JP2010168858A - パネル外周部納め用部材、及びこれを用いた建築用パネルの外周部納め構造 - Google Patents
パネル外周部納め用部材、及びこれを用いた建築用パネルの外周部納め構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】下地材2に取付けられる建築用パネル50の外周部に沿って配設されるパネル外周部納め用部材1であって、前記建築用パネルの外周部における一コーナー部52に向けて外周端部51,51に沿ってそれぞれ配設される見切り縁材20,20と、これら見切り縁材の前記コーナー部側に配される各端部を連結させるようにして配設されるとともに、これら各端部、及び該コーナー部を覆い隠すためのコーナーカバー40とを備えており、前記見切り縁材は、前記建築用パネルの外周端部の端面53に対して略平行に配設される端面カバー部24を備え、該端面カバー部の下地材側縁部の表面側には、長手方向に沿ってシーリング材充填用の切欠段部25が形成されている。
【選択図】図1
Description
このような見切り縁材は、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボード、あるいは胴縁や受け桟、天井野縁等の下地桟等の下地材に、並列配置されて取付けられる複数枚の内装パネルや外装パネル、天井パネル等の建築用パネルの外周端部に沿って該下地材に取付け固定される。
上記止縁は、壁下地に固定される敷目板(受け部材)と、該敷目板に設けられた係合溝に嵌め入れる係止片を有した化粧カバーとを備え、該敷目板の係合部の上部の表面側には弾性体が装着された構造とされている。
このような構造とされた止縁では、上記敷目板と化粧カバーとによって乾式壁材の端部の端面と該端面近傍表面とをカバーするとともに、前記弾性体が当該止縁と軒天との空隙に充填されるように配設され、これにより、防水性が向上される、と説明されている。
また、上記のように、壁材の軒天側の一端部のみに沿って止縁(見切り縁材)を配設する態様ではなく、壁材などの建築用パネルの外周部における一コーナー部に向けて、該パネルの外周端部のそれぞれに沿って、上記見切り縁材を配設するような態様では、これら見切り縁材のコーナー部側に配された各端部が露出してしまい、該コーナー部における見栄えも悪くなるという問題があった。
また、前記見切り縁材の端面カバー部の下地材側縁部の表面側には、長手方向に沿ってシーリング材充填用の切欠段部が形成されているので、該見切り縁材を上記建築用パネルの外周端部に沿って配設した際には、該切欠段部と、下地材とによって凹溝部が形成される。従って、該凹溝部にシーリング材を充填することができるので、施工された建築用パネルに対面した際に、上記切欠段部に充填されたシーリング材が目立ち難く、該建築用パネルの外周部を、外観良く納めることができる。
すなわち、見切り受け部材と見切りカバー部材とは、係合凹部に係合凸部を嵌め入れることで取付けることができるので、容易に施工することができる。
さらに、見切り縁材を、見切りカバー部材と、見切り受け部材とを備えた構成としているので、例えば、下地材に固定される見切り受け部材を取り扱い性及び施工性等の観点から合成樹脂製のものとし、見切りカバー部材を見栄え及び剛性等の観点から金属製のものとすることもできる。
上記固定具を、前記表面カバー部の各端部の表面にそれぞれ当接される一対の押さえ片を有した簡易な構造とできるとともに、見切りカバー部材側にも固定具を係合させるための係合部等を形成する必要がなく、該見切りカバー部材を簡易な構造とできる。
また、該固定具の一対の押さえ片は、上記コーナーカバーの内側に形成された収容凹部に収容させることができるので、該固定具が露出するようなことがなく、美観性を向上させることができる。
尚、以下の実施形態では、パネル外周部納め用部材等を壁面に対して取付けた例を示しており、それに応じて縦、横の方向を示しているが、天井面に対してパネル外周部納め用部材等を取付けた場合には、その方向は限定されない。
このパネル外周部納め用部材1は、大略的に、図3に示すように、見切り受け部材10及び見切りカバー部材20からなる見切り縁材と、該見切り縁材の見切りカバー部材20を壁面材2に対して固定保持するための固定具としての固定金具30と、上記建築用パネル50の集合体の外周部における各コーナー部52(図2(b)参照)に配設されたコーナーカバー40とを備えている。
また、内壁や天井に限らず、外壁(不図示)に本実施形態に係るパネル外周部納め用部材1を施工するようにしてもよい。
また、上記建築用パネル(集合体も含む)の外周部の全周に沿って配設する態様に限られず、例えば、該外周部の少なくとも一コーナー部を含み、該コーナー部に隣接する建築用パネルの外周端部のそれぞれに沿って配設するような態様としてもよい。
上記見切り受け部材10は、上記壁面材2に取付け固定される平板状に形成された第1固定片部11及び第2固定片部12と、これら固定片部11,12から立ち上がるように、壁面材2に対して垂直となる方向(建築用パネル50の厚さ方向)に沿って立設された立ち上がり壁部13と、該立ち上がり壁部13の立ち上がり方向先端部(手前側端部)から基端部側(壁面材2側)に向けて凹設された係合凹溝14と、該立ち上がり壁部13の上記先端部から幅方向かつ建築用パネル50が配される側に向けて突設され、建築用パネル50の外周端部51の表面54に当接される折り曲げ片部15aを有した当接片部15とを備えている。
これら第1固定片部11及び第2固定片部12のうちの少なくともいずれか一方に、木ねじts等の固定止具が捻じ込まれ(或いは打ち込まれ)、見切り受け部材10が壁面材2に対して取付け固定される。
上記当接片部15は、上記立ち上がり壁部13の先端部から内方側(建築用パネルが配される側)に向けて突出するように形成されている。また、該当接片部15は、その内方側端部に、建築用パネル50の表面54側に向けて折り曲げ形成されるとともに、該表面54に当接される折り曲げ片部15aを有している。換言すれば、当接片部15の基端側(立ち上がり壁部13側)の裏面には、上記表面54が当接せず、該当接片部15の基端側裏面と、該表面54との間に空隙が形成される構造とされている。
また、上記当接片部15は、図1(a)に示すように、その内方側端面が、後記する見切りカバー部材20の当接片カバー部22の内方側端面よりも僅かに外方側となる位置に配されるように上記立ち上がり壁部13からの出幅が設定されている。この当接片部15の上記出幅は、後記するように建築用パネル50を壁面材2に対して取付け施工する際に、建築用パネル50を仮保持し得る程度の出幅としてもよい。
尚、該立ち上がり壁部13の高さを、建築用パネル50の厚さよりも僅かに小さくするようにしてもよい。この場合は、上記当接片部15の折り曲げ片部15aが上記表面54に対して弾性的に接し、該折り曲げ片部15aの弾性復元力によって該建築用パネル50の外周端部51をより強固に仮保持できる。
また、上記見切り受け部材10を、異材質成形(二色成形)等によって、その折り曲げ片部15a(或いは、当接片部15全体)を、例えば、比較的、軟質の合成樹脂材料からなるものとし、該見切り受け部材10の他の部位を、比較的、硬質の合成樹脂材料からなるものとしてもよい。
尚、見切り受け部材10としては、上記のような合成樹脂製に限られず、アルミニウムやステンレス等の金属材料から押出成形やプレス成形あるいは切削加工等によって一体的に成形した金属製のものとしてもよい。
また、上記見切り受け部材10の第1固定片部11及び第2固定片部12の厚さは、1.0mm程度〜3.0mm程度の薄板状とすることが好ましい。これにより、建築用パネル50を、例えば、より強固に取付け施工するために、壁面材2に対して接着剤で接着するような場合においても、接着剤の塗布量を低減できるとともに接着剤の塗布工程も簡易なものとなる。
上記表面カバー部21の内方側の側端部部位が上記見切り受け部材10の当接片部15の表面を覆い、該当接片部15の表面に当接して配置される当接片カバー部22を構成する。
この当接片カバー部22の内方側端面は、上記したように、上記見切り受け部材10の当接片部15の内方側端面よりも僅かに内方側となる位置に配されるよう形成されている。この当接片カバー部22の当接片部15よりも内方側に突き出た部位に、後記するコーナーカバー40の内方側係止突起44が係止される。
該係合突条23の中程の部位には、幅方向両側に向けて突出された係止凸部が長手方向の全長に亘って形成されている。この係合突条23の係止凸部が、上記係合凹溝14に該係合突条23を嵌め入れた際に、該係合凹溝14の係止凸部に係止して、当該見切りカバー部材20が、上記見切り受け部材10に係合保持される。
本実施形態では、これら係合突条23と、係合凹溝14とは、上記壁面材2に対して略垂直となる方向に沿って係合される構造とされるとともに、上記見切りカバー部材20が上記見切り受け部材10に対して着脱自在となるよう形成されている。
この端面カバー部24の壁面材2側の縁部が、壁面材2に当接された状態では、図1(a)に示すように、上記切欠段部25と、壁面材2とによって外方側に向けて開口した凹溝部が、当該見切りカバー部材20の長手方向の全長に亘って形成され、該凹溝部にシーリング材smが充填される。
当該見切りカバー部材20と、上記見切り受け部材10との係合がなされた状態では、上記端面カバー部24は、該見切り受け部材10の外方側側部の略全体を覆い隠すように形成されており、また、上記表面カバー部21は、上記見切り受け部材10の第2固定片部12及び立ち上がり壁部13の手前側の略全体を覆い隠すように形成されている。
また、上記見切りカバー部材20は、本実施形態では、アルミニウムやステンレス等の金属材料から押出成形やプレス成形あるいは切削加工等によって一体的に成形され、上記見切り受け部材10と同様、長尺に形成されている。
また、本実施形態では、該見切りカバー部材20を金属製のものとし、上記見切り受け部材10を合成樹脂製のものとしているので、これらを係合させる際、すなわち、上記係合突条23を係合凹溝14に嵌め入れる際に、スムーズに嵌め入れることができ、施工時にスムーズに組み付けることができる。
さらに、合成樹脂製の見切り受け部材10の当接片部15を、金属製の見切りカバー部材20の当接片カバー部22によって効果的に補強することができ、建築用パネル50の外周端部51を強固に保持できる。
さらにまた、上記見切りカバー部材20は、上記見切り受け部材10に対して着脱自在に係合保持される構造とされているので、例えば、見切りカバー部材20を模様替え等のために交換したり、或いは、廃棄等したりする際に、容易に脱離させることができる。
尚、見切りカバー部材20としては、上記のような金属製に限られず、上記したような合成樹脂製としてもよい。
該固定金具30は、図7(a)に示すように、平面視して上記固定基部31から上記一対の押さえ片34,34が略L字状に延びるような形状とされ、これら一対の押さえ片34,34が、上記見切りカバー部材20の表面カバー部21のコーナー部側の各端部21a,21aにそれぞれ当接される。
上記のような一対の押さえ片34,34を有した固定金具30とすることで、コーナー部52において近接して配置された各見切りカバー部材20,20の各端部を、一つの固定金具30によって、壁面材2に対して固定することができる。
尚、固定金具30は、剛性の観点から金属製とすることが好ましいが、例えば、硬質の合成樹脂製のものとしてもよい。
上記天板部41は、図2(a)に示すように、建築用パネル50のコーナー部52に向けてそれぞれ配設された見切りカバー部材20,20の表面カバー部21,21の各端部21a,21aを連結させるようにして、これら各端部21a,21a及び上記コーナー部52を覆い隠す構造とされている。
この天板部41の裏面には、図4(a),(b)に示すように、上記固定金具30の一対の押さえ片34,34を収容する収容凹部42,42が形成されている。
尚、収容凹部42の形状は、図例のような押さえ片34の形状に合わせた形状に限られず、例えば、上記天板部41の裏面側の略全体を刳り抜くようにして収容凹部を形成し、該刳り抜いた部位に、上記押さえ片34を収容するような態様としてもよい。
これら側板部45,45の各内側面にて形成される入隅部には、図3及び図4(a),(b)に示すように、壁面材2との間に空所を形成するように、該壁面材2に対面して配される対面部47aを有した棚状部(突起部)47が設けられている。
この棚状部47は、壁面材2との間に接着剤溜まり部(接着剤納まり部)となる空所を形成するような対面部47aを有したものであれば、どのような形状のものでもよく、例えば、突起状に形成されたものや、図例のような入隅部に設けられたものに代えて、側板部45,45のそれぞれに設けるような態様としてもよい。
すなわち、上記見切りカバー部材20に設けられた切欠段部25は、シーリング材充填用の凹溝部としての機能と、当該コーナーカバー40の上記外方側係止突起46,46が係止される被係止部としての機能とを有している。
上記構成とされたコーナーカバー40は、例えば、上記同様の合成樹脂材料から射出成形や切削加工等によって一体的に成形したり、上記同様のアルミニウムやステンレス等の金属材料から切削加工等によって一体的に成形したりしてもよい。或いは、ダイキャスト製としてもよい。
本例では、図2(a)に示すように、複数枚(図例では12枚)の建築用パネル50を縦横にそれぞれ並列配置して、壁面材2に対して部分的に取付け施工した例を示している。また、これら建築用パネル50のそれぞれ隣接する端部間には、後記する横目地部材4と、縦目地部材7とが配設されており、これら横目地部材4と縦目地部材7とによって格子状に目地を形成するようにしている。
また、縦横にそれぞれ並列配置された複数枚からなる建築用パネル50の集合体の外周部に沿って、上記パネル外周部納め用部材1が配設されており、該集合体の外周端部51には、上記見切り縁材10,20がそれぞれ配設され、四隅の各コーナー部52には、上記固定金具30及びコーナーカバー40がそれぞれ配設されている(図2(b)も参照)。
上記木質系材料としては、無垢の木材を板状に加工したものや、集成材や合板、LVL(単板積層材)、パーティクルボード、或いは、インシュレーションボードやMDF(Medium Density Fiberboard、中質繊維板、中密度繊維板とも言う)等の木質繊維板、或いはこれらを積層し組み合わせた複合材料などを板状に加工したもの、若しくは、これらを基材として、突き板や合成樹脂シート等の表面化粧シート材を更に貼着したものや、該基材の表面に化粧塗装を施したものが挙げられる。
上記窯業系材料としては、レンガ、瓦、セラミックスや、セメントを主成分として補強繊維や無機質充填材を含有したセメント系の窯業系材料等が挙げられる。
上記合成樹脂系材料、窯業系材料及び金属系材料は、それぞれ、上記木質系材料と同様、これらを基材として、更に突き板や樹脂シート等の化粧シート材を更に貼着したものや、該基材の表面に化粧塗装を施したものとしてもよい。
あるいは照明装置を内蔵した照明パネルや、棚板を手前側に向けてパネルに突設した棚板パネル、前面開口箱形状の収納箱をパネルに付設した収納パネルとしてもよい。これら照明装置や棚板、収納箱は、パネルに対して着脱可能に設けるようにしてもよい。あるいは、棚板や収納箱をパネルと一体成形するようにしてもよい。
また、上記した種々の建築用パネル50自体を下地材(壁面材2や天井材3等)に対して着脱可能とする構成としてもよい。すなわち、接着剤等で接着せずに、下地材側、及び建築用パネル50の裏面側にそれぞれ係合部を設けて、容易に着脱できるようにしてもよい。後記するように、これら複数枚の建築用パネル50の各端部は、上記見切り縁材10,20、後記する横目地部材4及び縦目地部材7によって、保持されているので、接着剤等で接着しない場合にも、下地材から不用意に脱離するようなことがなく、また、これら見切り縁材10,20、後記する横目地部材4及び縦目地部材7から脱離させることで、建築用パネル50を容易に交換することができる。
また、建築用パネル50の大きさは、施工箇所等に応じて適宜、設定可能であり、一辺が100mm〜500mm程度の比較的小モジュールのもの、一辺が500mm〜900mm程度の中モジュールのもの、あるいは、一辺が900mm〜1800mm程度の比較的大モジュールのものとしてもよい。
また、該横目地部材4は、図5(a)に示すように、上記見切り縁材と同様、壁面材2に固定される固定片部5cや隣接する建築用パネル50,50の各端面に対面して配される立ち上がり壁部5a等を有した目地受け部材5と、該立ち上がり壁部5aに形成された係合凹溝5bに嵌め込まれる係合突条6bを有したカバー目地部材6とを備えている。
該カバー目地部材6の基部6aの手前側端部には、幅方向両側に向けて突出された鍔部6c,6cが設けられており、該鍔部6c,6cが建築用パネル50の端面近傍表面に当接して、該端部の保持がなされている。
また、該横目地部材4は、横方向に並列配置された複数枚の建築用パネル50の集合体の横方向の略全長に亘って配設されており、その長手方向の両端部には、建築用パネル50の集合体の外周端部(左右端部)51,51にそれぞれ配設された上記見切り縁材の見切りカバー部材20,20の当接片カバー部22,22が配設され、該当接片カバー部22,22が抜け止めとして機能する。
上記カバー目地部材9は、上記横目地部材4と同様、当該カバー目地部材9の係合突条9bを、上記目地受け部材8の係合凹溝8bに嵌め入れて、該目地受け部材8に着脱自在に係合保持される。
この縦目地部材7は、その長さが各建築用パネル50の縦方向の一辺に合わせて形成されている。すなわち、上記横目地部材4とは異なり、縦方向に分断されて配設されている。
上記カバー目地部材9の基部9aの手前側端部には、幅方向両側に向けて突出された鍔部9c,9cが設けられており、該鍔部9c,9cが、上記横目地部材4と同様、建築用パネル50の端面近傍表面に当接して、該端部の保持がなされている。
本実施形態では、上記横目地部材4の目地突出部の突出度が、図5(a)に示すように、上記縦目地部材7の目地突出部よりも大きくなるよう形成されており、該縦目地部材7のカバー目地部材9の長手方向端部における目地突出部の端面が、上記横目地部材4の両鍔部6c,6cの幅方向端面に当接して配置され、該カバー目地部材9の長手方向端部の端面が露出しない構造とされている。
図1及び図2に示すように、上記見切り受け部材10は、該集合体の外周端部51の四辺に沿って、各コーナー部52に向けて配設されるとともに、壁面材2に対して固定されている。これら見切り受け部材10は、各建築用パネル50のそれぞれ縦方向の一辺、及び横方向の一辺に合わせた長さに分断されて、上記集合体の左右端部51,51及び上下端部51,51に沿って配設されている。
また、該見切り受け部材10の係合凹溝14に係合突条23を嵌め入れて、上記見切りカバー部材20が取付けられている。これら見切りカバー部材20は、上記集合体の左右端部51,51及び上下端部51,51のそれぞれの長さに合わせて形成されている。
この見切りカバー部材20の端面カバー部24における切欠段部25と、壁面材2とによって形成された凹溝部には、図1(a)に示すように、シーリング材(コーキング材)smが長手方向に沿って、かつ、手前側から見た際に食み出さないように充填されている。
すなわち、本実施形態では、各コーナー部に配された四つの固定金具30によって、四周に配された各見切りカバー部材20の各端部を固定保持する態様とされている。
さらに、本実施形態では、上記固定金具30の一対の押さえ片34,34は、上記コーナーカバー40に形成された収容凹部42,42に収容されて覆い隠されている。
上記コーナーカバー40は、上記側板部45,45に設けられた棚状部47の対面部47aと壁面材2との間に形成された空所に接着剤を介在させて壁面材2に対して接着されるとともに、上記天板部41の内側垂れ部43,43に設けられた内方側係止突起44,44、及び上記側板部45,45に設けられた外方側係止突起46,46を、それぞれ上記見切りカバー部材20の当接片カバー部22の内方側端部、及び切欠段部25に係止させて、各コーナー部に取付けられている。
尚、上記切欠段部25には、上記のようにシーリング材smが充填されているが、上記コーナーカバー40の外方側係止突起46,46が係止する部位には、該シーリング材smを充填しないようにしてもよく、或いは、該シーリング材smが湿式のものである場合には、乾燥、硬化する前に、上記コーナーカバー40を取付けるようにしてもよい。
まず、図6(a)に示すように、上記建築用パネル50の集合体の外周端部51に沿ってそれぞれ配設される見切り縁材のうちの床側端部及び左側端部に沿って配設される見切り縁材の各見切り受け部材10,10を、壁面材2に固定する(図2(a)も参照)。
すなわち、各見切り受け部材10,10の各第1固定片部11,11に対して木ねじ等の固定止具tsを捻じ込んで(釘等の場合は打ち込んで)、壁面材2に各見切り受け部材10,10を固着させる。この際、見切り受け部材10は、上記したように合成樹脂製であるとともに、各固定片部11,12は、比較的、薄板状とされているので、上記固定止具tsを、所望する位置の適所に止着させることができ、施工性が良い。
この状態では、当該建築用パネル50の床側端面近傍表面54及び左側端面近傍表面54には、各見切り受け部材10,10の当接片部15,15の折り曲げ片部15a,15aがそれぞれ当接して、該建築用パネル50が仮保持された状態となる。
この際、各見切り受け部材10,10の各第1固定片部11,11を、上記建築用パネル50の集合体の天井側端部及び右側端部のそれぞれ裏面と壁面材2との間に差し込むようにして配設し、各第2固定片部12,12に対して上記同様の固定止具tsを止着させるようにしてもよい(図1(a)も参照)。このように、第2固定片部12,12に対して固定止具tsを止着させた場合にも、該第2固定片部12,12は、上記したように見切りカバー部材20によって覆い隠されるので、美観性を阻害することがない。
この状態では、上記したように、各見切り受け部材10の外表面は、当接片部15(折り曲げ片部15aを含む)の内方側端面を除いて、上記見切りカバー部材20に覆い隠されて、露出せず、これら複数枚からなる建築用パネル50の集合体の外周端部の美観性を向上させることができる。
このように、見切りカバー部材20を壁面材2に対して固定させた後、図1(a)に示すように、該見切りカバー部材20の端面カバー部24における切欠段部25と、壁面材2とによって形成された凹溝部に、シーリング材(コーキング材)smを、長手方向に沿って、かつ、手前側から見た際に食み出さないように充填する。
このコーナーカバー40の取付けは、当該コーナーカバー40の上記棚状部47の対面部47aと両側板部45,45の両内側面とによって形成された空所に接着剤等を充填するようにして塗布し、当該コーナーカバー40の上記内方側係止突起44,44及び外方側係止突起46,46を、上記したように、各見切りカバー部材20,20の被係止部(当接片カバー部22の内方側端部及び切欠段部25)に係止させることで、容易に取付けることができる。
以上のようにして、各部材を壁面材2に対して取付け施工して、図2(a)に示すように、複数枚の建築用パネル50が壁面材2に取付け施工される。
尚、上記固定金具30を壁面材2に対して固定するための固定止具は、例えば、ビスや釘等、どのようなものでもよい。
また、上記施工手順は、一例に過ぎず、各部材の機能を阻害しない限りにおいて、別手順でなされるようにしてもよい。
また、上記見切りカバー部材20の端面カバー部24の下地材側縁部の表面側には、長手方向に沿ってシーリング材充填用の切欠段部25が形成されているので、該切欠段部25と、上記壁面材2とによって形成された上記凹溝部にシーリング材smを充填することができる。従って、施工された建築用パネルに対面した際に、上記切欠段部25に充填されたシーリング材smが目立ち難く、該建築用パネルの外周部を、外観良く納めることができる。
また、特に、本実施形態では、コーナーカバー40の内側垂れ部43,43にも、見切りカバー部材20に係止する内方側係止突起44,44が設けられているので、これら内方側係止突起44,44と、上記外方側係止突起46,46とによって、当該コーナーカバー40を、見切りカバー部材20に対して強固に係止させることができるとともに、容易に取付けることができ、施工性を向上させることができる。
さらに、上記コーナーカバー40の側板部45,45の各内側面にて形成される入隅部には、上記対面部47aを有した棚状部47が設けられているので、当該コーナーカバー40を、上記壁面材2に対して接着剤にて接着する際に、上記棚状部47の対面部47aと、壁面材2との間の空所に、接着剤を介在させることができ、上記壁面材2に対するコーナーカバー40の接着性を向上させることができる。
また、上記のように、壁面材2に固定された見切り受け部材10に対して取付けられる見切りカバー部材20は、壁面材2に固定された固定金具30によって、壁面材2に対して強固に固定保持されるので、上記見切りカバー部材20が見切り受け部材10から脱離するようなことがなく、該見切りカバー部材20を壁面材2に対して強固に固定させることができる。これにより、見切りカバー部材20を壁面材2に対して強固に固定させた状態で、上記端面カバー部24に設けられたシーリング材充填用の切欠段部25にシーリング材smを充填することができるので、乾燥、硬化したシーリング材smが変形するようなことを低減できる。また、経年変化等によって浮きや隙間等が生じることを低減できる。
さらに、上記のように各見切りカバー部材20が壁面材2に対して強固に固定される構造とされているので、建築用パネル50の外周端部51を、より強固に保持できる。すなわち、本実施形態に係る建築用パネルの外周部納め構造によれば、合成樹脂製の見切り受け部材10と、金属製の見切りカバー部材20とによって、建築用パネル50の外周端部51を保持できるとともに、その金属製の見切りカバー部材20を、壁面材2に対して固定することで、該外周端部51が強固に保持される。
また、該固定金具30の一対の押さえ片34,34は、上記コーナーカバー40の天板部41に形成された収容凹部42,42に収容されるので、該固定金具30が露出するようなことがなく、美観性を向上させることができる。
また、該見切り受け部材10は、上記のように、本実施形態では、合成樹脂製としているので、上記建築用パネル50の外周端部51を、上記コ字状空間に嵌め入れる際に、上記見切り受け部材10の当接片部15によって、上記建築用パネル50の外周端部における各端面近傍表面54が傷付けられるようなことがない。また、該当接片部15は、上記のように金属製の見切りカバー部材20の当接片カバー部22によって、強固に補強されるので、建築用パネル50の外周端部51を、これら見切り受け部材10と見切りカバー部材20とによって強固に保持することができる。
さらに、本実施形態では、上記見切り受け部材10の当接片部15は、その内方側端部に、上記建築用パネル50の表面54側に向けて折り曲げ形成されるとともに、該表面54に当接される折り曲げ片部15aを有しているので、例えば、該当接片部の建築用パネル側の面が平らに形成されているものと比べて、該建築用パネル表面との当接が確実になされ、建築用パネル50の表面54と該当接片部15の折り曲げ片部15aとの間に浮きや隙間等が生じることを低減できる。
また、上記見切り受け部材の係合凹溝及び該係合凹溝に嵌め入れられる上記見切りカバー部材の係合突条の形状は、図例のような凹溝状及び突条とされたものに限られず、例えば、上記見切り受け部材及び上記見切りカバー部材の一方の適所に形成した凹部と、他方に形成され、該凹部に嵌め入れられる凸部とされたものとしてもよい。
さらに、本実施形態では、これら係合突条と係合凹溝との係合方向が壁面材2に対して略垂直となる方向に沿って係合される構造とされたものを例示しているが、壁面材2の面と平行な方向に沿って係合される構造としてもよい。
また、本実施形態では、見切り受け部材の当接片部を、その内方側端部に折り曲げ片部を有した態様を例示しているが、折り曲げ片部を設けずに、当接片部の裏面を略平らに形成したものとしてもよい。
さらに、本実施形態では、見切り受け部材の立ち上がり壁部の上記対面部に、段状の切欠を形成した態様を例示しているが、該対面部を略平らな面としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、見切り受け部材に当接片部を設けて、該見切り受け部材によって、上記コ字状空間を構成する態様を例示しているが、例えば、該見切り受け部材に当接片部を設けずに、該見切り受け部材を立ち上がり壁部と固定片部とからなるものとし、これら立ち上がり壁部及び固定片部と、上記見切りカバー部材の当接片カバー部とによって、上記したようなコ字状空間を構成するような態様としてもよい。
また、本実施形態では、上記固定金具30の一対の押さえ片34,34を、見切りカバー部材20の表面カバー部21の各端部21aの表面に当接させて、該見切りカバー部材20を壁面材2に対して固定保持させる態様を例示しているが、例えば、見切りカバー部材の端面カバー部24の内方側面に、上記固定金具の一対の押さえ片が当接される係止受け片を形成するような態様としてもよい。
さらに、上記固定金具30は、図例のような一対の押さえ片34,34を備えた一体的に形成されたものに限られず、例えば、上記見切りカバー部材20の各端部に係合してこれら見切りカバー部材20を壁面材2に対して固定保持する機能を備えたものであれば、どのような形状のものとしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、上記コーナーカバー40に、外方側係止突起46,46、内方側係止突起44,44、棚状部47、及び収容凹部42,42を設けた態様を例示しているが、例えば、これらのいずれか或いは全てを設けないような態様としてもよい。
2 壁面材(下地材)
3 天井材(下地材)
10 見切り受け部材(見切り縁材、パネル外周部納め用部材)
14 係合凹溝(係合凹部)
20 見切りカバー部材(見切り縁材、パネル外周部納め用部材)
21 表面カバー部
21a 表面カバー部のコーナー部側の端部
23 係合突条(係合凸部)
24 端面カバー部
25 切欠段部
30 固定金具(固定具、パネル外周部納め用部材)
31 固定基部
34 押さえ片
40 コーナーカバー(パネル外周部納め用部材)
42 収容凹部
46 外方側係止突起(係止突起)
47 棚状部(突起部)
47a 対面部
50 建築用パネル
51 建築用パネルの外周端部
52 建築用パネルの外周部におけるコーナー部
53 外周端部の端面
54 外周端部の表面
sm シーリング材
Claims (6)
- 下地材に取付けられる建築用パネルの外周部に沿って配設されるパネル外周部納め用部材であって、
前記建築用パネルの外周部における一コーナー部に向けて外周端部に沿ってそれぞれ配設される見切り縁材と、これら見切り縁材の前記コーナー部側に配される各端部を連結させるようにして配設されるとともに、これら各端部、及び該コーナー部を覆い隠すためのコーナーカバーとを備えており、
前記見切り縁材は、前記建築用パネルの外周端部の端面に対して略平行に配設される端面カバー部を備え、該端面カバー部の下地材側縁部の表面側には、長手方向に沿ってシーリング材充填用の切欠段部が形成されていることを特徴とするパネル外周部納め用部材。 - 請求項1において、
前記コーナーカバーの内側面には、前記見切り縁材の切欠段部に係止する係止突起が形成されていることを特徴とするパネル外周部納め用部材。 - 請求項1または2において、
前記コーナーカバーの内側面には、前記下地材との間に空所を形成するように、該下地材に対面して配される対面部を有した突起部が設けられていることを特徴とするパネル外周部納め用部材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記見切り縁材は、前記端面カバー部を有した見切りカバー部材と、前記下地材に固定される見切り受け部材とを備え、これら見切りカバー部材及び見切り受け部材の一方には、係合凹部が設けられ、他方には該係合凹部に嵌め入れられる係合凸部が設けられており、
前記見切りカバー部材を、前記下地材に対して固定保持するために該下地材に固定される固定具を更に備えていることを特徴とするパネル外周部納め用部材。 - 請求項4において、
前記見切りカバー部材は、前記端面カバー部に連成されるとともに、前記建築用パネルの外周端部の表面に対して略平行に配設される表面カバー部を備え、
前記固定具は、前記下地材に固定される固定基部と、該固定基部に連成されるとともに、前記コーナー部側にそれぞれ配される前記表面カバー部の各端部の表面にそれぞれ当接される一対の押さえ片とを備えており、
前記コーナーカバーの内側には、前記一対の押さえ片を収容するための収容凹部が形成されていることを特徴とするパネル外周部納め用部材。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載されたパネル外周部納め用部材を用いて前記建築用パネルの外周部を納める建築用パネルの外周部納め構造であって、
前記建築用パネルの外周部には、前記コーナー部に向けて前記外周端部に沿って、前記見切り縁材がそれぞれ配設され、かつ、該見切り縁材の前記切欠段部と、前記下地材とによって形成された凹溝部には、シーリング材が充填されており、
これら見切り縁材の前記コーナー部側に配された各端部には、これら各端部を連結させるようにして前記コーナーカバーが配設されて、これら各端部、及び該コーナー部を覆い隠す構造とされていることを特徴とする建築用パネルの外周部納め構造。
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