JP2010126280A - 乗客コンベア踏板の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】工程の低減を図るとともに、副資材を要することなく踏板各部位の接合を行なうことのできる乗客コンベア踏板の製造方法の提供。
【解決手段】水平に配置されたクリート体３１と、クリート体の後端部と上端が連結され、凸曲面部３２ａを有して下方に延びるライザー体３２と、略三角形の断面形状を有するとともに左右対となるように配置され、クリート体およびライザー体をそれらの幅方向両端部で支えるブラケット体３３と、クリート体とブラケット体との間に介設されるクリート補強体３６、３７と、ライザー体とブラケット体との間に介設されるライザー補強体３８、３９とを備えてなる乗客コンベア踏板の製造方法において、クリート補強体とブラケット体との接合、およびライザー補強体とブラケット体と接合の少なくとも１つをカシメ構造により行なうようにしたものである。
【選択図】図３

Description

本発明は、無端状に連結され、乗客等を搬送する乗客コンベア踏板の製造方法に関する。

乗客コンベアの踏板は、一般に、水平に配置されたクリート体と、クリート体の後端部と上端が連結され、凸曲面部を有して下方に延びるライザー体と、略三角形の断面形状を有するとともに左右対となるように配置され、クリート体およびライザー体をそれらの幅方向両端部で支えるブラケット体とを備えてなっており、各部位の接合は、従来、所定箇所にねじ穴を形成するとともに、このねじ穴にボルトを螺合することで行なわれていた（例えば、特許文献１参照）。
特開平８−２４５１５２（段落番号００１６〜００２４、図１）

しかしながら、前述した従来のものでは、ねじきり加工、ボルト等の副資材が必要であり、コストを上げる要因となり、製品コストの削減という観点から問題があった。

本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、工程の低減を図るとともに、副資材を要することなく踏板各部位の接合を行なうことのできる乗客コンベア踏板の製造方法を提供することにある。

前記目的を達成するために、本発明の請求項１に係る発明は、水平に配置されたクリート体と、クリート体の後端部と上端が連結され、凸曲面部を有して下方に延びるライザー体と、略三角形の断面形状を有するとともに左右対となるように配置され、クリート体およびライザー体をそれらの幅方向両端部で支えるブラケット体と、クリート体とブラケット体との間に介設されるクリート補強体と、ライザー体とブラケット体との間に介設されるライザー補強体とを備えてなる乗客コンベア踏板の製造方法において、クリート補強体とブラケット体との接合、およびライザー補強体とブラケット体と接合の少なくとも１つをカシメ構造により行なうとしている。

本発明の請求項１に係る発明では、クリート補強体とブラケット体との接合、およびライザー補強体とブラケット体と接合の少なくとも１つをカシメ構造で行なうことにより、工程の低減を図るとともに、副資材を要することなく踏板各部位の接合を行なうことができる。

本発明によれば、乗客コンベア踏板の製造に係る工程の低減を図るとともに、副資材を要することなく踏板各部位の接合を行なうことができ、これによって、製品コストを削減することができる。

以下、本発明に係る乗客コンベア踏板の製造方法の実施の形態を図に基づいて説明する。

図１は乗客コンベアの上部乗降口の概略構成図、図２は図１に示す踏板単体の背面図、図３は本発明に係る乗客コンベア踏板の製造方法の一実施形態を示す図２のイ−イ断面図、図４はカシメ作業の工程を示す説明図、図５はカシメ作業の他の工程を示す説明図、図６はカシメ作業のさらに他の工程を示す説明図である。

図１において、乗客コンベア、例えばエスカレーター１は、下階床（図示省略）から上階床Ｆにかけて設置され、無端状に接続されたチェーン２に連結されて移動する複数の踏板３、および、踏板３と同期して駆動されるハンドレール４の移動体をもって乗客等を搬送するものである。また、エスカレーター１は、エスカレーターの運転を制御する制御装置５と、制御装置５からの運転指令により駆動するモーター６と、モーター６の回転を制動する減速機７と、一端が減速機７に巻き掛けられる駆動チェーン８と、この駆動チェーン８の他端が巻き掛けられ、チェーン２を駆動するスプロケット９と、踏板３の移動を案内する案内レール１０と、ハンドレール４の移動を案内する欄干１１とを備えており、チェーン２を介して駆動された踏板３は案内レール１０に沿って移動し、乗降床１２の下側で方向転換する構造である。

ここで踏板３は、図２および図３に示すように、水平に配置されたクリート体３１と、クリート体３１の後端部と上端が連結され、凸曲面部３２ａを有して下方に延びるライザー体３２と、略三角形の断面形状を有するとともに左右対となるように配置され、クリート体３１およびライザー体３２をそれらの幅方向両端部で支えるブラケット体３３と、ブラケット体３３の前端部に設けられる前軸３４ａに軸支される前軸３４と、ブラケット体３３の後端部に設けられる後軸３５ｂに軸支される後輪３５と、クリート体３１とブラケット体３３との間に介設される前方クリート補強体３６および後方クリート補強体３７と、ライザー体３２とブラケット体３３との間に介設される上方ライザー補強体３８および下方ライザー補強体３９とを有してなっている。

前方クリート補強体３６は、ブラケット体３３と接合される前方水平部３６ａと、クリート体３１に当接する上水平部３６ｂと、ブラケット体３３と接合される後方水平部３６ｃとを備えている。

後方クリート補強体３７は、ブラケット体３３に当接する前方水平部３７ａと、クリート体３１に当接する上水平部３７ｂと、ブラケット体３３と接合される後方水平部３７ｃとを備えている。

上方ライザー補強体３８は、後方クリート補強体３７の後方水平部３７ｃとブラケット体３３との間に介在される水平部３８ａと、ライザー体３２上部に沿うように接合される垂下部３８ｂとを備えている。

下方ライザー補強体３９は、ライザー体３２下部に沿うように接合される傾斜部３９ａと、ブラケット体３３と接合される垂下部３９ｂとを備えている。

そして、本実施形態にあっては、前方クリート補強体３６における、前方水平部３６ａとブラケット体３３との接合、後方水平部３６ｃとブラケット体３３との接合、後方クリート補強体３７における、後方水平部３７ｃとブラケット体３３との接合、上方ライザー補強体３８における、水平部３８ａとブラケット体３３との接合、下方ライザー補強体３９における、垂下部３９ｂとブラケット体３３との接合を、カシメ構造で行なうようになっている。ここで、後方クリート補強体３７の後方水平部３７ｃ、上方ライザー補強体３８の水平部３８ａ、およびブラケット体３３は、水平部３８ａを後方水平部３７ｃとブラケット体３３との間に介在するようにして一体的にカシメられて接合されている。また、前方クリート補強体３６、後方クリート補強体３７、および下方ライザー補強体３９のカシメの手順であるが、図４、図５に示すように、前方クリート補強体３６、後方クリート補強体３７、および下方ライザー補強体３９にあらかじめ設けられる折り代を、ブラケット体３３の角部に沿わせて順次折り曲げたり、図６に示すように、折り代の曲げ加工に合わせてブラケット体３３の端部を巻き込むようにし、カシメるようになっている。

本実施形態によれば、乗客コンベア踏板の製造に係る工程の低減を図るとともに、副資材を要することなく踏板各部位の接合を行なうことができ、これによって、製品コストを削減することができる。

乗客コンベアの上部乗降口の概略構成図である。 図１に示す踏板単体の背面図である。 本発明に係る乗客コンベア踏板の製造方法の一実施形態を示す図２のイ−イ断面図である。 カシメ作業の工程を示す説明図である。 カシメ作業の他の工程を示す説明図である。 カシメ作業のさらに他の工程を示す説明図である。

符号の説明

１ エスカレーター
２ チェーン
３ 踏板
４ ハンドレール
５ 制御装置
６ モーター
７ 減速機
８ 駆動チェーン
９ スプロケット
１０ 案内レール
１１ 欄干
１２ 乗降床
３１ クリート体
３２ ライザー体
３３ ブラケット体
３４ 前軸
３５ 後輪
３６ 前方クリート補強体
３６ａ 前方水平部
３６ｂ 上水平部
３６ｃ 後方水平部
３７ 後方クリート補強体
３７ａ 前方水平部
３７ｂ 上水平部
３７ｃ 後方水平部
３８ 上方ライザー補強体
３８ａ 水平部
３８ｂ 垂下部
３９ 下方ライザー補強体
３９ａ 傾斜部
３９ｂ 垂下部

Claims (1)

1. 水平に配置されたクリート体と、クリート体の後端部と上端が連結され、凸曲面部を有して下方に延びるライザー体と、略三角形の断面形状を有するとともに左右対となるように配置され、クリート体およびライザー体をそれらの幅方向両端部で支えるブラケット体と、クリート体とブラケット体との間に介設されるクリート補強体と、ライザー体とブラケット体との間に介設されるライザー補強体とを備えてなる乗客コンベア踏板の製造方法において、
   クリート補強体とブラケット体との接合、およびライザー補強体とブラケット体と接合の少なくとも１つをカシメ構造により行なうことを特徴とした乗客コンベア踏板の製造方法。

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