JP2010111667A - フェキソフェナジン又はエバスチンを含有する鎮咳及び/又は去痰のための医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた気道杯細胞過形成抑制作用を有する新規な医薬組成物、特に呼吸器疾患等の予防又は治療、更には感冒等の予防又は治療に有用な医薬組成物を提供する。
【解決手段】抗アレルギー剤であるフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンが、優れた気道杯細胞過形成抑制作用を有することを見出し、上記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】抗アレルギー剤であるフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンが、優れた気道杯細胞過形成抑制作用を有することを見出し、上記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、フェキソフェナジン又はエバスチンを含有する気道杯細胞過形成抑制剤ひいては鎮咳及び/又は去痰のための医薬組成物に関する。
正常な気道の表面の多くは線毛上皮細胞で被われており、その中に気道粘液を産生する杯細胞が散在し、気道分泌液と線毛との協調作用により異物を排除している。しかし、気道分泌が亢進すると、気道内にそれらが貯留して細菌増殖の温床となるため、気道感染を反復したり気道閉塞をきたしたりすることが知られている。また、喫煙、種々の大気汚染物質又はアレルゲンの吸入、気道感染等で、気道分泌亢進のみならず杯細胞の過形成等が惹起され、これが長引くと急性呼吸器疾患から慢性難治性呼吸器疾患へ移行してしまう恐れがある(以上、例えば、非特許文献1参照)。このような悪循環を防ぐためには、急性期における通常の去痰剤による治療のみならず杯細胞過形成を抑制するための対処も併せて必要である。
抗アレルギー剤の1種であるフェキソフェナジン塩酸塩(塩酸フェキソフェナジン)は、(ア)ヒスタミンH1受容体拮抗作用、(イ)I(即時)型アレルギー反応抑制作用、(ウ)好酸球遊走抑制作用、(エ)ケミカルメディエータ遊離抑制作用、等の作用を有し、本邦では、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症、アトピー性皮膚炎)に伴う掻痒、等の効能・効果が認められている(例えば、非特許文献2参照)。
また、抗アレルギー剤の1種であるエバスチンは、(ア)ヒスタミンH1受容体拮抗作用、(イ)ヒスタミン遊離抑制作用、(ウ)抗アレルギー作用、等の作用を有し、本邦では、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚掻痒症の効能・効果が認められている(例えば、非特許文献2参照)。
しかし、フェキソフェナジン及びエバスチンのいずれも、感冒薬として処方又は利用されることは承認効能の面から、現状では考え難いものがある。
一方、フェキソフェナジン又はエバスチンを含有する感冒関連医薬組成物として、以下のものがこれまでに開示されているが、これらはあくまでも感冒時における鼻水・鼻閉等の鼻炎症状を抑える技術の開示に過ぎないものと言える。
(1)抗コリン薬のベラドンナ総アルカロイドによる鼻汁抑制作用が、フェキソフェナジンの併用により増強することが開示されている(特許文献1参照)。
(2)フェキソフェナジンとフェリネフリンを併用すると、鼻炎症状が著しく改善されることが開示されている(特許文献2参照)。
(3)エバスチンと抗コリン薬を併用すると、鼻粘膜の分泌線異常亢進に伴う鼻汁(鼻水)過多症状の除去・軽減に有効であることが開示・示唆されている(特許文献3参照)。
(4)有効成分として、イブプロフェン又はアセトアミノフェンから選ばれる解熱鎮痛剤、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン及びロラタジンから選ばれる抗アレルギー剤、鎮咳剤、去痰剤、喀痰溶解剤、交感神経興奮剤及び中枢神経興奮剤から選ばれる薬剤を含有する感冒薬カプセル剤が開示されている(特許文献4参照)。
(1)抗コリン薬のベラドンナ総アルカロイドによる鼻汁抑制作用が、フェキソフェナジンの併用により増強することが開示されている(特許文献1参照)。
(2)フェキソフェナジンとフェリネフリンを併用すると、鼻炎症状が著しく改善されることが開示されている(特許文献2参照)。
(3)エバスチンと抗コリン薬を併用すると、鼻粘膜の分泌線異常亢進に伴う鼻汁(鼻水)過多症状の除去・軽減に有効であることが開示・示唆されている(特許文献3参照)。
(4)有効成分として、イブプロフェン又はアセトアミノフェンから選ばれる解熱鎮痛剤、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン及びロラタジンから選ばれる抗アレルギー剤、鎮咳剤、去痰剤、喀痰溶解剤、交感神経興奮剤及び中枢神経興奮剤から選ばれる薬剤を含有する感冒薬カプセル剤が開示されている(特許文献4参照)。
また、これまでにアゼラスチン、メキタジン、ケトチフェン及びクレマスチンに気道杯細胞過形成抑制作用を有することが本発明者によって開示されている(特許文献5参照)が、その他の抗ヒスタミン剤及び抗アレルギー剤については不明である。
医薬ジャーナル、2002年、第38巻、第12号、p121−126
医療用医薬品集 2009年版 JAPIC 2008
優れた気道杯細胞過形成抑制作用を有する新規な医薬組成物を見出すことが本発明の課題である。これまでに、当該分野における研究は十分になされてきたとはいえず、本発明の成果により、新規な予防又は治療効果を有する医薬組成物が提供できるものと考えられる。特に本発明は、呼吸器疾患等の予防又は治療、更には感冒等の予防又は治療に役立つと考えられる。
本発明者は、気道杯細胞過形成抑制作用を有する医薬組成物について長年にわたり鋭意研究を行っているが、今回の研究では、先に開示したアゼラスチン、メキタジン、ケトチフェン及びクレマスチン以外の抗ヒスタミン剤および抗アレルギー剤についても気道杯細胞に対する作用を調べた。その結果、特定の抗アレルギー剤にのみ気道杯細胞過形成抑制作用が発現し、抗アレルギー剤によっては逆に増悪させるものも存在するという意外な事実を新たに見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
1.フェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する気道杯細胞過形成抑制剤、
2.1に記載の気道杯細胞過形成抑制剤を含有する鎮咳及び/又は去痰のための医薬組成物、
3.感冒の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、
4.急性又は慢性気管支炎の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、
5.慢性気道疾患における急性呼吸器感染時の症状の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、である。
1.フェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する気道杯細胞過形成抑制剤、
2.1に記載の気道杯細胞過形成抑制剤を含有する鎮咳及び/又は去痰のための医薬組成物、
3.感冒の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、
4.急性又は慢性気管支炎の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、
5.慢性気道疾患における急性呼吸器感染時の症状の治療に用いるための2に記載の医薬組成物、である。
本発明におけるフェキソフェナジンとは、化学名が、2−メチル−2−[4−[1−ヒドロキシ−4−[4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジル]ブチル]フェニル]プロピオン酸であり、テルフェナジンカルボキシラート又はカルボキシテルフェナジンとも称される公知の化合物である。フェキソフェナジンの塩としては、医薬上容認される塩であれば、特に限定されないが、フェキソフェナジン塩酸塩(以下、塩酸フェキソフェナジンとも称す)が好ましい。
本発明におけるエバスチンとは、化学名が、4′−(1,1−ジメチルエチル)−γ−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチロフェノン4′−tert−ブチル−γ−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]ブチロフェノンであり、公知の化合物である。
本発明の「慢性気道疾患」とは、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、気管支喘息、肺結核、塵肺症、肺気腫、びまん性汎気管支炎等が挙げられる。
本発明における、「治療する」とは、病気又は症状を治癒させること又は改善させること或いは症状を抑制させることを意味する。
本発明のフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する医薬組成物は、気道杯細胞の過形成を顕著に抑制し、ひいては優れた鎮咳及び/又は去痰作用を有することから有用である。
本発明のフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する医薬組成物は、一般に考えられる感冒等の症状の治療又は予防に有用であるが、好適には、急性又は慢性気管支炎等の症状の治療又は予防に有用であり、更に好適には、急性呼吸器感染症患者における急性気管支炎等の症状又はCOPD、気管支拡張症、気管支喘息、肺結核、塵肺症、肺気腫、びまん性汎気管支炎等の慢性気道疾患を有する患者における急性気管支炎等の症状の治療又は予防にも有用である。
本発明に用いられる、フェキソフェナジン塩酸塩(塩酸フェキソフェナジン)及びエバスチンは医薬品として市販されており、容易に入手できる。
フェキソフェナジン塩酸塩の1回投与量は、適応症や年齢により異なるが、通常、10mg〜100mgであり、これを1日に、1〜3回投与する。また、エバスチンの1回投与量は、適応症や年齢により異なるが、通常、1mg〜50mgであり、これを1日に、1〜2回投与する。
本発明の医薬組成物の剤形が固形製剤の場合において、フェキソフェナジン塩酸塩の含有量は、通常、10mg〜100mgであり、好適には、20mg〜80mgである。また、エバスチンの含有量は、通常、1mg〜50mgであり、好適には、2mg〜20mgである。
本発明の医薬組成物の剤形が液剤の場合において、フェキソフェナジン塩酸塩の含有量は通常、0.5mg/mL〜100mg/mLであり、好適には、1mg/mL〜80mg/mLである。また、エバスチンの含有量は通常、0.05mg/mL〜50mg/mLであり、好適には、0.1mg/mL〜20mg/mLである。
本発明においては、上記有効成分の他、必要に応じて解熱鎮痛消炎薬、その他の鎮咳薬、その他の去痰薬、交感神経興奮薬、中枢神経興奮薬、消炎酵素類、ビタミン類、生薬類等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
これらの具体的な剤形としては、例えば、錠剤、細粒剤(顆粒剤、散剤を含む)、カプセル、液剤(シロップ剤を含む)等をあげることができ、各剤形に適した添加剤や基剤を適宜使用し、日本薬局方等に記載された通常の方法に従い、製造することができる。
上記各剤形において、その剤形に応じ、通常使用される各種添加剤を使用することもできる。例えば、賦形剤、安定化剤、コーティング剤、滑沢剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、着色剤、pH調節剤及び香料等を添加することができる。
以下に、実施例及び試験例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)錠剤
(1)成分
(表1)
1錠中(mg) (1a) (1b)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 70 60
ステアリン酸マグネシウム 8 5
ヒドロキシプロピルセルロース 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
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(1)成分
(表1)
1錠中(mg) (1a) (1b)
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フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 70 60
ステアリン酸マグネシウム 8 5
ヒドロキシプロピルセルロース 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
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(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。
(実施例2)顆粒剤
(1)成分
(表2)
1包中(mg) (2a) (2b)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 300 250
ポリビニルピロリドン 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
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(1)成分
(表2)
1包中(mg) (2a) (2b)
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フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 300 250
ポリビニルピロリドン 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
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(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造する。
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造する。
(実施例3)カプセル剤
(1)成分
(表3)
1カプセル中(mg) (3a) (3b)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 150 100
ポリビニルピロリドン 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
(1)成分
(表3)
1カプセル中(mg) (3a) (3b)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
乳糖 150 100
ポリビニルピロリドン 25 25
トウモロコシデンプン 適量 適量
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(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造した後、カプセルに充てんして硬カプセル剤を製造する。
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製造した後、カプセルに充てんして硬カプセル剤を製造する。
(実施例4)シロップ剤
(1)成分
(表4)
10mL中(mg) (3a) (3b)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
安息香酸ナトリウム 70 70
グリセリン 100 50
ポリビニルアルコール 80 80
白糖 1200 1200
精製水 残部 残部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−。
(1)成分
(表4)
10mL中(mg) (3a) (3b)
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フェキソフェナジン塩酸塩 60 −
エバスチン − 10
安息香酸ナトリウム 70 70
グリセリン 100 50
ポリビニルアルコール 80 80
白糖 1200 1200
精製水 残部 残部
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(2)製法
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「シロップ剤」の項に準じてシロップ剤を製造した後、褐色ガラス瓶に充てんしてシロップ剤を製造する。
上記成分及び分量をとり、日局製剤総則「シロップ剤」の項に準じてシロップ剤を製造した後、褐色ガラス瓶に充てんしてシロップ剤を製造する。
(試験例)杯細胞形成抑制効果試験
(1)被験物質
抗アレルギー剤の、ペミロラストカリウムは三菱ウエルファーマ製造の商品名アレギサール(登録商標)10mg錠を、アンレキサノクスは武田薬品工業製造の商品名ソルファ(登録商標)50mg錠を、フェキソフェナジン塩酸塩はサノフィ・アベンティス製造の商品名アレグラ(登録商標)60mg錠を、それぞれ乳鉢で微細化して使用した。また、エバスチンはEstech Pharma社製のものを使用した。
(1)被験物質
抗アレルギー剤の、ペミロラストカリウムは三菱ウエルファーマ製造の商品名アレギサール(登録商標)10mg錠を、アンレキサノクスは武田薬品工業製造の商品名ソルファ(登録商標)50mg錠を、フェキソフェナジン塩酸塩はサノフィ・アベンティス製造の商品名アレグラ(登録商標)60mg錠を、それぞれ乳鉢で微細化して使用した。また、エバスチンはEstech Pharma社製のものを使用した。
各被験物質は投与液量が5mL/Kgになるように、試験当日に0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)液を加えて調製した。
(2)動物
F344/DuCrj雄性ラットの10週齢を日本チャールズリバー(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間7時〜19時に制御されたラット飼育室内でラット用ブラケットテーパーケージに5匹ずつ入れ、飼料(マウス・ラット飼育用F−2、船橋農場製)および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させて約1週間予備飼育した。試験開始日に肉眼で動物の健康状態を観察し良好なことを確認して体重を測定し無作為に1群7匹に群分けして用いた。
F344/DuCrj雄性ラットの10週齢を日本チャールズリバー(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間7時〜19時に制御されたラット飼育室内でラット用ブラケットテーパーケージに5匹ずつ入れ、飼料(マウス・ラット飼育用F−2、船橋農場製)および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させて約1週間予備飼育した。試験開始日に肉眼で動物の健康状態を観察し良好なことを確認して体重を測定し無作為に1群7匹に群分けして用いた。
(3)気道粘膜障害モデルの作製方法
ラットにペントバルビタール50mg/Kgを腹腔内投与して麻酔をかけ、仰臥位に固定し、頚部喉頭側皮膚を正中に切開して、筋肉を鈍性に分離し気管を露出させた。口腔からラット用の液体気管内投与器具を用いて、気管露出部から確認しながら気管内に挿入し、1%リポポリサッカライド(LPS)溶液を0.1mL投与した。直ちに、気管周囲筋肉を縫合して切開部皮膚をアロンアルファ(登録商標)で接着させて気道粘膜障害動物を作成した。
ラットにペントバルビタール50mg/Kgを腹腔内投与して麻酔をかけ、仰臥位に固定し、頚部喉頭側皮膚を正中に切開して、筋肉を鈍性に分離し気管を露出させた。口腔からラット用の液体気管内投与器具を用いて、気管露出部から確認しながら気管内に挿入し、1%リポポリサッカライド(LPS)溶液を0.1mL投与した。直ちに、気管周囲筋肉を縫合して切開部皮膚をアロンアルファ(登録商標)で接着させて気道粘膜障害動物を作成した。
(4)試験
試験開始日の午前中に被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した後に、上述の方法でLPS溶液を気管内投与し、その日の夕刻に再度被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した。2日目と3日目は1日2回(午前と夕刻)被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した。
試験開始日の午前中に被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した後に、上述の方法でLPS溶液を気管内投与し、その日の夕刻に再度被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した。2日目と3日目は1日2回(午前と夕刻)被験物質(対象群にはCMC液)を経口投与した。
4日目に体重を測定した後、ペントバルビタール麻酔下で頚動脈を切断して放血安楽死させてから、喉頭蓋部より肺までの気管を採取し、生理食塩水で洗浄後、10%中性緩衝ホルマリン液に浸漬し充分に固定した。
充分に固定後、気管を左右主気管支分岐部より上部約10mmで横断し、さらに上方に6mm以上の長さで横断し、管状の気管を切り出し観察材料とした。
常法により、管状の気管を縦断して短冊状の薄切気管標本を作製し、これをアルシアン青・PAS染色で染色後、6mm長の範囲内の杯細胞数を顕微鏡下で計測した。なお、1例について2本の短冊状気管組織標本の杯細胞合計数を計測数とした。
杯細胞形成抑制率(%)を次式より求めた。
(式1)
杯細胞形成抑制率(%)=[1−B/A]×100
A:CMC投与群の杯細胞数の平均値
B:被験物質投与群の杯細胞数の平均値
杯細胞形成抑制率(%)=[1−B/A]×100
A:CMC投与群の杯細胞数の平均値
B:被験物質投与群の杯細胞数の平均値
(5)試験結果
得られた杯細胞形成抑制率の結果を表5に示す。なお、各値とも1群7匹の平均値である。
得られた杯細胞形成抑制率の結果を表5に示す。なお、各値とも1群7匹の平均値である。
(表5)
被験物質(投与量:mg/Kg/回) 杯細胞形成抑制率(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ペミロラストカリウム(1) −27.1
アンレキサノクス(10) 0.9
フェキソフェナジン塩酸塩(10) 32.3
エバスチン(0.5) 21.5
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被験物質(投与量:mg/Kg/回) 杯細胞形成抑制率(%)
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ペミロラストカリウム(1) −27.1
アンレキサノクス(10) 0.9
フェキソフェナジン塩酸塩(10) 32.3
エバスチン(0.5) 21.5
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表5より、同じ抗アレルギー剤でも杯細胞過形成を増悪させるもの、効果の発現がないもの、抑制効果を有するものが存在し、フェキソフェナジン及びエバスチンは気道杯細胞形成抑制効果を有することが判明した。
本発明のフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する医薬組成物は、気道杯細胞の過形成を抑制し、ひいては優れた鎮咳及び/又は去痰作用を有することから有用である。
本発明のフェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する医薬組成物は、一般に考えられる感冒等の症状の治療又は予防に有用であるが、好適には、急性又は慢性気管支炎等の症状の治療又は予防に有用であり、更に好適には、急性呼吸器感染症患者における急性気管支炎等の症状又はCOPD、気管支拡張症、気管支喘息、肺結核、塵肺症、肺気腫、びまん性汎気管支炎等の慢性気道疾患を有する患者における急性気管支炎等の症状の治療又は予防にも有用である。
Claims (5)
- フェキソフェナジン若しくはその塩又はエバスチンを含有する気道杯細胞過形成抑制剤。
- 請求項1に記載の気道杯細胞過形成抑制剤を含有する鎮咳及び/又は去痰のための医薬組成物。
- 感冒の治療に用いるための請求項2に記載の医薬組成物。
- 急性又は慢性気管支炎の治療に用いるための請求項2に記載の医薬組成物。
- 慢性気道疾患における急性呼吸器感染時の症状の治療に用いるための請求項2に記載の医薬組成物。
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---|---|---|---|---|
JP2013075892A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-25 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | 抗炎症及び/又は抗ヒスタミン剤組成物 |
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2009
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