JP2010195235A - 車載カメラシステム - Google Patents

Abstract

【課題】特定箇所の映像を鮮明に得ることができると同時に，他の箇所の映像も同時に記録する。
【解決手段】車両１０において同方向に向けて搭載される画角の異なる複数のビデオカメラ２１，２２，２３と，これら複数のビデオカメラ２１，２２，２３にて撮影された複数の映像をそれぞれ同時に記録する記録装置３０とを備えている。複数のビデオカメラは単一のカメラユニット２０として構成し，そのカメラユニット２０のフレームまたはケースに，車両１０への取付部を設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は，車両（主に自動車）に搭載される車載カメラシステムに関する。主として，パトロールカー等の警備車両に搭載するのに適した車載カメラシステムに関するものである。

従来，車載カメラシステムとして，車両に搭載されたビデオカメラと，このビデオカメラにて撮影された映像を記録する記録装置とを備えた車載カメラシステムが知られている（例えば特許文献１）。
現在，警備車両，例えばパトロールカーには，通常，ビデオカメラシステムがが搭載されている。
また，現在，本件出願人は，車両において異なる方向に向けて搭載される画角が同一な複数のビデオカメラと，これら複数のビデオカメラにて撮影された複数の映像をそれぞれ同時に記録する記録装置とを備えた車載カメラシステムを製造販売している。

特開２００９−９３２９号公報

上述した従来の車載カメラシステムでは，ビデオカメラ（以下単にカメラともいう）の画角が広角（通常１２０度程度）となっていた。
このため，広範囲の映像が得られて，例えば事件や事故が起きた場合のおおよその状況は記録することができた。
しかしながら，従来の車載カメラシステムでは，得られた映像中のある特定の情報を鮮明に得ることは困難であるという課題があった。例えば，記録されている映像から，車両のナンバープレートの映像を鮮明に得ることは困難であった。広角のカメラで撮影された画像の特定部位を拡大すると，画素数が減少して鮮明度が低下するからである。このような課題は，車両において異なる方向に向けて画角が同一な複数のビデオカメラを搭載した場合も同様である。

警備車両，例えばパトロールカーに搭載された車載カメラシステムでは，撮影時にカメラの光学的なズームイン／ズームアウト操作を手動で行うことによって，所望の情報を得ることは可能である。
しかしながら，このシステムでは緊急時にビデオカメラを手動で操作しなければならないという難点がある。また，特定箇所にズームインして映像を記録している間は，他の箇所の映像を記録することができないという難点もある。
本発明の目的は，上記課題を解決し，特定箇所の映像を鮮明に得ることができると同時に，他の箇所の映像も同時に記録することができる車載カメラシステムを提供することにある。

上記目的を達成するために本発明の車載カメラシステムは，車両に搭載されたビデオカメラと，このビデオカメラにて撮影された映像を記録する記録装置とを備えた車載カメラシステムであって，
車両において同方向に向けて搭載される画角の異なる複数のビデオカメラと，これら複数のビデオカメラにて撮影された複数の映像をそれぞれ同時に記録する記録装置とを備えたことを特徴とする。
この車載カメラシステムによれば，画角の異なる複数のビデオカメラ，例えば画角の狭い（狭角）カメラと，画角の広い（広角）カメラとにより，狭角カメラでは特定の箇所を撮影し，同時に，広角カメラでは他の箇所を撮影することができる。そして，これらカメラで撮影された映像は，それぞれ同時に記録装置に記録される。
したがって，この車載カメラシステムによれば，特定箇所の映像を鮮明に得ることができると同時に，他の箇所の映像も同時に記録することができる。
しかも，上記特定箇所を予め適切に設定しておけば，従来のようなズームイン操作等も不要となる。
望ましくは，前記複数のビデオカメラを単一のカメラユニットとして構成し，そのカメラユニットのフレームまたはケースに，前記車両への取付部を設けた構成とする。
このように構成すると，複数のカメラの設置が容易になる。また，複数のカメラと記録装置との接続も容易になる。

本発明に係る車載カメラシステムの一実施の形態が搭載された車両の一例を示す平面図。 同じく側面図。 カメラユニットの一例を示す斜視図。 カメラユニットの車両への取付例を示す図。 得られる画像の説明図。 得られる画像の説明図。 得られる画像の説明図。

以下，本発明に係る車載カメラシステムの実施の形態について図面を参照して説明する。
図１は本発明に係る車載カメラシステムの一実施の形態が搭載された車両の一例を示す平面図，図２は同じく側面図。図３はカメラユニットの一例を示す斜視図，図４はカメラユニットの車両への取付例を示す図である。
これらの図に示すように，この車載カメラシステムは，車両１０において同方向に向けて搭載される画角の異なる複数のビデオカメラ２１，２２，２３と，これら複数のビデオカメラ２１，２２，２３にて撮影された複数の映像をそれぞれ同時に記録する記録装置３０とを備えている。

図示の車両１０は警備車両あるいはパトロールカーである。複数のビデオカメラ２１，２２，２３は，車両１０の前部において前方に向けて車両１０に取り付けられている。
図３に示すように，ビデオカメラ２１，２２，２３は，単一のカメラユニット２０として構成されている。カメラユニット２０のフレーム２４には，車両１０への取付部２５が設けられている。なお，図示のフレーム２４はカメラユニット２０のケースを兼ねている。ビデオカメラ２１，２２，２３は，カメラユニット２０内においてそれぞれフレーム２４に固定されている。

ビデオカメラには，通常，映像信号用，アース用，電源＋−用の計４本の配線が必要であるが，この実施の形態ではカメラユニット２０内においてビデオカメラ２１，２２，２３のアース線および電源線を共用させ，カメラユニット２０からは，ビデオカメラ２１，２２，２３のそれぞれの映像信号線（計３本），アース用，電源＋−用の計６本の配線をハーネス２０ｈとして引き出してある。そのうち少なくとも映像信号線が記録装置３０に接続され，各ビデオカメラ２１，２２，２３で撮影された映像が記録装置３０に同時に記録される。記録装置３０への記録は，本システムの電源がＯＮの間は，車両１０が走行しているときも停止しているときも常時行われる。

ビデオカメラ２１，２２，２３自体と，記録装置３０自体はそれぞれ公知のＣＣＤカメラと，公知のレコーダを用いることができる。ビデオカメラ２１，２２，２３は固定焦点カメラを用いることができる。記録装置３０は各ビデオカメラからの映像を１００時間程度連続して記録できる記録容量を有するものを用い，記憶容量が一杯になると新しい映像を更新して記録する構成のものを用いる。各ビデオカメラの映像信号の記録装置３０への送信はワイヤレスで行うことも可能である。

取付部２５は，カメラユニット２０のフレーム２４に回動可能に連結される一対のアーム部２５ａと，これらアーム部２５ａを連結する天板部２５ｂとを有している。取付部２５は，アーム部２５ａに設けられた長穴２５ｃに挿通されたボルト２５ｄをフレーム２４に設けられた図示しない雌ネジ部にネジ結合させることで，フレーム２４に固定される。

カメラユニット２０は取付部２５を用いて車両１０内の任意の箇所に取り付けることが可能である。この実施の形態では天板部２５ｂの上面に両面テープ２５ｔを設け，この両面テープ２５ｔによりカメラユニット２０を図４に示すように車両１０のフロントガラス１１に接着して取り付ける。
取り付けた状態において，ボルト２５ｄを多少緩めれば，カメラユニット２０は長穴２５ｃ回りに回動させて上下方向の調整ができる。また，カメラユニット２０は，長穴２５ｃ内をボルト２５ｄがスライドし得る範囲で左右方向へ回動させることができる。したがって，これらの回動操作により，ビデオカメラ２１，２２，２３で撮影する領域を調整することができる。

この実施の形態では，ビデオカメラ２１，２２，２３として例えば次のような画角のカメラを用いる。
ビデオカメラ２１：水平方向画角１５度，垂直方向画角１０度
ビデオカメラ２２：水平方向画角４５度，垂直方向画角３５度
ビデオカメラ２３：水平方向画角１２０度，垂直方向画角９０度

ビデオカメラ２１はいわゆる望遠カメラであり，ビデオカメラ２３はいわゆる広角カメラである。ビデオカメラ２２は標準的なカメラである。

上述のようにして車両１０に搭載したビデオカメラ２１，２２，２３により撮影される領域は，上記の例の場合，例えば，図１，図２，および図５においてＡ１，Ａ２，Ａ３で示す範囲となる。領域Ａ１がビデオカメラ２１で撮影される領域，領域Ａ２がビデオカメラ２２で撮影される領域，領域Ａ３がビデオカメラ２３で撮影される領域である。

以上のような車載カメラシステムによれば次のような作用効果が得られる。
（ａ）画角の異なる複数のビデオカメラ，例えば画角の狭い（狭角）カメラと，画角の広い（広角）カメラとにより，狭角カメラでは特定の箇所を撮影し，広角カメラでは他の箇所を撮影することができる。そして，これらカメラで撮影された映像は，それぞれ同時に記録装置に記録される。
したがって，この車載カメラシステムによれば，特定箇所の映像を鮮明に得ることができると同時に，他の箇所の映像も同時に記録することができる。

この実施の形態では，上記のような３台のカメラ２１，２２，２３を用いているので，ビデオカメラ２１により撮影される図５に示す領域Ａ１の映像は，図６に示すような拡大状態で鮮明に得られる。ビデオカメラ２１により得られる映像は，Ａ３領域を撮影した映像中のＡ１領域を拡大したものではなく，始めからＡ１領域のみを撮影した映像なので，画素数の低下は生じない。したがって，鮮明な映像が得られる。
同様に，ビデオカメラ２２により撮影される図５に示す領域Ａ２の画像は，図７に示すような拡大状態で鮮明に得られる。
ビデオカメラ２３により撮影される図５に示す領域Ａ３の画像は，図５に示すそのままの状態で鮮明に得られることとなる。

すなわち，画角の狭いカメラ２１または２２（画角の狭い広いは相対的なものであるので，カメラ２２はカメラ２３に比べれば画角の狭いカメラと言えるし，逆にカメラ２１に比べれば画角の広いカメラと言える）と，画角の広いカメラ２３とにより，狭角カメラ２１または２２では特定の箇所であるＡ１領域またはＡ２領域を撮影し，広角カメラ２３では他の箇所を含むＡ３領域を撮影することができる。そして，これらカメラで撮影された映像は，それぞれ同時に記録装置３０に記録される。
したがって，この車載カメラシステムによれば，特定箇所Ａ１およびＡ２の映像を鮮明に得ることができると同時に，他の箇所Ａ３の映像も同時に記録することができる。

しかも，上記特定箇所（例えば図５における領域Ａ１）はビデオカメラ（例えばビデオカメラ２１）の設置時に予め適切に設定しておくことが可能である。したがって，従来のようなズームイン操作等を行うことなく例えばナンバープレート１０ｎの数字を容易に判別することができる映像（図６参照）を容易に得ることができる。
したがって，車両１０の乗務員は映像記録に神経を使わずに，運転やその他の業務に専念できる。例えば，被疑車両追跡中も，常時自動録画なので，ドライバーは運転に，助手席乗務員は状況把握に専念できる。

（ｂ）複数のビデオカメラを単一のカメラユニット２０として構成し，そのカメラユニット２０のフレーム２４（またはケース）に，車両１０への取付部２５を設けたので，複数のカメラ２１，２２，２３の設置が容易になる。また，カメラユニット２０から引き出す配線を上記のように少なくできるので複数のカメラ２１，２２，２３と記録装置３０との接続も容易になる。

＜変形例＞
車両１０にはＧＰＳ受信機４０（図１，図２）を搭載し，このＧＰＳ受信機４０による受信信号に基づいて得られる，上記映像の撮影時の車両１０のスピード，車両１０の位置（緯度・経度），および時刻を上記複数の映像とともに記録装置３０に記録することことができる。このように構成すると，事故，事件等があった場合，そのときの上記映像とともに，そのときの車両１０のスピード・場所（緯度・経度）・正確な時刻を確実に保存することができる。
また，図１，図２に示すように，車両１０の後部にもカメラユニット２０と同様なカメラユニット２０Ｒを車両１０の後方へ向けて取り付けることができる。このようにすれば，後方の３種の画像も同時に記録することができる。
カメラユニット２０は車外に配置することもできるし，記録装置３０は運転室内に配置することもできる。

以上，本発明の実施の形態および変形例について説明したが，本発明は上記の実施の形態等に限定されるものではなく，本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば，本車載カメラシステムは，その用途に応じてビデオカメラの個数は２個以上であれば任意の個数とすることができるし，各カメラの画角も用途に応じて適切に設定することができる。

１０ 車両
２０ カメラユニット
２１，２２，２３ ビデオカメラ
２５ 取付部
３０ 記録装置

Claims (2)

1. 車両に搭載されたビデオカメラと，このビデオカメラにて撮影された映像を記録する記録装置とを備えた車載カメラシステムであって，
   車両において同方向に向けて搭載される画角の異なる複数のビデオカメラと，これら複数のビデオカメラにて撮影された複数の映像をそれぞれ同時に記録する記録装置とを備えたことを特徴とする車載カメラシステム。
2. 前記複数のビデオカメラを単一のカメラユニットとして構成し，そのカメラユニットのフレームまたはケースに，前記車両への取付部を設けたことを特徴とする請求項１記載の車載カメラシステム。

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