JP2010186659A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】カソード側のセパレータの表面に、略直線形状のガス流入流路およびガス流出流路が略平行に形成された燃料電池において、カソード側のガス拡散層に酸化剤ガスが流れない領域が生じることによる発電性能の低下を防止する。
【解決手段】空気流入流路23p(ガス流入流路)およびカソードオフガス流出流路24p(ガス流出流路)の圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係を、PLd/PLf×100>9(%)とする。
【選択図】図1
【解決手段】空気流入流路23p(ガス流入流路)およびカソードオフガス流出流路24p(ガス流出流路)の圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係を、PLd/PLf×100>9(%)とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池に関するものである。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。そして、燃料電池は、一般に、電解質膜に両面に、それぞれ、触媒層、および、ガス拡散層を積層してなる発電体を、セパレータによって挟持することによって構成される。
このような燃料電池において、上記電気化学反応によって生成された生成水や、上記電気化学反応に寄与しない窒素等の不要ガスが触媒層近傍に滞留すると、触媒層への反応ガス(燃料ガス、および、酸化剤ガス)の供給が阻害されて、発電性能が低下する。このため、上記生成水や不要ガスを触媒層近傍から効率よく排出することが望まれる。
そこで、例えば、下記特許文献1では、固体高分子型燃料電池において、セパレータに、ガス供給用のガス流路とガス排出用のガス流路とを分離して形成することが提案されている。この燃料電池によれば、ガス供給用のガス流路に導入された反応ガスのすべてがガス拡散層に供給され、反応に寄与しなかった反応ガスの流れによって、触媒層近傍の水滴や不要ガスをガス排出用のガス流路から強制的に排出することができる。
しかし、上記特許文献1に記載された構成をカソード側のセパレータに適用し、ガス供給用のガス流路(ガス流入流路)、および、ガス排出用のガス流路(ガス流出流路)を直線形状として、これらをカソード側のセパレータに平行に配置した場合には、ガス拡散層におけるガス流入流路に対向する部位からガス流出流路に対向する部位に亘る領域に、酸化剤ガスが流れない領域が生じる場合があった。この場合、上記酸化剤ガスが流れない領域では、酸化剤ガスの供給が阻害されて、発電量が低下するため、燃料電池全体として、発電性能の低下を招く。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、カソード側のセパレータの表面に、略直線形状のガス流入流路およびガス流出流路が略平行に形成された燃料電池において、カソード側のガス拡散層に酸化剤ガスが流れない領域が生じることによる発電性能の低下を防止することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]電解質膜の両面に、それぞれ、触媒層、および、ガス拡散層を積層してなる発電体を、セパレータによって挟持した燃料電池であって、前記発電体のカソード側に配置される前記セパレータは、前記カソード側の前記ガス拡散層と当接する側の表面に、略直線状に延設され、発電に供する酸化剤ガスを、前記延設方向に流すとともに、前記ガス拡散層に供給するためのガス流入流路と、前記カソード側の前記ガス拡散層と当接する側の表面に、前記ガス流入流路と略平行に延設され、発電において未消費の酸化剤ガスを、前記ガス拡散層から受け取るとともに、前記延設方向に流すためのガス流出流路と、を備えており、前記ガス拡散層は、前記ガス流入流路に対向する部位から前記ガス流出流路に対向する部位に亘る領域において、略均一な空孔分布を有しており、前記ガス流入流路および前記ガス流出流路の圧力損失PLfと、前記ガス拡散層の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)である、燃料電池。
なお、前記ガス流入流路および前記ガス流出流路の圧力損失PLfは、
PLf={(Pin1−Pin2)+(Pout1−Pout2)}÷2;
Pin1 :前記ガス流入流路の最上流部における圧力;
Pin2 :前記ガス流入流路の最下流部における圧力;
Pout1:前記ガス流出流路の最上流部における圧力;
Pout2:前記ガス流出流路の最下流部における圧力;
であり、
前記ガス拡散層の圧力損失PLdは、
PLd=(全圧力損失)−PLf;
である。
なお、前記ガス流入流路および前記ガス流出流路の圧力損失PLfは、
PLf={(Pin1−Pin2)+(Pout1−Pout2)}÷2;
Pin1 :前記ガス流入流路の最上流部における圧力;
Pin2 :前記ガス流入流路の最下流部における圧力;
Pout1:前記ガス流出流路の最上流部における圧力;
Pout2:前記ガス流出流路の最下流部における圧力;
であり、
前記ガス拡散層の圧力損失PLdは、
PLd=(全圧力損失)−PLf;
である。
本願発明者は、上述した、発電体のカソード側に配置されるセパレータ(以下、カソード側のセパレータと呼ぶ)の表面に、略直線形状のガス流入流路およびガス流出流路が略平行に形成された燃料電池において、ガス流入流路およびガス流出流路の圧力損失PLfと、ガス拡散層の圧力損失PLdとの関係を、PLd/PLf×100≦9(%)とすると、ガス拡散層におけるガス流入流路に対向する部位からガス流出流路に対向する部位に亘る領域に、酸化剤ガスが流れない領域が生じるのに対し、PLd/PLf×100>9(%)とすることによって、ガス拡散層におけるガス流入流路に対向する部位からガス流出流路に対向する部位に亘る全領域に酸化剤ガスが流れることを、シミュレーションによって見出した。
適用例1の燃料電池では、ガス流入流路およびガス流出流路の圧力損失PLfと、ガス拡散層の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)であるので、カソード側のガス拡散層におけるガス流入流路に対向する部位からガス流出流路に対向する部位に亘る全領域において、酸化剤ガスが流れる。したがって、カソード側のガス拡散層におけるガス流入流路に対向する部位からガス流出流路に対向する部位に亘る領域に、酸化剤ガスが流れない領域が生じることによる発電性能の低下を防止することができる。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池であって、前記ガス流入流路、および、前記ガス流出流路は、それぞれ、櫛歯形状を有するとともに、所定の間隔を隔てて交互に配置されており、前記ガス拡散層は、前記櫛歯形状を有するガス流入流路に対向する部位から前記櫛歯形状を有するガス流出流路に対向する部位に亘る領域において、略均一な空孔分布を有している、燃料電池。
本発明は、上述の燃料電池としての構成の他、燃料電池の製造方法の発明として構成することもできる。また、上述の燃料電池を備える燃料電池システム、あるいは、電気機器の発明として構成することもできる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.燃料電池:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。図2では、燃料電池100の断面構造を模式的に示した。図示するように、この燃料電池100は、膜電極接合体10の両面を、カソード側セパレータ20、および、アノード側セパレータ30で挟持することによって構成されている。
A.燃料電池:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。図2では、燃料電池100の断面構造を模式的に示した。図示するように、この燃料電池100は、膜電極接合体10の両面を、カソード側セパレータ20、および、アノード側セパレータ30で挟持することによって構成されている。
膜電極接合体10は、プロトン伝導性を有する電解質膜12の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合することによって構成されている。アノード、および、カソードは、それぞれ、触媒層14と、ガス拡散層16とを含んでいる。本実施例では、電解質膜12として、ナフィオン(登録商標)等の固体高分子型の電解質膜を用いるものとした。電解質膜12として、他の電解質膜を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、ガス拡散層16として、カーボンクロスを用いるものとした。ガス拡散層16として、カーボンペーパ等、ガス拡散性、および、導電性を有する他の材料を用いるものとしてもよい。なお、本実施例において、ガス拡散層16は、ほぼ全面に亘って、ほぼ均一な空孔分布を有しているものとした。
アノード側セパレータ30におけるアノード側のガス拡散層16と当接する側の表面には、図示するように、リブ、および、溝が形成されており、この溝は、燃料ガスとしての水素、および、アノードから排出されるアノードオフガスを流すためのアノードガス流路30pを構成する。また、カソード側セパレータ20におけるカソード側のガス拡散層16と当接する表面には、図示するように、リブ、および、溝が形成されており、この溝は、酸化剤ガスとしての空気を流すための空気流入流路23p、および、カソードから排出されるカソードオフガスを流すためのカソードオフガス流出流路24pを構成する。後述するように、本実施例の燃料電池100では、カソード側セパレータ20において、空気流入流路23pと、カソードオフガス流出流路24pとは、互いに分離して形成されている。つまり、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの一方の端部は、それぞれ閉塞されている。なお、図示は省略しているが、カソード側セパレータ20、および、アノード側セパレータ30には、冷却水を流すための冷却水流路も形成されている。カソード側セパレータ20、および、アノード側セパレータ30の材料としては、カーボンや、金属など、導電性を有する種々の材料を適用可能である。
以下、本発明の燃料電池における特徴部分であるカソード側の構成について詳細に説明し、アノード側の構成については説明を省略する。
B.カソード側セパレータ:
図2は、カソード側セパレータ20の平面図である。図2では、膜電極接合体10のカソード側のガス拡散層16と当接する側から見た平面図を示した。図示するように、カソード側セパレータ20には、水素供給マニホールドを構成する貫通孔21と、アノードオフガス排出マニホールドを構成する貫通孔22と、空気供給マニホールドを構成する貫通孔23と、カソードオフガス排出マニホールドを構成する貫通孔24と、冷却水供給マニホールドを構成する貫通孔25と、冷却水排出マニホールドを構成する貫通孔26とが形成されている。
図2は、カソード側セパレータ20の平面図である。図2では、膜電極接合体10のカソード側のガス拡散層16と当接する側から見た平面図を示した。図示するように、カソード側セパレータ20には、水素供給マニホールドを構成する貫通孔21と、アノードオフガス排出マニホールドを構成する貫通孔22と、空気供給マニホールドを構成する貫通孔23と、カソードオフガス排出マニホールドを構成する貫通孔24と、冷却水供給マニホールドを構成する貫通孔25と、冷却水排出マニホールドを構成する貫通孔26とが形成されている。
膜電極接合体10のカソード側のガス拡散層16と当接する側の表面には、間隔が狭いハッチングで示したように、貫通孔23から導入された空気をカソード側のガス拡散層16の表面に沿って流すとともに、カソード側のガス拡散層16に供給するための複数の空気流入流路23p(溝)が櫛歯状に形成されている。また、膜電極接合体10のカソード側のガス拡散層16と当接する側の表面には、空気流入流路23pと同じく、間隔が狭いハッチングで示したように、カソード側のガス拡散層16から排出されるカソードオフガスを受け取り、カソード側のガス拡散層16の表面に沿って貫通孔24に流すための複数のカソードオフガス流出流路24p(溝)が櫛歯状に形成されている。複数の空気流入流路23p、および、複数のカソードオフガス流出流路24pは、それぞれ、直線状に延設されており、これらは、所定の間隔を隔てて、平行に交互に配置されている。
図3は、カソード側のガス拡散層16への空気の供給、および、カソード側のガス拡散層16からのカソードオフガスの排出の様子を示す説明図である。図3では、燃料電池100を構成したときの図2におけるA−A断面図を示した。なお、アノード側セパレータ30の図示は省略されている。
本実施例の燃料電池100では、先に説明したように、カソード側セパレータ20に、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pが互いに分離して形成されており、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの一方の端部がそれぞれ閉塞されている。したがって、空気流入流路23pに流入した空気は、その一部がカソード側のガス拡散層16に供給されずにカソードオフガス流出流路24pに排出されることはなく、すべてカソード側のガス拡散層16に供給される。そして、カソードオフガスは、触媒層14近傍の水滴(生成水)とともに、ガス拡散層16からカソードオフガス流出流路24pに排出される。
C.シミュレーション:
上述したカソード側のガス拡散層16における空気、および、カソードオフガスの流れは、空気流入流路23p内の圧力と、カソードオフガス流出流路24p内の圧力との差によって生じる。そして、空気流入流路23p内の圧力と、カソードオフガス流出流路24p内の圧力との差は、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成や、カソード側のガス拡散層16の構成によって変化する。
上述したカソード側のガス拡散層16における空気、および、カソードオフガスの流れは、空気流入流路23p内の圧力と、カソードオフガス流出流路24p内の圧力との差によって生じる。そして、空気流入流路23p内の圧力と、カソードオフガス流出流路24p内の圧力との差は、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成や、カソード側のガス拡散層16の構成によって変化する。
そこで、本願発明者は、カソード側セパレータ20における空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成や、カソード側のガス拡散層16の構成の変化によって、空気流入流路23p内の圧力分布、および、カソードオフガス流出流路24p内の圧力分布がどのように変化するのか、また、カソード側のガス拡散層16における空気の流速分布がどのように変化するのかを、周知の流動解析の手法を用いたシミュレーションによって解析した。以下、シミュレーションの条件を示す。
図4は、カソード側セパレータ20に形成された空気流入流路23p内における空気の流れ、および、カソードオフガス流出流路24p内におけるカソードオフガスの流れを示す説明図である。図4(a)に、カソード側セパレータ20の平面図を示した。また、図4(b)に、燃料電池100を構成したときの図4(a)におけるB−B断面図を示した。また、図4(c)に、燃料電池100を構成したときの図4(a)におけるC−C断面図を示した。
図4(b)に示したように、空気流入流路23pの最上流部における圧力をPin1、空気流入流路23pの最下流部における圧力をPin2とし、図4(c)に示したように、カソードオフガス流出流路24pの最上流部における圧力をPout1、カソードオフガス流出流路24pの最下流部における圧力をPout2として、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfを、
PLf={(Pin1−Pin2)+(Pout1−Pout2)}÷2;
とした。なお、ここで、空気流入流路23pの最上流部とは、カソードオフガス流出流路24pの閉塞した側の端部と隣り合う部位であり、空気流入流路23pの最下流部とは、空気流入流路23pの閉塞した側の端部である。また、カソードオフガス流出流路24pの最上流部とは、カソードオフガス流出流路24pの閉塞した側の端部であり、カソードオフガス流出流路24pの最下流部とは、空気流入流路23pの閉塞した側の端部と隣り合う部位である。
PLf={(Pin1−Pin2)+(Pout1−Pout2)}÷2;
とした。なお、ここで、空気流入流路23pの最上流部とは、カソードオフガス流出流路24pの閉塞した側の端部と隣り合う部位であり、空気流入流路23pの最下流部とは、空気流入流路23pの閉塞した側の端部である。また、カソードオフガス流出流路24pの最上流部とは、カソードオフガス流出流路24pの閉塞した側の端部であり、カソードオフガス流出流路24pの最下流部とは、空気流入流路23pの閉塞した側の端部と隣り合う部位である。
また、ガス拡散層16の圧力損失PLdを、
PLd=(全圧力損失)−PLf;
とした。
PLd=(全圧力損失)−PLf;
とした。
シミュレーションに用いた各種パラメータの値は、以下の通りである。
<空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成>
流路長L:0.2(m);
流路幅D:0.8(mm);
リブ幅R:0.8(mm);
流路深さH:0.3(mm);
なお、流路幅D,リブ幅R,流路深さHは、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pについて、それぞれ同じ値である。
<ガス拡散層16の構成>
厚さt:0.2(mm);
透気度P:変数(Pa・sec);
<運転条件>
電流密度:2(A/cm2) 相当;
ストイキ比:2 Air 相当
流路長L:0.2(m);
流路幅D:0.8(mm);
リブ幅R:0.8(mm);
流路深さH:0.3(mm);
なお、流路幅D,リブ幅R,流路深さHは、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pについて、それぞれ同じ値である。
<ガス拡散層16の構成>
厚さt:0.2(mm);
透気度P:変数(Pa・sec);
<運転条件>
電流密度:2(A/cm2) 相当;
ストイキ比:2 Air 相当
図5は、シミュレーション結果を示す説明図である。図5(a)に、カソード側のガス拡散層16の透気度Pを変化させてPLd/PLf(×100)を変化させたときの、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域に対する空気の流速VfがVf>0となる領域の割合の変化を示した。また、図5(b)に、PLd/PLf×100≦9(%)となるある値での空気流入流路23pにおける最上流部から最下流部にかけての圧力分布、および、カソードオフガス流出流路24pにおける最上流部から最下流部にかけての圧力分布を示した。また、図5(c)に、PLd/PLf×100≦9(%)となるある値での最上流部から最下流部にかけての空気の流速Vfの分布(流速分布)を示した。また、図5(d)に、PLd/PLf×100>9(%)となるある値での空気流入流路23pにおける最上流部から最下流部にかけての圧力分布、および、カソードオフガス流出流路24pにおける最上流部から最下流部にかけての圧力分布を示した。また、図5(e)に、PLd/PLf×100>9(%)となるある値での最上流部から最下流部にかけての空気の流速Vfの分布(流量分布)を示した。
上記シミュレーションから、PLd/PLf×100≦9(%)の場合には、図5(b)に示したように、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域に、空気流入流路23pの圧力と、カソードオフガス流出流路24pの圧力との差が0(ゼロ)となる領域が生じることが分かった。そして、この空気流入流路23pの圧力と、カソードオフガス流出流路24pの圧力との差が0(ゼロ)となる領域では、図5(c)に示したように、空気の流速Vfが0(ゼロ)となることが分かった。また、PLd/PLf×100≦9(%)の場合には、PLd/PLfが小さいほど、すなわち、ガス拡散層16の圧力損失PLdが小さい(ガス拡散層16の透気度Pが大きい)ほど、Vf>0となる領域の割合が減少する(Vf=0となる領域の割合が増加する)ことが分かった(図5(a)参照)。
一方、PLd/PLf×100>9(%)の場合には、図5(d)に示したように、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域に、空気流入流路23pの圧力と、カソードオフガス流出流路24pの圧力との差が0(ゼロ)となる領域が生じることはないことが分かった。そして、図5(e)に示したように、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る全領域で、空気の流速VfがVf>0となることが分かった。図5(a)には示されていないが、例えば、カソード側のガス拡散層16の透気度Pを、P=8×10-12(Pa・sec)とした場合には、PLd/PLf×100≒61(%)となり、Vf>0となる領域が100(%)となった。
以上のシミュレーション結果から、本実施例の燃料電池100では、PLd/PLf×100>9(%)となるように、カソード側のガス拡散層16の透気度Pを決定した。
以上説明した条件を満たす本実施例の燃料電池100によれば、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)であるので、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る全領域において、空気が流れる。したがって、カソード側のガス拡散層16における空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域に、空気が流れない領域が生じることによる発電性能の低下を防止することができる。
D.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、カソード側セパレータ20の表面に、それぞれ櫛歯形状を有する複数の空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pが形成されるものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pを、それぞれ1つとしてもよい。
上記実施例では、カソード側セパレータ20の表面に、それぞれ櫛歯形状を有する複数の空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pが形成されるものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pを、それぞれ1つとしてもよい。
D2.変形例2:
上記実施例では、カソード側のガス拡散層16は、ほぼ全面において、略均一の空孔分布を有するものとしたが、本発明は、これに限られない。カソード側のガス拡散層16は、空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域(図3において、一点鎖線で囲われた領域)において、略均一な空孔分布を有していればよく、他の領域における空孔分布は不均一であってもよい。
上記実施例では、カソード側のガス拡散層16は、ほぼ全面において、略均一の空孔分布を有するものとしたが、本発明は、これに限られない。カソード側のガス拡散層16は、空気流入流路23pに対向する部位からカソードオフガス流出流路24pに対向する部位に亘る領域(図3において、一点鎖線で囲われた領域)において、略均一な空孔分布を有していればよく、他の領域における空孔分布は不均一であってもよい。
D3.変形例3:
上記実施例では、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成、および、カソード側のガス拡散層16の厚さtを固定して、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)となるように、カソード側のガス拡散層16の透気度Pを決定したが、本発明は、これに限られない。本発明は、一般に、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)となるように、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成、および、カソード側のガス拡散層16の構成を決定すればよい。例えば、カソード側のガス拡散層16の厚さt、および、透気度Pを固定して、PLd/PLf×100>9(%)となるように、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成を決定するようにしてもよい。
上記実施例では、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成、および、カソード側のガス拡散層16の厚さtを固定して、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)となるように、カソード側のガス拡散層16の透気度Pを決定したが、本発明は、これに限られない。本発明は、一般に、空気流入流路23pおよびカソードオフガス流出流路24pの圧力損失PLfと、カソード側のガス拡散層16の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)となるように、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成、および、カソード側のガス拡散層16の構成を決定すればよい。例えば、カソード側のガス拡散層16の厚さt、および、透気度Pを固定して、PLd/PLf×100>9(%)となるように、空気流入流路23p、および、カソードオフガス流出流路24pの流路構成を決定するようにしてもよい。
100…燃料電池
10…膜電極接合体
12…電解質膜
14…触媒層
16…ガス拡散層
20…カソード側セパレータ
21,22,23,24,25,26…貫通孔
23p…空気流入流路
24p…カソードオフガス流出流路
30…アノード側セパレータ
30p…アノードガス流路
10…膜電極接合体
12…電解質膜
14…触媒層
16…ガス拡散層
20…カソード側セパレータ
21,22,23,24,25,26…貫通孔
23p…空気流入流路
24p…カソードオフガス流出流路
30…アノード側セパレータ
30p…アノードガス流路
Claims (2)
- 電解質膜の両面に、それぞれ、触媒層、および、ガス拡散層を積層してなる発電体を、セパレータによって挟持した燃料電池であって、
前記発電体のカソード側に配置される前記セパレータは、
前記カソード側の前記ガス拡散層と当接する側の表面に、略直線状に延設され、発電に供する酸化剤ガスを、前記延設方向に流すとともに、前記ガス拡散層に供給するためのガス流入流路と、
前記カソード側の前記ガス拡散層と当接する側の表面に、前記ガス流入流路と略平行に延設され、発電において未消費の酸化剤ガスを、前記ガス拡散層から受け取るとともに、前記延設方向に流すためのガス流出流路と、を備えており、
前記ガス拡散層は、前記ガス流入流路に対向する部位から前記ガス流出流路に対向する部位に亘る領域において、略均一な空孔分布を有しており、
前記ガス流入流路および前記ガス流出流路の圧力損失PLfと、前記ガス拡散層の圧力損失PLdとの関係が、PLd/PLf×100>9(%)である、
燃料電池。
なお、前記ガス流入流路および前記ガス流出流路の圧力損失PLfは、
PLf={(Pin1−Pin2)+(Pout1−Pout2)}÷2;
Pin1 :前記ガス流入流路の最上流部における圧力;
Pin2 :前記ガス流入流路の最下流部における圧力;
Pout1:前記ガス流出流路の最上流部における圧力;
Pout2:前記ガス流出流路の最下流部における圧力;
であり、
前記ガス拡散層の圧力損失PLdは、
PLd=(全圧力損失)−PLf;
である。 - 請求項1記載の燃料電池であって、
前記ガス流入流路、および、前記ガス流出流路は、それぞれ、櫛歯形状を有するとともに、所定の間隔を隔てて交互に配置されており、
前記ガス拡散層は、前記櫛歯形状を有するガス流入流路に対向する部位から前記櫛歯形状を有するガス流出流路に対向する部位に亘る領域において、略均一な空孔分布を有している、
燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009030651A JP2010186659A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009030651A JP2010186659A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010186659A true JP2010186659A (ja) | 2010-08-26 |
Family
ID=42767191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009030651A Pending JP2010186659A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010186659A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012035584A1 (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-22 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用セパレータ、燃料電池 |
JP2016167391A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池のシミュレーション方法及びシミュレーション装置 |
-
2009
- 2009-02-13 JP JP2009030651A patent/JP2010186659A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012035584A1 (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-22 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用セパレータ、燃料電池 |
JP2016167391A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池のシミュレーション方法及びシミュレーション装置 |
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