JP2010180515A - 消臭性布帛の製造方法および消臭性布帛および繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機繊維を含む布帛に、金属水酸化物とアミン化合物とを含む消臭剤Aを、酸価5〜600mgKOH/固形分gの合成樹脂バインダーBを介して付着させる。
【選択図】なし
Description
また、本発明によれば、前記の消臭性布帛の製造方法により得られた消臭性布帛が提供される。かかる消臭性布帛において、下記により測定した酢酸臭気低減率が70%以上であることが好ましい。
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管測定し、下記式により酢酸臭気低減率を算出する。
酢酸臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
かかる消臭性布帛において、下記により測定したアセトアルデヒド臭気低減率が70%以上であることが好ましい。
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気低減率を算出する。
アセトアルデヒド臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
かかる消臭性布帛において、下記により測定した酢酸臭気再放出率が10%以下であることが好ましい。
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式により酢酸臭気再放出率を算出する。
酢酸臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
かかる消臭性布帛において、下記により測定したアセトアルデヒド臭気再放出率が10%以下であることが好ましい。
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気再放出率を算出する。
アセトアルデヒド臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
ここで、前記金属水酸化物としては、水溶解度が1%未満の金属水酸化物が好ましい。例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジリコニウムなどが例示される。なかでも、酢酸に対して優れた消臭効果を得る上で、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムが特に好ましい。
その際、前記多孔質物質に前記アミン化合物を吸着させる際の重量比としては、(アミン化合物:多孔質物質)5:95〜70:30(より好ましくは20:80〜50:50)の範囲内が好ましい。
布帛に対する、前記金属水酸化物とアミン化合物と合成樹脂バインダーBの混合物の付着量は、固形分で5〜30g/m2(10〜20g/m2)の範囲内であることが好ましい。
ここで、前記混合物を布帛に付与する前または同時または後において、染色加工、さらには、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、難燃剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤、撥水剤、抗アレルゲン剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。なかでも、前記混合物に他の剤として難燃剤Cを追加すると、最終的に得られる布帛に難燃性が付加され、カーシート地やカーペットなどとして好適に使用され、好ましい。その際、前記難燃剤Cとしては、リン系化合物、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム、およびホウ酸塩からなる群から選択されるいずれか1種以上であることが好ましい。具体的には、リン酸エステル、リン酸塩、リン酸アミド、ホスフインオキサイド化合物、リン酸グアニジン等のリン系化合物、ヘキサブロモドデカン、デカブロモジフエニルエーテル等のハロゲン化合物、三酸化アンチモン、金属水酸化物等の金属化合物などが好適に例示される。
かくして得られた消臭性布帛において、金属水酸化物と、樹脂バインダーの弱酸基とが金属水酸化物塩を形成することにより金属水酸化物の塩基性が弱まり、その結果、アミン化合物のアミノ基とアルデヒドとの反応がすすみやすくなり、また同時に、前記金属水酸化物塩が、樹脂バインダー酸基よりも強い酸、すなわち、酢酸雰囲気にであうと酢酸に移行することにより金属水酸化物の酢酸塩が形成され、酢酸消臭性も得られる。このように、かかる布帛は、酢酸およびアルデヒド類に対して優れた消臭性を有する。さらには、消臭された臭気が再放出されにくい。
(酢酸臭気低減率の測定方法)
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管で測定し、下記式により酢酸臭気低減率を算出する。
酢酸臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
(アセトアルデヒド臭気低減率の測定方法)
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気低減率を算出する。
アセトアルデヒド臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
(酢酸臭気再放出率の測定方法)
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式により酢酸臭気再放出率を算出する。
酢酸臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
(アセトアルデヒド臭気再放出率の測定方法)
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気再放出率を算出する。
アセトアルデヒド臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
JIS K0070により酸価(mgKOH/g)を測定した。
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検地管で測定し、下記式により酢酸臭気低減率を算出した。
酢酸臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検地管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気低減率を算出した。
アセトアルデヒド臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検地管で測定し、下記式により酢酸臭気再放出率を算出した。
酢酸臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検地管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気再放出率を算出する。
アセトアルデヒド臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100
布帛試料の消臭剤付着面を未削鉛筆の先端で軽く引っ掻き、消臭剤の脱落状態を観察し、消臭剤の脱落ナシを○、少しアリを△、明らかにアリを×とした。
耐水性の代用特性として、布帛試料を、温度100℃のスチームで1分処理した後、布帛試料の消臭剤付着面を未削鉛筆の先端で軽く引っ掻き、消臭剤の脱落状態を観察し、消臭剤の脱落ナシを○、少しアリを△、明らかにアリを×とした。
JIS A 1201 自動車室内用有機資材の燃焼試験により評価した。
(供試布帛の作製)
総繊度84dtex/36filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントと総繊度145dtex/60filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントとを用いて、常法によりトリコット立毛編地を製編した後、カット起毛、シャーリングすることにより、全体の厚みが1.9〜2.0mm、立毛高さが1.4〜1.5mm、目付が400g/m2の立毛布帛を得た。
表1、表2に記載する消臭剤含有混合物を、固形分濃度25%、粘度4,000〜5,000cpsに調製し、ナイフオンロールコーターを用い、供試ポリエステル布帛に消臭剤固形分20g/m2塗工し、熱風循環乾燥機で120℃、5分乾燥後、160℃、2分間熱処理した。なお、使用薬剤は下記のとおりである。
水酸化カルシウム: JIS K 8575−94、 水溶解度0.14g/100g水
水酸化マグネシウム: 昭和電工(株)製、 水溶解度0.0009g/100g水
水酸化ナトリウム: JIS K 1202−81、水溶解度100g以上/100g水
トリエチレンテトラタミン: 沸点278℃、 東ソー(株)製
エチレンジアミン: 沸点117℃、 東ソー(株)製
m−キシリレンジアミン: 沸点154℃(20mmHg)、昭和電工(株)製
エポミン SP−006: ポリアミン系化合物(分解温度240℃)、(株)日本触媒製
Sipernat 320: 多孔質粉末シリカ、平均粒径15μm、デグサジャパン(株)製
デクセル 7V: 酸価約700、アクリル樹脂水溶液、 DIC(株)製
NaOHでpH:6〜8に調製済み
ボンコート V−E: 酸価約195、アクリル樹脂エマルジョン、 DIC(株)製
アンモニア水でpH:4〜6に調製済み
ハイドラン AP−40: 酸価約15、ウレタン樹脂エマルジョン、 DIC(株)製
トリエチルアミンでpH:5〜7に調製済み
ボンデイック 2210: 酸価3以下、ウレタン樹脂エマルジョン、 DIC(株)製
トリエチルアミンでpH:5〜8に調整済み
ビゴール FV−1030: リン系難燃剤水分散体、大京化学(株)製
実施例1〜6で得られた消臭性布帛は、酢酸消臭性およびアセトアルデヒド消臭性に優れるのみならず、かつ、いったん消臭した酢酸臭気およびアセトアルデヒド臭気は高温環境80℃に曝されても再放出しない優れた酢酸消臭機能とアセトアルデヒド消臭機能とを兼備していた。さらに、一方の面(立毛部側表面)には消臭剤が露出していなかった。
Claims (16)
- 有機繊維を含む布帛に、金属水酸化物とアミン化合物とを含む消臭剤Aを、酸価5〜600mgKOH/固形分gの合成樹脂バインダーBを介して付着させることを特徴とする消臭性布帛の製造方法。
- 前記有機繊維がポリエステル繊維である、請求項1に記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記布帛が、立毛部および/または紋様部と、地組織部とで構成される布帛である、請求項1または請求項2に記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記金属水酸化物が、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムまたは水酸化ジリコニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記アミン化合物が、ケイ素の酸化物または亜鉛の酸化物と複合化している、請求項1〜5のいずれかに記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記合成樹脂バインダーBがアンモニアおよび/または、沸点が250℃/760mmHg以下のアミンで中和してなる、請求項1〜6のいずれかに記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記布帛に、他の剤として難燃剤Cを付着させる、請求項1〜7のいずれかに記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記難燃剤Cが、リン系化合物、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、およびホウ酸塩からなる群から選択されるいずれか1種以上である、請求項8に記載の消臭性布帛の製造方法。
- 前記消臭剤Aと合成樹脂バインダーBを布帛の片側表面にのみ付着させる、請求項1〜9のいずれかに記載の消臭性布帛の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により製造された消臭性布帛。
- 下記により測定した酢酸臭気低減率が70%以上である、請求項11に記載の消臭性布帛。
(酢酸臭気低減率の測定方法)
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管で測定し、下記式により酢酸臭気低減率を算出する。
酢酸臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100 - 下記により測定したアセトアルデヒド臭気低減率が70%以上である、請求項11または請求項12に記載の消臭性布帛。
(アセトアルデヒド臭気低減率の測定方法)
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下消臭後濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気低減率を算出する。
アセトアルデヒド臭気低減率=(([初期濃度]−[消臭後濃度])/[初期濃度])×100 - 下記により測定した酢酸臭気再放出率が10%以下である、請求項11〜13のいずれかに記載の消臭性布帛。
(酢酸臭気再放出率の測定方法)
酢酸臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式により酢酸臭気再放出率を算出する。
酢酸臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100 - 下記により測定したアセトアルデヒド臭気再放出率が10%以下である、請求項11〜14のいずれかに記載の消臭性布帛。
(アセトアルデヒド臭気再放出率の測定方法)
アセトアルデヒド臭気の濃度が50ppm(以下初期濃度)になっている5リットルテトラバッグ中に、消臭性布帛の試験片(75cm2)を入れ密栓し、温度30℃で4時間放置後、純空気で満たされたテトラバッグ中に入れ替え密栓し、温度80℃で2時間放置後、テトラバッグ中の臭気濃度(以下再放出臭気濃度)をガス検知管で測定し、下記式によりアセトアルデヒド臭気再放出率を算出する。
アセトアルデヒド臭気再放出率=([再放出臭気濃度]/[初期濃度])×100 - 請求項11〜15のいずれかに記載の消臭性布帛を用いてなる、椅子表皮材、ソファー表皮材、カーペット、カーシート地、およびインテリア用品からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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- 2009-02-09 JP JP2009027291A patent/JP5324244B2/ja active Active
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