JP2010105270A - 樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素気体の高圧を維持しながら駆動させるための複雑な駆動装置を用いずに、短時間で、樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写できる樹脂成形品を製造する製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】第1密閉槽6内に、転写面3を有する金型2と前記転写面が転写される樹脂成形体101を保持する樹脂成形体保持部9を収容させ、中間壁5を貫通して移動する可動部材8を配設し、可動部材8を金型2の転写面3に向かって押圧する押圧部8bを第2密閉槽7内に移動可能に配設した。第1及び第2の2つの密閉槽6,7内に二酸化炭素気体を供給し、第1密閉槽内6で、樹脂成形体101の表面を二酸化炭素気体で可塑化するとともに、第1及び第2密閉槽内6,7の二酸化炭素気体の圧力を調整することで、可動部材8を動かし、樹脂成形体101を金型転写面3に押圧させ、その後剥離するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、高精度な転写面を有する樹脂成形品を製造するのに好適な製造装置及び製造方法に係り、特に、表面に高精度な光学鏡面や微細パターンを有する光学素子として好適な樹脂成形品を製造するのに好適な樹脂成形品の製造装置及び製造方法に関する。
樹脂成形品の製造方法としては、一般的に射出成形法が用いられている。射出成形法は、溶融した樹脂を、その軟化温度以下の温度に加熱維持された金型のキャビティ内に充填して、固化させるといった方法である。この方法によれば、キャビティ内に樹脂を充填した直後に冷却固化が始まり、非常に速い成形サイクルで、3次元形状の成形品を作製することができる。しかし、この場合、樹脂がキャビティ内に充填された直後に冷却され、固化層が形成されるために、特に回折レンズや導光板のように表面に微細な凹凸パターンを有する成形品においては、樹脂がその微細な凹凸パターンに充填する前に固化してしまい、樹脂成形品に微細な凹凸パターンを精度良く形成することができないという問題が生じる。
他の樹脂成形品の製造方法としては、上述した微細パターンを樹脂表面に転写する方法があり、この転写方法として熱インプリント法が知られている。これは、樹脂をその軟化温度以上に加熱して、微細パターンが形成された金型の転写面を押圧し、樹脂表面に転写し、その後軟化温度以下まで冷却して成形品を転写面から離型する方法である。この場合は、押圧時に樹脂はその軟化温度以上に加熱されているため、微細パターンを精度良く樹脂表面に転写することが可能となるが、樹脂の加熱及び冷却の工程が必要であり、非常に成形時間が長くなるといった問題がある。
このような問題点に対して、近年では二酸化炭素気体を成形加工に応用する試みが複数なされている。二酸化炭素気体のような不活性ガスを高圧にして樹脂中に溶解させると、樹脂が可塑化され、その軟化温度が低下することが知られており、この性質を応用して微細な凹凸パターンを樹脂表面に形成する試みがなされている。
例えば、特許文献1には、金型キャビティ内に予め二酸化炭素気体を充填し、その後金型キャビティ内に樹脂を充填して射出成形する方法が提案されている。この場合は、金型キャビティ内に充填された二酸化炭素気体によって、キャビティ内の樹脂の軟化温度が低下し、それにつれて樹脂の粘度が低下し、金型の微細パターン(転写面)への充填が促進されて樹脂表面に精度よく微細パターンを形成することが可能となる。しかしながら、樹脂の流動を伴って二酸化炭素気体が溶解されるため、樹脂の流動が不安定になり、それに伴う外観不良が成形品に生じる。また、高圧二酸化炭素気体で加圧されたキャビティ内に樹脂を充填するために、成形品の未充填といった問題が生じ易くなる。
一方、上記のような問題を解消するために、特許文献2においては、金型のキャビティ内に樹脂を充填して樹脂成形体を形成した後に、金型の転写面と樹脂成形体表面のスキン層の間に隙間を形成し、この隙間に二酸化炭素気体を注入してスキン層を可塑化し、再度保圧を高めて可塑化されたスキン層と転写面を再密着させ、転写面の微細凹凸パターンを精度良く転写させることが提案されている。この方法では、樹脂の流動を伴わずに二酸化炭素気体をスキン層に溶解させることができるため、上述のような流動に伴う外観不良等を低減させることができる。しかしながら、この方法では、金型の転写面と樹脂成形体表面のスキン層の間に隙間を形成し、その後、転写面を再密着させるために転写面周囲に可動部が必要となり、気密性を保つことが難しく、可動部からの二酸化炭素気体のリーク等の問題が生じ、安定して、高圧ガスを注入することができない。さらに、樹脂流動後に保圧によって圧力を負荷させると、樹脂の流入口であるゲート部近傍のみに応力が集中し、転写面に均一に圧力を負可させることができないといった問題が生じる。
また、特許文献2記載の方法による問題点を改善するために、特許文献3に示すように、樹脂母材シートを金型に形成された転写面に押し付けるためのトグル式プレス駆動部を使用し、密閉された金型キャビティ内に二酸化炭素気体を注入して樹脂母材シート表面を可塑化し、次いでプレス駆動部によって金型転写面に樹脂母材シートを押し付けて転写面の微細パターンを樹脂母材シート表面に転写させることが提案されている。この場合は、樹脂母材シートに二酸化炭素気体を含浸させることで可塑化が促進されるため、従来の熱インプリント法のように、樹脂や金型を高温に加熱せずに低温で微細パターンを転写することができるため、成形時間の短縮が期待できる。しかしながら、高圧ガスに耐えるだけの密閉金型キャビティ内に、樹脂母材シートを金型に形成された転写面に押し付けるためのトグル式プレス駆動部が必要であり、しかも、高圧を維持するために、その密閉性を確保したまま駆動させる必要があるために装置が複雑かつ高価となるといった問題が生じる。
特許第3096904号公報 特許第3445778号公報 特開2006−175755号公報
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、二酸化炭素気体の高圧を維持しながら駆動させるための複雑な駆動装置を用いずに、短時間で、樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写できる樹脂成形品を製造する製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも1つ以上の転写面を有する金型と、前記金型の転写面に対向して配設されかつ前記金型の転写面が転写される樹脂成形体を保持する樹脂成形体保持部とを収容する第1密閉槽と、前記樹脂成形体保持部を一端に有し、前記樹脂成形体保持部を前記金型の転写面に対して移動可能に取り付けられる可動部材と、前記可動部材の一端と反対側の他端である押圧部を前記金型の転写面に向けて押圧する押圧手段と、前記第1密閉槽内に前記樹脂成形体に含浸させる二酸化炭素気体を供給する供給口と前記二酸化炭素気体を第1密閉槽から排出する排出口とを有する樹脂成形品の製造装置であって、
前記可動部材の他端は、前記第1密閉槽と中間壁を介して連結された第2密閉槽内に収容され、
前記可動部材の前記樹脂成形体保持部と前記押圧部との間の中間部は、前記中間壁を貫通して移動可能に前記中間壁に取り付けられ、
前記押圧手段は、前記第2密閉槽内に供給される気体の圧力によって前記可動部材の前記押圧部を押圧して前記可動部材を移動させる押圧手段であり、
前記可動部材を移動させて前記樹脂成形体保持部上に保持された樹脂成形体の表面に前記金型の転写面を転写して樹脂成形品を製造することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記第2密閉槽に供給される気体は、二酸化炭素気体であり、前記第1密閉槽に供給される二酸化炭素気体と等圧の二酸化炭素気体を供給して前記樹脂成形体に二酸化炭素気体を含浸させることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記第1密閉槽に供給される二酸化炭素気体のガス圧をP1、前記第2密閉槽に供給される気体のガス圧をP2としたとき、P2>P1とすることによって前記可動部材の前記押圧部を押圧して、前記金型の転写面に前記樹脂成形体を押圧し、P2<P1とすることによって前記金型の転写面から樹脂成形体を離間、剥離するように前記可動部材を移動させることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記可動部材における前記樹脂成形体保持部の樹脂成形体保持面の面積をS1、前記可動部材における前記押圧部の被押圧面の面積をS2としたときに、S1とS2の関係が、S1<S2であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記中間壁と前記可動部材の押圧部との間に、弾性部材を配設し、前記第2密閉槽内に気体を供給して前記可動部材の押圧部を前記金型の転写面に向けて移動させたときに、当該弾性部材を押圧し、及び前記第2密閉槽内の気体の圧力を減圧したときに、前記弾性部材の弾性回復力によって、前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面から剥離させることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記第1密閉槽と前記第2密閉槽にそれぞれ各槽内温度を制御する第1及び第2温度制御装置を備え、前記第1密閉槽と前記第2密閉槽に等圧の気体が供給された場合に、前記第1密閉槽の槽内温度T1、前記第2密閉槽の槽内温度T2としたとき、T1<T2となるように、前記第1及び第2温度制御装置を制御して前記第2密閉槽内の気体の膨張に伴って前記可動部材を移動させて前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面に押圧させて前記金型の転写面を当該樹脂成形体表面に転写させることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
前記中間壁は、断熱部材で形成されていることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、少なくとも1つ以上の転写面を有する金型と樹脂成形体とを収容する第1密閉槽内に二酸化炭素気体を供給して前記樹脂成形体に前記二酸化炭素気体を含浸させ、その後、前記金型の転写面に前記樹脂成形体表面を押圧して、前記転写面を前記樹脂成形体の表面に転写する樹脂成形品の製造方法において、
請求項1乃至7のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置を使用し、
前記第2密閉槽内に気体を供給して前記可動部材を前記金型の転写面に向かって移動させ、前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面に押圧させて前記転写面を前記樹脂成形体の表面に転写したのち、前記第2密閉槽内の気体を減圧させて、前記可動部材を前記金型の転写面から離間する方向に移動させて、前記樹脂成形体を前記転写面から剥離することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8記載の樹脂成形品の製造方法において、
前記金型の転写面を前記樹脂成形体の表面に転写する工程から前記金型の転写面から前記樹脂成形体を剥離する工程の間、前記第1密閉槽の槽内温度を一定温度に維持していることを特徴とする。
本発明によれば、可動部材の他端(押圧部)は、第1密閉槽と中間壁を介して連結された第2密閉槽内に収容され、前記可動部材の中間部は、前記中間壁を貫通して移動可能に前記中間壁に取り付けられ、押圧手段は、前記第2密閉槽内に供給される気体の圧力によって前記可動部材の他端(押圧部)を押圧して前記可動部材を移動させる押圧手段であり、前記可動部材を移動させて前記樹脂成形体保持部上に保持された樹脂成形体の表面に前記金型の転写面を転写して樹脂成形品を製造することによって、二酸化炭素気体の高圧を維持しながら駆動させるための複雑な駆動装置を用いずに、短時間で、樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写できる樹脂成形品を製造する製造装置及び製造方法を提供することができる。
本発明者は、二酸化炭素気体を樹脂中に溶解させることによって生じる可塑化効果を利用して微細な凹凸パターンや光学鏡面等が形成された転写面を樹脂成形体の表面に転写して樹脂成形品を製造する場合、二酸化炭素気体の高圧を維持しながら駆動させるための複雑な駆動装置を用いずに、短時間で、樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写できる樹脂成形品を製造する方法について種々検討を行った。
その結果、密閉容器内に高圧の二酸化炭素気体を注入して樹脂成形体の表面を可塑化して樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写する際に、前記密閉容器を中間壁で第1及び第2の二つの密閉槽に分割し、樹脂成形体を転写面に押圧する可動部材をこれらの第1及び第2の密閉槽内で移動可能にした製造装置とすれば、密閉槽外に二酸化炭素気体をリークする可動部を形成する必要がなく、簡素な構造で確実に高圧を維持することができることに思い立った。
即ち、可動部材は、一端が転写面を有する金型の前記転写面が転写される樹脂成形体を保持する樹脂成形体保持部であり、他端が可動部材を金型の転写面に向かって押圧する押圧部であり、これら樹脂成形体保持部と押圧部とを中央部で結合した構造を有するものである。ここで、樹脂成形体保持部は、転写面を有する金型とともに、第1密閉槽内に配され、押圧部は第2密閉槽内に配され、中央部は前記中間壁を貫通して可動部材が金型の転写面に向かって、又は金型の転写面から離れるように移動できるように配されている。なお、樹脂成形体保持部は第1密閉槽内での移動に限られ、押圧部は第2密閉槽内での移動に限られるものである。
そして、前記第1及び第2の2つの密閉槽内に二酸化炭素気体を供給し、第1密閉槽内で、樹脂成形体保持部に保持された樹脂成形体の表面を二酸化炭素気体で可塑化するとともに、第1及び第2密閉槽内の二酸化炭素気体の圧力を調整することで、可動部材を動かし、樹脂成形体を金型転写面に押圧させ、その後剥離するようにした製造装置とすることによって、二酸化炭素気体の高圧を維持しながら駆動させるための複雑な駆動装置を用いずに、短時間で、樹脂成形体表面に微細な凹凸パターンが形成された金型転写面を高精度に転写できる樹脂成形品を製造することが可能となることを究明し、本発明を完成するに至った。
以下、図面を参照して、本発明による実施形態について説明する。
図1は、本発明による一実施形態で使用する樹脂の構造を示す断面図であり、(a)は微細パターン転写前の樹脂成形体を示す図、(b)はパターン転写後の樹脂成型品を示す図である。本実施形態においては、図1(a)に示すようなポリメチルメタクリレート樹脂(以下PMMA:軟化温度105℃)を成形して得られた厚さ1mmのシート状樹脂成形体101を用いた。そして、この樹脂成形体101の表面に、ピッチ2μm深さ1μmのL&S(ラインアンドスペース)パターンが形成された金型転写面を押しつけて、転写させ、図1(b)に示すような樹脂成形体101表面に凹凸パターン102が転写された樹脂成形品103を作製した。なお、ここでは、図1(a)に示す転写前の樹脂と、図1(b)に示す転写後の樹脂とを区別するために、金型転写面が未転写のものを樹脂成形体101、金型転写面が転写されたものを樹脂成形品103と記すこととする。
本発明で使用される樹脂成形体101には、図1(a)に示されるように、微細パターンが形成されている必要はなく、略最終形状、すなわち微細パターンが転写される部分以外の部分が最終形状であればよい。従って、樹脂成形体101の作製においては、特別な工夫なく容易に低コストで作製することができる。更に、樹脂成形体101の作製は、微細パターンの転写工程と同時に並行して実施することが可能であり、工程が増えることによる成形サイクルの増加は生じない。
また、本発明においは、樹脂成形体101は、上記PMMAに限らず任意であり、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を選択することができる。この場合、樹脂成形体101は、前記熱可塑性樹脂の単層体、これらの樹脂の異なる材質からなる複数の層で形成されたもの、或いは、硬化性樹脂の表面を前記熱可塑性樹脂で被覆した物等が適当に使用することができる。また、その形状もシート状に限らず、板状、レンズ状等種々の形状を採用することが可能である。
次に、本発明による第1実施形態に係る樹脂成形品の製造装置について、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、本発明による第1実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の概略構成を示す断面図である。本実施形態に係る製造装置1は、高圧の二酸化炭素気体雰囲気内で樹脂成形体101を金型2表面に形成された微細凹凸パターン(L&Sパターン)を有する転写面3に押し付け、その後、転写面3から樹脂成形体101を剥離させることができる構造となっている。
具体的には、高圧二酸化炭素気体を密閉することが可能な金属製の密閉容器4が用意され、密閉容器4は、金属材料や断熱材料(例えばセラミックス)で形成された中間壁5によって、第1密閉槽6と第2密閉槽7に分割されている。中間壁5の中央部には貫通孔5aが形成されており、この貫通孔5a内にI字状の可動部材8の中央部8aが貫通して、可動部材8が矢印で示すように上下方向に移動可能なように取り付けられている。そして、第1密閉槽6内の可動部材8の一端は樹脂成形体101を固定、保持する樹脂成形体保持部9を形成し第1密閉槽6内に収容されている。一方、樹脂成形体保持部9と対向する第1密閉槽6の内壁面6aには、微細凹凸パターンを有する転写面3を備えた金型2が固定されて第1密閉槽6内に収容されている。
第2密閉槽7内の可動部材8の他端は、平坦な被押圧面8b1を有する押圧部8bを形成し第2密閉槽7内に収容されている。そして、押圧部8bは、図2に示すように、第2密閉槽7内に供給される二酸化炭素気体のガス圧で矢印方向に移動され、押圧部8bの移動に伴い、樹脂成形体保持部9も金型2の転写面3に向かってまた転写面3から離間して移動可能となっている。
第1密閉槽6及び第2密閉槽7には、それぞれ高圧の二酸化炭素気体を供給するための第1供給管10、第2供給管11及び二酸化炭素気体を排出するための第1排出管12、第2排出管13が接続されている。そして、第1供給管10、第2供給管11は1個の増圧装置14を介して1個の二酸化炭素ボンベ15に接続されている。また、第1供給管10及び第2供給管11には、それぞれ開閉可能な第1供給弁16、第2供給弁17が備えられており、第1供給弁16及び第2供給弁17の開閉によって、適宜、増圧装置14によって所定圧力、温度に制御された二酸化炭素気体がそれぞれ第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に供給されるようになっている。一方、第1排出管12、第2排出管13の取り付け口には、それぞれ第1密閉槽6及び第2密閉槽7内の二酸化炭素気体の減圧速度調整可能な第1減圧弁18、第2減圧弁19が備えられていて、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内の気体の圧力を一定圧力に維持、もしくは所定速度で減圧できるようになっている。また、第2排出管13には、第2密閉槽7内の気体を吸引できるような真空吸引装置20が接続されている。更に、第1密閉槽6及び第2密閉槽7の外周壁部6b,7bには、適宜、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内の槽内温度をそれぞれ、独立して所定温度に維持可能なような第1温度調節器21及び第2温度調節器22が備えられている。本実施形態においては、これらの第1及び第2温度調節器21、22としては、カートリッジヒーターを用いている。
本実施形態においては、樹脂成形体101及び金型2を第1密閉槽6に配置しているが、第2密閉槽7に配置されていてもかまわない。また、樹脂成形体101と金型3の取り付け位置が反転されていてもかまわない。
次に、上記製造装置を使用して樹脂成形品を製造する方法について、図3に基づいて説明する。図3は、本発明による第1実施形態に係る製造装置を使用して樹脂成形品を製造する工程を示す摸式図で、(A)は、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に二酸化炭素気体を供給する工程を示す図である。(B)は、可動部材8を上昇させて金型の転写面3を樹脂成形体101に転写する工程を示す図、(C)は、樹脂成形体101から二酸化炭素気体を放出させて固化させる工程を示す図、(D)は、金型の転写面3から樹脂成形体101を剥離する工程を示す図である。
本発明による一実施形態における樹脂成形品の製造方法においては、次に示す(1)〜(4)の工程順で製造を行っている。
(1)先ず、図3(A)に示すように、第1密閉槽6の上方を開放して可動部材8の一端の樹脂成形体保持部9上に樹脂成形体101を固定した後、第1密閉槽6の上方を塞ぎ、次いで、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に、 第1供給弁16、第2供給弁17を開放して、所定圧に増圧された二酸化炭素気体を貯蔵している増圧装置14から高圧の二酸化炭素気体(CO)を注入する。この場合、第1密閉槽6内の圧力:P1=第2密閉槽7内の圧力P2となるように第1供給弁16、第1供給弁17で供給量が調整されている。(この場合には、第1供給管10と第2供給管11とが増圧装置14と第1及び第2供給弁16、17との間で連結されているので、第1及び第2供給弁16、17は、共に全開状態にされている。)このように、第1密閉槽6内の圧力:P1=第2密閉槽7内の圧力P2となっているため、可動部材8は殆んど移動せず、樹脂成形体101の表面と金型2の転写面3とは接触していない。その結果、樹脂成形体101は、その表面から二酸化炭素気体Gが含浸され可塑化される。ここで、第1密閉槽6と第2密閉槽7内の槽内温度T1、T2は、予め使用される樹脂成形体101樹脂の軟化温度以下の所望温度となるように、温度調節器21、22で昇温してある。なお、温度調節器21及び22は、独立した別体とすることなく、一体の温度調節器であっても良い。
(2)次に、第1供給弁16を閉じ、第2供給弁17のみを開放し、第2密閉槽7内のガス圧力のみ更に増圧する。この時、第1密閉槽6内の圧力:P1<第2密閉槽7内の圧力:P2となるため、可動部材8は、第2密閉槽7のガス圧P2で押圧部8bが上方に押圧されて第1密閉槽6側に移動(矢印A方向)する。この可動部材8のガス圧による押圧部8bの上方への移動に伴い、可動部材8の樹脂成形体保持部9に取り付けられ、表面が二酸化炭素気体によって可塑化された樹脂成形体101が金型2の転写面3に当接し、更に、可塑化された樹脂成形体101に押圧力が負荷される。その結果、金型の転写面3に形成されたパターンが樹脂成形体101表面に転写される。この時、第1密閉槽6内の圧力が一定に維持されるように、第1減圧弁18で調整されている。
(3)続いて、第1減圧弁18を開放し、第1密閉槽6内の圧力を大気圧まで減圧させることで、樹脂成形体101から二酸化炭素気体Gを放出させ、固化させる。この場合に、第2密閉槽7のガス圧P2が第1密閉槽6のガス圧P1より高圧となっているため、ガス圧P2により樹脂成形体101が転写面3に押圧するので、樹脂成形体101から効果的に二酸化炭素気体Gを放出することが可能となる。
(4)さらに、第2減圧弁19を開放し、真空吸引装置20で第2密閉槽7内の二酸化炭素気体Gを吸引して、第2密閉槽7内の圧力を大気圧以下とする。これによって、第1密閉槽6内の圧力:P1>第2密閉槽7内の圧力:P2となり、可動部材8は、第2密閉槽6側に吸引、移動され(矢印B)、樹脂成形体101を金型の転写面3から剥離する。その後、第1密閉槽6の上部を開放して表面に微細パターン102が転写された樹脂成形体101を樹脂成形体保持部9から取り出して樹脂成形品103(図1(b)参照)を得ることができる。
なお、上述の工程においては、樹脂成形体101中への二酸化炭素気体Gの溶解、放出によって、樹脂成形体101を可塑化、固化させているため、第1密閉槽6と第2密閉槽7内の温度T1及びT2は、工程(1)〜(4)の間で金型2及び樹脂成形体101に対して従来のように加熱及び冷却処理を実施する必要はなく、一定温度を維持させているだけでも充分に樹脂成形品103を製造することが可能である。従って、上記加熱及び冷却処理を不要とするので、短時間で樹脂成形体101の表面に高精度で微細パターンを転写、形成することが可能となる。
因みに、上記実施形態においては、工程(1)では、ガス圧:10MPa、温度:40℃の二酸化炭素気体を第1密閉槽6、第2密閉槽7内の注入し、樹脂成形体101中に二酸化炭素気体を溶解させた。なお、この時の第1密閉槽6及び第2密閉槽7内の温度も40℃になるように、温度調節器21、22によって維持させた。
また、工程(2)では、第2密閉槽7のみを15MPaまで増圧させ、可動部材8を第1密閉槽6の方向(A方向)に移動させ、樹脂成形体101を金型の転写面3に約30秒間押し付けた。この時、第1密閉槽6と第2密閉槽7は容積が変化するが、それに伴う第1密閉槽6内の圧力に変化が生じないように第1減圧弁18で調節した。一方、第1密閉槽6及び第2密閉槽7の温度は常に40℃で一定としている。その後、工程(3)にて、第1密閉槽6を大気圧まで減圧させることで、樹脂成形体101から二酸化炭素気体を放出し固化させた。次いで、工程(4)にて、第2密閉槽7内の二酸化炭素気体Gを真空吸引装置20で吸引し、第2密閉槽7内のガス圧を大気圧以下に減圧し、可動部材8を第2密閉槽7の方向(矢印B)に吸引、移動させ、樹脂成形体101を金型2の転写面3から剥離させた。この時の転写結果をAFM(原子間力顕微鏡)で測定した結果を図4に示す。この結果から明らかなように、金型の転写面3の微細凹凸パターンAと樹脂成形品103の微細凹凸パターンBは、ほぼ100%同一パターンとなっており、金型の転写面3に樹脂成形体101が隅々まで充填できていることがわかる。
本実施形態においては、樹脂成形体101中への二酸化炭素気体の溶解による可塑化効果を利用することによって、樹脂表面に微細な凹凸パターンを精度良く転写させることができた。この場合に、金型温度を使用樹脂の軟化温度以上の高温にすることなく、かつ一定温度(本実施形態では40℃)での転写が可能であるために、二酸化炭素気体Gの溶解、維持、放出、離型の工程(1)から工程(4)までのプロセスの成形時間は5分以下の非常に短時間で転写させることができた。
また、二酸化炭素気体のガス圧を利用しているため、樹脂成形体101を金型2の転写面3に押圧するための手段としての特別な駆動装置は不要であり、装置自体をコンパクトな構成で低コストなものとすることができる。また、可動部材8は、密閉容器4内で移動するため、容易に高圧を維持し、密閉性を確保しながら可動部材8を移動させ押圧力を負荷させることができる。押圧時の速度、押圧力は、第1供給弁16、第2減圧弁19、第2供給弁17等で第2密閉槽7内のガス圧力を調整することで、適宜調整することができる。また、ガス圧を用いて可動部材8を移動、押圧させているため、圧力は、金型2の転写面3に対して均一に負荷させることができる。
なお、上記実施形態においては、第2密閉槽7内に供給される気体として、第1密閉槽6内に供給される二酸化炭素気体Gを1個の増圧装置14から分給して使用しているが、第1密閉槽6内に供給される二酸化炭素気体Gから独立した増圧装置を使用して二酸化炭素気体Gを供給するようにしてもよい。また、第2密閉槽7内に供給される気体として、空気、窒素ガス等の二酸化炭素気体と別種の気体を使用することも可能である。しかしながら、第2密閉槽7内に供給される気体として、第1密閉槽6内に供給される二酸化炭素気体Gから分給される二酸化炭素気体Gを使用する場合には、可動部材8の中央部8aと中間壁5の貫通孔5aとのクリアランスから第2密閉槽7内の気体が第1密閉槽6内にリークしても樹脂成形体101に対する二酸化炭素気体による可塑化に悪影響を与えることを抑制することが可能となるので好適である。
上記実施形態においては、第1密閉槽6と第2密閉槽7に、同圧力の二酸化炭素気体を注入し、第1密閉槽6に配置された樹脂成形体101に二酸化炭素気体を含浸させることにようにしている。このように、同圧力の二酸化炭素気体を第1密閉槽6と第2密閉槽7に注入することによって、所望のガス圧を維持させ、確実に樹脂成形体101を可塑化させることができる。
また、上記実施形態においては、第1密閉槽6内の二酸化炭素気体のガス圧P1、第2密閉槽7内の二酸化炭素ガス圧P2としたときに、P1<P2とすることで、可動部材8を第1密閉槽6の方向に移動させ、樹脂成形体101と金型の転写面3を接触させ、押圧力を負荷させ、次いで、P1>P2として樹脂成形体101と金型の転写面3を剥離させるようにしている。このように、第1密閉槽6と第2密閉槽7内のガス圧を変化させることによって可動部材8を密閉容器4内で移動することとなるため、容易に高圧を維持し、密閉性を確保しながら可動部材8を移動させて樹脂成形体101に押圧力を負荷させることができる。
また、上記実施形態においては、樹脂成形体101を金型の転写面3に押し付けて転写する工程から樹脂成形体101を金型の転写面3から剥離する工程の間、第1及び第2密閉槽6,7の槽内温度は一定温度としている。このように、樹脂成形体101に転写面を適切に転写するために従来行われた樹脂成形体101及び金型2の加熱及び冷却処理工程を必要としないため、非常に短い成形時間で加工することができる。
以上のように、上記実施形態においては、高圧の二酸化炭素気体を注入可能な密閉容器4を固定された中間壁5で第1密閉槽6と第2密閉槽7とに分割し、第1密閉槽6と第2密閉槽7内の二酸化炭素気体のガス圧力を調整して中間壁5を貫通して配置された可動部材8を移動させ、樹脂成形体101を金型の転写面3に押し付けることによって、樹脂成形体101の表面に金型の転写面3を転写するようにしている。その結果、樹脂成形体101を金型の転写面3に押圧するための手段としての、高価な特殊構造の駆動装置が不要であり、製造装置自体をコンパクトな構成で低コストなものとすることができる。
次に、本発明による第2実施形態に係る樹脂成形品の製造装置について、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、本発明による第2実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の概略構成を示す断面図である。図6は、本発明による第2実施形態に係る製造装置を使用して樹脂成形品を製造する工程を示す摸式図で、(A)は、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に二酸化炭素気体を供給する工程を示す図である。(B)は、金型の転写面から樹脂成形体を剥離する工程を示す図である。
この第2実施形態に係る製造装置は、前述の第1実施形態に係る製造装置とは、図5に示すように、可動部材8の樹脂成形体保持部9の保持面9aの面積S1と、押圧部8bの被押圧面8b1の面積S2が異なり、S1<S2となるように構成されている点、及び、第2密閉槽7側の中間壁5と可動部材8の押圧部8bとの間に中央部に可動部材8の中央部8aを貫通する貫通孔23aを有する弾性部材23を配設している点で相違する。
このように、可動部材8の樹脂成形体保持部9の保持面9aの面積S1と、押圧部8bの被押圧面8b1の面積S2とをS1<S2とすることによって、図6(A)に示すように、第1密閉槽6と第2密閉槽7に同一の圧力:Pの高圧二酸化炭素気体Gを注入したときに、S1に負荷される荷重F1とS2に負荷される荷重F2は、それぞれF1=P×S1、F2=P×S2となる。即ち、F1<F2となるため、弾性部材23が圧縮されるとともに、可動部材8を第1密閉槽(6)の方向(A方向)に移動して、可動部材8の樹脂成形体保持部9上に固定された樹脂成形体101を金型2に形成された転写面3に押圧して、樹脂成形体101の表面に高精度で転写面3を転写することが可能となる。
この場合、可動部材8を第1密閉槽(6)の方向(A方向)に移動することによって、中間壁5と可動部材8の押圧部8bとの間に配設された弾性部材23が中間壁5と可動部材8の押圧部8bとで挟圧されて圧縮される。その後、図6(B)で示すように、第1減圧弁18、第2減圧弁19を開放し、第1密閉槽6と第2密閉槽7を大気圧にした場合には、圧縮された弾性部材23が回復する力によって、可動部材8が第2密閉槽7の方向(B)に強制移動し、樹脂成形体101を金型2に形成された転写面3から適切に剥離させることができる。
このように、この第2実施形態においては、第1密閉槽6と第2密閉槽7の二酸化炭素気体の圧力を個々に制御する必要がなく、同じ圧力でも可動部材8を押圧移動させることが可能となる。さらに弾性部材の回復力によって、適切に剥離動作を実施することができるため、製造装置1を非常に簡素化させ低コストなものとすることができる。また、第1密閉槽6と第2密閉槽7は常に同一の圧力であるため、中間壁5と可動部材8の間の摺動面にクリアランスがあったとしても、第1密閉槽6の圧力を確実に維持することができる。樹脂成形体101を金型2に形成された転写面3から剥離する場合においても、弾性部材23の回復力によって、圧力を制御することなく、減圧するだけで実施することができる。また、本実施形態においては、S1とS2の面積比を変えること、もしくは、弾性部材23の材質(硬度)を返ることで、押圧力を任意に変えることができる。
因みにこの第2実施形態においては、弾性部材23として熱硬化性樹脂であるシリコーン樹脂を用いたがこれに限定されるものではない。
次に、本発明による第3実施形態に係る樹脂成形品の製造装置について、図1に基づいて説明する。
この第3実施形態においては、前述の図1で示す製造装置を使用するが、第1密閉槽6と第2密閉槽7は、それぞれ別々に温度制御され温度調節器21、22を使用している。そして、第1密閉槽6と第2密閉槽7の槽内温度を異なるように制御して、槽内温度差に基づいて可動部材8を移動させるようにしている。
即ち、この第3実施形態においては、第1密閉槽6と第2密閉槽7に同一圧力の高圧二酸化炭素気体を注入後、温度調節器21、22によって、第1密閉槽6内の槽内温度T1と第2密閉槽7内の槽内温度T2がT1<T2となるように別々に制御している。第2密閉槽7内の温度T2が第1密閉槽6内の温度T1より高くなるため、同一圧力の二酸化炭素気体を注入した場合でも、槽内温度が高くなるように設定された第2密閉槽7においては、二酸化炭素気体が膨張して第2密閉槽の容積が大きくなるように、可動部材8は第1密閉槽6の方向に移動する。
その結果、第1密閉槽6に配置された樹脂成形体101と金型2に形成された転写面3が接触し、樹脂成形体101に押圧力を負荷することができる。また、その後は、第1実施形態の場合と同様に、第2減圧弁19を開放し、真空吸引装置20で第2密閉槽7内の圧力を大気圧以下とすることによって、樹脂成形体101と転写面3を剥離させることができる。本実施形態においても、第1密閉槽6と第2密閉槽7を別個、独立した温度に制御しているが、各々の槽の温度T1、T2は、樹脂成形体を軟化させ、硬化させるための工程中に加熱及び冷却処理を行う必要ない。その結果、二酸化炭素気体によって樹脂成形体101を可塑化しているので、前記槽内温度T1、T2は比較的低温で転写処理が可能となり、短時間での加工が可能である。
また、第2密閉槽7の二酸化炭素気体を真空吸引しなくても、T1>T2として第1密閉槽6と第2密閉槽7の温度を逆転させることで、可動部材8を第2密閉槽7の方向に移動させ、剥離することも可能である。この場合は、真空吸引装置20が不要となる。
また、この第3実施形態の場合は、第1密閉槽6と第2密閉槽7の二酸化炭素気体の圧力を第1及び第2供給弁16,17並びに第1及び第2減圧弁18、19で個々に制御する必要がなく、第1密閉槽6と第2密閉槽7の槽内温度を変えるだけで、押圧力やそのスピードを制御することができる。
また、この第3実施形態においては、第1密閉槽6と第2密閉槽7を分割している中間壁5をセラミック材等の断熱部材で形成することが望ましい。それによって、第1密閉槽6から第2密閉槽7への熱伝達を低減させることができ、それぞれの温度を独立して精度良く制御することができ、確実な動作を実施することができる。
これまで説明してきた本発明による第1〜第3実施形態については、どれか2つの組み合わせ、もしくは3つを組み合わせて実施することも可能である。また、各実施形態に示した微細パターンの形状は、転写への適用に限定されるものではなく、例えば光学鏡面への転写等その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
本発明による一実施形態で使用する樹脂の構造を示す断面図であり、(a)は微細パターン転写前の樹脂成形体を示す図、(b)はパターン転写後の樹脂成型品を示す図である。 本発明による第1実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の概略構成を示す断面図である。 本発明による第1実施形態に係る製造装置を使用して樹脂成形品を製造する工程を示す摸式図で、(A)は、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に二酸化炭素気体を供給する工程を示す図、(B)は、可動部材を上昇させて金型の転写面を樹脂成形体に転写する工程を示す図、(C)は、樹脂成形体から二酸化炭素気体を放出させて固化させる工程を示す図、(D)は、金型の転写面から樹脂成形体を剥離する工程を示す図である。 本発明による第1実施形態に係る製造装置を使用して樹脂成形品及び金型の転写面の断面深さをAFMで測定したグラフ図である。 本発明による第2実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の概略構成を示す断面図である。 本発明による第1実施形態に係る製造装置を使用して樹脂成形品を製造する工程を示す摸式図で、(A)は、第1密閉槽6及び第2密閉槽7内に二酸化炭素気体を供給する工程を示す図である。(B)は、金型の転写面から樹脂成形体を剥離する工程を示す図である。
符号の説明
1 製造装置
2 金型
3 転写面
4 密閉容器
5 中間壁
6 第1密閉槽
7 第2密閉槽
8 可動部材
8a 中央部
8b 押圧部
8b1 被押圧面
9 樹脂成形体保持部
10 第1供給管
11 第2供給管
12 第1排出管
13 第2排出管
14 増圧装置
15 二酸化炭素ボンベ
16 第1供給弁
17 第2供給弁
18 第1減圧弁
19 第2減圧弁
20 真空吸引装置
21,22 温度調節器
23 弾性部材
101 樹脂成形体
102 凹凸パターン
103 樹脂成形品

Claims (9)

  1. 少なくとも1つ以上の転写面を有する金型と、前記金型の転写面に対向して配設されかつ前記金型の転写面が転写される樹脂成形体を保持する樹脂成形体保持部とを収容する第1密閉槽と、前記樹脂成形体保持部を一端に有し、前記樹脂成形体保持部を前記金型の転写面に対して移動可能に取り付けられる可動部材と、前記可動部材の一端と反対側の他端である押圧部を前記金型の転写面に向けて押圧する押圧手段と、前記第1密閉槽内に前記樹脂成形体に含浸させる二酸化炭素気体を供給する供給口と前記二酸化炭素気体を第1密閉槽から排出する排出口とを有する樹脂成形品の製造装置であって、
    前記可動部材の他端は、前記第1密閉槽と中間壁を介して連結された第2密閉槽内に収容され、
    前記可動部材の前記樹脂成形体保持部と前記押圧部との間の中間部は、前記中間壁を貫通して移動可能に前記中間壁に取り付けられ、
    前記押圧手段は、前記第2密閉槽内に供給される気体の圧力によって前記可動部材の前記押圧部を押圧して前記可動部材を移動させる押圧手段であり、
    前記可動部材を移動させて前記樹脂成形体保持部上に保持された樹脂成形体の表面に前記金型の転写面を転写して樹脂成形品を製造することを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  2. 請求項1記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記第2密閉槽に供給される気体は、二酸化炭素気体であり、前記第1密閉槽に供給される二酸化炭素気体と等圧の二酸化炭素気体を供給して前記樹脂成形体に二酸化炭素気体を含浸させることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  3. 請求項1又は2記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記第1密閉槽に供給される二酸化炭素気体のガス圧をP1、前記第2密閉槽に供給される気体のガス圧をP2としたとき、P2>P1とすることによって前記可動部材の前記押圧部を押圧して、前記金型の転写面に前記樹脂成形体を押圧し、P2<P1とすることによって前記金型の転写面から樹脂成形体を離間、剥離するように前記可動部材を移動させることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記可動部材における前記樹脂成形体保持部の樹脂成形体保持面の面積をS1、前記可動部材における前記押圧部の被押圧面の面積をS2としたときに、S1とS2の関係が、S1<S2であることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記中間壁と前記可動部材の押圧部との間に、弾性部材を配設し、前記第2密閉槽内に気体を供給して前記可動部材の押圧部を前記金型の転写面に向けて移動させたときに、当該弾性部材を押圧し、及び前記第2密閉槽内の気体の圧力を減圧したときに、前記弾性部材の弾性回復力によって、前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面から剥離させることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記第1密閉槽と前記第2密閉槽にそれぞれ各槽内温度を制御する第1及び第2温度制御装置を備え、前記第1密閉槽と前記第2密閉槽に等圧の気体が供給された場合に、前記第1密閉槽の槽内温度T1、前記第2密閉槽の槽内温度T2としたとき、T1<T2となるように、前記第1及び第2温度制御装置を制御して前記第2密閉槽内の気体の膨張に伴って前記可動部材を移動させて前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面に押圧させて前記金型の転写面を当該樹脂成形体表面に転写させることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置において、
    前記中間壁は、断熱部材で形成されていることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  8. 少なくとも1つ以上の転写面を有する金型と樹脂成形体とを収容する第1密閉槽内に二酸化炭素気体を供給して前記樹脂成形体に前記二酸化炭素気体を含浸させ、その後、前記金型の転写面に前記樹脂成形体表面を押圧して、前記転写面を前記樹脂成形体の表面に転写する樹脂成形品の製造方法において、
    請求項1乃至7のいずれか1項記載の樹脂成形品の製造装置を使用し、
    前記第2密閉槽内に気体を供給して前記可動部材を前記金型の転写面に向かって移動させ、前記可動部材の樹脂成形体保持部上の樹脂成形体を前記金型の転写面に押圧させて前記転写面を前記樹脂成形体の表面に転写したのち、前記第2密閉槽内の気体を減圧させて、前記可動部材を前記金型の転写面から離間する方向に移動させて、前記樹脂成形体を前記転写面から剥離することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  9. 請求項8記載の樹脂成形品の製造方法において、
    前記金型の転写面を前記樹脂成形体の表面に転写する工程から前記金型の転写面から前記樹脂成形体を剥離する工程の間、前記第1密閉槽の槽内温度を一定温度に維持していることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
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