JP2010170026A - 光拡散シート - Google Patents
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Abstract
【解決の手段】
本発明に係る光拡散シートは、表層及び裏層が下記(a)成分:(a)成分:スチレン系単量体単位及び/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含む熱可塑性樹脂(A)、からなり、中間層が下記(b)成分:(b)成分:スチレン系単量体単位50〜95質量%、マレイミド系単量体単位5〜20質量%、および共重合可能なビニル系単量体単位0〜45質量%からなるスチレン−マレイミド系樹脂(B)100質量部に対して、光拡散剤を1〜10質量部含有してなるスチレンーマレイミド系樹脂組成物、からなり、表層、中間層、及び裏層からなる多層構成の光拡散シートであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(a)成分:スチレン系単量体単位及び/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含む熱可塑性樹脂(A)、
からなり、中間層が下記(b)成分:
(b)成分:スチレン系単量体単位50〜95質量%、マレイミド系単量体単位5〜20質量%、および共重合可能なビニル系単量体単位0〜45質量%からなるスチレン−マレイミド系樹脂(B)100質量部に対して、光拡散剤を1〜10質量部含有してなるスチレンーマレイミド系樹脂組成物、
からなり、表層、中間層、及び裏層からなる多層構成であることを特徴とする。
(a)成分:スチレン系単量体単位及び/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含む熱可塑性樹脂(A)、
からなり、中間層が下記(b)成分:
(b)成分:スチレン系単量体単位50〜95質量%、マレイミド系単量体単位5〜20質量%、および共重合可能なビニル系単量体単位0〜45質量%からなるスチレン−マレイミド系樹脂(B)100質量部に対して、光拡散剤を1〜10質量部含有してなるスチレンーマレイミド系樹脂組成物、
からなり、表層、中間層、及び裏層からなる多層構成の光拡散シートである。
本実施形態の光拡散シートの表層及び裏層を構成する(a)成分中の熱可塑性樹脂(A)には、スチレン系単量体、または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能なビニル単量体を含有させることができる。これにより、耐光性、耐傷つき性を向上させたり、中間層の(b)成分との親和性等を向上させたりすることができる。
熱可塑性樹脂(A)に用いられるスチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられ、特に好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂(A)に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。特には、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートまたはこれらの混合物が好ましい。
共重合可能なビニル系単量体としては、特に限定されないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系単量体、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸等の(メタ)アクリル酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物系単量体等が挙げられ、これら共重合可能なビニル系単量体は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
[ヒンダードアミン系化合物]
本実施形態の光拡散シートの(a)成分中には、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してヒンダードアミン系化合物0.1〜2質量部を含有させることにより、光学特性を損なうことなく良好な耐光性を有する光拡散シートを得ることができる。
本実施形態の光拡散シートの(a)成分中には、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2質量部を含有させることにより、光学特性を損なうことなく良好な耐光性を有する光拡散シートを得ることができる。
本実施形態の光拡散シートの(a)成分中には、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してベンゾキサゾール系化合物を0.001〜0.1質量部含有させることにより、光拡散シートの耐光性を損なうことなく輝度および全光線透過率を向上させることができる。
本実施形態の光拡散シートに、防塵のため帯電防止性能を付与したい場合は、(a)成分中に、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対してアミン系界面活性剤を0.1〜3質量部を含有させることが好ましい。アミン系界面活性剤が0.1質量部未満では帯電防止効果を得られない場合があり、3質量部を超えると輝度が低下したり、耐光性が悪くなったりすることがある。
本実施形態の光拡散シートにおいて、(a)成分中に、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して平均粒子径5〜15μmの架橋樹脂粒子を1〜10質量部含有させることが光拡散シートの光拡散性を向上させる上で好ましい。
本実施形態の光拡散シートの中間層を構成する(b)成分中のスチレン−マレイミド系樹脂(B)は、スチレン系単量体単位50〜95質量%、マレイミド系単量体単位5〜20質量%、および任意成分である共重合可能なビニル系単量体単位0〜45質量%からなる。
スチレン−マレイミド系樹脂(B)に用いられるスチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
スチレン−マレイミド系樹脂(B)に用いられるマレイミド系単量体としては、特に限定されないが、例えば、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、及びN−フェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド等が挙げられ、これらの中で特にN−フェニルマレイミドが好ましい。これらマレイミド系単量体は単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
スチレン−マレイミド系樹脂(B)に任意に用いられる共重合可能なビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸等の(メタ)アクリル酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物系単量体等が挙げられる。好ましくはアクリロニトリル系単量体であり、その中でも、アクリロニトリルが特に好ましい。これら共重合可能なビニル系単量体は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
スチレン−マレイミド系共重合体(BI)は、好ましくはスチレン系単量体単位40〜70質量%、マレイミド系単量体単位30〜60質量%および任意成分である共重合可能なビニル系単量体単位0〜10質量%、更に好ましくはスチレン系単量体単位45〜65質量%、マレイミド系単量体単位35〜55質量%および任意成分である共重合可能なビニル系単量体単位0〜5質量%からなる共重合体であり、本発明の目的とする高い全光線透過率および輝度を得ることが出来る。
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(BII)は、好ましくはスチレン系単量体単位68〜82質量%及びアクリロニトリル系単量体単位18〜32質量%、更に好ましくはスチレン系単量体単位72〜82質量%及びアクリロニトリル系単量体単位18〜28質量%からなる共重合体であり、本発明の目的とする高い全光線透過率および輝度を得ることが出来る。
本実施形態の光拡散シートの(b)成分中には、光拡散剤が含有されている。ここで、本実施形態における光拡散剤とは、透明樹脂と屈折率が異なる粒子であって、透過する光を拡散しうるものであり、特に限定されないが、例えばガラスビーズ、シリカ粒子、水酸化アルミニウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化チタン粒子、タルクなどの無機粒子であっても良いし、スチレン系架橋樹脂粒子、アクリル系架橋樹脂粒子、シロキサン系架橋樹脂粒子などの架橋樹脂粒子であっても良い。
本実施形態の熱可塑性樹脂(A)およびスチレン−マレイミド系樹脂(B)を構成する重合体の製造方法としては、特に制限はなく、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等の公知の手法が採用できる。また、スチレン−マレイミド系共重合体については、スチレン系単量体、マレイミド系単量体および共重合可能なビニル単量体を共重合させる方法のほかに、スチレン系単量体、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物単量体および共重合可能なビニル単量体を共重合させた後、アンモニア及び/又は第一級アミンを反応させて酸無水物基をイミド基に変換させる方法も好適に採用できる。熱可塑性樹脂(A)及び/又はスチレン−マレイミド系樹脂(B)が2種類以上の重合体からなる樹脂組成物である場合の製造方法としては、公知の溶融混合方法が採用でき、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、またはバンバリーミキサー、ニーダー・ルーダー、加圧ニーダーなどの混練機など公知の加工装置により溶融混合して樹脂組成物とすることが出来る。
本実施形態の光拡散シートは、(a)成分からなる表層及び裏層と、(b)成分からなる中間層の構成をもつ多層シートである。各層の厚みには特に制限はないが、表層および裏層は0.05〜0.5mmであることが好ましい。表層及び裏層の厚みが0.05mm未満では、耐光性、輝度向上、帯電防止、或いはマスキングフィルムの剥離性等の表層または裏層に期待される性能が得られない場合があり、0.5mmを超えると用いる樹脂によっては得られる光拡散シートが吸湿や熱により変形する場合や、輝度や全光線透過率が低下する場合がある。中間層bは0.9〜7mmであることが好ましい。0.9mm未満では、光拡散性が不十分となる場合があり、7mmを超えると輝度や全光線透過率が低下する場合がある。
以下に、上記実施形態に係る光拡散シートの作用効果を説明する。
[A−1]
容積約5L(リットル)の第1完全混合槽と約15Lの第2完全混合槽を直列に接続し、さらに予熱器を付した第1脱揮槽と第2脱揮槽を2基直列に接続して構成した。スチレン60質量%、メチルメタクリレート40質量%で構成する単量体溶液100質量部に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.01質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6.0kgで135℃に制御した第1完全混合槽に供給した。第1完全混合槽出口での転化率は28質量%であった。次に第1完全混合槽より連続的に抜き出し、135℃に制御した第2完全混合槽に供給した。第2完全混合槽出口での転化率は63%であった。次に第2完全混合槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、67kPa、160℃に制御した第1脱揮槽に導入した。さらに第1脱揮槽より連続的に抜き出し、予熱器で加温し、1.3kPa、230℃に制御した第2脱揮槽に導入し単量体を除去した。これをストランド状に押出し切断することによりペレット形状の熱可塑性樹脂(A−1)を得た。
攪拌機を備えた容積約25Lのオートクレーブ中に、N−フェニルマレイミド17質量部、アクリロニトリル5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、スチレン78質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮して熱可塑性樹脂(A―2)を得た。
撹拌機を付した容積約20Lの完全混合型反応器、容積約40Lの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン82質量部、アクリロニトリル18質量部、エチルベンゼン10質量部で構成される単量体混合液を調整し、さらにt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の熱可塑性樹脂(A−3)を得た。
熱可塑性樹脂(A−4)として、ポリメチルメタクリレートを主成分とする三菱レイヨン社製VH−001を使用した。屈折率は1.494であった。
[B−1]
攪拌機を備えた容積約25Lのオートクレーブ中にスチレン53質量部、N−フェニルマレイミド17質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、スチレン30質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系樹脂(B−1)を得た。
攪拌機を備えた容積約25Lのオートクレーブ中にN−フェニルマレイミド17質量部、アクリロニトリル5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、スチレン78質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系樹脂(B−2)を得た。
攪拌機を備えた容積約25Lのオートクレーブ中にN−フェニルマレイミド7質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、スチレン53質量部、メチルメタクリレート40質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系樹脂(B−3)を得た。
スチレン97質量%、N−フェニルマレイミド3質量%とした以外は、(B−1)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系樹脂(B−4)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位97質量%、N−フェニルマレイミド単位3質量%であった。
スチレン70質量%、N−フェニルマレイミド30質量%とした以外は、(B−1)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系樹脂(B−5)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位70質量%、N−フェニルマレイミド単位30質量%であった。
スチレン43質量%、N−フェニルマレイミド17質量%、メチルメタクリレート40とした以外は、(B−3)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系樹脂(B−6)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位70質量%、N−フェニルマレイミド単位30質量%であった。
[BI−1]
攪拌機を備えた容積約25Lのオートクレーブ中にアクリロニトリル10質量部、N−フェニルマレイミド30質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、スチレン60質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系共重合体(BI−1)を得た。
攪拌機を備えた容積約25リットルのオートクレーブ中にスチレン55質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.06質量部、メチルエチルケトン50質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、無水マレイン酸45質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。添加後、100℃にて3時間保った。粘稠な反応液にアニリン36質量部、トリエチルアミン0.6質量部を加え140℃で7時間反応させた。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系共重合体(BI−2)を得た。
スチレン60質量%、無水マレイン酸40質量%、アニリン36質量部とした以外は、(BI−2)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系共重合体(BI−3)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位52質量%、無水マレイン酸単位1質量%であった。
スチレン65質量%、無水マレイン酸35質量%、アニリン31質量部とした以外は、(BI−2)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系共重合体(BI−4)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位52質量%、N−フェニルマレイミド単位46質量%、無水マレイン酸単位1質量%であった。
スチレン70質量%、無水マレイン酸30質量%、アニリン27質量部とした以外は、(BI−2)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系共重合体(BI−5)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位58質量%、N−フェニルマレイミド単位41質量%、無水マレイン酸単位1質量%であった。
スチレン75質量%、無水マレイン酸25質量%、アニリン22質量部とした以外は、(BI−2)と同様な方法で、スチレン−マレイミド系共重合体(BI−6)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位64質量%、N−フェニルマレイミド単位35質量%、無水マレイン酸単位1質量%であった。
[BII−1]
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン82質量部、アクリロニトリル18質量部、エチルベンゼン10質量部で構成される単量体混合液を調整し、さらにt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン−アクリロニトリル系重合体(BII−1)を得た。
スチレン76質量部、アクリロニトリル24質量部とした以外は、(BII−1)と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体(BII−2)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位76質量%、アクリロニトリル単位24質量%であった。
スチレン72質量部、アクリロニトリル28質量部とした以外は、(BII−1)と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体(BII−3)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であった。
スチレン68質量部、アクリロニトリル32質量部とした以外は、(BII−1)と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体(BII−4)を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位68質量%、アクリロニトリル単位32質量%であった。
[C−1]
攪拌機付きオートクレーブにメタクリル酸メチル100質量部、架橋剤としてジビニルベンゼン5質量部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2質量部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001質量部及び第三リン酸カルシウム0.5質量部、純水200質量部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、架橋ビーズ(C−1)を得た。(C−1)の平均粒子径は8μm、屈折率は、1.494であった。
第三リン酸カルシウム1.5部を用いた以外は(C−1)と同様な製法により平均粒子径1μm、屈折率1.494の架橋ビーズ(C−2)を得た。
また、第三リン酸カルシウム1.0部を用いた以外は(C−1)と同様な製法により平均粒子径3μm、屈折率1.494の架橋ビーズ(C−3)を得た。
[C−4]
更に、第三リン酸カルシウム0.2部を用いた以外は(C−1)と同様な製法により平均粒子径13μm、屈折率1.494の架橋ビーズ(C−4)を得た。
不溶融化合物として、ポリオルガノシロキサン架橋ビーズ(平均粒子径6μm、屈折率1.420、東芝シリコーン社製トスパール2000B)を使用した。
攪拌機付きオートクレーブにスチレン50質量部、メチルメタクリレート50質量部、架橋剤としてジビニルベンゼン5質量部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2質量部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001質量部及び第三リン酸カルシウム0.5質量部、純水200質量部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、架橋ビーズ(E)を得た。(E)の平均粒子径は8μm、屈折率は1.545であった。
[F−1]
スチレン60質量部、メチルメタクリレート40質量部とした以外はスチレン−メチルメタクリレート架橋ビーズ(E)と同様にして架橋ビーズ(F−1)を得た。(F−1)の平均粒子径は8μm、屈折率は1.555であった。
スチレン95質量部、メチルメタクリレート5質量部とした以外はスチレン−メチルメタクリレート架橋ビーズ(E)と同様にして架橋ビーズ(F−2)を得た。(F−2)の平均粒子径は8μm、屈折率は1.590であった。
スチレン90質量部、メチルメタクリレート10質量部とした以外はスチレン−メチルメタクリレート架橋ビーズ(E)と同様にして架橋ビーズ(F−3)を得た。(F−3)の平均粒子径は8μm、屈折率は1.585であった。
スチレン0質量部、メチルメタクリレート100質量部とした以外はスチレン−メチルメタクリレート架橋ビーズ(E)と同様にして架橋ビーズ(F−4)を得た。(F−4)の平均粒子径は8μm、屈折率は1.494であった。
表2のスチレン−マレイミド系樹脂(B−1)〜(B−6)、表3のスチレン−マレイミド系共重合体(BI−1)〜(BI―6)、表4のスチレン―アクリロニトリル系共重合体(BII−1)〜(BII−4)、架橋ビーズ(C)、(D)、(E)を、表5及び表6に示す配合比にて混合した。この混合物を40mm径の単軸押出し機にて、押出温度は250℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、表6に示したスチレンーマレイミド系樹脂組成物(b−1)〜(b−22)のペレットを得た。屈折率測定のための、スチレン−マレイミド系共重合体(BI−1)〜(BI―6)、スチレン―アクリロニトリル系共重合体(BII−1)〜(BII−4)のみで混合したスチレン−マレイミド系樹脂(B-7)〜(B−12)については、スチレン系樹脂組成物(b−7)〜(b−12)と同様に押出すことによってペレットを得た。これらの屈折率を表5に示す。
樹脂組成物(a−1)〜(a―9)及びスチレンーマレイミド系樹脂組成物(b−1)〜(b−22)を用いて、フィードブロックを有するTダイ方式の多層押出機にて表7〜10に示す3層構成の光拡散シートを作製した。
光拡散シートの各評価方法は以下の通りである。
(全光線透過率・曇り度)
ASTM D−1003に準じて、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−2000)を用いて測定した。
(拡散率)
日本電色工業社製変角光度計(GC5000L)を用いて、受光角0°の光線透過率I0、受光角70°の光線透過率I70を測定し、次式により算出した。
拡散率(%)=(I70/I0)×100
(輝度)
反射シートの上に直径5mm、長さ200mmの冷陰極管9本を20mm間隔で並べ、冷陰極管上5mmのところに180mm×180mmの大きさに切削した光拡散シートを設置した。暗室にて冷陰極管を点灯し、光拡散シートより1000mmの位置で、トプコン社製輝度計(BM−7)を用いて30mm間隔で計36点測定し、その平均値を求めた。
(耐光性)
東洋精機製作所社製アトラスUV2000を用いて、UVB−313(波長ピーク313nm)の波長の光を400時間照射後の色差△Eを測定した。
(寸法安定性(吸水反り))
180mm×180mmの大きさに切削した光拡散シートを50℃、湿度80%の雰囲気下に7日間放置、放置前後の四隅の変形量をノギスで測定、その平均値を吸水反りの値とし、この値を寸法安定性の尺度とした。
(色差)
日本電色社製色差計(Σ―80)を用いて、L,a,bを測定し、色差△Eは次式により求めた。
△E=((L−L’)2+(a−a’)2+(b−b’)2)1/2
但し、L,a,bは、耐光性評価前の色相、L’,a’,b’は、耐光性評価後(400時間照射後)の色相である。
(加熱変形)
300mm×300mmの大きさに切削した光拡散シートを80℃の雰囲気下に7日間放置し、放置後の四隅の変形量をノギスで測定、その平均値を加熱変形の値とし、この値を熱安定性の尺度とした。
(帯電防止性)
成形体をJIS K−6911に準拠して温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿したものの表面固有抵抗値を、KAWAGUCHI社製表面固有抵抗測定機(R503)を用いて測定し、この値を帯電防止性の尺度とした。
(光拡散剤、架橋樹脂粒子の屈折率)
数種類のカーギル標準屈折液(スタンダードシリーズ、(株)モリテックス製;屈折率範囲nD 25=1.400〜1.640)を用意し、スライドグラスに光拡散剤、架橋樹脂粒子を載置し、予想される屈折率の標準屈折液を添加し、カバーガラスではさんだ後、25℃で透過光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−200、(株)キーエンス製;光源ランプは、12V、100Wのハロゲンランプ(色温度3100K(最大光量時)))を用いて観察し、光拡散剤、架橋樹脂粒子と標準屈折液との界面が最も見えにくいときに用いた標準屈折液の屈折率を光拡散剤、架橋樹脂粒子の屈折率とした。ただし、光拡散剤、架橋樹脂粒子と標準屈折率との界面が最も見えにくい時に用いた標準屈折液が屈折率の連続した2種類存在する場合は、それらの屈折率の中間値を光拡散剤、架橋樹脂粒子の屈折率とした。
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃で成形した厚さ2mmのプレートについて、デジタル屈折率計(ATAGO社製RX−2000)を用いて、接触液としてヨウ化カリウム飽和水溶液を使用して、温度25℃で測定した。
各樹脂を重クロロホルムに溶解して2%溶液に調製して測定試料として、FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いて13C−NMRを測定し、各単量体単位のピーク面積より算出した。
実施例1〜25の光拡散シートは、全光線透過率が65.0%以上、曇り度が99.0%以上、拡散率が17.0%以上、かつ輝度が3200cd/m2以上であり、光学特性が良好である。さらに、色差ΔE値が0.6以下と、優れた耐光性を有している。
また、吸水反りが0.6mm以下と、優れた寸法安定性を有し、加熱変形が0.9mm以下と、優れた熱安定性を有している。
Claims (10)
- 表層及び裏層が下記(a)成分:
(a)成分:スチレン系単量体単位及び/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含む熱可塑性樹脂(A)、
からなり、中間層が下記(b)成分:
(b)成分:スチレン系単量体単位50〜95質量%、マレイミド系単量体単位5〜20質量%、および共重合可能なビニル系単量体単位0〜45質量%からなるスチレン−マレイミド系樹脂(B)100質量部に対して、光拡散剤を1〜10質量部含有してなるスチレンーマレイミド系樹脂組成物、
からなり、表層、中間層、及び裏層からなる多層構成の光拡散シート。 - (b)成分のスチレン−マレイミド系樹脂(B)が、
スチレン系単量体単位40〜70質量%、マレイミド系単量体単位30〜60質量%および共重合可能なビニル系単量体単位0〜10質量%からなるスチレン−マレイミド系共重合体(BI)15〜50質量%、及び
スチレン系単量体単位68〜82質量%およびアクリロニトリル系単量体単位18〜32質量%からなるスチレン−アクリロニトリル系共重合体(BII)50〜85質量%を混合してなる樹脂組成物である請求項1記載の光拡散シート。 - (b)成分に含有されるスチレン−マレイミド系樹脂(B)と光拡散剤との屈折率差が0.05〜0.2である請求項1または請求項2に記載の光拡散シート。
- (b)成分に含有される光拡散剤の平均粒子径が2〜10μmである請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散シート。
- (a)成分の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、ヒンダードアミン系化合物を0.1〜2質量部、ベンゾトリアゾール系化合物を0.1〜2質量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散シート。
- (a)成分の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、ベンゾキサゾール系化合物を0.001〜0.1質量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散シート。
- (a)成分の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アミン系界面活性剤を0.1〜3質量部含有する請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散シート。
- (a)成分の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が5〜15μmの架橋樹脂粒子を1〜10質量部含有する請求項1〜7のいずれかに記載の光拡散シート。
- 架橋樹脂粒子と熱可塑性樹脂(A)との屈折率差が0.005以内である請求項8記載の光拡散シート。
- 架橋樹脂粒子が、単量体単位としてスチレン及び/またはメタクリル酸メチルを含む架橋共重合体である請求項8または請求項9に記載の光拡散シート。
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2009
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