JP2010144905A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御レバー37からの制御力で一方のピストン32がシリンダボディ25内に押し戻されたときにシリンダボディ25内の加圧室45への作動油の流入を規制する制御弁51が、加圧室45の作動油流入口46と一方のピストン32との間に摺動自在に嵌合するバルブシート53と、一方のピストン32の戻りに従動してバルブシート53が規定位置に戻されたときにバルブシート53の液通路53aを閉じる弁体55とを備えると共に、バルブシート53には一方のピストン32に凹凸嵌合する摺動ガイド部53dを設ける。
【選択図】図1
Description
デュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、一般に、円筒状のドラム内に、互いに対向して配置されたプライマリシューとセカンダリシューの一対のブレーキシューを備える。プライマリシューは、ドラムの前進回転方向入口側が入力部とされると共に、ドラムの前進回転方向出口側が例えばアジャスタを介してセカンダリシューの入口側に連結される。一方、セカンダリシューの出口側はバッキングプレート上に装備されたアンカ部に当接して、プライマリシュー及びセカンダリシューに作用するアンカ反力を受け止めるようになっている。
(1)本発明に係るドラムブレーキ装置は、一対のブレーキシューを加圧室に供給される作動油圧によって駆動する一対のピストンによって拡開させるホイールシリンダ組立体と、制動トルクに応じた制御力を一方のピストンにフィードバックさせる制御レバーと、を備えると共に、前記ホイールシリンダ組立体内には、前記制御レバーからの制御力で前記加圧室への作動油の流入を規制する制御弁が装備されるドラムブレーキ装置であって、
前記制御弁は、前記加圧室と前記一方のピストンとの間に摺動自在に嵌合すると共に前記一方のピストンとの間に前記加圧室に連通する第1補助加圧室を画成したバルブシートと、前記加圧室と他方のピストンとの間に摺動自在に嵌合したバルブ支持体と、前記バルブシートの摺動方向に沿って摺動可能に前記バルブ支持体に支持されて前記バルブシート上の液通路の開閉を行う弁体と、を備えると共に、前記バルブシートには、前記一方のピストンとの凹凸嵌合により該バルブの摺動方向を規制する摺動ガイド部が設けられ、前記一方のピストンの戻り動作に従動して前記バルブシートが規定位置に押し戻されたとき、前記弁体が前記バルブシートの弁座部に着座して前記加圧室と前記第1補助加圧室とを連通している液通路を閉じることを特徴とする。
前記バルブ位置決めスプリングは、前記バルブ付勢スプリングよりも付勢力が強く設定されることを特徴とする。
換言すれば、ホイールシリンダ組立体は、シリンダボディの両端のシリンダ部にそれぞれピストンを装備すると共に、一対のピストン間に設定される加圧室内に制御弁を装備する構成であるため、従来の軸位置をずらして各ピストン毎に専用のシリンダ部を形成したホイールシリンダ組立体や、制御弁を収容する専用の液室をシリンダ部とは別に並設したホイールシリンダ組立体と比較して、ホイールシリンダ組立体におけるシリンダボディの構造の繁雑化や大型化や重量化を回避することができる。
そして、制動中は、制御レバーを介してピストンに制動トルクに応じた制御力が作用し、制動トルクが規定倍率を超えるときには、制御力により一方のピストンがシリンダボディ内に押し戻されるが、そのピストンの押し戻される動作に従動して、バルブシートが規定位置に押し戻されると、弁体がバルブシートに着座して、加圧室と第1補助加圧室とを連通している液通路を閉じる。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の非制動時におけるホイールシリンダ組立体の縦断面図、図2は図1に示したホイールシリンダの加圧開始時における動作説明図、図3は図1に示したホイールシリンダのトルク制御時の動作説明図である。
なお、図示せぬドラムは、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
シリンダボディ25は、略直管状を呈していて、その一端部側は、セカンダリシュー4に当接する一方のセカンダリピストン32を摺動自在に保持するセカンダリ用シリンダ部35となっている。また、シリンダボディ25の他端部側には、内径がセカンダリ用シリンダ部35に一致する円筒状のプラグ36が嵌合装着されている。このプラグ36は、プライマリシュー3に当接されるプライマリピストン31を摺動保持するプライマリ用シリンダ部34となっている。
また、各ピストン31,32のブレーキシュー側の端部と各シリンダ部34,35との間には、防塵用のブーツ43が装着されている。
加圧室45に摺動可能に接触するバルブ支持体54の外周部にはシール用溝54bが周設され、このシール用溝54bには加圧室45の内周との間の液密性を調整するカップシールである減圧カップ63aが装着されている。この減圧カップ63aは、カップ押え63bによりシール用溝54bに固定されている。
バルブガイド孔54aのバルブシート53側は、拡径して、段差54d(図2参照)が形成されている。そして、段差54dには、ワッシャ67が装着されている。
このようなスプリングの強度設定によって、弁体55は、図2にも示したように、鍔部55eがワッシャ67に当接する位置からプライマリピストン31側にのみ移動可能に、バルブ支持体54に弾性支持されている。
換言すれば、ホイールシリンダ組立体6は、略単一の直管状のシリンダボディ25の両端のシリンダ部34,35にそれぞれピストン31,32を装備すると共に、シリンダボディ25内の一対のピストン31,32間に設定される加圧室45内に制御弁51を装備する構成で、軸位置をずらして各ピストン毎に専用のシリンダ部を形成した従来のホイールシリンダ組立体や、制御弁を収容する専用の液室をシリンダ部とは別に並設していた従来のホイールシリンダ組立体と比較して、ホイールシリンダ組立体6におけるシリンダボディ25の構造の繁雑化や大型化や重量化を回避することができる。
従って、デュオサーボ式のドラムブレーキ装置1において、高い制動力を得ると同時に、制動力を安定させることができる。
しかし、上記のホイールシリンダ組立体6の場合は、バルブシート53には、一方のピストン32との凹凸嵌合によりシリンダボディ25内での摺動方向を規制する摺動ガイド部53dを設けた構成をなしているため、バルブシート53と加圧室45内周面との間の接触面積が不足しても、バルブシート53には摺動方向に延びる十分なガイド長を確保することができる。従って、バルブシート53の摺動性が損なわれることがなく、バルブシート53の摺動性を損なわずに、加圧室45の内周面に摺接するバルブシート53の外周部の寸法を短縮して、シリンダボディ25の小型化を図ることができる。
3 プライマリシュー(ブレーキシュー)
4 セカンダリシュー(ブレーキシュー)
6 ホイールシリンダ組立体
31 プライマリピストン(ピストン)
32 セカンダリピストン(ピストン)
32a 凹部
37 制御レバー
45 加圧室
46 作動油流入口
51 制御弁
53 バルブシート
53a 液通路
53c 弁座部
53d 摺動ガイド部
54 バルブ支持体
55 弁体
56 バルブ付勢スプリング
57 バルブ位置決めスプリング
58 第1補助加圧室
61 第2補助加圧室
Claims (2)
- 一対のブレーキシューを加圧室に供給される作動油圧によって駆動する一対のピストンによって拡開させるホイールシリンダ組立体と、制動トルクに応じた制御力を一方のピストンにフィードバックさせる制御レバーと、を備えると共に、前記ホイールシリンダ組立体内には、前記制御レバーの制御力で前記加圧室への作動油の流入を規制する制御弁が装備されるドラムブレーキ装置であって、
前記制御弁は、前記加圧室と前記一方のピストンとの間に摺動自在に嵌合すると共に前記一方のピストンとの間に前記加圧室に連通する第1補助加圧室を画成したバルブシートと、前記加圧室と他方のピストンとの間に摺動自在に嵌合したバルブ支持体と、前記バルブシートの摺動方向に沿って摺動可能に前記バルブ支持体に支持されて前記バルブシート上の液通路の開閉を行う弁体と、を備えると共に、前記バルブシートには、前記一方のピストンとの凹凸嵌合により該バルブの摺動方向を規制する摺動ガイド部が設けられ、前記一方のピストンの戻り動作に従動して前記バルブシートが規定位置に押し戻されたとき、前記弁体が前記バルブシートの弁座部に着座して前記加圧室と前記第1補助加圧室とを連通している液通路を閉じることを特徴とするドラムブレーキ装置。 - 前記制御弁は、前記バルブ支持体を貫通して他方のピストンに対向する前記弁体の他端部と前記他方のピストンとの間に圧入されて前記弁体を前記バルブシート側に付勢するバルブ付勢スプリングと、前記バルブ支持体と前記バルブシートとの間に圧入されて前記バルブ支持体に着座する基端部で前記弁体の前記バルブシート側への変位を規制するバルブ位置決めスプリングとを備え、
前記バルブ位置決めスプリングは、前記バルブ付勢スプリングよりも付勢力が強く設定されることを特徴とする請求項1に記載のドラムブレーキ装置。
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