JP2010106388A - 耐熱性不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ポリエーテルケトンの長繊維からなることを特徴とする耐熱性不織布であり、好ましくは、前記長繊維の繊維径が3〜50μm、結晶化度が20〜60%であり、前記不織布が、圧着面積率3%以上の熱圧着で一体化されていることを特徴とする耐熱性不織布。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、ニードルパンチングを行った後に、定法にしたがって乾燥することにより不織布を得る方法が記載されている。また、特許文献2には、スラリーから抄紙することにより不織布を得る方法が開示されている。
また、特許文献1および2に示す不織布は、いずれも短繊維不織布であり、短繊維不織布は、製造時や使用時に、摩擦による毛羽立ち、あるいは、毛羽抜けが発生するという問題があった。
1.芳香族ポリエーテルケトンの長繊維からなることを特徴とする耐熱性不織布。
2.前記長繊維の繊維径が3〜50μmであることを特徴とする上記1に記載の耐熱性不織布。
4.前記長繊維の結晶化度が20〜60%であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の耐熱性不織布。
6.前記不織布の毛羽等級が3級以上であり、単位目付けあたりの引張強力が1.5〜4.5(N/5cm)/(g/m2)の範囲であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の耐熱性不織布。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐熱性不織布は、芳香族ポリエーテルケトンの長繊維からなる。
本発明において、芳香族ポリエーテルケトン繊維の強度は、2.5cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは3.5cN/dtex以上であり、特に好ましくは4.0〜8.0cN/dtexである。
本発明の耐熱性不織布は、表面の耐毛羽性に優れており、学振型磨耗試験機での評価で、毛羽等級3級以上であることが好ましく、より好ましくは4級以上である。この範囲の毛羽等級であると、耐磨耗性が良好であり、実用上の磨耗問題を解消できる。
なお、芳香族ポリエーテルケトンからなる長繊維で構成される不織布と、他の熱可塑性合成繊維不織布との複合不織布も、本発明の態様のひとつである。
紡糸工程では、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を、通常の押出し機で溶融した後、溶融物を、計量ポンプを経て、多数の細孔を有する紡糸口金に送り込み、溶融押出しする。
紡糸温度は、350〜420℃が好ましく、さらに好ましくは350℃〜390℃である。紡糸温度が低すぎると、安定した溶融状態にはならず、繊維斑が大きくなる。
紡出されたフィラメント群は、エジェクター等の高速牽引装置で延伸される。
熱圧着処理の温度及び圧力は、得られる不織布の目付け、速度などの条件により適宜選択されるべきものであり、一概には定められない点もあるが、熱接着は、300〜320℃の加熱下で、圧着面積率が3%以上であることが好ましく、より好ましくは10〜20%であり、熱接着処理により良好な繊維相互間の接着を行うことができる。
上記のカレンダーロールとしては、その表面が平滑なもの、模様の彫刻されたものを用いることができ、あるいは、これらの同種または異種のローラーの組み合わせから成る複数の回転ローラーの使用も可能である。
本発明の耐熱性不織布は、一般産業資材、難燃被覆材、特に耐薬品性や耐熱性を要求される、フィルター関連用途、電池セパレータなどに好適に用いることができる。
なお、測定方法等は下記の通りである。
試料の任意の10箇所を、マイクロスコープの倍率1000倍にて撮影し、50点の繊維の直径を測定し、平均値を算出した。
通常の引張試験機を用い、試料長100mm、引張速度200mm/分の条件で、応力、伸度曲線を求めて、最大応力を試料の繊度で割った値を単糸の強度とした。
示差熱分析計(TAインスツルメント社:DSC2920)を用いて、5.0mgの試料を、以下の条件で測定し、融解ピークを求めた。
測定雰囲気:窒素ガス流量:150ml/分、昇温速度:20℃/分
測定範囲:30〜350℃
JIS−L−1906に準じて測定した。
(5)不織布の引張強力
JIS−L−1906に準じて測定し、MD方向とCD方向の平均値を、不織布の引張強力とした。
不織布の両端10cmを除き、幅20cm当たり、CD、MD方向に、25mm×300mmの試験片を6点採取した。日本学術振興会型堅牢度試験機を用いて、摩擦子の荷重が200g、摩擦子側には摩擦係数が適当と考えられるリンレイクロス一重梱包用No.314布粘着テープを使用し、50回動作させた。耐毛羽性は、各試験片について、以下の基準で等級づけ、平均値により、毛羽等級を決定した(小数点以下を四捨五入した)。
2級:繊維が10本以上剥ぎ取られる、もしくは毛玉が大きくはっきり見られる、または複数箇所で繊維が浮き上がりはじめる。
3級:繊維が3〜10本程度剥ぎ取られる、もしくははっきりとした毛玉ができはじめ、または小さな毛玉が複数見られる。
4級:繊維が1〜2本程度剥ぎ取られる、もしくは一ヶ所に小さな毛玉ができはじめる程度に毛羽立っている。
5級:毛羽立ちがない。
熱風オーブン(タバイエスペック社製:HIGH-TEMP OVEN PHH-300)を用い、10cm角の試料3点を、熱風空気雰囲気下で、180℃30分間暴露し、不織布の面積収縮率を測定して、3点の平均値を求めた。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(Victrex社製、PEEK-90G)を390℃で溶融し、ノズル径0.25mmの紡口口金から押出し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度6000m/分で延伸し、移動する多孔質帯状体に捕集、堆積させて長繊維ウェブを作製した。 このウェブを、320℃に加熱したフラットロールを用い線圧300N/cmで熱圧着して、目付70g/m2の長繊維不織布を作製した。
得られた長繊維不織布について、構成繊維の繊維径、強度、結晶化度、不織布の目付、熱収縮率、引張強力、毛羽等級などを表1に示す。
紡糸速度を3500m/分に変えたこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を作製した。得られた長繊維不織布について、構成繊維の繊維径、強度、結晶化度、不織布の目付、熱収縮率、引張強力、毛羽等級などを表1に示す。
紡糸速度を3500m/分に変え、捕集、堆積させて得られた長繊維ウェブにニードルパンチ加工(150回/cm2)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を作製した。得られた長繊維不織布について、構成繊維の繊維径、強度、結晶化度、不織布の目付、熱収縮率、引張強力、毛羽等級などを表1に示す。
捕集、堆積させて得られた長繊維ウェブにニードルパンチ加工(150回/cm2)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を作製した。得られた長繊維不織布について、構成繊維の繊維径、強度、結晶化度、不織布の目付、熱収縮率、引張強力、毛羽等級などを表1に示す。
Claims (7)
- 芳香族ポリエーテルケトンの長繊維からなることを特徴とする耐熱性不織布。
- 前記長繊維の繊維径が3〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性不織布。
- 前記不織布が、圧着面積率3%以上の熱圧着で一体化されていることを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性不織布。
- 前記長繊維の結晶化度が20〜60%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性不織布。
- 前記不織布が、ニードルパンチもしくはウォータージェットパンチで一体化されていることを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性不織布。
- 前記不織布の毛羽等級が3級以上であり、単位目付けあたりの引張強力が1.5〜4.5(N/5cm)/(g/m2)の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性不織布。
- 前記不織布の熱収縮率が20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性不織布。
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