JP2010134603A - 誤検出評価装置、組織分析システム及び誤検出評価プログラム - Google Patents

誤検出評価装置、組織分析システム及び誤検出評価プログラム Download PDF

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裕一 上野
Manabu Ueda
学 植田
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伸宏 山崎
Masamichi Takahashi
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Atsushi Ito
敦 伊東
Keiichi Nemoto
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Abstract

【課題】正確なキャリブレーションや高密度なセンサネットワークを要さずに、対象の位置検出結果を評価する誤検出評価装置、組織分析システム及び誤検出評価プログラムを提供する。
【解決手段】動作類型生成部28が、複数の対象の行動形態を表す象徴名称の系列として動作類型を生成し、この集合として動作類型群を生成する。動作類型尤度予測修正部30は、動作類型群を最も良く再現できるよう確率モデルのパラメータを設定し、これを利用して、典型的な動作類型を最も高い尤度を与える象徴名称列として抽出する。検出結果評価部32は、動作類型尤度予測修正部30が抽出した典型的な動作類型と、対象者の個別の動作検出結果とを比較し、典型的な動作類型の尤度に対して著しく低い尤度の象徴名称列を検出し、誤検出の評価を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、誤検出評価装置、組織分析システム及び誤検出評価プログラムに関する。
従来より、屋内における人または移動体等の位置を計測するために、赤外線、アクティブRFID(Radio Frequency Identification)、無線LAN等を用いた様々なセンシング技術が利用されている。このようなセンシング技術には、ある程度の検出誤差が含まれているので、それらの技術を用いる場合には、検出誤差を把握し、場合によっては検出精度を向上させるための対策が必要となる。
例えば、下記特許文献1には、無線信号強度を用いる装置位置測定システムのキャリブレーション方法が開示されている。また、下記特許文献2には、高密度のセンサネットワークにより高い精度で位置測定を行う位置測定システムが開示されている。
特開2004−325440号公報 特開2006−266859号公報
本発明の目的は、正確なキャリブレーションや高密度なセンサネットワークを要さずに、対象の位置検出結果を評価する誤検出評価装置、組織分析システム及び誤検出評価プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の誤検出評価装置の発明は、類似動作を行うと期待される複数の対象から典型的な動作類型を抽出する典型動作類型抽出手段と、前記典型的な動作類型と個別の対象の動作検出結果とに基づき、検出結果の異常性を評価する検出結果評価手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記動作類型が、前記対象としての組織に所属する人間の複数の行動形態をそれぞれ表す象徴名称の系列である象徴名称列として表され、前記典型的な動作類型が、前記象徴名称列について推定される尤度を最も高くする動作類型であり、前記検出結果評価手段が前記個々の人間の行動を表す象徴名称列の尤度と前記典型的な動作類型の尤度とに基づいて異常な検出結果が発生する検出位置を特定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記動作類型が、前記対象としての経路移動装置について位置の検出結果に関する情報を表す象徴名称の系列である象徴名称列として表され、前記典型的な動作類型が、前記象徴名称列について推定される尤度を最も高くする動作類型であり、前記検出結果評価手段が、前記個々の経路移動装置について位置の検出結果に関する情報を表す象徴名称列の尤度と前記典型的な動作類型の尤度とに基づいて異常な検出結果が発生する検出位置を特定することを特徴とする。
請求項4記載の組織分析システムの発明は、請求項2記載の誤検出評価装置と、前記誤検出評価装置が出力した誤検出評価結果を使用して、各組織の構成員間の行動を分析する際の情報を選択し、当該選択した情報に基づいて組織分析を行う組織分析装置と、を備えることを特徴とする。
請求項5記載の誤検出評価プログラムの発明は、コンピュータを、類似動作を行うと期待される複数の対象から典型的な動作類型を抽出する典型動作類型抽出手段、前記典型的な動作類型と個別の対象の動作検出結果とに基づき、検出結果の異常性を評価する検出結果評価手段、として機能させることを特徴とする。
請求項1及び請求項5記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、検出装置を多数配置し、または正確なキャリブレーションをする必要性を低減し、評価コストを低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、検出装置を多数配置せず、または正確なキャリブレーションを行わずに組織に所属する人間の行動の誤検出を評価できる。
請求項3記載の発明によれば、検出装置を多数配置せず、または正確なキャリブレーションを行わずに経路移動装置の行動の誤検出を評価できる。
請求項4記載の発明によれば、組織分析に使用する情報を誤検出評価結果に基づいて選択する組織分析システムを形成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
実施形態1
図1には、本実施形態にかかる誤検出評価装置を構成するコンピュータのハードウェア構成の例が示される。図1において、誤検出評価装置は、中央処理装置(例えばマイクロプロセッサ等のCPUを用いるとよい)10、ランダムアクセスメモリ(RAM)12、読み出し専用メモリ(ROM)14、通信装置16、入力装置18、表示装置20及びハードディスク装置(HDD)22を含んで構成されている。また、これらの構成要素は、バス24により互いに接続されている。なお、通信装置16、入力装置18、表示装置20及びハードディスク装置22は、それぞれ各入出力インターフェース26a、26b、26c、26dを介してバス24に接続されている。
CPU10は、RAM12またはROM14に格納されている制御プログラムに基づいて、後述する各部の動作を制御する。RAM12は主としてCPU10の作業領域として機能し、ROM14にはBIOS等の制御プログラムその他のCPU10が使用するデータが格納されている。
また、通信装置16は、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、ネットワークポートその他の適宜なインターフェースにより構成され、CPU10がネットワーク等の通信手段を介して外部の装置とデータをやり取りするために使用する。例えば、分析者が他のコンピュータから入力し、ネットワーク等の通信手段を介して送信した誤検出評価のための指示、情報を、誤検出評価装置が通信装置16を介して受信し、通信装置16を介して上記他のコンピュータに評価結果を送信する構成としてもよい。
また、入力装置18は、キーボード、ポインティングデバイス等により構成され、使用者が動作指示等を入力するために使用する。
また、表示装置20は、液晶ディスプレイ等により構成され、誤検出評価結果等を表示する。
また、ハードディスク装置22は記憶装置であり、後述する処理に必要となる種々のデータを記憶する。
図2には、本実施形態にかかる誤検出評価装置100の機能ブロック図が示される。図2において、誤検出評価装置100は、動作類型生成部28、動作類型尤度予測修正部30、検出結果評価部32、評価結果出力部34及び確率モデル格納部36を含んで構成されている。これらの機能は例えばCPU10とCPU10の処理動作を制御するプログラムとにより実現される。
動作類型生成部28は、複数の対象について動作類型群を生成する。本実施形態では、上記対象は組織に所属する人間である。また、動作類型は、対象としての人間(以後、対象者という)が一定の時間幅の間に行う、複数の行動形態の系列である。この場合、対象者の行動形態は、それを表す象徴名称(シンボル)で代表させ、象徴名称の系列である象徴名称列を行動形態の系列とする。また、上記動作類型群は、複数の時間幅について生成した上記象徴名称列の集合である。動作類型生成部28は、上記動作類型群を生成する際に、位置情報格納装置38から上記対象者の位置情報を取得する。なお、このときに、分析者は対象者の組織における立場(所属部門、職階等)が類似している者を選択し、入力装置18から、あるいは通信手段を介して他のコンピュータから指定する。動作類型生成部28は、分析者の指定に基づき、組織情報格納装置40を参照して対象者を選択し、類似動作を行うと期待される複数の対象者の行動形態を動作類型群として生成する。これは、所属部門、職階等が類似している対象者の行動形態には類似性があり、下記動作類型尤度予測修正部30は、類似性がある行動形態を使用して典型的な動作類型の抽出処理を行うからである。この場合の対象者の数が多いほど、後述する検出結果の評価精度が向上する。なお、動作類型群の例は後述する。
また、上記位置情報格納装置38は、対象者の位置情報をRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する。位置情報は、例えば各対象者が携帯するRFIDタグあるいは赤外線照射装置等の通信機能を有する移動体を、移動体からの信号を受信する適宜なセンサにより検知し、その検知結果に基づいて発生される。なお、具体的なセンシング技術には様々なものが存在するが、本実施形態では、上記位置情報が得られる機能を持っているならば、特定のセンシング技術に依らずに使用可能である。また、組織情報格納装置40は、対象者の組織に関する情報をRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する。
動作類型尤度予測修正部30は、動作類型生成部28が生成した動作類型の群を最も良く再現できるよう確率モデルのパラメータを設定する。その際に、類似動作を行うと期待される複数の対象者から典型的な動作類型も抽出する。ここで、典型的な動作類型は、上記象徴名称列について推定される尤度の中で最も高い尤度を与える象徴名称列である。上記確率モデルのパラメータの設定及び尤度を算出する演算処理については後述する。
検出結果評価部32は、動作類型尤度予測修正部30が抽出した典型的な動作類型と、対象者の個別の動作検出結果とに基づき、検出結果の異常性を評価する。ここで、検出結果の異常性の評価とは、異常な検出結果が含まれているか否か、誤検出が起こりやすい場所(センサ)はどこか等を判断することをいう。なお、評価方法については後述する。
評価結果出力部34は、検出結果評価部32の評価結果を組織分析装置102等の出力先に出力する。この場合、評価結果出力部34が通信装置16によりネットワーク等の通信手段を介して判定結果を出力先に送信する構成としてもよい。
確率モデル格納部36は、動作類型尤度予測修正部30が設定した確率モデルのパラメータをRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する。
なお、図2において、誤検出評価装置100の評価結果出力部34は、組織分析装置102に誤検出の評価結果を出力する。組織分析装置102では、誤検出の評価結果を使用し、各組織の構成員間の行動を分析する際の情報を取捨選択する。これにより、人により構成される組織の活動の解析、例えば会合頻度が高く、関係が密接な組織の組み合わせと、業務上の成果との関係等を解析することができる。
図3には、位置情報格納装置38が格納する対象者の位置情報の例が示される。また、図4には、図3の位置情報を検出する検出領域のレイアウト例が示される。図4において、A部門に属する人が通常業務を行うA部門居室と、B部門に属する人が通常業務を行うB部門居室と、会議を行うための会議室が6つある。なお、会議室1はA部門居室内に、会議室2はB部門居室内に位置するが、どこの部門の人でも利用可能であるとする。図4に示された検出領域のレイアウト例は、位置情報格納装置38がRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する構成とするのが好適である。
また、図3において、位置情報には、開始時刻、終了時刻、移動体ID及び検出領域の項目が含まれている。開始時刻は、上述したセンサにより対象者が携帯するRFIDタグあるいは赤外線照射装置等の移動体の存在の検出が始まった時点の時刻である。また、終了時刻は、上記RFIDタグあるいは赤外線照射装置等の移動体の検知を終了した(検出されなくなった)時点の時刻である。また、移動体IDは、上記移動体の識別情報であり、これにより当該移動体を携帯する対象者を識別する。また、検出領域は、対象者の存在する位置を検出する領域であり、図4に例示されている。なお、図3の例では、検出領域を領域名称で表示しているが、検出領域の識別情報を設定し、この識別情報を表示する構成としてもよい。
図5には、本実施形態にかかる誤検出評価装置の動作例のフローが示される。本例は、動作類型生成部28の処理工程を示している。また、図6には、ある時間幅における対象者の滞在領域の分布の例が示される。また、図7には、動作類型生成部28が設定する象徴名称の例が示される。
図6の例では、上段に、移動体ID(で表される対象者)と滞在する検出領域との組み合わせ毎に、時間幅T(60分)内において滞在時間が横棒で示され、滞在時間の合計値(合計滞在時間)が数値で示されている。また、下段に、移動体IDで表される対象者同士の会合(同じ検出領域に同時に存在していたと観測された)時間及び会合した領域が示されている。なお、下段に示されたa〜gの符号は、上段に示された時間幅Tを、対象者の会合毎に区分した期間を表している。また、図7の例では、上記時間幅Tを一定間隔毎に分割(例えば4分割)した部分時間幅毎の行動形態として、二人の対象者の会合の状況が例示され、象徴名称として、それぞれ部内、部外、単独、消失が設定されている。なお、時間幅Tを4分割した部分時間幅の例が図6に示される。ここで、象徴名称としての「部内」は、部分時間幅で検出された自部門に属している対象者との会合時間合計が他部門に属している対象者との会合時間合計以上の場合である。また、「部外」は、部分時間幅で検出された自部門に属している対象者との会合時間合計が他部門に属している対象者との会合時間合計より短い場合である。また、「単独」は、部分時間幅で他の対象者との会合が無い(検出されない)場合である。また、「消失」は、部分時間幅で存在が検出されない場合である。
図5において、動作類型生成部28は、まず処理開始時刻tを設定する(S101)。処理開始時刻は、図3に示された位置情報を使用して動作類型群を生成する処理の開始時刻であり、上記位置情報に含まれる開始時刻の何れかに設定することができる。
次に、処理開始時刻tから一定の時間幅Tを設定し、時間幅Tの間に、任意の検出領域に時間幅Tの一定割合以上の長さの時間滞在した対象者を抽出して対象者集合を生成する(S102)。時間幅Tの一定割合は、位置情報の内容、誤検出評価の精度等に応じて適宜決定する。
例えば、図6の上段の例では、会議室1〜6で観測される行動形態をもとに、誤検出を評価するものとし、時間幅Tの間に、会議室1〜6の何れかに一定の長さ以上滞在したと観測される対象者を抽出する。上記一定割合(閾値)を50%とした場合、図6の上段の例では、時間幅T=60分であるので、当該時間幅Tの内に30分以上会議室1〜6の何れかに滞在したと観測された対象者が処理対象となる。図6の上段の例では、移動体IDで表される社員番号12345、21000、24000、25001が抽出され、対象者集合に加えられる。
次に、動作類型生成部28は、時間幅Tを一定間隔の部分時間幅に分割する(S103)。図6の上段の例では、時間幅Tが60分であり、例えばこれを4等分した15分を部分時間幅に設定する。ただし、部分時間幅の数及び長さはこれに限定されるものではない。また、S102で生成した対象者集合から任意の対象者eを選択する(S104)。
次に、S104で選択した対象者について、S103で設定した部分時間幅毎に、会合すなわち同じ検出領域に同時に滞在していたと観測される他の対象者及び同時滞在時間を抽出する。この結果に基づき、対象者eの部分時間幅毎の行動形態を表す象徴名称を決定する(S105)。決定した象徴名称は、上記部分時間幅の順番に連結して象徴名称列Lを生成する(S106)。これにより、時間幅Tにおける動作類型を得ることができる。
図6の下段の例では、移動体IDで表される社員番号12345の対象者と移動体IDで表される社員番号22222の対象者は会議室2で合計17分間、A部門居室で合計4分間同時に滞在していたと観測されている。また、社員番号12345の対象者と社員番号25001の対象者、及び社員番号21000の対象者と社員番号24000の対象者についても同様に観測されている。なお、この説明のように、会合の場所は会議室に限定しない(例えば、社員番号22222の対象者はS102で処理対象外であるが、処理対象である社員番号12345の対象者との関係で処理に使用される。また、会議室ではないA部門居室も社員番号12345の対象者との関係で処理に使用される)。
また、上記図6の下段に示された二人の対象者の会合の状況は、図7に示される行動形態として分類され、それぞれに象徴名称が付されている。図7に示された対象者の行動形態は、時間幅Tを4分割した部分時間幅毎の対象者の行動形態である。上記図6の下段に示された会合の状況を上記部分時間幅毎に整理し、上記象徴名称を対応させて連結し、象徴名称列Lを生成して、時間幅Tにおける動作類型とする。
次に、動作類型生成部28は、S102で生成した対象者集合に含まれる全ての対象者eについて処理が終了したか否かを確認し(S107)、終了していない場合にはS104からの工程を繰り返す。また、全ての対象者について処理が終了している場合には、S101で設定した処理開始時刻tをt+Tとして時間幅Tだけ時間帯をずらし(S108)、処理終了時刻に到達しているか否かを確認する(S109)。処理終了時刻は、例えば図3に示された位置情報の終了時刻の中の最後の時刻とすることができる。S109において、処理終了時刻に到達していない場合には、S102からの工程を繰り返す。また、処理終了時刻に到達している場合には、S106で生成した各時間幅T毎の象徴名称列Lを集めた動作類型群を生成し(S110)、ハードディスク装置22等の記憶装置に格納して動作類型生成処理を終了する。
図8には、以上の工程により生成した象徴名称列Lを、対象者毎に、時間幅Tの順序に並べた動作類型群の例が示される。図8において、動作類型群は、移動体IDで表される社員番号毎の、各時間幅Tにおける象徴名称列L(動作類型)を含んでいる。本例では、各時間幅Tを4分割しており、各象徴名称列Lには4つの象徴名称が含まれている。なお、図8の例では、社員番号毎に図の上の行から下の行の方向に各時間幅Tが並んでいる。また、図8の例では、各時間幅で最も滞在時間の長い検出領域も示されている。
図8によれば、最初の行は全て部内となっており、社員番号12345の対象者が、何れかの時間幅T(60分間)において、最初の15分間、次の15分間、その次の15分間、最後の15分間のいずれの部分時間幅においても、社員番号12345の対象者と同じ部門に所属する対象者との会合時間が他部門に属している対象者との会合時間以上であったことを示している。また、当該60分間の時間幅Tでは、会議室1が最長滞在領域となっている。以上より、当該行の動作類型は、会議室1でずっと部内会議を行っていたことを表している。以下の行の動作類型も、同様に内容を解釈することができる。
図9には、本実施形態にかかる誤検出評価装置の他の動作例のフローが示される。本例は、動作類型尤度予測修正部30の処理工程を示している。なお、図9は、離散型隠れマルコフモデル(以下、HMMという)におけるEMアルゴリズムに基づいて、確率モデルのパラメータ更新処理を行うことを前提としている。ただし、本例の場合、図8に示された動作類型群が複数の象徴名称列を含んでいるので、確率モデルのパラメータ更新の計算に各象徴名称列の尤度で重み付けを行う修正を行ったアルゴリズムを用いている。
また、図10には、本実施形態で想定されるHMMの状態遷移図が示される。図8で述べたように、動作類型は、15分毎の対象者間の会合の状況を表す象徴名称が4つ連結された形であるが、図10の例では、図の左から右の方向に象徴名称が表す4つの状態が遷移することを意味している。なお、本例では、上記4つの状態の遷移が4種類定義されており、16個の状態が存在する。これらの状態は、初期状態S1とともに、S1〜S17で表現される。ただし、S1の状態は形式的な初期状態であり、何の象徴名称にも対応せず、形式的に「空」の状態を出力するものであって、S2以降の状態について実際の象徴名称列との対応付けがなされる。なお、本実施形態では、図7に示された4つの象徴名称に「空」を加え、5つの象徴名称「部内,部外,単独,消失,空」により象徴名称列Lが構成されるものとする。
図10の例では、部門内会議(象徴名称が部内の場合)を行っているのか部門間会議(象徴名称が部外の場合)を行っているのかを区別できるように2群の状態列を設け、さらに、各群について、対象者の検出領域における観測結果として安定的に観測された結果なのか、不安定に観測された結果なのかを区別して確率モデルを推定できるように、それぞれ2つの状態列に分割している。安定的な観測を推定する状態と不安定な観測を推定する状態とは相互に交代可能とした。一方、部門内会議と部門間会議とは交代不可能とした。時間幅T=1時間の間に、部門内会議から部門間会議へと会議を「はしご」する事象は無いわけではないが、全体的にみて少数であるので、本例ではこのような状態遷移は無いこととした。
図9において、動作類型尤度予測修正部30は、動作類型生成部28が生成した動作類型群を取得し、これに含まれる象徴名称列Lを取得し、それらを要素とする尤度予測集合を生成する(S201)。また、生成した尤度予測集合の初期尤度Pを設定する(S202)。
次に、動作類型尤度予測修正部30は、上記尤度予測集合の確率モデルを更新する(S203)。確率モデルの更新は、HMMのパラメータを更新することをいい、尤度予測集合の要素である複数の象徴名称列Lを、よりもっともらしく説明できるように確率モデルが修正される。ここで、HMMのパラメータの更新は、以下のようにして行う。
状態数をN、観測系列の数をKとする。本実施形態では、図10に示されるように、状態数が17のHMMを用いるのでN=17である。また、観測系列は、図9のS201で生成した尤度予測集合中の象徴名称列Lであり、それぞれの象徴名称列LをO(1),O(2),…,O(K)と表記する。また、Kの値は、尤度予測集合に含まれる象徴名称列Lの数である。また、Tを第k番目の象徴名称列O(k)の長さ、すなわち象徴名称の数とする。本実施形態では一律に4である。
図10に示された状態遷移の確率モデルである状態遷移確率行列Aの要素をaij (これは状態Siから状態Sjに遷移する確率を表す)とし、各状態における象徴名称出力確率行列Bの要素をbj(l)(これは状態Sjにおいて、象徴名称列の第l番目の象徴名称vlを出力する確率を表す)とし、初期状態確率ベクタπの要素をπi(これは初期状態が状態Siである確率を表す)とする。HMMにおいては、その振る舞いは、状態遷移確率行列Aと象徴名称出力確率行列Bと初期状態確率ベクタπとで規定され、以降、単に「確率モデル」と呼ぶ場合には、状態遷移確率行列Aと象徴名称出力確率行列Bと初期状態確率ベクタπの組を指す。なお、上記aij 、bj(l)及びπiが、HMMのパラメータである。
また、O(k) を、k番目の象徴名称列Lの中のt番目に現れる象徴名称に対応するインデックス番号であるとする。本実施形態では象徴名称列Lは{部内,部外,単独,消失,空}の5つの象徴名称を含んでおり、インデックス番号をそれぞれ、部内=1、部外=2、単独=3、消失=4、空=5と対応付ける。例えば、尤度予測集合中の6番目の象徴名称列が、「部内−消失−部外−部外」であるとき、O(6) =1、O(6) =4、O(6) =2、O(6) =2となる。
このとき、状態遷移確率行列Aの更新後の要素
Figure 2010134603
および、象徴名称出力確率行列Bの更新後の要素
Figure 2010134603
は以下の式(1),(2)ように計算される。
Figure 2010134603
Figure 2010134603
上記式(1)は、「状態Siから状態Sjへの遷移が起こる数の期待値÷状態Siからの遷移が起こる数の期待値」を算出し、式(2)は、「状態Sjにおいて象徴名称vlが観測される回数の期待値÷状態Sjに在る回数の期待値」を算出している。
また、上記式(1)及び式(2)において、関数α (i)及びβ (i)は、それぞれ第k番目の象徴名称列Lを先頭からある時点tまでに部分的に出力した際にある状態Siに達している確率、及び第k番目の象徴名称列をある時点tから末尾まで部分的に出力する際にある状態Siを起点とした場合にそうした出力がなされる確率であり、それぞれ以下のように計算される。
Figure 2010134603
Figure 2010134603
また、Pkは現在の確率モデルで解釈した際に、第k番目の象徴名称列O(k)が生成される確率を表し、上記α (i)を用いて以下の式(5)により計算できる。
Figure 2010134603
さらに、象徴名称列全体(尤度予測集合)の各要素が同時に発生する確率Pは、その時点で得られている確率モデルで算出し、それをもって尤度とする。上記確率Pは以下の式(6)により計算される。
Figure 2010134603
上記S202では、確率モデル(HMMのパラメータ)の初期値を使用し、式(6)により初期尤度Pを設定している。また、S203では、以上のように算出された
Figure 2010134603
および
Figure 2010134603
をもって、それぞれ状態遷移確率行列Aおよび象徴名称出力確率行列Bの各要素(HMMのパラメータ)を置換し、それらの行列を更新している。
次に、動作類型尤度予測修正部30は、S203で更新したHMMのパラメータを使用し、上記式(6)により象徴名称列Lの尤度Pを算出する(S204)。その後、S202で算出した初期尤度PとS204で算出した尤度Pとを比較し、尤度Pが収束しているか否かを確認する(S205)。収束の確認は、初期尤度Pと尤度Pとの差が、予め定めた閾値以下となったか否かにより行うことができる。S205において、収束しているといえない場合には、PにPを代入し(S206)、S203からの工程を繰り返す。また、S205において、尤度Pが収束しているといえる場合には、処理を終了する。
図11(a),(b),(c)には、状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπの例が示される。なお、本例は、動作類型尤度予測修正部30により更新された後の状態が示されている。
図11(a)に示される状態遷移確率行列A及び図11(b)に示される象徴名称出力確率行列Bを更新する際には、まず適宜な初期値を各構成要素に与え、図9で説明した工程により尤度Pが収束するまで演算を繰り返す。ここで、状態遷移確率行列Aの初期値は、図10に示される状態遷移図上のリンク(象徴名称の繋がり)がある部分については等確率を与え、リンクが無い部分には0を与えておく。また、象徴名称出力確率行列Bの初期値は、図10に示される状態遷移図において、部門内会議を安定して検出している状態群については部内が優位になるように、例えば(部内,部外,単独,消失,空)=(0.7,0.1,0.1,0.1,0.0)等の値を与え、部門間会議を安定して検出している状態群については部外が優位になるように、例えば、(部内,部外,単独,消失,空)=(0.1,0.7,0.1,0.1,0.0)等の値を与える。また、部門内会議を不安定に検出している状態群および部門間会議を不安定に検出している状態群については、観測結果が最も曖昧になるように、例えば(部内,部外,単独,消失,空)=(0.25,0.25,0.25,0.25,0.0)等の値を与える。なお、象徴名称「空」は形式的な象徴名称であり、形式的な初期状態S1では常に何も出力しないことを表すために使われる。S1の状態でのみ「空」を出力する確率は1.0であり、それ以外の状態では0.0である。初期状態確率ベクタπは常にS1の状態から開始するため、S1が1.0であり、それ以外は0.0とする。このように初期値を設定しておくことで、EMアルゴリズムは初期値で設定された傾向に沿って、尤度予測集合の尤度を最大化するようHMMパラメータを最適化してゆく。その結果、図11(a),(b)に示されるHMMパラメータで構成される状態遷移確率行列A及び象徴名称出力確率行列Bが生成される。また、上記最適化後の状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπは、確率モデル格納部36がRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する。
図12には、本実施形態にかかる誤検出評価装置のさらに他の動作例のフローが示される。本例は、検出結果評価部32の処理工程を示している。図12において、検出結果評価部32は、動作類型生成部28が生成した動作類型群を取得し、これに含まれる象徴名称列Lを取得し、それらを要素とする評価集合を生成する(S301)。また、生成した評価集合に含まれる各象徴名称列Lを、図9の工程により最適化された確率モデルを使用して個別に評価し、最大の尤度Pmaxを算出する(S302)。なお、象徴名称列Lの尤度は、第k番目の象徴名称列O(k)が出力される確率を用い、上記式(5)により算出する。
次に、動作類型群から1つの象徴名称列Liを選択し(S303)、象徴名称列Liの尤度PLiを算出する(S304)。この尤度PLiも上記式(5)により算出する。
検出結果評価部32は、最大の尤度Pmaxと尤度PLiとを比較し、PLiの値がS×Pmaxの値以下であるか否かを判定する(S305)。PLiの値がS×Pmaxの値以下である場合には、異常値観測回数に1を加える(S306)。上記Sの値は、最大の尤度Pmaxと尤度PLiとの差が顕著に大きく、当該象徴名称列Liの発生が通常考えられないものであることを判断できる値に設定する。例えば、Sを0.01程度の値とするのが好適である。また、上記異常値観測回数は、対象者と検出領域毎に数える。この場合の検出領域は、図8に例示される動作類型群に含まれる最長滞在領域である。なお、異常値観測回数は初期値を0としておく。
次に、検出結果評価部32は、全ての象徴名称列Liについて処理が終了したか否かを確認し(S307)、終了していない場合にはS304からの工程を繰り返す。また、S307で、全ての象徴名称列Liについて処理が終了している場合には、検出結果評価処理を終了する。
図13には、検出結果評価部32が求めた異常値観測回数の例が示される。図13の例では、移動体IDで表される社員番号22222の対象者が会議室2で観測される場合について、行動が異常(Pmaxの0.01以下の尤度)と判定される回数が多くなっている。例えば、社員番号22222の対象者はB部門に属しており、座席がB部門居室の会議室2付近に存在する場合に、もし社員番号22222の対象者が他の対象者に比べて行動が極端に異なるならば、検出領域によらず異常行動が観測されるはずである。一方、もし会議室2に問題があるならば、対象者によらずに会議室2で異常行動が観測されるはずである。従って、図13に例示された結果については、対象者にも会議室2にも原因はない。この場合、B部門の居室の中における社員番号22222の座席が会議室2に近いことから、会議室2で行われる活動との干渉が大きくなっていることが示唆されている。
実施形態2
本実施形態では、誤検出評価の対象として、屋内を自動的に巡回するロボットを想定する。なお、本実施形態においても、図1及び図2に示された構成と同様の構成を使用する。
図14には、誤検出評価の対象としてのロボットの例が示される。図14において、ロボット104には、カメラ42が搭載されており、人や障害物を認識して自律的に回避行動を取りつつ、所定の時間で所定の経路を通ってさまざまな場所を移動・巡回し、ドキュメントの配布や回収、その他様々なオフィス内の用件を処理して回ることができる。また、各検出領域毎に、当該検出領域がどこであるかを示すマーカーが掲示してあり、ロボット104はカメラ42でそのマーカーを読み取り、自身の位置する検出領域を正確に知ることができる。自身の位置する検出領域である位置情報は、無線通信等により位置情報格納装置38に送信する。また、ロボット104には、RFIDタグあるいは赤外線照射装置等の通信機能を有する移動体44も搭載し、適宜なセンサによりロボット104が位置する検出領域である位置情報を取得して位置情報格納装置38に送信する。本実施形態では、カメラ42により取得した位置情報とセンサにより取得した位置情報とに基づいて、誤検出の評価を行う。すなわち、2つの位置情報に齟齬がある場合には、センサによる位置情報の取得の際に、何らかの誤検出があると想定して誤検出評価を行う。
図15には、位置情報格納装置38が格納するロボット104の位置情報の例が示される。図15において、位置情報には、開始時刻、終了時刻、移動体ID、巡回経路ID、検出領域(センサ)及び検出領域(カメラ)の項目が含まれている。開始時刻は、上述したセンサによりロボット104に搭載されるRFIDタグあるいは赤外線照射装置等の移動体44の存在の検出が始まった時点の時刻である。また、終了時刻は、上記移動体44の検知を終了した(検出されなくなった)時点の時刻である。また、移動体IDは、上記移動体44の識別情報であり、これにより当該移動体44を搭載するロボット104を識別する。また、巡回経路IDは、ロボット104が巡回する経路の識別情報である。本実施形態では、複数の巡回経路に対応することができ、各巡回経路を巡回経路IDにより識別する。また、検出領域(センサ)は、上記センサにより取得したロボット104が存在する検出領域である。また、検出領域(カメラ)は、上記カメラ42により取得したロボット104が存在する検出領域である。なお、位置情報格納装置38は、ロボット104が巡回する巡回経路の情報も、RAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する構成とするのが好適である。
図16には、ロボット104が評価対象である巡回経路を巡回する際の、ロボット104検出領域の分布の例が示される。図16において、当該経路における検出領域は、会議室1、A部門居室及び会議室3が例示されており、それぞれ上記センサにより検出した検出領域(センサ)及びカメラ42により検出した検出領域(カメラ)として示されている。また、各検出領域におけるロボット104の滞在時間が横棒で示されている。
図16の例では、移動体IDがV001であるロボット104がある経路を巡回する際に、一定時間毎の部分時間幅を設定し、部分時間幅毎にカメラ42により取得した位置情報とセンサにより取得した位置情報との関係を抽出し、その関係を表す象徴名称を設定する。象徴名称は、動作類型生成部28が設定する。本例では、検出領域(センサ)と検出領域(カメラ)とが一致している部分時間幅に対してOKが、不一致の部分時間幅に対してNGがそれぞれ設定されている。図16では、上記一致、不一致の判定を測位誤差判定として示されており、検出領域(センサ)と検出領域(カメラ)とが不一致の場合が横棒で表されている。また、象徴名称は、上記部分時間幅の順番で連結され、象徴名称列を形成する。ロボット104は、それぞれ一定の時間で各経路を巡回するよう自律的に動作するので、巡回経路が同じであれば、異なるロボット104や異なる日時に行われる巡回であっても、それぞれの象徴名称列を同列に比較することができる。
観測対象とする時刻はその巡回経路として定義されている最初の場所から最後の場所の間とすることができる。例えば、移動体IDがV001であるロボット104が、巡回経路ID4で巡回する際には、会議室1→A部門居室→会議室3→会議室5→会議室3→A部門居室→会議室1という経路が設定されているとする。この場合、会議室1から出発して、会議室1に戻ってくるので、その一回りの行動について測位誤差判定を行う。なお、図16の例においては、簡単のため、会議室1→A部門居室→会議室3までの一部分検出領域のみを示している。
図17には、本実施形態における誤検出評価装置の動作例のフローが示される。本例は、動作類型生成部28の処理工程を示している。図17において、評価対象であるロボット104が、評価対象となる巡回経路を巡回中に、センサ及びカメラ42により、ロボット104が存在する検出領域を位置情報として検出する(S401)。この検出結果は、位置情報格納装置38に送信する。
次に、動作類型生成部28は、ロボット104が巡回経路を巡回する際に要する巡回時間を一定時間毎に分割し、部分時間幅を設定する(S402)。動作類型生成部28は、センサ及びカメラ42で検出した位置情報(検出領域)を位置情報格納装置38から取得し、S402で設定した部分時間幅毎に比較し、それぞれの一致、不一致を表す象徴名称を決定する(S403)。
次に、動作類型生成部28は、S403で決定した象徴名称を部分時間幅の順番で連結し、象徴名称列を生成する(S404)。
次に、動作類型生成部28は、評価対象である全てのロボット104及び全ての巡回経路について処理が終了したか否かを確認し(S405)、終了していない場合にはS401からの工程を繰り返す。また、処理が終了している場合には、上記象徴名称列を、評価対象のロボット104及び巡回経路毎に集めた動作類型群を生成し(S406)、ハードディスク装置22等の記憶装置に格納して動作類型生成処理を終了する。
図18には、以上の工程により生成した象徴名称列Lを、移動体ID毎に並べた動作類型群の例が示される。なお、各象徴名称列Lには、評価対象である巡回経路IDが付されている。
図18に示された動作類型群は、図8に示された動作類型群に対して、社員番号がロボット104の移動体IDに、対象者の行動形態の象徴名称列Lがロボットの位置情報の一致、不一致を表す象徴名称列Lに、最長滞在領域がロボット104の巡回経路IDに、それぞれ対応している。従って、実施形態1と同様の手順により、動作類型尤度予測修正部30及び検出結果評価部32の処理を実行することができる。
ただし、本実施形態における各象徴名称列Lは、実施形態1の場合と異なり、象徴名称列Lの長さは、巡回経路が様々であるので一定していない。そこで、本実施形態では、不定長の象徴名称列Lを扱えるように、状態遷移図及び確率モデルを修正する。また、本実施形態においても、形式的な象徴名称「空」を設定し、形式的な初期状態S1では常に何も出力しないことを表すために使われる。この結果、本実施形態では、象徴名称列Lとして、{OK,NG,空}が使用される。
図19には、本実施形態における状態遷移図の例が示される。図19において、状態S1は初期状態であり、象徴名称「空」を出力し、すぐにS2からS3の状態に遷移する。S2は安定してロボット104の位置が検出できている状態であり、この状態では象徴名称「OK」が出力される確率が大きい。S3では、ロボット104の位置の検出が不安定になっている状態であり、この状態では象徴名称「NG」が出力される確率が大きい。
以上のように、本実施形態では、状態遷移の状況及び象徴名称列Lの長さが実施形態1と異なっているので、動作類型尤度予測修正部30及び検出結果評価部32の処理は実施形態1と共通であるが、処理対象である確率モデル(状態遷移確率行列A、各状態における象徴名称出力確率行列B、初期状態確率ベクタπの3種のパラメータの組)については実施形態1と異なってくる。
図20(a),(b),(c)には、状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπの例が示される。なお、本例は、動作類型尤度予測修正部30により更新された後の状態が示されている。
実施形態1と同様に、EMアルゴリズムに与える初期値として、象徴名称出力確率行列B上では、S2に対してOKを出力する確率を大きめに設定しておき、S3に対してNGを出力する確率を大きめに設定しておく。ただし、象徴名称「空」は形式的な象徴名称であり、形式的な初期状態S1では常に何も出力しないことを表すために使われる。S1の状態でのみ「空」を出力する確率は1.0であり、それ以外の状態では0.0である。状態遷移確率行列Aの初期値は、図19に示された状態遷移図上のリンク(象徴名称の繋がり)がある部分については等確率を与え、リンクが無い部分には0を与えておく。また、初期状態確率ベクタπは、常にS1の状態から開始するので、S1が1.0であり、それ以外は0.0とする。こうした初期値設定のもとで、EMアルゴリズムを用い、実際に検出した象徴名称列に基づいてHMMパラメータの最適化を行えば、象徴名称列全体を最も良く説明する局所最適なHMMパラメータを求めることができる。なお、上記最適化後の状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπは、確率モデル格納部36がRAM12またはハードディスク装置22等の記憶装置に格納する。
図21には、検出結果評価部32が求めた異常値観測回数の例が示される。図21の例では、ロボット104に対して各巡回経路で異常な行動と判定される回数が示されている。
ある移動体IDで示されるロボット104がほとんどの巡回経路で異常な行動を多数観測される場合には、RFIDタグ、赤外線照射装置またはそれらを検出するセンサが故障している確率が高い。一方、図21の巡回経路3と巡回経路4に例示されているように、いくつかのロボット104について、いくつかの巡回経路で異常な行動が多数観測される場合には、巡回経路3に含まれているが他の巡回経路に含まれていない検出領域及び巡回経路4に含まれているが他の巡回経路に含まれていない検出領域においてセンサによる位置情報の誤検出が多いと考えることができる。または、そうした各巡回経路に固有の検出領域が無く、巡回経路3と巡回経路4とで共通した検出領域があり、なおかつ共通の検出領域が他の巡回経路に含まれていない場合には、巡回経路3と巡回経路4とで共通する検出領域においてセンサによる位置情報の誤検出が多いと考えることができる。以上のようにして、本実施形態では、カメラ42により取得した位置情報とセンサにより取得した位置情報との齟齬により、センサによる位置情報の誤検出を評価する。
なお、上述した実施形態1および実施形態2においては、確率モデルとして隠れマルコフモデル(HMM)を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、他の利用可能な確率モデルとして、ベイジアンネットワークやマルコフネットワークが存在する。ベイジアンネットワークにおいては、誤検出の起きるメカニズムの因果関係を確率的なグラフ構造にモデル化しておき、実際の観測された位置をもとに、原因を推定することでほぼ同様の実施形態を構成することができる。マルコフネットワークについても、ベイジアンネットワークとほぼ同様に考えることができる。
また、上述した、図5、図9、図12及び図17の各ステップを実行するためのプログラムは、記録媒体に格納することも可能であり、また、そのプログラムを通信手段によって提供しても良い。その場合、例えば、上記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えても良い。
実施形態1にかかる誤検出評価装置を構成するコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。 実施形態1にかかる誤検出評価装置の機能ブロック図である。 位置情報格納装置が格納する対象者の位置情報の例を示す図である。 図3に示された位置情報を検出する検出領域のレイアウト例を示す図である。 実施形態1にかかる誤検出評価装置の動作例のフロー図である。 ある時間幅における対象者の滞在領域の分布の例を示す図である。 動作類型生成部が設定する象徴名称の例を示す図である。 象徴名称列Lを、対象者毎に、時間幅Tの順序に並べた動作類型群の例を示す図である。 実施形態1にかかる誤検出評価装置の他の動作例のフロー図である。 実施形態1で想定される離散型隠れマルコフモデルの状態遷移図である。 実施形態1にかかる状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπの例を示す図である。 実施形態1にかかる誤検出評価装置のさらに他の動作例のフロー図である。 実施形態1にかかる検出結果評価部が求めた異常値観測回数の例を示す図である。 実施形態2にかかる誤検出評価の対象としてのロボットの例を示す図である。 位置情報格納装置が格納するロボットの位置情報の例を示す図である。 ロボットが評価対象である巡回経路を巡回する際の、ロボット検出領域の分布の例を示す図である。 実施形態2にかかる誤検出評価装置の動作例のフロー図である。 象徴名称列Lを、移動体ID毎に並べた動作類型群の例を示す図である。 実施形態2にかかる状態遷移図の例を示す図である。 実施形態2にかかる状態遷移確率行列A、象徴名称出力確率行列B及び初期状態確率ベクタπの例を示す図である。 実施形態2にかかる検出結果評価部が求めた異常値観測回数の例を示す図である。
符号の説明
10 CPU、12 RAM、14 ROM、16 通信装置、18 入力装置、20 表示装置、22 ハードディスク装置、24 バス、26a、26b、26c、26d 入出力インターフェース、28 動作類型生成部、30 動作類型尤度予測修正部、32 検出結果評価部、34 評価結果出力部、36 確率モデル格納部、38 位置情報格納装置、40 組織情報格納装置、42 カメラ、44 移動体、100 誤検出評価装置、102 組織分析装置、104 ロボット。

Claims (5)

  1. 類似動作を行うと期待される複数の対象から典型的な動作類型を抽出する典型動作類型抽出手段と、
    前記典型的な動作類型と個別の対象の動作検出結果とに基づき、検出結果の異常性を評価する検出結果評価手段と、
    を備えることを特徴とする誤検出評価装置。
  2. 請求項1記載の誤検出評価装置において、前記動作類型は、前記対象としての組織に所属する人間の複数の行動形態をそれぞれ表す象徴名称の系列である象徴名称列として表され、前記典型的な動作類型は、前記象徴名称列について推定される尤度を最も高くする動作類型であり、前記検出結果評価手段は、前記個々の人間の行動を表す象徴名称列の尤度と前記典型的な動作類型の尤度とに基づいて異常な検出結果が発生する検出位置を特定することを特徴とする誤検出評価装置。
  3. 請求項1記載の誤検出評価装置において、前記動作類型は、前記対象としての経路移動装置について位置の検出結果に関する情報を表す象徴名称の系列である象徴名称列として表され、前記典型的な動作類型は、前記象徴名称列について推定される尤度を最も高くする動作類型であり、前記検出結果評価手段は、前記個々の経路移動装置について位置の検出結果に関する情報を表す象徴名称列の尤度と前記典型的な動作類型の尤度とに基づいて異常な検出結果が発生する検出位置を特定することを特徴とする誤検出評価装置。
  4. 請求項2記載の誤検出評価装置と、
    前記誤検出評価装置が出力した誤検出評価結果を使用して、各組織の構成員間の行動を分析する際の情報を選択し、当該選択した情報に基づいて組織分析を行う組織分析装置と、
    を備えることを特徴とする組織分析システム。
  5. コンピュータを、
    類似動作を行うと期待される複数の対象から典型的な動作類型を抽出する典型動作類型抽出手段、
    前記典型的な動作類型と個別の対象の動作検出結果とに基づき、検出結果の異常性を評価する検出結果評価手段、
    として機能させることを特徴とする誤検出評価プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20160275437A1 (en) * 2015-03-20 2016-09-22 Kiyoshi Sawada Personnel management system, information analysis device, and personnel management method

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