JP2010110543A - 歩行補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】背屈と底屈のいずれか一方にのみ介助力を加えることができ、他方に介助力を発生しない歩行補助装置を提供する。
【解決手段】歩行補助装置は、揺動した足装具に揺動方向とは逆方向の力を与えるばねユニットを備える。このばねユニットは、第1部材と第2部材と圧縮ばねを備えている。第2部材は、第1部材にスライド自在に取り付けられている。圧縮ばねは、第1部材と第2部材の重複部分に配設されている。この圧縮ばねは、第2部材を第1部材に引き込む方向に付勢されている。第1部材には、ばねの伸展可能長を自然長より短い所定の長さに規制する規制部が設けられている。即ち、ばねが伸展可能長以下に圧縮されているときには、圧縮ばねが第2部材を第1部材へ引き込む方向の復元力を発する。第2部材は、ばねの伸展可能長を越えて第1部材に引き込み可能である。
【選択図】図2
【解決手段】歩行補助装置は、揺動した足装具に揺動方向とは逆方向の力を与えるばねユニットを備える。このばねユニットは、第1部材と第2部材と圧縮ばねを備えている。第2部材は、第1部材にスライド自在に取り付けられている。圧縮ばねは、第1部材と第2部材の重複部分に配設されている。この圧縮ばねは、第2部材を第1部材に引き込む方向に付勢されている。第1部材には、ばねの伸展可能長を自然長より短い所定の長さに規制する規制部が設けられている。即ち、ばねが伸展可能長以下に圧縮されているときには、圧縮ばねが第2部材を第1部材へ引き込む方向の復元力を発する。第2部材は、ばねの伸展可能長を越えて第1部材に引き込み可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、使用者の下腿と足に取り付けられ、揺動した足にばねによる復元力を加える歩行補助装置に関する。なお、本明細書において「足」は、脚全体を意味せず、足首よりも先端の部位を意味する。
下腿装具と、下腿装具に揺動可能に連結されている足装具を備える歩行補助装置が知られている。そのような歩行補助装置は、下肢装具と呼ばれる場合もある。歩行補助装置はさらに、一端が足装具に連結されているとともに他端が下腿装具に連結されており、揺動した足装具に揺動方向とは逆方向の力を加えるばねユニットを備えている。以下では、ばねユニットが足装具の揺動方向とは逆の方向に加える力(ばねの復元力)を介助力と称することがある。この介助力が、使用者の歩行動作を補助する。そのような歩行補助装置の例が、特許文献1や特許文献2に開示されている。
足装具と下腿装具の間に単純にばねを介在させると、背屈と底屈のいずれの方向にも足装具に介助力が作用する。使用者の状態によっては、背屈と底屈のいずれかの方向にのみ介助力を加えることが好ましい場合がある。本発明の第1の目的は、背屈と底屈のいずれか一方にのみ介助力を加えることができ、他方に介助力を発生しない歩行補助装置を提供することにある。
また、歩行補助装置は軽量であることが好ましい。例えば、ばねユニットと下腿装具を連結する連結部材、或いはばねユニットと足装具を連結する連結部材にワイヤを採用することができれば軽量化が図れる。しかし、連結部材にワイヤを採用すると、ワイヤのたるみを防止するために、ワイヤに常に張力を与えておく必要がある。ワイヤの弛みを防止するために張力は、本来足装具に加えるべき介助力とは別の力である。即ち、ワイヤの弛みを防止するための張力は、使用者に対する無用な負荷となる。本発明の第2の目的は、介助力を必要としないときにはワイヤの弛み防止のために介助力よりも小さな張力を与えることができる歩行補助装置を提供することにある。
第1の目的を実現するための歩行補助装置は、揺動した足装具に揺動方向とは逆方向の力を与えるばねユニットを備える。このばねユニットは、第1部材と第2部材と圧縮ばねを備えている。第2部材は、第1部材にスライド自在に取り付けられている。圧縮ばねは、第1部材と第2部材の重複部分に配設されている。この圧縮ばねは、第2部材を第1部材に引き込む方向に付勢している。第1部材には、ばねの伸展可能長を自然長より短い所定の長さに規制する規制部が設けられている。即ち、ばねが伸展可能長以下に圧縮されているときには、圧縮ばねが第2部材を第1部材へ引き込む方向の復元力を発生する。このばねユニットは、第2部材が、伸展可能長を越えて第1部材に引き込み可能であることを特徴とする。
上記のばねユニットは、第1部材の先端(ばねを系止している端部と反対側の端部)が足装具に連結され、第2部材の先端(ばねを系止している端部と反対側の端部)が下腿装具に連結される。逆に、第1部材の先端が下腿装具に連結され、第2部材の先端が足装具に連結されていてもよい。
上記のばねユニットの機能を説明するために、ばねユニットが脹脛側に配置されている場合を仮定する。上記のばねユニットは、足装具が背屈し第2部材が第1部材から伸展すると、圧縮ばねが圧縮されて第2部材を引き込む方向に復元力が発生する。即ち、足装具が背屈すると、ばねユニットは、足装具を底屈方向に引き戻す介助力を発生する。足装具が底屈方向に揺動し、第2部材が引き込まれてばねが規制部に当接すると、それ以上はばねは伸びることはできない。さらに足装具が底屈していくと、第2部材は、伸展可能長を超えて第1部材に引き込まれる。伸展可能長を超えて引き込まれている第2部材にはばねの力は作用しない。即ち、足装具は背屈方向の介助力を足装具に加えることはない。
ばねが規制部に当接したときのばねユニットの全長を基準長と称する。このばねユニットは、基準長よりも長く伸びた場合に引っ張り力を発生し、基準長よりも短くなると力を発生しない。そのようなばねユニットを採用することによって、歩行補助装置は、背屈と底屈のいずれか一方のみ介助力を発生する。ここで、ばねユニットを脛側に配置すれば、背屈方向にのみ介助力を発生する歩行補助装置が実現し、ばねユニットを脹脛側に配置すれば、底屈方向にのみ介助力を発生する歩行補助装置が実現する。
上記のばねユニットを採用すると、さらに、背屈方向と底屈方向のそれぞれで異なるばね定数を有する歩行補助装置を実現することができる。そのような歩行補助装置は、次の技術的特徴を備える。(1)下腿装具のすね側と脹脛側のそれぞれにばねユニットが配置されている。(2)それぞれのばねユニットのばねのばね定数が互いに異なっている。(3)いずれか一方のばねユニットのばねが伸展可能長よりも圧縮されているときに他方のばねユニットのばねが伸展可能長を維持する関係が成立している。
第2の目的を実現するための歩行補助装置は、次の技術的特徴を有するばねユニットを備える。このばねユニットは、ばね定数の異なる2つのばねが直列に連結されたばねセットと、ばねセットの一端と下腿装具を連結する第1部材と、ばねセットの他端と足装具を連結する第2部材を備えている。そして、第1部材と第2部材の少なくとも一部がワイヤである。直列に接続されたばねセットのうち、ばね定数の大きいばねを主ばねと称し、ばね定数の小さいばねを補助ばねと称する。ワイヤは、少なくとも、補助ばねによって張力が加えられる。
このばねユニットは、補助ばねによって常にワイヤに張力が与えられる。従って、ワイヤが弛むことはない。補助ばねの長さに余裕があって主ばねの長さが当初の長さを保つことができる間は、足装具には補助ばねの復元力が作用するだけである。補助ばねのばね定数は主ばねのばね定数よりも小さい。従ってこのばねユニットを採用した歩行補助装置は、主ばねの長さが変化するまでは揺動した足装具に加わる力を小さく保つことができる。補助ばねの長さが最大長(あるいは最短長)となったのちは、主ばねの長さが変化する。主ばねによって、所望の介助力を足装具に加えることができる。
このばねユニットはさらに、次の技術的特長を備えているとよい。ばねセットが下肢に沿って配置されている。第1部材は、ばねセットに平行に伸びているとともに、ばねセットの踵側端部と下腿装具を連結している。第2部材は、ばねセットに平行に伸びているとともに、ばねセットの膝側端部と足装具を連結している。そのように構成されたばねユニットを備える歩行補助装置は、ばねユニットの両端が遠ざかる方向に足装具が揺動するときに引っ張り力を発生する。このばねユニットは、圧縮ばねを使って引っ張り力を発生させることができる。このばねユニットは、補助ばねが最短長となってさらに引っ張られたときに主ばねが圧縮されて大きな介助力を足装具に加えることができる。すなわちこの歩行補助装置は、主ばねの長さが変化するまでは、足装具に過大な力を加えることなくワイヤに張力を加えておくことができる。
実施例の歩行補助装置の技術的特徴を以下に挙げる。
(1)補助ばね52は、主ばね50の内側に配置されている。補助ばね52をそのように配置することで、2つのばねを直列で用いているにも関わらずにばねユニットの全長を増大させることがない。
(1)補助ばね52は、主ばね50の内側に配置されている。補助ばね52をそのように配置することで、2つのばねを直列で用いているにも関わらずにばねユニットの全長を増大させることがない。
図面を参照して第1実施例の歩行補助装置100を説明する。図1に、歩行補助装置100の模式図を示す。なお、図1においてかっこ書きの符号は、後述する第3実施例の歩行補助装置を説明するときに用いる。歩行補助装置100は、使用者Uの下腿に装着される下腿装具12と使用者Uの足に装着される足装具14を備えている。下腿装具12と足装具14は、ジョイント16で相対的に揺動可能に連結されている。歩行補助装置100を使用者Uに装着したとき、ジョイント16の回転軸は、使用者Uの足首のピッチ軸とほぼ同軸に位置する。なお、ピッチ軸とは、人体の左右方向に伸びる軸を意味する。即ち、ジョイント16は、足装具14を背屈・底屈方向に揺動可能に下腿装具12に連結している。なお、「背屈」は、つま先を脛に近づける方向に足首を曲げることを意味し、「底屈」は、つま先を伸ばす方向に足首を曲げることを意味する。
下腿装具12の接続部12aと足装具14の接続部14aの間に、ばねユニット20が取り付けられている。別言すれば、ばねユニット20は、一端が下腿装具12の接続部12aに接続されており、他端が足装具14の接続部14aに接続されている。ばねユニット20の機能を説明する。なお、ばねユニット20の構造については後述する。ばねユニット20は、その全長が所定の長さ以上に伸びると、全長を縮める方向に復元力を発生する。ばねユニット20は、所定の長さ以下の場合には、復元力を発生しない。以下では、復元力を発生し始めるときのばねユニット20の全長を基準長と称する。すなわち、歩行補助装置100は、ばねユニット20が基準長を超えて伸びるほどに足が背屈したときに、足を底屈方向に戻す介助力を発生する。ばねユニット20は、基準長以下となるほどに足が底屈したときには、介助力を発生しない。
ばねユニット20の断面図を図2に示す。図2(A)は、基準長以上に伸びているときのばねユニット20を示しており、図2(B)は、基準長以下のときのばねユニット20を示している。
ばねユニット20は、第1部材22と第2部材24と圧縮ばね28を備えている。第1部材22の一端は、下腿装具12の接続部12aに連結されている。第2部材24の一端は、足装具14の接続部14aに連結されている。接続部12aは使用者の膝付近に位置し、接続部14aは踵付近に位置する。従って図2の上側を膝側と称し、下側を踵側と称する。
第2部材24は、第1部材22にスライド可能に嵌挿されている。第1部材22と第2部材24の重複部分にばね28が配置されている。ばね28の踵側の端部28aは、第1部材22の踵側の底面22aに当接している。ばね28の膝側の端部28bは、ばね座26に当接している。即ち、ばね28は、底面22aとばね座26で挟まれている。ばね座26には中央に貫通孔26aが設けられており、その貫通孔26aを第2部材24が通っている。第2部材24の膝側の端部には貫通孔26aの直径よりも大きいストッパ24aが形成されている。第2部材24は、第1部材22の底面22aに設けられた貫通孔22bを通って足装具14へ伸びている。即ち、ばね28は、第1部材22と第2部材24の重複部分に配置されており、第2部材24が第1部材22から伸展したときに第1部材22へ引き込む方向の復元力を発生する。別言すれば、ばね28は、第2部材24を第1部材22へ引き込む方向に付勢している。
足装具14が背屈すると、下腿装具12の接続点12aと足装具14の接続点14aとの間の距離が広がる。足装具14が背屈すると、ストッパ24aがばね座26に当接し、ばね座26を踵方向に押し下げる。このとき、ばね座26がばね28を圧縮する。圧縮されたばね28が、底屈方向へ引き戻す復元力(介助力)を足装具14へ加える。
第1部材22の内壁に規制部22cが設けられている。規制部22cは、ばね座26の膝側への移動を規制する。ばね座26が規制部22cに当接すると、ばね28はそれ以上伸びることができない。符号Lは、第1部材22の底面22aから規制部22cまでの距離を示しており、ばね28の伸展可能な長さを示している。第2部材24のストッパ24aは、膝方向へはばね座26から離間することができる。従って、第2部材24は、ばね28の伸展可能長Lを超えて第1部材22へ引き込まれることができる。別言すれば、第2部材24の後端(ストッパ24a)は、ばね28の伸展可能長Lを超えて膝側へ移動することができる。さらに別言すれば、ばねユニット20は、ばね28が伸展可能長Lに達した後も第2部材24が第1部材22内へ後退することができるように構成されている。なお、距離Lは、ばね28の自然長よりも短い長さに設定されている。
足装具14が底屈方向に揺動していくと、図2(B)に示すように、第2部材24のストッパ24aは、規制部22cを超えて膝側へ移動する。ストッパ24aが規制部22cに規制されずに自由に移動できることによって足装具14の底屈方向の揺動が許容される。他方、ばね28は、距離L以上には伸びることができない。そのような構造によって、ストッパ24aが規制部22cを超えて膝側へ移動するとき、足装具14に復元力は作用しない。ばね座26が規制部22cに当接しているとともに、ストッパ24aにも当接しているときのばねユニット20の全長が、前記した基準長に相当する。即ち、歩行補助装置100は、ばねユニット20が基準長よりも短くなるほど足装具14が揺動しているときには足装具14に介助力を加えない。ここで、介助力は、揺動方向とは逆方向に足装具14に作用するばねの復元力に相当する。歩行補助装置100は、足装具14の背屈方向の揺動に対して底屈方向へ向かう介助力を発生するが、背屈方向の介助力を発生しない。この歩行補助装置100は、底屈方向の介助力を必要とするが背屈方向の介助力を必要としない使用者に適している。
ばねユニット20を下腿装具のすね側に配置すると、足装具14の底屈方向の揺動に対して背屈方向の介助力を発生するが、底屈方向の介助力を発生しない歩行補助装置が実現する。そのような歩行補助装置100は、背屈方向の介助力を必要とするが底屈方向の介助力を必要としない使用者に適している。
なお、ばね28の伸展可能長Lがばね28の自然長よりも短く規定されているので、この歩行補助装置100は、ストッパ24aがばね座26を押し下げ始めるとき、すなわち介助力が効き始めるとき、ゼロからステップ状に変化する介助力を加えることができる。
(第2実施例)図3に、第2実施例の歩行補助装置200を示す。この歩行補助装置200は、下腿装具12の脹脛側にばねユニット20aを備えているとともに、脛側にもばねユニット20bを備えている。脛側のばねユニット20bは、下腿装具12の脛側に設けられた接続部12bと、足装具14の足甲部に設けられた接続部14bの間に介挿されている。図3に示すとおり、ばねユニット20aと20bは、ジョイント16を挟んで背屈側と底屈側のそれぞれに配置されている。ばねユニット20aと20bの構造は第1実施例のばねユニット20の構造と同じである。ただし、ばねユニット20aが備えるばねのばね定数Kaは、ばねユニット20bが備えるばねのばね定数Kbよりも大きい。
また、ばねユニット20aが基準長となるとき、ばねユニット20bも基準長となるように構成されている。別言すれば、一方のばねユニットのばねが伸展可能長よりも圧縮されているときに他方のばねユニットのばねが伸展可能長を維持する関係が成立している。すなわち、いずれか一方のばねユニットが介助力(ばねの復元力)を発生しているときに他方のばねユニットは介助力を発生しないように構成されている。そのように構成することによって、足装具14が背屈方向に揺動した場合には脹脛側のばねユニット20aが底屈方向の介助力を発生し、足装具14が底屈方向に揺動した場合には脛側のばねユニット20bが背屈方向の介助力を発生する。このとき、介助力が発生しない中立位置からの同じ角度の揺動であっても、背屈方向に揺動したときと底屈方向に揺動したときとでは介助力が異なる。この歩行補助装置200は、背屈方向と底屈方向で足の動かし易さが異なる使用者に好適である。
特に、底屈方向の介助力を発生するばねユニット20aのばね定数Kaが、背屈方向の介助力を発生するばねユニット20bのばね定数Kbよりも大きいことは次の利点がある。底屈方向の介助力は、離床時の足のけり出しに貢献する。けり出すときの力は大きいことが好ましい。他方、背屈方向の介助力は、遊脚時のつま先の鉛直可能への垂れを防止する。つま先の垂れの防止には小さな介助力でよい。Ka>Kbの関係が成立する歩行補助装置は、足のけり出しに貢献する底屈方向には大きな介助力を加えることができるとともに、遊脚時のつま先の垂れを防止する背屈方向には小さな介助力のみを加える。
(第3実施例)第3実施例の歩行補助装置300を説明する。第3実施例の歩行補助装置300の構造は、ばねユニットの構造を除いて第1実施例の歩行補助装置100と同じである。図1において、第3実施例の歩行補助装置を符号300で表す。歩行補助装置300が備えるばねユニットを符号40で表す。
ばねユニット40の断面図を図4に示す。ばねユニット40は、主ばね50と、主ばね50よりもばね定数の小さい補助ばね52を備えている。主ばね50と補助ばね52は直列に接続されている。ばねユニット40は、両端の距離が広がると、(即ち、足装具14が背屈すると)、主ばね50と補助ばね52のセットに圧縮力が作用する。図4(A)は、補助ばね52のみが圧縮されている状態を示しており、図4(B)は補助ばね52とともに主ばね50が圧縮されている状態を示している。
ばねユニット40の構造を詳細に説明する。ばねユニット40は、第1部材42と第2部材60を備えている。第1部材42は、ワイヤ42aとアウターシリンダ42bから構成されている。第2部材60は、ワイヤ60aとストッパ60bから構成されている。なお、ワイヤ42aは、長さ調整ネジ70を介してアウターシリンダ42bに接続されている。第1部材42の一端は、下腿装具12の接続部12aに連結されている。第2部材60の一端は、足装具14の接続部14aに連結されている。接続部12aは使用者の膝付近に位置し、接続部14aは踵付近に位置する。従って図4の上側を膝側と称し、下側を踵側と称する。
アウターシリンダ42bの内部に、インナーシリンダ44がスライド可能に配置されている。インナーシリンダ44の膝側の端部にはフランジが形成されている。アウターシリンダ42bの踵側底面42cとインナーシリンダ44のフランジの間に主ばね50が配置されている。アウターシリンダ42bの膝側底面とフランジの間には緩衝材72が配置されている。図4(A)に示すとおり、主ばね50の伸展可能長さはL1に規制されている。
図4に示すように、インナーシリンダ44の筒内に補助ばね52が配置されている。補助ばね52の踵側端部52bがインナーシリンダ44の底面に当接しており、補助ばね52の膝側端部52aが第2部材60のストッパ60bに当接している。
主ばね50と補助ばね52は、インナーシリンダ44を介して直列に接続されている。より詳細には、主ばね50の膝側端部50aと、補助ばね52の踵側端部52bがインナーシリンダ44を介して接続されている。主ばね50と補助ばね52を合わせてばねセットと称すると、端部50bはばねセットの踵側端部に相当し、端部52aはばねセットの膝側端部に相当する。従って、ばねセットの踵側端部50bは、第1部材42を介して下腿装具12に連結されており、ばねセットの膝側端部52aは、第2部材60を介して足装具14に連結されている。なお、第1部材42と第2部材60とばねセットは同軸に配置されており、それゆえ、ばねユニット40の両端が広がると、圧縮ばねである主ばね50と補助ばね52がばねユニット40の両端に引っ張り力を発生する。
ばねユニット40は下腿装具12の脹脛側に配置されている。従って、歩行補助装置300は、足装具14が背屈方向に揺動すると、足装具14に底屈方向の介助力を加える。
前述したように、補助ばね52のばね定数は、主ばね50のばね定数よりも小さい。従って、足装具14が背屈方向に揺動するとき、補助ばね52が最短長L2となるまでは、ばねセットが発生する復元力(介助力)は、ほぼ補助ばね52のばね定数に支配される。他方、図4(B)に示すように、補助ばね52が最短長L2まで圧縮された後、足装具14がさらに背屈すると主ばね50が圧縮し始める。主ばね50が短くなってからは、ばねセットが発生する復元力は主ばね50のばね定数に支配される。このように、ばねユニット40は、補助ばね52に圧縮される長さの余裕があるうちは、足装具14に大きな介助力を発生させない。このとき、補助ばね52によるわずかな復元力によって、ワイヤ42aと60aに張力が加えられる。従って、足装具14に大きな介助力を加えることなく、ワイヤ42aと60aの弛みが防止される。
他方、足装具14が背屈して補助ばね52が最短長L2となると、それ以上に足装具14が背屈するときには主ばね50が圧縮される。このときには、主ばね50の復元力が介助力として足装具14に加わる。このばねユニット40を備えた歩行補助装置300は、ワイヤを採用することによって軽量化が図られる。歩行補助装置300は、足装具14の揺動角が所定値以下のときにはワイヤに弛み防止の低い張力を加えることができるとともに、揺動角が所定値を越えると大きな介助力を加えることができる。ここで揺動角の所定値は、主ばね50が伸展可能長L1を維持しており、かつ、補助ばね52が最短長L2となるときの揺動角に相当する。
ばねユニット40のその他の特徴を説明する。図4に示すように、補助ばね52は、主ばね50の内側に配置されている。そのような配置によって、ばね定数の異なる2つのばねを用いながら、ばねユニットの全長は、主ばねのみを用いる場合とほぼ同じである。このばねユニット40は、ばね定数の異なる2つのばねを用いながらも全長を増大させることがない。
第3実施例の歩行補助装置300は、軽量化のために、弛むことなくワイヤをばねユニットの連結に採用することができる。この歩行補助装置300は、介助力を必要としないときにはばねユニットを連結するワイヤの弛み防止のための小さな張力を与えることができる。歩行補助装置300の概要は次の通りである。歩行補助装置300は、揺動した足装具に揺動方向とは逆方向の力を与えるばねユニット40を備える。ばねユニット40は、ばね定数の異なる2つのばねが直列に連結されたばねセットと、ばねセットの一端と下腿装具を連結する第1部材と、ばねセットの他端と足装具を連結する第2部材を備えている。そして、第1部材と第2部材の少なくとも一部がワイヤである。直列に接続されたばねセットのうち、ばね定数の小さいばねが、介助力ほど大きくない張力をワイヤに与える。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:下腿装具
14:足装具
16:ジョイント
20:ばねユニット
22:第1部材
24:第2部材
26:ばね座
28:ばね
40:ばねユニット
42:第1部材
42a:ワイヤ
42b:アウターシリンダ
50:主ばね
52:補助ばね
60:第2部材
60a:ワイヤ
60b:ストッパ
100、200、300:歩行補助装置
14:足装具
16:ジョイント
20:ばねユニット
22:第1部材
24:第2部材
26:ばね座
28:ばね
40:ばねユニット
42:第1部材
42a:ワイヤ
42b:アウターシリンダ
50:主ばね
52:補助ばね
60:第2部材
60a:ワイヤ
60b:ストッパ
100、200、300:歩行補助装置
Claims (4)
- 下腿装具と、
下腿装具に揺動可能に連結されている足装具と、
一端が下腿装具に連結されているとともに他端が足装具に連結されているばねユニットと、を備える歩行補助装置であり、
ばねユニットが、
第1部材と、
第1部材にスライド自在に取り付けられている第2部材と、
第1部材と第2部材の重複部分に配設されており、第2部材を第1部材に引き込む方向に付勢しているばねと、を備えており、
ばねの伸展可能長を自然長より短い所定の長さに規制する規制部が第1部材に設けられているとともに、第2部材が、伸展可能長を越えて第1部材に引き込み可能であることを特徴とする歩行補助装置。 - 下腿装具のすね側と脹脛側のそれぞれにばねユニットが配置されており、それぞれのばねユニットのばねのばね定数が互いに異なっており、いずれか一方のばねユニットのばねが伸展可能長よりも圧縮されているときに他方のばねユニットのばねが伸展可能長を維持する関係が成立していることを特徴とする請求項1に記載の歩行補助装置。
- 下腿装具と、
下腿装具に揺動可能に連結されている足装具と、
一端が下腿装具に連結されているとともに他端が足装具に連結されているばねユニットと、を備える歩行補助装置であり、
ばねユニットが、
ばね定数の異なる2つのばねが直列に連結されたばねセットと、
ばねセットの一端と下腿装具を連結している第1部材と、
ばねセットの他端と足装具を連結している第2部材と、を備えており、
第1部材と第2部材の少なくとも一部がワイヤであることを特徴とする歩行補助装置。 - ばねセットが下腿に沿って配置されており、
第1部材は、ばねセットに平行に伸びているとともに、ばねセットの踵側端部と下腿装具を連結しており、
第2部材は、ばねセットに平行に伸びているとともに、ばねセットの膝側端部と足装具を連結していることを特徴とする請求項3に記載の歩行補助装置。
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