JP2010189687A - ガス吹き込みプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスの供給が断たれたときの溶融金属の浸入が抑止されていると共に、ガス吹き込みプラグを介した溶融金属の漏出が防止されているガス吹き込みプラグを提供する。
【解決手段】ガス吹き込みプラグ1は、ガス透過性の耐火物層10、耐火物層の外表面を少なくとも端面11を除いて被覆しているケーシング20、及び、一端がケーシングの内部と連通するように接続され他端がガス供給源と接続されているガス供給管30を備え、ケーシングは、ガス供給管の長軸方向が鉛直方向と略一致すると共に、端面11が容器の内側を向くように容器の底部を貫通する孔部に嵌め込まれるものであり、ガス供給管の内周面から突設されている弁座41と、ガス供給管内に弁座より上方で上下運動自在に収容され弁座に着座してガス供給管を閉塞する弁体51とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融金属中にガスを吹き込むために使用されるガス吹き込みプラグに関するものである。
製鋼プロセスでは、溶融金属の撹拌、温度調整、非金属成分の除去反応の促進等のために、ガス透過性の耐火物を用いたガス吹き込みプラグを取鍋等の容器の底部に取り付け、アルゴンや窒素などのガスを溶融金属中に吹き込む処理が行われる。このガス吹き込みプラグは、ガス透過性の耐火物として多孔質耐火物を用いたポーラスプラグと、緻密な不定形耐火物層にスリット状の貫通孔が形成されたスリットプラグとに大別され、多孔質層中の連通気孔や緻密質層中のスリット状の貫通孔が、耐火物層中にガスを流通させるガス流通路となる。
上記のような処理においては、取鍋等の容器に溶融金属を収容した状態で、ガス吹き込みプラグへのガスの供給が停止されることがある。例えば、二次精錬プロセスにおいては、二次精錬のためにガスの吹き込み処理が行われるのに先立ち、容器に溶融金属を導入する際にもガスの吹き込みが行われるが、容器に溶融金属が導入される場所から二次精錬が行われる場所までは、溶融金属は容器ごと運搬され、その間はガス供給源からガス吹き込みプラグは切り離される。
そのため、ガスが流通していない状態では、ガス吹き込みプラグの内部が低圧となり、溶融金属はガス吹き込みプラグの耐火物層中のガス流通路に浸入し易い。そして、浸入した溶融金属が、ガス吹き込みプラグの耐火物層にガスを供給するパイプを介して、取鍋等の容器の外部に漏出するおそれがあった。また、耐火物層中に浸入した金属が冷えて固化し、ガス流通路が塞がれることによって、次のガス吹き込み処理が困難となるという問題があった。
そこで、従来、取鍋等の容器にタンクを取り付け、このタンクにガスを加圧状態で蓄えておき、ガス供給源と切り離されているときは、このタンクからガス吹き込みプラグにガスを供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。ここで、特許文献1の技術は、ガス吹き込みプラグへのガスの供給開始に先立ってタンクへガスを充填しておくものであり、特許文献2の技術は、ガス吹き込みプラグにガスを供給しつつタンクにガスを充填するものである。
特許文献1,2の技術によれば、溶融金属の浸入を防ぐために必要十分な低圧で、ガス吹き込みプラグにガスを供給し続けることができるため、耐火物層中への溶融金属の浸入を有効に抑止することができる。しかしながら、容器ごとにタンクを取り付ける必要があり、また、タンクへのガスの充填及びタンクからのガスの放出のためにガスの流通を切り替える設備が必要であるため、これらの設備のためにコストがかかると共に、ガスの流通を切り替える操作に手間を要するものであった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、溶融金属を収容した容器に取り付けられて溶融金属中にガスを吹き込むガス吹き込みプラグであって、簡易な構成でガス吹き込みプラグへのガスの供給が断たれたときの溶融金属の浸入を抑止できると共に、ガス吹き込みプラグを介した溶融金属の漏出を防止することができるガス吹き込みプラグの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるガス吹き込みプラグは、「溶融金属を収容する容器に取り付けられて溶融金属にガスを供給するガス吹き込みプラグであって、ガス透過性の耐火物層、該耐火物層の外表面を少なくとも一端面を除いて被覆しているケーシング、及び、一端が前記ケーシングの内部と連通するように前記ケーシングに接続され他端がガス供給源と接続されているガス供給管を備え、前記ケーシングは、前記ガス供給管の長軸方向が鉛直方向と略一致すると共に、前記ケーシングに被覆されていない前記耐火物層の端面が前記容器の内側を向くように、前記容器の底部を貫通する孔部に嵌め込まれるものであり、前記ガス供給管の内周面から突設されている弁座と、前記ガス供給管内に前記弁座より上方で上下運動自在に収容され、前記弁座に着座して前記ガス供給管を閉塞する弁体とを具備する」ものである。
「ガス透過性の耐火物層」としては、多孔質耐火物層、不定形耐火材料を用いて形成された緻密質耐火物層にスリット状の貫通孔が多数形成された耐火物層、あるいは、両者を複合させた耐火物層を例示することができる。なお、スリット状の貫通孔が形成された緻密質耐火物層は、例えば、不定形耐火材料を用いて所定形状に成形された成形体に、燃焼により焼失する線条の可燃性材料を貫通するように多数配しておき、その後燃焼させることにより製造することができる。
ここで、ガス透過性の耐火物層を構成させる耐火材料の種類は特に限定されず、例えば、アルミナ−シリカ質、ハイアルミナ質、アルミナ−クロム質、アルミナ−マグネシア質、マグネシア−クロム質等の耐火材料を使用することができる。また、耐火物層の外形は特に限定されないが、例えば、截頭円錐形状、截頭角錐形状、円柱状、四角柱状とすることができる。
「ケーシング」は、鉄、鋼、合金鋼等の金属で形成することができる。また、「ケーシングに被覆されていない前記耐火物層の端面」は、「前記容器の内側を向くように」配されることから、この端面から溶融金属にガスが吹き込まれる。なお、「耐火物層の外表面を少なくとも一端面を除いてケーシングで被覆する」とは、耐火物層の外表面のうち、溶融金属にガスが吹き込まれる端面は少なくともケーシングによって被覆されないとの意であり、その端面以外の外表面にケーシングによって被覆されない面があっても構わない。例えば、耐火物層を截頭円錐形状や截頭角錐形状に形成した場合、頭部の端面(縮径側の端面)の他、側周面において頭部に近い部分がケーシングによって被覆されていない構成とすることができる。このような構成とした場合は、溶融金属に接触する端部まではケーシングが達していないため、金属製のケーシングが溶融金属によって溶損するおそれを防止することができる。なお、以下では、便宜上、耐火物層において溶融金属に接触している端面を“ガス吹き込み端面”と称して説明する。
ケーシングが「前記容器の底部を貫通する孔部に嵌め込まれる」構成としては、取鍋等の容器の底部に穿設された貫通孔部に、羽口レンガを介してケーシングが嵌挿される構成を例示することができる。
「弁座」は、「前記ガス供給管の内周面から突設されている」ものであればその形状は特に限定されないが、ガス供給管内部のガス流通路が、弁座によって狭められるものの塞がれることはない大きさ及び形状に形成される。また、「弁体」の形状も特に限定されるものではないが、当然ながら、弁座によって狭められたガス供給路を通過しない大きさ及び形状に形成される。なお、弁体は、金属やセラミックス等で形成することができる。
上記構成によれば、ガス供給管は長軸方向がほぼ鉛直方向であるため、弁体にはガス供給管内を落下させるように重力が作用する。そのため、ガス供給源からガスが供給されていない場合、あるいは、ガス供給源から供給されるガスの圧力が低く、ガスによって弁体が押し上げられる力が弁体に作用する重力より小さい場合は、弁体は弁座に着座し、ガス供給管内でガス流通路が閉塞される。一方、ガス供給源からガスが供給され、ガスによる押し上げ力が弁体に作用する重力に勝る場合は、弁体は浮き上がり、弁座と弁体との間に空隙が形成される。その結果、この空隙を介してガス供給管内をガスが流通し、ガス透過性の耐火物層にガスが供給され、更に耐火物層内をガスが流通して、ガス吹き込み端面から溶融金属内に放出される。
その後、ガス供給源からのガスの供給が停止されると、弁体は重力により下降して弁座に着座し、ガス流通路を閉塞する。この状態では、液体に浸漬したストローの一端を塞いだ後ストローを持ち上げても内部の液体が流れ落ちないのと同様の現象で、ガス供給管が閉塞されている弁座部分から耐火物層のガス吹き込み端面に至る空間内にガスが保持される。従って、容器に溶融金属が収容された状態で、ガス供給源からのガスの供給が停止された場合であっても、耐火物層内はガスが充満した状態で保持されているため、溶融金属の耐火物層内への浸入を防止することができる。
また、従来、容器に溶融金属が収容された状態でガスの供給が停止された場合に限らず、容器から溶融金属を排出した後であっても、容器に残存した溶融金属が耐火物層内に浸入してしまうという問題があった。本発明によれば、この場合であっても、上記のように、容器から溶融金属を排出する前にガス供給管を弁体で閉塞し、耐火物層内をガスが充満した状態に保持しておくことができるため、容器に残存した溶融金属の耐火物層内への浸入を防止することができる。
更に、容器に溶融金属を収容している場合、耐火物層は高温の溶融金属によって加熱されており、また、溶融金属を排出した後であっても、耐火物層は残熱により加熱される。そのため、耐火物層内に保持されているガスの体積は膨張し、膨張分に相当するガスが、ガス吹き込み端面から少しずつ漏れ出る。このような現象により、耐火物層への溶融金属の浸入がより確実に防止される。
加えて、耐火物層に浸入した溶融金属がガス供給管内に流入したとしても、ガス供給管内に設けられている弁体上に溶融金属が流下する。その結果、比重が大きい金属に作用する重力よって、ガスが弁体を押し上げている力に抗して弁体が押し下げられ、ガス供給管内でガス流通路が閉塞される。これにより、ガス吹き込みプラグを介した溶融金属の漏出を、有効に防止することができる。
ここで、ガス供給の停止時にガス流通路を閉塞する作用のみに着眼した場合は、ガス供給管とケーシングとの接続部分よりケーシング側に、弁体を設ける構成も想到しうる。例えば、ケーシング内にガスの流路を拡げるためのガスプール部が設けられる場合、ガス供給の停止時に弁体がガスプール部側から落下することによりガス供給管の端部が閉塞される構成も想到しうる。しかしながら、このような構成とした場合は、ガスが供給されている状態、すなわち、弁体が浮き上がっている状態で、耐火物層の亀裂や割れ等何らかの理由で溶融金属が流入した場合、ガス供給管内に流れ込もうとする溶融金属を止めることはできない。これに対し、本発明では、ガス供給管内に弁体を設ける構成としているため、ガスの供給により弁体が浮き上がっている状態であっても、流入した溶融金属は弁体上に流下し、弁体が押し下げられてガス流通路が閉塞されるため、ガス吹き込みプラグを介した溶融金属の漏出を有効に防止することができる。
上記のように、本発明によれば、ガス供給の停止時、及び、溶融金属の流入時に、自然にガス供給管が閉塞されるため、人為的な操作や監視を何ら要することなく、耐火物層内への溶融金属の浸入や外部への漏出を防止することができる。そして、ガス供給管内に弁体と弁座を設けるという極めて簡易な構成であるため、低コストで上記の優れた作用効果を奏するガス吹き込みプラグを製造することができる。
本発明にかかるガス吹き込みプラグは、上記構成に加え、「前記弁体より上方で、前記ガス供給管の内周面に沿って環状に突設されている環状突部を」具備するものとすることができる。
上記構成の本発明によれば、耐火物層内に浸入した溶融金属がどのように流入しても、ガス供給管の内周面に沿って環状に突設された環状突部に案内され、ガス供給管の中央寄りで落下し易い。これにより、溶融金属が弁体の上に落下する確度の高いものとなり、弁体の押し下げによるガス流通路の閉塞によって、より確実に溶融金属の漏出を防止することができる。
本発明にかかるガス吹き込みプラグは、上記構成に加え、「前記弁体を押し下げる方向または押し上げる方向に付勢しているバネ部材を具備する」ものとすることができる。
上記構成において、押し下げられる方向に弁体が付勢されている場合は、この力に抗して弁体を押し上げてガス流通路を開放するためには、重力のみが弁体に作用している場合に比べて、大きな圧力でガスが供給されることが必要である。一方、押し上げられる方向に弁体が付勢されている場合は、重力のみが弁体に作用している場合に比べて、小さな圧力のガスで弁体を押し上げてガス流通路を開放することができる。従って、本発明によれば、ガス流通路が開放または閉塞される条件を、弁体の大きさ、形状、質量など、弁体の設定のみで調整する場合に比べ、容易に調整することができる。また、張力の異なるバネを用いることにより、上記条件の微調整も容易に行うことができる。
以上のように、本発明の効果として、溶融金属を収容した容器に取り付けられて溶融金属中にガスを吹き込むガス吹き込みプラグであって、簡易な構成でガス吹き込みプラグへのガスの供給が断たれたときの溶融金属の浸入を抑止できると共に、ガス吹き込みプラグを介した溶融金属の漏出を防止することができるガス吹き込みプラグを、提供することができる。
第一実施形態のガス吹き込みプラグの構成を示す端面図である。 図1のガス吹き込みプラグの使用状態の説明図である。 図1のガス吹き込みプラグにおける弁体の動きをA範囲で示す説明図である。 第二実施形態のガス吹き込みプラグの構成を示す端面図である。 図4のガス吹き込みプラグにおける弁体の動きをB範囲で示す説明図である。 第三実施形態のガス吹き込みプラグの構成を示す端面図である。 図6のガス吹き込みプラグにおける弁体の動きをC範囲で示す説明図である。 他の実施形態のガス吹き込みプラグの構成を示す端面図である。
以下、本発明の第一実施形態であるガス吹き込みプラグ1について、図1乃至図3に基づいて説明する。なお、図1はガス吹き込みプラグ1を縦方向に中央で分割した場合の端面図である。
第一実施形態のガス吹き込みプラグ1は、溶融金属Mを収容する容器90に取り付けられて溶融金属Mにガスを供給するガス吹き込みプラグ1であって、ガス透過性の耐火物層10、耐火物層10の外表面を少なくとも端面11を除いて被覆しているケーシング20、及び、一方の端部31がケーシング20の内部と連通するようにケーシング20に接続され他方の端部32がガス供給源と接続されているガス供給管30を備え、ケーシング20は、ガス供給管30の長軸方向が鉛直方向と略一致すると共に、ケーシング20に被覆されていない耐火物層10の端面11が容器90の内側を向くように、容器90の底部を貫通する孔部95に嵌め込まれるものであり、ガス供給管30の内周面から突設されている弁座41と、ガス供給管30内に弁座41より上方で上下運動自在に収容され、弁座41に着座してガス供給管30を閉塞する弁体51とを具備している。
より詳細に説明すると、ガス透過性の耐火物層10は截頭円錐形状に形成されており、縮径している側の端面11を除き、側周面及び拡径している側の端面12が金属製のケーシング20によって被覆されている。ここで、耐火物層10の側周面は端面11側ではケーシング20によって被覆されておらず、ケーシング20は端面11までは達していない。また、ケーシング20の内部には、端面12側で耐火物層10との間にガスプール部25としての空間が形成されている。そして、ケーシング20において端面12を被覆している面には、金属製で円筒状のガス供給管30の一方の端部31が開口するように溶接されており、ガス供給管30の内部とケーシング20の内部とが連通している。また、ガス供給管30は端面12と直角をなすようにケーシング20と接続されている。
上記のように、耐火物層10を被覆すると共にガス供給管30と接続されているケーシング20は、図2に模式的に示すように、溶融金属Mを収容する容器90の底部を貫通する孔部95に、端面11を上方(容器90の内側)に向けて嵌め込まれている。これにより、ガス供給管30の長軸方向は、鉛直方向と略一致する。そして、ガス供給管30の端部32(端部31と反対側の端部)は図示しないガス供給源と接続される。上記構成により、ガス供給源から供給されたガスは、鉛直なガス供給管30内を下から上に向かって流通し(図示矢印方向)、端部31を介してケーシング20内に流入する。そして、ガスはガスプール部25で拡げられた後、耐火物層10内に流入し、耐火物層10内を流通して端面11から放出され、溶融金属M内に供給される。なお、端面11が、上述の“ガス吹き込み端面”に相当する。
ガス供給管30の内部には、端部31近傍において内周面に沿って環状に突出した環状突部61が設けられている。また、弁座41は、環状突部61と所定距離離れた下方に、同じくガス供給管30の内周面に沿って環状に突設されている。そして、弁座41と環状突部61との間の空間に、弁体51が収容されている。また、第一実施形態の弁体51は球状であり、その直径は、弁座41の内周円及び環状突部61の内周円より大径で、かつ、ガス供給管30内を移動自在な径に設定されている。すなわち、弁体51は、弁座41と環状突部61との間を上下運動自在とされている。なお、第一実施形態では、弁座41の上面及び環状突部61の下面は、弁体51の球面に沿うように断面円弧状に形成されている。
次に、第一実施形態のガス吹き込みプラグ1における弁体51の動きを、図3を用いて説明する。ここで、図3は図1におけるA範囲を拡大して図示したものである。まず、ガス供給源からガスが供給されていない状態では、図3(a)に示すように、弁体51は重力により弁座41に着座した状態である。ガス供給源からガスが供給されると、ガス供給管30内を下から上に流れるガスによって弁体51を押し上げる力が作用する。この押し上げ力が、弁体51に作用している重力より大きくなると、図3(b)に示すように弁体51が浮き上がり、弁座41と弁体51との間に空隙が形成される。これにより、図中に矢印で示したようにガスが流通してガスプール部25に流入し、上記のように溶融金属内へのガス吹き込みが行われる。
ガス供給源からのガスの供給が停止されると、重力に逆らって弁体51を押し上げる力がなくなるため、弁体51は自然落下し、再び図3(a)に示すように弁座41に着座する。これにより、ガス供給管30内でガス流通路35は閉塞され、耐火物層10内はガスが充満した状態で保持されるため、溶融金属が耐火物層10内に浸入することが防止される。なお、弁座41の上面は球状の弁体51の外形に沿うような形状に形成されているため、弁座41と弁体51とが面的に接触し、ガス流通路35が確実に閉塞される。
一方、図3(b)に示すように弁体51が浮き上がりガスが流通している状態で、耐火物層10における亀裂や割れの発生等に起因して、溶融金属がガス吹き込みプラグ1内に流入した場合、図3(c)に矢印で示すように、溶融金属はガス供給管30内で弁体51上に流下する。このとき、弁体51より上方に環状突部61が形成されているため、溶融金属は環状突部61に案内されてガス供給管30の中央寄りで流下し易く、確度高く弁体51上に落下する。これにより、ガスが弁体51を押し上げる力に抗して、比重の大きな溶融金属に作用する重力が弁体51を押し下げ、図3(a)に示すように、弁体51によってガス流通路35が閉塞される。その結果、溶融金属は弁座41より下方に流下することはなく、ガス吹き込みプラグ1を介して溶融金属が外部に漏出することが防止される。また、上記のように、弁座41と弁体51とが面接触することにより、溶融金属の流下が確実に防止される。
なお、環状突部61は、上記のように溶融金属を案内する作用を奏することに加え、ガスの押し上げ力により浮き上がる弁体51のストッパとしても作用する。これにより、何らかの異常によりガス供給源から所定値以上の圧力でガスが供給された場合でも、弁体51がガス供給管30から飛び出して耐火物層10に衝突し、耐火物層10が損傷を受けることを防止できると共に、ガスが異常な高圧で耐火物層10に供給されることを防止することができる。
次に、第二実施形態のガス吹き込みプラグ2について、図4及び図5を用いて説明する。第一実施形態との構成上の相違は、弁体52、弁座42、及び、環状突部62の形状である。以下では、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第二実施形態の弁体52は、縮径した側を下方に向けた截頭円錐形の下方に円柱が延設された形状である。そして、弁座42の上面は、弁体52のテーパ部分の傾斜と同一の傾斜を有するテーパ状に形成されている。一方、環状突部62の下面は、弁体52の上面に対応させて、水平な面に形成されている。
第二実施形態のガス吹き込みプラグ2における弁体52の動きを、図5に示す。ここで、図5は図4におけるB範囲を拡大して図示したものであり、図5(a)はガスの供給がない場合、あるいは、ガスによる押し上げ力が弁体52に作用する重力より小さい場合であり、図5(b)はガスによる押し上げ力が弁体52に作用する重力より大きい場合であり、図5(c)は溶融金属が耐火物層10を介して流入した場合である。それぞれの状態における弁体52の動きは、図3を用いて説明した第一実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、第三実施形態のガス吹き込みプラグ3について、図6及び図7を用いて説明する。第一実施形態及び第二実施形態との構成上の相違は、弁体53、及び、弁座43の形状に加え、弁体53を付勢するバネ部材71を具備している点である。また、環状突部62と同様の構成の環状突部63を備えている。
第三実施形態の弁体53は円板状であり、弁座43の上面及び環状突部63の下面は共に水平な面に形成されている。また、バネ部材71はコイルバネであり、その一端が弁体53の下面に取り付けられていると共に、他端はガス供給管30の内周面から突設されたバネ支持部材33に取り付けられている。
第三実施形態のガス吹き込みプラグ3における弁体53の動きを、図7に示す。ここで、図7は図6におけるC範囲を拡大して図示したものである。以下では、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
まず、ガス供給源からガスが供給されていない場合、あるいは、ガスによって弁体53が押し上げられる力が弁体53を押し下げるように働く力より小さい場合は、図7(a)に示すように、弁体53は弁座43に着座し、ガス流通管30は閉塞されている。ここで、バネ部材71が引張バネの場合(バネ部材71が引き伸ばされて弁体53が弁座43と当接している場合)は、弁体53は弁体53自身に働く重力より大きな力で押し下げられている。一方、バネ部材71が圧縮バネの場合(バネ部材71がバネ支持部材33と弁体53との間で圧縮されて弁体53が弁座43と当接している場合)は、弁体53は弁体53自身に働く重力より小さな力で押し下げられている。
従って、ガス供給源からガスが供給された際、バネ部材71が引張バネの場合は、バネ部材71がない場合より大きなガス圧で、図7(b)のように、弁体53が浮き上がる。従って、ガスが供給されていたとしても、その圧力が所定値より小さな場合はガス流通路35を閉塞させておくように条件設定をする場合、その調整が行い易い。一方、バネ部材71が圧縮バネの場合は、バネ部材71がない場合より小さな圧力でガスが供給されたときに、ガス流通路35が解放される。これにより、弁体53が金属のように比重の大きな材料で形成されている場合に、ガスの圧力がそれほど大きくなくても、ガス流通路35を開放することができる。
図7(c)に示すように、ガス供給源からガスが供給されて弁体53が浮き上がっている状態で、耐火物層10を介して溶融金属が流入した場合、溶融金属の流下による弁体53の下降動作は、バネ部材71が引張バネの場合はバネ部材71がない場合より応答が敏感となり、バネ部材71が圧縮バネの場合はバネ部材71がない場合より応答が鈍くなるため、バネ部材の張力によって応答性を調整することができる。
この第三実施形態においても、弁体53より上方に環状突部63が設けられていることにより、流入した溶融金属は環状突部63に案内されてガス供給管30の中央寄りで流下し易く、溶融金属の漏出を確実に防止することができる。
上記のように、第一実施形態〜第三実施形態のガス吹き込みプラグによれば、ガス供給の停止時、及び、耐火物層10を介して溶融金属が流入した時に、自然にガス供給管30内でガス流通路35が閉塞されるため、人為的な操作や監視を何ら要することなく、耐火物層10内への溶融金属の浸入や外部への漏出を防止することができる。そして、ガス供給管30内に弁体と弁座を設けるという極めて簡易な構成であるため、低コストで上記の優れた作用効果を奏するガス吹き込みプラグ1,2,3を製造することができる。
また、ガス吹き込みプラグ1,2,3は何れも、弁体の上方でガス供給管30の内周面に沿って環状突部が形成されているため、溶融金属が耐火物層10を介して流入した場合であっても、溶融金属が弁体の上に落下する確度の高いものとなり、弁体の押し下げによるガス流通路35の閉塞によって、確実に溶融金属の漏出を防止することができる。
更に、第三実施形態のガス吹き込みプラグ3は、バネ部材71を具備するため、ガス流通路35が開放または閉塞される条件を、弁体53及びバネ部材71の設定によって調整し易いものとなっている。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、ガス透過性の耐火物層の形状が截頭円錐形状の場合を例示したが、これに限定されず、円柱状や截頭角錐形状とすることができる。また、弁体や弁座の形状も、両者の当接によりガス流通路を閉塞することができるものであれば、上記に例示した形状に限定されるものではない。
また、上記では、弁体の飛び出しを防止するストッパを環状突部が兼ねている場合を例示したが、図8に例示するように、ガス供給管30の内周面から分離して突出する複数の部材によって構成させたストッパ64を、環状突部65の下方に設けることができる。ここで、図8(a)は図1におけるA範囲に相当する部分を図示しており、図8(b)は図8(a)のガス供給管30内におけるX−X線端面図であり、図8(c)は図8(a)のガス供給管30内におけるY−Y線端面図である。このような構成にすることにより、ガス供給源からガス供給管30に供給されたガスの圧力によって押し上げられた弁体51がストッパ64に当接した状態で、ガス流通路35が弁体51によって塞がれることなく、耐火物層10を介して溶融金属にガスの吹き込みが行われる。
1,2,3 ガス吹き込みプラグ
10 耐火物層
11 ケーシングに被覆されていない耐火物層の端面
20 ケーシング
30 ガス供給管
41,42,43 弁座
51,52,53 弁体
61,62,63 環状突部
71 バネ部材
90 容器
95 容器の底部を貫通する孔部
特許第2844322号公報 特許第4107409号公報

Claims (3)

  1. 溶融金属を収容する容器に取り付けられて溶融金属にガスを供給するガス吹き込みプラグであって、
    ガス透過性の耐火物層、該耐火物層の外表面を少なくとも一端面を除いて被覆しているケーシング、及び、一端が前記ケーシングの内部と連通するように前記ケーシングに接続され他端がガス供給源と接続されているガス供給管を備え、
    前記ケーシングは、前記ガス供給管の長軸方向が鉛直方向と略一致すると共に、前記ケーシングに被覆されていない前記耐火物層の端面が前記容器の内側を向くように、前記容器の底部を貫通する孔部に嵌め込まれるものであり、
    前記ガス供給管の内周面から突設されている弁座と、
    前記ガス供給管内に前記弁座より上方で上下運動自在に収容され、前記弁座に着座して前記ガス供給管を閉塞する弁体と
    を具備することを特徴とするガス吹き込みプラグ。
  2. 前記弁体より上方で、前記ガス供給管の内周面に沿って環状に突設されている環状突部を、更に具備することを特徴とする請求項1に記載のガス吹き込みプラグ。
  3. 前記弁体を押し下げる方向または押し上げる方向に付勢しているバネ部材を、更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス吹き込みプラグ。
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