JP2010176584A - 座標入力システム - Google Patents

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博一 高柳
Shigeru Osawa
成 大澤
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Abstract

【課題】 従来の座標入力システムにおいては、抵抗性周囲電極が存在しない部分を持つ多角形の座標入力領域に対して、正確な指示座標を計算することができなかった。
【解決手段】
各頂点に検出電極を持つ多角形の座標入力領域において、簡単な積和計算の組み合わせを用いて指示位置の座標を計算し、座標入力領域の外縁を構成する各辺の少なくとも一部が抵抗性周囲電極でない場合に前記計算結果を補正することによって、指示位置の座標を求めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、指または座標指示器により指示した位置を検出する座標入力システム、特に多角形形状をした座標入力領域を有する座標入力システムに関する。
図10は従来の長方形(正方形を含む)の座標入力領域を有する座標入力システムの入力パネルであり、均一な面抵抗体1に、面抵抗体1を取り囲む抵抗性周囲電極2を配設しており、4頂点に検出電極3、4、5、及び6を備えている。該検出電極3、4、5、及び6は、前記抵抗性周囲電極2と電気的に接続されている。
上記座標入力システムの座標検出方法として、入力パネルが受信側であるような、座標指示器(以下入力ペンとする)から信号を発信し、静電容量結合もしくは直接の接触を介して、面抵抗体1が、入力ペンから発信された信号を受信する方法、更には面抵抗体全体を電圧振動させて、指又は導電物で指示した点の位置を入力パネル側で検出する方法、及び、信号伝達の方向がこれと逆であって、入力パネルが発信側であるような、面抵抗体1の各部を信号駆動し、入力ペンで受信する方法がある。
入力パネルが受信側である場合は、面抵抗体1の一点に出入りする電流の、4頂点(3、4、5、及び6)へ配分される電流値を計測するものが知られている(特開2000−132319号公報(特許文献1)参照)。一方、入力パネルが発信側である場合は、面抵抗体1に、検出電極3、4、5、及び6を通じて外部から電位勾配を与え、入力ペンによって指示座標点の電圧レベルを検出するものが知られている。指や入力ペンで指示した位置の座標は、面抵抗体1に出入りする電流の4頂点への配分値、もしくは4頂点を駆動した際に入力ペンで計測した電圧を用いて、計算される。
長方形以外の多角形の座標入力領域を有する座標入力システムの入力パネルについては、特開2005−128819号(特許文献2)に、4の倍数の辺を有する多角形のパネルにおいて、入力座標を算出できるタッチパネルが開示されている。しかし、特許文献2は、位置座標を、予め設定してある計測値と位置座標との関係を表した相関テーブルに基づいて算出するものであり、指の指示位置を離散的に求めるものである。従って、パネル上で指を滑らせるような操作をするには不向きである。また、分解能及び精度を上げるにはより多くのメモリを必要とする上に、同じ理由でパネルを大型化するのにも向かない。更に、そもそもパネル形状に関して、4の倍数の辺を有するという制限がある。
また、特許3821002号(特許文献3)に、座標入力領域外周部に設置された2つの電極間で計測した電圧から指示位置を計算するタッチパネル装置が開示されている。座標入力領域が三角形である場合は隣り合う辺を2つの電極とし、座標入力領域が四角形以上の多角形の場合は、3つ以上の座標軸を設定して、座標軸の両端に位置する座標入力領域外周部に設置された2つの電極を用いることでその座標軸における座標を計算できるとしている。しかし、これら2つの電極は、必ずしも正対する辺に設けられた電極同士である必要はないものの、正対する辺同士を選ぶことが望ましいとあり、長方形以外の多角形の場合、常に正確な座標を得られるとは期待できない。特に、例えば略Cの字型のような形状の多角形の座標入力領域を想定した場合、正対に近い関係の2つの電極を選択できない座標軸が存在するが、そのような場合の座標軸の設定方法及び座標計算方法は開示されていない。更に、特に長方形以外の多角形の場合、それぞれの座標軸に関して求めた値を(x,y)座標に変換するには、座標軸に直交する直線を求めたり、直線同士の交点を求めたりしなくてはならず、計算が煩雑となる。
更に、抵抗性周囲電極がない場合には、正確な指示位置を計算することができなかった。特許4168537号(特許文献4)には、長方形の、抵抗性周囲電極を持たない入力パネルについて、特に4頂点付近は使用に耐えないと開示されている。
検出電極は、面抵抗体と引き出し線を電気的に接触させればよいので、小さい面積にすることが可能だが、抵抗性周囲電極は、パネルの外周上で一定の領域を必要とするため、抵抗性周囲電極を配設すると、パネルの外縁ぎりぎりまでを座標入力領域とすることができない。
大画面の表示装置に用いる座標入力システムを作る際、一つの入力パネルでは画面全体をカバーできない場合に、例えば入力パネルを2枚並べて、仮想的に座標入力領域を大きくすることができるが、入力パネルに抵抗性周囲電極があるため、2枚の入力パネルの境界で抵抗性周囲電極が目立ってしまうとともに、2枚の入力パネルの境界に抵抗性周囲電極の幅の分だけ入力できない領域が発生してしまっていた。
特開2000−132319号 特開2005−128819号 特許3821002号 特許4168537号
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、単連結で各辺が直線であるような多角形の座標入力領域であれば、形状や辺の数に関する制限は一切なく、簡単な数式によって指や入力ペンの指示位置の座標を計算することができ、また座標入力領域が大きくなっても、頂点の数が変わらなければ座標計算にかかる時間が変わらないような計算方式を持つ座標入力システムを提供することを目的とする。
また、抵抗性周囲電極を多角形の各辺全てに配設せず、一部に配設したり、あるいは全く配設しなくても、指示位置を計算できるような座標入力システムを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも面抵抗体が形成された単連結であるNv角形の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記Nv角形のNv個の頂点と辺上の任意のNe箇所(Ne≧0)の合計N=Nv+Ne箇所に検出電極を設けると共に、前記座標入力領域をN角形の座標入力領域とみなし、該座標入力領域はその外縁を構成するN個の各辺が、1.前記面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極、または、2.前記面抵抗体の外縁が構成する直線、または、3.抵抗性周囲電極が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも前記面抵抗体が形成されている直線、のいずれかよりなる座標入力領域であり、該座標入力領域を指又は信号発信機能を持つ座標指示器で指示したときに、前記座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極に流れる電流を計測する電流計測手段と、前記N個の検出電極に流れる電流値から前記指又は座標指示器で指示した前記座標入力領域の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記指又は信号発生機能を持つ座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極の座標(x,y)(j=1,...,N)、前記N個の検出電極に流れる電流値i(j=1,...,N)を用いて、次の数式1によって計算するとともに、座標入力領域の外縁を構成する各辺の少なくとも一部が抵抗性周囲電極でない場合に前記計算結果を補正するものであることを特徴とする座標入力システムを第1の要旨とし、
Figure 2010176584
少なくとも面抵抗体が形成された単連結であるNv角形の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記Nv角形のNv個の頂点と辺上の任意のNe箇所(Ne≧0)の合計N=Nv+Ne箇所に検出電極を設けると共に、前記座標入力領域をN角形の座標入力領域とみなし、該座標入力領域はその外縁を構成するN個の各辺が、1.前記面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極、または、2.前記面抵抗体の外縁が構成する直線、または、3.抵抗性周囲電極が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも前記面抵抗体が形成されている直線、のいずれかよりなる座標入力領域であり、該座標入力領域を座標指示器で指示したときに、前記座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極のうち任意の1個の検出電極を駆動し残りの(N−1)個の検出電極を接地した際の座標指示器の位置の電圧を計測する電圧計測手段と、前記N個の検出電極のうち任意の1個の検出電極を順次駆動したときに計測した電圧から前記座標指示器で指示した前記座標入力領域の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極の座標(x,y)(j=1,...,N)、前記N個の検出電極のうち任意の1個の検出電極jを順次駆動した際に計測した電圧値v(j=1,...,N)を用いて、次の数式2によって計算するとともに、座標入力領域の外縁を構成する各辺の少なくとも一部が抵抗性周囲電極でない場合に前記計算結果を補正するものであることを特徴とする座標入力システムを第2の要旨とする。
Figure 2010176584
但し、第1及び第2の要旨において、少なくとも面抵抗体が形成された長方形の内部を座標入力領域とし、且つこの座標入力領域の外縁を構成する4辺の各辺が、面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極からのみ成る座標入力領域から成る座標入力システムを除くものである。
本発明に係る座標入力システムにおいては、単連結である面抵抗体の周囲又は内部に、各辺が直線であるような多角形の抵抗性周囲電極を設け、各頂点に検出電極もしくは駆動電極を設けることによって、簡単な計算式で、抵抗性周囲電極内部の座標入力領域における入力ペンや指の指示位置の座標を計算することができる。凸多角形に限らず、凹部を持つ多角形でも構わないため、任意の多角形形状の座標入力領域を1つの入力パネルで実現することができ、携帯電話などの電子機器の入力部を変わった形状にしたり、長方形でないテーブルの天板を入力領域にするなど、座標入力システムの応用範囲を広げることができる。
座標入力領域が大きくなっても、検出電極の数が同じならば、駆動及び検出回路、また座標計算のためのソフトウエアの規模や計算時間は変わらないため、大型化に際しても容易に対応することができる。
また、座標計算が基本的に積和計算の組み合わせであり、複雑な演算が不要であるため、資源の少ない低速なプロセッサを使っても実用的に座標計算を行うことができる。一方で、頂点の数が多い、複雑な形状をした座標入力領域に対して、高速に座標計算をする必要がある場合には、例えば、DSP(Digital Signal Processor)のような、積和演算機能を持つハードウエアと相性のよい計算方式になっているため、より簡易なプログラムによって高速に座標を計算させるようにすることも可能である。
抵抗性周囲電極が部分的に存在しない入力パネルを作成できるので、大画面の表示装置に用いる座標入力システムを作る際、一つの入力パネルでは画面全体をカバーできない場合に、入力パネルを2枚並べて、2枚の入力パネルの境界を形成する辺の抵抗性周囲電極をなくすことにより、パネルの境界を目立たず、境界付近の入力不可能領域を極力減らすようにすることができる。
また、検出電極の数を増加させることにより、入力パネルの全周にわたって抵抗性周囲電極を配設しないような構成も可能であるので、デザイン上の自由度を高くすることが可能である。
第1の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図 座標の計算方法を例示する図 抵抗性周囲電極がない辺がある場合の座標の歪みを示す図 第2の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図 実施例及び比較例に用いた入力パネル及び試験点を示す図 実施例1、2及び比較例1の試験結果を示す図 実施例3及び比較例2の試験結果を示す図 実施例4及び比較例3の試験結果を示す図 実施例5及び比較例4の試験結果を示す図 従来の正方形の入力パネル
以下、添付図面に従って、本発明に係る座標入力システムの好ましい実施の形態について詳説する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図であり、入力パネルが受信側である場合である。指11が入力パネル12の座標入力領域13内で指示した位置(X,Y座標)を検出する座標入力システムの構成図である。面抵抗体14は、透明なガラス、樹脂、または不透明な絶縁基材の片面に塗布、蒸着等により均一に形成したものである。面抵抗体14の表面は、指11が面抵抗体14に直接触れない様に絶縁処理することによって、指11と面抵抗体14との静電容量結合による信号伝達をさせるようにしてもよいし、絶縁処理せず、指11と面抵抗体14の直接的な電気的接触による信号伝達をさせるようにしてもよい。ここでは、面抵抗体14の表面に絶縁処理をした場合を説明する。均一な面抵抗体14の内部に、直線の抵抗性周囲電極15、または面抵抗体14の外縁である直線、または抵抗性周囲電極15が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも面抵抗体14が形成されている直線、のいずれかを辺として構成されるN角形の内部を座標入力領域13とする。図1には座標入力領域13が四角形で、うち一辺には抵抗性周囲電極15が存在しない例を示す。抵抗性周囲電極15上において、多角形の座標入力領域13の各頂点に当たる位置を検出電極16〜19とし、そこにそれぞれ1本ずつ引き出し線21〜24を接続する。引き出し線21〜24を、アナログ信号処理部26内の振動電圧印加回路27に接続する。
座標を検出する際、AC信号源としての振動電圧発生器28は、振動電圧印加回路27に振動電圧を与え、振動電圧印加回路27は、対応する検出電極16〜19を、低インピーダンスで電圧振動させ、且つ、アナログマルチプレクサ29に検出電極から流入した電流を出力する。簡単な例としては、トランジスタのベースをAC信号で振動させ、エミッタを検出電極と接続して、コレクタから電流出力するものがある。
AC信号源としての振動電圧発生器28によって、面抵抗体14は、全面が電圧振動する。人体は、従来から知られているように、AC信号に対して接地効果を持っており、人体の指11が面抵抗体14に接触または近接すると、静電容量結合により、指先を通して面抵抗体14との間にAC信号電流が流れる。検出電極16〜19は、アナログマルチプレクサ29を通してA/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)30に接続しており、各検出電極に流れる電流に比例した電圧がA/Dコンバータ30に印加されるため、指先から面抵抗体14を通して流れ、検出電極16〜19へ配分される電流値を、電圧値としてデジタル値で得ることができる。CPU31は、アナログマルチプレクサ29を順番に切り替え(図示せず)、A/Dコンバータ30が出力するデジタル値を入力し、後述するような方法で、指11や入力ペンの指示位置の座標を計算する。CPU31は計算した座標を出力し、座標は後段の装置によって利用される。
また、入力ペンから信号を発信する場合も、同様にして計測することが可能である。
面抵抗体14は、不透明なカーボン膜または透明なITO(インジウム錫酸化物)膜、NESA(酸化錫)膜、等を、基材上に均一に成膜したものであり、面抵抗値は約1KΩ/□程度が好ましい。
本発明における座標入力システムは、少なくとも面抵抗体14が形成された単連結であるNv角形の内部を座標入力領域13とする座標入力システムであって、Nv角形のNv個の頂点と辺上の任意のNe箇所(Ne≧0)の合計N=Nv+Ne箇所に検出電極を設け、座標入力領域をN角形の座標入力領域とみなし、その外縁を構成するN個の各辺が、1.前記面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極、または、2.前記面抵抗体の外縁が構成する直線、または、3.抵抗性周囲電極が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも前記面抵抗体が形成されている直線、のいずれかよりなる座標入力領域(ただし全ての辺が抵抗性周囲電極からなる長方形の座標入力領域を除く)から成る座標入力システムである。ここで単連結とは、面抵抗体14は内部に孤立した穴が存在しないような形状であり、ひとつながりになっていることを意味するものである。ただし、蒸着等成膜方法によって面抵抗体14上に生じるピンホール程度の大きさの穴のような、面抵抗体14内部の電流の巨視的な流れを阻害しないものであれば、あっても何ら問題にならない。また、受傷などによってより大きな穴が生じた場合は、少なくともその穴の周りで、穴の大きさに応じて座標が歪むものの、穴から離れるほど指11や入力ペンの指示位置の座標計算に及ぼす影響は小さくなるため、穴が小さければ、実用上の問題は生じない。
抵抗性周囲電極15は、カーボン、銀カーボン、又は銀等を密着配設したものであり、例えば、銀インクをスクリーン印刷する等の手法で作成する。抵抗性周囲電極15は、各辺毎に長さ当たりの抵抗値を一定にすることが好ましく、抵抗性周囲電極15が分断される辺においても、分断された抵抗性周囲電極15の長さ当たりの抵抗値は一定であることが好ましい。また、抵抗性周囲電極15の抵抗値は低い方がよく、面抵抗体14の面抵抗値を1KΩ/□程度とした場合は、抵抗性周囲電極15の隣り合う頂点間の抵抗値を、20〜200Ω程度にするのが好ましい。
抵抗性周囲電極15は、印刷等の手法で形成するうえ、検出電極16〜19に引き出し線21〜24を接続する必要があるため、有限の幅を持つ。このとき、少なくとも抵抗性周囲電極15と面抵抗体14の境界線においては、抵抗性周囲電極15と面抵抗体14が電気的に接触している必要がある。通常、面抵抗体14を成膜した上から抵抗性周囲電極15を形成するが、面抵抗体14が抵抗性周囲電極15の外側にはみ出ていても構わない。その際も、座標入力領域13は、抵抗性周囲電極15の内部である。抵抗性周囲電極15が存在する場合、抵抗性周囲電極15は必ず座標入力領域13の外縁を構成する辺の全部もしくは一部である。
座標入力領域13の外縁を構成する辺のうち、面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺については、2個の検出電極もしくは抵抗性周囲電極15の端の間を、面抵抗体14の外縁が直線で結ぶものである。外縁は多少直線的でない形状をしていても構わないが、辺の両端である検出電極16〜19もしくは抵抗性周囲電極15の有限の大きさのうちに収まっているのが好ましい。
また、座標入力領域13の外縁を構成する辺のうち、抵抗性周囲電極15が途中の一か所で分断されている辺については、抵抗性周囲電極15が存在しない領域の、面抵抗体14の外縁で構成される直線が、抵抗性周囲電極15の有限の幅のうちに収まっているのが好ましい。面抵抗体14の外縁が、分断された抵抗性周囲電極15よりも外側に広がっていても、座標入力領域13内の座標の歪み方にはほとんど影響しないので、構わない。ただし、そのようなときに、指11が座標入力領域13の外側にある面抵抗体14の部分に接触すると、座標入力領域13内の座標に計算されてしまうため、指11が座標入力領域13の外側にある面抵抗体の部分には接触しないような工夫が必要である。
後述する座標計算に用いる座標入力領域13のN個の頂点の座標(x,y)(j=1,...,N)は、頂点から出る辺のいずれかもしくは両方が抵抗性周囲電極15を持つ場合、幅を持っている抵抗性周囲電極15と面抵抗体14の境界線が形成するN角形の頂点の座標を使用する。抵抗性周囲電極15上の検出電極16〜19について、引き出し線21〜24を接続している位置が、抵抗性周囲電極15と面抵抗体14の境界線から多少離れていても、抵抗性周囲電極15の抵抗が面抵抗体14の抵抗に比べて低いため、境界線における値を計測するのと同等になる。一方、頂点から出る辺がいずれも抵抗性周囲電極15を持たない場合は、面抵抗体14の外縁の直線が交わる頂点の座標を使用する。このとき、検出電極16〜19は、引き出し線21〜24を面抵抗体14と電気的に接続させるために有限の面積が必要であるので、検出電極16〜19を極力頂点に近いところに、好ましくは検出電極16〜19が頂点を含むように配設する。
座標入力領域13の形状、抵抗性周囲電極15及び面抵抗体14の形状は、基材に収まるものであればよく、必ずしも座標入力領域13の形状と基材の形状を略一致させる必要はないが、座標入力領域13の形状と基材の形状を同じようにした方が、座標入力システムを何らかの製品に組み込む際に、組み込む製品のデザイン上の自由度が大きくなるため好ましい。
次に、指11や入力ペンの指示位置の座標を計算する方法について説明する。一般的に、関数f(x)のn次モーメントは、x×f(x)を、xの全領域で積分することによって得ることができる。1次モーメントを0次モーメントで除することによって、関数f(x)の重心位置を得ることができる。このことは、関数が2次元(f(x,y))であっても同じように適用可能であり、x×y×f(x)を、xとyの全領域で積分したものが(n+m)次モーメントになる。また関数が離散的な場合には、積分を和に変えればよい。ここで、指11や入力ペンの指示位置から面抵抗体14に流れ込む電流が、検出電極16〜19へ配分される配分のされ方、つまり検出電極16〜19へ配分される電流値の計測値を、検出電極16〜19の座標において定義されるような、離散的な2次元の関数であると想定する。この関数のモーメントを、検出電極16〜19の座標と、各検出電極における計測値を使って、離散的な場合のモーメント計算によって求め、1次モーメントと0次モーメントを用いて重心を計算することにより、指11や入力ペンの指示位置の座標を得ることができる。
具体的には、座標入力領域13(ここでは一般的に表現してN角形とする)上の直交座標系(x,y)において、指11で指示した座標を(X,Y)、座標入力領域13のN個の頂点の座標を(x,y)(j=1,...,N)、N個の頂点に流れる電流値をi(j=1,...,N)とすると、指11で指示した座標(X,Y)は、数式1によって計算することができる。数式1を用いた座標の計算方法の例示による説明を、図2に示す。
単連結で、直線で構成された多角形であり、抵抗性周囲電極15を全周に配設していれば、どんな形状の座標入力領域に対しても、数式1によって、指や入力ペンの指示位置の座標を得ることができる。
尚、数式1は、抵抗性周囲電極15を全周に配設した長方形の座標入力領域に対して適用すると、既知の座標計算式と同一のものになる。このことは、数式1が、長方形(正方形を含む)のような、特に計算しやすい形状であった場合に従来から知られていた座標計算式を、任意の多角形に一般化したものであることを示している。
座標入力領域13の外縁を構成する辺のうちに、面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺や、抵抗性周囲電極15が途中の一か所で分断されている辺がある場合、数式1によって計算される座標は、抵抗性周囲電極15が存在しない部分の近傍で辺から遠ざかるように、正確な位置から変位するが、この変位は、懸垂曲線(a×cosh(x/a))に似た式で表されることが分かった。図3(a)に、例として、長方形の入力パネル12について、上辺と下辺に抵抗性周囲電極15が存在せず、面抵抗体14の外縁が構成する直線である場合の、数式1を用いて計算した座標の変位を示す。図3(a)には、座標入力領域13を−1≦X≦1、−1≦Y≦1に合わせることによって座標を正方形に正規化し、X、Y方向にそれぞれ正規化座標で0.2刻みに、座標入力領域13内を指示したときの、数式1を用いて計算した座標を、格子様に線で結んで示す。格子は、本来、−0.8≦X≦0.8、−0.8≦Y≦0.8の領域をカバーする正方格子でなくてはならないが、パネル中央部ほど大きく内側に歪む。
また、図3(b)に、同じく正規化した正方形の入力パネル12について、上辺に抵抗性周囲電極15が存在せず、面抵抗体14の外縁が構成する直線である場合の、数式1を用いて計算した座標の変位を示す。
これらの場合、対向する辺に抵抗性周囲電極15が存在するX方向については、正確な座標を得ることができる。一方、抵抗性周囲電極15が一方もしくは対向する両辺に存在せず、面抵抗体14の外縁が構成する直線であるY方向については、座標が、次の数式3に示す形で歪むことが分かった。数式3は、座標入力領域13内部の座標(X,Y)を指11が指示したときに、数式1を用いて計算したY座標の値が、Y’(X,Y)になることを意味する。
Figure 2010176584
ここで、aは、入力パネルの大きさに依存する係数であり、例えば−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した正方形の座標入力領域13に対してはa=1である。g(Y)は、抵抗性周囲電極15がどのように存在しないのかに依存し、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した正方形の座標入力領域13に対して、例えば、上辺と下辺に抵抗性周囲電極15が存在せず、面抵抗体14の外縁が構成する直線である場合には、g(Y)=−0.18Y+0.51Yとなる。また、上辺に抵抗性周囲電極15が存在せず、面抵抗体14の外縁が構成する直線である場合には、g(Y)=−0.21Y+1.10Y−1.05(ただし、逆双曲線関数の計算域を考慮して、数式3の逆双曲線関数内の分子のY、及びg(Y)には正規化した座標入力領域13の大きさを代表する数値である1を加え、結果から1を引く)となる。
このg(Y)は、指11が(0,Y)を指示したときに、Y座標がどのように歪むかを表す関数である。g(Y)は入力パネルの形状と抵抗性周囲電極15の有無によって決まるものであり、特定の構成の入力パネルを製造する場合、(0,Y)の指示に対して数式1を用いて計算したY座標の値がどのように歪むかを、例えば数枚の入力パネルについて測定し、その歪み方の関数を、多項式として最小二乗法で求めることによって、g(Y)を得ることができる。
数式1を用いて計算したY’座標を正しいY座標に補正するには、数式3のYについての逆関数を求める必要がある。ところが、数式3が複雑であるために、逆関数を解析的に導出することはできない。そこで、Y座標を補正する手段として、座標入力領域13の内部において、格子状に、(X,Y,Y’)の組み合わせを保持しておき、数式1を用いて計算したX座標とY’座標から、Y座標を求めるという手段が考えられる。この際、(X,Y’)から最近接の格子点を選択してもよいし、より好ましくは、(X,Y’)を取り囲む4つの格子点を選択して、(X,Y’)から各格子点までの距離に応じて加重平均した座標を計算してもよい。歪み方が数式3のように分かっているので、(X,Y,Y’)の格子点上の全てのデータを予め記憶しておく必要はなく、座標入力システムの起動時に、数式3を用いて適当な格子間隔で(X,Y,Y’)の格子点上のデータを生成してもよい。また、CPU31が十分に高速ならば、(X,Y,Y’)の格子点上の全てのデータを予め生成せず、座標を計算するたびに、数式1を用いてX座標及びY’座標を計算し、計算したX座標と数式3を用いてそのX座標におけるY’を適当な間隔で計算して配列となし、数式1を用いて計算したY’の前記配列内の位置を検索して、Y座標を計算することもできる。
入力パネルが長方形でない場合は、抵抗性周囲電極15を持たない辺に平行な軸と直交する軸を仮定し、それらの軸に対して数式3を適用すれば、座標の歪み方を求めることができ、そこから補正方法を決定することができる。
また、座標入力領域13の外縁を構成する辺のうちに、面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺でなく、抵抗性周囲電極15が途中の一か所で分断されている辺が存在する場合は、そのような辺のうち分断されている長さの割合によって座標の歪み方が変化するため、パネルの構成に応じて、実測によって前記のいずれかの補正方法のパラメータを決定する。
更に、例えば、座標入力領域13の外縁を構成する辺のうち、互いに隣り合い、角度が異なる2つの辺が、面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺や、抵抗性周囲電極15が途中の一か所で分断されている辺である場合、数式1を用いて計算した座標は、一つの座標軸について歪むだけではなく2次元的に歪む。このようなときにも、その歪み方は、それぞれの辺について平行な方向をX、垂直な方向をYとしたときの数式3によって、基本的に表すことができる。ただし、数式3におけるaは定数ではなくなり、Xからは、Yに応じて変化する歪みの中心を差し引く必要がある。これらの変数は、パネルの構成に応じて、実測によって決定することができる。ただし、特に隣り合う辺が2つともに面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺である場合には、隣り合う辺の交点である検出電極の付近で特に歪みが大きくなるので、このようなときには、後述するように、面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺上に検出電極を追加することが好ましい。
次に、座標入力領域13の外縁を構成する辺のうちに、Nv角形の面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺があるときに、その辺上にNe個の検出電極を追加し、N=Nv+Ne角形の座標入力領域13とみなす場合を説明する。このとき、Nv角形の面抵抗体14の幾何学上の頂点にのみ検出電極を配設すると、数式1によって計算される座標は一般的に大きく歪み、少なくともパネルの全面を座標入力領域13とするのは不可能である。
しかし、Nv角形の面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺上にNe個の検出電極を追加することによって、より正確な座標を入力パネルの全面にわたって求めることが可能になる。例えば、4辺すべてが面抵抗体14の外縁が構成する直線であるような長方形の入力パネルは、例えば4辺上にそれぞれ1個ずつ、合計Ne=4個の検出電極を追加することにより、幾何学的にはNv=4角形であるが、座標入力領域13としてはN=Nv+Ne=8角形とみなすことができる。8角形の座標入力領域13として、数式1を用いて座標を計算することにより、4角形の頂点上にのみ検出電極がある場合に比べて、より正確な座標を求めることができる。一部の辺が抵抗性周囲電極15であり、一部の辺が面抵抗体14の外縁が構成する直線であるときに、辺上に検出電極を追加してもよい。面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺上への検出電極の追加は上述のような効果をもたらす。また、抵抗性周囲電極15である辺上への検出電極の追加は、面抵抗体14に製造工程に由来する電気抵抗の不均一性が存在する場合に、数式1を用いて求める座標をより正確な位置に近づける効果がある。
ただし、検出電極を面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺上に追加しても、それだけでは正確な座標を得ることはできない。従って、座標入力領域13内の代表的な何点かを事前に計測し、数式1を用いて求めた座標を、事前の計測値を用いて補正するなどする必要がある。面抵抗体14の外縁が構成する直線である辺上に検出電極を追加しない場合は、座標の歪みがあまりに大きいため、このような補正すら有効ではない。
<第2の実施の形態>
図4は、第2の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図であり、入力パネルが発信側である場合である。第1の実施の形態と同じ箇所については、説明を適宜省略する。座標指示器(入力ペン)32が入力パネル33の座標入力領域34内で指示した位置(X,Y座標)を検出する座標入力システムの構成図である。均一な面抵抗体35の内部に、直線の抵抗性周囲電極36、または面抵抗体35の外縁である直線、または抵抗性周囲電極36が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも面抵抗体35が形成されている直線、のいずれかを辺として構成されるN角形の内部を座標入力領域34とする。図4には座標入力領域34が四角形で、うち二辺には抵抗性周囲電極36が存在しない例を示す。ここでも第1の実施の形態と同様、面抵抗体35の表面に絶縁処理をした場合を説明する。抵抗性周囲電極36上の、多角形の座標入力領域34の各頂点に当たる位置を駆動電極37〜40とし、そこにそれぞれ1本ずつ引き出し線43〜46を接続する。引き出し線43〜46を、それぞれスイッチ49〜52に接続する。
座標を検出するには、信号発生器55によって面抵抗体35にAC電位勾配を与える。電位勾配の与え方は、まず駆動電極37〜40のうちから1つの駆動電極37を選択し、引き出し線43を通じて接続されているスイッチ49を信号発生器55の出力側に接続して、残りの駆動電極38〜40に接続されているスイッチ50〜52を接地側に接続する。このとき、面抵抗体35の、入力ペン32の先端に近い位置のAC信号レベルは、静電容量結合を介して入力ペン32に伝達され、更にケーブル56を通じてアナログ信号処理部57に伝達される。アナログ信号処理部57は、図示しないが、増幅器、帯域通過フィルタ、AC/DC変換器(AM検波器)等を含み、入力したAC信号レベルに比例したDC信号レベルを出力する。A/Dコンバータ58、CPU59は、図1のものと同様であるが、CPU59は、スイッチ49〜52の接続を、任意の組み合わせに設定する機能を有する(図示せず)。
CPU59は、A/Dコンバータ58が出力したDC信号レベルのデータを読み取ると、次に、駆動電極37〜40のうちから、次の駆動電極38を選択し、対応するスイッチ50のみを信号発生器55の出力側に接続し、残りの駆動電極37及び39〜40に対応するスイッチ49及び51〜52を接地側に接続して、同様にアナログ信号処理部57で処理し、A/Dコンバータ58が出力したデータをCPU59が読み取る。
この操作を駆動電極の数だけ繰り返し、それらのデータを基にして、後述するような方法で、入力ペン32の指示位置の座標を計算する。
入力ペン32の指示位置の座標を計算するには、面抵抗体35(ここでは一般的に表現してN角形とする)上の直交座標系(x,y)において、入力ペン32で指示した座標を(X,Y)、面抵抗体35のN個の頂点の座標を(x,y)(j=1,...,N)、N個の頂点をそれぞれ駆動した際に計測した電圧値をv(j=1,...,N)とすると、入力ペン32で指示した座標(X,Y)は、数式2によって計算することができる。
抵抗性周囲電極36が存在しない部分がある場合の補正処理については、第1の実施の形態と同じようにして行えばよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものでなく、本発明の技術範囲において、種々の変形例を含むものである。
(実施例1)
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。入力パネル12の座標入力領域13の形状は、図5に示すように、正方形とし、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した。面抵抗体14は、四角いガラス基材の上に、4角形の形状にNESA(酸化錫)膜を形成した。抵抗性周囲電極15は、銀カーボンインクのスクリーン印刷によって、正方形の左右の辺上にのみ形成し、座標入力領域13をガラス系コーティング剤で絶縁処理した。座標入力領域13の4つの頂点に当たる、2本の抵抗性周囲電極15の両端、合計4箇所に引き出し線を接続し、図1に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、振動電圧印加回路27は4個使用し、4個の入力を処理できるアナログマルチプレクサ29を使用して、CPU31が入力チャネルを切り替えられるようにした。CPU31は、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した座標入力領域13に対して、数式1を用いて座標を計算するとともに、その座標を補正した。補正は、数式1を用いて(X,Y’)を計算し、計算したX座標と数式3を用いてそのX座標におけるY’を0.05間隔で求めて配列となし、数式1を用いて計算したY’がその配列内のどの2要素の間にあるかを検索して、その2要素間におけるY’の位置に応じた加重平均によってYを求める、という手順で行った。CPU31から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。
指11の指示位置を計算することができるか評価するため、一定間隔でしるしを入れた紙をガラス基材の下に敷き、しるしのうち、座標入力領域13の内部にあるものの上を指11で順番に指示して、座標データをパソコンに記録するという試験を行った。概念図を図5に示す。
結果を図6(a)に示す。分かりやすいように、得られた座標を縦横の格子で接続して描いた。
(実施例2)
本実施例は、第2の実施の形態に対応するものである。入力パネル33として、実施例1で作成した、抵抗性周囲電極15を正方形の左右の辺上にのみ形成した入力パネルを使用した。座標入力領域34の4つの頂点に接続した引き出し線を、図3に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、スイッチは4個使用し、CPU59は4個のスイッチの接続を、任意の組み合わせに設定できるようにした。また、実施例1と同様に、数式1を用いて座標を計算するとともに、その座標を実施例1と同じ手順で補正した。そして、CPU59から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。
入力ペン32の指示位置を計算することができるか評価するため、一定間隔でしるしを入れた紙をガラス基材の下に敷き、しるしのうち、座標入力領域34の内部にあるものの上を入力ペン32で順番に指示して、座標データをパソコンに記録するという試験を行った。
結果を図6(b)に示す。
(比較例1)
実施例1のハードウエアを用い、補正を行わないこと以外は実施例1と同様なソフトウエアを用いて、実施例1と同様な試験を行った。結果を図6(c)に示す。
結果として、実施例1〜2に示した構成においては、指又は入力ペンで指示した位置の座標を求めることができたのに対して、比較例1では、同じ座標入力領域に対して座標が歪み、正確に求めることができなかった。従って、本発明に係る座標入力システムが、単連結で各辺が直線であり、抵抗性周囲電極が存在しない辺を持つ多角形の座標入力領域について、指や入力ペンの指示位置を正確に計算できることが確認された。
(実施例3)
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。入力パネル12の座標入力領域13の形状は、図5に示すように、正方形とし、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した。面抵抗体14は、四角いガラス基材の上に、4角形の形状にNESA(酸化錫)膜を形成した。抵抗性周囲電極15は形成せず、面抵抗体14の4つの頂点、及び、辺をそれぞれ4分割する3点×4辺=12点の合計16箇所に、引き出し線を接続し、幾何学的には4角形であるが、16角形の座標入力領域13とした。更に、面抵抗体部13をガラス系コーティング剤で絶縁処理し、図1に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、振動電圧印加回路27は16個使用し、16個の入力を処理できるアナログマルチプレクサ29を使用して、CPU31が入力チャネルを切り替えられるようにした。CPU31は、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した座標入力領域13に対して、数式1を用いて座標を計算し、CPU31から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。本実施例においては、補正処理を行わなず、数式1を用いて計算した座標を評価することとした。
指11の指示位置を計算することができるか評価するため、一定間隔でしるしを入れた紙をガラス基材の下に敷き、しるしのうち、座標入力領域13の第1象限にあるものの上を指11で順番に指示して、座標データをパソコンに記録するという試験を行った。
結果を図7(a)に示す。
(比較例2)
実施例3と同じハードウエアを用い、16本の引き出し線のうち、面抵抗体14の4つの頂点に接続されているもの以外を非接続とした。CPU31は、アナログマルチプレクサ29を、面抵抗体14の4つの頂点に接続されているもののみ選択して切り替えるようにし、座標入力領域13を4角形として、数式1を用いて座標を計算し、CPU31から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。
実施例3と同様な試験を行った。結果を図7(b)に示す。
結果として、実施例3に示した構成においては、指で指示した位置の座標を、正確な位置から外れているものの、試験を行った全ての点を識別可能な程度に求めることができたのに対して、比較例2では、座標の歪みが大きく、試験を行った点を互いに識別することすらできなかった。実施例3については、座標入力領域13内の代表的な何点かを事前に計測し、補正処理を行うことによって、パネル全面で座標を入力することができるようになる。従って、本発明に係る座標入力システムが、抵抗性周囲電極が存在しない場合にも、指の指示位置を計算できることが確認された。
(実施例4)
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。入力パネル12の座標入力領域13の形状は、正6角形とし、−1.16≦X≦1.16、−1≦Y≦1に正規化した。面抵抗体14は、四角いガラス基材の上に、横長の長方形の形状にNESA(酸化錫)膜を形成した。抵抗性周囲電極15は、銀カーボンインクのスクリーン印刷によって、正6角形の上辺と下辺を除く4辺に形成し、座標入力領域13をガラス系コーティング剤で絶縁処理した。この際、正6角形の上辺と下辺が長方形に形成した面抵抗体14の上辺と下辺によって形成され、面抵抗体14について、正6角形の座標入力領域13の内部と外部は、抵抗性周囲電極15によって分割されるようにした。座標入力領域13の6つの頂点に当たる、2本の抵抗性周囲電極15の中央及び両端、合計6箇所に引き出し線を接続し、図1に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、振動電圧印加回路27は6個使用し、少なくとも6個の入力を処理できるアナログマルチプレクサ29を使用して、CPU31が入力チャネルを切り替えられるようにした。CPU31は、−1.16≦X≦1.16、−1≦Y≦1に正規化した座標入力領域13に対して、数式1を用いて座標を計算し、その座標をシリアル通信によってパソコンに送信するようにした。そして、補正処理をパソコン上で行った。パソコン上での補正処理は、CPU31から送信された(X,Y’)を用いて、そのX座標において、数式3がY’となる点を、ニュートン法を用いて数値計算することによって行った。このとき、数式3においてg(Y)=−0.19Y+0.76Y、またa=0.67とした。
指11の指示位置を計算することができるか評価するため、一定間隔でしるしを入れた紙をガラス基材の下に敷き、しるしのうち、座標入力領域13の内部にあるものの上を指11で順番に指示して、座標データをパソコンに記録するという試験を行った。
結果を図8(a)に示す。
(比較例3)
実施例4のハードウエアを用い、パソコンで補正処理を行わない状態の座標データを結果とした。結果を図8(b)に示す。
結果として、実施例4に示した構成においては、指で指示した位置の座標を求めることができたのに対して、比較例3では、同じ座標入力領域に対して座標が歪み、正確に求めることができなかった。従って、本発明に係る座標入力システムが、単連結で各辺が直線であり、抵抗性周囲電極が存在しない辺を持つ多角形の座標入力領域について、指の指示位置を正確に計算できることが確認された。
(実施例5)
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。入力パネル12の座標入力領域13の形状は、正方形とし、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した。面抵抗体14は、四角いガラス基材の上に、横長の長方形の形状にNESA(酸化錫)膜を形成した。抵抗性周囲電極15は、銀カーボンインクのスクリーン印刷によって、正方形の上辺を除く3辺、及び上辺の−0.8≦X≦0.8を除く両端に形成し、座標入力領域13をガラス系コーティング剤で絶縁処理した。座標入力領域13の4つの頂点に当たる、正方形の4隅の頂点に引き出し線を接続し、図1に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、振動電圧印加回路27は4個使用し、4個の入力を処理できるアナログマルチプレクサ29を使用して、CPU31が入力チャネルを切り替えられるようにした。CPU31は、−1≦X≦1、−1≦Y≦1に正規化した座標入力領域13に対して、数式1を用いて座標を計算し、その座標をシリアル通信によってパソコンに送信するようにした。そして、補正処理をパソコン上で行った。パソコン上での補正処理は、CPU31から送信された(X,Y’)を用いて、そのX座標において、数式3がY’となる点を、ニュートン法を用いて数値計算することによって行った。このとき、数式3においてg(Y)=−0.076Y−0.18Y+0.75Y−0.1443、またa=0.93とし、逆双曲線関数の計算域を考慮して、数式3の逆双曲線関数内の分子のY、及びg(Y)には1を加え、結果から1を引く処理を行った。
指11の指示位置を計算することができるか評価するため、一定間隔でしるしを入れた紙をガラス基材の下に敷き、しるしのうち、座標入力領域13の内部にあるものの上を指11で順番に指示して、座標データをパソコンに記録するという試験を行った。
結果を図9(a)に示す。
(比較例4)
実施例4のハードウエアを用い、パソコンで補正処理を行わない状態の座標データを結果とした。結果を図9(b)に示す。
結果として、実施例5に示した構成においては、指で指示した位置の座標を求めることができたのに対して、比較例4では、同じ座標入力領域に対して座標が歪み、正確に求めることができなかった。従って、本発明に係る座標入力システムが、単連結で各辺が直線であり、部分的に抵抗性周囲電極が存在しない辺を持つ多角形の座標入力領域について、指の指示位置を正確に計算できることが確認された。
1 面抵抗体
2 抵抗性周囲電極
3、4、5、6 検出電極
11 指
12 入力パネル
13 座標入力領域
14 面抵抗体
15 抵抗性周囲電極
16、17、18、19 検出電極
21、22、23、24 引き出し線
26 アナログ信号処理部
27 振動電圧印加回路
28 振動電圧発生器
29 アナログマルチプレクサ
30 A/Dコンバータ
31 CPU
32 座標指示器(入力ペン)
33 入力パネル
34 座標入力領域
35 面抵抗体
36 抵抗性周囲電極
37、38、39、40 駆動電極
43、44、45、46 引き出し線
49、50、51、52 スイッチ
55 信号発生器
56 ケーブル
57 アナログ信号処理部
58 A/Dコンバータ
59 CPU

Claims (2)

  1. 少なくとも面抵抗体が形成された単連結であるNv角形の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記Nv角形のNv個の頂点と辺上の任意のNe箇所(Ne≧0)の合計N=Nv+Ne箇所に検出電極を設けると共に、前記座標入力領域をN角形の座標入力領域とみなし、該座標入力領域はその外縁を構成するN個の各辺が、1.前記面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極、または、2.前記面抵抗体の外縁が構成する直線、または、3.抵抗性周囲電極が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも前記面抵抗体が形成されている直線、のいずれかよりなる座標入力領域(ただし全ての辺が抵抗性周囲電極からなる長方形の座標入力領域を除く)であり、該座標入力領域を指又は信号発信機能を持つ座標指示器で指示したときに、前記座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極に流れる電流を計測する電流計測手段と、前記N個の検出電極に流れる電流値から前記指又は座標指示器で指示した前記座標入力領域の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記指又は信号発生機能を持つ座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の座標入力領域のN個の検出電極の座標(x,y)(j=1,...,N)、前記N個の検出電極に流れる電流値i(j=1,...,N)を用いて、次の数式1によって計算するとともに、座標入力領域の外縁を構成する各辺の少なくとも一部が抵抗性周囲電極でない場合に前記計算結果を補正するものであることを特徴とする座標入力システム。
    Figure 2010176584
  2. 少なくとも面抵抗体が形成された単連結であるNv角形の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記Nv角形のNv個の頂点と辺上の任意のNe箇所(Ne≧0)の合計N=Nv+Ne箇所に検出電極を設けると共に、前記座標入力領域をN角形の座標入力領域とみなし、該座標入力領域はその外縁を構成するN個の各辺が、1.前記面抵抗体と電気的に接触するように設けた直線の抵抗性周囲電極、または、2.前記面抵抗体の外縁が構成する直線、または、3.抵抗性周囲電極が途中の一か所で分断され、分断された間に少なくとも前記面抵抗体が形成されている直線、のいずれかよりなる座標入力領域(ただし全ての辺が抵抗性周囲電極からなる長方形の座標入力領域を除く)であり、該座標入力領域を座標指示器で指示したときに、前記座標入力領域抵抗性周囲電極のN個の検出電極のうち任意の1個の検出電極を駆動し残りの(N−1)個の検出電極を接地した際の座標指示器の位置の電圧を計測する電圧計測手段と、前記N個の検出電極のうち任意の1個の検出電極を順次駆動したときに計測した電圧から前記座標指示器で指示した前記座標入力領域の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の座標入力領域のN個の検出電極の座標(x,y)(j=1,...,N)、前記N個の検出電極のうち任意の1個の検出電極jを順次駆動した際に計測した電圧値v(j=1,...,N)を用いて、次の数式2によって計算するとともに、座標入力領域の外縁を構成する各辺の少なくとも一部が抵抗性周囲電極でない場合に前記計算結果を補正するものであることを特徴とする座標入力システム。
    Figure 2010176584
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