JP2010116492A - ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法および品質管理方法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法および品質管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造する方法を提供することにある。
【解決手段】無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融混練して得られる溶融混練物から脱気する脱気工程を有するポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、上記脱気工程は、当該脱気工程により得られるポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高くなるように、当該溶融混練物から脱気する工程であり、上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものである、ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外観に優れた成型品を得るためのポリプロピレン樹脂組成物の製造方法および品質管理方法に関するものである。
近年、バンパー、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラートリム等の自動車部品等に用いられる工業部品には、優れた物性バランスおよび成型性を有する、タルク等の無機フィラーおよびエラストマーを配合したポリプロピレン系複合材料であるポリプロピレン樹脂組成物が多く用いられている。
一般的には、これらのポリプロピレン樹脂組成物は、原料となるポリプロピレン、エラストマー成分および無機フィラー成分(例えばタルク等)が混練機において溶融混練されることにより製造される。
ポリプロピレン、エラストマー成分および無機フィラー成分を溶融混練してポリプロピレン樹脂組成物を製造する方法に関して、特許文献1には、特定のベント装置を用いて成型材料の揮発分を排出する脱気方法が記載されている。また、特許文献2には、優れた外観を有する無機フィラー配合樹脂組成物を得るために、脱気により特定の圧縮比に圧縮された無機フィラーを用いるポリオレフィン樹脂組成物の製造方法が記載されており、具体的には、混練・造粒に使用する装置としてタンデム型の混練・造粒装置を採用することや、好ましい圧縮比を有する圧縮無機フィラーを用いることが記載されている。また、特許文献3には、タルク分散不良に基づく白点がないタルク入りポリプロピレン樹脂組成物の提供を目的として、特定の物性を有する脱気圧縮タルクを含むポリプロピレン樹脂組成物が記載されている。
特開平8−281776号公報(平成8年10月29日公開) 特開2002−302554号公報(平成14年10月18日公開) 特開2006−104457号公報(平成18年4月20日公開)
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載された発明は、シルバーストリーク等による外観不良を十分に抑制するものではない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造する方法を提供することにある。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法は、上記課題を解決するために、無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融混練して得られる溶融混練物から脱気する脱気工程を有するポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、上記脱気工程は、当該脱気工程により得られるポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高くなるように、当該溶融混練物から脱気する工程であり、上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものであることを特徴としている。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法では、上記設定値は、下記の式(1)
(設定値)=0.0058×(無機フィラー含有量(重量%))+0.84・・・(1)
により設定されることがより好ましい。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法では、上記ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレンブロック共重合体、およびプロピレンランダム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法では、上記ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%として、上記無機フィラーの含有量が1〜70重量%であることがより好ましい。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法では、上記無機フィラーがタルクであることがより好ましい。
本発明に係る品質管理方法は、無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物の品質管理方法であって、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高いか否かを判定する判定工程を有し、上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものであることを特徴としている。
本発明に係る製造方法によれば、ポリプロピレン樹脂組成物の比重を管理することによって、ポリプロピレン樹脂組成物におけるガスの含有量を調整することができ、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造できる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法は、無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融混練して得られる溶融混練物から脱気する脱気工程を有するポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、上記脱気工程は、当該脱気工程により得られるポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高くなるように、当該溶融混練物から脱気する工程であり、上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものである。
無機フィラーは、主にポリプロピレン樹脂組成物の剛性向上のために添加される。本発明に用いられる無機フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、ベントナイト、スメクタイト、セピオライト、ワラストナイト、アロフェン、イモゴライト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、硫酸バリウム、ガラスフレーク等が挙げられるが、好ましくはタルクである。
無機フィラーの平均粒子径としては、通常、0.01〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。ここで無機フィラーの平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
無機フィラーは、無処理のまま使用してもよく、または、プロピレン系重合体組成物との界面接着性または分散性を向上させるために、公知の各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類あるいは他の界面活性剤で表面を処理して使用してもよい。
無機フィラーの含有量は、製造するポリプロピレン樹脂組成物の用途等に応じて適宜設定すればよいが、ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%として、好ましくは1〜70重量%であり、さらに剛性向上の観点から好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融混練して得られる溶融混練物とは、ポリプロピレン樹脂組成物の原料である無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融および混練して得られる溶融混練物である。混合物とは、無機フィラーおよびポリプロピレンを含んでいる混合物であり、後述するエラストマー、他の添加物等をさらに含んでいてもよい。溶融混練物は、例えばプロピレンを重合した後に、無機フィラー等を混合した混合物を混練機において溶融混練することによって得ることができる。
ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレンブロック共重合体、およびプロピレンランダム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。
脱気工程とは、無機フィラーおよびポリプロピレンを含む溶融混練物から脱気する工程である。脱気する方法としては、例えば、上述した特許文献1に記載されている脱気方法および真空ベント装置を用いる方法等が挙げられる。
本発明に係る製造方法において、脱気工程についての好ましい形態は、例えば、溶融混練を行うための混練機に真空ベント装置を設けることにより、混練機中のガスを強制的に取り除く形態である。
また、脱気工程においては、無機フィラーおよびポリプロピレンを含む溶融混練物を固化して得られるペレットの比重が、予め設定された設定値より高くなるように調整される。
ペレットとは、無機フィラーおよびポリプロピレンを含む溶融混練物を固化した後に造粒して得られるペレット状のポリプロピレン樹脂組成物である。
予め設定された設定値とは、無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定される値である。例えば、無機フィラーの含有量を一定にし、異なる比重を有する数種類のポリプロピレン樹脂組成物のペレットをそれぞれ成型加工してシルバーストリークの発生を観察し、シルバーストリークが生じないときのペレットの比重から、当該含有量における比重の設定値を設定することができる。このようにすれば、例えば、設定値は無機フィラー含有量(重量%)の一次関数として設定され得る。また、設定値は、下記の式(1)
(設定値)=0.0058×(無機フィラー含有量(重量%))+0.84・・・(1)
により設定されることがより好ましい。なお、上記の式(1)は、無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定された式である。
成型加工とは、ポリプロピレン樹脂組成物を材料とした成型品への加工であり、例えば自動車部品等に用いられる工業部品等の成型品への加工等が挙げられる。一般的には、加熱により成型加工する方法が用いられる。
また、シルバーストリークとは、加熱により成型加工する際に、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるガスにより発泡現象が起こることによって、成型品の表面に生じる条痕であり、外観不良の原因となる。
本発明に係る製造方法の好ましい形態は、溶融・混練工程の後、又は溶融・混練工程を行ないながら、脱気工程を行ない、その後、造粒工程を行なう形態である。なお、溶融・混練工程とは、ポリプロピレン及び添加物(無機フィラー等)を混練機において溶融・混練する工程であり、当該工程によりポリプロピレンおよび添加物を含む溶融混練物が得られる。また、造粒工程とは、当該溶融混練物を固化した後に造粒してペレットを得る工程である。本発明に係る製造方法の好ましい形態は、例えば、溶融・混練工程においてポリプロピレン樹脂、無機フィラー、エラストマーおよび他の添加物を溶融および均一化して溶融混練物を得て、脱気工程において溶融混練物を脱気して、その後造粒工程において固化してペレット状のポリプロピレン樹脂組成物とする形態である。
上述した溶融・混練工程および造粒工程に用いる装置としては、単軸造粒機、二軸造粒機、連続ミキサー混練機および単軸造粒機を組み合わせたタンデム型の混練・造粒装置等が挙げられる。ポリプロピレン樹脂組成物が酸化により劣化して黄変することを抑えるため、溶融・混練工程および造粒工程に用いる装置を窒素などの不活性ガスにより密閉することが好ましい。また、溶融・混練工程において、ポリプロピレンおよび添加物を含む溶融混練物中に含まれる揮発性物質、水分等を除去するために、混練機に真空ベント装置を設置し、揮発性物質、水分等を強制的に排気することが特に好ましい。
溶融・混練工程および造粒工程に用いる装置における、無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物の製造速度は、特に限定しないが、経済性を考慮すれば300kg/hr以上が好ましく、1ton/hr以上であることがより好ましい。また、上記の製造速度は、特に限定しないが、無機フィラーおよび他の添加物の分散について考慮すれば30ton/hr以下が好ましく、25ton/hr以下であることがより好ましい。
なお、ポリプロピレン樹脂組成物の原料に、さらにエラストマーおよび他の添加物を加えることがより好ましい。
エラストマーとは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、エチレン−オクテン、エチレン−ヘキセン、エチレン−ペンテン、エチレン−ブテン、エチレン−プロピレン等の共重合体が挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン樹脂組成物の用途に応じた物性改良のために適切なものが選ばれ、添加されることが好ましい。物性改良の例としては、耐衝撃性の改良、軟質性の付与、外観の向上等が挙げられる。
他の添加物は、ポリプロピレン樹脂組成物に必要な諸性質を付与するために添加されることが好ましく、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、抗ブロッキング剤、造核剤等が挙げられる。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物には、上述した添加物のうち少なくとも1つを添加することが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、塩基性アルミニウム・マグネシウム・カーボネート、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、3,9−ビス[2{3(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ−[5・5]ウンデカン等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリルアーマイド、エルシルアマイド、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
紫外線防止剤としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキルアミン混合組成物、アルコール脂肪酸エステル、非イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン・高級アルコール混合物等が挙げられる。
抗ブロッキング剤としては、例えば、二酸化ケイ素、ポリメチルシルセスキオキサン、ケイ酸アルミニウム塩、ポリメチルメタクリレート架橋体等が挙げられる。
造核剤としては、例えば、ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)ベンゾエイト−0]ヒドロキシアルミニウム、ジベンジリデンソルビトール、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸エステル系化合物等が挙げられる。
本発明に係る製造方法によれば、ポリプロピレン樹脂組成物の比重を管理することによって、ポリプロピレン樹脂組成物におけるガスの含有量を調整することができ、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造できる。
<品質管理方法>
本発明に係る品質管理方法は、無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物の品質管理方法であって、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高いか否かを判定する判定工程を有し、上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものである。
本発明に係る品質管理方法における、予め設定された設定値については、上述した本発明に係る製造方法における設定値の説明に関する記載を準用できる。
判定工程とは、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高いか否かを判定する工程であり、例えばペレットの比重を直接測定することにより判定する方法等が挙げられる。ペレットの比重を測定する方法としては、例えばJIS K7112に準拠した水中置換法等が挙げられる。
本発明に係る品質管理方法を用いて、ポリプロピレン樹脂組成物の製造において比重を管理することによって、ポリプロピレン樹脂組成物におけるガスの含有量を調整することができ、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例においては、比重の異なるポリプロピレン樹脂組成物のペレットを製造し、当該ペレットを用いて成型した際に、シルバーストリークが発生するか否かについて確認した。
ポリプロピレン樹脂組成物の製造には二軸造粒機を用いた。無機フィラーにはタルクを用い、後記の表1に示すように、実施例および比較例それぞれについて、タルクの含有量(重量%)が異なる4種のポリプロピレン樹脂組成物を製造した。それぞれにおけるタルクの含有量から、上述した式(1)を用いて比重の設定値が設定された。
二軸造粒機でポリプロピレンおよびタルクを溶融および混練して、得られた溶融混練物を、二軸造粒機に設けられた真空ベント装置により脱気した。ベント吸引圧は、実施例1〜4においては−50kPaG、比較例1〜2においては−20kPaG、比較例3〜4においては−30kPaGとした。その後、造粒してポリプロピレン樹脂組成物のペレットを得た。
得られたポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重を、JIS K7112に準拠した水中置換法を用いて測定した。後記の表1に示すように、実施例1〜4におけるペレットの比重の測定値は、設定値以上であった。一方、比較例1〜4におけるペレットの比重の測定値は、設定値以下であった。
次に、それぞれのペレットを射出成型方法により成型した。具体的には、得られたポリプロピレン樹脂組成物のペレットと顔料マスターバッチとをドライブレンドした混合物を用いて、住友重機製SE180D型射出成型機により、成型温度220℃、金型冷却温度50℃にて射出成型を行ない、400(mm)×100(mm)×3(mm)の平板試験片を得た。
得られた平板試験片について、シルバーストリークの発生の有無を目視にて確認した。そして、ありの場合には×と判定し、なしの場合には○と判定した。表1に示すように、実施例1〜4において得られた平板試験片の表面には、シルバーストリークの発生が確認されず、外観が良好であった。一方、比較例1〜4において得られた平板試験片の表面には、シルバーストリークの発生が確認され、外観不良であった。
Figure 2010116492
本実施例における結果を図1に示した。図1は、本実施例における、ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%としたときのタルク(無機フィラー)の含有量(重量%)と、ペレットの比重の測定値との関係を示したグラフである。図1において実線により「比重下限ライン」として示されるグラフは、上述の式(1)を示すグラフである。実施例1〜4の結果を示す点は、全て上述の式(1)を示すグラフよりも上側であり、一方比較例1〜4の結果を示す点は、全て上述の式(1)を示すグラフよりも下側であった。
従って、本発明における比重の設定値を設定するための条件式として、本実施例の結果に基づいて上述の式(1)を導き出すことが可能である。また、比重の設定値を設定するための条件式として、本実施例の結果に基づいて上述の式(1)に代わる新たな式を導き出すことも可能である。
本実施例により、ポリプロピレン樹脂組成物の比重を管理することによって、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造できることが示された。
本発明に係る製造方法および品質管理方法を用いれば、良好な外観を有する成型品に加工するための良質なポリプロピレン樹脂組成物を製造できるため、例えば自動車部品等に用いられる工業部品の製造に適用できる。
本発明の一実施例における、ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%としたときのタルク(無機フィラー)の含有量(重量%)と、ペレットの比重の測定値との関係を示したグラフである。

Claims (6)

  1. 無機フィラーおよびポリプロピレンを含む混合物を溶融混練して得られる溶融混練物から脱気する脱気工程を有するポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、
    上記脱気工程は、当該脱気工程により得られるポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高くなるように、当該溶融混練物から脱気する工程であり、
    上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものである、ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法。
  2. 上記設定値は、下記の式(1)
    (設定値)=0.0058×(無機フィラー含有量(重量%))+0.84・・・(1)
    により設定される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレンブロック共重合体、およびプロピレンランダム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%として、上記無機フィラーの含有量が1〜70重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 上記無機フィラーがタルクである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物の品質管理方法であって、
    ポリプロピレン樹脂組成物のペレットの比重が、予め設定された設定値より高いか否かを判定する判定工程を有し、
    上記設定値は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量と、当該含有量にて無機フィラーを含むポリプロピレン樹脂組成物のペレットを成型加工したときに、シルバーストリークが生じないペレットの比重と、の関係に基づいて設定されたものである、品質管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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