JP2010161356A - 有機電界発光素子及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の電極14,16と、該一対の電極間に挟まれた少なくとも一層の発光層30を有し、前記発光層の少なくとも一層が、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料のうち2種以上の燐光発光材料と、電気的に不活性な材料と、電荷輸送材料とを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】図1
Description
有機電界発光素子を用いて白色に発光させる場合には、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色にそれぞれ発光する発光層を三層積層させる方法、一層の発光層中にRGBにそれぞれ対応した発光材料を分散させる方法がある。
また、白色発光における発光効率と色純度を向上させるため、発光材料とホスト材料を含む発光層を有し、最大発光ピーク波長が500nmであり、且つ、ホスト材料の最低励起三重項エネルギー準位が発光材料の最低励起三重項エネルギー準位よりも高い発光素子が提案されている(特許文献2参照)。
また、発光効率の向上と長寿命化を図るため、青色発光層と、緑色と赤色の混合発光層を形成し、緑色と赤色の混合発光層には正孔輸送性材料、電子輸送性材料、及び燐光材料を含有させる白色有機発光素子が提案されている(特許文献3参照)。
<1> 一対の電極と、該一対の電極間に挟まれた少なくとも一層の発光層を有し、前記発光層の少なくとも一層が、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料のうち2種以上の燐光発光材料と、電気的に不活性な材料と、電荷輸送材料とを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記電気的に不活性な材料の最低励起三重項エネルギー準位が2.7eV以上であることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含み、前記第2の発光層は、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電気的に不活性な材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料と、前記電気的に不活性な材料を含み、前記第2の発光層は、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<5> 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料と、前記電気的に不活性な材料を含み、前記第2の発光層は、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記発光層に含まれる燐光発光材料の濃度がそれぞれ0.2質量%以上であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<7> 白色発光することを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<8> 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(1)で表されるアダマンタン系化合物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(一般式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表し、該R1〜R4の少なくとも1つは、二重結合、あるいは三重結合を有する基である。X1〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表す。)
<9> 前記電気的に不活性な材料が、炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<10> 前記炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物が、直鎖飽和炭化水素化合物であることを特徴とする<9>に記載の有機電界発光素子。
<11> 前記炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物が、室温において固体であることを特徴とする<9>又は<10>に記載の有機電界発光素子。
<12> 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(x)で示される化合物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
一般式(x) L−(Ar)m
(一般式(x)中、Arは下記一般式(y)で表される基を表し、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。)
(一般式(y)中、R1は置換基を表し、R1が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。)
<13> 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(z)で示される化合物であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(一般式(z)中、R2は置換基を表し、R2が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n2は0〜20の整数を表す。)
<14> <1>〜<13>のいずれかに記載の有機電界発光素子を備えていることを特徴とする発光装置。
一般的に、発光層中にRGBの各色に対応した発光材料を含ませて白色発光する有機電界発光素子を製造する場合、最低励起三重項エネルギー準位(T1)が高い青色発光材料から、T1が低い緑色発光材料又は赤色発光材料に励起子のエネルギー移動が生じるため、例えば各発光材料のドープ濃度を同程度にすると、青色がほとんど発光せず、白色発光が得られない。そのため、例えば、蒸着によって発光層を形成する場合は、RGBの各発光材料のドープ濃度が、B:15%、G:0.13%、R:0.13%となるように共蒸着を行う。この場合、青色発光材料に関しては、ドープ濃度が多少変動しても影響は少ないが、緑色と赤色の各発光材料は特に低レートで蒸着する必要があり、蒸着レートの変動によりドープ濃度がアンバランスになると、色バランスが崩れて所望の白色発光が得られない。
なお、本発明に係る有機電界発光素子は、必要に応じて他の機能層を有してもよい。例えば以下のような層構成を採用することができるが、これらに限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/ブロック層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/ブロック層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例(第1の実施形態)を概略的に示している。本実施形態に係る有機電界発光素子10は支持基板12上に形成されており、対向配置された一対の電極14,16と、これらの電極14,16に挟まれた有機層(正孔輸送層20、発光層30、及び電子輸送層40)とを有している。以下の説明においては、適宜、支持基板12上に下部電極14として陽極を形成する構成について説明するが、支持基板12上に陰極から逆に形成することも可能である。
まず、本発明に係る発光層30について説明する。発光層30は電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。本実施形態に係る有機電界発光素子10では、発光層30が、最低励起三重項エネルギー準位が異なる2種以上の燐光発光材料と、電気的に不活性な材料と、電荷輸送材料とを含んでいる。
例えば、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ燐光発光材料(適宜「青色燐光発光材料」という)、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ燐光発光材料(適宜「緑色燐光発光材料」という)、及び570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ燐光発光材料(適宜「赤色燐光発光材料」という)のうち少なくとも2種の燐光発光材料を含ませることが挙げられる。例えば発光色の混色によって白色光を得る場合には、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料を含ませることが好ましい。
・420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料との組み合わせ。
・500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料との組み合わせ。
一方、本発明では、発光層30に含まれる各燐光発光材料間のエネルギー移動を抑制してそれぞれの発光色を得るという本発明の効果を十分発揮させるため、発光層30に含まれる2種以上の燐光発光材料のそれぞれの最低励起三重項エネルギー準位の最大値と最小値の差は、0.2eV以上であることが好ましく、0.5eV以上であることがより好ましく、0.7eV以上であることがさらに好ましい。
次に、発光層30を構成する各材料等について具体的に説明する。
発光層に含まれる燐光発光材料としては、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテシウム錯体が挙げられ、より好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、又は白金錯体であり、最も好ましくはイリジウム、白金錯体である。
前記3座以上の配位子を有する金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
前記3座以上の配位子を有する金属錯体としては、発光効率向上、耐久性向上の観点から、3座以上6座以下の配位子を有する金属錯体が好ましく、イリジウムイオンに代表される6配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座、4座、または6座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、白金イオンに代表される4配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座または4座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が更に好ましい。
前記金属錯体の配位子は発光効率向上、耐久性向上の観点から、鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(A)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、またはトリアゾール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環、含窒素5員ヘテロ環であることがより好ましい。これらのヘテロ環は他の環と縮合環を形成してもよい。
本発明において燐光発光材料として用いる金属錯体は、以下に詳述する一般式(A)で表される有機化合物であることが好ましい。
Y11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、2がさらに好ましい。
以下、本発明で用いることができる燐光発光材料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明において発光層30に含まれる電気的に不活性な材料とは、電荷輸送性を有さず、かつ、発光には直接寄与しないが、励起子のエネルギー移動を抑制する材料である。このような電気的に不活性な材料は、バインダー材料とも呼ばれ、好ましくは、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差(Eg)が4.0eV以上である有機化合物である。Egが4.0eV以上となる有機化合物は、一般に電気的に不活性で、正孔及び/又は電子のブロッキング効果を発揮することができる。本発明で用いる電気的に不活性な材料(以下、適宜、バインダー材料という。)のEgは4.1eV以上がより好ましく、4.2eV以上が特に好ましい。
本発明に係る有機電界発光素子の発光層を構成する電気的に不活性な材料としては、例えば、下記一般式(1)で表されるアダマンタン系化合物が挙げられる。
発光層30に含まれる電気的に不活性な材料として炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物(アルキル構造を有する炭化水素化合物)を使用することもできる。このようなアルキル構造を有する炭化水素化合物としては、蒸着によって比較的低温で成膜できる観点から、二重結合を含まず、エチレン(−CH2CH2−)構造を含む飽和炭化水素化合物であることが好ましく、直鎖飽和炭化水素化合物であることがより好ましい。また、成膜後、有機層(発光層)を構成する観点から、室温(25℃)において固体であることが好ましい。
具体的には、以下の構造式1−1〜7−5で示されるものが好ましい。
一般式(x) L−(Ar)m
一般式(x)中、Arは下記一般式(y)で表される基を表し、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。
一般式(x)に含まれるLは3価以上のベンゼン骨格を表す。Arは一般式(y)で表される基を表し、mは3以上の整数を表す。mは好ましくは3以上6以下であり、さらに好ましくは3または4である。
一般式(y)に含まれるR1は置換基を表す。ここで置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる)、
アゾリルチオなどが挙げられる)、
して環を形成してもよい。また、R1は更に置換されてもよい。
一般式(z)におけるR2は置換基を表す。置換基R2は、前記置換基R1と好ましい態様を含めて同義である。
n2は0から20の整数を表す。n2の好ましい範囲は0から10であり、さらに好ましくは0から5である。
発光層30に含まれる電荷輸送材料は、好ましくはホール輸送性電荷輸送材料である。本発明の発光層に用いられるホール輸送性電荷輸送材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.1eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.4eV以上6.2eV以下であることがより好ましく、5.6eV以上6.0eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが1.2eV以上3.1eV以下であることが好ましく、1.4eV以上3.0eV以下であることがより好ましく、1.8eV以上2.8eV以下であることが更に好ましい。
中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、特に分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格および芳香族第三級アミン骨格の少なくとも一方を複数個有するものが好ましい。
このようなホール輸送性電荷輸送材料の具体的化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記H−28において、Dは重水素を表す。
例えば、混色により発光させる色に応じて、最低励起三重項エネルギー準位(T1)が異なる2種以上の燐光発光材料と、バインダー材料と、電荷輸送材料を選択し、それぞれ所定のレートで共蒸着を行うことで発光層を形成する。このように発光層を形成すれば、バインダー材料が燐光発光材料間のエネルギー移動を抑制するため、例えばRGBの各燐光発光材料を用いても、バインダー材料を含まない場合に比べて、T1が小さいGRの各燐光発光材料のドープ濃度を増加させることができる。特に製造安定性の観点から、発光層30に含まれる各燐光発光材料のドープ濃度は、それぞれ0.2質量%以上とすることが好ましく、1質量%以上とすることがより好ましく、2質量%以上とすることが特に好まし。これにより、各発光材料に基づくピーク波長を有し、色バランスが良好な発光層を安定して形成することができる。
発光層30以外の有機層、電極、支持基板等については後述する。
図2は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の他の例(第2の実施形態)を概略的に示している。本実施形態に係る有機電界発光素子11は、発光層30として、隣接して積層した二層の発光層(第1の発光層32と第2の発光層34)を有している。このような二層の発光層32,34を有する場合、少なくとも一層の発光層が、最低励起三重項エネルギー準位が異なる2種以上の燐光発光材料と、バインダー材料と、電荷輸送材料とを含み、発光スペクトルが前記2種以上の燐光発光材料にそれぞれ基づくピーク波長を有するように構成すればよい。
第1の発光層32は、420nm以上500nm以下に発光ピークを持つ燐光発光材料(青色燐光発光材料)と、電荷輸送材料を含み、青色光を発する。このようなピーク波長を持つ青色燐光発光材料としては、例えば以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、電荷輸送材料は、第1の実施形態で挙げた材料と同様であり、1種でも2種以上併用しても良い。また、第1の実施形態で挙げた電気的に不活性な材料(バインダー材料)を含んでもよい。
第2の発光層34は、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ燐光発光材料(緑色燐光発光材料)と、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ燐光発光材料(赤色燐光発光材料)と、電気的に不活性な材料と、電荷輸送材料を含み、緑色光と赤色光とが混ざった光を発する。
また、第1の発光層32の厚み(X)と第2の発光層34の厚み(Y)の比は、好ましくは、X/Y=1〜8、より好ましくは、2〜5である。X/Yが2以上5以下の範囲であれば耐久性、色度の点で好ましい。
なお、発光層30全体の発光スペクトルにおけるピーク強度比、すなわち、各発光層32,34に含まれる燐光発光材料にそれぞれ基づくピーク波長の最小発光強度と最大発光強度との比は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子10の場合と同様の範囲が好ましい。
各発光層32,34は、蒸着法やスパッタ法等の乾式成膜法のほか、転写法、印刷法、塗布法、インクジェット法、スプレー法等の公知の方法によって形成することができる。
例えば、第1の発光層32は、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、電荷輸送材料と、電気的に不活性な材料を含み、第2の発光層34は、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、電荷輸送材料を含んでもよい。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜200nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜200nmであるのがより好ましく、1nm〜200nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層30に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。発光層30と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
発光層30で生じた光が透過するように、一対の電極14,16のうち少なくとも一方は透明の電極とする。通常は、支持基板12側の電極(下部電極)14を陽極とし、封止基板(不図示)側の電極(上部電極)16を陰極とするが、下部電極14を陰極、上部電極16を陽極とすることもできる。
陽極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極を形成する位置は、有機電界発光素子10,11の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、支持基板12の全体に形成してもよいし、一部に形成してもよい。
また、陽極の抵抗値は、有機EL層に確実に正孔を供給するために、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有し、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的等に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から、2種以上を好適に併用することができる。
陰極の形成位置は特に制限はなく、有機層上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
支持基板12は、有機電界発光素子全体を支持することができる耐熱性、強度、光透過性等を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
また、熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
本発明の有機電界発光素子10,11は、保護層によって保護されていてもよい。保護層を構成する材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、またはNi等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、またはTiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、またはCaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
支持基板12上の有機電界発光素子10,11は、封止容器などの封止部材によって封止されてもよい。また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子10,11の用途は限定されるものではないが、例えば、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用することができる。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/発光層/BAlq(39nm)/BCP(1nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
ITOが陽極、Alが陰極である。また、「%」は各層における濃度(質量%)を表し、括弧内は厚みを表している。各層は概ね以下のようにして形成した。
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を100nmの厚さで蒸着し成膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板のITO膜をエッチングによりパターニングした後、洗浄した。
正孔注入層:4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATAと略記する)および2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)を、2−TNATAに対してF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着した。厚みは160nmとした。
正孔輸送層:N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記する)により形成した。厚みは10nmとした。
発光層:正孔輸送層上に、発光層を共蒸着によって成膜した。
続いて、発光層の上に、下記の電子輸送層、および電子注入層を設けた。
電子輸送層:Aluminum(III)bis(2−methyl−8−quinolato)−4−phenylphenolate(BAlqと略記する)を厚みが39nmとなるように蒸着した。
電子注入層:バソクプロイン(BCPと略記する)を厚みが1nmとなるように蒸着した。
さらに、LiFを厚み1nmに蒸着後、シャドウマスクによりパターニングして陰極として厚み100nmのAlを設けた。各層はいずれも抵抗加熱真空蒸着により設けた。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+25%A−1+15%B−1+5%G−1+1%R−1(30nm)
色度はCIE1931色度座標において、(x,y)=(0.31、0.36)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.72:1:0.79であり、全体としては白色光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−4+15%B−1(20nm)
第2の発光層:H−4+25%A−1+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.32、0.36)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.8であり、全体としては白色光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−27+25%A−2+15%B−2+5%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.32、0.36)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.68:1:0.75であり、全体としては白光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−27+15%B−2(20nm)
第2の発光層:H−27+25%A−2+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.36)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.92:1:0.6であり、全体としては白色光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−4+15%B−1(20nm)
第2の発光層:H−4+25%A−3+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.36)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.8であり、全体としては白色光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+15%B−1+0.13%G−1+0.13%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.35)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.8であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+15%B−1+5%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.59、0.39)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.2:0.15:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、第1及び第2の発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−4+15%B−1(20nm)
第2の発光層:H−4+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.55、0.39)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.3:0.2:1であり、全体としては赤色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−27+15%B−2+5%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.58、0.42)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.2:0.2:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、第1及び第2の発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−27+15%B−2(20nm)
第2の発光層:H−27+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.57、0.41)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.17:0.2:1であり、全体としては赤色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−28+25%A−2+15%B−2+5%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.35)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.76であり、全体としては白光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−28+15%B−2(20nm)
第2の発光層:H−28+25%A−2+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.35)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.9:1:0.63であり、全体としては白色光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−28+15%B−2+5%G−1+1%R−1(30nm)
前記標準構成において、第1及び第2の発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−28+15%B−2(20nm)
第2の発光層:H−28+5%G−1+1%R−1(10nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.59、0.40)であった。また、466.8nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.19:0.21:1であり、全体としては赤色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+25%A−4+15%B−1+2%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.32、0.36)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.73であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+15%B−1+2%G−1+1%R−1(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.61、0.39)であった。また、456nm/503nm/620nmにおける発光強度比は、0.05:0.15:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+25%A−5+15%B−3+2%G−2+1%R−2(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.34、0.37)であった。また、463nm/517nm/620nmにおける発光強度比は、0.6:1:0.83であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+15%B−3+2%G−2+1%R−2(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.60、0.42)であった。また、463nm/517nm/620nmにおける発光強度比は、0.1:0.20:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+25%A−5+15%B−4+2%G−3+1%R−3(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.34、0.37)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.8であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
発光層:H−4+15%B−4+2%G−3+1%R−3(30nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.62、0.32)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.05:0.10:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+25%A−5+2%G−3+1%R−3(10nm)
第2の発光層:H−4+15%B−4(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.34)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.9:1:0.75であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+2%G−3+1%R−3(10nm)
第2の発光層:H−4+15%B−4(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.56、0.33)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.20:0.05:1であり、全体としては赤色の発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+2%R−3(10nm)
第2の発光層:H−4+25%A−5+10%B−4+1%G−3(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.31、0.40)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.7:1:0.75であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+2%R−3(10nm)
第2の発光層:H−4+10%B−4+1%G−3(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.40、0.43)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.20:0.6:1であり、全体としては黄色の発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+2%G−3(10nm)
第2の発光層:H−4+25%A−5+10%B−4+1%R−3(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.35、0.38)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.6:1:0.85であり、全体としては白色発光であった。
前記標準構成において、発光層を以下の構成として有機電界発光素子を作製した。
第1の発光層:H−29+2%G−3(10nm)
第2の発光層:H−4+10%B−4+1%R−3(20nm)
実施例1と同様にして素子に直流電圧を印加し発光させたところ、色度は(x,y)=(0.43、0.46)であった。また、465nm/522nm/635nmにおける発光強度比は、0.10:0.7:1であり、全体としては黄色の発光であった。
<比較例8>
比較例1の素子構成を有する有機電界発光素子を3回製造した。各々の素子の色度はそれぞれ以下の通りである。
1回目:(x,y)=(0.31、0.32)
2回目:(x,y)=(0.24、0.32)
3回目:(x,y)=(0.33、0.37)
実施例1の素子構成において、発光層におけるアダマンタン化合物(A−1)の濃度は25%に固定し、緑色燐光発光材料(G−1)及び赤色燐光発光材料(R−1)のドープ濃度をそれぞれ0.26%に狙って発光層を形成した。同様のドープ濃度で素子を3回作製した。また、発光層におけるG−1とR−1の狙いのドープ濃度をそれぞれ0.5%、1%、1.5%、2%に変更し、各ドープ濃度での素子を3回ずつ作製した。
各有機電界発光素子について色度を測定したところ、G−1とR−1の狙いのドープ濃度をそれぞれ0.26%、0.5%、又は1%とした素子では、いずれも色度のずれがx、y共に0.03以内であり、白色発光が得られた。
一方、G−1とR−1の狙いのドープ濃度をそれぞれ1.5%又は2%とした素子では素子間の色度のずれはx、y共に0.01以内であり、ばらつきは小さかった。
12 支持基板
14 下部電極
16 上部電極
20 正孔輸送層
24 電子輸送層
30 発光層
32 第1の発光層
34 第2の発光層
40 電子輸送層
Claims (14)
- 一対の電極と、該一対の電極間に挟まれた少なくとも一層の発光層を有し、前記発光層の少なくとも一層が、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料のうち2種以上の燐光発光材料と、電気的に不活性な材料と、電荷輸送材料とを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記電気的に不活性な材料の最低励起三重項エネルギー準位が2.7eV以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含み、前記第2の発光層は、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電気的に不活性な材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料と、前記電気的に不活性な材料を含み、前記第2の発光層は、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層として、前記一対の電極間に第1の発光層と第2の発光層を有し、前記第1の発光層は、前記420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料と、前記570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料と、前記電気的に不活性な材料を含み、前記第2の発光層は、前記500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料と、前記電荷輸送材料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層に含まれる燐光発光材料の濃度がそれぞれ0.2質量%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 白色発光することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(1)で表されるアダマンタン系化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
(一般式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表し、該R1〜R4の少なくとも1つは、二重結合、あるいは三重結合を有する基である。X1〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表す。) - 前記電気的に不活性な材料が、炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物が、直鎖飽和炭化水素化合物であることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
- 前記炭素数が7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物が、室温において固体であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の有機電界発光素子。
- 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(x)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
一般式(x) L−(Ar)m
(一般式(x)中、Arは下記一般式(y)で表される基を表し、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。)
(一般式(y)中、R1は置換基を表し、R1が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。) - 前記電気的に不活性な材料が、下記一般式(z)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
(一般式(z)中、R2は置換基を表し、R2が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n2は0〜20の整数を表す。) - 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を備えていることを特徴とする発光装置。
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