JP2010187450A - 電動車両の電源システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DC−DCコンバータ13は、燃料電池スタック11の総電圧と蓄電装置12の総電圧との間の相対的な大小による2つの電圧状態と、蓄電装置12の放電および充電の2つの電流状態との組み合わせによる4つの状態で動作可能であって、電流の変化に応じた総電圧の変化を示す電流電圧特性に対し、燃料電池スタック11の電流電圧特性と蓄電装置12の電流電圧特性とは交差するように設定され、2つの電圧状態間の遷移時に燃料電池スタック11の総電圧と蓄電装置12の総電圧との電圧差が所定値未満となることが禁止される。
【選択図】図1
Description
また、燃料電池の出力電圧が蓄電装置の動作電圧よりも高い状態であっても、燃料電池の出力電圧と蓄電装置の動作電圧との差異が小さくなると、DC−DCコンバータの適宜のスイッチング素子のデューティーが小さくなり、デッドタイムの適正な処理が煩雑になることに起因して、DC−DCコンバータの動作が不安定になる虞がある。
前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも大きい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ大きい閾値よりも小さくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧よりも小さい電圧値とする。
前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも小さい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ小さい閾値よりも大きくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧よりも大きい電圧値とする。
これにより、電動車両での要求出力に対する燃料電池の出力と蓄電装置の出力との配分を、DC−DCコンバータのスイッチング動作によって、適正に制御することができる制御範囲(例えば、燃料電池および蓄電装置の制御電圧範囲、蓄電装置の制御残容量範囲など)を拡大することができる。そして、この制御範囲の拡大に伴い、燃料電池の運転効率を向上させることができる。
さらに、燃料電池の総電圧が蓄電装置の総電圧よりも大きい場合および小さい場合の両方の電圧状態において、蓄電装置の放電および充電を行なうことができ、蓄電装置の制御電圧範囲を拡大することができることに伴い、蓄電装置の制御残容量範囲を拡大することができる。そして、この制御残容量範囲の拡大に伴い、燃料電池の出力変動を抑制し、燃料電池の劣化を抑制することができる。
しかも、燃料電池の総電圧と蓄電装置の総電圧との電圧差が小さくなることによってDC−DCコンバータの適宜のスイッチング素子のデューティーが過剰に小さくなることを防止することができる。また、燃料電池の総電圧と蓄電装置の総電圧との大小関係が切り替わることによってDC−DCコンバータのスイッチング動作の切り替えが頻繁に生じることを防止することができる。これらにより、デッドタイムの適正な処理が煩雑になることなどに起因してDC−DCコンバータの動作が不安定になることを防止することができる。
本実施の形態による電動車両の電源システム10(以下、単に、電源システム10と呼ぶ)は、例えば燃料電池車両に搭載され、図1に示すように、燃料電池スタック11と、バッテリなどからなる蓄電装置12と、DC−DCコンバータ13と、平滑コンデンサ14と、制御装置15を備えて構成されている。そして、電源システム10は、車両の走行駆動用のモータMを駆動制御するパワードライブユニット(PDU)16に接続されている。
そして、アノードのアノード触媒上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介してカソードへと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。このときカソードにおいては、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
なお、蓄電装置12はバッテリに限定されず、例えば電気二重層コンデンサや電解コンデンサなどからなるキャパシタであってもよい。
各アーム21a,21b,21c,21dは、例えばスイッチング素子としてIGBT(Insulated Gate Bipolar mode Transistor)を備え、各トランジスタS1,S2,S3,S4と、各トランジスタS1,S2,S3,S4のコレクタ−エミッタ間にエミッタからコレクタに向けて順方向となるようにして接続された各ダイオードD2,D1,D4,D3とを備えている。
そして、各ハイサイドアーム21a,21cの各トランジスタS1,S3のエミッタは各ローサイドアーム21b,21dの各トランジスタS2,S4のコレクタに接続されている。つまり、直列に接続された第1ハイサイドアーム21aおよび第1ローサイドアーム21bと、直列に接続された第2ハイサイドアーム21cおよび第2ローサイドアーム21dとは、第1電力ラインL1と第2電力ラインL2との間に並列に接続されている。
そして、直列に接続された第1ハイサイドアーム21aおよび第1ローサイドアーム21bの接続点P12と直列に接続された第2ハイサイドアーム21cおよび第2ローサイドアーム21dの接続点P34との間には、直列に接続されたリアクトル22および蓄電装置12が接続されている。
さらに、DC−DCコンバータ13の2次側において、第1電力ラインL1と第2電力ラインL2との間には、平滑コンデンサ14と、第2電力ラインL2から第1電力ラインL1に向けて順方向となるようにして直列に接続されたダイオードDFCおよび燃料電池スタック11と、PDU16とが、並列に接続されている。
つまり、PDU16および燃料電池スタック11はDC−DCコンバータ13の2次側入出力部に接続され、蓄電装置12はDC−DCコンバータ13の内部に接続されている。
そして、DC−DCコンバータ13は、燃料電池スタック11の総電圧VFC(つまり、各燃料電池セルの出力電圧の総和)と蓄電装置12の総電圧VB(つまり、各バッテリセルの出力電圧の総和)との間の相対的な大小による2つの電圧状態と、蓄電装置12の放電および充電の2つの電流状態との組み合わせによる4つの状態(動作モード)で動作可能とされている。
なお、DC−DCコンバータ13は、燃料電池スタック11の総電圧VFCと蓄電装置12の総電圧VBとが等しくなる状態では、スイッチング動作を停止し、燃料電池スタック11と蓄電装置12との間を導通状態とすることも可能である。
そして、第1ハイサイドアーム21aのトランジスタS1は、制御装置15から出力されるPWM信号のスイッチングデューティー(例えば、PWM信号の1周期におけるトランジスタS1のオン期間TONの比率)に応じてオン/オフが切り換えられる。
なお、第1ローサイドアーム21bのトランジスタS2は、常時OFF(開放状態)、または、第1ハイサイドアーム21aのトランジスタS1との同期スイッチング(つまり、トランジスタS1,S2が交互にオンとされる状態)とされる。
次に、トランジスタS1がオフとされ、リアクトル22に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル22の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生し、リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる電流Idが第1ローサイドアーム21bのダイオードD1から蓄電装置12へと流れて蓄電装置12が充電される。
そして、第1ローサイドアーム21bのトランジスタS2は、制御装置15から出力されるPWM信号のスイッチングデューティー(例えば、PWM信号の1周期におけるトランジスタS2のオン期間TONの比率)に応じてオン/オフが切り換えられる。
なお、第1ハイサイドアーム21aのトランジスタS1は、常時OFF(開放状態)、または、第1ローサイドアーム21bのトランジスタS2との同期スイッチング(つまり、トランジスタS1,S2が交互にオンとされる状態)とされる。
次に、トランジスタS2がオフとされると、リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる電流Idが第1ハイサイドアーム21aのダイオードD2を流れて放電される。
そして、第2ハイサイドアーム21cのトランジスタS3は、制御装置15から出力されるPWM信号のスイッチングデューティー(例えば、PWM信号の1周期におけるトランジスタS3のオン期間TONの比率)に応じてオン/オフが切り換えられる。
なお、第2ローサイドアーム21dのトランジスタS4は、常時OFF(開放状態)、または、第2ハイサイドアーム21cのトランジスタS3との同期スイッチング(つまり、トランジスタS3,S4が交互にオンとされる状態)とされる。
次に、トランジスタS3がオフとされると、リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる電流Idが、第2ローサイドアーム21dのダイオードD3を流れるようにして、放電される。
そして、第2ローサイドアーム21dのトランジスタS4は、制御装置15から出力されるPWM信号のスイッチングデューティー(例えば、PWM信号の1周期におけるトランジスタS4のオン期間TONの比率)に応じてオン/オフが切り換えられる。
なお、第2ハイサイドアーム21cのトランジスタS3は、常時OFF(開放状態)、または、第2ローサイドアーム21dのトランジスタS4との同期スイッチング(つまり、トランジスタS3,S4が交互にオンとされる状態)とされる。
次に、トランジスタS4がオフとされると、リアクトル22に蓄積された磁気エネルギーによる電流Idが、第2ハイサイドアーム21cのダイオードD4を流れるようにして、蓄電装置12が充電される。
なお、モータMは、例えば界磁として永久磁石を利用する永久磁石式の3相交流同期モータとされており、PDU16から供給される3相交流電力により駆動制御されると共に、車両の減速時において駆動輪側からモータMに駆動力が伝達されると、モータMは発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
そして、制御装置15には、例えば、燃料電池スタック11から出力される電流IFCを検出する出力電流センサ31と、燃料電池スタック11の総電圧VFCを検出する電圧センサ32と、蓄電装置12の放電および充電で流れる電流IBを検出する電流センサ33と、蓄電装置12の総電圧VBを検出する電圧センサ34との各センサから出力される検出信号が入力されている。
さらに、燃料電池スタック11の総電圧VFCと蓄電装置12の総電圧VBとは、それぞれ燃料電池スタック11の電流IFCおよび電力と蓄電装置12の電流IBおよび電力と所定の対応関係を有する。
これらにより、スイッチングデューティーに応じた電力配分によって、燃料電池スタック11の動作点(例えば、電圧または電流または電力)と蓄電装置12の動作点(例えば、電圧または電流または電力)との対応関係が記述される。
つまり、燃料電池スタック11の動作点(例えば、電圧または電流または電力)と蓄電装置12の動作点(例えば、電圧または電流または電力)との所定の対応関係は、DC−DCコンバータ13のスイッチングデューティーに応じた電力配分によって記述される。このため、電力配分および総消費電力に対応する燃料電池スタック11の動作点から総電圧VFCに対する目標電圧を取得することによって、これらの電力配分および総消費電力に蓄電装置12の動作点を対応させることができる。
デューティー制御部45は、例えば、電圧偏差算出部51と、フィードバック処理部52と、PWM信号生成部53とを備えて構成されている。
フィードバック処理部52は、例えばPID(比例積分微分)動作により、電圧偏差算出部51から出力される電圧偏差に応じて電圧指令値を算出する。
このため、デューティー制御部45は、総電圧VFC(燃料電池)>総電圧VB(蓄電装置)の電圧状態と総電圧VFC(燃料電池)<総電圧VB(蓄電装置)の電圧状態との2つの電圧状態と、蓄電装置12の放電および充電の2つの電流状態との組み合わせによる4つの状態でDC−DCコンバータ13を動作させるようにして、各トランジスタS1,S2,S3,S4をオン/オフ駆動させるPWM信号を出力する。
これにより、例えば図2に示すように、電流の変化に応じた各総電圧VFC(燃料電池),VB(蓄電装置)の変化を示す電流電圧特性に対し、燃料電池スタック11の電流電圧特性と蓄電装置12の電流電圧特性とは交差するように設定される。そして、総電圧VFC(燃料電池)>総電圧VB(蓄電装置)となる領域Aと、総電圧VFC(燃料電池)<総電圧VB(蓄電装置)となる領域Bとの、両方においてDC−DCコンバータ13による電圧変換が行なわれる。
なお、目標電力配分設定部43は、負荷の総消費電力が連続的に大きいときは総消費電力が連続的に小さいときに比べて、燃料電池スタック11の電力配分を大きくする。
また、例えば図7に示す時刻t2以降の期間での総電圧VFC(燃料電池)<総電圧VB(蓄電装置)の電圧状態において、蓄電装置12の放電時にはオン/オフ駆動されるトランジスタS3のオン期間TONがスイッチングデューティーにより制御されることで、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との電圧差に応じた電圧がDC−DCコンバータ13から出力される。また、蓄電装置12の充電時にはオン/オフ駆動されるトランジスタS4のオン期間TONがスイッチングデューティーにより制御されることで、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との電圧差に応じた電圧がDC−DCコンバータ13から出力される。
また、DC−DCコンバータ13の各トランジスタS1,S2,S3,S4のうち、少なくとも1つのトランジスタはスイッチング周期を跨いで連続的にオンとされ、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との間の相対的な大小による2つの電圧状態において、スイッチング周期を跨いで連続的にオンとされるトランジスタが異なる。
例えば総電圧VFC(燃料電池)>総電圧VB(蓄電装置)の電圧状態においては、トランジスタS4が、蓄電装置12の充電時のスイッチング周期と放電時のスイッチング周期とを跨いで連続的にオンとされる。一方、例えば総電圧VFC(燃料電池)<総電圧VB(蓄電装置)の電圧状態においては、トランジスタS2が、蓄電装置12の充電時のスイッチング周期と放電時のスイッチング周期とを跨いで連続的にオンとされる。
例えば図8(A)に示すように、目標電圧設定部44は、総電圧VFC(燃料電池)>総電圧VB(蓄電装置)の状態で、燃料電池スタック11および蓄電装置12の各動作点と電力配分と負荷の総消費電力とに基づき所定マップから取得した目標電圧が、総電圧VB(蓄電装置)よりも所定値(例えば、5Vなど)だけ大きい閾値VHよりも小さくなるときに、目標電圧を総電圧VB(蓄電装置)よりも小さい電圧値(例えば、総電圧VB(蓄電装置)よりも所定値(例えば、5Vなど)だけ小さい閾値VLなど)とする。このとき、目標電圧を低下させたことに起因する燃料電池スタック11の出力電力の増大分は、蓄電装置12に充電されることになる。
なお、目標電圧設定部44は、総電圧VFC(燃料電池)>総電圧VB(蓄電装置)の状態で、所定マップから取得した目標電圧が閾値VHよりも小さくなるときに、蓄電装置12の残容量SOCが所定の上限値UTHよりも大きい場合には、蓄電装置12の充電を防止するために目標電圧を閾値VHとする。
なお、目標電圧設定部44は、総電圧VFC(燃料電池)<総電圧VB(蓄電装置)の状態で、所定マップから取得した目標電圧が閾値VLよりも大きくなるときに、蓄電装置12の残容量SOCが所定の下限値LTHよりも小さい場合には、蓄電装置12の放電を防止するために目標電圧を閾値VLとする。
次に、ステップS02においては、例えば図2に示す燃料電池スタック11および蓄電装置12の電流電圧特性での各領域A,Bにおける電源システム10の運転可否を判定する。
次に、ステップS03においては、各領域A,Bにおける電源システム10の運転可否の判定結果を参照しつつ、燃料電池スタック11と蓄電装置12との電力配分を設定する。
次に、ステップS04においては、燃料電池スタック11および蓄電装置12の各動作点と電力配分と負荷の総消費電力とに基づき、所定マップに対するマップ検索により目標電圧を設定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS19に進む。
そして、ステップS06においては、目標電圧が閾値VHよりも小さいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS11に進む。
そして、ステップS08においては、電圧指令値に応じた総電圧VFCを燃料電池スタック11から出力するためにDC−DCコンバータ13を駆動させるゲート信号(PWM信号)を生成する。
そして、ステップS10においては、PWM信号のスイッチングデューティーに応じて、トランジスタS1とトランジスタS2との同期スイッチングを開始し、リターンに進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、目標電圧として閾値VHを設定して、ステップS11の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進む。
そして、ステップS13においては、この時点で実行されているトランジスタS1とトランジスタS2との同期スイッチングを停止する。
そして、ステップS14においては、目標電圧として閾値VLを設定する。
そして、ステップS16においては、電圧指令値に応じた総電圧VFCを燃料電池スタック11から出力するためにDC−DCコンバータ13を駆動させるゲート信号(PWM信号)を生成する。
そして、ステップS18においては、PWM信号のスイッチングデューティーに応じて、トランジスタS3とトランジスタS4との同期スイッチングを開始し、リターンに進む。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS20に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS24に進む。
そして、ステップS21においては、電圧指令値に応じた総電圧VFCを燃料電池スタック11から出力するためにDC−DCコンバータ13を駆動させるゲート信号(PWM信号)を生成する。
そして、ステップS23においては、PWM信号のスイッチングデューティーに応じて、トランジスタS3とトランジスタS4との同期スイッチングを開始し、リターンに進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS25に進み、このステップS25においては、目標電圧として閾値VLを設定して、ステップS24の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS26に進む。
そして、ステップS26においては、この時点で実行されているトランジスタS3とトランジスタS4との同期スイッチングを停止する。
そして、ステップS27においては、目標電圧として閾値VHを設定する。
そして、ステップS29においては、電圧指令値に応じた総電圧VFCを燃料電池スタック11から出力するためにDC−DCコンバータ13を駆動させるゲート信号(PWM信号)を生成する。
そして、ステップS31においては、PWM信号のスイッチングデューティーに応じて、トランジスタS1とトランジスタS2との同期スイッチングを開始し、リターンに進む。
これにより、電動車両での負荷において要求される総消費電力に対する燃料電池スタック11と蓄電装置12との電力配分を、DC−DCコンバータ13のスイッチング動作によって、適正に制御することができる制御範囲(例えば、燃料電池スタック11と蓄電装置12との制御電圧範囲、蓄電装置12の制御残容量範囲など)を拡大することができる。そして、この制御範囲の拡大に伴い、燃料電池スタック11の運転効率を向上させることができる。
しかも、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との電圧差が小さくなることによってDC−DCコンバータ13の適宜のトランジスタのスイッチングデューティーが過剰に小さくなることを防止することができる。また、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との大小関係が切り替わることによってDC−DCコンバータ13のスイッチング動作の切り替えが頻繁に生じることを防止することができる。これらにより、デッドタイムの適正な処理が煩雑になることなどに起因してDC−DCコンバータ13の動作が不安定になることを防止することができる。
また、蓄電装置12の残容量SOCが所定の上限値UTHよりも大きい場合には、蓄電装置12の充電を防止するために目標電圧を閾値VHとすることで、燃料電池スタック11の出力電力を増大させるのに代えて蓄電装置12の放電を優先的に増大させることにより、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との電圧差が所定値未満に小さくなることを禁止することができる。
また、蓄電装置12の残容量SOCが所定の下限値LTHよりも小さい場合には、蓄電装置12の放電を防止するために目標電圧を閾値VLとすることで、燃料電池スタック11の出力電力を減少させるのに代えて蓄電装置12の充電を優先的に増大させることにより、総電圧VFC(燃料電池)と総電圧VB(蓄電装置)との電圧差が所定値未満に小さくなることを禁止することができる。
また、DC−DCコンバータ13は、単に、総電圧VFCと総電圧VBとの間の相対的な大小による2つの電圧状態と、蓄電装置12の放電および充電の2つの電流状態との組み合わせによる4つの状態(動作モード)で動作可能であればよく、例えば上述した実施の形態のDC−DCコンバータ13においてトランジスタS1とトランジスタS3との接続は省略されてもよい。
11 燃料電池スタック
12 蓄電装置
13 DC−DCコンバータ
15 制御装置
22 リアクトル
41 駆動モータ制御部
42 消費電力算出部
43 目標電力配分設定部
44 目標電圧設定部
45 デューティー制御部
Claims (5)
- モータ駆動装置と、燃料電池と、蓄電装置と、DC−DCコンバータとを備え、
前記モータ駆動装置および前記燃料電池は前記DC−DCコンバータの2次側入出力部に接続され、
前記蓄電装置は前記DC−DCコンバータの1次側入出力部あるいは前記DC−DCコンバータの内部に接続され、
前記DC−DCコンバータは、前記燃料電池の総電圧と前記蓄電装置の総電圧との間の相対的な大小による2つの電圧状態と、前記蓄電装置の放電および充電の2つの電流状態との組み合わせによる4つの状態で動作可能であって、
電流の変化に応じた前記総電圧の変化を示す電流電圧特性に対し、前記燃料電池の前記電流電圧特性と前記蓄電装置の前記電流電圧特性とは交差するように設定され、
前記DC−DCコンバータは、前記2つの電圧状態間の遷移時に前記燃料電池の前記総電圧と前記蓄電装置の前記総電圧との電圧差が所定値未満となることが禁止されることを特徴とする電動車両の電源システム。 - 前記DC−DCコンバータのスイッチング動作は、前記燃料電池の前記総電圧が目標電圧となるように制御され、
前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも大きい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ大きい閾値よりも小さくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧よりも小さい電圧値とすることを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電源システム。 - 前記蓄電装置の残容量が上限値よりも大きい場合には、前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも大きい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ大きい閾値よりも小さくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧より所定値だけ大きい前記閾値とすることを特徴とする請求項2に記載の電動車両の電源システム。
- 前記DC−DCコンバータのスイッチング動作は、前記燃料電池の前記総電圧が目標電圧となるように制御され、
前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも小さい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ小さい閾値よりも大きくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧よりも大きい電圧値とすることを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電源システム。 - 前記蓄電装置の残容量が下限値よりも小さい場合には、前記燃料電池の前記総電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも小さい状態で前記目標電圧が前記蓄電装置の前記総電圧よりも所定値だけ小さい閾値よりも大きくなるときに、前記目標電圧を前記蓄電装置の前記総電圧より所定値だけ小さい前記閾値とすることを特徴とする請求項4に記載の電動車両の電源システム。
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KR20190105991A (ko) * | 2018-03-07 | 2019-09-18 | 인하대학교 산학협력단 | 연료 전지와 배터리를 가진 전기차의 전력 변환 장치 |
KR102091614B1 (ko) | 2018-03-07 | 2020-03-20 | 인하대학교 산학협력단 | 연료 전지와 배터리를 가진 전기차의 전력 변환 장치 |
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