JP2010160128A - 半導体センサ及び半導体センサの製造方法 - Google Patents

半導体センサ及び半導体センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加速度等の検出に用いる半導体センサにおいて、これをベース材の表面に固定しても、半導体センサに備える錘部とベース材の表面との間隔を高精度に設定できるようにする。
【解決手段】環状の枠体部Sと、その内側に間隔をあけて配される錘部Mと、可撓性を有して枠体部Sと錘部Mとを一体に連結する可撓部Fと、可撓部Fの変形又は変位を検出する検出手段121と、一部が枠体部S内に埋設されると共に平面視環状に形成された枠体部Sの一端面113から突出するスペーサ突起部13とを備え、スペーサ突起部13が枠体部Sと異なる材料からなり、スペーサ突起部13の先端をベース材の表面に当接させた状態でベース材に固定する半導体センサ1を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、加速度、傾斜、角速度等の検出に用いる半導体センサ、及び、半導体センサの製造方法に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造される加速度センサや角速度センサ等の半導体センサは、ビームやダイヤフラム等の可撓部を備えており、可撓部の変形や変位を電気信号に変換する半導体センサでは、可撓部に錘部を結合することによってその感度を高めている。このような半導体センサは、ベース材の表面に固定されて使用されるが、従来では、錘部がベース材の表面に接触しないように工夫を施している。
例えば特許文献1には、矩形枠状の枠体部と、枠体部の内側に配される錘部と、可撓性を有して錘部を枠体部に連結する可撓部とを備える加速度センサ、及び、加速度センサを表面に固定する板状のベース材が記載されている。ベース材にはその表面から窪む凹部が形成されており、錘部が凹部の上方に配されるように枠体部をベース材の表面に固定することで、錘部がベース材に接触することを防いでいる。
また、例えば特許文献2には、同様の加速度センサを板状のベース材の表面に固定することが記載されており、凹部を形成する代わりに、フィラーを添加した接着剤により枠体部をベース材の表面に接着することで、錘部がベース材に接触することを防止している。
特開平09−005353号公報 特開2000−019196号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている構成のように、ガラス等からなるベース材にエッチング等の加工を施して凹部を形成すると、半導体センサをベース材に固定して構成されるセンサユニットの製造コストが高くなってしまう、という問題がある。
また、枠体部に対する錘の挙動は半導体センサの種類に応じて異なるため、様々な種類の半導体センサチップに対応するようにベース材の凹部を大きく形成した場合には、錘部とベース材の表面との間隔が不要に長くなり、半導体センサを備えるセンサユニットの小型化・薄型化を阻害する虞がある。一方、半導体センサの種類に応じて凹部の深さ寸法を設定すると、多種類のベース材を用意する必要があるため、半導体センサを備えるセンサユニットの製造が面倒になる、という問題がある。
さらに、特許文献2に記載の構成では、枠体部とベース材との間から接着剤がフィラーと共に浸み出すことでフィラーの充填状態が変化し、錘部とベース材の表面との隙間が変化してしまう、という問題がある。すなわち、錘部とベース材の表面との間隔を高精度に設定することができない、という問題がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、錘部とベース材の表面との間隔を高精度に設定でき、また、半導体センサをベース材に固定してなるセンサユニットを安価かつ容易に製造することが可能な半導体センサ、及び、半導体センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の半導体センサは、ベース材の表面に固定されるものであって、環状の枠体部と、当該枠体部の内側に間隔をあけて配される錘部と、可撓性を有して前記枠体部と前記錘部とを一体に連結する可撓部と、該可撓部の変形又は変位を検出する検出手段と、一部が前記枠体部内に埋設されると共に平面視環状に形成された前記枠体部の一端面から突出するスペーサ突起部とを備え、当該スペーサ突起部は、前記枠体部と異なる材料からなり、前記スペーサ突起部の先端を前記ベース材の表面に当接させた状態で前記ベース材に固定されることを特徴とする。
なお、ベース材の表面としては、例えば、上記半導体センサを収容するケース内の搭載面や、半導体センサと電気接続される回路基板の表面等が挙げられる。
この半導体センサをベース材の表面に固定する場合には、枠体部の一端面をベース材の表面に対向するようにスペーサ突起部の先端をベース材の表面に当接させることで、半導体センサをベース材の表面に配置し、接着剤により枠体部をベース材の表面に接着すればよい。
このように半導体センサをベース材の表面に配置した状態では、枠体部の一端面とベース材の表面との間にスペーサ突起部の突出高さに応じた隙間が形成される。すなわち、スペーサ突起部により枠体部の一端面とベース材の表面との隙間寸法が変化することを防止している。したがって、錘部とベース材の表面との間隔を高精度に設定することが可能となる。
また、枠体部の一端面とベース材の表面との隙間寸法はスペーサ突起部の突出高さによって予め定めることができるため、前述した接着剤の量を調整することで、枠体部とベース材との隙間から接着剤が浸み出すことも容易に防止できる。
さらに、スペーサ突起部は半導体センサ自体に形成されているため、従来のようにベース材に錘部との隙間を確保するための凹部を形成する必要が無くなる。その結果、半導体センサをベース材に固定して構成されるセンサユニットの製造コスト削減を図ることができ、かつ、センサユニットを容易に製造することもできる。
また、スペーサ突起部の突出高さは、半導体センサの製造時に設定すればよいため、半導体センサの種類に応じた錘部とベース材の表面との間隔を容易に設定することができ、また、この間隔を最小限に抑えることができる。したがって、半導体センサを備えるセンサユニットの小型化・薄型化も容易に図ることができる。
そして、前記半導体センサにおいては、前記スペーサ突起部が金属材料又はセラミックス系材料からなることがより好ましい。なお、前記金属材料には、純金属だけではなく合金も含まれる。
この場合には、枠体部の一端面とベース材の表面との隙間寸法が変化することをより確実に防止できる。
また、前記半導体センサにおいては、前記スペーサ突起部が、前記一端面の平面視形状に倣う環状に形成されていてもよい。
さらに、前記半導体センサにおいては、平面視環状に形成された前記スペーサ突起部が、少なくとも前記一端面の内縁側及び外縁側に相互に間隔をあけて2つ形成されていてもよい。
この場合には、接着剤により半導体センサをベース材に固定する際に、接着剤が環状に形成された2つのスペーサ突起部の間に入り込むことで、接着剤が枠体部の径方向外側及び内側に浸み出すことを防止できる。
また、前記半導体センサにおいては、前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が前記スペーサ突起部と同等の突出高さで突出して形成され、該応力緩和突起部には、その先端面から窪む窪み部が形成されていることが好ましい。
また、前記半導体センサにおいては、前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が前記スペーサ突起部と同等の突出高さで突出して形成され、前記応力緩和突起部は、前記一端面を前記スペーサ突起部が形成された領域と、前記スペーサ突起部が形成されていない領域とに区画するように配されていることがより好ましい。
これらの構成の半導体センサによれば、接着剤をスペーサ突起部に接触させることなく、半導体センサをベース材に固定することができる。すなわち、半導体センサをベース材の表面に配置した際には、応力緩和突起部の先端面がスペーサ突起部と同様にベース材の表面に当接する。このため、接着剤が応力緩和突起部の窪み部に入り込むように接着剤の塗布領域を設定しておけば、あるいは、枠体部の一端面のうちスペーサ突起部が形成されていない領域に接着剤を塗布しておけば、半導体センサをベース材の表面に配置した状態で接着剤がスペーサ突起部に触れることはない。したがって、応力緩和突起部は接着剤を介してベース材の表面に接着されるが、スペーサ突起部はベース材に接着されない。
そして、このように固定された半導体センサ及びベース材の熱膨張係数が相互に異なっていると、半導体センサ及びベース材が加熱若しくは冷却された際に、前述した熱膨張係数の差に基づいて枠体部とベース材との間に応力が発生するが、応力緩和突起部が変形することで、この応力を緩和することができる。一方、スペーサ突起部は前述したようにベース材に接着されていないため、この応力緩和を阻害することはない。したがって、半導体センサ及びベース材が加熱若しくは冷却されても、半導体センサの特性が変化することを抑制できる。
なお、接着剤を応力緩和突起部の窪み部に入り込ませた場合には、半導体センサをベース材の表面に配置した状態で、接着剤が窪み部内に保持されるため、接着剤が枠体部の径方向外側及び内側に浸み出すことも防止できる。
また、前記半導体センサにおいては、前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が、前記スペーサ突起部よりも高い突出高さで突出して形成されていてもよい。
この場合、この半導体センサを固定するベース材には、その表面から窪んでスペーサ突起部の先端よりも高く突出する応力緩和突起部の先端部を挿入して嵌合させる嵌合凹部が形成されていればよい。そして、嵌合凹部の深さ寸法は、応力緩和突起部が嵌合した状態においてスペーサ突起部の先端がベース材の表面に当接するように設定されていればよい。すなわち、スペーサ突起部の先端よりも高く突出する応力緩和突起部の先端部の突出高さ以上に設定されていればよい。
なお、この嵌合凹部は、応力緩和突起部を嵌合させることを目的とするため、従来のように錘部との隙間を確保するための凹部と比較して非常に小さくかつ浅く形成できる。また、応力緩和突起部は半導体センサの種類に関係なく同一形状に形成できるため、ベース部材の嵌合凹部も同一形状に形成することが可能である。したがって、嵌合凹部の形成が、従来の凹部のように、ベース材に半導体センサを固定してなるセンサユニットの小型化・薄型化を阻害することは無く、また、センサユニットの製造が面倒になることも無い。
この半導体センサによれば、応力緩和突起部の先端部をベース材の嵌合凹部に嵌合させることで、ベース材に対する応力緩和突起部の相対位置が固定されるため、接着剤を用いることなく半導体センサをベース材に固定することができる。また、ベース材に対する半導体センサの位置決めを容易に行うことができると共に、この位置決め精度の向上を図ることができる。
さらに、応力緩和突起部の先端部と嵌合凹部との嵌合状態が保持されていれば、例えば相互に対向する応力緩和突起部の先端部の外面と嵌合凹部の内面との間に中空の間隙空間が形成されてもよい。この場合には、間隙空間に接着剤を充填することで、ベース材に対する半導体センサの固定強度を向上させることができる。また、接着剤が間隙空間に保持されることで、接着剤がスペーサ突起部に触れることを防ぐこともできるため、前述したように、半導体センサ及びベース材が加熱若しくは冷却されても、半導体センサの特性が変化することを抑制できる。さらに、接着剤が枠体部の径方向外側及び内側に浸み出すことも防止できる。なお、この間隙空間は、応力緩和突起部の先端部の外面や嵌合凹部の内面の一部に、これら外面や内面から窪む間隙形成用凹部を形成することで構成することが可能である。
さらに、前記半導体センサにおいては、前記応力緩和突起部が、前記一端面の平面視形状に倣う環状に形成されていてもよい。
また、前記半導体センサにおいては、平面視環状に形成された前記応力緩和突起部が、少なくとも前記一端面の内縁側及び外縁側に相互に間隔をあけて2つ形成され、前記スペーサ突起部が、前記2つの応力緩和突起部よりも前記一端面の内縁側若しくは外縁側に配されていてもよい。
この場合には、接着剤により半導体センサをベース材に固定する際に、接着剤が環状に形成された2つの応力緩和突起部の間に入り込むことで、接着剤が枠体部の径方向外側及び内側に浸み出すことを防止できる。
さらに、前記半導体センサにおいては、前記応力緩和突起部が、2つの前記スペーサ突起部によって挟み込まれるように配されていることがより好ましい。
この場合には、前述したように熱膨張係数の差に基づいて応力緩和突起部が変形しても、応力緩和突起部の両側に配された2つのスペーサ突起部によって枠体部の一端面がベース材の表面に対して傾くことを防止できる。したがって、錘部とベース材の表面との間隔を高い精度で保持することができる。
そして、本発明の半導体センサの製造方法は、環状の枠体部と、当該枠体部の内側に間隔をあけて配される錘部と、可撓性を有して前記枠体部と前記錘部とを一体に連結する可撓部とを備える半導体センサの製造方法であって、異方性エッチングにより、前記枠体部の厚さ方向の一端面側をなすシリコンバルクの底面にスペーサ用凹部を形成する凹部形成工程と、前記スペーサ用凹部に前記シリコンバルクと異なる材料を充填して、前記シリコンバルクと異なる材料からなるスペーサ突起部を形成するスペーサ形成工程と、エッチングにより、前記シリコンバルクをその底面から掘り込んで、前記スペーサ突起部の一部を前記シリコンバルクから突出させるスペーサ突出工程と、異方性エッチングにより、前記シリコンバルクを前記枠体部と前記錘部とに区画する区画凹部を形成することで、前記枠体部、前記錘部及び前記可撓部を形成するセンサ形成工程とを備えることを特徴とする。
なお、前述のシリコンバルクは、単結晶シリコンウエハや単結晶シリコンインゴッド等のように界面が内在しないシリコンからなるバルク材料、及び、単結晶シリコンウエハや単結晶シリコンインゴッドの部分的改質によって得られるバルク材料の両方を意味している。すなわち、シリコンバルクの具体例としては、単結晶シリコンウエハや、表層が熱酸化されたSOIウエハのベースウエハ、SOIウエハのベースウエハの単結晶シリコン層などが挙げられる。
以上の半導体センサの製造方法を実施することで、前述した半導体センサを製造することができる。
また、凹部形成工程におけるスペーサ用凹部の深さや、スペーサ突出工程においてシリコンバルクを掘り込む量は、エッチングにより高い精度で調整することが可能である。さらに、スペーサ形成工程においては、このスペーサ用凹部にシリコンバルクと異なる材料を充填してスペーサ突起部を形成するため、スペーサ用凹部内におけるスペーサ突起部の寸法は高い精度で設定されることになる。したがって、枠体部から突出するスペーサ突起部の突出長さを高い精度で調整することができる。
さらに、前記半導体センサの製造方法においては、前記凹部形成工程の前からスペーサ突出工程の前までの間に、異方性エッチングにより、前記枠体部の一端面側をなす前記シリコンバルクの底面に、当該底面を前記スペーサ用凹部が形成される領域と形成されない領域とに区画する応力緩和用凹部を形成する応力緩和用凹部形成工程と、前記応力緩和用凹部に前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料を充填して、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部を形成する応力緩和突起部形成工程とを実施し、前記スペーサ突出工程において、前記シリコンバルクをその底面から掘り込むことにより、前記応力緩和突起部の一部を前記シリコンバルクから突出させてもよい。
また、前記半導体センサの製造方法においては、前記凹部形成工程の前からスペーサ突出工程の前までの間に、異方性エッチングにより、前記枠体部の一端面側をなす前記シリコンバルクの底面に応力緩和用凹部を形成する応力緩和用凹部形成工程と、前記応力緩和用凹部に前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料を充填して、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部を形成する応力緩和突起部形成工程と、前記シリコンバルクの底面に露出する前記応力緩和突起部の先端面から窪む窪み部を形成する窪み部形成工程とを実施し、前記スペーサ突出工程において、前記シリコンバルクをその底面から掘り込むことにより、前記応力緩和突起部の一部を前記シリコンバルクから突出させてもよい。
これらの半導体センサの製造方法によれば、前述した応力緩和突起部を備える半導体センサをそれぞれ製造することができる。
そして、スペーサ突起部の場合と同様に、枠体部から突出する応力緩和突起部の突出長さを高精度に設定することができる。
本発明によれば、錘部とベース材の表面との間隔を高精度に設定でき、また、半導体センサを備えるセンサユニットを安価かつ容易に製造することができる。
この発明の第1実施形態に係る半導体センサをその下面側から見た状態を示す下面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図1の半導体センサをベース材の表面に固定した状態を示す断面図である。 図1に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図1に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図1に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図1に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 この発明の第2実施形態に係る半導体センサをその下面側から見た状態を示す下面図である。 図14のB−B矢視断面図である。 図14の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図14の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図14の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図14の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図14の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図14の半導体センサをベース材の表面に固定した状態を示す断面図である。 図14に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図14に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図14に示す半導体センサの変形例を示す下面図である。 図24のC−C矢視断面図である。 この発明の第3実施形態に係る半導体センサをその下面側から見た状態を示す下面図である。 図26のD−D矢視断面図である。 図26の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図26の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図26の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図26の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図26の半導体センサをベース材の表面に固定した状態を示す断面図である。 図26に示す半導体センサの変形例を示す拡大断面図である。 図26に示す半導体センサの変形例を示す拡大断面図である。 この発明の第4実施形態に係る半導体センサをベース材の表面に固定した状態を示す断面図である。 図35の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図35の半導体センサの製造方法を示す断面図である。 図35に示す半導体センサの変形例を示しており、(a)は断面図、(b)は(a)におけるE−E矢視断面図である。
以下、図1〜9を参照して本発明の第1実施形態に係る半導体センサについて説明する。図1,2に示すように、この実施形態に係る半導体センサ1は、平面視矩形の環状に形成された枠体部Sと、枠体部Sの内側に間隔をあけて配される円柱状の錘部Mと、可撓性を有して枠体部Sと錘部Mとを一体に連結する可撓部Fと、検出手段としてのピエゾ抵抗部121とを備えている。すなわち、この半導体センサ1は、慣性力に応じた可撓部Fの変形又は変位をピエゾ抵抗部121によって電気信号に変換することで加速度を検出する加速度センサとして構成されており、また、MEMS技術を用いてSOI(Silicon on Insulator)ウエハ10により製造されるものである。
枠体部S及び錘部Mは、ベースウエハ11上に半導体層(SOI層)12を積層したSOIウエハ10によって構成されている。なお、ベースウエハ11は、単結晶シリコン層111上に二酸化シリコン(SiO2)からなる酸化層112を積層して構成され、半導体層12は酸化層112上に積層されている。また、酸化層112は、単結晶シリコン(Si)からなるベースウエハ11の熱酸化された表層である。
そして、SOIウエハ10の厚さ方向に沿う枠体部S及び錘部Mの厚さ寸法は、互いに等しくなるように設定されている。
可撓部Fは、平面視十文字状に形成されており、可撓部Fの4つの端部は枠体部Sの各辺にそれぞれ結合されている。また、可撓部Fの中央部に錘部Mが結合されている。
さらに詳述すれば、可撓部Fは、SOIウエハ10の半導体層12と酸化層112とによって構成されている。すなわち、枠体部S、錘部M及び可撓部Fは、SOIウエハ10の半導体層12及び酸化層112によって一体に形成されている。
ピエゾ抵抗部121は半導体層12に形成されており、半導体層12上にはピエゾ抵抗部121の図示しない配線等が形成されている。
さらに、この半導体センサ1は、一部が枠体部Sに埋設されると共に単結晶シリコン層111の下面(一端面)111aからなる枠体部Sの下面(一端面)113から突出するスペーサ突起部13を備えている。なお、図示例において、スペーサ突起部13は枠体部Sの下面113から垂直に突出しているが、例えば傾斜状態で突出していてもよい。
スペーサ突起部13は、金属材料からなり、平面視矩形の環状に形成された枠体部Sの下面113に倣って平面視矩形環状に形成されている、すなわち、枠体部Sの下面113の周方向にわたって連続して形成されている。また、スペーサ突起部13は、枠体部Sの下面113の径方向内縁側及び外縁側に互いに間隔をあけて2つ形成されている。そして、各スペーサ突起部13A,13Bは、それぞれ枠体部Sの下面113の内縁や外縁との間に隙間を有する位置に配されている。
上記構成の半導体センサ1を製造する場合には、はじめに、SOIウエハ10の半導体層12に不純物を注入してピエゾ抵抗部121を形成する工程や、半導体層12及び酸化層112を可撓部Fの十文字形状に合わせてエッチングする工程や、半導体層12上にピエゾ抵抗部121の配線を形成する工程を実施しておく。これらの工程は、特開平8−274349号公報等に開示されているように公知であるため、その説明を省略する。
上記工程の完了後には、ワークを図示しない補強基板に接着する等した状態でスペーサ突起部13と、枠体部S、錘部M及び可撓部Fとを順番に形成する各工程を実施する。
スペーサ突起部13を形成する際には、はじめに図3に示すように、枠体部Sの厚さ方向の一端側をなすSOIウエハ10の底面にスペーサ用凹部H1,H2を形成する凹部形成工程を実施する。
この凹部形成工程においては、はじめに、SOIウエハ10(シリコンバルク)のベースウエハ11の底面に相当する単結晶シリコン層111の底面111bにフォトレジストからなる第1保護膜R1を形成し、第1保護膜R1にスペーサ用凹部H1,H2を形成するためのパターンを転写する。
次いで、第1保護膜R1を用いて単結晶シリコン層111を異方性エッチングすることにより、ベースウエハ11に2つのスペーサ用凹部H1,H2を形成する。各スペーサ用凹部H1,H2はそれぞれスペーサ突起部13A,13Bの形状に倣って平面視矩形の環状に形成されており、第2スペーサ用凹部H2は第1スペーサ用凹部H1よりも単結晶シリコン層111の底面111bの径方向内側に配されている。また、各スペーサ用凹部H1,H2の深さ寸法は単結晶シリコン層111の厚さ寸法よりも小さく設定されている。
なお、上述した単結晶シリコン層111の異方性エッチングの具体例としては、例えばC4F8プラズマによるパッシベーションとSF6プラズマによるエッチングとを短く交互に繰り返すDeep−RIE(所謂ボッシュプロセス)が挙げられる。
スペーサ用凹部H1,H2が形成された後には、第1保護膜R1を除去する。
上記凹部形成工程の後には、図4,5に示すように、各スペーサ用凹部H1,H2に金属材料14を充填して金属材料14からなるスペーサ突起部13を形成するスペーサ形成工程を実施する。この工程においては、スパッタリングにより各スペーサ用凹部H1,H2の内面に第1金属材料からなるめっき用シード層(不図示)を形成した後に、電解メッキにより各スペーサ用凹部H1,H2に第2金属材料を堆積・充填することにより、図4に示すように、各スペーサ用凹部H1,H2に第1金属材料及び第2金属材料からなるスペーサ突起部13が形成されることになる。
なお、上述した金属材料14の堆積・充填には、スパッタリング及び電解メッキを組み合わせたものに限らず、CVDや無電解メッキを用いてもよい。また、第1金属材料や第2金属材料としては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ニッケル鉄合金(Ni−Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステン(W)を用いることができ、これらは密度、膜の結合強度、応力、製造コスト等に応じて、第1金属材料又は第2金属材料として適宜選択することが可能である。すなわち、第1金属材料や第2金属材料は、純金属であってもよいし合金であっても構わない。
その後、図5に示すように、研磨により単結晶シリコン層111の底面111bに堆積された不要な金属材料14を除去することでスペーサ形成工程が終了する。なお、この状態においては、各スペーサ用凹部H1,H2がスペーサ突起部13によって完全に埋められており、スペーサ突起部13の先端面が単結晶シリコン層111の底面111bと共に同一平面をなしている。
上記スペーサ形成工程の後には、図6,7に示すように、単結晶シリコン層111をその底面111bから掘り込んで、スペーサ突起部13の一部を単結晶シリコン層111から突出させるスペーサ突出工程を実施する。
この工程では、はじめに図6に示すように、単結晶シリコン層111の底面111bにフォトレジストからなる第2保護膜R2を形成して、第2保護膜R2がスペーサ突起部13上にのみ残るようにパターニングする。
次いで、図7に示すように、エッチングにより単結晶シリコン層111をその底面111bから掘り込むことで、単結晶シリコン層111の底面111b側全体が等しく除去され、スペーサ突起部13の一部が単結晶シリコン層111から突出することになる。ここで、上記エッチングを実施することで形成される単結晶シリコン層111の下面111aは、後述する工程で形成される枠体部Sや錘部Mの下面113,114をなしている。そして、上記エッチングの終了後に第2保護膜R2を除去することで、一部が単結晶シリコン層111の内部に埋設されると共に単結晶シリコン層111の下面111aから突出するスペーサ突起部13の形成が完了する。
なお、スペーサ突起部13の一部を突出させる上記エッチングは、RIE等の異方性エッチングでもよいが、単結晶シリコン層111の底面111b側全体が等しく除去されれば、例えば等方性エッチングでも構わない。また、上記エッチングは、例えば第2保護膜R2を用いずにスペーサ突起部13をマスクとして実施されてもよい。
次に、図8に示すように、枠体部S、錘部M及び可撓部Fを形成するセンサ形成工程を実施する。
この工程においては、フォトレジストからなる第3保護膜R3を用いて単結晶シリコン層111をDeep−RIE等により異方性エッチングすることで、単結晶シリコン層111を枠体部Sと錘部Mとに区画する環状の区画凹部H3をベースウエハ11に形成する。ここで、区画凹部H3の深さ寸法は単結晶シリコン層111の厚さ寸法と同等に設定されているため、酸化層112が露出することになる。その結果、単結晶シリコン層111、酸化層112及び半導体層12からなる枠体部S及び錘部Mがそれぞれ形成されることになる。また、区画凹部H3の底壁部をなす酸化層112及び半導体層12によって可撓部Fが形成されることになる。
その後、第3保護膜R3を除去し、ダイシング等の後工程を実施することで、図1,2に示す半導体センサ1の製造が完了する。
以上のように製造される半導体センサ1は、図9に示すように、接着剤Gによりベース材Pの平坦な表面P1に固定される。なお、ベース材Pの表面P1の具体例としては、例えば半導体センサ1を収容するケース内の搭載面、半導体センサ1と電気接続される回路基板の表面等が挙げられる。
そして、半導体センサ1をベース材Pに固定する場合には、枠体部Sの下面113がベース材Pの表面P1に対向するようにスペーサ突起部13の先端をベース材Pの表面P1に当接させることで、半導体センサ1をベース材Pの表面P1に配置し、接着剤Gにより枠体部Sの下面113をベース材Pの表面P1に接着すればよい。
このように半導体センサ1をベース材Pの表面P1に配置した状態では、枠体部Sの下面113とベース材Pの表面P1との間にスペーサ突起部13の突出高さに応じた隙間が形成される。このため、スペーサ突起部13により枠体部Sの下面113とベース材Pの表面P1との隙間寸法が変化することを防止できる。特に、スペーサ突起部13は剛性の高い金属材料によって形成されているため、上記隙間寸法が変化することをより確実に防止することができる。したがって、錘部Mの下面(一端面)114とベース材Pの表面P1との間隔を高精度に設定することが可能となる。
なお、枠体部S及び錘部Mの下面113,114は同一の単結晶シリコン層111の下面111aによって形成されているため、錘部Mの下面114とベース材の表面P1との隙間寸法は、枠体部Sの下面113とベース材Pの表面P1との隙間寸法と等しくなる。
さらに、スペーサ突起部13は半導体プロセスによって形成されるため、その突出高さを高い精度で調整することが可能である。
すなわち、凹部形成工程において形成されるスペーサ用凹部H1,H2の深さ寸法や、スペーサ突出工程において単結晶シリコン層111を掘り込む量は、エッチングにより高い精度で調整することが可能である。そして、スペーサ形成工程においては、このスペーサ用凹部H1,H2に金属材料を充填してスペーサ突起部13を形成するため、スペーサ用凹部H1,H2内におけるスペーサ突起部13の寸法は高い精度で設定されることになる。以上のことから、枠体部Sの下面113から突出するスペーサ突起部13の突出長さを高い精度で調整することができる。
また、上述したように、枠体部Sの下面113とベース材Pの表面P1との隙間寸法はスペーサ突起部13の突出高さによって予め定めることができるため、接着剤Gの量を調整することで、枠体部Sとベース材Pとの隙間から接着剤Gが浸み出すことも容易に防止できる。特に、この実施形態の半導体センサ1は環状に形成された2つのスペーサ突起部13を備えるため、これら2つのスペーサ突起部13の間に入り込んだ接着剤は、スペーサ突起部13の先端がベース材Pの表面P1に当接することで2つのスペーサ突起部13の間に保持されるため、枠体部Sの径方向内側及び外側に浸み出すことがない。
さらに、スペーサ突起部13は半導体センサ1自体に形成されているため、従来のようにベース材Pに錘部Mとの隙間を確保するための凹部を形成する必要が無い。その結果、半導体センサ1をベース材Pに固定して構成されるセンサユニットの製造コスト削減を図ることができ、かつ、センサユニットを容易に製造することもできる。
また、スペーサ突起部13の突出高さは、前述したように半導体センサ1の製造時に設定すればよいため、半導体センサ1の種類に応じた錘部Mとベース材Pの表面P1との間隔を容易に設定することができ、また、この間隔を最小限に抑えることができる。したがって、半導体センサ1を備えるセンサユニットの小型化・薄型化も容易に図ることができる。
なお、上記実施形態におけるスペーサ突起部13は、金属材料に限らず、少なくとも枠体部SをなすSOIウエハ10と異なる材料によって形成されていればよく、例えばセラミックス系材料によって形成されていてもよい。セラミックス系材料の具体例としては、窒化シリコン(SiN)、窒化チタン(TiN)、酸化アルミニウム(AlOx)等が挙げられる。なお、セラミックス系材料からなるスペーサ突起部13は、上記実施形態と同様のスペーサ形成工程において、スパッタリングやCVD等の方法により形成することができる。
セラミックス系材料は、金属材料と比較して脆性は劣るが硬度は大きいため、セラミックス系材料によりスペーサ突起部13を形成した場合には、枠体部Sの下面113とベース材Pの表面P1との隙間寸法の変化をより小さく抑えることができる。
また、環状に形成された2つのスペーサ突起部13A,13Bは、それぞれ枠体部Sの下面113の内縁や外縁との間に隙間を有する位置に配されるとしたが、例えば図10に示すように、それぞれ枠体部Sの下面113の内縁及び外縁に形成されていてもよい。この場合には、接着剤Gが全て2つのスペーサ突起部13A,13Bの間に入り込むため枠体部Sの径方向内側及び外側に浸み出すことを確実に防止できる。また、接着剤Gを介してベース材Pの表面P1に確実に接着される枠体部Sの下面113の接着面積が最大となり、半導体センサをベース材Pの表面P1に強固に固定することができる。
また、上記実施形態においては、平面視環状に形成された2つのスペーサ突起部13A,13Bが同心状に配置されているが、少なくとも2つのスペーサ突起部13A,13Bが互いに間隔をあけて配されていれば、同心状に配置されていなくてもよい。
また、枠体部Sの下面113には、環状のスペーサ突起部13が2つ形成されるとしたが、例えば図11に示すように1つだけ形成されていてもよいし、例えば平面視環状に形成された3つ以上のスペーサ突起部13を互いに径方向にずらして形成してもよい。
さらに、スペーサ突起部13は、平面視環状に形成されることに限らず、少なくとも半導体センサ1がベース材Pの表面P1上でぐらつくことなく安定した状態で配されるように形成されていればよい。
したがって、スペーサ突起部13は、例えば図12,13に示すように、枠体部Sの下面113の周方向にわたって互いに間隔をあけて複数配列されていてもよい。言い換えれば、平面視環状に形成されたスペーサ突起部13が枠体部Sの下面113の周方向に分割して形成されていてもよい。なお、互いに隣り合うスペーサ突起部13の間隔は、全て等しくしてもよいし、異ならせてもよい。また、例えば図12に示すように、各スペーサ突起部13Cが枠体部Sの下面113の各角部において屈曲するように形成されてもよいし、例えば図13に示すように、各スペーサ突起部13Dが直線状に形成されてもよい。さらに、各スペーサ突起部13は例えば平面視でドット状に形成されてもよい。
次に、図14〜21を参照して本発明の第2実施形態に係る半導体センサについて説明する。なお、この第2実施形態の半導体センサのうち、第1実施形態の半導体センサ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図14,15に示すように、本実施形態に係る半導体センサ2は、第1実施形態と同様のスペーサ突起部13に加え、枠体部Sの下面113から突出してスペーサ突起部13よりも剛性の低い樹脂材料からなる応力緩和突起部15を備えている。なお、環状のスペーサ突起部13は、図11の構成と同様に1つだけ形成されている。
応力緩和突起部15は、スペーサ突起部13よりも枠体部Sの下面113の内縁側に配されており、スペーサ突起部13と同等の突出高さを有している。また、応力緩和突起部15は、スペーサ突起部13と同様に、枠体部Sの下面113の平面視形状に倣って平面視矩形環状に形成されている。そして、応力緩和突起部15には、その先端面から窪む窪み部151が形成されている。窪み部151は、前記先端面の縁部よりも内側に形成されており、応力緩和突起部15の側部には開口していない。すなわち、窪み部151は、環状に形成された応力緩和突起部15の内側縁及び外側縁に開口していない。
上記構成の半導体センサ2のスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15を形成する際には、はじめに図16に示すように、上記第1実施形態と同様の凹部形成工程と同時に、枠体部Sの厚さ方向の一端側をなすSOIウエハ10の底面に応力緩和用凹部H5を形成する応力緩和用凹部形成工程を実施する。
すなわち、単結晶シリコン層111の底面111bに、スペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H5を形成するためのパターンを有する第1保護膜R1を形成した上で、第1実施形態と同様の異方性エッチングにより、ベースウエハ11にスペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H5を形成する。これらスペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H5は、それぞれスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の形状に倣って平面視矩形の環状に形成されており、応力緩和用凹部H5はスペーサ用凹部H4よりも単結晶シリコン層111の底面111bの径方向内側に配されている。
スペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H5が形成された後には、第1保護膜R1を除去する。
上記凹部形成工程及び応力緩和用凹部形成工程の後には、図17に示すように、応力緩和用凹部H5に樹脂材料を充填して、樹脂材料からなる応力緩和突起部15を形成する応力緩和突起部形成工程を実施する。
この工程においては、単結晶シリコン層111の底面111b上に樹脂材料としての感光性樹脂R4を塗布する。ここで、応力緩和用凹部H5に堆積・充填される感光性樹脂R4が応力緩和突起部15をなす。応力緩和突起部15をなす感光性樹脂R4の具体例としては、例えばノボラック樹脂や感光剤を含む汎用レジスト材料等が挙げられる。
そして、上述した塗布の際には、感光性樹脂R4がスペーサ用凹部H4にも堆積・充填されるため、感光性樹脂R4の塗布後には、露光現像によりスペーサ用凹部H4に充填された感光性樹脂R4を除去しておく。
次いで、図18に示すように、第1実施形態と同様に、スペーサ用凹部H4に金属材料14若しくはセラミックス系材料を堆積・充填して金属材料14あるいはセラミックス系材料からなるスペーサ突起部13を形成するスペーサ形成工程を実施する。なお、この工程においては、金属材料14あるいはセラミックス系材料が感光性樹脂R4上にも堆積することになる。
また、この工程においては、金属材料14あるいはセラミックス系材料の堆積・充填後に、研磨により単結晶シリコン層111の底面111b上に堆積された不要な感光性樹脂R4及び金属材料14あるいはセラミックス系材料を除去する。なお、この状態においては、スペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H5が、それぞれスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15によって完全に埋められており、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の先端面が単結晶シリコン層111の底面111bと共に同一平面をなしている。
その後、図19に示すように、単結晶シリコン層111の底面111bに露出する応力緩和突起部15の先端面から窪む窪み部151を形成する窪み部形成工程を実施する。この工程においては、例えばインプリント法やイオンビーム法あるいはマイクロブラスト法により窪み部151を形成すればよい。
そして、窪み部形成工程後には、樹脂材料からなる応力緩和突起部15をポストベーク温度以上に加熱させ、応力緩和突起部15を硬化させる。
そして、図20に示すように、第1実施形態と同様に、単結晶シリコン層111をその底面111bから掘り込んで、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の一部を単結晶シリコン層111から突出させるスペーサ突出工程を実施することで、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の形成が完了する。すなわち、この工程では、スペーサ突起部13上及び応力緩和突起部15上にのみ保護膜が残るようにパターンニングし、その後、上記第1実施形態と同様のエッチングにより単結晶シリコン層111を掘り込めばよい。
最後に、第1実施形態の図8と同様に、枠体部S、錘部M及び可撓部Fを形成するセンサ形成工程を実施し、さらに、ダイシング等の後工程を実施することで、図14,15に示す半導体センサ2の製造が完了する。
以上のように製造される半導体センサ2は、例えば図21に示すように、接着剤Gをスペーサ突起部13に接触させることなく、ベース材Pの表面P1に固定することができる。
すなわち、半導体センサ2をベース材Pの表面P1に配置する際には、応力緩和突起部15の先端面がスペーサ突起部13と同様にベース材Pの表面P1に当接する。
ここで、接着剤Gが応力緩和突起部15の窪み部151に入り込むように接着剤Gの塗布領域を予め設定しておけば、半導体センサ2をベース材Pの表面P1に配置した状態において、接着剤Gは窪み部151内に保持され、スペーサ突起部13に触れることがない。したがって、応力緩和突起部15は接着剤Gを介してベース材Pに接着されるが、スペーサ突起部13はベース材Pに接着されない。
上記半導体センサ2によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、半導体センサ2を上記のようにベース材Pに固定した状態では、半導体センサ2及びベース材Pの熱膨張係数が異なっていても、半導体センサ2の特性が変化することを抑制できる。すなわち、前記熱膨張係数の差に基づいて枠体部Sとベース材Pとの間に応力が発生しても、剛性の低い材料からなる応力緩和突起部15が変形することで、この応力を緩和することができる。一方、スペーサ突起部13はベース材Pに接着されていないため、この応力緩和を阻害することは無い。したがって、半導体センサ2及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、半導体センサ2の特性が変化することを抑制できる。
さらに、応力緩和突起部15は、スペーサ突起部13と同様に半導体プロセスによって形成されるため、その突出高さを高い精度で調整することができる。また、応力緩和突起部15の突出高さをスペーサ突起部13の突出高さに容易に揃えることができる。
なお、応力緩和用凹部形成工程及び応力緩和突起部形成工程は、上記第2実施形態のタイミングで実施されることに限らず、少なくとも凹部形成工程の実施前からスペーサ突出工程の実施前までの間に実施されればよい。
例えば、上記第2実施形態と同様に応力緩和用凹部形成工程及び凹部形成工程を同時に実施した後に、スペーサ形成工程を実施してスペーサ突起部13を形成し、次いで、応力緩和突起部形成工程及び窪み部形成工程を続けて実施して応力緩和突起部15を形成し、その後、スペーサ突出工程においてこれらスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の一部を単結晶シリコン層111から突出させてもよい。
また、例えば、凹部形成工程及びスペーサ形成工程を続けて実施してスペーサ突起部13を形成した後に、応力緩和用凹部形成工程、応力緩和突起部形成工程及び窪み部形成工程を続けて実施して応力緩和突起部15を形成し、その後、スペーサ突出工程においてこれらスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の一部を単結晶シリコン層111から突出させてもよい。
また、例えば、応力緩和用凹部形成工程、応力緩和突起部形成工程及び窪み部形成工程を続けて実施して応力緩和突起部15を形成した後に、凹部形成工程及びスペーサ形成工程を続けて実施してスペーサ突起部13を形成し、スペーサ突出工程においてこれらスペーサ突起部13及び応力緩和突起部15の一部を単結晶シリコン層111から突出させてもよい。
また、上述した第2実施形態の半導体センサ2において、応力緩和突起部15は、平面視環状に形成されることに限らず、少なくとも半導体センサ2がベース材Pに安定して接着されるように形成されていればよい。
したがって、応力緩和突起部15は、例えば図22,23に示すように、枠体部Sの下面113の周方向にわたって互いに間隔をあけて複数配列されていてもよい。なお、互いに隣り合う応力緩和突起部15の間隔は、全て等しくしてもよいし、異ならせてもよい。
また、例えば図22に示すように、各応力緩和突起部15Cが枠体部Sの下面113の各角部に形成されてもよいし、例えば図23に示すように、各応力緩和突起部15Dが枠体部Sの各辺に沿って直線状に形成されてもよい。
また、応力緩和突起部15は、スペーサ突起部13よりも枠体部Sの下面113の内縁側に配されることに限らず、例えば枠体部Sの下面113の外縁側に配されてもよい。さらに、応力緩和突起部15は、例えば図24,25に示すように、2つのスペーサ突起部13A,13Bによって挟み込まれるように配されてもよい。なお、これら2つのスペーサ突起部13A,13Bは、例えば枠体部Sの下面113の周方向にわたって分割して形成されていてもよい。
上記構成の場合には、半導体センサ2及びベース材Pの熱膨張係数の差に基づいて応力緩和突起部15が変形しても、応力緩和突起部15の両側に配された2つのスペーサ突起部13によって枠体部Sの下面113がベース材Pの表面P1に対して傾くことを確実に防止できる。したがって、錘部Mとベース材Pの表面P1との間隔をさらに高い精度で保持することができる。
さらに、図示例のように、スペーサ突起部13が応力緩和突起部15よりも枠体部Sの下面113の内縁側及び外縁側の両方に配されていることで、応力緩和突起部15が変形しても、枠体部Sの下面113がベース材Pの表面P1に対して枠体部Sの内縁側や外縁側に傾くことを防止できるため、可撓部Fが変形することを確実に防いで、半導体センサ2の特性が変化することを防止できる。
また、上記実施形態における応力緩和突起部15は、感光性樹脂R4によって形成されるとしたが、少なくともスペーサ突起部13よりも剛性の低い材料によって形成されていればよい。すなわち、応力緩和突起部15は、スペーサ突起部13よりも容易に弾性変形あるいは塑性変形可能に形成されていればよい。
次に、図26〜32を参照して本発明の第3実施形態に係る半導体センサについて説明する。なお、この第3実施形態の半導体センサのうち、第1,第2実施形態の半導体センサ1,2の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図26,27に示すように、本実施形態に係る半導体センサ3は、第2実施形態と同様のスペーサ突起部13を備え、第2実施形態の応力緩和突起部15の代わりに、窪み部151を有さない応力緩和突起部16を備えている。なお、環状のスペーサ突起部13は、応力緩和突起部16よりも枠体部Sの下面113の径方向外縁側に配されている。
応力緩和突起部16は、応力緩和突起部15と同様にスペーサ突起部13よりも剛性の低い樹脂材料からなり、枠体部Sの下面113からスペーサ突起部13と同等の突出高さで突出している。なお、図示例において、応力緩和突起部16は枠体部Sの下面113から垂直に突出しているが、例えば傾斜状態で突出していてもよい。
また、応力緩和突起部16は、平面視矩形の環状に形成された枠体部Sの下面113に倣って平面視矩形環状に形成されており、枠体部Sの下面113の径方向内縁側及び外縁側に互いに間隔をあけて2つ形成されている。そして、枠体部Sの下面113の内縁側に位置する応力緩和突起部16Bは、枠体部Sの下面113の内縁との間に隙間を有する位置に配されている。
上記構成の半導体センサ3のスペーサ突起部13及び応力緩和突起部16は、前述した第2実施形態の場合と同様に形成することが可能であるが、ここでは、図28〜31を参照して、図16〜20に対応する作成手順を一例として説明する。
はじめに図28に示すように、凹部形成工程と同時に、枠体部Sの厚さ方向の一端側をなすSOIウエハ10の底面に応力緩和用凹部H6,H7を形成する応力緩和用凹部形成工程を実施する。
すなわち、単結晶シリコン層111の底面111bに、スペーサ用凹部H4及び2つの応力緩和用凹部H6,H7を形成するためのパターンを有する第1保護膜R1を形成した上で、第1実施形態と同様の異方性エッチングにより、ベースウエハ11にスペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H6,H7を形成する。これらスペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H6,H7は、それぞれスペーサ突起部13及び応力緩和突起部16A,16Bの形状に倣って平面視矩形の環状に形成されており、応力緩和用凹部H6,H7はスペーサ用凹部H4よりも単結晶シリコン層111の底面111bの径方向内側に配されている。また、スペーサ用凹部H4に隣り合う応力緩和用凹部H6は、単結晶シリコン層111の底面111bを、スペーサ用凹部H4が形成される領域と形成されない領域とに区画している。
スペーサ用凹部H4及び応力緩和用凹部H6,H7が形成された後には、第1保護膜R1を除去する。
その後、図29に示すように、単結晶シリコン層111の底面111b上に樹脂材料としての感光性樹脂R4を塗布することで、感光性樹脂R4を応力緩和用凹部H6,H7に充填して応力緩和突起部16A,16Bを形成する応力緩和突起部形成工程を実施する。
そして、露光現像によりスペーサ用凹部H4に充填された感光性樹脂R4を除去した後に、スペーサ用凹部H4に金属材料14若しくはセラミックス系材料を堆積・充填して金属材料14あるいはセラミックス系材料からなるスペーサ突起部13を形成するスペーサ形成工程を実施する。
また、スペーサ形成工程においては、金属材料14あるいはセラミックス系材料の堆積・充填後に、図30に示すように、研磨により単結晶シリコン層111の底面111b上に堆積された不要な感光性樹脂R4及び金属材料14あるいはセラミックス系材料を除去する。この状態においては、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部16の先端面が単結晶シリコン層111の底面111bと共に同一平面をなしている。
そして、図31に示すように、単結晶シリコン層111をその底面111bから掘り込んで、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部16の一部を単結晶シリコン層111から突出させるスペーサ突出工程を実施することで、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部16の形成が完了する。
最後に、第1実施形態の図8と同様に、枠体部S、錘部M及び可撓部Fを形成するセンサ形成工程を実施し、さらに、ダイシング等の後工程を実施することで、図26,27に示す半導体センサ3の製造が完了する。
以上のように製造される半導体センサ3は、例えば図32に示すように、接着剤Gをスペーサ突起部13に接触させることなく、ベース材Pの表面P1に固定することができる。すなわち、半導体センサ2をベース材Pの表面P1に配置する際には、2つの応力緩和突起部16A,16Bの先端面がスペーサ突起部13と同様にベース材Pの表面P1に当接する。
ここで、接着剤Gが2つの応力緩和突起部16A,16Bの間に入り込むように、すなわち、接着剤Gが枠体部Sの下面113のうちスペーサ突起部13が形成されていない領域に入り込むように接着剤Gの塗布領域を予め設定しておけば、半導体センサ2をベース材Pの表面P1に配置した状態において、接着剤Gは2つの応力緩和突起部16A,16Bの間に保持され、スペーサ突起部13に触れることがない。したがって、2つの応力緩和突起部16A,16Bは接着剤Gを介してベース材Pに接着されるが、スペーサ突起部13はベース材Pに接着されない。
上記半導体センサ3によれば、第2実施形態と同様の効果を奏する。
例えば、相互に熱膨張係数が異なる半導体センサ3及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、応力緩和突起部16が変形することで、枠体部Sとベース材Pとの間に生じる応力を緩和することができる。一方、スペーサ突起部13はベース材Pに接着されていないため、この応力緩和を阻害することは無い。したがって、半導体センサ3及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、半導体センサ3の特性が変化することを抑制できる。
また、応力緩和突起部16は、スペーサ突起部13と同様に半導体プロセスによって形成されるため、その突出高さを高い精度で調整することができる。また、応力緩和突起部16の突出高さをスペーサ突起部13の突出高さに容易に揃えることができる。
なお、上記第3実施形態において、スペーサ突起部13は、2つの応力緩和突起部16よりも枠体部Sの下面113の径方向外縁側のみに形成されるとしたが、例えば図33に示すように、2つの応力緩和突起部16A,16Bを挟み込むように、枠体部Sの下面113の径方向外縁側及び内縁側の両方に形成されていてもよい。この構成では、図24,25に示す構成と同様に、半導体センサ2及びベース材Pの熱膨張係数の差に基づいて応力緩和突起部16が変形しても、枠体部Sの下面113がベース材Pの表面P1に対して傾くことを確実に防止できる効果を奏する。
応力緩和突起部16の形態は、上記実施形態のものに限らず、少なくとも接着剤Gをスペーサ突起部13に接触させないように配されていればよい、すなわち、枠体部Sの下面113を、スペーサ突起部13が形成された領域と、スペーサ突起部13が形成されていない領域とに区画するように配されていればよい。
すなわち、スペーサ突起部13よりも枠体部Sの下面113の内縁側及び外縁側のいずれか一方に、枠体部Sの下面113の平面視形状に倣う環状の応力緩和突起部16が1つだけ形成されていてもよい。なお、例えば図34に示すように、環状の応力緩和突起部16がスペーサ突起部13よりも枠体部Sの下面113の内縁側に配されている場合には、応力緩和突起部16よりも枠体部Sの下面113の内縁側に接着剤Gを塗布すれば、接着剤Gがスペーサ突起部13に接触することを防止できる。
また、例えば図26,27に示す2つの応力緩和突起部16A,16Bの間にスペーサ突起部13が配されてもよい。さらに、応力緩和突起部16は、例えば図22,23に示す応力緩和突起部15と同様に、上記第3実施形態よりも小さな平面視環状に形成されていてもよいし、例えば枠体部Sの下面113の周方向にわたって互いに間隔をあけて配列された複数のスペーサ突起部13(図12,13参照)を個別に囲む平面視環状に形成されてもよい。
また、応力緩和突起部16は、第2実施形態の応力緩和突起部15と同様に、その先端面から窪む窪み部を有していても構わない。
次に、図35〜37を参照して本発明の第4実施形態に係る半導体センサについて説明する。なお、この第4実施形態の半導体センサのうち、第1〜第3実施形態の半導体センサ1〜3の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図35に示すように、本実施形態に係る半導体センサ4は、第3実施形態の半導体センサ3と同様に、枠体部Sの下面113の平面視形状に倣う平面視矩形の環状に形成されたスペーサ突起部13及び応力緩和突起部17を備えている。
ただし、この半導体センサ4においては、応力緩和突起部17が1つだけ形成されている点、及び、枠体部Sの下面113から突出する応力緩和突起部17の突出高さがスペーサ突起部13よりも高い点で第3実施形態の半導体センサ3の構成と異なる。なお、図示例においては、応力緩和突起部17がスペーサ突起部13よりも枠体部Sの下面113の内縁側に配されているが、例えばスペーサ突起部13よりも下面113の外縁側に配されていてもよい。
次に、上記構成の半導体センサ4のスペーサ突起部13及び応力緩和突起部17の形成手順について、図36,37を参照して説明する。なお、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部17は、一部の工程を除いて第2,第3実施形態の場合と同様の工程により形成できるため、相違する工程を除いて図示を省略する。
スペーサ突起部13及び応力緩和突起部17を形成する際には、はじめに、第2実施形態の図16や第3実施形態の図28と同様に、SOIウエハ10の底面にスペーサ用凹部H4を形成する凹部形成工程と、SOIウエハ10の底面に応力緩和用凹部H6を形成する応力緩和用凹部形成工程とを同時に実施する。
次いで、第2実施形態の図17〜19や第3実施形態の図29,30と同様に、感光性樹脂を応力緩和用凹部H6に充填して応力緩和突起部17を形成する応力緩和突起部形成工程、及び、スペーサ用凹部H4に金属材料若しくはセラミックス系材料を堆積・充填して金属材料あるいはセラミックス系材料からなるスペーサ突起部13を形成するスペーサ形成工程を順番に実施する。また、スペーサ形成工程においては、金属材料若しくはセラミックス系材料の堆積・充填後に、研磨によりSOIウエハ10の底面上に堆積された不要な感光性樹脂及び金属材料あるいはセラミックス系材料を除去する。さらに、この研磨の後には、応力緩和突起部17をポストベーク温度以上に加熱させ、応力緩和突起部17を硬化させる。
その後、第2実施形態の図20や第3実施形態の図31と同様に、SOIウエハ10をその底面から掘り込むことで、図36に示すように、スペーサ突起部13及び応力緩和突起部17の一部をSOIウエハ10の単結晶シリコン層111から突出させるスペーサ突出工程を実施する。これにより、スペーサ突起部13の形成が完了する。
一方、スペーサ突出工程後の応力緩和突起部17は、その突出高さがスペーサ突起部13と同等となっている。そこで、スペーサ突出工程の後に、図37に示すように、応力緩和突起部17の突出長さを延長する突起部延長工程を実施する。
この工程においては、はじめに単結晶シリコン層111の下面111aに感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂が延長部(先端部)17Aとして応力緩和突起部17上にのみ残るようにパターニングする。なお、延長部17Aをなす感光性樹脂は、応力緩和突起部形成工程において応力緩和突起部17を形成する感光性樹脂R4と同一の樹脂材料である。
その後、延長部17Aをポストベーク温度以上に加熱させ、延長部17Aを硬化させる。これにより、延長部17Aがスペーサ突出工程後の応力緩和突起部17に一体化され、延長部17Aの分だけスペーサ突起部13よりも突出高さの高い応力緩和突起部17の形成が完了する。
最後に、第1実施形態の図8と同様に、枠体部S、錘部M及び可撓部Fを形成するセンサ形成工程を実施し、さらに、ダイシング等の後工程を実施することで、図35に示す半導体センサ4の製造が完了する。
以上のように製造される半導体センサ4は、第1〜第3実施形態のように接着剤Gを使用しなくても、ベース材Pの表面P1に固定することができる。
すなわち、上記半導体センサ4を固定するベース材Pには、その表面P1から窪むスペーサ突起部13の先端よりも高く突出する応力緩和突起部17の延長部17Aを挿入して嵌合させる嵌合凹部P2が形成されている。この嵌合凹部P2は、応力緩和突起部17に対応する同一の平面視形状を呈している。すなわち、応力緩和突起部17と同様に平面視矩形環状に形成されている。また、ベース材Pの表面P1に沿う嵌合凹部P2の断面寸法は、応力緩和突起部17の延長部17Aに対して同等あるいは微小に小さく形成されており、これによって延長部17Aを嵌合凹部P2に嵌合させることができる。
なお、図示例においては、嵌合凹部P2の深さ寸法が応力緩和突起部17の延長部17Aと同等に設定されているが、少なくとも応力緩和突起部17の延長部17Aを嵌合した状態においてスペーサ突起部13の先端がベース材Pの表面P1に当接するように設定されていればよい。すなわち、嵌合凹部P2の深さ寸法は、応力緩和突起部17の延長部17Aの突出高さ以上に設定されていればよい。
以上のように形成された嵌合凹部P2に、応力緩和突起部17の延長部17Aを挿入して嵌合させることで、ベース材に対する応力緩和突起部の相対位置が固定されるため、接着剤を用いることなく半導体センサ4をベース材Pの表面P1に固定することが可能となる。また、この嵌合状態においては、スペーサ突起部13の先端がベース材Pの表面P1に当接する。
上記半導体センサ4によれば、応力緩和突起部17の延長部17Aを嵌合凹部P2に嵌合させることで、ベース材Pに対する半導体センサ4の位置決めを容易に行うことができる。また、ベース材Pに対する半導体センサ4の位置決め精度の向上を図ることができる。
一方、応力緩和突起部17の延長部17Aが嵌合凹部P2に嵌合した状態では、スペーサ突起部13の先端がベース材Pの表面P1に当接するため、錘部Mとベース材Pとの間隔を高精度に設定することが可能である。
そして、ベース材Pに固定された半導体センサ4によれば、第2、第3実施形態と同様の効果を奏する。
例えば、熱膨張係数が互いに異なる半導体センサ4及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、嵌合凹部P2の外側に位置する応力緩和突起部17の部分が変形することで、この応力を緩和することができる。したがって、半導体センサ4及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、半導体センサ4の特性が変化することを抑制できる。
また、応力緩和突起部17は、その延長部17Aを含めてスペーサ突起部13と同様に半導体プロセスによって形成されるため、その突出高さを高い精度で調整することができる。
なお、ベース材Pの嵌合凹部P2は、応力緩和突起部17を挿入して嵌合させることを目的としているため、従来のようにベース材Pに錘部Mとの隙間を確保するための凹部を形成する場合と比較して非常に小さくかつ浅く形成できる。また、応力緩和突起部17は半導体センサ4の種類や大きさに関係なく同一形状に形成できるため、ベース材Pの嵌合凹部P2も同一形状に形成することが可能である。したがって、嵌合凹部P2の形成が、前述した従来の凹部のように、ベース材Pに半導体センサ4を固定してなるセンサユニットの小型化・薄型化を阻害することは無く、また、センサユニットの製造が面倒になることも無い。
なお、上記第4実施形態において、スペーサ突起部13は、応力緩和突起部17に対して枠体部Sの下面113の内縁側及び外縁側の一方に配されることに限らず、例えば応力緩和突起部17を挟み込むように下面113の内縁側及び外縁側の両方に配されていてもよい。この構成では、図25,33に示す構成の場合と同様に、半導体センサ4及びベース材Pの熱膨張係数の差に基づいて応力緩和突起部17が変形しても、枠体部Sの下面113がベース材Pの表面P1に対して傾くことを確実に防止できる効果を奏する。
また、スペーサ突起部13は、平面視矩形環状に形成されるとしたが、その平面視形状や数は任意に設定することが可能である。したがって、スペーサ突起部13は、例えば図12,13に示す構成と同様に、枠体部Sの下面113に倣って周方向に分割して形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、応力緩和突起部17の延長部17Aが嵌合凹部P2に対して隙間なく嵌合するとしたが、少なくとも応力緩和突起部17の延長部17Aと嵌合凹部P2との嵌合状態が保持されていればよい。したがって、応力緩和突起部17の延長部17Aを嵌合凹部P2に嵌合した状態において、例えば、相互に対向する応力緩和突起部17の延長部17Aの外面と嵌合凹部P2の内面との間に中空の間隙空間が形成されてもよい。
この間隙空間は、応力緩和突起部17の延長部17Aや嵌合凹部P2の一部に、延長部17Aの外面や嵌合凹部P2の内面から窪む間隙形成用凹部を形成することで構成することが可能である。具体的に説明すると、例えば図38に示すように、応力緩和突起部17が断面矩形の棒状に形成されている場合には、延長部17Aの角部を削り取るように延長部17Aに間隙形成用凹部17Bを形成することで、応力緩和突起部17と嵌合凹部P2との嵌合状態を保持しつつ、各間隙形成用凹部17Bと嵌合凹部P2の内面との間にそれぞれ中空の間隙空間V1を形成することができる。
なお、この間隙形成用凹部17Bは、図示例のように延長部17Aの側面に限らず、これに対向する嵌合凹部P2の側面、あるいは、互いに対向する延長部17Aの下面や嵌合凹部P2の底面から窪むように形成されてもよい。ただし、余分な接着剤を嵌合凹部P2の外側に排出できるように、間隙空間V1は図示例のようにベース材Pの表面P1に開口していることがより好ましい。
上述したように間隙空間V1を形成した場合には、間隙空間V1に接着剤を充填することで、ベース材Pに対する半導体センサ4の固定強度を向上させることができる。また、接着剤が間隙空間V1に保持されることで、接着剤がスペーサ突起部13に触れることを防ぐこともできるため、半導体センサ4及びベース材Pが加熱若しくは冷却されても、半導体センサ4の特性が変化することを抑制できる。さらに、接着剤が枠体部Sの径方向外側及び内側に浸み出すことも防止できる。
そして、応力緩和突起部17は、平面視矩形環状に形成されるとしたが、その平面視形状や数は任意に設定することが可能である。したがって、応力緩和突起部17は、例えばスペーサ突起部13の場合と同様に、枠体部Sの下面113に倣って周方向に分割して形成されていてもよい。この場合、ベース材Pの嵌合凹部P2は、応力緩和突起部17に対応するように周方向に分割されていてもよいが、例えば上記実施形態のように平面視矩形環状に形成されていてもよい。この構成では、周方向に分割された複数の延長部17Aを平面視矩形環状の嵌合凹部P2に挿入して嵌合させた状態で、嵌合凹部P2が複数の延長部17Aによって複数に分割して区画されるため、これら分割された嵌合凹部P2に接着剤を充填することが可能となる。すなわち、この構成では、図38のように間隙空間V1を形成した場合と同様に、ベース材Pに対する半導体センサ4の固定強度を向上できる効果を奏する。
また、応力緩和突起部17の平面視形状は、例えば図22,23,26に示す構成と同様に、枠体部Sの下面113をスペーサ突起部が形成された領域と、スペーサ突起部が形成されていない領域とに区画するように形成されていてもよい。
さらに、枠体部Sの下面113には、第2,3実施形態のようにスペーサ突起部13と同等の突出高さで突出する応力緩和突起部15,16、及び、第4実施形態のようにスペーサ突起部13よりも高く突出する応力緩和突起部17の両方が形成されていてもよい。
さらに、上述した全ての実施形態において、凹部形成工程や応力緩和用凹部形成工程において形成されるスペーサ用凹部H1,H2,H4や応力緩和用凹部H5,H6,H7の深さ寸法は、上記実施形態のものに限らず、例えば単結晶シリコン層111の厚さ寸法と同等に設定されてもよい。すなわち、スペーサ用凹部H1,H2,H4や応力緩和用凹部H5,H6,H7の形成により酸化層112を露出させてもよい。
また、枠体部Sは、平面視矩形の環状に形成されるとしたが、少なくとも平面視環状に形成されていればよく、例えば平面視円環状に形成されていてもよい。また、錘部Mは、円柱状に形成されるとしたが、少なくとも可撓部Fを変形させる程度の慣性力が作用する重さを有していれば、任意の形状に形成されていてよい。
さらに、可撓部Fは、平面視で十文字状に形成されるとしたが、任意の平面視形状に形成されていてよい。すなわち、可撓部Fは、例えば枠体部Sの相対する2つの辺を結ぶように直線状に形成されてもよいし、枠体部Sの内縁の一箇所のみに連結される片持ち梁状に形成されてもよい。また、可撓部Fは、枠体部Sの内縁全体に連結されるダイヤフラム状に形成されてもよい。また、可撓部Fは、酸化層112をエッチングして半導体層12が露出するように形成されてもよい。さらに、可撓部Fは、単結晶シリコン層111に加えて酸化層112の一部をエッチングすることで、可撓部Fにおける酸化層112の厚さ寸法が他の部分における酸化層112の厚さ寸法よりも小さく設定されてもよい。
さらに、本発明は、加速度センサに限らず、角速度センサ、圧力センサ、振動センサ、マイクロフォン等の半導体センサにも広く適用することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1,2,3,4…半導体センサ、10…SOIウエハ、11…ベースウエハ、12…半導体層、13…スペーサ突起部、15…応力緩和突起部、16…応力緩和突起部、17…応力緩和突起部、17A…延長部(先端部)、111…単結晶シリコン層、111a…下面、111b…底面、112…酸化層、113…下面(一端面)、114…下面(一端面)、121…ピエゾ抵抗部(検出手段)、151…窪み部、F…可撓部、G…接着剤、H1,H2,H4…スペーサ用凹部、H3…区画凹部、H5…応力緩和用凹部、H6,H7…応力緩和用凹部、M…錘部、P…ベース材、P1…表面、S…枠体部

Claims (5)

  1. ベース材の表面に固定される半導体センサであって、
    環状の枠体部と、当該枠体部の内側に間隔をあけて配される錘部と、可撓性を有して前記枠体部と前記錘部とを一体に連結する可撓部と、該可撓部の変形又は変位を検出する検出手段と、一部が前記枠体部内に埋設されると共に平面視環状に形成された前記枠体部の一端面から突出するスペーサ突起部とを備え、
    当該スペーサ突起部は、前記枠体部と異なる材料からなり、
    前記スペーサ突起部の先端を前記ベース材の表面に当接させた状態で前記ベース材に固定されることを特徴とする半導体センサ。
  2. 前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が前記スペーサ突起部と同等の突出高さで突出して形成され、
    該応力緩和突起部には、その先端面から窪む窪み部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
  3. 前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が前記スペーサ突起部と同等の突出高さで突出して形成され、
    前記応力緩和突起部は、前記一端面を前記スペーサ突起部が形成された領域と、前記スペーサ突起部が形成されていない領域とに区画するように配されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
  4. 前記一端面に、前記スペーサ突起部よりも剛性の低い材料からなる応力緩和突起部が前記スペーサ突起部よりも高い突出高さで突出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
  5. 環状の枠体部と、当該枠体部の内側に間隔をあけて配される錘部と、可撓性を有して前記枠体部と前記錘部とを一体に連結する可撓部とを備える半導体センサの製造方法であって、
    異方性エッチングにより、前記枠体部の厚さ方向の一端面側をなすシリコンバルクの底面にスペーサ用凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記スペーサ用凹部に前記シリコンバルクと異なる材料を充填して、前記シリコンバルクと異なる材料からなるスペーサ突起部を形成するスペーサ形成工程と、
    エッチングにより、前記シリコンバルクをその底面から掘り込んで、前記スペーサ突起部の一部を前記シリコンバルクから突出させるスペーサ突出工程と、
    異方性エッチングにより、前記シリコンバルクを前記枠体部と前記錘部とに区画する区画凹部を形成することで、前記枠体部、前記錘部及び前記可撓部を形成するセンサ形成工程とを備えることを特徴とする半導体センサの製造方法。
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