JP2010173288A - シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法 - Google Patents

シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】他基板と位置合わせして組み立てる際に、機械的ストレスを低減し、擦れ等によるチッピングや割れを防いで組み立て性を向上させることができるシリコン製ノズル基板等を提供すること。
【解決手段】他基板2、3との組み立て時に位置決めピン51を通して位置合わせするためのアライメント穴15及びトラック穴16を備え、これらの穴15、16は基板面に平行な断面積が液導入面1b側に向けて漸増し、基板面に垂直な断面形状が指数曲線を有する。このとき、アライメント穴15は基板面に対して垂直な中心軸を有する回転体の連続曲面で構成され、中心軸を含む断面形状が、中心軸を対称軸として線対称な指数曲線を有する。そして、アライメント穴15側壁及びトラック穴16側壁の液導入面1bにおける接線と基板面の垂線とのなす角度が、0度以上10度以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は、シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法に関する。
インクジェットヘッドは、印刷速度の高速化及びカラー化を目的として、ノズル列を複数有する構造が求められている。更に、近年、ノズル密度は高密度化するとともに、1列当りのノズル数が増加して長尺化しており、ノズル部材の高精度加工と高耐久性が求められている。このため、インクジェットヘッドのノズル基板に関して、様々な工夫、提案がなされている。
従来は、ノズル基板に形成するアライメント穴とトラック穴の形状は、アライメント穴を円形(半径d1)にし、トラック穴を長円形(短径d1、長径d2、d1<d2)にして、組み立て時の機械的ストレスを低減していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−144734号公報(第7頁、図6)
特許文献1記載の技術では、アライメント穴及びトラック穴の縦方向の断面はストレート形状であり、ノズル基板を他基板と位置合わせして組み立てる際に、アライメント穴へのピン挿入時に機械的ストレスが生じた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、アライメント穴とトラック穴に位置決めピンを通し、ノズル基板を他基板と位置合わせして組み立てる際に、機械的ストレスを低減し、擦れ等によるチッピングや割れを防いで組み立て性を向上させることができるシリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン製ノズル基板は、他基板との組み立て時に位置決めピンを通して位置合わせするためのアライメント穴及びトラック穴を備え、アライメント穴及びトラック穴は基板面に平行な断面積が液吐出面側から液導入面側に向けて漸増し、基板面に垂直な断面形状が指数曲線を有するものである。
アライメント穴とトラック穴に位置決めピンを通し、ノズル基板を他基板と位置合わせして組み立てる際に、位置決めピン側壁と、アライメント穴側壁及びトラック穴側壁との接触面積を低減することができるので、擦れ等によるチッピングや割れを防いで歩留まりを向上させることができる。また、ノズル基板を位置決めピンに通す際に、ノズル基板が多少傾いていてもピンをスムーズに挿入することができ、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板は、アライメント穴が基板面に対して垂直な中心軸を有する回転体の連続曲面で構成され、中心軸を含む断面形状が、中心軸を対称軸として線対称な指数曲線を有するものである。
ノズル基板が多少傾いても位置決めピンをスムーズに挿入することができ、シリコン部材特有のチッピングや割れ等の不具合を解消して歩留まりを向上させることができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板は、アライメント穴側壁及びトラック穴側壁の液導入面における接線と基板面の垂線とのなす角度が、0度以上10度以下である。
接線と垂線との角度は組み立て時のノズル基板の許容傾き量に一致するので、0度から10度に設定することで組立工程における角度管理を容易にすることができる。また、10度よりも大きい角度に設定すると、アライメント穴径の精度が低下してくるので、この範囲内が好ましい。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板は、アライメント穴の基板面に平行な断面が正円であり、トラック穴16の基板面に平行な断面が長円であり、該長円はアライメント穴中心とトラック穴中心とを結ぶ直線と垂直な方向の円幅が前記アライメント穴の直径に等しく、平行な方向の円幅が前記アライメント穴の直径よりも大きくなっている。
前記直線と垂直な方向の位置合わせにはアライメント穴とトラック穴の両方が必要となるが、平行な方向の位置合わせはアライメント穴のみで済むため、前記平行な方向のトラック穴寸法に余裕を持たせることで、トラック穴周囲のチッピングや割れ等を低減することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板を備えたものである。
ピンアライメント工程での組み立て性を向上させたので、安価で高精度なシリコン製ノズル基板を提供することができる。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
安価で高精度なシリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出装置を提供することができる。
本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、基材に異方性ドライエッチングを行ってそれぞれアライメント穴、トラック穴、及びノズル孔となる凹部を形成する工程と、基材に酸化膜を形成する工程と、基材のアライメント穴及びトラック穴となる凹部の内壁および開口部周辺の酸化膜を除去する工程と、基材のアライメント穴及びトラック穴となる凹部に等方性ドライエッチングを行って、凹部の側壁を開口部側に指数曲線形状に拡げる工程と、基材の凹部を形成した側の面と反対側の面を薄板化して凹部を貫通させ、アライメント穴、トラック穴及びノズル孔を形成する工程とを有するものである。
アライメント穴等の製造に際して、異方性ドライエッチングを採用しているのでシリコンの結晶方位に依存しない自由度の高いアライメント穴の設計が可能となる。また、従来の工程に、等方性ドライエッチングを加えて側壁を開口部側に指数曲線形状に拡げる工程を加えるだけでよく、製造リードタイムの増加とコストの上昇を最低限に押さえることができる。
本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、アライメント穴及びトラック穴の導入部における接線と、基板面の垂線とのなす角度を、異方性ドライエッチングの深さと等方性ドライエッチングの時間とにより制御するものである。
等方性ドライエッチング工程での拡径量は、異方性ドライエッチングで加工した垂直穴の底面からの距離とエッチング時間に依存するので、この二つを制御することで拡径量を制御し、ひいては液導入面での接線角度を制御することができる。
本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 図1を組立てた状態の要部の縦断面図。 図1のノズル基板の上面図。 図3のイ−イ断面図。 図3のロ−ロ断面図。 図1のノズル基板の製造工程を示す断面図。 図6に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図7に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 キャビティ基板と電極基板との接合工程を示す断面図。 図9に続く接合基板の製造工程を示す断面図。 キャビティ基板と電極基板との接合基板にノズル基板を接合する工程を示す断面図。 本発明の実施の形態2にかかるインクジェットプリンタの斜視図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の分解斜視図、図2は図1を組立てた状態の要部の縦断面図、図3は図1のノズル基板の上面図、図4は図3のイ−イ断面図、図5は図3のロ−ロ断面図である。
図において、インクジェットヘッド10は、複数のノズル孔11が所定の間隔で設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が設けられた電極基板3とを貼り合わせて構成したものである。
ノズル基板1はシリコン基材から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわち液滴吐出面1a側に開口する小径の第1のノズル孔11aと、キャビティ基板2と接合する液導入面(接合面)1b側に開口する大径の第2のノズル孔11bとから構成され、基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられている。
シリコン基板1の液導入面1bからノズル孔11の内壁11cにかけて、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜からなる第1の保護膜12が連続して形成されている。また、ノズル孔11の内壁11c(第1の保護膜12の上)から、液滴吐出面1aにかけて、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )で形成されたシリコン酸化膜からなる第2の保護膜13が連続して形成されている。さらに、第2の保護膜13の上には液滴吐出面1a側に撥水膜14が形成されている。
図3に示すように、ノズル基板1のノズル孔11の列方向の角部には、他の基板2、3との組み立て時に位置決めピンを通して位置合わせをするためのアライメント穴15及びトラック穴16が形成され、これらはいわゆるテーパー状穴部を構成する。
アライメント穴15は基板面に平行な断面形状が円形曲線をなし、トラック穴16は基板面に平行な断面形状が円弧と直線を組み合わせた複合曲線をなす。アライメント穴15の円形曲線は例えば正円であり、トラック穴16の円弧と直線を組み合わせた複合曲線は例えば長円である。この場合、アライメント穴15の正円の半径をd1とすると、トラック穴16の長円形の短径はアライメント穴12の正円の半径と同じd1、長径はd2であって、d1<d2の関係がある。
そして、これらの穴15、16は、図4、図5に示すように、基板面と平行な断面積が液滴吐出面1a側から液導入面1b側にむけて漸増し、また、基板面と垂直な断面形状が指数曲線を有する。この場合、液導入面1bにおける接線と基板面の垂線との角度が0度以上10度以下である。
なお、アライメント穴15の基板面に平行な断面形状が正円である場合は、アライメント穴15は基板面に対して垂直な中心軸を有する回転体の連続曲面で構成され、中心軸を含む断面形状が中心軸を対称軸として線対称な指数曲線を有する。
こうして、ピン挿入時に、位置決めピンと、アライメント穴15の内壁及びトラック穴16の内壁との接触面積が減り、チッピングやクラック等の不具合が回避され、ノズル基板1が多少傾いても位置決めピンがスムーズに挿入される。
キャビティ基板2はシリコン基材から作製されており、吐出凹部210、オリフィス凹部230およびリザーバ凹部240が形成されている。そして、オリフィス凹部230(オリフィス23)を介して吐出凹部210(吐出室21)とリザーバ凹部240(リザーバ24)とが連通している。リザーバ24は各吐出室21に共通の共通インク室を構成し、それぞれオリフィス23を介してそれぞれの吐出室21に連通している。リザーバ24の底部には後述する電極基板3を貫通するインク供給孔25が形成され、インクカートリッジ(図示せず)からインクが供給される。また、吐出室21の底壁は振動板22となっている。なお、キャビティ基板2の少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やプラズマCVDにより絶縁性のシリコン酸化膜26が形成され、インクジェットヘッド10を駆動させたときに、絶縁破壊やショートを防止する。
電極基板3はガラス基材から作製されている。電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部が設けられている。そして、各凹部内には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを備えており、端子部31bは、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取出し部41内に露出している。そして、ICドライバ等の駆動制御回路40を介して、各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板2上の共通電極27とが接続されている。振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップGの開放端部は、エポキシ等の樹脂による封止剤42により封止されている。
次に、上記のように構成したインクジェットヘッド10の動作を説明する。
駆動制御回路40を駆動し、個別電極31に電荷を供給してこれを正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、個別電極31と振動板22の間に静電引力が発生する。この静電引力によって、振動板22は個別電極31に引き寄せられて撓む。これによって、吐出室21の容積が増大する。個別電極31への電荷の供給を止めると静電引力が消滅し、振動板22はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室21の容積が急激に減少して、そのときの圧力により吐出室21内のインクの一部がインク滴としてノズル孔11より吐出する。振動板22が次に同様に変位すると、インクがリザーバ24からオリフィス23を通って吐出室21内に補給される。
上記のように構成したインクジェットヘッド10の製造方法について、図6〜図11を用いて説明する。図6〜図8はノズル基板1の製造工程を示す断面図、図9〜図10はキャビティ基板2と電極基板3との接合工程を示す断面図、図11はノズル基板の接合工程を示す断面図である。なお、以下の説明で記載した数値はその一例を示すもので、これに限定するものではない。
まず、ノズル基板1の製造工程を、図6〜図8を用いて説明する。
(a) 図6(a)に示すように、厚さ725μmの単結晶のシリコン基材100(ノズル基板1)の表面に熱酸化膜101を0.5μm形成し、液導入面(接着面)1b側に、第2のノズル孔パターン102と、アライメント穴パターン103と、トラック穴パターン(図示せず)と、チップ外縁パターン104を開口する。
(b) 図6(b)に示すように、液導入面1b側に、厚さ1.0μmのレジスト膜105を形成し、フォトリソで、第1ノズル孔パターン106と、アライメント穴パターン107と、トラック穴パターン(図示せず)と、チップ外縁パターン108を開口する。
(c) 図6(c)に示すように、異方性ドライエッチングで、第1のノズル孔(第1のノズル孔となる凹部)11aと、アライメント穴(アライメント穴となる凹部)15と、トラック穴(トラック穴となる凹部、図示せず)と、チップ外縁(チップ外縁となる部分)17を、深さ40μmまでエッチングする。
(d) 図6(d)に示すように、レジスト膜105を除去した後に、異方性ドライエッチングで、第2のノズル孔(第2のノズル孔となる凹部)11bを深さ40μmまでエッチングする。この際に、第1のノズル孔11aと、アライメント穴15と、トラック穴(図示せず)16と、チップ外縁(チップ外縁となる部分)17も、深さが70〜80μm程度までエッチングされる。
(e) 図7(e)に示すように、酸化膜101を剥離した後に、厚さ0.2μmの第1の保護膜(シリコン酸化膜)12を熱酸化で形成する。なお、この保護膜12は、後述する等方性ドライエッチング工程でのマスクの役割も果たす。
(f) 図7(f)に示すように、テープ109で、アライメント穴15周辺と、トラック穴(図示せず)周辺と、チップ外縁17周辺以外を保護し、アライメント穴15と、トラック穴と、チップ外縁17の酸化膜12をフッ酸で除去する。
(g) 図7(g)に示すように、テープ109を除去し、等方性ドライエッチングで、アライメント穴15と、トラック穴と、チップ外縁17の側壁をテーパ状に加工する。
(h) 図7(h)に示すように、液導入面1bにサポート基板110を貼り合わせ、液吐出側の面から薄板化処理を施し、ノズル孔11と、アライメント穴15と、トラック穴と、チップ外縁17を貫通させる。
(i) 図8(i)に示すように、薄板化された吐出面1aにプラズマCVDでTEOS(TetraEthylOrthosilicate )からなる第2の保護膜(シリコン酸化膜)13を0.1μm形成する。
(j) 図8(j)に示すように、シランカップリング材をディップコートし、吐出面1aに撥水膜14を形成する。この際、ノズル孔11の内壁にも撥水膜14が形成される。
(k) 図8(k)に示すように、吐出面1aにサポートテープ111を貼り付けて、液導入面1bのサポート基板110を剥離し、接着面1b側から酸素もしくはアルゴンのプラズマ処理をし、ノズル孔11の内壁の撥水膜14を破壊して親水化する。
(l) 図8(l)に示すように、サポートテープ111を剥離する。
以上の工程を経ることにより、シリコン基材100よりノズル基板1を製造する。
次に、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程を、図9〜図10を用いて説明する。
(a) 図9(a)に示すように、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基材300(電極基板)を、エッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングし、溝状の凹部310を複数形成する。次に、凹部310の内部に、ITOをスパッタしてフォトリソグラフィーでパターニングすることで電極31を形成する。その後、サンドブラスト加工等によってインク供給孔25を形成する。
(b) シリコン基材200の片面を鏡面研磨した後、図9(b)に示すように、シリコン基材200の鏡面にプラズマCVDによってTEOSからなるシリコン酸化膜201(絶縁膜26、図10(h)参照)を形成する。なお、シリコン酸化膜201を形成する前に、エッチングストップのためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。振動板をボロンドープ層から形成することにより、厚み精度の高い振動板を形成することができる。
(c) 図9(c)に示すように、図9(b)に示すシリコン基材200と、図9(a)に示すガラス基材300とを360℃に加熱し、シリコン基材200に陽極、ガラス基材300に陰極を接続して、800V程度の電圧を印加して陽極接合する。
(d) シリコン基材200とガラス基材300を陽極接合した後、水酸化カリウム水溶液等で図9(c)の工程で得られた接合基板をエッチングし、図9(d)に示すように、シリコン基材200の全体を薄板化する。
(e) シリコン基材200の上面(ガラス基材300が接合されている面と反対側の面)の全面に、プラズマCVDによってTEOS膜201を形成する。
そして、TEOS膜201に、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230となる部分をフォトリソグラフィーによりパターニングする。
その後、図10(e)に示すように、TEOS膜201をマスクにしてシリコン基材200を水酸化カリウム水溶液等でエッチングし、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230を形成する。このとき、電極取出し部41(図10(h)参照)となる部分41aもエッチングして薄板化しておく。なお、図10(e)のウェットエッチング工程では、初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後、3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用する。これにより、振動板22の面荒れを抑制する。
(f) シリコン基材200のエッチングが終了した後、接合基板をフッ酸水溶液でエッチングし、図10(f)に示すように、シリコン基材200に形成されたTEOS膜201を除去する。
(g) シリコン基材200の吐出室21となる凹部210等が形成された面に、図10(g)に示すように、CVDによってTEOS等からなる保護膜202を形成する。
(h) 図11(h)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し部41を開放する。また、シリコン基材200に機械加工又はレーザー加工を行って、インク供給孔25をリザーバ24となる凹部240において貫通させる。これによって、キャビティ基板2と電極基板3とが接合された接合基板(アクチュエータ基板)が完成する。
電極取出し部41に、振動板22と個別電極31との間の空間を封止するための封止剤42を塗布する。
次に、図11により、キャビティ基板2と電極基板3との接合基板にノズル基板1を接合する工程を説明する。
(a) 図11(a)に示すように、キャビティ基板2と電極基板3との接合基板のピン穴15a、16aを、治具50の位置決めピン51に通してセットする。
(b) 図11(b)に示すように、ノズル基板1の液導入面1bに接着剤を塗布し、ノズル基板1のアライメント穴15とトラック穴16とを治具50の位置決めピン51に通し、キャビティ基板2と電極基板3との接合基板に積層する。
(c) 図11(c)に示すように、加圧、加熱して、キャビティ基板2と電極基板3との接合基板と、ノズル基板1とを接着する。
以上の製造工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体が完成する。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3、ノズル基板4が接合された接合基板をダイシングにより分離して、インクジェットヘッド10が完成する(図2参照)。
本発明によれば、ノズル基板1を他部材2、3と位置合わせして組み立てる工程において、アライメント穴15およびトラック穴16をテーパー状の穴部としたので、アライメント穴15およびトラック穴16を位置決めピン51に通す際に、位置決めピン51の側壁と、アライメント穴15の側壁及びトラック穴16の側壁との接触面積を低減することができ、擦れ等によるチッピングやクラック等の不具合を回避して歩留まりを向上することができる。また、ノズル基板1を位置決めピン51に通す際に、ノズル基板1が多少傾いていても位置決めピン51をスムーズに挿入することができ、組み立て性を向上させ、作業効率を高めることができる。
また、アライメント穴15の基板面に平行な断面が例えば正円であり、トラック穴16の基板面に平行な断面が例えば長円であり、該長円はアライメント穴中心とトラック穴中心とを結ぶ直線と垂直な方向の円幅が前記アライメント穴の直径に等しく、平行な方向の円幅が前記アライメント穴の直径よりも大きくなっていれば、前記直線と平行な方向の位置合わせにおけるトラック穴寸法に余裕があるので、トラック穴周囲のチッピングや割れ等を低減することができる。
また、液導入面1bにおける接線と基板面の垂線とのなす角度は、組み立て時のノズル基板1の許容傾き量に一致するので、0度から10度に設定することにより、組立工程における角度管理を容易にする効果がある。なお、10度よりも大きい角度に設定すると、アライメント穴15とトラック穴16の径の精度が低下してくるので、この範囲内が好ましい。
また、アライメント穴15とトラック穴16は、ノズル孔11と同時に異方性ドライエッチングを行い、その後に等方性ドライエッチングでテーパー状に形成するので、異方性ドライエッチングによるシリコン結晶方向に依存しない自由度の高いアライメント穴の設計が可能となる。更に、従来の工程に、等方性ドライエッチングを加えて側壁を指数曲線形状に拡げる工程を加えるだけでよく、これによって製造リードタイムの増加とコストの上昇を最低限に抑えることができる。
また、等方性ドライエッチング工程での拡径量は、異方性ドライエッチングで加工した垂直穴の底面からの距離とエッチング時間に依存するので、この二つを制御することで拡径量を制御し、ひいては液導入面1bでの接線角度を制御することができる。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る液滴吐出装置(インクジェットプリンタ)の斜視図である。実施の形態1で得られたインクジェットヘッド10は、組み立て用のアライメント穴15とトラック穴16とをテーパー状に形成し、ピンアライメント工程での組み立て性を向上させたので、かかるインクジェットヘッド10を用いて、図12に示すような安価で高精度なインクジェットプリンタを得ることができる。
なお、実施形態1に係るインクジェットヘッド10は液滴吐出ヘッドの一例であって、液滴吐出ヘッドはインクジェットヘッド10に限定されるものではなく、液滴を種々変更することによって、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。
1 ノズル基板、1a 液滴吐出面、1b 液導入面、2 キャビティ基板、3 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1のノズル孔、11b 第2のノズル孔、11c ノズル孔の内壁、12 第1の保護膜(シリコン酸化膜)、13 第2の保護膜(シリコン酸化膜)、14 撥水膜、15 アライメント穴、16 トラック穴、51 位置決めピン、100 シリコン基材。

Claims (8)

  1. 他基板との組み立て時に位置決めピンを通して位置合わせするためのアライメント穴及びトラック穴を備え、
    前記アライメント穴及びトラック穴は基板面に平行な断面積が液吐出面側から液導入面側に向けて漸増し、
    前記基板面に垂直な断面形状が指数曲線を有する、
    ことを特徴とするシリコン製ノズル基板。
  2. 前記アライメント穴が基板面に対して垂直な中心軸を有する回転体の連続曲面で構成され、前記中心軸を含む断面形状が、前記中心軸を対称軸として線対称な指数曲線を有することを特徴とする請求項1記載のシリコン製ノズル基板。
  3. 前記アライメント穴側壁及びトラック穴側壁の液導入面における接線と前記基板面の垂線とのなす角度が、0度以上10度以下であることを特徴とする請求項1または2記載のシリコン製ノズル基板。
  4. 前記アライメント穴の基板面に平行な断面が正円であり、前記トラック穴の基板面に平行な断面が長円であり、該長円はアライメント穴中心とトラック穴中心とを結ぶ直線と垂直な方向の円幅が前記アライメント穴の直径に等しく、平行な方向の円幅が前記アライメント穴の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項5記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 基材に異方性ドライエッチングを行ってそれぞれアライメント穴、トラック穴、及びノズル孔となる凹部を形成する工程と、
    前記基材に酸化膜を形成する工程と、
    前記基材のアライメント穴及びトラック穴となる凹部の内壁および開口部周辺の酸化膜を除去する工程と、
    前記基材のアライメント穴及びトラック穴となる凹部に等方性ドライエッチングを行って、前記凹部の側壁を開口部側に指数曲線形状に拡げる工程と、
    前記基材の凹部を形成した側の面と反対側の面を薄板化して前記凹部を貫通させ、アライメント穴、トラック穴及びノズル孔を形成する工程と、
    を有することを特徴とするシリコン製ノズル基板の製造方法。
  8. 前記アライメント穴及びトラック穴の導入部における接線と、基板面の垂線とのなす角度を、異方性ドライエッチングの深さと等方性ドライエッチングの時間とにより制御することを特徴とする請求項7記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
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JP2013001107A (ja) * 2011-06-22 2013-01-07 Seiko Epson Corp 基板の孔あけ方法及び基板

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