JP2010140429A - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定のパスワードによってアクセスが制限された無線タグ以外の使用を阻止する。
【解決手段】無線タグに対するアクセスパスワードを記憶部で記憶する。無線部の無線通信により、応答があった無線タグのアクセスパスワード領域に記憶されているデータを読み取る。読み取ったデータを記憶部で記憶するアクセスパスワードと照合する。読み取ったデータがアクセスパスワードと一致していないとエラーを報知する。
【選択図】 図6
【解決手段】無線タグに対するアクセスパスワードを記憶部で記憶する。無線部の無線通信により、応答があった無線タグのアクセスパスワード領域に記憶されているデータを読み取る。読み取ったデータを記憶部で記憶するアクセスパスワードと照合する。読み取ったデータがアクセスパスワードと一致していないとエラーを報知する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、RFIDラベルを発行するラベル発行装置等に適用される無線通信装置に関する。
近年、メモリを有する電子回路部品であるICチップとアンテナとをフィルム状の基材に内蔵してなる無線タグ、いわゆるRFIDインレットをラベルシールに取り付けたRFIDラベルが注目されている。
特許文献1は、RFIDラベルを順次搬送しながら、そのラベルに付与されたRFIDインレットのメモリに情報を書き込むとともに、そのラベルの表面に情報を印刷するようにしたRFIDラベル発行装置を開示する。
また近年、メモリのデータ領域へのアクセスを同メモリのアクセスパスワード領域に設定されるアクセスパスワードによって制限する無線タグが知られている。
特許文献2は、この種の無線タグを用いた無線タグシステムを開示する。すなわち、無線タグシステムは、無線タグとリーダ・ライタ装置とを有する。リーダ・ライタ装置は、電子鍵を記憶する。無線タグは、タグ固有のキーワードと、そのキーワードと電子鍵とから算出されるパスワードとを記憶する。リーダ・ライタ装置は、無線タグからキーワードを読み出す。そして、読み出したキーワードと自身が記憶している電子鍵とからパスワードを生成して、このパスワードをコマンドとともに無線タグに送信する。無線タグは、リーダ・ライタ装置からコマンド及びパスワードを受信すると、自身が記憶しているパスワードと比較する。そして、両者が一致する場合に、コマンドに対応する処理を行う。
特開2006−079514号公報
特開2007−293443号公報
従来、特許文献1のようなRFIDラベル発行装置においては、使用するRFIDラベルに制限がなく、同一規格のRFIDラベルであれば使用可能である。このため、例えば正規の流通ルートから外れて不正に取引されるRFIDラベルの使用を制限するのが困難である。
そこで、RFIDラベルに組み込まれる無線タグの規格を、特許文献2に記載されているようなパスワード付の無線タグとすることが考えられる。しかし、特許文献2記載の無線タグシステムの場合、パスワードを記憶しておらず、アクセスが制限されていない無線タグに対して、リーダ・ライタ装置は、無制限でデータの書込みや読取りを行うことができる。このため、パスワード付の無線タグを使用するようにしても、それだけでは不正なRFIDラベルの使用を制限することは困難である。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、所定のパスワードによってアクセスが制限された無線タグ以外の使用を阻止できる無線通信装置を提供しようとするものである。
本発明の無線通信装置は、メモリのデータ領域へのアクセスを同メモリのアクセスパスワード領域に設定されるアクセスパスワードによって制限する無線タグと無線通信を行う無線部と、無線タグに対するアクセスパスワードを記憶する記憶部と、無線部の無線通信により、応答があった無線タグのアクセスパスワード領域に記憶されているデータを読み取る読取手段と、この読取手段により読み取ったデータを記憶部で記憶するアクセスパスワードと照合する照合手段と、この照合手段によりデータがアクセスパスワードと一致していないとエラーを報知する報知手段とを備えたものである。
かかる手段を講じた本発明によれば、所定のパスワードによってアクセスが制限された無線タグ以外の使用を阻止できる無線通信装置を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、RFIDラベルを順次搬送しながら、そのラベルに付与されたRFIDインレットのメモリに情報を書き込むとともに、そのラベルの表面に情報を印刷するようにしたRFIDラベル発行装置に、本発明の無線通信装置としての機能を適用した場合である。
なお、この実施の形態は、RFIDラベルを順次搬送しながら、そのラベルに付与されたRFIDインレットのメモリに情報を書き込むとともに、そのラベルの表面に情報を印刷するようにしたRFIDラベル発行装置に、本発明の無線通信装置としての機能を適用した場合である。
はじめに、本実施の形態で使用されるラベル用紙1について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1に示すように、ラベル用紙1は、長尺状の台紙2の表面に、その長手方向に一列に整列させて、多数枚のRFIDラベル3を剥離自在に貼り付けている。RFIDラベル3は、図1のA−A矢視断面を拡大する図2に示すように、ラベルシート4の裏面側(台紙2との接着面側)に、RFIDインレット7を取り付けている。RFIDインレット7は、図1に示すように、フィルム状の基材にICチップ5とアンテナ6とを内蔵しており、無線タグの一種である。RFIDラベル3は、ラベルシート4の表面を情報の印刷面としている。なお、図2において、符号8,9はいずれも接着剤を示している。
RFIDインレット7のICチップ5は、電源生成部,復調部,変調部,メモリ部10(図3を参照)及びこれらを制御する制御部を構成する電子回路部品である。電源生成部は、アンテナ6で受信した変調電波の整流と安定化を行なうことにより各部に電源を供給する。復調部は、アンテナ6で受信した変調電波を復調して制御部へ送出する。変調部は、制御部から送出されたデータを変調してアンテナ6から発信させる。制御部は、復調部で復調されたデータのメモリ部10への書込みや、メモリ部10からデータを読み出して変調部へ送出する。
メモリ部10は、図3に示すように、IDデータ領域11とアクセスパスワード領域12とを有する。IDデータ領域11は、当該RFIDインレット7を個体識別するためのIDデータを記憶する。アクセスパスワード領域12は、メモリ部10へのアクセスを制限するためのパスワードを記憶する。
この種のRFIDインレット7は、メモリ部10のIDデータ領域11及びアクセスパスワード領域12に対してそれぞれ別々に、パスワードによるリードロックまたはライトロックを設定することができる。例えば、IDデータ領域11に対してライトロックが設定されたRFIDインレット7は、無線通信装置から所定のパスワードを受信しない限り、その無線通信装置によるIDデータ領域11へのデータ書込みを禁止する。これに対し、IDデータ領域11に対してライトロックが設定されていないRFIDインレット7は、無線通信装置から所定のパスワードを受信したか否かに拘らず、その無線通信装置によるIDデータ領域11へのデータ書込みを許容する。同様に、例えばアクセスパスワード領域12に対してリードロックが設定されたRFIDインレット7は、無線通信装置から所定のパスワードを受信しない限り、その無線通信装置によるアクセスパスワード領域12のデータ読取りを禁止する。これに対し、アクセスパスワード領域12に対してリードロックが設定されていないRFIDインレット7は、無線通信装置から所定のパスワードを受信したか否かに拘らず、その無線通信装置によるアクセスパスワード領域12のデータ読取りを許容する。
次に、前記ラベル用紙1を使用するRFIDラベル発行装置20について、図4〜図7を用いて説明する。
図4は、RFIDラベル発行装置20の要部構成を示すブロック図である。このRFIDラベル発行装置20は、ラベルホルダ(不図示)を有している。ラベルホルダは、ロール状に巻回されたラベル用紙1を保持する。RFIDラベル発行装置20は、搬送手段(不図示)を有している。搬送手段は、ラベルホルダから繰り出したラベル用紙1を、所定の搬送路に沿って剥離ローラ21に導く。剥離ローラ21に導かれたラベル用紙1は、台紙2のみが剥離ローラ21を巻回する。その結果、ラベル用紙1からRFIDラベル3が剥離する。剥離ローラ21で剥離されたRFIDラベル3は、ラベル発行口(不図示)から排出される。剥離ローラ21を巻回した台紙2は、巻取ローラ(不図示)によって巻き取られる。
RFIDラベル発行装置20は、ラベルホルダから剥離ローラ21までの搬送路上に、RFIDリーダ・ライタ22用のアンテナ23と、ラベルセンサ24と、印刷ヘッド25とを、ラベル用紙1の長手方向の一方向である搬送方向の上流側、すなわちラベルホルダ側から下流側、すなわち剥離ローラ21側に向けて順に設けている。
アンテナ23は、RFIDリーダ・ライタ22の制御により、RFIDインレット7との間で電波の送受信を行う。RFIDリーダ・ライタ22は、アンテナ23から放射される電波が到達し得る交信領域内に存在するRFIDインレット7と、電波を利用して無線通信を行う。ここに、RFIDリーダ・ライタ22とアンテナ23とは、無線部を構成する。
ラベルセンサ24は、ラベルホルダから繰り出されたラベル用紙1から、アンテナ23の交信領域内に導かれたRFIDラベル3を検出する。ラベルセンサ24は、例えば、図4に示す位置でRFIDラベル3の先端エッジを光学的に検知すると、RFIDラベル3を検出したものとみなす。
印刷ヘッド25は、ヘッド駆動部26により駆動され、RFIDラベル3の表面であるラベルシート4の印刷面に種々の情報を印刷する。印刷ヘッド25としては、例えばサーマルヘッドが用いられる。
RFIDラベル発行装置20は、前記RFIDリーダ・ライタ22、アンテナ23、ラベルセンサ24、印刷ヘッド25、ヘッド駆動部26の他、操作パネル27、通信インターフェイス28、搬送系駆動部29及び記憶部30と、これらを制御する制御部31とを備えている。操作パネル27は、各種のキーや表示部を備える。通信インターフェイス28は、パーソナルコンピュータ等の外部装置とのデータ通信を司る。搬送系駆動部29は、ラベルホルダにセットされたラベル用紙1を長手方向の一方向及びその逆方向へ搬送する搬送機構と、台紙2を巻き取る巻取ローラの駆動機構とを制御する。
記憶部30は、ラベル発行データを記憶する。ラベル発行データは、RFID書込データと、ラベル印字データと、発行枚数データとを含む。RFID書込データは、RFIDインレット7のメモリ部10(IDデータ領域11)に書き込むべき情報である。ラベル印字データは、RFIDラベル3の印刷面に印刷するべき情報である。
また記憶部30は、図5に示すように、パスワードの設定エリア41と、有効/無効フラグの設定エリア42とを有している。設定エリア41は、RFIDインレット7に対するアクセスパスワードを記憶する。設定エリア42は、パスワード機能が有効のとき“1”にセットされ、無効のとき“0”にリセットされるフラグを記憶する。
かかる構成のラベル発行装置20は、動作モードとして少なくともラベル発行モードとシステムモードとを有している。操作パネル27の操作入力により、ラベル発行装置20は、いずれかの動作モードを選択可能である。
ラベル発行モードが選択されているとき、外部装置から通信インターフェイス28を介してラベル発行ジョブを受信すると、制御部31は、このジョブに含まれているラベル発行データを記憶部30で記憶する。しかして制御部31は、図6の流れ図に示す手順のラベル発行処理を開始する。
先ず、制御部31は、ST(ステップ)1としてパスワード機能が有効であるか否かを判別する。設定エリア42のフラグが“0”にリセットされていると、制御部31は、パスワード機能が無効であると認識する(ST1のNO)。この場合、制御部31は、パスワード機能未設定時の処理を実行する。この処理は、従来と同様なので、ここでの説明は省略する。
設定エリア42のフラグが“1”にセットされていると、制御部31は、パスワード機能が有効であると認識する(ST1のYES)。この場合、制御部31は、ST2としてアクセスパスワードが設定されているか否かを判断する。設定エリア41が“0”にクリアされていると、制御部31は、アクセスパスワード未設定と認識する(ST2のNO)。この場合、制御部31は、ST3として、ラベル発行不可を報知する。例えば、操作パネル27の表示部にラベル発行不可を示すメッセージを表示させる。以上で、制御部31は、今回のラベル発行処理を終了する。
設定エリア41にデータが記憶されていると、制御部31は、このデータをアクセスパスワードと認識する(ST2のYES)。この場合、制御部31は、ST4としてラベル用紙1の搬送を開始させるために搬送系駆動部29を制御する。そして、ST5としてラベルセンサ24によりRFIDラベル3が検出されるのを待機する。
搬送系駆動部29の制御により、ラベルホルダから繰り出されたラベル用紙1は、搬送路の上流側から下流側に向けて搬送される。そして、ラベルセンサ24の検知位置にRFIDラベル3の先端が到達してラベルセンサ24がオンすると、制御部31は、RFIDラベル3を検出したと認識する(ST5のYES)。この場合、制御部31は、ST6としてアクセスパスワード領域12の読取コマンドを生成する。そして、このコマンドとともに、パスワード設定エリア41に設定されているアクセスパスワードの無線送信を、RFIDリーダ・ライタ22に指令する(読取手段)。
この指令を受信したRFIDリーダ・ライタ22は、アクセスパスワード付のアクセスパスワード領域読取コマンドをアンテナ23から電波として無線送信する。この電波は、ラベルセンサ24によって検出されたRFIDラベル3のRFIDインレット7で受信可能である。この電波を受信したRFIDインレット7は、アクセスパスワード領域12に対してリードロックが設定されている場合と、設定されていない場合とで処理が異なる。設定されていない場合には、RFIDインレット7は、アクセスパスワード領域12のデータを読み出す。そして、このデータを電波として無線送信する。
これに対し、リードロックが設定されている場合には、RFIDインレット7は、受信コマンドに付加されたアクセスパスワードが、アクセスパスワード領域12内のデータと一致するか比較する。そして、一致した場合のみ、アクセスパスワード領域12のデータを読み出し、このデータを電波として無線送信する。一致しない場合には、コマンドに応答しない。
RFIDインレット7から無線送信される電波は、アンテナ23で受信される。RFIDリーダ・ライタ22は、アンテナ23で受信した電波を解析して、RFIDインレット7からの送信データを読み取る。RFIDリーダ・ライタ22は、RFIDインレット7から読み取ったデータを制御部31に供給する。
アクセスパスワード領域読取コマンドの無線送信をRFIDリーダ・ライタ22に指令した制御部31は、ST7としてアクセスパスワード領域12の読取りが成功したか否かを判断する。無線送信指令後、所定時間内にRFIDリーダ・ライタ22からデータを受取ると、読取りが成功したものと認識する(ST7のYES)。この場合、制御部31は、ST8として読み取ったデータがパスワード未設定を示す“0”であるか否かを識別する。
読み取ったデータが“0”でない場合には(ST8のNO)、通信相手であるRFIDインレット7のアクセスパスワード領域12にアクセスパスワードが設定されている。この場合、制御部31は、ST9としてRFIDインレット7から読み取ったデータ、すなわち当該RFIDインレット7のアクセスパスワード領域12に設定されているアクセスパスワードと、自己のパスワード設定エリア41に設定されているアクセスパスワードとを照合する(照合手段)。そして、ST10として両アクセスパスワードが一致するか否かを判断する。
両アクセスパスワードが一致する場合(ST10のYES)、制御部31は、今回のラベル発行ジョブにより指定された枚数分のRFIDラベル3の発行を制御する。先ず制御部31は、ST11として発行枚数カウンタnを“0”にリセットする。次に、制御部31は、ST12として発行枚数カウンタnを“1”だけカウントアップする。そして、制御部31は、ST13として発行枚数カウンタnがラベル発行ジョブの発行枚数Nを超えたか否を判断する。越えていない場合(ST13のYES)には、制御部31は、ST14としてラベル発行ジョブのRFID書込データを記憶部30から読み出す。そして、このRFID書込データをIDデータ領域11へ書き込むことを指令するIDデータ領域書込コマンドを生成する。そして、このコマンドとともに、パスワード設定エリア41に設定されているアクセスパスワードの無線送信を、RFIDリーダ・ライタ22に指令する(書込手段)。
この指令を受信したRFIDリーダ・ライタ22は、アクセスパスワード付のIDデータ領域書込コマンドをアンテナ23から電波として無線送信する。この電波を受信したRFIDインレット7は、IDデータ領域11に対してライトロックが設定されている場合と、設定されていない場合とで処理が異なる。設定されていない場合には、RFIDインレット7は、受信コマンドに含まれるRFID書込データをIDデータ領域11に書き込む。
これに対し、ライトロックが設定されている場合には、RFIDインレット7は、受信コマンドに付加されたアクセスパスワードが、アクセスパスワード領域12内のデータと一致するか比較する。そして、一致した場合のみ、受信コマンドに含まれるRFID書込データをIDデータ領域11に書き込む。一致しない場合には、RFID書込データの書込みを行わない。
IDデータ領域書込コマンドの無線送信をRFIDリーダ・ライタ22に指令した制御部31は、ST15として同ラベル発行ジョブのラベル印字データを記憶部30から読み出す。そして、RFIDリーダ・ライタ22によってIDデータ領域11にデータが書き込まれたRFIDインレット7を有するRFIDラベル3が印刷ヘッド25による印字位置に搬送されるタイミングで、制御部31は、ヘッド駆動部26の駆動を制御する(印字手段)。この制御により、印刷ヘッド25によってRFIDラベル3の表面にラベル印字データが印字される。
こうして、RFID書込データがRFIDインレット7のIDデータ領域11に書き込まれるとともに、ラベル印字データがラベルシート4の印刷面に印字されたRFIDラベル3は、剥離ローラ21で台紙2から剥離されて発行される。
制御部31は、発行枚数カウンタnを“1”ずつカウントアップする毎に、ST14のRFID書込データ書込処理、及びST15のラベル印字データ印字処理を実行する。そして、発行枚数カウンタnがラベル発行枚数Nを超えたならば(ST13のNO)、制御部31は、ST16としてラベル用紙1の搬送を停止させる。以上で、今回のラベル発行処理を終了する。
なお、アクセスパスワード領域読取コマンドの無線送信をRFIDリーダ・ライタ22に指令したが、所定時間内にRFIDリーダ・ライタ22からデータを受取れなかった場合には、読取りが失敗したものと認識する(ST7のNO)。この場合には、制御部31は、ST17の処理に進む。
また、アクセスパスワード領域12の読取りには成功したが(ST7のYES)、読み取ったデータが“0”であった場合には、RFIDインレット7はアクセスパスワードが未設定であると認識する(ST8のYES)。この場合も、制御部31は、ST17の処理に進む。
さらに、アクセスパスワード領域12から読み取ったデータが“0”ではないが(ST8のNO)、パスワード設定エリア41に設定されているアクセスパスワードと一致しない場合も(ST10のNO)、制御部31は、ST17の処理に進む。
ST17では、制御部31は、ラベル用紙のエラーを報知する(報知手段)。例えば、操作パネル27の表示部に、ラベル用紙のエラーを示すメッセージを表示させる。しかる後、制御部31は、ST16としてラベル用紙1の搬送を停止させて、今回のラベル発行処理を終了する。
このように、本実施の形態のRFIDラベル発行装置20は、パスワード機能が有効のとき、予めパスワード設定エリア41に設定されたアクセスパスワードがアクセスパスワード領域12に記憶されているRFIDインレット7を備えたRFIDラベル3に対してのみ、RFID書込データの書込みとラベル印字データの印字とを実行する。それ以外のRFIDラベル3が使用された場合は、ラベル用紙エラーを報知する。
したがって、RFIDラベル発行装置20では、予めパスワード設定エリア41に設定されたアクセスパスワードがアクセスパスワード領域12に記憶されているRFIDインレット7を備えたラベル用紙1のみ使用することができる。たとえ、アクセスパスワード領域12にアクセスパスワードが設定されておらず、IDデータ領域11に対するデータの書込みがロックされていない同一規格のラベル用紙であっても、使用することはできない。
通常、正規の流通ルートから外れて不正に取引されるRFIDラベルの製造業者は、アクセスパスワードを知ることはできない。したがって、この種の不正なRFIDラベルの使用を確実に阻止することができる。
ところで、RFIDラベル発行装置20は、有効なラベル用紙1のアクセスパスワードが変更される毎に、パスワード設定エリア41で記憶するアクセスパスワードを設定し直す必要がある。このアクセスパスワードの変更は、RFIDラベル発行装置20の動作モードをシステムモードに設定することで可能となる。
システムモードが選択されると、制御部31は、図7の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ず、制御部31は、ST21としてアクセスパスワードの設定変更が指令されたか否かを判断する。アクセスパスワード以外のシステム変更が指令された場合には(ST21のNO)、制御部31は、指令された処理を実行する。アクセスパスワードの設定変更が指令された場合には(ST21のYES)、制御部31は、ST22として予め固定的に設定されたアクセスパスワード設定用パスワードの入力を待機する。このパスワードは、特定のオペレータ、例えばメーカの保守点検員のみが知り得るセキュリティ性の高いものである。
ST23として、例えば操作パネル27の操作入力によりパスワードが入力されると、制御部31は、ST24として入力パスワードがアクセスパスワード設定用パスワードと一致するか照合する(認証手段)。一致しないと、制御部31は、入力パスワードは不当であると認識する(ST24のNO)、この場合、制御部31は、今回の処理を終了する。
入力パスワードがアクセスパスワード設定用パスワードと一致すると、制御部31は、入力パスワードは正当であると認識する(ST24のYES)。この場合、制御部31は、ST25としてアクセスパスワード機能を有効とするか無効とするかの設定入力を待機する。
例えば操作パネル27の操作入力により有効とする旨の入力があると(ST26のYES)、制御部31は、ST27としてアクセスパスワードの入力を待機する。そして、ST28として例えば操作パネル27の操作入力によりアクセスパスワードが入力されたならば、制御部31は、ST29として入力されたアクセスパスワードをパスワード設定エリア41に上書きする(設定手段)。また、設定エリア42のフラグを、有効を示す“1”にセットして、今回の処理を終了する。
一方、例えば操作パネル27の操作入力により無効とする旨の入力があった場合には(ST26のNO)、制御部31は、ST31として設定エリア42のフラグを、無効を示す“0”にリセットして、今回の処理を終了する。
このように本実施の形態においては、パスワード設定エリア41で記憶するアクセスパスワードを適宜変更することができる。ただし、アクセスパスワードを変更できるのは、アクセスパスワード設定用パスワードを知り得る人物に限られる。
RFIDラベル発行装置20のユーザがパスワード設定エリア41で記憶するアクセスパスワードを無制限で変更できてしまっては、正規の流通ルートから外れて不正に取引されるRFIDラベルの使用を制限できなくなる。本実施の形態では、アクセスパスワード設定用パスワードを知り得る人物のみアクセスパスワードを変更できるので、不正なRFIDラベルの使用を確実に阻止することができる。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、複数枚のRFIDラベル3を発行する際に、1枚目のRFIDラベル3に組み込まれたRFIDインレット7が、該当するアクセスパスワードによってアクセスが制限されたものか否かを判別し、アクセスが制限されている場合に限り、指定枚数のラベル発行を連続して制御するようにしたが、RFIDラベル1枚毎に、そのRFIDラベルに組み込まれたRFIDインレット7が、該当するアクセスパスワードによってアクセスが制限されたものか否かを判別してもよい。
また、前記実施の形態では、アクセスパスワードが一致しないときにエラーを報知する報知手段をエラーメッセージの表示手段としたが、報知手段はこれに限定されるものではない。例えば、ブザー音を鳴動させて、エラーであることを知らせるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、RFIDラベル3を発行するRFIDラベル発行装置20に本発明を適用したが、本発明は、RFIDラベル発行装置20に限定されるものではない。アクセスパスワード機能を有した無線タグに対し、無線通信を利用してデータの書込みや読取りを行う無線通信装置全般に適用できるものである。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
1…ラベル用紙、3…RFIDラベル、7…RFIDインレット、22…RFIDリーダ・ライタ、23…アンテナ、24…ラベルセンサ、25…印刷ヘッド、26…ヘッド駆動部、27…操作パネル、28…通信インターフェイス、29…搬送系駆動部、30…記憶部、31…制御部。
Claims (5)
- メモリのデータ領域へのアクセスを同メモリのアクセスパスワード領域に設定されるアクセスパスワードによって制限する無線タグと無線通信を行う無線部と、
前記無線タグに対するアクセスパスワードを記憶する記憶部と、
前記無線部の無線通信により、応答があった無線タグのアクセスパスワード領域に記憶されているデータを読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取ったデータを前記記憶部で記憶するアクセスパスワードと照合する照合手段と、
この照合手段により前記データが前記アクセスパスワードと一致していないとエラーを報知する報知手段と、
を具備したことを特徴とする無線通信装置。 - 前記照合手段により前記データが前記アクセスパスワードと一致することを条件に、前記無線部を介して前記応答があった無線タグのデータ領域への書込みを実行する書込手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。 - 前記読取手段は、前記記憶部で記憶するアクセスパスワードを使用して前記無線タグのデータ領域へのアクセス制限を解除した上で同無線タグのアクセスパスワード領域に記憶されているデータを読み取ることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
- 前記記憶部にアクセスパスワードを設定する設定手段と、
この設定手段の起動を認証する認証手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1記載の無線通信装置。 - 前記無線タグは、一方の面を印字面とし、他方の面を接着面とするラベルシートに貼り付けられるインレット状をなしており、
前記照合手段により前記データが前記アクセスパスワードと一致することを条件に、前記印字面にデータを印字する印字手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1記載の無線通信装置。
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