドの輝度重みの割合を小さくすることで、階調値の低い領域を滑らかに表示できることを確認した。このように、高輝度領域の大きさに応じてサブフィールド構成を変更することで、画像表示品質を向上させることができることを見出した。
そこで、本実施の形態では、高輝度領域の大きさに応じてサブフィールド構成を変更し、高輝度領域の大きい画像を表示するときには、輝度重みの総和に対する輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みの割合を抑え、高輝度領域の小さい画像を表示するときには輝度重みの総和を大きくして輝度重みの総和に対する輝度重みの小さいサブフィールドの輝度重みの割合を小さくする構成とする。
図7は、本発明の一実施の形態における高輝度領域と1フィールド期間における輝度重みの総和(以下、単に「輝度重みの総和」と記す)との関係の一例を示す特性図である。なお、図7(a)は、本実施の形態における高輝度領域比率と輝度重みの総和との関係の一例を示す特性図であり、横軸は信号レベル領域検出回路67において検出される高輝度領域比率を表し、縦軸は輝度重みの総和を表す。また、図7(b)は、本実施の形態における高輝度領域比率の時間変化に対する輝度重みの制御の一例を示す特性図であり、横軸は時間を表し、縦軸は高輝度領域比率と、それに対応した輝度重みの総和の時間変化を表す。ここで、高輝度領域比率の時間変化を示す曲線は、本実施の形態を説明するための一例である。また、図8は、本実施の形態における高輝度領域比率に応じた各サブフィールドの輝度重みの配分の一例を示す図である。
本実施の形態では、高輝度領域の大きい画像を表示するときには、輝度重みの総和に対する輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みの割合が抑えられるように、各サブフィールドの輝度重みを設定する。具体的には、信号レベル領域検出回路67で検出される高輝度領域は、信号レベルが60%以上の領域とし、図7および図8に示すように、高輝度領域比率が閾値(5%)以上では各サブフィールド(第1SFから第9SF)の輝度重みを(1、2、4、7、13、24、41、64、100)とし輝度重みの総和を256にするとともに輝度重みの大きいサブフィールド、例えば、第8SF、第9SFの輝度重みを64、100というように比較的小さい数値に抑える。
これにより、階調値の高い領域において階調値の変化が荒くなるのを抑え高輝度領域の大きい画像を表示するときのノイズを低減することができる。なお、本実施の形態では、APLの高い画像を表示するときには、APLに応じて輝度倍率を3.561から0.93へと徐々に小さくして維持パルスの総数を908から239へと減少させ、図6に示したようにAPL24%以上での消費電力が一定となるように制御している。
また、高輝度領域の小さい画像を表示するときには、輝度重みの総和に対する輝度重みの小さいサブフィールドの輝度重みの割合がより小さくなるようなサブフィールド構成を用いる。具体的には、図7および図8に示すように、高輝度領域比率が閾値(5%)未満のときには各サブフィールド(第1SFから第9SF)の輝度重みを(1、2、4、7、13、25、46、82、142)とし輝度重みの総和を322にしている。この輝度重みを、高輝度領域比率が5%以上のときの輝度重みと比較すると、輝度重みの小さいサブフィールド(ここでは、第1SFから第5SF)では同じとしており、輝度重みの大きいサブフィールド(ここでは、第6SFから第9SF)では増加させている。特に、輝度重みの大きいサブフィールドのうち、輝度重みが大きいサブフィールドほど輝度重みの増加率(例えば第9SFでの増加率は142/100=1.42倍)が大きくなっている。
このように、輝度重みの総和に対する輝度重みの小さいサブフィールドの輝度重みの割合を相対的に小さくすることで、階調値の低い領域における階調値の変化を相対的に細かくし、高輝度領域の小さい画像で表示画像の大部分を占める階調値の低い領域をより滑らかに表示することが可能となる。また、高輝度領域の小さい画像では、階調値の高い領域のノイズは比較的目立ちにくいため、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みを大きくしても、表示画像に与える影響は非常に小さく、問題にはならない。したがって、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みをより大きくして輝度重みの総和を大きくすることで、ノイズを増加させることなく階調値の低い領域を滑らかに表示することが可能となる。
また、図7(b)および図8に示すように、高輝度領域比率が5%以上の画像から高輝度領域比率が5%未満の画像に変化したときには、輝度重みの総数を256から322へと増加させる。一方、高輝度領域比率が5%未満の画像から高輝度領域比率が5%以上の画像に変化したときには、輝度重みの総数を322から256へと減少させる。このとき輝度重みを急変させないように、徐々に輝度重みの総数を変化させる遷移期間を設けている。具体的には、高輝度領域比率が5%未満から5%以上になった場合、遷移期間において、あらかじめ定められた時間間隔(例えば1秒間隔)で輝度重みの総数を322から256へ段階的に減少させていく。一方、高輝度領域比率が5%以上から5%未満になった場合、遷移期間において、あらかじめ定められた時間間隔(例えば1秒間隔)で輝度重みの総数を256から322へ段階的に増加させていく。このとき、輝度重みの小さいサブフィールド(ここでは、第1SFから第5SF)の輝度重みは変化させず、輝度重みの大きいサブフィールド(ここでは、第8SF、第9SF)の輝度重みをより多く変化させるように各輝度重みを設定する。例えば、第1SFから第5SFの輝度重みは、1、2、4、7、13のままで一定としており、第8SFの輝度重みを64と82の間で変化させ、第9SFの輝度重みを100と142の間で変化させる。これにより、信号レベルの変化による輝度重みの変化を滑らかにでき、画像表示品質を向上させることができる。また、制御の発振を防ぐため、高輝度領域の判別には、一般的なサンプリング処理やフィルター処理を実施してもよい。
なお、図7、図8には、高輝度領域比率が5%未満の領域では各サブフィールド(第1SFから第9SF)の輝度重みを(1、2、4、7、13、25、46、82、142)にして輝度重みの総和を322で一定にし、また、高輝度領域比率が5%以上の領域では各サブフィールド(第1SFから第9SF)の輝度重みを(1、2、4、7、13、24、41、64、100)にして輝度重みの総和を256で一定にした例を示しているが、これは単なる一設定例に過ぎない。また、ここに示した各数値や1フィールドを構成するサブフィールドの数等も単なる一例を挙げたものに過ぎず、何らこれらの数値に限定されるものではない。これらの数値や各設定等は、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適に設定すればよい。
なお、本実施の形態では、高輝度領域の小さい画像を表示するときに、輝度重みの総数を増加させているが、輝度倍率を固定にすると、輝度重みの総数に応じて維持パルスの総数が増加し、維持期間の時間が増加する。したがって、維持期間に割り当てることができる時間が制限されているようなときには、輝度重みの総数の増加に応じて輝度倍率を減少させ、維持パルスの総数を一定に保つような構成とすることが望ましい。本実施の形態における図7、図8には、遷移期間において輝度重みの総数に応じて輝度倍率を2.889〜3.558で変化させ、維持パルスの総数を約918に保つ構成を示している。このような構成は、維持期間に割り当てることができる時間が制限されているような高精細のパネルを駆動するときに有効であり、また見た目の明るさの変化を抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、高輝度領域の大きさに応じてサブフィールド構成を変更し、高輝度領域の大きい画像を表示するときには、輝度重みの総和に対する輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みの割合を抑え、高輝度領域の小さい画像を表示するときには輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みをより大きくして輝度重みの総和を大きくし、輝度重みの総和に対する輝度重みの小さいサブフィールドの輝度重みの割合を小さくする構成とする。すなわち、高輝度領域比率があらかじめ定められた閾値未満のときには、高輝度領域比率がその閾値以上のときに比べて、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みを大きくして1フィールド期間における輝度重みの総和を大きくしている。これにより、高輝度領域の大きい画像では、階調値の高い領域において階調値の変化が荒くなるのを抑えてノイズを低減し、高輝度領域小さい画像では、ノイズを増加させることなく階調値の低い領域を滑らかに表示することが可能となるので、ノイズを増加させることなく画像表示品質を向上させることができる。また、APLに応じて維持パルスの総数を変化させる構成とすることで、APLの高い画像を表示するときの消費電力を一定に抑えつつ、ダイナミックで迫力のある画像を表示することが可能となる。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極SC1〜走査電極SCnを第1の走査電極群と第2の走査電極群とに分割し、書込み期間を、第1の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第1の書込み期間と、第2の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第2の書込み期間とで構成する、いわゆる2相駆動によるパネルの駆動方法にも適用させることができ、上述と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極と走査電極とが隣り合い、維持電極と維持電極とが隣り合う電極構造、すなわち前面基板21に設けられる電極の配列が、「・・・走査電極、走査電極、維持電極、維持電極、走査電極、走査電極、・・・」となる電極構造のパネルにおいても、有効である。
なお、本実施の形態において示した具体的な各数値は、表示電極対数1080の50インチのパネルの特性にもとづき設定したものであって、単に実施の形態の一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。
本発明は、高精細化されたパネルであっても、ノイズを増加させることなく画像表示品質を向上させることができるので、プラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法として有用である。
本発明の一実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 同パネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の一実施の形態における画像信号処理回路の回路ブロック図 本発明の一実施の形態におけるAPLと1フィールド期間に発生させる維持パルスの総数および消費電力との関係の一例を示す特性図 本発明の一実施の形態における高輝度領域と輝度重みおよび1フィールド期間における輝度重みの総和との関係の一例を示す特性図 本発明の一実施の形態における各高輝度領域における各サブフィールドの輝度重みの配分の一例を示す図
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 前面基板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面基板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
60 A/D変換回路
61 ガンマ補正回路
62 APL検出回路
63 誤差拡散回路
64 乗算回路
65 サブフィールドデータ作成回路
66 メモリ
67 信号レベル領域検出回路
68 輝度倍率設定回路

Claims (3)

  1. 画像を表示する表示領域を有し、前記表示領域は走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する複数の放電セルにより構成されたプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、前記維持期間においてサブフィールド毎に設定された輝度重みに所定の輝度倍率を乗算した数の維持パルスを前記表示電極対に交互に印加し、入力画像信号の信号レベルが所定値以上である領域の前記表示領域に対する割合を検出し、検出された前記割合があらかじめ定められた閾値未満のときには、前記割合が前記閾値以上のときに比べて、輝度重みの大きいサブフィールドの輝度重みを大きくして1フィールド期間における輝度重みの総和を大きくすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記割合が前記閾値以上から前記閾値未満に変化したときには、1フィールド期間における輝度重みの総和を段階的に増加させる遷移期間を設け、前記割合が前記閾値未満から前記閾値以上に変化したときには、1フィールド期間における輝度重みの総和を段階的に減少させる遷移期間を設けることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  3. 前記遷移期間では、1フィールド期間における前記輝度重みの総和に応じて前記輝度倍率を変更し、1フィールド期間における維持パルスの総数をほぼ一定に保つことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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