JP2010181188A - プラント運転状態監視方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプラント運転状態監視方法では、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類するする過程(A)と、 各データ群の状態量からマハラノビス距離を演算する過程 (B)と、各データ群で演算されたマハラノビス距離の最大値を選択する過程(C)と、選択された最大値を予め設定した閾値と比較する過程(D)と、前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程(E)と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
具体的には、状態量をx,yとした場合、マハラノビス距離の計算は、x2+y2 の平方根といった単純な計算を監視項目間で行うが、例えば、監視項目が100あれば、各状態量に対して100×100=10000倍の回数の演算が必要であり、その演算処理に多くの時間が必要となっていた。
本発明のプラント運転状態監視方法では、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類する過程と、各データ群毎に状態量からマハラノビス距離を演算する過程と、各データ群毎に演算されたマハラノビス距離の最大値を選択する過程と、選択された最大値を予め設定した閾値と比較する過程、前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程と、を有することを特徴とする。
また、本発明のプラント運転状態監視方法では、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類する過程と、各データ群毎に状態量からマハラノビス距離を演算する過程と、各データ群で演算されたマハラノビス距離のマハラノビス距離を算出する過程と、前記マハラノビス距離のマハラノビス距離を予め設定した閾値と比較する過程と、前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程と、を有することを特徴とする。
また、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類することによって、各データ群毎に、単位空間の状態量、信号空間の状態量を計測する時間間隔、単位空間を変更する時間間隔を個別に設定することができ、また、各データ群毎に、単位空間の検索基準、信号空間の検索基準を個別に設定することができるので、監視の信頼性が向上できる各種のデータ処理を簡便に行うことができる。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。本実施形態では、本発明をガスタービンの発電プラントの状態監視に適用した例を説明するが、本発明が適用できる対象はこれに限定されるものではない。例えば、原子力発電プラントや、化学プラント等、多数の監視項目を有するプラント全般に対して本発明は適用できる。
なお、プラントのガスタービン6を監視するための状態量としては、例えば、ガスタービン6のロータとステータ間の複数箇所で測定されるキャビティ温度、ガス出口にて周方向に沿い複数箇所で測定されるブレードパス温度、ロータの軸振動を検出するめに該ロータの周方向に沿い複数箇所で測定されるロータ軸の変位量、ガスタービン6に設けられる各種弁の開度、などがある。そして、これら状態量は監視対象データとして示され、各状態量において複数個、例えばブレードパス温度では、通常10点〜20点程度測定される。
監視対象であるガスタービン発電プラント1は、ガスタービン6によって発電機5を駆動して電力を発生する。ガスタービン6は、圧縮機2と、燃焼器3と、圧縮機2を回転させるタービン4とから構成される。圧縮機2の吸気口から吸入された空気は圧縮機2で圧縮され、高温、高圧の空気となって燃焼器3へ導かれる。燃焼器3では、高温、高圧の空気に燃料が供給され、燃焼する。燃焼器3で燃焼した燃料は、高温、高圧の燃焼ガスとなってタービン4へ供給され、これを駆動する。これによってタービン4は回転する。
(1)ガスタービン発電プラント1の状態を評価する時点から、所定期間前までの過去に遡った過去の期間におけるガスタービン発電プラント1の状態量を示す監視対象データに基づいて、マハラノビスの単位空間を演算する。
(2)ガスタービン発電プラント1の状態を評価する時点の状態量を示す監視対象データに基づいて、今後のガスタービン発電プラント1の状態を予測し、その予測値に基づいてマハラノビスの単位空間を演算する。
(3)ガスタービン発電プラント1の状態を評価する時点の状態量を示す監視対象データ、及びプラント起動時に設定される制御目標設定値に基づいて、今後のガスタービン発電プラント1の状態を予測し、その予測値に基づいてマハラノビスの単位空間を演算する。
まず、ガスタービン発電プラント1の状態を表す複数の状態量の合計数をuとし、各状態量をそれぞれ変数Xに割り付け、変数X1〜Xuでu個の状態量を定義する(uは2以上の整数)。次に、基準となるガスタービン発電プラント1の運転状態において、変数X1〜Xuの状態量(監視対象データで示される)を、それぞれ合計v個(2以上)収集する。
そして、これら複数の各データ群は、状態量の測定位置(例えば、複数のキャブティ温度、又は複数のブレードパス温度、又は複数のロータ軸変位量、又は各種弁の開度等)により分類しても良いし、また、これら状態量のサンプリング周期(例えば、1分毎、又は10分毎、又は1時間毎のサンプリング周期等)により分類しても良いし、また、前記状態量の種類(温度、又は圧力、又は変位量、又は指令値と測定値との偏差等の監視項目)に基づき分類する。特に相関性の高い監視項目をグループ化することによってデータ群を分類すると良い。
なお、このような監視対象データを各データ群に分割するための分割パターンは記憶部13に予め記憶しておき、分割指令を発することで、処理部12に対して該分割パターンに基づく監視対象データの分割処理を実行させるようにする。
ステップS1では、まず、現在の状態量取得期間において、ガスタービン発電プラント1から状態量を示す監視対象データを取得する。この状態量は、例えば、ガスタービン発電プラント1に取り付けられる各種のセンサ類から既定の時間間隔で定期的に取得され、プラント運転状態監視装置10の記憶部13へ格納される。
なお、上述したように、マハラノビス距離は、単位空間から離れれば離れるほどに、異常の程度に応じて大きな値を示す。マハラノビス距離Dは、基準データ、すなわち、単位空間の平均値は1となり、ガスタービン発電プラント1の状態量が正常な状態では、概ね3以下に収まる。したがって、例えば、閾値は、単位空間の最大値よりも大きい値で適宜設定することができる。また、閾値は、ガスタービン発電プラント1の固有の特性や、ガスタービン発電プラント1の製造ばらつき等を考慮した設定値とすることが好ましい。
しかし、本実施形態では、監視項目100の状態量を、それぞれ10の監視項目からなるデータ群に分けて、各データ群毎の状態量についての 10×10=100回の演算を10回行うのなら、合計1000回の演算で済み、これによってマハラノビス距離を求めるための演算を高速化することができ、プラントの異常判定作業を速やかに行うことができる。
本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。この第2実施形態に示されるプラント運転状態監視方法が、第1実施形態と異なるのは、分割した各データ群に基づきマハラノビス距離をそれぞれ演算した後のデータ処理方法にある。
すなわち、図5に示されるように、第1実施形態に示されるマハラノビス距離の最大値を選択する最大値選択過程Cに代えて、符号B´で示される第2のマハラノビス距離演算過程にて、マハラノビス距離演算過程Bで演算された各群のマハラノビス距離のマハラノビス距離を求める。
そして、この処理部20では、マハラノビス距離演算過程Bの各群で演算された複数のマハラノビス距離がどのような分布を持っているのかを知るために、第2のマハラノビス距離演算過程B´にて、マハラノビス距離のマハラノビス距離を演算する。その後、比較過程Dにて、第2のマハラノビス距離演算過程B´での演算結果を、予め設定した閾値と比較した後、異常判定過程Eにて、先のマハラノビス距離のマハラノビス距離が当該閾値を越えた否かにより、プラントの異常の有無を判定する。
また、第2のマハラノビス距離演算過程B´にて、マハラノビス距離演算過程Bの各群で演算された複数のマハラノビス距離のマハラノビス距離を演算し、既定の閾値と比較することで,該マハラノビス距離演算過程Bの演算されたマハラノビス距離の異常値を正確に検出することができ、プラントの異常発生を正確に判定することが可能となる。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類することによって、各データ群毎に、単位空間の状態量、信号空間の状態量を計測する時間間隔、単位空間を変更する時間間隔を個別に設定することができ、また、各データ群毎に、単位空間の検索基準、信号空間の検索基準を個別に設定することができ、監視の信頼性が向上できる各種のデータ処理を簡便に行える効果も得られる。
本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。この3実施形態に示されるプラント運転状態監視方法が、先の実施形態と異なるのは、分割した各データ群に基づきマハラノビス距離をそれぞれ演算した後のデータ処理方法にある。
すなわち、図6に示されるように、第1実施形態に示される最大値選択過程C及び比較過程Dに代えて、符号D´で示されるマハラノビス距離個別比較過程が設けられている。
そして、この処理部21では、マハラノビス距離個別比較過程D´で実施した、各データ群における各マハラノビス距離と予め設定しておいた既定の閾値と各比較において、少なくとも一つのマハラノビス距離が既定の閾値を越えた場合に、次の異常判定過程Eにてプラントが「異常」であると判定する。
なお、このような異常判定過程Eでのプラント異常の判定は、使用者により適宜設定変更可能であって、例えば、多数実施するマハラノビス距離と予め設定しておいた既定の閾値と比較にて、少なくとも半数以上のマハラノビス距離が既定の閾値を越えた場合に、次の異常判定過程Eにてプラントが「異常」であると判定しても良い。
また、マハラノビス距離個別比較過程D´にて、各データ群における各マハラノビス距離と予め設定しておいた既定の閾値と各比較において、少なくとも一つのマハラノビス距離が既定の閾値を越えた場合に、次の異常判定過程Eにてプラントが「異常」であると判定することで、各監視対象における異常判定を速やかに行うことができ、その結果、プラントの異常判定作業を速やかに行うことができる効果も得られる。
また、本実施形態においても、先の実施形態と同様に、プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類することによって、各データ群毎に、単位空間の状態量、信号空間の状態量を計測する時間間隔、単位空間を変更する時間間隔を個別に設定することができ、また、各データ群毎に、単位空間の検索基準、信号空間の検索基準を個別に設定することができ、監視の信頼性が向上できる各種のデータ処理を簡便に行える効果も得られる。
6 ガスタービン
12 処理部
20 処理部
21 処理部
Claims (6)
- プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類するする過程と、
各データ群の状態量からマハラノビス距離を演算する過程と、
各データ群で演算されたマハラノビス距離の最大値を選択する過程と、
選択された最大値を予め設定した閾値と比較する過程と、
前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程と、を有することを特徴とするプラント運転状態監視方法。 - プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類するする過程と、
各データ群毎に状態量からマハラノビス距離を演算する過程と、
各データ群で演算されたマハラノビス距離のマハラノビス距離を算出する過程と、
前記マハラノビス距離のマハラノビス距離を予め設定した閾値と比較する過程と、
前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程と、を有することを特徴とするプラント運転状態監視方法。 - プラントの多くの監視項目の状態量をより少数かつ複数の監視項目の状態量からなるデータ群に分類するする過程と、
各データ群毎に状態量からマハラノビス距離を演算する過程と、
各データ群毎に演算されたマハラノビス距離を、予め各データ群毎に設定した閾値とそれぞれ比較する過程と、
前記比較結果によりプラントの異常の有無を判定する過程と、を有することを特徴とするプラント運転状態監視方法。 - 前記データ群の分類過程では、前記状態量の測定位置に基づき前記データ群を分類することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラント運転状態監視方法。
- 前記データ群の分類過程では、前記状態量のサンプリング周期に基づき前記データ群を分類することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラント運転状態監視方法。
- 前記データ群の分類過程では、前記状態量の種類に基づき前記データ群を分類することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラント運転状態監視方法。
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