JP2010137486A - 静電アクチュエーター、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び静電デバイス - Google Patents
静電アクチュエーター、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び静電デバイス Download PDFInfo
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Abstract
クチュエーター等を得る。
【解決手段】電極基板10上に形成された固定電極となる電極12の個別電極部12Aと
、個別電極部12Aと所定の距離で対向し、個別電極部12Aとの間で発生した静電気力
により動作する可動電極となる振動板22と、個別電極部12Aを覆う絶縁膜13と、振
動板22の個別電極部12Aと対向する面に直接設けられ、接触による摩耗から絶縁膜1
3を保護する、カーボン系材料からなる表面保護膜23とを備える。
【選択図】図1
Description
等を行う静電アクチュエーター、液滴吐出ヘッド等の静電駆動デバイス等に関するもので
ある。
Electro Mechanical Systems)が急激な進歩を遂げている。微細加工技術により形成され
る微細加工素子の例としては、例えば液滴吐出方式のプリンターのような記録(印刷)装
置で用いられている液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)、マイクロポンプ、光可変
フィルター、モーターのような静電アクチュエーター等がある。
素子)を利用した液滴吐出ヘッドについて説明する。液滴吐出方式の記録(印刷)装置は
、家庭用、工業用を問わず、あらゆる分野の印刷に利用されている。液滴吐出方式とは、
例えば複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドを対象物との間で相対移動させ、対象物の所
定の位置に液滴を吐出させて印刷等の記録をするものである。この方式は、液晶(Liquid
Crystal)を用いた表示装置を作製する際のカラーフィルター、有機化合物等の電界発光
(ElectroLuminescence )素子を用いた表示パネル(OLED)、DNA、タンパク質等
、生体分子のマイクロアレイ等の製造にも利用されている。
の少なくとも一面の壁(ここでは、底部の壁とし、以下、この壁のことを振動板というこ
とにする)を撓ませて(駆動させて)形状変化により吐出室内の圧力を高め、連通する各
ノズルから液滴を吐出させる方法がある。静電アクチュエーターを液滴吐出ヘッドに利用
する場合、可動部位である振動板を変位させる力(エネルギー)として、例えば、振動板
を可動電極とし、振動板と一定距離を空けて個別に対向する固定電極(以下、個別電極と
いう)との間に発生する静電気力(ここでは特に静電引力を用いている。以下、静電力と
いう)を利用している。
極との間に電位差を生じさせ、静電力を発生させて、振動板を個別電極に引きつけて変位
させ当接させる。その後、静電力を弱める、停止させる等すると、形状変化した吐出室(
変位した振動板)が元に戻って平衡状態になろうとする復元力(弾性力)の方が大きくな
るため、振動板が個別電極から離間して変位し、元の位置に戻る。これらを繰り返すこと
で振動板を変位駆動させる。
的に振動板と個別電極とが対向する面に絶縁膜を形成している。ただ、このとき、当接に
よる接触を繰り返すことにより、絶縁膜に電荷が残留していく現象が生じることがある。
絶縁膜に電荷が残留すると、外部からの制御に基づく電荷供給がなくても個別電極と振動
板との間に常に静電力が発生してしまうため、時間経過と共に電荷量が増えると、変位量
、速度の低減等が生じ、駆動に係る特性が変化する。また、場合によっては振動板が貼り
付いてしまうこともある。そこで、個別電極の表面に体積抵抗率が高い保護膜、低い保護
膜の2種類の膜を積層させ、低抵抗の保護膜から導電性材料に電荷を移動させて電荷の残
留を防ぐ静電アクチュエーターがある(例えば、特許文献1参照)。
テン、ニッケルなどの金属で振動板を構成している。また、体積抵抗率の低い保護膜の形
成を行うために、燐、硼素等をドープする等の処理を行うこともある。そのため、静電ア
クチュエーターの構成が複雑になり、また、製造プロセスが煩雑化する可能性がある。
留電荷等の除去等を行うことができる静電アクチュエーター等を得ることを目的とする。
定電極と所定の距離で対向し、固定電極との間で発生した静電気力により動作する可動電
極と、固定電極を覆う絶縁膜と、可動電極の固定電極と対向する面に直接設けられ、接触
による摩耗から絶縁膜を保護する、カーボン系材料からなる表面保護膜とを備える。
本発明によれば、固定電極を絶縁膜で覆い、可動電極と固定電極との絶縁をはかった上
で、表面保護膜を可動電極に直接設けることにより、電荷供給等を停止し、可動電極を離
脱させても絶縁膜に残留した電荷を、当接時に表面保護膜、可動電極に移動させて逃がす
ことで、絶縁膜に電荷が残らないようにすることができるので、残留電荷に影響を受けず
に駆動特性を維持することができる。そして、可動電極側に直接表面保護膜を付すことに
より実現するため、構成、製造を簡便にすることができる。また、例えば表面平滑性が高
く、摩擦係数が低い表面保護膜を設けることにより、当接等、可動電極との接触による摩
耗から絶縁膜を保護することができ、耐久性を維持し、長寿命の静電アクチュエーターを
得ることができる。
モンドライクカーボンからなる。
本発明によれば、表面保護膜を、硬質性を有するダイヤモンドまたはダイヤモンドライ
クカーボンで構成したので、可動電極の弾性による復元力を大きくするようにして固有振
動数を高め、駆動周波数を高めることで、省電力化、高速化を図ることができる。また、
復元力が大きくなるため、貼りつきを防ぐことができる。
12のオーダーである。
本発明によれば、表面保護膜の体積抵抗率が109 〜1012のオーダーとなるようにし
たので、表面保護膜における電気抵抗を低くし、絶縁膜に残留する電荷を移動させて残さ
ないようにし、駆動特性を維持することができる。
抵抗率が1012以上のオーダーの表面保護膜を設ける。
本発明によれば、体積抵抗率が1012以上のオーダーの表面保護膜を絶縁膜上に設ける
ようにしたので、個別電極側の表面保護膜においては絶縁性を保ちつつ、可動電極側の表
面保護膜との間で、表面保護膜同士で接触を行うことで、絶縁膜を可動電極等と接触させ
ることなく、保護することができる。
填される吐出室の少なくとも一部分を可動電極として、可動電極の変位により吐出室と連
通するノズルから液滴を吐出させる。
本発明によれば、上記の静電アクチュエーターを液滴吐出ヘッドの液体加圧手段として
利用するようにしたので、電荷残留を防いで吐出特性を維持することができ、当接等を繰
り返した場合の貼り付き等を防ぎ、耐久性を維持し、長寿命の液滴吐出ヘッドを得ること
ができる。
本発明によれば、上記の液滴吐出ヘッドを搭載するようにしたので、長寿命の液滴吐出
装置を得ることができる。
である。
本発明によれば、上記の静電アクチュエーターを静電駆動デバイスに搭載するようにし
たので、電荷残留を防いで駆動特性を維持することができ、当接等を繰り返した場合の貼
り付き等を防ぎ、耐久性を維持し、長寿命の静電駆動デバイスを得ることができる。
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを分解して表した図である。図1は
液滴吐出ヘッドの一部を示している。本実施の形態では、例えば静電方式で駆動する静電
アクチュエーターを用いる素子(デバイス)の代表として、フェイスイジェクト型の液滴
吐出ヘッドについて説明する。(なお、構成部材を図示し、見やすくするため、図1を含
め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものと異なる場合がある。また、
図の上側を上とし、下側を下として説明する)。また、厚さ、深さ等における具体的な数
値は一例である。
基板20、ノズル基板30を下から順に積層することにより構成する。一般的に、電極基
板10とキャビティー基板20とは陽極接合により接合する。また、キャビティー基板2
0とノズル基板30とはエポキシ樹脂等の接着剤を用いて接合する。
料としている。本実施形態では、ガラス基板とするが、例えば単結晶シリコンを基板とす
ることもできる。電極基板10の表面には、後述するキャビティー基板20の吐出室21
となる凹部に合わせて複数の凹部11が形成されている。そして、凹部11の内側(特に
底面部分)には、個別電極部12A、リード配線部12B及び端子部12C(以下、特に
区別する必要がない場合はこれらを合わせて電極12として説明する)を設ける。振動板
22と個別電極部12Aとの間には、振動板22が撓む(変位する)ことができる一定の
ギャップ(空隙)が凹部11により形成されている。電極12は、例えばスパッタリング
により、ITOを約0.1μmの厚さで凹部11の内側に成膜することで形成される。さ
らに本実施の形態においては、振動板22と個別電極部12Aとの間を電気的に絶縁し、
個別電極部12Aを保護するための絶縁膜13を、少なくとも個別電極部12Aを覆うよ
うに、例えば約0.09μm(90nm)成膜する。絶縁膜13の材料については特に限
定するものではなく、例えば酸化シリコン(SiO2 )、窒化シリコン(SiN)を材料
とすることができる。本実施の形態では、プラズマCVD(TEOS−pCVDともいう
)法を用いたTEOS膜(ここでは、Tetraethyl orthosilicate Tetraethoxysilane:テ
トラエチルオルソシリケート(珪酸エチル)を原料ガスとして用いてできるSiO2 膜を
いう)を用いるものとして説明する。TEOSを原料ガスとして用いることにより、他の
材料で膜を形成する場合に比べてさらに緻密な膜を形成することができる。また、電極基
板10には、他にも外部のタンク(図示せず)から供給された液体を取り入れる流路とな
る液体供給口14となる貫通穴を設けている。
、シリコン基板という)を主要な材料としている。キャビティー基板20には、吐出させ
る液体を一時的にためる吐出室21となる凹部(底壁が可動電極となる振動板22となっ
ている)及びリザーバー24となる凹部が形成されている。また、外部の電力供給手段(
図示せず)から基板(振動板22)に、例えば電極12に供給する電荷と反対の極性の電
荷を供給する際の端子となる共通電極端子27を備えている。
部分(振動板22の部分)に、振動板22との接触により絶縁膜13を損傷させないよう
にするための表面保護膜23を設けるものとする。表面保護膜23は、シリコンとの密着
性が高く、表面平滑性が高く、低摩擦性を有する膜となるような例えばダイヤモンド、ダ
イヤモンドライクカーボン(以下、DLCという)等の硬質のカーボン系材料を用いるも
のとする。ここで、DLCは、水素等を含有させることで物理的な特性を異ならせること
ができる。そこで、本実施の形態の表面保護膜23は、体積抵抗率が1×109 〜1×1
012(Ω・cm)である(109 〜1012のオーダーとなる)DLCを材料として用いる
ものとする。これにより、当接による絶縁膜13との接触時に絶縁膜13に残った電荷が
表面保護膜23に移動し、さらに可動電極となる振動板22(キャビティー基板20)に
移動して絶縁膜13に電荷を残さないようにする。
には、複数のノズル31が形成されている。各ノズル31は、振動板22の駆動により加
圧された液体を液滴として外部に吐出する。ノズル31を複数段で形成すると、液滴を吐
出する際の直進性向上が期待できるため、本実施の形態ではノズル31を2段で形成する
。本実施の形態では、振動板22が撓むことでリザーバー24方向に加わる圧力を緩衝す
るダイヤフラム32がさらに設けられている。また、吐出室21とリザーバー24とを連
通させるための溝となるオリフィス33が設けられている。
液滴吐出ヘッドにおいてノズル31が並んでいる方向(吐出室21における短手方向)か
ら見た図であり、図2(b)はノズル31が並んでいる方向と直交する方向(吐出室21
における長手方向)から見た図である。
の底壁である振動板22を撓ませることにより、吐出室21内の圧力を高め、ノズル31
から液滴を吐出させる。ここで、本実施の形態では、可動電極とすることができ、かつエ
ッチング工程の際に都合がよい高濃度のボロンドープ層をシリコン基板に形成し、振動板
22を構成するものとする。また、異物、水分(水蒸気)等がギャップに入り込まないよ
うに、ギャップを外気から遮断し、密閉するために電極取り出し口26に封止材25が設
けられている。
ワイヤ等の配線42を介して電気的に端子部12C、共通電極端子27と接続され、電極
12、キャビティー基板20(振動板22)に電荷(電力)の供給及び停止を制御する。
発振駆動回路41は例えば所定の周波数で発振し、例えばパルス電位を電極12に印加し
て電荷供給を行う。発振駆動回路41が発振駆動することにより、個別電極部12Aに電
荷を供給して正に帯電させ、振動板22を相対的に負に帯電させると、静電気力により個
別電極部12Aに引き寄せられて撓む。これにより吐出室21の容積は広がる。そして電
荷供給を止めると振動板22は元に戻るが、そのときの吐出室21の容積も元に戻り、そ
の圧力により差分の液滴が吐出する。この液滴が例えば記録対象となる記録紙に着弾する
ことによって印刷等の記録が行われる。
2Aとの間の絶縁性を絶縁膜13のみで確保する。また、振動板22の個別電極部12A
と対向する部分に表面保護膜23を設け、振動板22との当接によって絶縁膜13が摩耗
等が生じるのを防ぎ、長期の絶縁性、耐久性を確保できるようにする。さらに本実施の形
態の表面保護膜23では、絶縁膜13に電荷を残さないようにするため、接触時に絶縁膜
13に残った電荷を移動させるようにする。そのため、キャビティー基板20には絶縁膜
を成膜せず、直接、表面保護膜23を設ける。そして、表面保護膜23は、絶縁膜13に
残る電荷を移動できるだけの導電性を有するようにする。そのために、本実施の形態では
体積抵抗率が109 〜1012(Ω・cm)のオーダーであるDLCを用いる。DLCは膜
応力が大きく、下地の材料によっては密着性が課題となるが、シリコンについては密着性
がよい。そのため、変形する振動板22に合わせて歪みが生じてもギャップ内で剥がれる
心配がなく、信頼性を維持することができる。
液滴吐出ヘッドの製造工程について説明する。なお、実際には、ウェハー単位で複数個分
の液滴吐出ヘッドの部材を同時形成するが、図3ではその一部分だけを示している。
20μmの厚みの基板(キャビティー基板20となる)を作製する(図3(a))。次に
、シリコン基板51のボロンドープ層52を形成する面を、B2O3を主成分とする固体の
拡散源に対向させ、縦型炉に入れてボロンをシリコン基板51中に拡散させ、ボロンドー
プ層52を形成する。
LC膜を所望の厚さで成膜する。そして、振動板22に対応する部分が残るようにパター
ニングし、例えばO2 アッシングにより、不要なDLC膜を除去して表面保護膜23を形
成する(図3(b))。
スの基板の一方の面に対し、約0.3μmの深さの凹部11を形成する。凹部11の形成
後、例えばスパッタリング法を用いて、例えば0.1μmの厚さの電極12を同時に形成
する。最後に液体取り入れ口14となる穴をサンドブラスト法または切削加工により形成
する。これにより、電極基板10を作製する。そして、シリコン基板51と電極基板10
を所定の温度に加熱した後、電極基板10に負極、シリコン基板51に正極を接続して、
電圧を印加して陽極接合を行う。
加工及び異方性ウェットエッチング(以下、ウェットエッチングという)により、例えば
シリコン基板51の厚みを約50μmにする(図3(c))。
ドマスク(以下、TEOSハードマスクという)53をプラズマCVD法により、例えば
約1.5μm成膜する。さらに、吐出室21及び電極取出し口26となる部分のTEOS
ハードマスク53をウェットエッチングするため、レジストパターニングを施す。そして
、フッ酸水溶液を用いてTEOSハードマスク53が無くなるまで、それらの部分をウェ
ットエッチングしてTEOSハードマスク53をパターニングし、シリコン基板51を露
出させる。リザーバー24となる部分については、リザーバー24底部に厚みを残してお
くために、TEOSハードマスク53を若干残しておくようにする。また、例えば、面積
の大きく、割れやすい電極取出し口26となる部分についても、レジストの厚みを若干残
しておき、後の工程で割れを防止するための厚みを残すようにしてもよい。そして、ウェ
ットエッチングした後にレジストを剥離する(図3(d))。
極取出し口26となる部分の厚みが約10μmになるまでウェットエッチングを行う。さ
らに、接合基板を3wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層52が
露出し、エッチングの進行が極度に遅くなるエッチングストップが十分効いたものと判断
するまでウェットエッチングを続ける(図3(e))。
表面のTEOSハードマスク53を剥離する。次に、電極取出し口26となる部分のボロ
ンドープ層52を除去するため、電極取出し口26となる部分が開口したシリコンマスク
を、接合基板のシリコン基板51側の表面に取り付ける。
出し口26となる部分のみにプラズマを当てて、開口する。ここで、例えば接合基板とマ
スクとのアライメント精度を高めるため、シリコンマスクの装着は、接合基板とシリコン
マスクとにピンを通すピンアライメントにより行うようにするとよい。ここでは、異方性
ドライエッチングにより開口しているが、ピン等で突くことで、ボロンドープ層52を壊
してもよい。そして、封止材25を用いて、ギャップ部分を外気から遮断するための封止
を行う(図3(f))。封止材25の材料、封止方法等については特に限定するものでは
ないが、例えば電極取り出し口26の開口部分にエポキシ系樹脂を塗布したり、酸化シリ
コンを堆積させたりして形成する。
接合基板のシリコン基板51側の表面に取り付けて、例えばプラチナ(Pt)をターゲッ
トとしてスパッタ等を行い、共通電極端子27を形成する。そして、あらかじめ別工程で
作製していたノズル基板30を、例えばエポキシ系接着剤により、接合基板のキャビティ
ー基板20側から接着し、接合する(図3(g))。そして、ダイシングラインに沿って
ダイシングを行い、個々の液滴吐出ヘッドに切断し、液滴吐出ヘッドが完成する。さらに
配線42を介してICドライバー等の発振駆動回路41との接続等を行う。
、固定電極となる個別電極部12A上に絶縁膜13を設け、可動電極となる振動板22に
、直接表面保護膜23を設けるようにし、通常、電荷供給を停止しても絶縁膜13に残留
した電荷を、当接時に表面保護膜23、振動板22(キャビティー基板20)に移動させ
て逃がすようにしたので、絶縁膜13の電荷を除去することができる。これにより、残留
電荷の蓄積等による不要な静電力の発生を防ぐことができ、吐出特性を維持することがで
きる。そして、振動板22に直接、表面保護膜23を付すことで、絶縁膜13における残
留電荷の除去を実現するようにしたので、例えば、残留電荷除去を図るために、個別電極
上に複数の膜を積層させる必要がなく、表面平滑性が高く、接触の際の絶縁膜13の保護
膜となる表面保護膜23を兼用させることができる。そして、表面保護膜23により、当
接等、接触による摩耗から絶縁膜13を保護することができ、耐久性を維持し、長寿命の
静電アクチュエーターを得ることができる。
弾性による復元力を大きくするようにして固有振動数を高めることで、省電力化、高速化
を図ることができる。また、復元力が大きくなるため、貼りつきを防ぐことができる。表
面保護膜23の体積抵抗率が109 〜1012のオーダーとなるようにすることで、電気抵
抗を低くし、絶縁膜13に残留する電荷を移動させることができる。
図4は実施の形態2に係る液滴吐出ヘッドの断面の一部を表す図である。図4(a)は
液滴吐出ヘッドにおいてノズル31が並んでいる方向(吐出室21における短手方向)か
ら見た図であり、図4(b)はノズル31が並んでいる方向と直交する方向(吐出室21
における長手方向)から見た図である。図4において、図1及び図2と同じ番号を付して
いる手段、膜等は、それぞれ同様の役割を果たすものである。
を行うための膜である。本実施の形態における表面保護膜15は表面保護膜23と同様に
、DLCを材料として用いている。低摩擦性を有する同種の材料を当接させるようにする
ことで、さらに長期の耐久性を確保するようにする。ここで、表面保護膜15と表面保護
膜23とが共に導電性を有すると、振動板22と個別電極部12とが短絡して貼り付いて
しまい、機能障害が生じる。そのため、本実施の形態の表面保護膜15は、絶縁性を確保
するため、体積抵抗率が1×1012以上(Ω・cm)である(1012以上のオーダーとな
る)DLCを用いる。したがって、表面保護膜23に、表面保護膜15に残った電荷が移
動することになる。
る表面保護膜15を設けるようにしたので、絶縁膜13を接触させることなく、摩耗を防
ぐことができる。同じ材料を接触させることで、さらに摩耗等を防ぐことができる。そし
て、表面保護膜15の体積抵抗率が1012以上(Ω・cm)となるDLCを用いるように
したので、当接の際の電極間の短絡を防ぐことができる。
上述の実施の形態では、フェイスイジェクト型の液滴吐出ヘッドについて説明したが、
例えば側面から液滴吐出を行うエッジイジェクト型の液滴吐出ヘッドにも適用することが
できる。また、電極基板10、キャビティー基板20及びノズル基板30の3層構造の液
滴吐出ヘッドについて説明したが、例えば、リザーバー部分を独立させた基板を新たに積
層して構成した4層構造の液滴吐出ヘッドについても適用することができる。
図5は上述の実施の形態で製造した液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置の外観図であ
る。また、図6は液滴吐出装置の主要な構成手段の一例を表す図である。図5及び図6の
液滴吐出装置は液滴吐出方式(インクジェット方式)による印刷を目的とする。また、い
わゆるシリアル型の装置である。図8において、被印刷物であるプリント紙100が支持
されるドラム101と、プリント紙100にインクを吐出し、記録を行う液滴吐出ヘッド
102とで主に構成される。また、図示していないが、液滴吐出ヘッド102にインクを
供給するためのインク供給手段がある。プリント紙110は、ドラム101の軸方向に平
行に設けられた紙圧着ローラー103により、ドラム101に圧着して保持される。そし
て、送りネジ104がドラム101の軸方向に平行に設けられ、液滴吐出ヘッド102が
保持されている。送りネジ104が回転することによって液滴吐出ヘッド102がドラム
101の軸方向に移動するようになっている。
。また、プリント制御手段107は、印画データ及び制御信号に基づいて送りネジ104
、モーター106を駆動させ、また、ここでは図示していないが、発振駆動回路を駆動さ
せて振動板22を振動させ、制御をしながらプリント紙110に印刷を行わせる。
ヘッドから吐出する液体はインクに限定されない。例えば、カラーフィルターとなる基板
に吐出させる用途においては、カラーフィルター用の顔料を含む液体、OLED等の表示
基板に吐出させる用途においては、発光素子となる化合物を含む液体、基板上に配線する
用途においては、例えば導電性金属を含む液体を、それぞれの装置において設けられた液
滴吐出ヘッドから吐出させるようにしてもよい。また、液滴吐出ヘッドをディスペンサと
し、生体分子のマイクロアレイとなる基板に吐出する用途に用いる場合では、DNA(De
oxyribo Nucleic Acids :デオキシリボ核酸)、他の核酸(例えば、Ribo Nucleic Acid
:リボ核酸、Peptide Nucleic Acids:ペプチド核酸等)タンパク質等のプローブを含む
液体を吐出させるようにしてもよい。その他、布等の染料の吐出等にも利用することがで
きる。
図7は本発明を利用した波長可変光フィルターを表す図である。上述の実施の形態は、
液滴吐出ヘッドを例として説明したが、本発明は液滴吐出ヘッドだけに限定されず、他の
微細加工による静電アクチュエーターを利用した静電型の駆動デバイスにも適用すること
ができる。例えば、図7の波長可変光フィルターは、ファブリ・ペロー干渉計の原理を利
用し、可動鏡120と固定鏡121との間隔を変化させながら選択した波長の光を出力す
るものである。可動鏡120を変位させるためには、可動鏡120が設けられている、シ
リコンを材料とする可動体122を変位させる。そのために固定電極123と可動体12
2(可動鏡120)とを所定の間隔(ギャップ)で対向配置する。このとき、固定電極1
23には、絶縁膜124を成膜し、可動体122には表面保護膜125を成膜する。
長可変光フィルター、ミラーデバイス等、他の種類の微細加工のアクチュエーター、圧力
センサー等のセンサー等にも上述の封止部の形成等を適用することができる。
部、12C 端子部、13 絶縁膜、14 液体供給口、15 表面保護膜、20 キャ
ビティー基板、21 吐出室、22 振動板、23 表面保護膜、24 リザーバー、2
5 封止材、26 電極取出し口、27 共通電極端子、30 ノズル基板、31 ノズ
ル、32 ダイヤフラム、33 オリフィス、41 発振駆動回路、42 配線、51
シリコン基板、52 ボロンドープ層、53 TEOSハードマスク、100 プリンタ
ー、101 ドラム、102 液滴吐出ヘッド、103 紙圧着ローラー、104 送り
ネジ、105 ベルト、106 モーター、107 プリント制御手段、110 プリン
ト紙、120 可動鏡、121 固定鏡、122 可動体、123 固定電極、124
絶縁膜、125 表面保護膜。
Claims (7)
- 基板上に形成された固定電極と、
該固定電極と所定の距離で対向し、前記固定電極との間で発生した静電気力により動作
する可動電極と、
前記固定電極を覆う絶縁膜と、
前記可動電極の前記固定電極と対向する面に直接設けられ、接触による摩耗から前記絶
縁膜を保護する、カーボン系材料からなる表面保護膜と
を備えることを特徴とする静電アクチュエーター。 - 前記表面保護膜は、ダイヤモンドまたはダイヤモンドライクカーボンからなることを特
徴とする請求項1記載の静電アクチュエーター。 - 前記表面保護膜の体積抵抗率が109 〜1012のオーダーであることを特徴とする請求
項1又は2記載の静電アクチュエーター。 - 前記固定電極を覆う前記絶縁膜上に、さらに体積抵抗率が1012以上のオーダーの表面
保護膜を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電アクチュエーター
。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の静電アクチュエーターを有し、
液体が充填される吐出室の少なくとも一部分を前記可動電極として、前記可動電極の変
位により前記吐出室と連通するノズルから液滴を吐出させることを特徴とする液滴吐出ヘ
ッド。 - 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の静電アクチュエーターを搭載したことを特徴とする静
電デバイス。
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