JP2010138384A - 封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用液状エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置およびウエハーレベルチップサイズパッケージ - Google Patents

封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用液状エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置およびウエハーレベルチップサイズパッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】反りが小さく、耐湿信頼性に優れる封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びこれにより封止された素子を備えた電子部品装置およびウエハーレベルチップサイズパッケージを提供する。
【解決手段】少なくとも液状エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム微粒子及び無機充填剤を含むエポキシ樹脂組成物が、特定のポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物、より具体的には、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン硬化剤、(C)両側にポリエステルブロック構造(末端:ヒドロキシ基)を持ったポリシロキサン化合物、(D)ゴム微粒子、(E)無機充填剤、(F)カップリング剤、(G)有機溶剤を含有することを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用液状エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置およびウエハーレベルチップサイズパッケージに関する。
近年、電子部品装置の低コスト化、小型・薄型・軽量化、高性能・高機能化を図るために素子の配線の微細化、多層化、多ピン化、パッケージの小型薄型化による高密度実装化が進んでいる。これに伴い、ICの素子とほぼ同じサイズの電子部品装置、すなわち、CSP(Chip Size Package)が広く用いられている。
その中で、ウエハー段階で樹脂封止を行うウエハーレベルチップサイズパッケージが究極のパッケージとして注目されている。このウエハーレベルチップサイズパッケージでは、ウエハー段階で、固形のエポキシ樹脂組成物を用いたコンプレッション成型や、液状のエポキシ樹脂組成物を用いた印刷成形により多数の素子を一度に封止し個片化するため、素子を個片化してから封止する方法に比べ大幅な生産合理化が可能となる。しかしながら、封止したウエハーが反りやすく、この反りがその後の搬送、研削、検査、個片化の各工程で問題となっており、デバイスによっては素子特性に変動が生じる問題がある。
一方、従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性にバランスがとれているためである。ウエハーの反りは、このエポキシ樹脂組成物の成形収縮や、シリコンウエハーとエポキシ樹脂組成物の熱膨張係数のミスマッチによって発生する応力が影響するものであり、パッケージの信頼性も低下させる恐れがある。そのため、このような用途に用いるエポキシ樹脂組成物には低応力化が必要となり、無機充填剤を高充填し熱膨張係数を小さくし、かつ、可撓化剤や可撓性樹脂を用い弾性率を小さくすることが有効とされている。
例えば、特許文献1では、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、シリコーンゴム微粒子、シリコーン変性エポキシ樹脂、芳香族アミン硬化剤、無機充填剤、有機溶剤を含有した封止用液状エポキシ樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2では、液状エポキシ樹脂、芳香族アミン硬化剤、固形シリコーン重合体のコアと有機重合体のシェルからなるコアシェルシリコーン重合体の微粒子、無機充填剤、有機溶剤を含有した封止用液状エポキシ樹脂組成物が記載されている。このように、従来技術には、封止したウエハーの反りを低減するための封止用液状エポキシ樹脂組成物として、少なくとも液状エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム微粒子及び無機充填剤を含む液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開2007−23272号公報 特開2008−150555号公報
しかしながら、これらシリコーンゴム微粒子及びシリコーン変性エポキシ樹脂を使用した場合は、エポキシ樹脂硬化物の弾性率を下げ低応力化が図れるものの、より一層薄いシリコンウエハーや12インチサイズの大型シリコンウエハーの反りを十分に小さくすることができない問題が生じる場合がある。ウエハーは更なるコストダウンやパッケージの薄型化を図るため益々径が大きく、厚みは薄くなる傾向にあり、これらのウエハーの反りを小さくすることが必要である。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、薄型シリコンウエハーや大型シリコンウエハーの低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、また、耐湿性等の信頼性も低下しにくい封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
1.少なくとも液状エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム微粒子及び無機充填剤を含むエポキシ樹脂組成物が、さらに下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物。
Figure 2010138384

(構造式中、lは1〜200の整数、m+mは2〜400の整数。Rは、炭素数1〜10のアルキレン基。RおよびRは、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、エポキシ基を有する1価の有機基、カルボキシル基を有する1価の有機基又は炭素数3〜500のポリアルキレンエーテル基。Rは、炭素数1〜10の2価の炭化水素基。)
2.(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン硬化剤、(C)前記の一般式(1)で示される化合物、(D)ゴム微粒子、(E)無機充填剤、(F)カップリング剤、(G)有機溶剤を含有することを特徴とする前記1に記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
3.前記の一般式(1)で示される化合物の数平均分子量Mnが、3000〜10000である前記1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
4.前記の液状エポキシ樹脂100重量部に対して、前記の一般式(1)で示される化合物が5〜40重量部である前記1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
5.前記のゴム微粒子が、シリコーンゴム微粒子である前記1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
6.前記のシリコーンゴム微粒子が、液状エポキシ樹脂中でアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋生成させたものである前記5記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
7.前記のシリコーンゴム微粒子が、固形シリコーン重合体のコアと有機重合体のシェルからなるコアシェルシリコーン重合体の微粒子である前記5記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
8.前記のコアシェルシリコーン重合体の微粒子が、[RSiO3/2]及び/又は[SiO4/2]からなる単位を有する、[RR’SiO2/2]単位(ここで、Rは炭素数6以下のアルキル基、アリール基、又は末端に炭素二重結合を有する置換基であり、R’は炭素数6以下のアルキル基又はアリール基を表す)のシリコーン重合体のコアと、ビニル重合により得られる有機重合体のシェルからなるものである前記7記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
9.前記のビニル重合により得られる有機重合体が、アクリル樹脂又はアクリル樹脂の共重合体である前記8記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
10.前記の液状エポキシ樹脂が、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む前記1〜9のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
11.(B)成分の芳香族アミンが、ジエチルトルエンジアミン又は3,3´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタンである前記2〜10のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
12.(E)無機充填剤の配合割合が、(A)成分〜(F)成分の合計量に対して82〜93質量%である前記2〜11のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
13.前記1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えた電子部品装置。
14.ウエハーレベルチップサイズパッケージの封止に用いられる前記1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
15.前記1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えたウエハーレベルチップサイズパッケージ。
薄型シリコンウエハーや大型シリコンウエハーの低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、また、耐湿性等の信頼性も低下しにくい封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供することが可能となった。
本発明は、少なくとも液状エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム微粒子及び無機充填剤を含む液状エポキシ樹脂組成物から封止されたウエハーについて、従来よりもウエハーの反りを一層低減するために、下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する発明であり、より具体的には、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン硬化剤、(C)下記一般式(1)で示される化合物、(D)ゴム微粒子、(E)無機充填剤、(F)カップリング剤及び(G)有機溶剤を含有する封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。なお、本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物は、常温(25℃)において液状であり、加熱等により硬化し固体となる。
Figure 2010138384
本発明において用いられる(A)液状エポキシ樹脂は、一分子中に1個以上のエポキシ基を有するもので、常温で液状であれば制限はなく、封止用エポキシ樹脂組成物で一般に使用されている液状エポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を代表とするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、p―アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のアミン化合物とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸により酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、流動性、耐熱性、機械的強度のバランスの点からは液状ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂成分全量に対して好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上に設定される。40質量%以上にすることにより、ウエハーの反り低減と所望の弾性率や強度の達成を両立することが容易となる。
また、液状エポキシ樹脂として、シリコーン変性エポキシ樹脂を含むことが好ましい。シリコーン変性エポキシ樹脂は、印刷塗布後の破泡性、脱泡性及び成形時の低応力性を向上することができ、一般式(I)で示されるシロキサン構造を有するものが挙げられる。
Figure 2010138384
ここで一般式(I)中のRはアルキル基又はフェニル基であり、それぞれが同一または一部もしくは全てが異なっている。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。一般式(I)中のnは1以上の整数である。一般式(I)で示されるシロキサン構造を有するシリコーン変性エポキシ樹脂として、工業的に入手可能な市販品としては、KF−105、X22−163A(信越化学工業株式会社製商品名)、ALBIFLEX296、ALBIFLEX348、XP544(Hanse Chemie社製商品名)等がある。
また、その他のシリコーン変性エポキシ樹脂としては、式(I)で示されるシロキサン構造を有するエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等のエポキシ基と反応することができる置換基を有し、かつシロキサン構造を有さない化合物と反応して得られるもの、また、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂のようなシロキサン構造を有さないエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等のエポキシ基と反応することができる置換基を有し、かつ式(I)で示されるシロキサン構造を有する化合物と反応して得られるものが挙げられる。
中でも、下式(II)で示されるエポキシ樹脂とビスフェノール類とを反応したものが好ましい。
Figure 2010138384
ここで一般式(II)中のRはアルキル基又はフェニル基であり、それぞれが同一または一部もしくは全てが異なっている。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。また、nは1以上の整数であり、25以下が好ましく、15以下がより好ましい。式(II)で示されるエポキシ樹脂として工業的に入手可能な市販品としては、KF−105、X22−163A(信越化学工業株式会社製商品名)、TSL9906(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)等があり、エポキシ当量は1000g/eq.以下が好ましく、600g/eq.以下がより好ましい。
反応に用いられるビスフェノール類としては、一分子中にフェノール性水酸基を2個有するものであれば特に制限はなく、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール等の単環二官能フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類、4,4´−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のジヒドロキシフェニルエーテル類及びこれらのフェノール骨格の芳香環に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリール基、メチロール、アリル基、環状脂肪族基等を導入したもの、これらのビスフェノール骨格の中央にある炭素原子に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリル基、置換基のついたアリル基、環状脂肪族基、アルコキシカルボニル基等を導入した多環二官能フェノール類などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン変性エポキシ樹脂は、例えば、式(II)で示されるエポキシ樹脂とビスフェノール類を混合し、必要に応じて、触媒を添加し、更に必要に応じて有機溶剤を添加し加熱反応させることにより得られる。触媒としては以下のものが例示される。1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物、その誘導体、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等。反応する際のエポキシ樹脂とビスフェノール類との当量比は、エポキシ当量/水酸基当量の比が1〜5であることが好ましい。
また、式(II)で示されるエポキシ樹脂中のシロキサン鎖長nが1の短鎖シロキサンのエポキシ樹脂とビスフェノール類の反応から得られるシリコーン変性エポキシ樹脂は、界面活性作用が弱く破泡性に劣る傾向にあり、また低応力性にも劣る傾向にあるため単独で用いるよりも、シロキサン鎖長nが3〜10の長鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂と併用することが好ましい。
この場合は、長鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂と混合したり、ビスフェノール類と反応させる時に、長鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂と一緒に反応させたりする。反応時の長鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂の当量Aと短鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂の当量Bとの当量比A/Bは0.2〜5であることが好ましく、0.3〜3がより好ましい。0.2未満では破泡性、脱泡性、低応力性が不十分となる傾向があり、5を超えると得られたシリコーン変性エポキシ樹脂の反応性が低下する傾向がある。
本発明において用いられる硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、イミダゾール化合物、DBU、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド又は尿素誘導体等の周知のものを1種類又は2種類以上併用して用いることができる。これらの硬化剤の中で、本発明では、アミン化合物、特に芳香族アミンの硬化剤が好適である。(B)芳香族アミン硬化剤としては、特に制限はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に使用されているものを用いることができる。例えば、ジエチルトルエンジアミン、3,3´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジイソプロピル−5,5´−ジメチル−4,4´ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。市販品としては、エピキュアW、エピキュアZ(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、カヤハードA−A、カヤハードA−B、カヤハードA−S、カヤボンドC−200S、カヤボンドC−300S(日本化薬株式会社製商品名)、ARADUR5200 US(バンティコ株式会社製商品名)、MIPA、MEPA(Lonza社製商品名)等が入手可能で、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、反りをより小さく抑える観点からはジエチルトルエンジアミン、3,3´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタンが特に好ましい。
(A)液状エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比は、エポキシ樹脂に対して硬化剤を0.8〜1.4当量の範囲に設定することが好ましく、0.9〜1.2当量がより好ましい。0.8〜1.4当量の範囲からはずれた場合、未反応のアミノ基が存在したり、硬化反応が不十分となったりして信頼性が低下する傾向がある。ここで、芳香族アミンの当量はエポキシ基1個に対しアミノ基の活性水素1個が反応するものとして計算される。
本発明に用いられる(C)下記一般式(1)で示される化合物は、シリコーン可撓化剤である。
Figure 2010138384
一般式(1)中の中、lは1〜200の整数、m+mは2〜400の整数であり、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基であれば良く、分散性の観点から、Rはプロピレン基であることが好ましい。RおよびRは、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、エポキシ基を有する1価の有機基、カルボキシル基を有する1価の有機基又は炭素数3〜500のポリアルキレンエーテル基であれば良く、それぞれが同じ基、または一部もしくは全てが異なる基である。弾性率低減効果の観点からは、アルキル基、アリール基が好ましく、特にメチル基が好ましい。ポリアルキレンエーテル基としては、下記構造式(5)が挙げられる。
Figure 2010138384
ここで、式中mおよびmは、≦20の範囲にあることが好ましく、どちらか一方が0であっても良い。Rは、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
特に分散性の観点からは、炭素数は単一ではなく上記範囲で分布を持っていることが好ましい。このような化合物としては、ワッカー社製SLJ(開発品番)シリーズが入手可能である。分散性が向上し、シリコーンドメインが細かく分散するほど、エポキシ樹脂組成物の弾性率が低減し、応力が低減される利点を有する。
また、上記一般式(1)を構成する下記構造式(2)、(3)のユニット(以下、構造式(2)をユニット(I)、構造式(3)をユニット(II)と表す。)は、弾性率低減、接着性、強度のバランスの観点から、ユニット重量比が(I)/(II):3/7〜7/3が好ましく、重量比が(I)/(II):4/6〜6/4がより好ましく、重量比が(I)/(II):5/5がもっとも好ましい。この範囲外で、(I)ユニット重量が多く存在すると、十分な弾性率低減が図れない傾向にあり、(II)ユニットが多く存在すると、接着性や強度が低下する傾向にある。ここで、ユニットの重量比はH−NMRの測定による各ユニット由来のプロトンの積分値により求めることができる。なお、上記一般式(1)の化合物は、主鎖骨格にユニット(I)及び(II)を有することにより、本発明の効果を有する。
Figure 2010138384
Figure 2010138384
前記(C)化合物は、あらかじめ前記(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤又は(G)有機溶剤に溶解させて用いられる。中でも、溶解性、低粘度及び保存安定性の観点から、(A)エポキシ樹脂として、KF−105、X22−163A(信越化学工業株式会社製商品名)、TSL9906(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)等のシリコーン変性エポキシ樹脂、SR16HL(阪本薬品工業株式会社製商品名)、YED216D(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)等の線状脂肪族エポキシ樹脂、YX8000、YL6753(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)等の脂環族エポキシ樹脂が好ましい。
また、前記(C)化合物の数平均分子量Mnは、弾性率低減やエポキシ樹脂への溶解性の観点からは、3000〜10000が好ましく、4000〜8000がより好ましい。ここで、数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定することで得られる。上記Mnは、GPCとしてポンプ(株式会社日立製作所製L−6200型)、カラム(TSKgel―G5000HXLおよびTSKgel−G2000HXL、いずれも東ソー株式会社製商品名)、検出器(株式会社日立製作所製L−3300RI型)を用い、テトラヒドロフランを溶離液として温度30℃、流量1.0ml/minの条件で測定した。
また(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、前記(C)化合物が5〜40質量%に設定されることが好ましい。5質量%以上では、充分な低応力化が図れ反りが小さくすることができ、40質量%以下であることにより、接着性及び強度を維持しやすくなる。
本発明において用いられる(D)ゴム微粒子としては、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴムなどが挙げられる。中でも、シリコーンゴム微粒子が好ましく、液状エポキシ樹脂中でビニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋形成させたシリコーンゴム微粒子、又はコアシェルシリコーン重合体のシリコーンゴム微粒子がより好ましい。
液状エポキシ樹脂中でヒドロシリル化反応により架橋形成させたシリコーンゴム微粒子は、アミノ基又はエポキシ基と反応することができる官能基を有するものがより好ましい。この官能基は、例えばカルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、チオール基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられ、なかでも、エポキシ基が好ましい。液状エポキシ樹脂中でエポキシ基を付与させたシリコーンゴム微粒子を調製する具体的な例としては、例えば米国特許第4,853,434号公報に開示されているような、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂中で、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、エチレンオキシド鎖を有するエポキシ化アリルアルコール、及びアリルグリシジルエーテルを、ヘキサクロロ白金酸等の白金系触媒存在下、混合後分散装置で分散させ、次いで110℃×2時間攪拌してヒドロシリル化反応架橋させ、エポキシ基を有するシリコーンゴム微粒子を生成したものが挙げられる。このようなシリコーンゴム微粒子の、工業的に入手可能な市販品としては、ALBIDUR EP2240(Hanse Chemie社製商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂中に微粒子が分散している。)等がある。
コアシェルシリコーン重合体のシリコーン微粒子は、固形シリコーン重合体のコアと有機重合体のシェルからなるものである。コアとなるシリコーン重合体は[RR’SiO2/2]単位を有するオルガノポリシロキサンであり、架橋成分として3官能性シロキサン単位([RSiO3/2])あるいは4官能性シロキサン単位([SiO4/2])を用いることが好ましい。これらの3官能または4官能シロキサン成分は0.5〜20モル%が好ましく、さらには3官能シロキサン成分を2〜10モル%使用することが好ましい。3官能または4官能シロキサン成分が多くなるとコアとなるシリコーン重合体の硬度、弾性率が高くなり、目的とする封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率低減、発生応力の低減効果が小さくなってしまう。また、3官能または4官能シロキサン成分が少なくなると、弾性率の低い重合体を得ることができるが、架橋密度が低くなるため、未反応シロキサン成分が多くなる。
コアとなるシリコーン重合体の[RR’SiO2/2]、[RSiO3/2]単位について、R’はメチル基、エチル基等の炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基等のアリール基が好ましく(R’は一種類でも二種以上であっても良い)、低弾性率、コストの点からはメチル基が好ましい。RもR’と同様なアルキル基又はアリール基が好ましい(Rは一種類でも二種以上であっても良く、R’、Rは同種でも異種でも良い)が、少なくとも一部に末端に炭素二重結合を有する置換基を持つことが好ましい。この理由としては、コアを重合させた後、ビニル重合により得られる有機重合体をシェルとして重合を行う際に、コアに含まれる炭素二重結合とシェルの有機重合体がグラフト化することでコア−シェル界面を有機結合により強固に結合できるためである。炭素二重結合を有する置換基としてはビニル基、アリル基、メタクリル基、メタクリロキシ基、またはこれらを末端にもつアルキル基等があげられる。
シェルとなる有機重合体としては、エポキシ樹脂及び/又は芳香族アミン硬化剤と相溶性の良い樹脂であることが好ましい。これを例示すれば、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂やその共重合体などがあげられ、特に、アクリル樹脂又はアクリル樹脂の共重合体が好ましい。アクリル樹脂としてはアクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、アクリルアミド、アクリロニトリルなどの重合物や、一般的に行われるようにスチレンなど他のモノマーとの共重合体があげられる。アクリル樹脂については特に限定するものではないが、強靭性、耐加水分解性の面からポリメタクリル酸エステルが好ましく、さらには価格、反応性を考慮すればポリメタクリル酸メチル及びその共重合体が好ましい。
コアシェルシリコーン重合体のシリコーン微粒子を得る方法としては、乳化重合によりコアとなるシリコーン重合体を合成し、次にアクリルモノマーと開始剤を添加して2段目の重合を行うことでシェルを形成する方法などがある。この場合、1段目の重合に用いるオルガノシロキサンモノマーまたはオリゴマー成分に二重結合を有するシロキサン化合物を適度に配合することで、二重結合を介してアクリル樹脂がグラフト化し、コアとシェルの界面が強固になる。
また、このコアシェルシリコーン重合体のシリコーン微粒子は、予め(A)成分の液状エポキシ樹脂との混合物として配合することが好ましい。混合物を得る方法としては、80〜120℃程度に加熱した(A)成分の液状エポキシ樹脂中に、コアシェルシリコーン重合体の微粒子を攪拌下添加し高速せん断攪拌したり、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、三本ロール等の混練機で混合、分散することができる。
(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、前記(D)ゴム微粒子は、5〜40質量%に設定されることが好ましい。5質量%未満では、十分な低応力化が図れないために反りが大きくなる傾向があり、40質量%を超えると、硬化物の強度や耐湿性が低下する傾向がある。
本発明において用いられる(E)無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、クレー、酸化アルミナ等のアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、充填剤の形状は高充填化及び液状エポキシ樹脂組成物の微細間隙への流動性・浸透性の観点から球形が好ましい。
(E)無機充填剤の平均粒径は、特に球形シリカの場合、1〜15μmの範囲が好ましい。ここで平均粒径は、レーザー回折法による寸法で表示する。平均粒径が1μm未満では液状樹脂へ充填剤を高濃度に分散することが困難になる傾向があり、15μmを超えると粗粒成分が多くなり、微細間隙への充填不足、印刷時のスジ状の不良又は表面平滑性が低下する傾向がある。
(E)無機充填剤の量は、本発明の効果を達成するために、(A)成分〜(F)成分の合計量に対して好ましくは82〜93質量%、より好ましくは85〜91質量%の範囲に設定される。82質量%以上配合することにより熱膨張係数の低減効果が得られ、反りが小さくなる傾向があり、93質量%以下で配合することにより粘度が上昇を押さえることができ、塗布作業性が良好となる。なお、粘度を下げるために添加する(G)有機溶剤の量を増やすとボイドや著しい膜減りなどの不具合を招く傾向がある。
本発明は、樹脂と無機充填剤或いは樹脂と電子部品の構成部材との接着性を強固にするために、通常(F)カップリング剤を配合する。本発明において用いられる(F)カップリング剤としては、特に制限はないが、たとえば、1級及び/又は2級及び/又は3級アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤の配合量は、(E)無機充填剤と(F)カップリング剤の合計量に対して0.1〜2.0質量%が好ましく、0.4〜1.5質量%がより好ましい。0.1質量%未満では充填剤の分散性向上効果が得られない傾向があり、2.0質量%を超えると硬化物中にボイドが発生し易い傾向がある。
本発明において用いられる(G)有機溶剤は、エポキシ樹脂組成物の印刷成形性に最適な粘度及び揺変指数を付与させるための成分である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、印刷成形性に最適な粘度及び揺変指数をエポキシ樹脂組成物の成分の種類と配合量によって調整できる場合は有機溶剤を含まなくても良いが、これらの特性を制御しやすいという点から、通常は有機溶剤を含有する。この有機溶剤としては、加熱硬化時の急激な揮発によるボイド形成を避けたり、印刷作業中での溶剤揮発を抑えたりする点からは沸点が170℃以上のものが好ましく、沸点が200℃以上のものがより好ましい。また、真空印刷により塗膜を形成する場合には、エポキシ樹脂組成物が常時真空下で扱われるため溶剤が徐々に揮発し粘度変化が生じる懸念がある。この場合には、有機溶剤の沸点は240℃〜300℃の範囲のものが好ましい。具体的には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニールエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(G)有機溶剤の量は、(A)成分〜(G)成分の合計量に対して1〜10質量%の範囲に設定されることが好ましく、3〜8質量%がより好ましい。配合量が1質量%未満では粘度が高くなり塗布作業性や印刷性が低下したり、膜の均一性に欠けたり、また未充填が生じやすくなる。10質量%を超えると粘度が下がりすぎ流れやすくなるため、印刷後、樹脂組成物がウエハー裏面へ流れたり、硬化後ボイドや著しい膜減りが発生したりするなどの不具合を招く懸念がある。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には必要に応じて、(A)成分〜(G)成分以外の成分を配合することが好ましい。例えば、IC等の半導体素子の耐マイグレーション性、耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点からは、イオントラップ剤を使用することが好ましい。イオントラップ剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等の元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。具体的には、DHT−4A(協和化学工業株式会社製商品名)、IXE500(東亜合成株式会社製商品名)等がある。イオントラップ剤の配合量は、ハロゲンイオン等の陰イオンやナトリウム等の陽イオンを補足できる十分量であれば特に制限はないが、液状エポキシ樹脂に対して1〜10質量%が好ましい。
その他の添加剤として、硬化促進剤、染料、顔料、カーボンブラック等の着色剤、界面活性剤、酸化防止剤、リン酸エステル、メラミン、メラミン誘導体、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホスファゼン等の燐窒素含有化合物、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、フェロセン等の金属化合物、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、ブロム化エポキシ樹脂などの従来公知の難燃剤などを必要に応じて配合することが好ましい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、上記各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の成分を秤量し、三本ロール、らい潰機、プラネタリーミキサー、ホモミキサー等によって分散混練を行う方法を挙げることができる。また、適当量の液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、コアシェルシリコーン重合体微粒子、無機充填剤、カップリング剤、有機溶剤等の配合成分を予備分散及び予備加熱させたマスターバッチを用いる手法が、均一分散性や流動性の点から好ましい。
本発明で得られる液状エポキシ樹脂組成物により素子を封止して得られる電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハー等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの素子を搭載し、必要な部分を本発明の液状エポキシ樹脂組成物で封止して得られる電子部品装置などが挙げられる。中でも、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は低反り性、高信頼性を要求される電子部品装置に有効であり、特にウエハーレベルチップサイズパッケージに好適である。本発明の液状エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられるが、特に印刷方式が好適である。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
以下の成分をそれぞれ表1及び表2に示す質量部で配合し、三本ロール、次いでらい潰機にて混練分散した後、真空脱泡して、実施例1〜7及び比較例1〜3の封止用液状エポキシ樹脂組成物を作製した。なお、実際の配合は(C)成分及び(D)成分については、表3、4に示すとおり、予め(A)成分等と混合して配合した。
(A)液状エポキシ樹脂として、エポキシ樹脂1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂YDF8170C(東都化成株式会社製商品名)、エポキシ樹脂2:液状ビスフェノールAD型エポキシ樹脂RD710(三井化学株式会社製商品名)、エポキシ樹脂3:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂4:下記製造例1で得たシリコーン変性ポキシ樹脂、エポキシ樹脂5:シリコーン変性ポキシ樹脂ALBIFLEX296(Hanse Chemie社製商品名)、エポキシ樹脂6:シリコーン変性ポキシ樹脂TSL9906(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)、エポキシ樹脂7:線状脂肪族エポキシ樹脂SR16HL(阪本薬品工業株式会社製商品名)、エポキシ樹脂8:脂環族エポキシ樹脂YL6753(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)を使用した。
(製造例1:シリコーン変性エポキシ樹脂)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、エポキシ樹脂KF−105(信越化学工業株式会社製商品名)200g、エポキシ樹脂TSL9906(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)74.8g、テルペンジフェノール YP−90(ヤスハラケミカル株式会社製商品名)67g、触媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 DBU(サンアプロ株式会社製商品名)2.8gをそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、150℃で5時間反応させた。このようにしてエポキシ当量830g/eq.の液状のシリコーン変性エポキシ樹脂を得た。
(B)芳香族アミン硬化剤として、芳香族アミン1(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピキュアW)、及び芳香族アミン2(3,3´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、日本化薬株式会社製商品名カヤハードA−A)を使用した。
(C)化合物として、可撓剤1(ワッカー社製商品名WAXOH350D、数平均分子量Mn6179、化合物を構成するユニット(I)と(II)の重量比(I)/(II)(MPCL/MPDMS)=5/5、lは41、m+mは26、Rはペンタメチレン基−(CH−、R及びRはメチル基、Rはメチレン基−CH−)として入手した。そして、製造例2〜製造例6で得た溶液として使用した(可撓剤混合物1〜5)。
<可撓剤混合物1>(製造例2)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂6を50g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、エポキシ樹脂4を33g、下記有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を50gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
<可撓剤混合物2>(製造例3)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂6を50g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、エポキシ樹脂4を31g、有機溶剤を50gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
<可撓剤混合物3>(製造例4)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂6を50g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、エポキシ樹脂2を25g、有機溶剤を50gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
<可撓剤混合物4>(製造例5)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂7を50g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、有機溶剤を100gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
<可撓剤混合物5>(製造例6)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂8を50g、エポキシ樹脂6を11.5g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、エポキシ樹脂4を50g、有機溶剤を50gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
<可撓剤混合物6>(製造例7)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、可撓剤1を50g、エポキシ樹脂6を50g入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間加熱溶解させた。次いで、エポキシ樹脂4を21g、有機溶剤を50gそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、更に80℃で1時間加熱溶解させた。
(D)ゴム微粒子として、(A)成分の液状エポキシ樹脂の下記の混合物を用いた。
<ゴム微粒子混合物1>
液状ビスフェノール型エポキシ樹脂との混合物として、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋した、エポキシ基を有するシリコーンゴム微粒子が、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂中に分散されている、シリコーンゴム微粒子1含有液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂;混合物1(Hanse Chemie社製商品名ALBIDUR EP2240、シリコーンゴム微粒子含有量40質量%)、
<ゴム微粒子混合物2>
コアシェルシリコーン重合体の微粒子として、コアが3官能シロキサン成分としてメチルトリメトキシシラン3モル%及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2モル%含むジメチル型固形シリコーン重合体で、シェルがポリメチルメタクリレートで構成され、コア/シェル重量比率2/1のコアシェルシリコーン重合体の微粒子が、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂中に分散されている、シリコーンゴム微粒子2含有液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂;混合物2(ワッカー社製商品名M822F、シリコーンゴム微粒子含有量25質量%)を使用した。
(E)無機充填剤として平均粒径6μmの球状シリカ及び平均粒径0.6μmの球状シリカの混合物(平均粒径6μm)、(F)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製商品名KBM403)、(G)有機溶剤として、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、着色剤としてカーボンブラック、イオントラップ剤としてIXE500(東亞合成株式会社商品名)を使用した。
Figure 2010138384
Figure 2010138384
Figure 2010138384

Figure 2010138384
作製した実施例及び比較例の封止用液状エポキシ樹脂組成物を次の各試験により評価した。なお、各種試験用硬化物は、芳香族アミン1を用いる場合は、液状エポキシ樹脂組成物を130℃、1時間、次いで200℃、3時間の加熱条件で、芳香族アミン2を用いる場合は、液状エポキシ樹脂組成物を130℃、1時間、次いで180℃、3時間の加熱条件で作製した。評価結果を表5及び表6に示した。
(1)反り1及び反り2
8インチシリコンウエハー(厚み約730μm)上に、開口197mmφ、厚さ300μmのメタルマスクを用い、印刷成形法により液状エポキシ樹脂組成物を約200μm厚に加熱硬化した。次いで、樹脂硬化物を90μmに、また、ウエハーを230μmにそれぞれ研削し、定盤上にウエハー端部の一箇所を固定し浮上った最大高さ(反り1)を測定した。更に、260℃リフロー炉を通過させた後のウエハーを、同様にして定盤上にウエハー端部の一箇所を固定し浮上った最大高さ(反り2)を測定した。
(2)反り3
12インチシリコンウエハー(厚み約800μm)上に、開口297mmφ、厚さ300μmのメタルマスクを用い、印刷成形法により液状エポキシ樹脂組成物を約170μm厚に加熱硬化した。次いで、定盤上にウエハー端部の一箇所を固定し浮上った最大高さ(反り3)を測定した。
(3)ダイシング性
上記(1)と同様にして作製したシリコンウエハーを、オートマッチックダイシングソーDAD341(ディスコ社製)により5mm角にダイシングし、硬化物の外観及びウエハー断面の顕微鏡観察を行い、外観不良(かけ、クラック等)が生じている試験片の数/測定試験片の数で評価した。
(4)耐湿信頼性
ポリイミドを塗布したシリコンウエハー上に、ライン/スペースが15μm/25μm、厚さ5μmで電解めっきCu膜を櫛歯電極状に形成させたテストエレメントグループ(TEG)を作製した。次いで、櫛歯電極部を液状エポキシ樹脂組成物で約90μmの厚さに硬化・封止したTEGを、85℃、85%RH環境下、5V印加で1000時間導通試験を行い、不良パッケージ数/測定パッケージ数で評価した。
Figure 2010138384
Figure 2010138384
本発明における(C)化合物を含まない比較例1〜3では、反りが大きい。これに対して、本発明の実施例1〜7は、いずれも反りも小さく、ダイシング性、耐湿信頼性にも優れる。
本発明になる封止用液状エポキシ樹脂組成物は、実施例で示したように薄型シリコンウエハーや大型シリコンウエハーに成形しても反りは小さく、高温高湿処理後でも信頼性が高く維持されるので、この液状エポキシ樹脂組成物を用いて封止すれば、ウエハーレベルチップサイズパッケージの製造において搬送、研削、検査、個片化等の各工程の要求を満たすことが可能で、かつ耐リフロー性、耐温度サイクル及び耐湿信頼性に優れるウエハーレベルチップサイズパッケージを得ることができるので、その工業的価値は大である。

Claims (15)

  1. 少なくとも液状エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム微粒子及び無機充填剤を含むエポキシ樹脂組成物が、さらに下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010138384

    (構造式中、lは1〜200の整数、m+mは2〜400の整数。Rは、炭素数1〜10のアルキレン基。RおよびRは、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、エポキシ基を有する1価の有機基、カルボキシル基を有する1価の有機基又は炭素数3〜500のポリアルキレンエーテル基。Rは、炭素数1〜10の2価の炭化水素基。)
  2. (A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン硬化剤、(C)前記の一般式(1)で示される化合物、(D)ゴム微粒子、(E)無機充填剤、(F)カップリング剤及び(G)有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記の一般式(1)で示される化合物の数平均分子量Mnが、3000〜10000である請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記の液状エポキシ樹脂100重量部に対して、前記の一般式(1)で示される化合物が5〜40重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記のゴム微粒子が、シリコーンゴム微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記のシリコーンゴム微粒子が、液状エポキシ樹脂中でアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋生成させたものである請求項5記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記のシリコーンゴム微粒子が、固形シリコーン重合体のコアと有機重合体のシェルからなるコアシェルシリコーン重合体の微粒子である請求項5記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 前記のコアシェルシリコーン重合体の微粒子が、[RSiO3/2]及び/又は[SiO4/2]からなる単位を有する、[RR’SiO2/2]単位(ここで、Rは炭素数6以下のアルキル基、アリール基、又は末端に炭素二重結合を有する置換基であり、R’は炭素数6以下のアルキル基又はアリール基を表す)のシリコーン重合体のコアと、ビニル重合により得られる有機重合体のシェルからなるものである請求項7記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 前記のビニル重合により得られる有機重合体が、アクリル樹脂又はアクリル樹脂の共重合体である請求項8記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  10. 前記の液状エポキシ樹脂が、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む請求項1〜9のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  11. (B)成分の芳香族アミンが、ジエチルトルエンジアミン又は3,3´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタンである請求項2〜10のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  12. (E)無機充填剤の配合割合が、(A)成分〜(F)成分の合計量に対して82〜93質量%である請求項2〜11のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えた電子部品装置。
  14. ウエハーレベルチップサイズパッケージの封止に用いられる請求項1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えたウエハーレベルチップサイズパッケージ。
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