JP2010133035A - 寸法安定性に優れた不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融紡糸された多数のフィラメントを移動ネット上に捕集して得られた不織布ウェブシートを、加熱圧着処理し、引き続き冷却処理する際、不織布ウエッブシートの原料素材のガラス転移温度以下に冷却すると共に、不織布ウエッブシートの幅方向の温度差を8℃以下に制御する、乖離長/一定長で定義される寸法安定指数が0.003以下である長繊維不織布。
【選択図】なし
Description
1.乖離長/一定長で定義される寸法安定指数が0.003以下である長繊維不織布。
2.長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる単成分繊維で構成された上記1に記載の長繊維不織布。
3.長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる複合繊維で構成された上記1に記載の長繊維不織布。
4.長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる繊維を混繊した繊維で構成された上記1に記載の長繊維不織布。
5.溶融紡糸された多数のフィラメントを移動ネット上に捕集して得られた不織ウェブシートを、加熱圧着処理し、引き続き冷却処理する長繊維不織布の製造方法において、加熱処理されて加熱エンボスロールから離れた直後の不織ウェブシートを冷却手段によって、不織ウェブシートの原料素材のガラス転移温度以下に冷却すると共に、不織ウェブシートの幅方向の温度差を8℃以下に制御した長繊維不織布の製造方法。
本説明において使用する熱可塑性樹脂からなる繊維で構成された長繊維不織布は経済性の点で他素材に比べて有利であり、特にスパンボンド法による長繊維不織布が好都合である。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等、通常の合成繊維に使用される材料が用いられ、特に限定されるものではない。これらの樹脂に、例えば安定剤、紫外線吸収剤、吸湿剤、顔料等の種々添加剤が含まれても良い。
そこで、寸法安定指数を0.003以下にするため、鋭意検討した結果、不織ウェブシート温度が雰囲気温度の影響で冷却される前に、不織ウェブシート温度が高い状態で、CD方向に均一に、繊維に使用している樹脂のガラス転移点温度以下に冷却を行う必要がある。
熱エンボスロールと冷却装置の距離を近接化すれば効果は上がるが、シート持込熱量と熱エンボスロールの放射熱量を冷却装置が受けることになる。冷却装置として、水冷ロールを使用した場合、水冷ロールの冷却水の水温が上昇する問題がある。
熱エンボスロールと冷却装置の距離は、作業性、作業時の安全性も考慮に入れ検討した結果、0.2m〜3.0mが好ましく、更に好ましくは、0.5m〜1.5mである。
本発明で用いた測定法は以下の通りである。
不織布の寸法安定性測定法として、寸法安定指数による定量的比較法を適用した。まず、寸法安定指数を明らかにしたい製品をCD方向に等幅で一定長4分割し、紙管に巻き取る。次に、各シートを平らな床面で一定長開反し、不自然なたるみ等を平らに直す。各シートが反った側でシートのCD方向端部のラインに始点を決め、JIS1級のスケールで始点から一定長の距離にある同じ側のシート端部の接点を終点とする。
この一定長間隔の始点と終点に一本の水糸を張り、水糸のセンターからシート端部に垂線を引いて、その距離を乖離長とする。上記測定で得たデータより、下記式にて寸法安定性を算出する。この時、製品単位で最も数値の大きいものを寸法安定指数とした。
寸法安定指数 = 乖離長/一定長
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)より製造される2.2dtexのポリエチレンテレフタレートのフィラメントよりなる目付60g/m2のスパンボンド法による不織ウェブシートを、250℃の熱エンボスロール型加熱機で線圧50kg/cmで部分熱圧着し、厚さ0.33mmの長繊維不織布を得た。
この工程で不織ウェブシートが高温の状態で均一冷却するため冷却装置として水冷ロールを使用した。熱エンボスロールと水冷ロールの距離はを0.7mとした。同時に近接化による水冷ロールへの持込熱量増加に対応するため、冷却水の温度を10℃に設定した。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。不織ウェブシートのCD方向の温度差は5℃であった。なお、冷却時のCD方向拘束状態を向上させるためと、ワインダーからの張力のひずみの影響排除のため、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面へ金属溶射により梨地とし、摩擦係数0.5とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.002であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)において、芯成分にポリエチレンテレフタレート樹脂構造である不織布屑、フィルム及び液体飲料用PETボトルより任意の割合で回収された固有粘度0.602の再生ポリマーを使用し、鞘成分に固有粘度0.633のポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した芯鞘型複合繊維とし、複合比は芯成分/鞘成分=70/30とした以外は実施例1と同様に長繊維不織布を得た。
この工程で不織ウェブシートが高温の状態で均一冷却するため冷却装置として水冷ロールを使用した。熱エンボスロールと水冷ロールの距離は0.7mとした。同時に水冷ロールへの持込熱量増加に対応するため、冷却水温度を10℃とした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。不織ウェブシートのCD方向の温度差は4℃であった。なお、冷却時のCD方向拘束状態を向上させるためと、ワインダーからの張力のひずみの影響排除の為、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面へ金属溶射により梨地とし摩擦係数0.5とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.001であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)において、紡糸筒にて混合せずに2種類の繊維、一方はポリプロピレン樹脂からなる長繊維、もう一方に固有粘度0.633のポリエチレンテレフタレート樹脂0.633を使用し、混繊比を50/50とした以外は実施例1と同様に長繊維不織布を得た。
この工程で不織ウェブシートが高温の状態で均一冷却するため冷却装置として水冷ロールを使用した。熱エンボスロールと水冷ロールの距離は0.7mとした。同時に水冷ロールへの持込熱量増加に対応するため、冷却水温度を10℃とした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。不織ウェブシートのCD方向の温度差は5℃であった。なお、冷却時のCD方向拘束状態を向上させるためと、ワインダーからの張力のひずみの影響排除の為、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面へ金属溶射により梨地とし、摩擦係数0.5とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.002であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)において、芯成分にポリエチレンテレフタレート樹脂、鞘成分にポリエチレン樹脂を使用し、芯鞘型複合繊維とし、複合比は芯成分/鞘成分=70/30とした以外は実施例1と同様に長繊維不織布を得た。更に複合PE/PET短繊維不織布を上記複合繊維と熱カレンダーロール型加熱機にて125℃で貼り合わせた。
長繊維不織布製造工程で不織ウェブシートが高温の状態で均一冷却するため冷却装置として水冷ロールを使用した。熱エンボスロールと水冷ロールの距離は0.7mとした。同時に水冷ロールへの持込熱量増加に対応するため、冷却水温度を10℃とした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。不織ウェブシートのCD方向の温度差は5℃であった。なお、冷却時のCD方向拘束状態を向上させるためと、ワインダーからの張力のひずみの影響排除の為、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面へ金属溶射により梨地とし、摩擦係数0.5とした。一定長を30mとした時の得られた積層不織布の寸法安定指数は0.002であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)より製造される2.2dtexのポリエチレンテレフタレートのフィラメントよりなる目付60g/m2のスパンボンド法による不織ウェブシートを250℃の熱エンボスロール型加熱機にて線圧50kg/cmで部分熱圧着し、厚さ0.33mmの長繊維不織布を得た。
熱エンボスロールと水冷ロールの距離は1.4mとした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。水冷ロールの冷却水温度は20℃、不織ウェブシートのCD方向の温度差は11℃、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面にて摩擦係数を0.3とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.006であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)より製造される2.2dtexのポリエチレンテレフタレートのフィラメントよりなる目付60g/m2のスパンボンド法による不織ウェッブシートを250℃の熱エンボスロール型加熱機にて線圧50kg/cmで部分熱圧着し、厚さ0.33mmの長繊維不織布を得た。
熱エンボスロールと水冷ロールの距離は0.7mとした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。水冷ロールの冷却水温度は20℃、不織ウェブシートのCD方向の温度差は9℃、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面にて摩擦係数を0.3とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.005であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)において芯成分にポリエチレンテレフタレート樹脂構造である不織布屑、フィルム及び液体飲料用PETボトルより任意の割合で回収された固有粘度0.602の再生ポリマーを使用し、鞘成分に固有粘度0.633のポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した芯鞘型複合繊維とし、複合比は芯成分/鞘成分=70/30とした以外は実施例1と同様に長繊維不織布を得た。
熱エンボスロールと水冷ロールの距離は1.4mとした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。水冷ロールの冷却水温度は20℃、不織ウェブシートのCD方向の温度差は11℃、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面にて摩擦係数を0.3とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.005であった。
周知のスパンボンドプロセス(例えば特公昭53−32424号公報参照)において、紡糸筒にて混合せずに2種類の繊維、一方はポリプロピレン樹脂からなる長繊維、もう一方に固有粘度0.633のポリエチレンテレフタレート樹脂0.633を使用し、混繊比を50/50とした以外は実施例1と同様に長繊維不織布を得た。
熱エンボスロールと水冷ロールの距離は1.4mとした。不織ウェブシートの水冷ロールへの接触時間は1.59秒であった。水冷ロールの冷却水温度は20℃、不織ウェブシートのCD方向の温度差は10℃、水冷ロール表面はハードクロムメッキ面で摩擦係数を0.3とした。一定長を30mとした時の得られた長繊維不織布の寸法安定指数は0.006であった。
Claims (5)
- 乖離長/一定長で定義される寸法安定指数が0.003以下である長繊維不織布。
- 長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる単成分繊維で構成された請求項1に記載の長繊維不織布。
- 長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる複合繊維で構成された請求項1に記載の長繊維不織布。
- 長繊維不織布が熱可塑性樹脂からなる繊維を混繊した繊維で構成された請求項1に記載の長繊維不織布。
- 溶融紡糸された多数のフィラメントを移動ネット上に捕集して得られた不織ウェブシートを、加熱圧着処理し、引き続き冷却処理する長繊維不織布の製造方法において、加熱処理されて加熱エンボスロールから離れた直後の不織ウェブシートを冷却手段によって、不織ウェブシートの原料素材のガラス転移温度以下に冷却すると共に、不織ウェブシートの幅方向の温度差を8℃以下に制御した長繊維不織布の製造方法。
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JP2008307245A JP2010133035A (ja) | 2008-12-02 | 2008-12-02 | 寸法安定性に優れた不織布 |
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JP2008307245A JP2010133035A (ja) | 2008-12-02 | 2008-12-02 | 寸法安定性に優れた不織布 |
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JP2008307245A Pending JP2010133035A (ja) | 2008-12-02 | 2008-12-02 | 寸法安定性に優れた不織布 |
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JP2013129925A (ja) * | 2011-12-20 | 2013-07-04 | Kao Corp | スパンボンド不織布の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183185A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Unitika Ltd | 不織布の製造装置および製造方法 |
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2008
- 2008-12-02 JP JP2008307245A patent/JP2010133035A/ja active Pending
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JP2013129925A (ja) * | 2011-12-20 | 2013-07-04 | Kao Corp | スパンボンド不織布の製造方法 |
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