JP2010165732A - エッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燐酸を主成分とすることなくモリブデン層とアルミニウム層とを一括的にエッチングすることができるエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法は、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層(2b,3a,3c,4a,4c)と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層(2a,3b,4b)と、を含む金属積層膜を一括でエッチングするためのエッチング液であって、pHが4以上12以下であり、アルミニウムと錯体を形成できる化合物と酸化物とを含有するエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法である。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に係るエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法は、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層(2b,3a,3c,4a,4c)と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層(2a,3b,4b)と、を含む金属積層膜を一括でエッチングするためのエッチング液であって、pHが4以上12以下であり、アルミニウムと錯体を形成できる化合物と酸化物とを含有するエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、エッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法に関し、特に、モリブデン層とアルミニウム層との一括的なエッチングに関する。
静止画や動画等の各種の画像を表示するデバイスとして、少なくとも一方がガラス等の透明な材料からなる二枚の絶縁性基板の間に液晶層を封入した液晶パネルを備えた液晶表示装置が広く用いられている。
この種の液晶表示装置は、各基板に形成した画素形成用の電極に選択的に電圧を印加して所定の画素を駆動する型式(単純マトリクス型)と、一方の基板に各種の電極と画素選択用の薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子(アクティブ素子)とを形成し、このアクティブ素子を選択することにより所定の画素を駆動する型式(アクティブマトリクス型)と、に分類される。特に、後者のアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、コントラスト性能や高速表示性能等の優れた性能を備えることから、液晶表示装置の主流となっている。
このような液晶表示装置において所定の画素を駆動するための走査線と信号線には、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層が用いられるが、当該走査線や信号線と、画素電極となる透明導電膜と、を接続するために当該アルミニウム層にモリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層が積層された金属積層膜が用いられる。
従来、このようなアルミニウム層とモリブデン層とを含む金属積層膜をフォトリソグラフィ技術によって加工する場合には、例えば、特許文献1に記載されているように、燐酸を主成分として含有し、さらに酸化剤として硝酸を含有するエッチング液が用いられていた。
先行技術文献
先行技術文献
特許文献
特開平7−321328号公報
しかしながら、近年、食料需要や石油代替エネルギーとしてのバイオエタノール需要が世界的に増加しており、肥料の原料となる燐が高騰している。さらに、これと連動して燐酸を主成分とするエッチング液も高騰している。そして、このようなエッチング液の高騰は、値下がりを続ける液晶パネルの製造原価を押し上げている要因の一つとなっている。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、燐酸を主成分とすることなくモリブデン層とアルミニウム層とを一括でエッチングすることができるエッチング液及びこれを用いたパターン形成方法並びに液晶表示装置の製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るエッチング液は、金属積層膜に含まれるモリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を一括でエッチングするために用いられるエッチング液であって、pHが4以上12以下であり、アルミニウムと錯体を形成できる化合物と酸化剤とを含有することを特徴とする。本発明によれば、燐酸を主成分とすることなくモリブデン層とアルミニウム層とを一括でエッチングすることができるエッチング液を提供することができる。
また、上記のエッチング液においては、pHが6以上12以下であることとしてもよく、さらにpHが7以上12以下であることとしてもよい。こうすれば、モリブデン層をより効率よくエッチングすることができる。また、前記化合物は、アセチルアセトン、クエン酸又はその塩、ジエチレントリアミン五酢酸又はその塩、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、蓚酸又はその塩、酒石酸又はその塩、カテコールジスルホン酸又はその塩からなる群より選択される1種又は2種以上であることとしてもよい。こうすれば、アルミニウム層を効率よくエッチングすることができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜の表面にレジストパターンを形成し、上記いずれかのエッチング液を用いて前記金属積層膜に含まれる前記モリブデン層と前記アルミニウム層とを一括でエッチングし、前記レジストパターンを剥離することによって、前記金属積層膜のパターンを形成することを特徴とする。本発明によれば、燐酸を主成分とすることなくモリブデン層とアルミニウム層とを一括でエッチングすることができるパターン形成方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、一対の基板と、前記一対の基板に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうち一方の基板に形成された複数の走査線と、前記走査線と交差するよう形成された複数の信号線と、前記走査線と接続されたゲート電極及び前記信号線と接続されたソース電極並びにドレイン電極を有する薄膜トランジスタと、前記ドレイン電極を介して前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、を有する液晶表示装置の製造方法であって、前記走査線、前記信号線、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうち少なくとも一つは、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜から構成され、前記金属積層膜の表面にレジストパターンを形成し、上記いずれかのエッチング液を用いて前記金属積層膜に含まれる前記モリブデン層と前記アルミニウム層とを一括でエッチングし、前記レジストパターンを剥離することによって、前記金属積層膜のパターンを形成することを特徴とする。本発明によれば、燐酸を主成分とすることなくモリブデン層とアルミニウム層とを一括でエッチングすることができる液晶表示装置の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
本実施形態に係るエッチング液(以下、「本エッチング液」という。)は、モリブデン(Mo)又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム(Al)又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜を一括でエッチングするために用いられるエッチング液である。
モリブデン層がモリブデンを主成分とする合金(以下、「モリブデン合金」という。)から構成される場合、当該モリブデン合金の組成は当該モリブデン層が備えるべき特性を損なわないものであれば特に限られない。すなわち、モリブデン合金は、その主成分として、例えば、80重量%以上のモリブデンを含有することができる。
また、モリブデン合金は、モリブデン以外に、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)からなる群より選択される1種又は2種以上を含有することができる。
アルミニウム層がアルミニウムを主成分とする合金(以下、「アルミニウム合金」という。)から構成される場合、当該アルミニウム合金の組成は当該アルミニウム層が備えるべき特性を損なわないものであれば特に限られない。すなわち、アルミニウム合金は、その主成分として、例えば、90重量%以上のアルミニウムを含有することができる。
また、アルミニウム合金は、アルミニウム以外に、例えば、ホウ素(B)、炭素(C)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)タンタル(Ta)からなる群より選択される1種又は2種以上を含有することができる。
そして、本エッチング液は、そのpHが4以上12以下であり、且つアルミニウムと錯体を形成できる化合物(以下、「アルミニウム錯化剤」という。)と酸化剤とを含有する。すなわち、本エッチング液は、例えば、アルミニウム錯化剤及び酸化剤を水に溶解し、そのpHを4以上12以下に調整することにより調製される水溶液である。
本エッチング液のpHは、4以上12以下の範囲内であれば特に限られないが、6以上12以下であることが好ましく、7以上12以下であることがより好ましい。
pHが4未満の場合には、モリブデンを十分に溶解させることが難しくなる。一方、pHが12を超える場合には、例えば、エッチングの対象となる金属積層膜に形成されたレジストが溶解されてしまうことがある。
これに対し、pHが4以上12以下の範囲内であれば、レジストを溶解することなく、モリブデン層を効果的に溶解させることができる。特に、pHが6以上の場合、さらに7以上の場合には、モリブデン層をより効果的にエッチングすることができる。
本エッチング液に含有されるアルミニウム錯化剤は、pHが4以上12以下の範囲内において、アルミニウム層を構成するアルミニウムに配位して錯体(錯イオン)を形成しその溶解度を高めることのできるものであれば特に限られない。
すなわち、アルミニウム錯化剤としては、例えば、アセチルアセトン、クエン酸又はその塩、ジエチレントリアミン五酢酸又はその塩、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、蓚酸又はその塩、酒石酸又はその塩、カテコールジスルホン酸又はその塩からなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本エッチング液におけるアルミニウム錯化剤の濃度は特に限られず、エッチングの際に本エッチング液に溶解させるべきアルミニウムの量に応じて適宜決定することができる。すなわち、アルミニウム錯化剤の濃度は、例えば、本エッチング液に溶解させるアルミニウムのモル濃度の10倍程度のモル濃度であることが望ましい。
本エッチング液に含有される酸化剤は、モリブデンとアルミニウムとを酸化する性能を有する化学種であれば特に限られず、例えば、硝酸塩、過酸化水素、フェリシアン塩、ペルオキソ二硫酸塩を用いることができる。また、本エッチング液は、pHを上述の範囲に調整するための緩衝剤を含有することもできる。この緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩を用いることができる。また、本エッチング液は、酸化剤を安定化させるための安定化剤を含有することもできる。この安定化剤としては、例えば、ピロリン酸四ナトリウム、スズ酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、アセトアニリド、オキシキノリン、サリチル酸、フェナセチン、ケイ酸ナトリウム、アルキルジアミンテトラメチレンホスホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリンを用いることができる。
本エッチング液によれば、上述したような金属積層膜に含まれるモリブデン層とアルミニウム層とを一括でエッチングすることができる。
ここで、本エッチング液において特徴的なことの一つは、上述のとおり、そのpHが4以上12以下であって、且つアルミニウム錯化剤を含有する点である。
すなわち、酸性の水溶液中においては、アルミニウムは溶解することができるが、モリブデンは溶解することができない。一方、中性の水溶液中においては、モリブデンは溶解することができるが、アルミニウムは溶解することができない。そして、塩基性の水溶液中においては、レジストが不必要に溶解されてしまう。このように、一般に、モリブデンとアルミニウムとを共通のエッチング液で溶解することは困難である。
これに対し、本エッチング液は、pHの範囲をモリブデンが溶解可能な範囲に調整した上で、アルミニウム錯化剤を含有することにより、モリブデンに加えて、アルミニウムをも溶解させることができる。
すなわち、本エッチング液は、燐酸を含有することなく、モリブデン層とアルミニウム層との両方を同時に溶解させることができる。さらに、本エッチング液は、従来の燐酸を含有するエッチング液に比べて安価に製造することができる。
次に、本実施形態に係るパターン形成方法及び液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、ここでは液晶表示装置として、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子として備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置を製造する場合の一例について説明する。
図1は、液晶表示装置の液晶パネルにおける1つの画素に対応する部分の主な構成を模式的に示す説明図である。図2は、図1に示すII−II線で切断した液晶パネルの断面の一部を模式的に示す説明図である。
図2に示すように、液晶表示装置は、一対の基板1,13と、当該一対の基板1,13に挟持された液晶層10と、を有している。一対の基板1,13は、その一方又は両方が透明な材料で構成される。すなわち、一対の基板1,13の一方又は両方は、例えば、無アルカリガラス基板等のガラス基板とすることができる。
液晶層10は、一方のガラス基板1と他方のガラス基板13との間に封入された液晶材料を含有している。この液晶層10は、例えば、IPS(In−Plane Switching)型又はVA(Vertical Alignment)型といった液晶駆動モードに応じて選定することができる。
そして、図1及び図2に示すように、この液晶表示装置は、さらに、一方の基板1に形成された複数の走査線20と、当該走査線20と交差するよう形成された複数の信号線30と、当該走査線20と接続されたゲート電極2と、当該信号線30と接続されたソース電極3及びドレイン電極4と、当該ドレイン電極4と接続された画素電極5と、当該走査線20と信号線30との交点付近に当該ソース電極3から当該ドレイン電極4に跨って形成されこれらと接続された半導体層7と、当該半導体層7と当該ソース電極3及びドレイン電極4との間に形成されたコンタクト層8と、当該走査線20及びゲート電極2を覆うゲート絶縁膜6と、当該信号線30、ソース電極3、ドレイン電極4及び半導体層7を覆う保護絶縁膜9と、を有している。なお、保護絶縁膜9には、コンタクトホール12が形成され、当該コンタクトホール12において画素電極5とドレイン電極4とが接続されている。
このように、液晶表示装置は、ゲート電極2、ソース電極3、ドレイン電極4及び半導体層7を含む薄膜トランジスタ(TFT)を一方の基板1(以下、「TFT用基板1」という。)に備えている。また、このTFT用基板1においては、液晶層10と接する最内層として配向膜11aが形成され、当該液晶層10と反対側の表面には、偏光板18aが貼り付けられている。
そして、TFT用基板1上においては、走査線20、信号線30、ゲート電極2、ソース電極3及びドレイン電極4のうち少なくとも一つを、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜から構成することができる。
すなわち、この例では、走査線20及びゲート電極2は、アルミニウム層2aと、当該アルミニウム層2aに積層されたモリブデン層2bと、から構成される金属積層膜である。
また、信号線30、ソース電極3及びドレイン電極4は、第一のモリブデン層3a,4aと、当該モリブデン層3a,4aに積層されたアルミニウム層3b,4bと、さらに当該アルミニウム層3b,4bに積層された第二のモリブデン層3c,4cと、から構成される金属積層膜である。なお、画素電極5は、ITO(Indium−Tin−Oxide)膜等の透明な導電性膜である。
また、液晶層10を介してTFT用基板1と対向する他方の基板13には、ブラックマトリクス14と、当該ブラックマトリクス14で区画されたカラーフィルタ15と、平坦化膜16と、共通電極17と、が形成されている。
そして、このカラーフィルタ15が形成された基板13(以下、「カラーフィルタ用基板13」という。)においては、液晶層10と接する最内層として配向膜11bが形成され、当該液晶層10と反対側の表面には、偏光板18bが貼り付けられている。なお、カラーフィルタ15は、一つの画素について、3色(RGB)のうち1色分が形成される。
図3〜図7は、図1及び図2に示す液晶パネルの構造を形成する複数の工程についての説明図である。図3A、図4A、図5A、図6A及び図7Aは、各工程においてレジストパターン形成及びエッチングによる薄膜の加工が終了しフォトレジストが除去された状態を示す。図3B、図4B、図5B、図6B及び図7Bは、各工程に含まれる主な処理を示す。なお、レジストパターン形成とは、フォトレジストの塗布から、フォトマスクを使用した選択的な露光を経て、現像を行うまでの、レジストパターンを形成する一連の工程を含む処理であり、以下では詳細な説明は省略する。
図3は、第一の工程についての説明図である。第一の工程においては、まず、TFT用基板1上に、アルミニウム合金からなり膜厚が300nmのアルミニウム層をスパッタリングにより形成し、さらに連続して、モリブデンからなり膜厚が80nmのモリブデン層をスパッタリングにより形成する(図3Bの工程S10)。この連続成膜により、アルミニウム層の上にモリブデン層が積層されてなる金属積層膜が形成される。
次いで、この金属積層膜の表面に所定のレジストパターンを形成する(図3Bの工程S11)。その後、上述した本エッチング液を用いて、この金属積層膜を構成するアルミニウム層及びモリブデン層の両方を一括でエッチングする(図3Bの工程S12)。
そして、レジストを剥離する(図3Bの工程S13)ことにより、図1、図2及び図3Aに示すように、走査線20と、当該走査線20に接続されたゲート電極2と、のパターンがTFT用基板1上に形成される。これら走査線20及びゲート電極2は、図2及び図3Aに示すように、アルミニウム層2a及びモリブデン層2bからなる金属積層膜で構成される。
図4は、第二の工程についての説明図である。第二の工程においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置に、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを導入して、SiNからなり膜厚が350nmの絶縁膜を成膜し、次いで、プラズマCVD装置に、シランガス、水素ガスを導入して、非晶質Si(a−Si)からなり膜厚が120nmのa−Si層を成膜し、さらにプラズマCVD装置に、シランガス、水素ガス、ホスフィンガスを導入して、n型非晶質Si(n+a−Si)からなり膜厚が30nmのn+a−Si層を成膜する(図4Bの工程S20)。
次いで、この積層膜の表面に所定のレジストパターンを形成する(図4Bの工程S21)。その後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用して、n+a−Si層及びa−Si層を選択的にエッチングする(図4Bの工程S22)。
そして、レジストを剥離する(図4Bの工程S23)ことにより、図1、図2及び図4Aに示すように、ゲート電極2を覆うゲート絶縁膜6が形成されるとともに、n型非晶質Si層からなるコンタクト層8及び非晶質Si層からなる半導体層7の島状のパターンが形成される。
図5は、第三の工程についての説明図である。第三の工程においては、モリブデンからなり膜厚が20nmのモリブデン層をスパッタリングにより形成し、次に連続してアルミニウム合金からなり膜厚が300nmのアルミニウム層をスパッタリングにより形成し、さらに連続してモリブデンからなり膜厚が40nmのモリブデン層をスパッタリングにより形成する(図5Bの工程S30)。この連続成膜により、第一のモリブデン層の上にアルミニウム層が積層され、さらに当該アルミニウム層に第二のモリブデン層が積層されてなる金属積層膜が形成される。
次いで、この金属積層膜の表面に所定のレジストパターンを形成する(図5Bの工程S31)。その後、本エッチング液を用いて、この金属積層膜を構成するアルミニウム層及び2つのモリブデン層の全てを一括でエッチングする(図5Bの工程S32)。この結果、図1、図2及び図5Aに示すように、信号線30と、当該信号線30に接続されたソース電極3及びドレイン電極4と、のパターンが形成される。
さらに、第三の工程においては、ドライエッチングガスとしてSF6を使用して、コンタクト層8を除去するエッチングを行う(図5Bの工程S33)。そして、レジストを剥離する(図5Bの工程S34)ことにより、図1、図2及び図5Aに示すように、ソース電極3とドレイン電極4とが電気的に切り離なされたトランジスタのチャネルが形成される。これら信号線30、ソース電極3及びドレイン電極4は、図2及び図5Aに示すように、第一のモリブデン層3a、アルミニウム層3b及び第二のモリブデン層3cからなる金属積層膜で構成される。
図6は、第四の工程についての説明図である。第四の工程においては、プラズマCVD装置に、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを導入して、SiNからなり膜厚が450nmの絶縁膜を成膜する(図6Bの工程S40)。
次いで、この絶縁膜の表面に所定のレジストパターンを形成する(図6Bの工程S41)。その後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用して、絶縁膜を選択的にエッチングする(図6Bの工程S42)。
そして、レジストを剥離する(図6Bの工程S43)ことにより、図1、図2及び図6Aに示すように、ソース電極3、ドレイン電極4及び半導体層7を覆う保護絶縁膜9が形成されるとともに、当該保護絶縁膜9に開口するコンタクトホール(スルーホール)12が形成される。
図7は、第五の工程についての説明図である。第五の工程においては、ITO(Indium Tin Oxide)からなり膜厚が75nmの透明導電性膜をスパッタリングにより形成する(図7Bの工程S50)。
次いで、この透明導電性膜の表面に所定のレジストパターンを形成する(図7Bの工程S51)。その後、蓚酸を主成分として含有しpHが2付近の水溶液であるエッチング液を用いて、透明導電性膜を選択的にエッチングする(図7Bの工程S52)。そして、レジストを剥離する(図7Bの工程S53)ことにより、図1、図2及び図7Aに示すように、透明導電性膜からなる画素電極5のパターンが形成される。
このような第一の工程から第五の工程までの一連の工程を含むパターン形成方法によって、図1及び図2に示すような構造を複数の画素の各々について有する液晶パネルを製造することができる。
そして、この液晶パネルと、当該液晶パネルを駆動させるための図示しない各種の駆動回路と、画面を表示させるための図示しないバックライト等の光源と、を一体的に組み立てることにより、薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置を製造することができる。なお、アクティブマトリクス型液晶表示装置としては、例えば、TN型、IPS型、VA型のいずれを製造することもできる。
1 TFT用基板、2 ゲート電極、2a アルミニウム層、2b モリブデン層、3 ソース電極、3a,3c モリブデン層、3b アルミニウム層、4 ドレイン電極、4a,4c モリブデン層、4b アルミニウム層、5 画素電極、6 ゲート絶縁膜、7 半導体層、8 コンタクト層、9 保護絶縁膜、10 液晶層、11a,11b 配向膜、12 コンタクトホール、13 カラーフィルタ用基板、14 ブラックマトリクス、15 カラーフィルタ、16 平坦化膜、17 共通電極、18a,18b 偏光板、20 走査線、30 信号線。
Claims (6)
- 金属積層膜に含まれるモリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を一括でエッチングするために用いられるエッチング液であって、pHが4以上12以下であり、アルミニウムと錯体を形成できる化合物と酸化剤とを含有する
ことを特徴とするエッチング液。 - pHが6以上12以下である
ことを特徴とする請求項1に記載されたエッチング液。 - pHが7以上12以下である
ことを特徴とする請求項2に記載されたエッチング液。 - 前記化合物は、アセチルアセトン、クエン酸又はその塩、ジエチレントリアミン五酢酸又はその塩、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、蓚酸又はその塩、酒石酸又はその塩、カテコールジスルホン酸又はその塩からなる群より選択される1種又は2種以上である
ことを特徴とする請求項1に記載されたエッチング液。 - モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜の表面にレジストパターンを形成し、請求項1乃至4のいずれかに記載されたエッチング液を用いて前記金属積層膜に含まれる前記モリブデン層と前記アルミニウム層とを一括でエッチングし、前記レジストパターンを剥離することによって、前記金属積層膜のパターンを形成する
ことを特徴とするパターン形成方法。 - 一対の基板と、前記一対の基板に挟持された液晶層と、前記一対の基板のうち一方の基板に形成された複数の走査線と、前記走査線と交差するよう形成された複数の信号線と、前記走査線と接続されたゲート電極及び前記信号線と接続されたソース電極並びにドレイン電極を有する薄膜トランジスタと、前記ドレイン電極を介して前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、を有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記走査線、前記信号線、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうち少なくとも一つは、モリブデン又はモリブデンを主成分とする合金からなるモリブデン層と、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるアルミニウム層と、を含む金属積層膜から構成され、
前記金属積層膜の表面にレジストパターンを形成し、請求項1乃至4のいずれかに記載されたエッチング液を用いて前記金属積層膜に含まれる前記モリブデン層と前記アルミニウム層とを一括でエッチングし、前記レジストパターンを剥離することによって、前記金属積層膜のパターンを形成する
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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2009
- 2009-01-13 JP JP2009004794A patent/JP2010165732A/ja active Pending
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